トランスフォーマー 超神マスターフォースの第1話

「トランスフォーマー 超神マスターフォースの第1話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

トランスフォーマー 超神マスターフォースの第1話 - (2014/07/15 (火) 04:20:46) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&bold(){トランスフォーマー &ruby(ちょうじん){超神}マスターフォースの第1話} 夜の海を行く客船。突如、船室の窓をぶち破り、コウモリ型モンスター・ブラッドが船員に襲いかかる。 「う、うわぁ──っ!?」 甲板上のカップル。男性が女性にビデオカメラを向ける。 「はい、笑って……」 その女性の背後から、半魚人型モンスター・ギルマーが現れる。 「ぎゃあぁっ!?」「キャ──ッ!」 たちまち船上の乗客たちは大パニックに陥る。 ブラッド「ガルフ、出ろ! ガルフ!」 海中から魚型モンスター・ガルフが無数に現れ、船を荒らし回る。 ギルマー「出て来い、メタルホーク!」 #center(){|BGCOLOR(black):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){立て&i(){!!} プリテンダー}}}&br()&br()|} 日本。サッカーグランドで試合が行われている。 ボールをドリブルする少年、剛 &ruby(しゅうた){秀太}。客席で父親の剛博士と、その助手のホークが歓声を送る。 剛博士「行け、秀太!」 ホーク「キックだ!」 秀太のキックしたボールが、ゴールネットに突き刺さる。 秀太「イェイ!」 ホーク「やりましたね、秀太くんは」 剛博士「ありがとう、ホークくん。君が時々コーチしてくれたおかげだよ」 ホーク「いえ、私はただ彼の欠点をアドバイスしただけです」 剛博士「何せ、秀太は実の兄のように慕っている。君の言うことなら何でも素直に聞くからね。父親の私の言うことよりもだ。ハハハ」 試合の帰りの途中、ホークの腕時計から声が響く。 声『ダイバーだ』 ホーク「ダイバー! 久しぶりだな。元気か?」 声『ホーク、聞け! カナダ沖で船が襲われた。ヤツらの仕業だ』 ホーク「……!」 声『現場の遺留品からビデオが回収された。研究所の方へ送ったから、君の目で確かめてくれ』 剛博士の研究所。 冒頭で襲われた船の惨状が、カップル客のビデオカメラが捉えた画像に映し出している。 ホーク「間違いない…… ブラッドとギルマーだ。所長、恐れていたことが起ったんです」 剛博士「それじゃあ、君が私にだけ話してくれた……」 ホーク「そうです。デストロンが動き出したのです!」 そこへ駆け込んでくる秀太。 秀太「父さぁん! ホーク、見てくれた? 僕の逆転シュート!」 剛博士「秀太、下へ行ってなさい」 ホーク「秀太くんにも、話しておいた方がいいでしょう」 剛博士「いや、しかし……」 ホーク「ヤツらは、赤ん坊だろうと子供だろうと、情け容赦なく殺します。再び現れたとなれば秀太くんとて、いつ危ない目に遭うか……」 剛博士「……わかった。君の言う通りかもしれん」 秀太「ねぇ、何のこと? 僕にはさっぱりだよ」 ホーク「秀太くん。私は…… 地球人ではない」 秀太「え……? 宇宙人なのぉ?」 ホーク「う?」 秀太「あのねぇ、ホークさん? 僕を担ごうと思ってるんなら、もう少し上手なウソをねぇ……」 ホーク「真面目な話だ」 研究所の外。沈み行く夕陽を見つめるホーク。 ホーク「私は、地球から遥か彼方にあるセイバートロン星から来た。