黄泉への誘い 転び風のやむ時

あらすじ

自分がブラックホールズ戦でパワポケにしてきたことの償いのため、
パワポケを助けにシズヤ・ヒカルとともに黄泉比良坂に入るさやか。
ダークマスター(主人公(10))はもともと、イザナギに逃げられたイザナミの声を聞き、
十束の剣を授かると共にマスターアイテムの所持者であるパワポケとさやかに目をつけ、
さらにはさやかの母である五十鈴を闇に引き込んでイザナミに憑依させる。
尚、口調の悪いさやかは、ダークマスターが魂魄を分割して作り出した霊体であり、
万が一パワポケの身体を制御できなくなった時の保険とした。

さやか「ふ~ん...どうやらこれが黄泉への通り道らしいね。」

他のみんなは......?を選択

さやか「わからないよ。どうやらわたしたちだけ一気に黄泉比良坂に飛ばされちゃったみたいだね。」

ここはどこだ?を選択

さやか「だから、黄泉比良坂なんでしょ? おにいちゃん、ボーッとしてないでしゃんとして。」

さやか「おにいちゃん、とにかく先に進んで黄泉の様子を探ってみようよ。
次元の裂け目らしいから、何が飛び出して来るかわからないよ。気をつけて、おにいちゃん!」

黄泉比良坂 BGM:黄泉比良坂(風来のシレン3) 原曲












黄泉比良坂・深部 BGM:不気味(風来のシレン3) 原曲

(待て!)

人魂「よし、つかまえたぞ!」
さやか「ふっ、思ったより早かったね。」
赤鬼「おぬしはもっと早く死ぬべきであったな。私が引導を渡してやるから安心して逝くがよい。」
さやか「うふふっ、それはこっちのセリフよ。あなたたち、よほど命が要らないらしいのね。
さあおにいちゃん、一緒にやろう! こいつらを始末しよう! わたしたちふたりで倒そうよ!!」

パワポケとさやかが赤鬼と青鬼との交戦中の最中...

BGM:緊迫(風来のシレン3) 原曲

さやか「どうしたの? もう終わりなの、おにいちゃん?
ふん、こんなところで力尽きるなんて。使えないおにいちゃんだね、まったく!」
赤鬼「よし今だ! パワポケの中からあやつを追い出すぞ!」
さやか「むうッ!? 貴様、それは!? はかりおったな! よせ! やめろ! うぐあッ!!」

赤鬼たちの正体はシズヤとさやかたちだった!
つまり、パワポケの隣にいたさやかはダークマスターが化けたものだ。

シズヤ「よし! もう一息だ! 出て来るのだ、ダークマスターよ!」
ダークマスター「ぐあぁぁぁぁっ!」

パワポケの体からダークマスターが抜け出た!

さやか「出たっ!」

さやかたちはパワポケに駆け寄る。

さやか「おにいちゃん!」
ヒカル「大丈夫、パワポケ!?」
パワポケ「ヒカル...さやか...シズヤさん...」
ダークマスター「おのれ! おのれ! おのれ!! 貴様らごときにこの私が...!
こうなったら...貴様ら全員...取り込んでくれるわ!!」

シズヤ「さあ来いダークマスターよ! 私の体の中へ!」
さやか「シズヤさん、何をするの...!?」
シズヤ「さやかよ、すまなかったな。試合前にパワポケが言ったことは本当だ。
パワポケには私が話さぬように約束したのだ。それでも、パワポケはそなたに真実を告げようとしておった。
...我が目的の為にそなたらをだましておったのだ。許してくれ。」
さやか「うん...」
シズヤ「パワポケ、さやかよ...お互いに仲良くするのだぞ。」
パワポケ・さやか「シズヤさん!」

シズヤ「どうしたのだ、ダークマスターよ!? 宿る体が必要なのであろう?
遠慮はいらぬぞ、とっとと来たらどうなのだ?」
ダークマスター「...よかろう。貴様の魂、喰らい尽くしてくれるわ!」

ダークマスターはシズヤの体に取り込んだ!!

