牛
Ⅱ死に至る病
Ⅱ死に至る病 その3
エバンズ「船匠のところへ運んで――弔いの準備を…」
オファレル「頭を殴れ。一撃で決めろ。頭骨をカチ割れ。俺が喉をかき切る。」
ランケ「ここを?」
オファレル「ああ。早くしないと暴れだすぞ。大丈夫かい?」
ミルロイ「チャールズは牧場育ちじゃないからな。」
オファレル「靴を汚すなよ。」
家畜の存在意義
船上の食事は主に保存の効く塩漬けの干し肉や豆、ビスケット(乾パン)など。しかし干し肉といえども長期間保存ができたわけではなく、航海が長くなると腐った干し肉を食べなければいけなかった。野菜・果物などのビタミン源もほとんどないため、船では赤痢や壊血病が流行ったという。
これらは生きた家畜を乗せてその都度屠殺して新鮮な肉を食すことで対策が取られていたが(肉にもビタミンがあるため有効な補給手段といえる)、海が荒れている時は船火事が起こる危険があるため火を扱う料理はできなかったという。特に下級乗組員である水夫達は生活環境の悪さも相乗して栄養不足の煽りを真っ先に受けることになった。
ソロマン・サイドや
レンフレッド・ラージューブは上記の病気でないものの、そういった背景による関連死だったといえる。2人の死が栄養補給のために行われる牛の屠殺から連鎖的に見られるものであることは、全く無関係ではなかったのかもしれない。
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最終更新:2023年03月01日 21:32