油かえし



兵庫県宝塚市に伝わっていた鬼火の類。「中山寺で油を盗んだものの魂」とか「北堤のの嫁入り」だとか「千僧(せんどー)の墓の狼が松明を銜えて通る」とか言われる。

伊丹市の昆陽池の北堤の辺りに初夏の闇夜や寒い冬の夜に灯る火だといい、池の南の千僧の墓から出て、昆明池、瑞々池(ずがいけ)の堤を通り、天神川のほとりから中山へ上るという。

出るときの描写に関し、記述での訛りがきっついので、『日本怪異妖怪事典 近畿』とそれのメイン著者御田鍬が影響*1を受けた村上健司『妖怪事典』*2で、

「パッパッパッパッとつくとオチャオチャオチャオチャと話し声がしトボトボトボトボとセングリセングリと後へかえらずにせいてとぼる」

という原典*3を引く。



参考資料


『日本怪異妖怪事典 近畿』

『妖怪事典』

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最終更新:2025年06月18日 14:34

*1 『日本怪異妖怪事典 近畿』の著者に関する説明のとこで「衝撃を受けた」と

*2 『妖怪事典』18頁

*3 『日本怪異妖怪事典 近畿』197頁