BGM:なし

シズヤ「ぐッ...!」
ダークマスター「ぬ! 貴様!?」
シズヤ「ダークマスターよ...約束したであろう。今度こそ、おぬしを終わらせてやると。」

BGM:絶体絶命(風来のシレン3) 原曲

シズヤ「遠慮はいらぬ、斬れ! パワポケ! さやか!」
さやか「シズヤさん、初めからこうするつもりで!?」
シズヤ「こうでもしなければ、あやつは倒せぬ! グズグズするな、やれッ!」

シズヤ「ぐあっ!」
パワポケ「シズヤさん!?」
シズヤ「ダークマスター! 貴様ぁ!」

(ビッシャーン!!)

BGM:ボス戦2(風来のシレン3) 原曲

ダークマスターシズヤ「フン、おろかな女だ。人の子が神の意思に逆らえるものか。
覚悟するがいい! 貴様ら一人残らず食い殺してくれるわ! ゆくぞッ!!」

そして、ダークマスターシズヤとの戦闘の最中にさやかの心がざわつく...

パワポケ「どうしたんだ、さやか!?」
さやか「胸の奥が...ざわつく。今まで味わったことのない感覚が...」
ダークマスターシズヤ「それはお前の心が私の闇のパワーに共鳴しているのだ。」
さやか「......!?」
ダークマスターシズヤ「天月紗矢香よ、私とともに完全なる悪の世界を作らないか?
ブラックホールズ戦で自らの野望のために試合に負けるようにパワポケたちを苦しめた行動力...
ここで殺してしまうには惜しい逸材だ。」
さやか「わたしは悪の味方になるつもりはない!
わたしは自分の贖罪のためにおにいちゃんとがんばってるの!」
ダークマスターシズヤ「悪を否定するその姿勢 思った通りの優等生だな。
お前達から見ればたしかに私たちは悪人だ。
しかしだ...私たちから見てみれば私たちの行いこそ正義。
むしろお前たちのような偽善者が悪なのだ。」
パワポケ「何をっ!」
ダークマスターシズヤ「私の目的はこのくだらん世界を完全に滅ぼし、地球を本来あるべき姿に戻すこと...」
さやか「世界のほんらいの姿は「悪」だっていうの?」
ダークマスターシズヤ「その通り...お前の中にも悪の姿が見えるぞ...
具現化の消滅によって魔球が投げられなくなる事、倒すべき敵が消えてパワポケと一緒に居られなくなる事、
家に居ない父親(10の主人公)への寂しさや悲しさが募り、試合にわざと負けることを懇願し、
パワポケに史上最悪のハンデを与え、さらに試合中にフィンチーズを超能力で苦しめ、
ブラックホールズを強化させた自分自身の歪んだ願いが...
自分のためだけにフィンチーズが苦しむのを楽しむ黒い心...ダークソウルがな!!」
さやか「ダーク...ソウル...」
ヒカル「だめだ、天月さん! そんなものに耳を貸しちゃ!」
パワポケ「そうだよ、さやか! 君は闇の力に打ち勝ったんだろ?
だから今、俺と一緒にいられたんじゃないか! シズヤさんを解放するために一緒に戦おう!」
さやか「おにいちゃん...! うん!」
ダークマスターシズヤ「美しき友情か......ちょうどいい機会だ。
天月紗矢香よ、お前の中にひそむダークソウルの力を見せてやろう!
友情すら簡単に破壊するお前の闇の力を!! エンボディ ダークソウル!!」

さやか「あぁぁぁぁっ!!」
パワポケ「さやか!!」
ヒカル「天月さん!!」
ダークマスターシズヤ「フフフ...出るぞ出るぞ...天月紗矢香のダークソウルが! ふんっ!!」

さやかの体からダークソウルが現れた!

