陰謀と計略と不実の集い◆z9JH9su20Q
硬貨を模した円盤が、ひっくり返る。
海東純一の前で、縁っていた環を残した円の裏面が表となった時。寸前までなかったはずの、赤い紐で結ばれた金と銀の鈴がいつの間にか鎮座していた。
盤の動きが停止したのに合わせ、軽やかな金属音を鳴らしたのは、第四世代インフィニット・ストラトス『紅椿』――その、待機形態だった。
「お疲れ様です」
支給されていた
メズールの脱落に伴って放置され、遠からず最終兵器『APPOLON』の攻撃に巻き込まれ消滅するはずだったこのISを、時空を越えて会場から回収するという任務を終えた同志に向けて、純一は張り付いた笑顔のまま労いの言葉を送った。
「全くだ」
そんな純一に、疲弊感を隠そうともせずに答えるは、橙と黒を中心としたローブのような衣類に身を包む、奇天烈な風体の人物だった。
「あの中で気取られず、他を巻き込まずに回収するのは我でも骨が折れた」
気位の高い物言いだが、どこか舌っ足らずな発声。決して低身長ではない純一も見上げねばならない背丈でありながら、体躯そのものは十にも満たぬ幼子のそれだ。
小さな頭を覆う、背まで伸びた白銀の髪の上には黄金の王冠を載せているが、不釣り合いに大きいがために一動作ごとにずれ動く。金色の骨のような篭手で包まれた右手には、如何にも童話の中の魔法使いが持っていそうな木の杖を、指の長さが足りないがため必死に掴んでいた。
全体的にアンバランスな印象を覚える、しかし雪の妖精のように美しい童女。その紅玉の瞳は、自らの回収した代物から純一へと視線の注ぐ先を変えた。
「……とはいえ、貴様も立会ご苦労であった」
「いえ、それが私の役目ですから」
爽やかな印象を打ち消す、やはり張り付いたような笑顔のままで、純一は彼女――否、彼に答えた。
「実働を任されているガラさんに比べれば、何でもないようなことです」
「そうか」
笑顔で告げる純一に対し、異邦の少女――の姿をした、古の天才錬金術師ガラの態度は実に素っ気ないものだった。しかし気にするような事柄ではないとして、純一は貼り付けた笑顔のままで受け流した。
今現在、主催側の運営スタッフとして純一に任されている役割。それはエリア管理委員会での実績に基づいた、会場への干渉に対する監視役だった。
バトルロワイアルが開始された後、場合によっては主催側が進行のために干渉する必要が生じることも想定された。故に、隔離された時空にある会場とこの主催陣本拠地を、聖杯の力を借りずに繋ぐための装置が設けられた。それが備えられているのが、この大小様々な円盤の設置された一室となる。
表と裏とで、別々の時空を繋ぐこの円盤を自在に操れるのは、主催陣営の中でもそれを作ったガラだけだ。
そんなガラの独断を防ぐためには、監視が必要となる。彼がこの円盤に近づく際には、いざという時にインキュベーターだけでは抑止力足り得ないとして、どの裏リーダーの配下でもない純一が常に立ち会うこととなっていた。
そうして、ガラが密かに会場から、参加者の誰にも気づかれないよう苦心しながら回収した紅椿を、純一が手に取ろうとした時だ。
連なったセルメダルを、まるで触手のように操ったガラが、純一に先んじてそれを掴み取っていた。
「これは我が届けよう」
告げてから、高い位置にある幼い美貌を微かに歪めて、ガラは艶然と微笑む。
「気を悪くするな。ただ、“青”の王は人間嫌い……特に、男が嫌いであろうからな」
「ガラさんは、本来男性だったとお聞きしていますが?」
「それでも、今の器の性別は……見ればわかろう?」
「なるほど……しかし、それでは困ります」
ガラの意図を察した純一は、この茶番に乗させて貰うこととした。
「今回は青陣営裏リーダーの開始以前からの要望で、会場から紅椿を回収しました。そこまでは確かに私も見届けましたが、それがあるべき場所に収まるまでを確認しなければ、監督不届きとなってしまいます」
無論、会場内に支給されたアイテムを回収するなどという行為は――純一も、他人のことは言えないが――如何に裏リーダーの一人といえども、否、むしろだからこそ“名目上”禁忌となっている境界を、一歩越え兼ねない振る舞いだ。
そのため、紅椿を所有する参加者の死後、誰も回収せず、そのまま放置すれば確実に破壊されたと思われる状況下でのみ、回収が許されるという条件が引き換えとして提示された。
そして現実は青の裏リーダーが狙った通りのシチュエーションとなり、紅椿はガラを介してその手元に届けられるはずとなっていた。
「私も、ガラさんが件の“王”に紅椿をお渡しされるまで、同行させて貰いましょう」
「仕事熱心な男よ……ふむ、仕方ない。よかろう」
面倒そうに、深々と溜息を吐いたガラが杖で床を突いた次の瞬間、大量のセルメダルが津波のようにして押し寄せてきた。
瞬く間に、巨人の手のようになったセルメダルの流れはガラと純一を拾い上げると、走るより速くその身を運び始める。
