土蜘蛛

・部族としての土蜘蛛

 古に、天皇への恭順を表明しない土着の民族などに対する蔑称の一つが土蜘蛛である。【例:など】
 土蜘蛛は全国各地にその名で呼ばれた民族が存在していた。
 彼等は横穴式の住居に住んでいたとされる。

 日本に 地べたを這いずる系のクモがいないことから、地べたへ巣をつくる系のクモを指して言った、あるいは、「土着の長」を指すツチギミ(土公)、穴居生活してたのでツチゴモリの転訛と考えられる。あとアイヌの関係のトンチカムイ説も荒俣宏『世界大博物図鑑』1巻の75頁に書いてある。

・妖怪としての土蜘蛛

 時代を経るに従い、土蜘蛛は妖怪として定着していった。
 平安時代に奈良県の大和葛城山に棲んでいたとされる大蜘蛛は、神武天皇に滅ぼされた山の民の怨霊が妖怪となったものであると言われている。
 14世紀頃に書かれた「土蜘蛛草子」では、大蜘蛛の怪物として登場し、源頼光と渡辺綱によって退治されている。 


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最終更新:2021年10月06日 14:16