正確に言えば『トランスフォーマー』と呼ばれる超ロボット生命体なのだ」 秀太「ロボット…… ホークが……?」 ホーク「そうだ。人間や動物、生命を持つ者なら何にでも姿を変えることのできる、トランスフォーマーの中の『プリテンダー』という種族なのだよ。セイバートロン星では、サイバトロンとデストロンの激しい戦いが続いていた。我々は敵のプリテンダーを追って太陽系に突入し、戦いの中、互いに傷つき地球に不時着した……」 夜の研究所。ホークの話は続く。 ホーク「地球はその頃、人が洞穴に住み、石や動物の骨で獣を追う太古の時代だった。帰る船を失った我々は、人間の姿にトランスフォームし、ヤツらもまた己を変えた。悪魔の姿にだ。長い戦いの末、我々が勝ち、悪魔どもを地球の各地に封じ込めた。だが…… ヤツらは再び甦った!」 海岸のコンビナート地帯。イカ型モンスター・テンタキルがコンビナートを襲い、無数の火柱が上がる。 自衛隊の武装ヘリコプターが出撃。 「撃てぇ!」 しかしヘリの攻撃はまったく通じず、逆にテンタキルの攻撃で次々に撃墜される。 さらにテンタキルは街にも進出。建物が砕け、人々が悲鳴をあげて逃げ惑う。 その様子をビルの上から眺めている、ミノタウロス型モンスター・ダウロス。 ダウロス「グフフフ、虫ケラどもが泣き叫んでおるわ。テンタキル、ブチ壊せ! 皆殺しだぁ!」 そこへブラッドが現れる。 ブラッド「ダウロス、抜け駆けする気か!?」 ダウロス「ブラッド、貴様のやることは生ぬるいのよ!」 ブラッド「何だとぉ!?」 ダウロス「やる気か!?」 ギルマーも現れ、仲裁に入る。 ギルマー「やめろ! 仲間割れしてるときか!?」 自衛隊の戦車が到着し、テンタキルに砲弾を浴びせる。しかし、一向に攻撃は通じない。 ダウロス「ハデにやれ! サイバトロンの連中を燻り出すのだ!」 ブラッド「まさか、怖気づいたんじゃ?」 ギルマー「いや、来る! ホークはそういうヤツだ」 剛博士の研究所。テレビのニュースで、街の惨状が報じられている。 『奇怪な怪物の出現に、街は今パニックと化しています』 剛博士「大変なことに……」 ホーク「デストロンめ…… スーツ・オン!」 秀太「ホーク、大変だよぉ! ニュース見た!?」 研究所に辿り着いた秀太が見たものは、強化服プリテンダースーツを纏ったホークの姿。 秀太「ホーク……?」 ホーク「プリテンダ──!」 ホークの体が光に包まれ、巨大なロボットの姿・メタルホークへと変身する。 メタルホーク「トランスフォ──ム!」 さらにメタルホークがジェット機に変形、空へと飛び立つ。 秀太「ヒャッホー! 信じらんないや!」 メタルホーク「デストロンが日本に現れた! 繰り返す、デストロンが現れた! プリテンダー、集結せよ!」 とある国の海洋研究所。 「プリテンダー!」「トランスフォーム!」 ホークの仲間・ダイバーが潜水艦に変形し、海へと出撃する。 また別の国。女性をはべらせてデート中の青年の腕時計が光る。 「ちぇっ! これからデートだっていうのに、ホークのヤツ」 「ランダー、何なの? これ」 「スーツ・オン!」「プリテンダー!」「トランスフォーム!」 青年がプリテンダー・ランダーに変身。スーパーカーに変形し、白目をむいた女性を残して夜の街を走り去る。 さらに別の国、とある空港。 「トランスフォーム!」 雨の中を、プリテンダー・フェニックスがジェット機に変形して飛び立つ。 日本。街中で暴れ回るテンタキルのもとへ、メタルホークが飛来する。 メタルホーク「トランスフォーム!」 ロボットモードに変形して降り立つメタルホーク。 ブラッド「ホークだ!」 ギルマー「やっぱり出てきたか、作戦は成功だ」 ダウロス「グフフ、叩き殺してやる! 