「おまえが奴に会うのは、初めてだったな」
メダルの生む漣が、周囲の聞き耳から遮断してくれる中で。ガラは純一に、芝居の終わりを告げる呟きを漏らす。
「ええ。是非お会いしたいと思っていたのですが……」
「そうか。だがあれは、人を選ぶぞ?」
ガラがそんな誂うような、憐れむような物言いで返答したところで、目的地に着いた。
金の円環の中に、三種類の海洋生物――シャチ・ウナギ・タコと、オーズのシャウタコンボのオーラングサークルと同じ紋章が刻まれた扉の前に、純一とガラは立っていた。
「……入るぞ」
「…………あー、がっくん!」
断定口調で告げながらも、扉が開かれるまで待機していたガラへの返答には、幾許か奇妙な間が存在していた。
「うん、いいよいいよ! どうぞー」
軽い調子の女の声を合図に、扉が開かれる。床を揺るがす歩みを再開したガラが微かに嘆息していたのを、純一は見落とさなかった。
純一が足を踏み入れた室内は、暗闇に覆われていた。薄闇越しに辛うじて見える用途不明の機器の数々はまるで、中世の魔女の儀式部屋のようにも思えた。
それらに目を奪われていたところ、二人が踏み入ったのを感知したかのようにパッと照明が点き、純一の網膜を白く灼いた。
「おー、もう取って来たんだ。仕事早ーい!」
明順応を果たし、視力を回復した頃には、純一達の前にテンションの高い様子の女性が立っていた。
先程ガラと言葉を交わした声の主。純一は彼女と初対面でこそあったが、既にその姿を見知っていた。故に、微かな驚愕を覚えていた。
「貴女は……篠ノ之博士ですね?」
問いかけたが、確認するまでもない。目の前にいるのは青と白のワンピースや垂れ気味の瞳が愛嬌を感じさせる、長髪の女性。目を通した資料に載っていたのと寸分違わぬ、篠ノ之束その人だ。
真木達に監禁されていたと思われた彼女の、あまりにあっけらかんとした登場に一瞬ばかり面食らってしまったが――既に状況のほとんどを掴むことに成功した純一は、彼女が会話に応じてくれるのを待つこととした。
しかし――束は不機嫌を隠そうともしない表情で、目を窄めて純一を睨めつけてきた。
「はあ? 誰だよ君は」
「これは失礼致しました。私はエリア管理委員会次官の、海東純一と……」
「別に聞いてないよ」
思いっきり聞かれましたが。
「私の知り合いにそんな気持ち悪いスマイルの人はいないんだよ。今はようやく手元に戻ってきた紅椿の様子を一刻も早く見たいのに、いきなり出てきて貴重な時間を浪費させようなんて、君はいったいどういう了見なのかな」
「それは……申し訳ありません、このような対応で」
さすがの純一も、一方的過ぎる物言いに苛立ちを覚えた。しかし感情を顕にする愚を犯さず、いつも通り心中と表情とを完全に切り離して礼儀正しく謝罪してみせたが、束の表情にはなおも変化はなかった。
「そこまで言ってやるな、束」
しかし純一が下手に出ているとは言え、明らかに険悪なものになりつつある雰囲気を察したガラが苦笑しながら仲裁を買って出た。
「その男もまた、“我が”同志なのだ」
「……ふーん。まぁ、がっくんがそう言うならわかったよ」
不承不承、という様子ではありながらも。先の物言いから想像できないほど容易く譲歩を見せた束の様子に、純一はまた微かな驚きに打たれる。
「くーちゃん、ちょっとお願いー」
「はい、束さま」
束の呼びかけに対し、部屋の隅で佇んでいた少女が応じた直後。
その銀髪の少女は、ずっと閉じていた両目を見開いた。白目が黒色に、黒目が金色に染められた異形の双眸を。
「――ワールド・パージ」
そして、それだけを呟いた。
目に見えて何かが変わったわけではない――満開の花のような笑顔を、束が浮かべたこと以外は。
「それじゃ改めて。これで自由にお話できるよ。くーちゃんのおかげだね!」
ぱちぱちぱちぱち、と擬音を発しながら拍手する束がくーちゃんと呼ぶ少女の謎めいた行動に、どんな意味があるというのか。自身に応えてくれた少女の頑張りを、踊り出さんばかりに喜んだ束の様子をまたも純一が訝しむことしかできずにいると、ガラが補足をしてくれた。
「そこのインキュベーターの目を気にしなくとも良いということだ」
純一達を監視していた異星の白い獣を、ガラはその小さく柔らかそうな顎を使って指し示す。
「他に電子機器があろうと無駄だ。生体同期型のIS『黒鍵』の前ではな……そして魔術的な手段であれば、我に悟られぬ細工をするなど不可能なことよ」
「つまりつまり、今この部屋は文字通り、世界から隔絶(ワールド・パージ)されたわけなのだ。これで出歯亀の心配はナーッシーング!」
テンションの高い束がまとめたところで、純一も理解できたと反応を示した。
「成程、では――」
「ああ。ようやく本音で話せるな? 同志達よ」
ガラの含み笑いの後、純一と束も同様の笑みを浮かべた。
