十住心論
(1)
空海が記した人の心が発展していく段階を十に分けたもの。
- ①異生羝羊心:動物のように本能のまま生きる段階。
- ②愚童持斎心:幼児が日常の倫理に目覚めた段階。【儒教?】
- ③嬰童無畏心:幼児に宗教心が芽生え、次第に恐れが無くなっていく段階。【他宗教】
- ④唯蘊無我心:世の中の恐れが『五蘊(色・受・想・行・識)』で出来ている事を悟る。【原始仏教】
- ⑤抜業因種心:自分の苦しみを除くところまでたどり着けるが、その境地では他者を救い出せない段階【原始仏教】
- ⑥他縁大乗心:菩薩のように、全ての人々を救済しようとする慈悲の段階【法相宗】
- ⑦覚心不生心:一切の事は実体が無く『空』である【三論宗】
- ⑧一道無為心:あらゆるものは本来清浄であり対立するものはないと悟る段階【天台宗】
- ⑨極無自性心:現実の世界も理想の世界も同一であると悟る段階【華厳宗】
- ⑩秘密荘厳心:あらゆるものの価値に目覚め、世界の真実の姿に目覚める段階【真言宗】
参考
ナツメ社 図解雑学 『空海』
最終更新:2006年04月28日 00:14