野郎!」 ブラッド「俺が先だ!」 ダウロス「何!?」 ギルマー「待て! テンタキルで様子を見るんだ。我々は高見の見物というわけだ」 メタルホーク「来い!」 メタルホークとテンタキルの戦いが始まる。テンタキルの触手がメタルホークを叩きのめす。 そこへ駆けつける秀太。 メタルホーク「うぅぅ……!」 秀太「ホーク! ホークぅ!」 メタルホークが立ち上がり、反撃に転じる。 秀太「ホーク、その調子だぁ! ノシイカにしちゃえ! やれぇ! そこだ! 行けぇ!」 夢中になる秀太の背後に別のテンタキルが現れ、触手で彼を捕らえる。 秀太「わぁ、助けてぇ!」 メタルホーク「はっ、秀太くん!?」 秀太「ホーク! 助けてぇ──! わぁっ!」 メタルホークが秀太を助けようとし、テンタキルの攻撃を背に浴びる。 メタルホーク「うわぁっ!?」 秀太「ホーク!? ホーク、ホーク!」 メタルホーク「くっ……」 秀太「ホーク、立てぇ! うっ、うわぁっ!」 メタルホーク「ぐぅっ…… その子を離せ!」 秀太「ホーク、危ない! 後ろ!」 背後からテンタキルが襲いかかるが、メタルホークは大ジャンプでかわす。 メタルホーク「チタニウムサーベル! とぉっ!」 メタルホークの抜いた剣が、テンタキルの攻撃を跳ね返しつつ、テンタキルを真っ二つに叩き斬る。大爆発。 残るテンタキルはあと1体だが、依然、秀太が捕われている。 さらにダウロスがモンスターからロボットモードへと変身、剣を抜いてメタルホークと切り結ぶ。 メタルホーク「貴様、ダウロス!」 ダウロス「メタルホーク、久しぶりだな!」 ブラッドとギルマーも、次々にロボットモードに変身して現れる。 メタルホーク「デストロン……!」 ブラッド「会いたかったぜ、ホーク」 ギルマー「よくも俺たちを何千年もの間、薄暗い地下に閉じ込めてくれたな!」 メタルホーク「どうやって抜け出して来た!?」 ダウロス「ケッ、お前の知ったことか! 今までの礼、たっぷりさせてもらうぜ!」 ダウロスとメタルホークの、激しい鍔迫り合い。 メタルホーク「たぁっ!」 ブラッド「俺がやる!」 ギルマー「だぁっ!」 メタルホーク「うわぁっ!」 3人を一度に相手にし、メタルホークは明らかに劣勢を強いられる。 ギルマー「これまでだ、ホーク。名残惜しいが死んでもらうぞ」 メタルホーク「貴様たちの狙いは何だ!? なぜ地球を!?」 ギルマー「わかりきったこと。地球を我が手にし、やがてはデストロンの帝国を築くため! フフフ…… お喋りはここまでだ。ホーク、覚悟!」 そこへフェニックスが飛来。ビームを放ち、ギルマーの剣を弾き飛ばす。 ギルマー「おわぁっ!?」 メタルホーク「フェニックス、遅いぞ!」 フェニックス「そりゃないぜ! 朝メシをまだ食ってないんだ!」 ブラッド「野郎、ふざけやがって! トランスフォーム!」 ブラッドがビークルモードに変形して飛び上がり、フェニックスを追う。 フェニックス「ブラッド、俺とやる気かい?」 ブラッド「当たり前だ! お前なんかにコケにされてたまるか!」 フェニックス「面白ぇ!」 一方でダイバーも日本に到着。 ダイバー「トランスフォーム!」 ロボットモードに変形して地を走る彼の脇を、ランダーが追い抜いて行く。 ランダー「やぁダイバー、元気だったか? お先にっ! トランスフォーム!」 ランダーがロボットに変形し、ブラッドに体当たりを食らわす。 ブラッド「ぐわぁっ!?」 ランダー「ダウロス、お前の相手はこのランダー様が!」 メタルホークの相手はギルマーのみとなったが、依然、秀太がテンタキルに捕われている。 ギルマー「ホーク、武器を捨てろ!」 メタルホーク「卑怯な!」 