あらすじ
数々の倒産の危機を乗り越えてきたパワポケ。
ところが、大帝国工業の川村が特許の専用実施権を全部よこせと迫り、
独占契約を結ぼうとしていた! パワポケは川村のその行為に怒りを覚えるが、
山田たちみんなは、これで丸く治まるかもしれないという。
このままでは和桐製作所は全部、大帝国の思い通りになってしまう...
落ち込んだパワポケは黒松に励まされ、川村に野球の勝負を申し込む。
パワポケに勝負を申し込まれた川村は、和桐バブルスが勝てばノズルの独占契約は破棄し、
大帝国が勝てば、特許の専用実施権をタダでゆずってもらうといい、勝負を受けた。
和桐製作所を救ってきたパワポケは、果たして川村率いる大帝国キラーズに勝てるのであろうか?
しかし、それが最後の戦いにならないのであった...
2年目 2月2週 平日
パワポケ「例の塗装機械はどうなってるんです?」
和桐社長「試作品が完成して、製品版に向けてテスト中だ。」
彩「ネット上での反響や、問い合わせも上々です。そろそろ価格の設定を...」
「その必要は、ない。」
和桐社長「あ、あなたは大帝国の川村さん! ...なにか御用ですか。」
川村「今日は商談にやってきた。この工場が開発した、塗装技術の件だ。」
和桐社長「あ、販売を代行してくれるんですか?」
川村「いや、特許の専用実施権を買おう。」
和桐社長「専用実施権ですって?! 特許の権利を全部よこせと?
それでは、ウチで製造できない...」
川村「設計も生産も販売も、こっちでやる。キミのところは、宣伝も販売も経験がないんだろう。」
和桐社長「う...でも、今はインターネットが!」
川村「どれくらい売れるかわからないからリスクがある。
それに、今は大きな借金があるそうじゃないか。ここは、確実にお金にした方が賢明だと思うがねぇ。」
パワポケ「...(社長はどうする?)」
和桐社長「前に「モノを作る時代は終わった」とあんたに言われたが、
私は、モノ作りにこだわりたい。あんたの申し出は受けられない。」
川村「ははっ、子供っぽいことを! できれば言いたくなかったんだがね。
その機械の部品として、ある種類の微細噴射ノズルが必要ではないかね。
先日、それを作ってる会社と独占契約を結んでね。キミたちの使う分はない。」
和桐社長「な?! ひ、卑怯な!」
川村「なに、単なる大人のビジネスだよ。さあ、どうする?
役に立たない特許を大事にかかえて倒産するか、少しでも金にしておくか。」
和桐社長「...今日のところは...どうか、お帰りください。」
川村「んー? まあいいだろう。いい返事を期待しているよ。
そうそう、次はそっちから来たまえ。...ここは空気が悪いからね。」
和桐社長「......」
パワポケ「な、なんてヤツだ! あんなヤツの言うことなんか...」
和桐社長「まさか、部品を押さえられるとはな。ハハ、まいったよ...」
パワポケ「え、社長?」
山田「パワポケ君、なにごとも前向きに考えるでやんす。
これでこの工場は、つぶれずにすむかもしれないでやんす。」
パワポケ「......」
パワポケは体力とやる気とタフが0になってしまった!
そして休日...
パワポケ「ハァ.......」
黒松「どうした、不景気なツラして。」
パワポケ「どうやら、あんたのところの借金は返せそうですよ。」
黒松「...よくわからんな。それならどうして、こんな所でため息なんてついてるんだ?」
(そして...)
黒松「ふん、なるほど。」
パワポケ「理屈じゃ、これでみんな丸く治まるのはわかってるんだけど。
けど、どうしても納得できない。」
黒松「ふふ...ガキだなあ、お前は。結局、大帝国にうまくやられたのが悔しいだけさ。
理不尽に感じても、ぐっと我慢するのが大人ってもんだろうが。」
パワポケ「だから、わかってるって言っただろ! ガキで結構だよ。」
黒松「じゃあ、とことんガキらしくこれまでみたいに、野球の勝負を申し込んでみたらどうだ。」
パワポケ「はあ?!」
黒松「大帝国工業は、金にあかせて作った強い野球チームを持ってるぜ。...お前たちに勝てるかな。」
パワポケ「そんなの、あっちが受けるわけないじゃないか! 黙ってたって、勝ちなのに。」
黒松「オレは野球をやってたって言ったろ。どうしてやめたと思う?」
パワポケ「?」
黒松「高校のときにな、オレの力をねたんだ先輩連中が、
オレをつぶそうといろいろいやがらせをしてきてな。それが我慢できなくてやめたんだ。
何やったって、どうせムダだとすねて逃げ出したんだよ。それを...ずっと後悔してる。」
パワポケ「......」
黒松「世の中ってのはな、弱いものいじめで成り立ってるようなもんだ。
そいつを、すねてみても何も変わらん。
何もしなけりゃ、状況は永久に変わらず損をするのは弱いヤツなんだ。
それがいやなら、みっとなくてもとりあえずあがいてみなきゃいかんのじゃないか?」
パワポケ「...わかったよ。バカなことだと思うけど、一応勝負を申し込んでみるよ!」
(タタタタタッ...)
