トロイア戦争
非常に有名な逸話「トロイの木馬」の出典。
トロイア(または「トロイ」)へ
ギリシアの英雄たちが遠征したと言う、古代ギリシアの伝説の一つ。
トロイア戦争の主な出典は、
ホメロス作の叙事詩『イリアス』と『
オデュッセイア』である。
しかし実際には、トロイア戦争に関する叙事詩は、全体で8編あったと伝えられる。これは「叙事詩の環epikoskyklos」と呼ばれていた。ただしその中でも
ホメロスだけは別格扱いで、『イリアス』と『
オデュッセイア』を除いた6編の作者は「環の作者(キュクリコイ)」と呼ばれている。
伝えられている8編は以下のとおり。
古代ギリシア人の間では、
ホメロス作のイリアスと
オデュッセイア以外は、
ホメロスと並べるのもおこがましい出来であって、あまり優れた作品ではなかったらしい。そのため、現在
ホメロスの両作品以外は残っていない。
とはいうものの、叙事詩の美学的価値はともかくとして、その語られる神話伝説の内容は
ホメロスには見られないものが非常に多かったため、後にトロイア戦争の一断片を題にとって作品を作った悲劇作家たちはこれら「叙事詩の環」を参考にしたらしい。
この伝説を信じた考古学者シュリーマンの発掘により、この伝説の中核は実際に起きた事件ではないかとも言われている。
最終更新:2025年05月08日 16:35