ギルマー「フフフ…… ガキの命が惜しかったら、抵抗をやめろ」 そこへ背後から忍び寄ったダイバーの鉄拳が、ギルマーの顔面に炸裂。 ギルマー「ぐはぁっ!?」 ダイバー「こいつらは引き受けた!」 メタルホーク「おぉっ!」 メタルホークがテンタキルの攻撃をかわしつつ、その触手を剣で切り落とす。 宙に放り出される秀太をメタルホークがキャッチ。テンタキルが大爆発。 ギルマー「しまったぁ!?」 秀太「ホーク……」 メタルホーク「大丈夫かい?」 秀太「うん…… ありがとう、ホーク!」 ギルマー「退け、テンタキルがやられた!」 ブラッド「何!?」 フェニックスと空中戦を演じていたブラッドが、慌てて撤退する。 フェニックス「ブラッド、逃げるつもりか!?」 ギルマー「トランスフォーム!」 ダウロス「トランスフォーム!」 ダウロスとギルマーもビークルモードに変形し、走り去る。 戦いは終わった。夕陽を見つめるメタルホーク、秀太、プリテンダーたち。 メタルホーク「初めて見る人間は、頼りなく弱い生き物に見えた……しかし、相手をいたわる優しさ、思いやり、そして、愛する者のためなら命をかけても立ち向かう勇気。私たちは人間に出会い、そのすばらしさにショックを受けた。だから人間にトランスフォームしたのだ」 秀太「ホーク……!」 メタルホーク「ただ強ければいいのではない。それを教えてくれた人間を守るために、私たちは立ち上がる!」 ダイバー「俺たちがいる限り、この平和で美しい地球は……」 ランダー「必ず守ってみせる!」 フェニックス「再び現れたデストロンと戦う!」 #center(){|CENTER:&br()数千年の時を経て今また、&br()悪魔の使者デストロンとサイバトロンの、&br()宿命の対決が開始された。&br()&br()立て、正義の戦士サイバトロン!&br()戦え、プリテンダー!&br()&br()|} #center(){&big(){(続く)}}
&bold(){トランスフォーマー &ruby(ちょうじん){超神}マスターフォースの第1話} 夜の海を行く客船。 突如、船室の窓をぶち破り、コウモリ型モンスター・ブラッドが船員に襲いかかる。 船員「う、うわぁ──っ!?」 甲板上のカップル。 男性が女性にビデオカメラを向ける。 男性「はい、笑って……」 その女性の背後から、半魚人型モンスター・ギルマーが現れる。 男女「ぎゃあぁっ!?」「キャ──ッ!」 たちまち船上の乗客たちは大パニックに陥る。 ブラッド「ガルフ、出ろ! ガルフ!」 海中から魚型モンスター・ガルフが無数に現れ、船を荒らし回る。 ギルマー「出て来い、メタルホーク!」 #center(){|BGCOLOR(black):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){立て&i(){!!} プリテンダー}}}&br()&br()|} 日本。 サッカーグランドで試合が行われている。 ボールをドリブルする少年、剛 &ruby(しゅうた){秀太}。客席で父親の剛博士と、その助手のホークが歓声を送る。 剛博士「行け、秀太!」 ホーク「キックだ!」 秀太のキックしたボールが、ゴールネットに突き刺さる。 秀太「イェイ!」 ホーク「やりましたね、秀太くんは」 剛博士「ありがとう、ホークくん。君が時々コーチしてくれたおかげだよ」 ホーク「いえ、私はただ彼の欠点をアドバイスしただけです」 剛博士「何せ、秀太は実の兄のように慕っている。君の言うことなら何でも素直に聞くからね。父親の私の言うことよりもだ。ハハハ」 試合の帰りの途中、ホークの腕時計から声が響く。 声『ダイバーだ』 ホーク「ダイバー! 