己の欲望のために何もかもを踏み躙ろうとする者特有の、底冷えする笑みを――
「……“欲望の大聖杯”を掴むのは、今グリードを保有する“王”の誰でもない。我らの内、最後に残ったその一人が、真のオーズとなるのだ――っ!」
そうしてガラは、高らかに宣言した。
――そう、そのために純一はガラと結託していた。
純一とガラは、大聖杯に令呪を与えられなかった。真のオーズ――大聖杯を掴んだ、∞(神)をも超える存在になる資格を、見初められなかったのである。
ただ、儀式の円滑な運営を補助せよと、その権利を得た王達によって小間使いとして召喚され、裏方として関わっているに過ぎない。
しかし――それは、現時点での話。
大聖杯を掴む者が誰であるのかは、まだ確定していない。
そして、その資格である令呪とは、本来所有者から奪うことのできる代物なのだ。
それを知るからこそ、彼らは今は真のオーズ候補者達に媚を売る者のようにして振る舞いながら――いずれ来る簒奪の機会を狙って、牙を研いでいたのだ。
「――しかし、篠ノ之博士が青の裏リーダーだったとは驚きです」
本音で語って良い、などと言われても。現裏リーダーどもと同じく、いずれは出し抜かねばならない相手に本心を見せるわけもない。
故に笑顔の仮面を被ったまま、束の手の甲にシャウタ柄の令呪を見つけた純一は、当たり障りのない会話を始めていた。
とはいえ裏リーダーの中に、真っ当な勝利を早々に諦め、ガラ達と同じく勝者の令呪を奪おうと目論んでいる同志がいるとは聞いていたが。それが青陣営の裏リーダーで、しかもそれが篠ノ之束だということは先程まで伏せられていたのだから、驚いたというのは本心だ。
「この分では、私がドクター真木達から与えられていた情報の大半はアテにならないのでしょうね……貴方と同志であるということは、光栄ですが」
事実としてあの時、篠ノ之箒に語った情報に嘘を混ぜたつもりは純一にはなかった。あの時点では、純一は真木らに束は拉致された一被害者だと思い込んでいたのだ。
しかし蓋を開けてみれば、被害者どころか発端である真木とも対等な地位――スタッフや支給品となる道具をかき集めた、主催陣営の根幹を成す裏リーダーの一角であったのは、流石に予想外であった。
「まぁ、奴らからすればおまえに正確な情報を渡す旨みもないだろうからな」
ぞんざいな扱いだ。もっとも、どんな好待遇だろうが純一が裏切るのは確定していたのだから、その判断も間違っているとも言えないのだが。
「まぁマッキーもねー……結構天才だけどほら、私ってば超天才だしー? 比べられたら嫌だから、あんまり本当のこと言いたくなかったんじゃないかな」
待機形態の紅椿を早速何かの端末で解析しながらなはははと笑う束の様子を見るに、箒が彼女に対する人質というのも、どこまで信じて良いかわかったものではないように思えた。
「そんなおまえでも、開始早々読みが外れて焦っていたな」
ガラが小さく失笑して漏らした言葉に、束は一瞬固まった後、変わらぬ調子で喋りを再開した。
「あれはねー。白式持ってるいっくんが、あいつにいきなりやられちゃったのは流石の束さんも予想外だったよ」
表情は笑っているが、目と声が笑っていない。それが
織斑一夏の死によるものなのか、ガラに揶揄されたせいなのかまでは純一には探れなかった。
「だって生体兵器って言っても、あの遅れてる世界の技術での産物だし。一応ちーちゃんよりは基礎スペック高く作れてるみたいだけど、こっちじゃ骨董品のバズーカ以下の攻撃力しかないんじゃあ初見でISに勝てるわけない……って思ってたら、いっくんが気づく前に奇襲であっさりだよ? 観察するんじゃなかったのかーって思わずポルポルしちゃったよ」
ポルポルとかどんな擬音語だ、というのはさておき。どうやら一夏の、少なくともあの時点での死は。束にとっても想定外、意図を外れた結果であったらしい。
「しかもあの後、素人のはずのあいつが普通に白式使えていたし……やっぱり緑のが全部仕込んでたんだろうね。調子乗ってくれちゃってさぁ」
隠しもしない憎悪を滲ませて、束は表情を険しくした。
――織斑一夏の早すぎた死に、あるいはとある“悪意”の関与を嗅ぎ取って。
ああ――おそらくはこういう時に人質が必要だったのだろうなと、純一は何となしに察した。そしておそらく、ある程度は有効だったということも。
彼女に対して消えかけていた類の関心が、ほんの微かに蘇った。
「その件については、おまえも人のことを言えまい」
「んー? だって私が有利になるよう仕込んだのはグリードにだけだよ? 一参加者にまでそんな依怙贔屓して良いんだったら、いっくんがあんなのに殺されてるわけないじゃん」
ガラが再度束を諌めるようなことを口にするが、彼女はその言葉をあっさりと流した。
ただ、明朗な印象通り。喋ることが好きなのか関連した事柄について、裏の事情をベラベラと喋ってくれるのは、未だ情報不足であることを知ったばかりの純一には有り難かった。
