厄災者・北乃を粛正! 光の洗礼

あらすじ

夏の大会を前にして北乃に片付けを押し付けられ、大きなケガをしてしまったパワポケ。
そして代わりのメンバーが北乃に選ばれた。夜の練習後に天月についていき彼女との交流を深めた。
疋田は自分勝手な行状で部員に負担を与えている。
それに我慢できなくなったパワポケは、疋田を力と暴力で叩き潰した。
そして、夏の大会...地方大会の3回戦までは行ったが、鉄砂高校に惨敗してしまった。
こうなったのはパワポケをケガに陥れた北乃のせいである。
人間として、同じ野球部員として許せない! こうなったら北乃をぶっ殺してしまえ!!

パワポケ「あ~早くケガが治らないかなぁ...」

ケガのせいでまだ練習できません。

パワポケは教室へ行き、よく寝た。気がついたら真っ暗になっていた。
今から練習に向かった。そして...

パワポケ「今日も練習きつかったなぁ...」

グラウンド内に天月の姿が

パワポケ「今のは天月? (そういえば一年の時も夜に森で会ったんだよな。)」

パワポケは天月に話しかけた。

パワポケ「おーい、天月!」
天月「パワポケか。こんな遅くまで練習?」
パワポケ「まあね。天月はこんな時間にどこ行くんだ?」
天月「少し気分転換だ。」
パワポケ「俺もついていっていい?」
天月「...別におもしろいことは何もない。」
パワポケ「構わないよ。」
天月「...わかった、では行こう。」

(そして...)

パワポケ「(ふう、結構遠くまで来たな。この辺は断崖絶壁しかない行き止まりのはずだけど...
というか、ここから落ちたら死ぬぞ!?)」
天月「ついたぞ。」
パワポケ「...えっ、ここ!? 断崖絶壁が続くだけで、特に何もないんだけど...」
天月「確かに何も無い所だが、不思議と落ち着くんだ。」
パワポケ「そっ、そう。でも柵もないし危ないんじゃ。」
天月「...それがいいのかも知れない。」
パワポケ「ええっ?」

(ススッ)

天月「...こうして崖の端に立っていると、自分と言う存在の小ささが垣間見えるような気がしないか?」
パワポケ「...?? (いったい何を言ってるのかさっぱりわからないぞ。)
うーん、俺には難しいことはわからないよ。」
天月「そう。すまない、つまらないことを言った。」
パワポケ「別にいいけど...って、そんな端にいったら危ないって! 落ちたらただじゃすまないぞ!」
天月「......そうだな。」

(スススッ)

パワポケ「ふう、何も無くてよかった。」
天月「つき合わせてすまなかった。そろそろ帰ろう。」
パワポケ「もういいのか?」
天月「十分気分転換になった。...いつもとは違う気持ちだけど。」
パワポケ「??? (やっぱり全くわからないけど、天月が嬉しそうだからいいか。)」

そして、7月1週...パワポケは部室に行き、疋田の所へ行った。

パワポケ「あれ? 部室が片付いてないじゃないか。当番は誰だよ。」
疋田「あー、それなら俺っす。いや、一応やったんですよ?
でも、別に毎回毎回きちんとやらなくてもいいじゃないですか。」
パワポケ「...............。くそ、もう勘弁できないぞ。おい疋田!」
疋田「なんですか、先輩。」
パワポケ「お前、わがまますぎるぞ!」

(バキッ!!)

パワポケは疋田の顔を殴り、吹っ飛ばした!

疋田「ぐほぉっ!!」
パワポケ「根性入れなおしてやるぞ!! お前にマイナス特殊能力と不眠症をつけられたプレイヤーたちの分もな!!!」
疋田「根性入れなおしてやる? それは先輩方のほうでしょう。」
パワポケ「まじでぶっ殺すぞてめえ!!!」
疋田「できるんですか? 先輩は勘違いしてますよ。俺は化け物じゃない、人間ですよ。それでも殺せるんですか、この俺を?」

パワポケは疋田にじりじりと近づき...

(ドガン!!)

怒りの拳で部室の壁を殴りつけ、疋田を動揺させた。

パワポケ「それしかねえなら、喜んでやってやるぜクソ野郎!!」
疋田「いいですよ、俺はケンカは強いですからね。
まあ、人間を殺したことはないんでしょ? きっと後味が悪いですよ、へっへっへ。」
パワポケ「ヘドが出るほど嫌な野郎だなてめえは!」
疋田「その誉め言葉、好きですねえ。」

(ピカッ)

パワポケの腕が光り出した。

パワポケ「今度は外さねえ...てめえの頭をぶっ飛ばしてやるっ!!」
疋田「ほ、本気ですか先輩!? よ、よく考えてください先輩!
俺を殺したら退学どころか先輩は刑務所行きですよ!」
パワポケ「そんな先のことなんざ、知ったこっちゃねえ!! 同情しやがれ!!」
疋田「あ...あぁ...!」
パワポケ「最後の忠告だ! すべてのプレイヤーたちに不眠症とマイナス特殊能力を
つけて苦しめたことと、自分のしたことを詫びろ! さもないと...殺す...!」
疋田「わかりました、負けましたよ。改めてまずパワポケさんに詫びますよ。」
パワポケ「本当だろうな?」
疋田「ほ、本当ですよ。」

パワポケは疋田に近づき...