黒松「...さて、こっちも行くか。まったく、オレもガキだな。」
(そして...)
パワポケ「え...勝負を受ける?」
川村「そっちが試合に勝てば、ノズルの独占契約は破棄しよう。
こちらが勝てば、特許の専用実施権をタダでゆずってもらう。...これでいいか?」
パワポケ「そ、そりゃあ...もちろん! ね、社長?」
和桐社長「うん、あんな形で工場が存続しても納得いかないからね。しかし、またどうして...?」
川村「あー、勝負を受けたんだからその、例の件はちゃんと...」
和桐社長「?」
川村「いや、わかってるとも。うむ、キミたちとは無関係なことだ。試合は1ヶ月後だぞ!」
パワポケ・山田「???」
体力が80上がった
やる気が8上がった
タフが100上がった
そして1ヶ月後...
パワポケ「今日は大帝国キラーズとの試合の日だ!」
川村「来たな、クズどもが。」
パワポケ「この試合に勝って、卑怯なやり方で妨害してきたことを後悔させてやる!」
川村「卑怯? それは「おたがい様」というものだ。まあ、約束は守ってくれたから文句はないがな。」
パワポケ「...いったい、なんの話だ?」
大帝国キラーズ戦
ヒント
いさぎよく?試合に敗北しろ!
パワポケ「ふざけるなよ川村誠治! お前を倒して、和桐製作所を守ってやる...!!」
川村「数々の社会人チームを倒し、和桐製作所を守ったことは賞賛に値する。
おかげで、計画は台無しになったようだ。ふっふっふっ...
この大帝国工業の計画が、キミのような人間にな。」
和桐バブルスと大帝国キラーズは攻防戦を繰り広げる...
8回裏
マイソフはホームランを放ち、キラーズは2点差!
パワポケ「くっ...!!」
川村「少しは歯応えがあるかと思ったが、この程度か...」
9回表
和桐バブルス 5点
大帝国キラーズ 7点
そしてアウトカウント2...
川村「パワポケ...犠牲のない進化など、ない...」
川村はダークマスターリングを発動した!
パワポケ「ぐっ! ぐあああぁぁーっ!!!」
川村はダークマスターリングの力を使いマウンドにいるピッチャーの力を大きく引き出させ、
バッターのパワポケの力を弱めた。
ツーストライーク!
パワポケ「ぐっ...! 苦しい...どうしてしまったんだ俺の体は...」
川村「パワポケ...全てキミ自身が招いた事だ。
マスターリングによって無限の可能性と危険、そのどちらも備えたキミが。」
パワポケ「......」
川村「これで終わりか、パワポケ? 違うだろう、ここから始めるのだ。我々の世界がな。」
パワポケ「か、川村...!」
川村「キミたち和桐製作所も今日で終わりだ、やれ。」
ストライク! バッターアウト! ゲームセット!
パワポケ「そ、そんな...!!」
和桐バブルスは大帝国キラーズとの試合に負けてしまった...
川村「フハハハハ、ハハハハハ!
そうだ...これが適合者であるキミの力...人類の可能性なのだ。
フハハハハ、ハハハハハ、ハハハハハハ!!」
大帝国キラーズに敗北後
川村「ハハハッ! ゴミが調子に乗りおって。
権利を売っておけば、少なくともつぶれることはなかったのにな!」
パワポケ「ああ、負けてしまった....これで、会社の再建も不可能だ。」
木岡社長「まったく。黒松も、これじゃあ浮かばれねえな。」
パワポケ「あれ、木岡社長? 黒松さんが、どうしたんです?」
木岡社長「お前にゃ、関係ねえよ。それより自分の心配でもするこったな。」
パワポケ「.....島送り、ですか。」
その後、和桐製作所は倒産し、俺はしあわせ島に送られた...
川村「ふはははは、ははははは!!
立ち上がって来いパワポケ! お前の戦う相手はここだ! 私はいつでもこの世界にいるぞ!
さあ、戦いを始めようではないか。人類の可能性をかけた戦いをな!!
ハハハハハ、ハーッハハハハハハハ!!!」
遥か遠い未来からやって来たのに島送り...
島の名前は「しあわせ島」
本当の幸せ どこにある?
最終更新:2024年04月30日 01:03