現時点での話題によると――本来ISの扱いにおいて素人であったXやメズールがそれぞれ、実戦で通用するレベルでの扱いを可能としたのには、カラクリがあったということらしい。
推測すると開幕までの準備期間中に、各陣営の裏リーダーの手で特別に訓練を受けさせられていた、というのが真相だったようだ。
無論その記憶はマーベリックのNEXT能力で消失しているが、体に染み付いた技術はある程度残っていた、ということなのだろう。
しかし他の参加者とは別枠としてある程度自由だったグリードや、支給品となった物品の数々はともかく、聖杯の力で時を停止させられていた参加者への干渉は容易ではないはずだ。せいぜい、緑の裏リーダーが密かに干渉したと思しきX一人が、束以外の全裏リーダーやその配下が手を取り合ったところで干渉できる限界だろう。
「でもわざわざ特訓してあげて、束ちゃんの最高傑作まで調整して貸し出してあげてたのにねー。普通の銃でも殺せる奴一人始末しただけとか、一ミリも戦力にならなかったなあの魚」
そもそも、ISとは人が乗って初めて真価を発揮する代物だ。
グリードというメダルの塊を引っ付けていたところで、その性能は無人機の場合と同様。万全を願うのは高望みだったのだろう……等と自分で解説しながらも、束は不満を隠そうともしない。
「まぁ、世界そのものの技術水準が違い過ぎたからねー。さすがにバージョンⅡのIkarosには敵わないにしても、紅椿なら本領発揮しなくたってあの状態のオーズを仕留めるぐらいならできたろうに、全く。挙句ディケイドに突っ込んで死ぬし」
「あの詳細名簿は、戦力面の把握にはそこまで役に立ちませんからね」
ただ聞いているだけなのもつまらないので、純一もわかる話題には相槌を打ってみることにした。
あの詳細名簿は、純一も目を通したことがある。確かに主催陣が把握できた範囲ではあるが、簡易な人物説明から詳細な背景、プロフィールについて余すことなく記載されている。
しかし、その情報をグリードが活かせるように作られた結果、欲望に関わりの薄い部分については記載が控えめとなっている。参加者の戦闘能力についてはその最たるものだ。
例えば
イカロスはビームやミサイルなどの強力な兵装を持ち、国の一つや二つ軽く殲滅できるほどの戦略兵器であるとか、
カオスはエンジェロイドでも唯一イカロスに匹敵する戦闘力を持ち、他の兵装や生物を取り込むことで更なる自己進化が可能であるとか。
セイバーはビル群をも一瞬で蒸発させる光を放つ聖剣『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を保有した最優のサーヴァントで、
バーサーカーはそのセイバーすら上回る基礎能力に加え、更なる力を与えるエクスカリバーの姉妹剣の担い手であるとか。
門矢士こと仮面ライダーディケイドは全ての仮面ライダーを破壊する悪魔とされ、事実数多の世界を渡って来た彼を止められる者はここまで存在しなかった、だとか……大雑把な危険度はわかるが、その詳細が欠けているのである。
例えばカオスやバーサーカーは同格とされる者達と比べて、大規模高火力の武装がないことが一目見ただけでは把握し難い。一見すればカオスも国家単位の攻撃規模を持った戦略兵器であるように読み取れたり、バーサーカーは全ての面でセイバーを超えていると誤解を招くことだろう。
故に、例えば
ウヴァが存命していた頃は、バーサーカーが凄まじいビーム攻撃をして来る最強のサーヴァントだと誤解し怯えている姿が確認できていた。実際のバーサーカーは第四次聖杯戦争においては、相性の問題もあるがアーチャー・ランサー・ライダー、消耗を度外視した場合は
キャスターにまでと過半数を相手に敗色濃厚な中堅止まりのサーヴァントであり、高位の英霊とはいえ最強と呼ぶのは憚られる存在だ。更に言えば単なる身体強化の『無垢なる湖光(アロンダイト)』の攻撃では、対グリード特攻を持つメダガブリューすら受け付けない完全体のウヴァを打倒することは困難――狂化スキルの影響で搦手を使われる心配もなく、ウヴァ自身からすればむしろカモと呼ぶべき相手であったにも関わらず、だ。
そんな詳細がわからない解説に踊らされたがために、束のグリードであったメズールも最初の交戦でダメージを受けなかったなどと油断して、液状化能力を攻略できるディケイド相手に挑発するなどという墓穴を掘る羽目になったのだろう。昼間のディケイドが――理由は純一には不明ながら――明らかに手を抜いていたということも、いくらグリードとはいえ参加者の身分ではわかるはずもない。
「……とはいえ、束よ。どの道メズールが終盤を待たずに脱落することは、貴様も想定済みだったのだろう?」
ガラの問いに、「んー」と束はなおも渋い顔をする。
「まーそれはね? 明らかにグリード単体の戦力じゃ緑が突出してるし、予め代理リーダーが仕込まれている赤が始まる前から有利だったりで、まともにやるよりはがっくん辺りと手を組んで漁夫の利を狙うべきってのは明白だったし。でも一応は普通の優勝も最低限狙おうと思ってこれ渡してたから、魚の不甲斐なさがね……まさか代理リーダーも作れないなんてさ」
待機形態の紅椿を見せて嘆いてみせる束の様子にほとほと疲れたのか、ガラは呆れたような溜息を吐いた。
「そこまで考えてそれでも青を有利にしておきたかったのであれば、ブレイバックルに細工なぞしなければ良かったのだ」
ただ、そのために口にした内容が余りにも無茶であったために、束もたちまち反発する。
「それは別の問題だよ。反抗されるのわかり切っているんじゃ戦力に勘定できないし……っていうかあれを野放しにしてたら確実に失敗するもん、この聖杯戦争」
そうして束は、もう一人――主催陣の干渉が原因で、不当な脱落を遂げた参加者について言及した。
その名は、
剣崎一真――純一達の持つそれと極めて近いライダーシステムの、仮面ライダーブレイドに変身する男だった。
まだ、参加者達の時が止まっていた頃の話だ。
主催陣営は水面下で牽制し合いつつ、参加者の情報収集や支給品の選定を行っていた。
そして、参加者の情報が集まるに連れて、殺し合いを破綻させかねないいくつかの問題も浮上して来た。
その内、会場からの脱出に直結するような異能は既に聖杯によってメダル制限とは別個に枷を設けられていたため、単純に問題となったのは参加者間のパワーバランスにあった。
特に魔人ネウロ、イカロスにカオスというエンジェロイド、仮面ライダーディケイドなどは、この聖杯戦争において他とは隔絶した戦闘力を誇っていた。
その力で儀式そのものを瓦解されるのはもちろん、一方的な力ですぐに決着してしまってもセルメダルを参加者の欲望に馴染ませることができず、聖杯の起動条件を満たせない可能性がある。故にこれら規格外の参加者には、主催陣営の手が及ぶ範囲での対策が必要とされたのだ。
そして――そんな規格外の参加者の中でも、制限されたディケイドや、あのスーパータトバの上位互換とも言える戦力を発揮し、なおかつ確実に殺し合いに反抗して儀式を破綻させるものと危険視されたのが、剣崎一真だった。
無制限の時間停止という、対人戦においておよそ反則的な能力。それを含めた多彩な特殊能力を操るのは、世界を破壊する不死の邪神すら一刀の下に滅する力を持った、仮面ライダーブレイドキングフォーム。
しかもそれを纏う剣崎自身が、単純な力量ならキングフォームにも匹敵する最強のアンデッド――純一が同化を目論むほどに強力な死神、ジョーカーアンデッドの力を持つ。
その力を殺し合いの阻止に向けられては、高確率で儀式は破綻する。故にその存在は主催陣営から何より危惧された。
しかし、“欲望の大聖杯”の起動条件を満たすためには、聖杯が選んだ参加者である剣崎達を殺し合いの前に始末することはできなかった。
剣崎に限らず、厄介な参加者については首輪で爆破できれば簡単なことだったかもしれない。しかし見せしめに用いるダミーとは異なり、参加者の首に既に巻きついている本物のそれは聖杯が用意した物であり、様々な情報を開示してくれはすれど、未だ聖杯を手にしていない主催陣営の意志で自由に起爆することはできなかったのだ。
規格外の参加者の内、ネウロは聖杯の力によって放っておいても窒息死することが明らかになった。ディケイドは殺し合いを促進する存在になり得るということで、カードの大部分を奪って弱体化させるに止めた。エンジェロイド達もまた、その不安定な精神性からむしろディケイド同様に儀式の完遂に役立つために微調整で良いと結論づけられたが、剣崎一真だけはそれだけではいかなかった。
ブレイバックル、あるいは一部のラウズカードを取り上げれば、戦力の絶対性を奪うだけなら十分だったかもしれない。しかしキングフォームがなければ代用されるだろうジョーカーの力だけでも参加者中最上位に迫り、周囲の人間にも影響する強靭な精神性を持つために、あるいは精神の不安定を理由に見逃されたエンジェロイド達がその代理を果たしてしまう恐れもあった。
ジョーカーの力さえも剥奪できれば良かったのだろうが、前述の通り支給品ならともかく参加者に干渉するのは容易ではなく、まして星の集合意思が生み出した最上のアンデッドの力を抑制する手段も、人間に戻す技術も彼らは持ち合わせていなかった。
危険性を認識した上で、ブレイバックルを没収して参戦させるしかないと、話が纏まりかけていた頃だ。一計を案じた真木が、打開策を皆に提示したのは。
真木が示した対策が、ブレイバックルに細工を施した上での剣崎の暗殺だった。
剣崎を人間に戻すことはできない。しかしブレイバックルという人造物に細工を加えることならできる。そういった発想の逆転だった。
こうして真木達は、剣崎を仕留めるためにブレイバックル、それを通してキングフォームに罠を潜めた。同じカードは変身中一度しか使用できないよう設定することでタイムスカラベとロイヤルストレートフラッシュの同時使用の阻止と合わせてその能力の万能性を損なわせ、更に融合係数に強固な制限をかけることで出力を低下。加え変身の負担を大幅に増加させ、トドメに変身してから一定時間が経過することでバックルが自壊するように仕掛けた。
これで、状態の把握できていない初戦において普段の力が出せないまま戦いを長引かせ、弱り果てた剣崎が生身を晒すというお膳立ては整った。
消耗したジョーカーアンデッドなら倒せる者も少なくはなかったが、最終的に刺客として配置されるのは理性のないバーサーカーが選ばれた。初戦で死に至って貰わなければ通じない策だが、序盤にカオスを接触させては彼に懐柔されてしまう危険性があり、シャドームーンやグリードでは警戒して交戦を避ける可能性が高いためだ。
そこまでの準備を重ねた結果、目論見通り剣崎一真は初戦で敗北した。アンデッドである以上ラウズカードに封印されているだけだろうが、解放する手段はこの殺し合いに関与していない以上、脱落に変わりはない。
細工の副作用か、消え去るはずだったキングラウザーが会場に残り続けていることは想定外だったが、大した要素ではない。後は計画通り、ではあるのだが――そんな解体待ちの爆弾を持たされれていた青陣営は、他より頭数が少ない状態でのスタートを強いられていたのに同義だったのだ。成程そうして見ると、早々に真っ当な勝敗に見切りをつけたのが青の裏リーダーであることは自然な成り行きにも思えた。
「――ま、最初にがっくんを誘ったように、ここからは私も他の令呪を狙うスタンスで割り切っていくよ」
それでも未練を見せていたことに不快感を示された束はようやく譲歩して、その感情を引っ込めた。
「……それで? 新顔くんにも背景を説明してみたけれど、今回は他に何かお題はあるのかな?」
「うむ……所詮はただの顔合わせであったからな」
束の確認に対し、ガラは鷹揚に頷いてみせた。
「今の時点では、何色の令呪を奪うかも決まっておらぬからのう」
「仰る通りです。暫くはこのまま、殺し合いの進行を見守りましょう」
純一も頷きつつ、今後の展望を提案する。
純一達の目的は、最終勝利者となる裏リーダーが聖杯を獲得する寸前に、その令呪を強奪することだ。
一度令呪を得てしまうと、制限によって他の裏リーダーには攻撃を加えることができなくなる。またその後のことを警戒されると考えれば、決行はまさに終盤、一度きりに限られる。
それまではせいぜい、決戦に向けた各陣営への工作と、そのための情報収集ぐらいしかできることはない。現時点ではまだ、どの陣営が優勝するかも定かではないのだから。
故に、そこで解散となった。
「よーし! それじゃそれじゃ、紅椿の修理始めちゃおっかなー!」
でもただ直したのを渡しても、箒ちゃんも嬉しくないだろうなー、などと。天真爛漫にすら見える勢いではしゃぐ束は、紅椿の鈴を鳴らしながら部屋の奥に消えていった。
「……監視については、まだ暫く誤魔化しておけます。実際のお二人の動きに合わせて調整できる内に、ご退室を」
異色の双眸を開いたままの少女は、言外に早めの退場を促していた。
この十代前半の少女については、束の付き人であることしか純一にはわからない。
ただ、いずれは主人と聖杯を取り合うガラや純一のことを、快く思っていないということは理解できた。
ここは表面上にこやかな態度のまま、純一もガラを促し、退室しようとした。
「待て」
しかし小さな声で、歩み寄ったガラに耳打ちされた。
「例の件は、どうなっている?」
高い位置から見下ろすガラの紅玉の視線に、純一はだからここまで切り出さなかったのか、と察しを付けた。
「成程……確かに、魔術の心得のない私だけでは解析できませんでしたからね。こちらに記録を纏めてあります」
呟いて純一は、合流する事前に確保しておいた資料の一つを取り出した。
「天才錬金術師であるガラさんの智慧、是非ともお貸しください」
意味深な単語を口にしたことを咎めるような視線をしていることに気づき、内心ではしてやったりと思いつつも焦った表情を純一は作る。
暫しの後、嘆息したガラが目を瞑った一瞬の隙に、純一はもう一人の銀髪の少女に目配せをする。
あくまで一瞬のこと。こちらの視線に彼女が気づいているかは定かではない。しかし険しくなっていた表情を見て、証人を確保した手応えを悟り、密かに拳を握り込んだ。
これで、後に反故にされる可能性を下げることができる。ガラといえど純一や束まで同時に敵に回したくはない以上、今のやり取りをあの少女に聞かせたことは、肝心の令呪の移植で出し抜かれる事態への牽制になるはずだ。
「……良い。では約束通り、今度は我が事を進めておく」
足元を揺るがせながら、ガラが去って行く。
純一が入手してきた、