疋田「(あやまるふりをした一瞬のスキで、奴を殺す...!)」
越後「だまされるなパワポケ!」
パワポケ「越後!?」
越後「疋田の声を盗み聞いたぜ! あいつの狙いはあやまるふりをしてぶん殴ることだ!」
疋田「!! ちくしょう!」
パワポケ「てめえ...救えねえよ...」
疋田「うるせえ! このヤロー!!」
パワポケ「うらあぁっ!!」

(ドカバキボコ)

パワポケ「くたばりやがれえーっ!! ちぇあぁっ!!」

(ドガン!!!)

疋田「ぐわあぁーっ!!」

(パリーン!)

疋田は吹っ飛ばされ、仰向け倒れをした。

疋田「あぁ...ああああ...あ...はあぁぁぁあっ...」

(バタ)

荷田「パワポケくん...ケンカで疋田を倒すなんて......恐ろしいでやんす...」
パワポケ「くそぉ...殺すしかなかった...ちっくしょぉ...!」

(ドン!)

パワポケ「! か、監督!?」
車坂監督「安心しろ、息を吹き返した。電気ショックのようなものだ。
こんな奴の命をお前がしょい込むことはない。疋田は明日、退学処分とする。」
パワポケ「わかりました。」

明日、疋田は退学処分となった。
そして夏の大会...地方大会の3回戦までは行ったが、鉄砂高校に惨敗してしまった。

パワポケ「あの時...北乃の嫌がらせさえなければ...あいつさえいなければ...!!」

基宗「俺たち3年生は今日で引退する。......無念だ。先輩たちの無念を晴らすどころか
星英に再戦することもかなわず伏兵にやられるなんて...パワポケ! 次のキャプテンはお前だ。」
パワポケ「.........」
基宗「どうした?」
パワポケ「うるせえ!! 後味が悪すぎだ!!!」
基宗「お、おい、パワポケ?」
パワポケ「こんなムカつく方法でキャプテン指名はごめんだぜ!!」

パワポケは怒り、北乃に近づいた。

パワポケ「おい、てめえ!! てめえは絶対許さねえ!!」
北乃「な、なんだよ、あぁ...」
車坂監督「わかってるんだろうな。」
基宗「自分がどんなむごいことをやったのか。」
北乃「い、いいのかパワポケ!? 先輩のオレに逆らえばクビになるぞ!?」
基宗「そうかな?」

北乃に苦しめられたプレイヤーたちの念が集まってきた。

10のプレイヤーたちの念「き、貴様ぁ...!」
北乃「なにぃ!?」
車坂監督「貴様に苦しめられたプレイヤーたちの声を耳でしっかりと聞いたんだ。」
北乃「な、なんだとぉ...!?」
基宗「10のプレイヤーたちのつらさ、みじめさをお前にも味合わせてやろうか!?」
パワポケ「覚悟はいいか!! 力ス野郎っ!!!」

北乃はしあわせ草の薬が入ったビンを取り出し......

車坂監督・基宗「!?」
北乃「けけけけけ、誰がてめぇらにやられるかよ!」

(ゴクッ)

北乃「オレ様の恐ろしさを思い知らせてやるぜぇぇぇぇ!」

なんと! 北乃はサイズ3倍に巨大化した!

北乃「くくくく...ぎゃあはははははは!!」
パワポケ「くっ...!」
北乃「よくも先輩のオレに逆らいやがったなパワポケ! てめぇらみんなぶっ殺してやるぜぇ!!」

巨大化した北乃のパンチがパワポケたちに襲い掛かる!
北乃のパンチがパワポケの右腕の直撃した!

パワポケ「ぐあっ! うぅっ!」
北乃「くくくくく...!」
車坂監督「パワポケ!」
パワポケ「待ってください監督...、あいつは俺がやる。」
車坂監督「...いいだろう。行ってこい、パワポケ! お前の野球魂を北乃に全部ぶつけろ!!」
パワポケ「はい、ありがとうございます!」
北乃「けけけ、おもしれぇ。じゃあ死にやがれやクソがぁ!!」

パワポケは北乃の攻撃をかわして腕をつかみ...

