5〜6世紀ごろのケルト人の伝説的な王。
侵入するサクソン人を撃退したブリトン人(ブリテン島に先住していたケルト人)として歴史書などにしるされている。しかしその実在は議論があり、後世につくられた「アーサー王伝説」とよばれる物語の中で人物像が形づくられていった。サクソン人にブリテン島を征服されたケルト人の再興の願いが、アーサーを伝説的な英雄にかえていったと考えられる。
一般的に知られるアーサー王の伝説は、王の生涯や、その家臣である円卓の騎士団が活躍する物語である。王妃と騎士の恋物語や、最後の晩餐で用いられ、キリストの血を受けたといわれる聖杯をさがす物語などがふくまれ、中世以降のヨーロッパ各地で親しまれ、文学をはじめ各芸術作品の題材となっている。