衛宮切嗣が
間桐雁夜から令呪を奪った過程を、魔術的な見地から解析するために。
(愛娘をあんな風に扱われ、会場内での己の行動すら利用される……同情するよ、魔術師殺し)
その背を見送りながら、哀れな道化である男の姿を思い出した純一もまた、失笑を殺しながら歩みを再開した。
緩慢な終わりの到来を少しでも早めるべく、自ら迎えに行こうとするように。
○○○ ○○○ ○○○ ○○○ ○○○ ○○○
「束さま」
研究所でもある自室の最奥。束が紅椿を解析にかけていると、目を開いたままで銀髪の少女が駆け込んで来た。
「あー、ありがとくーちゃん! がっくん達は帰ったの?」
束の返答に、銀髪の少女――クロエ・クロニクルは、心なし苛立ちを含めた声音で答えた。
「はい。ですがあの者ども、束さまを置いて……」
「あー、うん。どうせ令呪の移植について勝手に事を進めてるんでしょ?」
図星だったのか、すぐさま驚いた顔を浮かべたクロエの素直さに、束は明るく微笑みかける。
「どの道魔術の専門家としては、ここにはがっくん以上の人は居ないだろうしねー。元々その点であっちにアドバンテージがあるのはわかっていたし。がっくんは分野こそ違っても、私でも一目置くぐらいの天才だもんね。
でも束さんはもっと凄いのだ! とっくに私なりのやり方で、他の色の令呪を手に入れる準備ぐらいできちゃってるんだよー!」
ブイブイ、と続けていると、やがてクロエは驚きに固まっていた表情を和らげてくれた。
「流石です、束さま」
「いえーい、もっと褒めて褒めてー……うん、くーちゃんはやっぱり怒ってない声の方が、私は好きだよ」
ガラ達との関係も、あくまで互いに、共通の敵の手の内を探り、その戦力を削るために結成した形だけの同盟であることを、束は十分に理解していた。
何かしら提供できる情報と交換に、相手が掴んだ情報を引き出すギブアンドテイクのドライな関係。それを弁えている――というより、ほぼ全ての人間に執着のない束にとっては自然に近い認識だったために、彼らが自分を除け者にして何かしようとしていたのだとしても気にはならなかった。
「それでねくーちゃん、紅椿どうしちゃおっか? そんなに時間がないから大したことはできないだろうけど、どうせ直すならシナプス辺りの技術を組み込んでも面白そうじゃない?」
「ええ、とても」
クロエと言葉を交わしながら、自身の最高傑作――大切な一人っきりの妹に、時が来れば届けるためのプレゼントをどう仕上げるのかを、束は夢想する。
異世界の技術というのは、十二分に束の関心を引いた。束が世界の何十年先を行く頭脳を持とうと、出発点としては現在持ち得る知識を基準にしてしまう。遥かに進んだ技術に触れることができたのは、今の世界を楽しくないと思っていた束にとってはそれだけで幸運だったのだ。
ましてや、数多の並行世界への干渉すらその一端。無限大をも超えると言われる“欲望の大聖杯”の力を手に入れれば、もっと楽しくなるだろう――そう考えた束がこの聖杯戦争なるイベントを歓迎したのは、至極当然のことだった――そのための生贄候補の中に、織斑姉弟がいたとしても。
無関係だった箒を牽制として捕らえられたのは失態だったが、既に解放の計画は準備してある。彼女にはいざという舞台の時まで、もう暫く待っておいて貰おう。
(ところでさーマッキー……別にブレイド倒すのに使うの、ディケイドでも良かったよね?)
やがて――インキュベーターへの『ワールド・パージ』を解除すべく、目を伏せたクロエの様子を確認した束は一人。それまでとは異なる思考を展開していた。
このタイミングが訪れるまで保留しておいた、重要な問題を。
(バックルを壊す必要もなかったよねー……何ならデメリットを上手く調整してから、バーサーカーに使わせても良かったんだし。キングフォームはどうせ本人かバーサーカー以外じゃ使えないんだろうから、別段困る物でもないよね)
一見すれば、自壊機能を積み込むことも、何もおかしくはない……の、だが。
真木清人は――この殺し合いに関わる存在の中でも、最古参たる人物だ。
即ち今は亡き“預言者”と最も通じ――主催陣営の誰よりも、並行世界についての知識を持つ存在。
そして、本来なら勝利条件――というより聖杯を使用できる理由が存在しない、無所属こと“紫”陣営の裏の王という、存在そのものが不可解な立場に就いている。
(何を企んでいるのかな?)
その全容を知る術はない。しかし不足した情報を埋める手段なら――ある。
もう一人、いるのだ。裏リーダーよりも古くから、“預言者”と関わりのあった存在が。
その情報源を残すために、束もかの者の処刑には反対したのだから。
(当然……マッキーの監視も厳しかったし、がっくん達と共有するべき情報なのかは手に入れてから判断したかったもんね。今の今まではまだ青陣営があったから私も会場の監視に気を払っていたけど……今なら話は、別だよね?)
青陣営が消滅し、放送までに復帰する様子はない。紅椿の回収も完了した以上、暫くは束も暇ができた。
逆に、他の裏リーダーはまだまだ会場の監視に忙しいはずだ。今なら彼らの目を盗んで、バトルロワイアル開始以前では困難だった行為も達成し易いはず。
この殺し合いの発端となった人物の一人――鴻上光生との、接触が。
「ねえくーちゃん、ちょっとお使いを頼まれてくれないかな?」
そこまで考えたところで束は、目を閉じたまま自分に追従しているクロエに声をかけた。
娘として拾ったこの少女に与えたのはその名前と、生体同期型のIS『黒鍵』。その能力を持ってすれば、鴻上の握る真木との秘密を暴くことも容易い。
実際に役立つ情報なのかはわからないが、それは手に入れてから判断すべきこと――
「――くーちゃん?」
そこまで考えたところで、束は異常に気がついた。
「……失礼しましたっ、束様」
クロエは母想いの良い娘だ。束の頼みとあれば、少々堅苦しい言い回しでも喜んで飛びついてきてくれそうなものなのに――
「……何なりと、ご申し付けください」
そんな彼女が、束の言葉を聞いていなかった。
「んー……」
慌てた様子を目撃した束は、クロエに関する記憶を検索していた。
これは珍しい事態だ。非常に珍しい。初めて料理させた時に、促しても失敗作を束の前に出すのを躊躇っていた時以来だ。
「やっぱいいや」
だから、娘に何か辛いことがあったのだろうと、母として束は考えた。
おそらく――監視端末用のインキュベーターに『ワールド・パージ』を仕掛けた際。そのネットワークを介して、会場内の情報を取得してしまったのだろう。
クロエの精神に影響を与え得る人物……
ラウラ・ボーデヴィッヒの身に、何かあったのかもしれない。
操作していた端末を閉じ、腰を折った束はクロエの顔を覗き込む。
「大丈夫かにゃー? くーちゃん」
「は、はい……束様」
頷く愛娘を、束は優しく抱き寄せた。
急な包容に驚く様子が伝わってきたが、柔らかい力加減を心がけたまま、手放さない。
「よかったぁ……でも、やっぱり堅いよくーちゃんはー。束さんのこと、ママって呼んでくれても良いんだよ?」
戸惑う彼女を温めるようにしながら、束は耳元で優しく囁いた。
「ママはずっと、くーちゃんの傍にいるからね?」
「……束、さま……っ!」
感極まったクロエの声。それでも改められない呼称に「かったいなぁ」と思わず脱力しながらも、束はその胸を貸し続ける。
――お使いを頼むのは、また後にしようと考えながら。
青陣営の女王は、偽りの母娘の愛に浸っていた。
【一日目 真夜中(?)】
【???】
【篠ノ之束@インフィニット・ストラトス】
【所属】青・裏リーダー
【状態】健康、左手の甲に令呪(青)保有、真木清人の真意に若干の興味
【首輪】なし
【コア】不明
【装備】不明
【道具】紅椿@インフィニット・ストラトス、他不明
【思考・状況】
基本:面白そうだから、“欲望の大聖杯”を手に入れてみる。
0:クロエが辛そうだから慰める。
1:バトルロワイアルを完結させ、“欲望の大聖杯”を起動する。
2:1と並行して、自身が聖杯を獲得できる準備を進める(青陣営を優勝させるか、令呪を消費・放棄して他色の令呪を奪う)。
3:期を見てクロエを鴻上光生に接触させ、“預言者”に関する情報を集めておきたい。
4:箒に紅椿を返す前に、異世界の技術で強化改造してみるのも面白いかもしれない。
【備考】
※同じ天才として、今のところガラと真木の名前は覚えているようですが、純一のことは笑顔の気持ち悪い奴としか記憶していません。
※剣崎の暗殺に関連して、真木が何らかの企みを進行させていると予想しています。
※素人のXが白式を満足に扱ったことから、一夏の死に緑陣営の裏リーダーの関与を疑っています。
【クロエ・クロニクル@インフィニット・ストラトス】
【所属】不明
【状態】健康、精神的ショック(中)
【首輪】なし
【コア】不明
【装備】黒鍵@インフィニット・ストラトス
【道具】不明
【思考・状況】
基本:束さまに尽くす。
0:束さま……
1:束さまに尽くす。
2:あの子……
【備考】
※ラウラ・ボーデヴィッヒがウヴァに精神を乗っ取られたことを知りました。
【ガラ@仮面ライダーOOO】
【所属】不明
【状態】健康、イリヤスフィールの身体に憑依中
【首輪】なし
【コア】不明
【装備】不明
【道具】不明
【思考・状況】
基本:真のオーズとなるため、“欲望の大聖杯”を手に入れる。
1:バトルロワイアルを完結させ、“欲望の大聖杯”を起動する。
2:1と並行して、自身が聖杯を獲得できる準備を進める(優勝陣営の令呪を奪う)。
【備考】
※器にはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/Zeroを利用しています。
【海東純一@仮面ライダーディケイド】
【所属】不明
【状態】健康
【首輪】なし
【コア】不明
【装備】カリスラウザー&ラウズカード(ハートA~K、ジョーカー、ケルベロスA)
【道具】不明
【思考・状況】
基本:全ての世界を支配するため、“欲望の大聖杯”を手に入れる。
1:バトルロワイアルを完結させ、“欲望の大聖杯”を起動する。
2:1と並行して、自身が聖杯を獲得できる準備を進める(優勝陣営の令呪を奪う)。
【備考】
【全体備考】
※主催側に【篠ノ之束@インフィニット・ストラトス】が存在しています。また、束が青陣営の裏リーダーでした。
※主催側に【クロエ・クロニクル@インフィニット・ストラトス】が存在しています。
※主催側に【ガラ@仮面ライダーOOO】が存在しています。
またその器として、主催側に【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/Zero】が存在しています。
※参加者の首輪は、
ルールに明記された特定条件を満たさない限り、主催陣営にも任意の起爆はできません。
※紅椿@インフィニット・ストラトスが主催陣営に回収され、バトルロワイアル会場から失われました。
※主催陣営は“欲望の大聖杯”を起動させるには、参加者の欲望にセルメダルを馴染ませる必要があるのではと考えています。そのためにどの程度の期間を見ているのかは後続の書き手さんにお任せします。
最終更新:2015年02月10日 23:14