パワポケ「.......ぬおぉぉぉぉぉっ!!」

パワポケは北乃を上に放り投げ...追撃を加える。

パワポケ「今のはパワポケ10をやっているプレイヤーたちの分だ!」
北乃「ぐぅいてててて...」
パワポケ「そしてこれが、越後たちの分だ!」
越後「パワポケ...」
パワポケ「ついでに、ポテチを俺のベッドで勝手に食べられて散らかされた荷田君の分だ!!」
北乃「ぐぉぅ!」

パワポケの怒りのパンチで北乃が上空へ吹っ飛んだ!

荷田「ついでとはなんでやんす、ついでとは。」

パワポケは両手を上に上げて辺り一帯から無数の光を集めて巨大な光球を生成し...

パワポケ「そしてこれが...俺の分だあぁーーーーーーっ!!!」

パワポケの全力の必殺技! 天焦がす滅亡の光!

(ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!)

北乃「ぐわあぁーっ!!!」

衝撃波により親切高校周辺が金色に包まれた。

パワポケ「地獄に落ちて反省しろ! アホんだれ!!」
天月「パワポケ、すごい...」
車坂監督「なんてパワーだ...! あいつには秘めたる力というものがあるのか...!?」

基宗「...パワポケ、お前には何かを秘めた力がある。お前をキャプテンとする。」
パワポケ「でも...」
基宗「ケガで出られなかったとはいえ、お前の実力は俺もわかってる。
この野球部を任せるのはお前をおいて他にはいない。」
パワポケ「先輩...」
基宗「俺たちの果たせなかった夢を実現してくれ。...まあ、期待はしている。
なにしろ、自称とはいえあの天道のライバルだからな。星英を倒して甲子園に行けよ!」
パワポケ「はい、わかりました!」

(そして...)

マスターリング「お前を苦しめた北乃はこの世から消えたが、ムードが悪いは消えていないから、
すぐに除去せねばならん。治体の祈りを伝授しよう。」
パワポケ「うん。」

(ピカッ!)

「ムード△」がなくなった!
「ムード〇」が身についた!

パワポケ「ありがとう、マスターリング。」

パワポケはケガが治りました!

そして...次の週の練習後...

車坂監督「まったく、お前がキャプテンとはな。基宗も酔狂なことをする。」
パワポケ「あの、監督? どうしてこんな場所に?」
車坂監督「他の場所だと、誰かに聞かれるかもしれないからな。...お前、秘密が守れるか?」
パワポケ「えっ?」
車坂監督「口が堅いのと、秘密が守れるというのはちょっと違うんだ。
今から俺が話す2つのことは、メモに書いてもいけねえし、寝言でしゃべってもいけねえ。どうだ、できるか?」
パワポケ「はい、やります。」
車坂監督「...お前な、今年の一年どう思う?」
パワポケ「全然ダメですね。」
車坂監督「そうだ。わかってるじゃねえか。俺はこれでも教育者のはしくれだ。
だから、こんなことは言いたくない。だが、同時に戦いを指揮する者として現実を見なきゃいかん。
...今年の一年は疋田以外、全員ハズレだ。」
パワポケ「ああ、やっぱり...でも、どうして?」
車坂監督「...天道だよ。あの天才のおかげで、優秀なやつは星英に行き、その次のランクの連中は
ほとんどが別の地区の学校に行った。おまけに、ウチは直接対決で完璧にやられたからな。」
パワポケ「(こんなところにまで、奴の影響が!)」
車坂監督「いいか、一年ボウズどもに、このことは絶対に言うなよ。
だが、キャプテンとしてチームの現状は把握しておけ。」
パワポケ「はい。で、もうひとつの秘密は?」
車坂監督「さっきの話に関係があるんだが、来年の入学生な。野球部のOB連中に動いてもらって
優秀なやつを何人かスカウトしている。お前、ガンバーズって知ってるか?」
パワポケ「たしか、少年野球のチームですよね。」
車坂監督「伝説の野球チームだ。そこの黄金時代を築いた主力を一人ウチに引き込めたそうだ。」
パワポケ「それはすごいですね。...でも少年野球と高校の硬式野球は全然ちがいますよ?」
車坂監督「まあな。だが打てる手は全部打っとかないと俺たちは星英の黄金時代の当て馬で終わっちまうぜ。」
パワポケ「(がんばらないといけないな。)」
車坂監督「それと、パワポケ。キャプテンをやるなら非情になれ。
友人だとか気に入らないとかそういうことは持ち込むな。要は、試合で勝つことがすべてだ。」
パワポケ「はい!」

続く

最終更新:2021年11月17日 15:08