久しぶりだな。元気か?」 声『ホーク、聞け! カナダ沖で船が襲われた。奴らの仕業だ』 ホーク「……!」 声『現場の遺留品からビデオが回収された。研究所の方へ送ったから、君の目で確かめてくれ』 剛博士の研究所。 冒頭で襲われた船の惨状が、カップル客のビデオカメラが捉えた画像に映し出している。 ホーク「間違いない…… ブラッドとギルマーだ。所長、恐れていたことが起ったんです」 剛博士「それじゃあ、君が私にだけ話してくれた……」 ホーク「そうです。デストロンが動き出したのです!」 そこへ駆け込んでくる秀太。 秀太「父さぁん! ホーク、見てくれた? 僕の逆転シュート!」 剛博士「秀太、下へ行ってなさい」 ホーク「秀太くんにも、話しておいた方がいいでしょう」 剛博士「いや、しかし……」 ホーク「奴らは、赤ん坊だろうと子供だろうと、情け容赦なく殺します。再び現れたとなれば秀太くんとて、いつ危ない目に遭うか……」 剛博士「……わかった。君の言う通りかもしれん」 秀太「ねぇ、何のこと? 僕にはさっぱりだよ」 ホーク「秀太くん。私は…… 地球人ではない」 秀太「え……? 宇宙人なのぉ?」 ホーク「う?」 秀太「あのねぇ、ホークさん? 僕を担ごうと思ってるんなら、もう少し上手な嘘をねぇ……」 ホーク「真面目な話だ」 研究所の外。 沈み行く夕陽を見つめるホーク。 ホーク「私は、地球から遥か彼方にあるセイバートロン星から来た。正確に言えば『トランスフォーマー』と呼ばれる超ロボット生命体なのだ」 秀太「ロボット…… ホークが……?」 ホーク「そうだ。人間や動物、生命を持つ者なら何にでも姿を変えることのできる、トランスフォーマーの中の『プリテンダー』という種族なのだよ。セイバートロン星では、サイバトロンとデストロンの激しい戦いが続いていた。我々は敵のプリテンダーを追って太陽系に突入し、戦いの中、互いに傷つき地球に不時着した……」 夜の研究所。 ホークの話は続く。 ホーク「地球はその頃、人が洞穴に住み、石や動物の骨で獣を追う太古の時代だった。帰る船を失った我々は、人間の姿にトランスフォームし、奴らもまた己を変えた。悪魔の姿にだ。長い戦いの末、我々が勝ち、悪魔どもを地球の各地に封じ込めた。だが…… 奴らは再び甦った!」 海岸のコンビナート地帯。 イカ型モンスター・テンタキルがコンビナートを襲い、無数の火柱が上がる。 自衛隊の武装ヘリコプターが出撃。 自衛隊員「撃てぇ!」 しかしヘリの攻撃はまったく通じず、逆にテンタキルの攻撃で次々に撃墜される。 さらにテンタキルは、街にも進出する。 建物が砕け、人々が悲鳴をあげて逃げ惑う。 その様子をビルの上から眺めている、ミノタウロス型モンスター・ダウロス。 ダウロス「グフフフ、虫ケラどもが泣き叫んでおるわ。テンタキル、ブチ壊せ! 皆殺しだぁ!」 そこへブラッドが現れる。 ブラッド「ダウロス、抜け駆けする気か!?」 ダウロス「ブラッド、貴様のやることは生ぬるいのよ!」 ブラッド「何だとぉ!?」 ダウロス「やる気か!?」 ギルマーも現れ、仲裁に入る。 ギルマー「やめろ! 仲間割れしてるときか!?」 自衛隊の戦車が到着し、テンタキルに砲弾を浴びせる。 しかし、一向に攻撃は通じない。 ダウロス「ハデにやれ! サイバトロンの連中を燻り出すのだ!」 ブラッド「まさか、怖気づいたんじゃ?」 ギルマー「いや、来る! ホークはそういう奴だ」 剛博士の研究所。 テレビのニュースで、街の惨状が報じられている。 テレビ『奇怪な怪物の出現に、街は今パニックと化しています』 剛博士「大変なことに……」 ホーク「デストロンめ…… スーツ・オン!」 秀太「ホーク、大変だよぉ! ニュース見た!?」 