パワポケ「さやかが...2人!?」
ダークマスターシズヤ「これがお前の闇の心、ダークソウルだ!!」
さやか「わ、わたしの闇の心!?」
ダークマスターシズヤ「行けっ! ダークソウルよ。
パワポケと天月紗矢香を殺し、そいつらの友情とやらを引き裂くのだ!!」

さやかのダークソウルがヒカルに取り憑いた!!

ヒカル「うっ!? うわーーーーーっ!!」
パワポケ「ヒカル!! しっかりしろ!! ヒカル!!」

ヒカル「...パワポケ...天月紗矢香......殺す!!」
パワポケ「どうしたんだ! ヒカル! 俺だ! パワポケだ!」
さやか「やめてヒカルさん! わたしよ! 天月紗矢香よ!」
ダークマスターシズヤ「ムダだ。千条光は天月紗矢香のダークソウルに支配されている。
さぁ、千条光よ! 本能の赴くままに戦うがいい!!」
ヒカル「うがあぁーーーーーーーっ!!!」
パワポケ「ヒカル! 正気を取り戻せ!」





パワポケ「ヒカル!! ヒカル、しっかりしろ!」
さやか「ヒカルさん目を開けて!!」
ヒカル「だ、大丈夫...だよ...」
ダークマスターシズヤ「ふふふ...見たか天月紗矢香、
千条光を狂わせた力こそがお前のダークソウル...
自分を見捨てた父親とパワポケに対する悲しみと寂しさが生んだお前の本心だ。」
ヒカル「があぁーーーーーーーっ!!!」
パワポケ「ヒカル!!」
さやか「ヒカルさん!!」

(ピカッ!)

さやか「きゃっ!!」

ダークソウルがさやかの体の中に戻った。

ダークマスターシズヤ「千条光が気を失ってダークソウルが抜けたか。
よくわかっただろう。お前の心の中にも闇があるのだ。全くの正義などどこにも存在しない。」
さやか「......」
ダークマスターシズヤ「ふふふ、自らの「悪」を目の当たりにして戸惑っているようだな。
ははははは苦しいか? 天月紗矢香? 優しさを持つ貴様が取り返しのつかない罪に手を染め
絶望の淵に堕ちてゆく様は......正直そそったよ...ああ...なんと哀れな姫君なのだろうな貴様は...」
さやか「くっ...! お父さん! あなたはどこまで...!!」
ダークマスターシズヤ「忘れるな、お前の中にも「悪」があるということをな...ははははははっ!!」

さやかは自分の中に心の闇があるということを自覚し、苦悩することになる...

さやか「わたしの中にも...」
パワポケ「さやか...」
さやか「うん...おにいちゃんやヒカルさんまで傷つけて...
正直不安なんだ...わたしの中の悪の心がいつかまた出てきて、誰かを傷つけてしまわないかって...」


















ダークマスターシズヤ撃破後 BGM:不気味(風来のシレン3) 原曲

ダークマスターシズヤ「くッ...おのれ、パワポケ! 天月紗矢香! どうやらこれまでのようだな。」

ダークマスターシズヤの体からダークマスターの魂が...

ダークマスター「だが、シズヤは...この女もここで死ぬ。ククク...! クハハハハ...!」

ダークマスターシズヤの肉体が消滅した直後...

ダークマスター「むッ!?」
シズヤ「待て、ダークマスターよ。おぬし一人でどこへ行くのだ?」
ダークマスター「ぐ...よせ、貴様! そんなことをすればキサマも死ぬんだぞ!」
シズヤ「水くさいことを言うでない。最後まで一緒に行こうではないか?」

シズヤは自分の体にダークマスターの魂を取り込ませた。

BGM:なし

ダークマスター「ぐあああぁぁッ...!!」

ダークマスターは消滅した。

(バタッ!)

パワポケ・さやか「シズヤさん!」

さやか「シズヤさん! シズヤさん! 返事して、シズヤさん! シズヤさん!?」

BGM:悲哀(風来のシレン3) 原曲

さやか「そんな...シズヤさんが...死んじゃうなんて...わたしのせいだ...
試合でおにいちゃんたちが苦しんだのも、シズヤさんまで傷つけたのも、全部わたしのせいだわ!!」
パワポケ「さやか...」
ヒカル「...」

BGM:なし

シズヤ「こらこら、勝手に殺すでないぞさやか。」

シズヤ「くっ...いたた!」

BGM:静寂(風来のシレン3) 原曲

さやか「シ、シズヤさん!?」
ヒカル「だ、大丈夫なの!?」
シズヤ「なに、化けて出たわけではないぞ。」
さやか「で、でも...どうやって?」
シズヤ「本来なら私もダークマスターと一緒に死んでいたであろう。
そうならなかったのは、おそらくパワポケの持つマスターアイテムのおかげではないのかな。」
ヒカル「マスターアイテムの力?」
シズヤ「ダークマスターがさやかとパワポケから私に乗り移った際に
マスターアイテムの力もいくらか共に流れ込んだらしいのだ。
それが私があやつと一緒に死ぬのをなんとか防いでくれたのでないのかな。」
パワポケ「な、なんだよ、ビックリさせないでくださいよ!」
シズヤ「うむ、私だってそんな風になるとは思っていなかったのだ。」
さやか「でも...わたしたちはダークマスターと一緒にシズヤさんまで...」
シズヤ「バカなことを言うでない。そなたたちが倒したのは黄泉の力を得たダークマスターだ。
くだらないことを気にするではないぞ、さやか。」
さやか「シズヤさん。」
パワポケ「あっ、そうだシズヤさん。
あの恐ろしい黄泉の神様の相手をせずになんとかこの道を閉じちゃう方法ないのかな?」
シズヤ「そううまくはいかないであろう。むこうがだまって見てるとも思えぬ。
それに、そろそろ来る頃合いではないかな。黄泉の者たちのお迎えが。」
パワポケ「ちぇ、死者の国からのお迎えなんて縁起でもないや。かんべんし...」

BGM:なし

(イザナギの子供らよ。)

さやか「お、お母さん!? まさかお母さんが黄泉津大神...!?」

BGM:戦慄(風来のシレン3) 原曲

五十鈴「ようこそ、我が闇の世界へ。では、黄泉の国に案内するとしようか。」
パワポケ「そんな...! さやかのお母さんが黄泉津大神...!?」
さやか「お母さん! いったいどうしちゃったの!? ねえ、お母さん!?」
五十鈴「生ける客人の来訪は久しぶり。
この黄泉比良坂がすっかり開くまでの間、しばらく相手をしてやるわ。
とくと楽しんでゆくがいい、我が死の宮にて!」

(ピカーーーッ!)

パワポケ・ヒカル「わあぁーーっ!!」
さやか・シズヤ「きゃあぁーーーーーーーっ!!」

パワポケたちはバラバラに飛ばされてしまった!

そして...

さやかとシズヤが目覚めた場所は地上だった。

BGM:なし

さやか「はっ...!」
シズヤ「さやか!?」
さやか「おにいちゃんたちが...! いけない!!」

BGM:黄泉(風来のシレン3) 原曲

パワポケとヒカルは上空から黄泉の世界へと送り込まれた。

黄泉茶屋

パワポケ「こ、ここは、まさか...?」
ヒカル「うん...どうやらほんとに来てしまったみたいだね。死者の国...黄泉に。」

そこにワープホールが現れ、さやかとシズヤが出てきた!

さやか「おにーちゃーん!」
パワポケ「さやか! シズヤさん!」
シズヤ「二人とも、無事であったか。」
パワポケ・ヒカル「はい!」
シズヤ「うむ、無事で何よりじゃ。
さやかよ、おそらくそなたの母は黄泉津大神に憑依されているのであろう。」
さやか「うん...」
シズヤ「ではゆくぞ。黄泉御殿に行き、そなたの母を救い出すのだ。」
パワポケ・さやか・ヒカル「はいっ!」

続く

最終更新:2023年04月21日 01:49