研究所に辿り着いた秀太が見たものは、強化服プリテンダースーツを纏ったホークの姿。 秀太「ホーク……?」 ホーク「プリテンダ──!」 ホークの体が光に包まれ、巨大なロボットの姿・メタルホークへと変身する。 メタルホーク「トランスフォ──ム!」 さらにメタルホークがジェット機に変形、空へと飛び立つ。 秀太「ヒャッホー! 信じらんないや!」 メタルホーク「デストロンが日本に現れた! 繰り返す、デストロンが現れた! プリテンダー、集結せよ!」 とある国の海洋研究所。 ホーク「プリテンダー!」「トランスフォーム!」 ホークの仲間・ダイバーが潜水艦に変形し、海へと出撃する。 また別の国。 女性をはべらせてデート中の青年・ランダーの腕時計が光る。 ランダー「ちぇっ! これからデートだっていうのに、ホークの奴」 女性「ランダー、何なの? これ」 ランダー「スーツ・オン!」「プリテンダー!」「トランスフォーム!」 青年がプリテンダーに変身する。 スーパーカーに変形し、白目をむいた女性を残して夜の街を走り去る。 さらに別の国、とある空港。 フェニックス「トランスフォーム!」 雨の中を、プリテンダー・フェニックスがジェット機に変形して飛び立つ。 日本。 街中で暴れ回るテンタキルのもとへ、メタルホークが飛来する。 メタルホーク「トランスフォーム!」 ロボットモードに変形して降り立つメタルホーク。 ブラッド「ホークだ!」 ギルマー「やっぱり出てきたか、作戦は成功だ」 ダウロス「グフフ、叩き殺してやる! 野郎!」 ブラッド「俺が先だ!」 ダウロス「何!?」 ギルマー「待て! テンタキルで様子を見るんだ。我々は高見の見物というわけだ」 メタルホーク「来い!」 メタルホークとテンタキルの戦いが始まる。 テンタキルの触手がメ、タルホークを叩きのめす。 秀太がそこへ駆けつける。 メタルホーク「うぅぅ……!」 秀太「ホーク! ホークぅ!」 メタルホークが立ち上がり、反撃に転じる。 秀太「ホーク、その調子だぁ! ノシイカにしちゃえ! やれぇ! そこだ! 行けぇ!」 夢中になる秀太の背後に別のテンタキルが現れ、触手で彼を捕らえる。 秀太「わぁ、助けてぇ!」 メタルホーク「はっ、秀太くん!?」 秀太「ホーク! 助けてぇ──! わぁっ!」 メタルホークが秀太を助けようとし、テンタキルの攻撃を背に浴びる。 メタルホーク「うわぁっ!?」 秀太「ホーク!? ホーク、ホーク!」 メタルホーク「くっ……」 秀太「ホーク、立てぇ! うっ、うわぁっ!」 メタルホーク「ぐぅっ…… その子を離せ!」 秀太「ホーク、危ない! 後ろ!」 背後からテンタキルが襲いかかるが、メタルホークは大ジャンプでかわす。 メタルホーク「チタニウムサーベル! とぉっ!」 メタルホークの抜いた剣が、テンタキルの攻撃を跳ね返しつつ、テンタキルを真っ二つに叩き斬る。 テンタキルが大爆発。 残るテンタキルはあと1体だが、依然、秀太が捕われている。 さらにダウロスがモンスターからロボットモードへと変身、剣を抜いてメタルホークと切り結ぶ。 メタルホーク「貴様、ダウロス!」 ダウロス「メタルホーク、久しぶりだな!」 ブラッドとギルマーも、次々にロボットモードに変身して現れる。 メタルホーク「デストロン……!」 ブラッド「会いたかったぜ、ホーク」 ギルマー「よくも俺たちを何千年もの間、薄暗い地下に閉じ込めてくれたな!」 メタルホーク「どうやって抜け出して来た!?」 ダウロス「ケッ、お前の知ったことか! 今までの礼、たっぷりさせてもらうぜ!」 ダウロスとメタルホークの、激しい鍔迫り合い。 メタルホーク「たぁっ!」 ブラッド「俺がやる!」 ギルマー「だぁっ!」 メタルホーク「うわぁっ!」 3人を一度に相手にし、メタルホークは明らかに劣勢を強いられる。 ギルマー「これまでだ、ホーク。名残惜しいが死んでもらうぞ」 メタルホーク「貴様たちの狙いは何だ!? なぜ地球を!?」 ギルマー「わかりきったこと。地球を我が手にし、やがてはデストロンの帝国を築くため! フフフ…… お喋りはここまでだ。ホーク、覚悟!」 そこへフェニックスが飛来する。 ビームを放ち、ギルマーの剣を弾き飛ばす。 ギルマー「おわぁっ!?」 メタルホーク「フェニックス、遅いぞ!」 フェニックス「そりゃないぜ! 朝メシをまだ食ってないんだ!」 ブラッド「野郎、ふざけやがって! トランスフォーム!」 ブラッドがビークルモードに変形して飛び上がり、フェニックスを追う。 フェニックス「ブラッド、俺とやる気かい?」 ブラッド「当たり前だ! お前なんかにコケにされてたまるか!」 フェニックス「面白ぇ!」 一方でダイバーも、日本に到着する。 ダイバー「トランスフォーム!」 ロボットモードに変形して地を走る彼の脇を、ランダーが追い抜いて行く。 ランダー「やぁダイバー、元気だったか? お先にっ! トランスフォーム!」 ランダーがロボットに変形し、ブラッドに体当たりを食らわす。 ブラッド「ぐわぁっ!?」 ランダー「ダウロス、お前の相手はこのランダー様が!」 メタルホークの相手はギルマーのみとなったが、依然、秀太がテンタキルに捕われている。 ギルマー「ホーク、武器を捨てろ!」 メタルホーク「卑怯な!」 ギルマー「フフフ…… ガキの命が惜しかったら、抵抗をやめろ」 そこへ背後から忍び寄ったダイバーの鉄拳が、ギルマーの顔面に炸裂。 ギルマー「ぐはぁっ!?」 ダイバー「こいつらは引き受けた!」 メタルホーク「おぉっ!」 メタルホークがテンタキルの攻撃をかわしつつ、その触手を剣で切り落とす。 宙に放り出される秀太を、メタルホークが受け止める。 テンタキルが大爆発を遂げる。 ギルマー「しまったぁ!?」 秀太「ホーク……」 メタルホーク「大丈夫かい?」 秀太「うん…… ありがとう、ホーク!」 ギルマー「退け、テンタキルがやられた!」 ブラッド「何!?」 フェニックスと空中戦を演じていたブラッドが、慌てて撤退する。 フェニックス「ブラッド、逃げるつもりか!?」 ギルマー「トランスフォーム!」 ダウロス「トランスフォーム!」 ダウロスとギルマーもビークルモードに変形し、走り去る。 戦いは終わった。 メタルホーク、秀太、プリテンダーたちが、夕陽を見つめる。 メタルホーク「初めて見る人間は、頼りなく弱い生き物に見えた……しかし、相手をいたわる優しさ、思いやり、そして、愛する者のためなら命をかけても立ち向かう勇気。私たちは人間に出会い、そのすばらしさにショックを受けた。だから人間にトランスフォームしたのだ」 秀太「ホーク……!」 メタルホーク「ただ強ければいいのではない。それを教えてくれた人間を守るために、私たちは立ち上がる!」 ダイバー「俺たちがいる限り、この平和で美しい地球は……」 ランダー「必ず守ってみせる!」 フェニックス「再び現れたデストロンと戦う!」 #center(){|CENTER:&br()数千年の時を経て今また、&br()悪魔の使者デストロンとサイバトロンの、&br()宿命の対決が開始された。&br()&br()立て、正義の戦士サイバトロン!&br()戦え、プリテンダー!&br()&br()|} #center(){&big(){(続く)}}

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: