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&bold(){トランスフォーマー &ruby(ちょうじん){超神}マスターフォースの第1話}
夜の海を行く客船。突如、船室の窓をぶち破り、コウモリ型モンスター・ブラッドが船員に襲いかかる。
「う、うわぁ──っ!?」
甲板上のカップル。男性が女性にビデオカメラを向ける。
「はい、笑って……」
その女性の背後から、半魚人型モンスター・ギルマーが現れる。
「ぎゃあぁっ!?」「キャ──ッ!」
たちまち船上の乗客たちは大パニックに陥る。
ブラッド「ガルフ、出ろ! ガルフ!」
海中から魚型モンスター・ガルフが無数に現れ、船を荒らし回る。
ギルマー「出て来い、メタルホーク!」
#center(){|BGCOLOR(black):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){立て&i(){!!} プリテンダー}}}&br()&br()|}
日本。サッカーグランドで試合が行われている。
ボールをドリブルする少年、剛 &ruby(しゅうた){秀太}。客席で父親の剛博士と、その助手のホークが歓声を送る。
剛博士「行け、秀太!」
ホーク「キックだ!」
秀太のキックしたボールが、ゴールネットに突き刺さる。
秀太「イェイ!」
ホーク「やりましたね、秀太くんは」
剛博士「ありがとう、ホークくん。君が時々コーチしてくれたおかげだよ」
ホーク「いえ、私はただ彼の欠点をアドバイスしただけです」
剛博士「何せ、秀太は実の兄のように慕っている。君の言うことなら何でも素直に聞くからね。父親の私の言うことよりもだ。ハハハ」
試合の帰りの途中、ホークの腕時計から声が響く。
声『ダイバーだ』
ホーク「ダイバー! 久しぶりだな。元気か?」
声『ホーク、聞け! カナダ沖で船が襲われた。ヤツらの仕業だ』
ホーク「……!」
声『現場の遺留品からビデオが回収された。研究所の方へ送ったから、君の目で確かめてくれ』
剛博士の研究所。
冒頭で襲われた船の惨状が、カップル客のビデオカメラが捉えた画像に映し出している。
ホーク「間違いない…… ブラッドとギルマーだ。所長、恐れていたことが起ったんです」
剛博士「それじゃあ、君が私にだけ話してくれた……」
ホーク「そうです。デストロンが動き出したのです!」
そこへ駆け込んでくる秀太。
秀太「父さぁん! ホーク、見てくれた? 僕の逆転シュート!」
剛博士「秀太、下へ行ってなさい」
ホーク「秀太くんにも、話しておいた方がいいでしょう」
剛博士「いや、しかし……」
ホーク「ヤツらは、赤ん坊だろうと子供だろうと、情け容赦なく殺します。再び現れたとなれば秀太くんとて、いつ危ない目に遭うか……」
剛博士「……わかった。君の言う通りかもしれん」
秀太「ねぇ、何のこと? 僕にはさっぱりだよ」
ホーク「秀太くん。私は…… 地球人ではない」
秀太「え……? 宇宙人なのぉ?」
ホーク「う?」
秀太「あのねぇ、ホークさん? 僕を担ごうと思ってるんなら、もう少し上手なウソをねぇ……」
ホーク「真面目な話だ」
研究所の外。沈み行く夕陽を見つめるホーク。
ホーク「私は、地球から遥か彼方にあるセイバートロン星から来た。正確に言えば『トランスフォーマー』と呼ばれる超ロボット生命体なのだ」
秀太「ロボット…… ホークが……?」
ホーク「そうだ。人間や動物、生命を持つ者なら何にでも姿を変えることのできる、トランスフォーマーの中の『プリテンダー』という種族なのだよ。セイバートロン星では、サイバトロンとデストロンの激しい戦いが続いていた。我々は敵のプリテンダーを追って太陽系に突入し、戦いの中、互いに傷つき地球に不時着した……」
夜の研究所。ホークの話は続く。
ホーク「地球はその頃、人が洞穴に住み、石や動物の骨で獣を追う太古の時代だった。帰る船を失った我々は、人間の姿にトランスフォームし、ヤツらもまた己を変えた。悪魔の姿にだ。長い戦いの末、我々が勝ち、悪魔どもを地球の各地に封じ込めた。だが…… ヤツらは再び甦った!」
海岸のコンビナート地帯。イカ型モンスター・テンタキルがコンビナートを襲い、無数の火柱が上がる。
自衛隊の武装ヘリコプターが出撃。
「撃てぇ!」
しかしヘリの攻撃はまったく通じず、逆にテンタキルの攻撃で次々に撃墜される。
さらにテンタキルは街にも進出。建物が砕け、人々が悲鳴をあげて逃げ惑う。
その様子をビルの上から眺めている、ミノタウロス型モンスター・ダウロス。
ダウロス「グフフフ、虫ケラどもが泣き叫んでおるわ。テンタキル、ブチ壊せ! 皆殺しだぁ!」
そこへブラッドが現れる。
ブラッド「ダウロス、抜け駆けする気か!?」
ダウロス「ブラッド、貴様のやることは生ぬるいのよ!」
ブラッド「何だとぉ!?」
ダウロス「やる気か!?」
ギルマーも現れ、仲裁に入る。
ギルマー「やめろ! 仲間割れしてるときか!?」
自衛隊の戦車が到着し、テンタキルに砲弾を浴びせる。しかし、一向に攻撃は通じない。
ダウロス「ハデにやれ! サイバトロンの連中を燻り出すのだ!」
ブラッド「まさか、怖気づいたんじゃ?」
ギルマー「いや、来る! ホークはそういうヤツだ」
剛博士の研究所。テレビのニュースで、街の惨状が報じられている。
『奇怪な怪物の出現に、街は今パニックと化しています』
剛博士「大変なことに……」
ホーク「デストロンめ…… スーツ・オン!」
秀太「ホーク、大変だよぉ! ニュース見た!?」
研究所に辿り着いた秀太が見たものは、強化服プリテンダースーツを纏ったホークの姿。
秀太「ホーク……?」
ホーク「プリテンダ──!」
ホークの体が光に包まれ、巨大なロボットの姿・メタルホークへと変身する。
メタルホーク「トランスフォ──ム!」
さらにメタルホークがジェット機に変形、空へと飛び立つ。
秀太「ヒャッホー! 信じらんないや!」
メタルホーク「デストロンが日本に現れた! 繰り返す、デストロンが現れた! プリテンダー、集結せよ!」
とある国の海洋研究所。
「プリテンダー!」「トランスフォーム!」
ホークの仲間・ダイバーが潜水艦に変形し、海へと出撃する。
また別の国。女性をはべらせてデート中の青年の腕時計が光る。
「ちぇっ! これからデートだっていうのに、ホークのヤツ」
「ランダー、何なの? これ」
「スーツ・オン!」「プリテンダー!」「トランスフォーム!」
青年がプリテンダー・ランダーに変身。スーパーカーに変形し、白目をむいた女性を残して夜の街を走り去る。
さらに別の国、とある空港。
「トランスフォーム!」
雨の中を、プリテンダー・フェニックスがジェット機に変形して飛び立つ。
日本。街中で暴れ回るテンタキルのもとへ、メタルホークが飛来する。
メタルホーク「トランスフォーム!」
ロボットモードに変形して降り立つメタルホーク。
ブラッド「ホークだ!」
ギルマー「やっぱり出てきたか、作戦は成功だ」
ダウロス「グフフ、叩き殺してやる! 野郎!」
ブラッド「俺が先だ!」
ダウロス「何!?」
ギルマー「待て! テンタキルで様子を見るんだ。我々は高見の見物というわけだ」
メタルホーク「来い!」
メタルホークとテンタキルの戦いが始まる。テンタキルの触手がメタルホークを叩きのめす。
そこへ駆けつける秀太。
メタルホーク「うぅぅ……!」
秀太「ホーク! ホークぅ!」
メタルホークが立ち上がり、反撃に転じる。
秀太「ホーク、その調子だぁ! ノシイカにしちゃえ! やれぇ! そこだ! 行けぇ!」
夢中になる秀太の背後に別のテンタキルが現れ、触手で彼を捕らえる。
秀太「わぁ、助けてぇ!」
メタルホーク「はっ、秀太くん!?」
秀太「ホーク! 助けてぇ──! わぁっ!」
メタルホークが秀太を助けようとし、テンタキルの攻撃を背に浴びる。
メタルホーク「うわぁっ!?」
秀太「ホーク!? ホーク、ホーク!」
メタルホーク「くっ……」
秀太「ホーク、立てぇ! うっ、うわぁっ!」
メタルホーク「ぐぅっ…… その子を離せ!」
秀太「ホーク、危ない! 後ろ!」
背後からテンタキルが襲いかかるが、メタルホークは大ジャンプでかわす。
メタルホーク「チタニウムサーベル! とぉっ!」
メタルホークの抜いた剣が、テンタキルの攻撃を跳ね返しつつ、テンタキルを真っ二つに叩き斬る。大爆発。
残るテンタキルはあと1体だが、依然、秀太が捕われている。
さらにダウロスがモンスターからロボットモードへと変身、剣を抜いてメタルホークと切り結ぶ。
メタルホーク「貴様、ダウロス!」
ダウロス「メタルホーク、久しぶりだな!」
ブラッドとギルマーも、次々にロボットモードに変身して現れる。
メタルホーク「デストロン……!」
ブラッド「会いたかったぜ、ホーク」
ギルマー「よくも俺たちを何千年もの間、薄暗い地下に閉じ込めてくれたな!」
メタルホーク「どうやって抜け出して来た!?」
ダウロス「ケッ、お前の知ったことか! 今までの礼、たっぷりさせてもらうぜ!」
ダウロスとメタルホークの、激しい鍔迫り合い。
メタルホーク「たぁっ!」
ブラッド「俺がやる!」
ギルマー「だぁっ!」
メタルホーク「うわぁっ!」
3人を一度に相手にし、メタルホークは明らかに劣勢を強いられる。
ギルマー「これまでだ、ホーク。名残惜しいが死んでもらうぞ」
メタルホーク「貴様たちの狙いは何だ!? なぜ地球を!?」
ギルマー「わかりきったこと。地球を我が手にし、やがてはデストロンの帝国を築くため! フフフ…… お喋りはここまでだ。ホーク、覚悟!」
そこへフェニックスが飛来。ビームを放ち、ギルマーの剣を弾き飛ばす。
ギルマー「おわぁっ!?」
メタルホーク「フェニックス、遅いぞ!」
フェニックス「そりゃないぜ! 朝メシをまだ食ってないんだ!」
ブラッド「野郎、ふざけやがって! トランスフォーム!」
ブラッドがビークルモードに変形して飛び上がり、フェニックスを追う。
フェニックス「ブラッド、俺とやる気かい?」
ブラッド「当たり前だ! お前なんかにコケにされてたまるか!」
フェニックス「面白ぇ!」
一方でダイバーも日本に到着。
ダイバー「トランスフォーム!」
ロボットモードに変形して地を走る彼の脇を、ランダーが追い抜いて行く。
ランダー「やぁダイバー、元気だったか? お先にっ! トランスフォーム!」
ランダーがロボットに変形し、ブラッドに体当たりを食らわす。
ブラッド「ぐわぁっ!?」
ランダー「ダウロス、お前の相手はこのランダー様が!」
メタルホークの相手はギルマーのみとなったが、依然、秀太がテンタキルに捕われている。
ギルマー「ホーク、武器を捨てろ!」
メタルホーク「卑怯な!」
ギルマー「フフフ…… ガキの命が惜しかったら、抵抗をやめろ」
そこへ背後から忍び寄ったダイバーの鉄拳が、ギルマーの顔面に炸裂。
ギルマー「ぐはぁっ!?」
ダイバー「こいつらは引き受けた!」
メタルホーク「おぉっ!」
メタルホークがテンタキルの攻撃をかわしつつ、その触手を剣で切り落とす。
宙に放り出される秀太をメタルホークがキャッチ。テンタキルが大爆発。
ギルマー「しまったぁ!?」
秀太「ホーク……」
メタルホーク「大丈夫かい?」
秀太「うん…… ありがとう、ホーク!」
ギルマー「退け、テンタキルがやられた!」
ブラッド「何!?」
フェニックスと空中戦を演じていたブラッドが、慌てて撤退する。
フェニックス「ブラッド、逃げるつもりか!?」
ギルマー「トランスフォーム!」
ダウロス「トランスフォーム!」
ダウロスとギルマーもビークルモードに変形し、走り去る。
戦いは終わった。夕陽を見つめるメタルホーク、秀太、プリテンダーたち。
メタルホーク「初めて見る人間は、頼りなく弱い生き物に見えた……しかし、相手をいたわる優しさ、思いやり、そして、愛する者のためなら命をかけても立ち向かう勇気。私たちは人間に出会い、そのすばらしさにショックを受けた。だから人間にトランスフォームしたのだ」
秀太「ホーク……!」
メタルホーク「ただ強ければいいのではない。それを教えてくれた人間を守るために、私たちは立ち上がる!」
ダイバー「俺たちがいる限り、この平和で美しい地球は……」
ランダー「必ず守ってみせる!」
フェニックス「再び現れたデストロンと戦う!」
#center(){|CENTER:&br()数千年の時を経て今また、&br()悪魔の使者デストロンとサイバトロンの、&br()宿命の対決が開始された。&br()&br()立て、正義の戦士サイバトロン!&br()戦え、プリテンダー!&br()&br()|}
#center(){&big(){(続く)}}
&bold(){トランスフォーマー &ruby(ちょうじん){超神}マスターフォースの第1話}
夜の海を行く客船。
突如、船室の窓をぶち破り、コウモリ型モンスター・ブラッドが船員に襲いかかる。
船員「う、うわぁ──っ!?」
甲板上のカップル。
男性が女性にビデオカメラを向ける。
男性「はい、笑って……」
その女性の背後から、半魚人型モンスター・ギルマーが現れる。
男女「ぎゃあぁっ!?」「キャ──ッ!」
たちまち船上の乗客たちは大パニックに陥る。
ブラッド「ガルフ、出ろ! ガルフ!」
海中から魚型モンスター・ガルフが無数に現れ、船を荒らし回る。
ギルマー「出て来い、メタルホーク!」
#center(){|BGCOLOR(black):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){立て&i(){!!} プリテンダー}}}&br()&br()|}
日本。
サッカーグランドで試合が行われている。
ボールをドリブルする少年、剛 &ruby(しゅうた){秀太}。客席で父親の剛博士と、その助手のホークが歓声を送る。
剛博士「行け、秀太!」
ホーク「キックだ!」
秀太のキックしたボールが、ゴールネットに突き刺さる。
秀太「イェイ!」
ホーク「やりましたね、秀太くんは」
剛博士「ありがとう、ホークくん。君が時々コーチしてくれたおかげだよ」
ホーク「いえ、私はただ彼の欠点をアドバイスしただけです」
剛博士「何せ、秀太は実の兄のように慕っている。君の言うことなら何でも素直に聞くからね。父親の私の言うことよりもだ。ハハハ」
試合の帰りの途中、ホークの腕時計から声が響く。
声『ダイバーだ』
ホーク「ダイバー! 久しぶりだな。元気か?」
声『ホーク、聞け! カナダ沖で船が襲われた。奴らの仕業だ』
ホーク「……!」
声『現場の遺留品からビデオが回収された。研究所の方へ送ったから、君の目で確かめてくれ』
剛博士の研究所。
冒頭で襲われた船の惨状が、カップル客のビデオカメラが捉えた画像に映し出している。
ホーク「間違いない…… ブラッドとギルマーだ。所長、恐れていたことが起ったんです」
剛博士「それじゃあ、君が私にだけ話してくれた……」
ホーク「そうです。デストロンが動き出したのです!」
そこへ駆け込んでくる秀太。
秀太「父さぁん! ホーク、見てくれた? 僕の逆転シュート!」
剛博士「秀太、下へ行ってなさい」
ホーク「秀太くんにも、話しておいた方がいいでしょう」
剛博士「いや、しかし……」
ホーク「奴らは、赤ん坊だろうと子供だろうと、情け容赦なく殺します。再び現れたとなれば秀太くんとて、いつ危ない目に遭うか……」
剛博士「……わかった。君の言う通りかもしれん」
秀太「ねぇ、何のこと? 僕にはさっぱりだよ」
ホーク「秀太くん。私は…… 地球人ではない」
秀太「え……? 宇宙人なのぉ?」
ホーク「う?」
秀太「あのねぇ、ホークさん? 僕を担ごうと思ってるんなら、もう少し上手な嘘をねぇ……」
ホーク「真面目な話だ」
研究所の外。
沈み行く夕陽を見つめるホーク。
ホーク「私は、地球から遥か彼方にあるセイバートロン星から来た。正確に言えば『トランスフォーマー』と呼ばれる超ロボット生命体なのだ」
秀太「ロボット…… ホークが……?」
ホーク「そうだ。人間や動物、生命を持つ者なら何にでも姿を変えることのできる、トランスフォーマーの中の『プリテンダー』という種族なのだよ。セイバートロン星では、サイバトロンとデストロンの激しい戦いが続いていた。我々は敵のプリテンダーを追って太陽系に突入し、戦いの中、互いに傷つき地球に不時着した……」
夜の研究所。
ホークの話は続く。
ホーク「地球はその頃、人が洞穴に住み、石や動物の骨で獣を追う太古の時代だった。帰る船を失った我々は、人間の姿にトランスフォームし、奴らもまた己を変えた。悪魔の姿にだ。長い戦いの末、我々が勝ち、悪魔どもを地球の各地に封じ込めた。だが…… 奴らは再び甦った!」
海岸のコンビナート地帯。
イカ型モンスター・テンタキルがコンビナートを襲い、無数の火柱が上がる。
自衛隊の武装ヘリコプターが出撃。
自衛隊員「撃てぇ!」
しかしヘリの攻撃はまったく通じず、逆にテンタキルの攻撃で次々に撃墜される。
さらにテンタキルは、街にも進出する。
建物が砕け、人々が悲鳴をあげて逃げ惑う。
その様子をビルの上から眺めている、ミノタウロス型モンスター・ダウロス。
ダウロス「グフフフ、虫ケラどもが泣き叫んでおるわ。テンタキル、ブチ壊せ! 皆殺しだぁ!」
そこへブラッドが現れる。
ブラッド「ダウロス、抜け駆けする気か!?」
ダウロス「ブラッド、貴様のやることは生ぬるいのよ!」
ブラッド「何だとぉ!?」
ダウロス「やる気か!?」
ギルマーも現れ、仲裁に入る。
ギルマー「やめろ! 仲間割れしてるときか!?」
自衛隊の戦車が到着し、テンタキルに砲弾を浴びせる。
しかし、一向に攻撃は通じない。
ダウロス「ハデにやれ! サイバトロンの連中を燻り出すのだ!」
ブラッド「まさか、怖気づいたんじゃ?」
ギルマー「いや、来る! ホークはそういう奴だ」
剛博士の研究所。
テレビのニュースで、街の惨状が報じられている。
テレビ『奇怪な怪物の出現に、街は今パニックと化しています』
剛博士「大変なことに……」
ホーク「デストロンめ…… スーツ・オン!」
秀太「ホーク、大変だよぉ! ニュース見た!?」
研究所に辿り着いた秀太が見たものは、強化服プリテンダースーツを纏ったホークの姿。
秀太「ホーク……?」
ホーク「プリテンダ──!」
ホークの体が光に包まれ、巨大なロボットの姿・メタルホークへと変身する。
メタルホーク「トランスフォ──ム!」
さらにメタルホークがジェット機に変形、空へと飛び立つ。
秀太「ヒャッホー! 信じらんないや!」
メタルホーク「デストロンが日本に現れた! 繰り返す、デストロンが現れた! プリテンダー、集結せよ!」
とある国の海洋研究所。
ホーク「プリテンダー!」「トランスフォーム!」
ホークの仲間・ダイバーが潜水艦に変形し、海へと出撃する。
また別の国。
女性をはべらせてデート中の青年・ランダーの腕時計が光る。
ランダー「ちぇっ! これからデートだっていうのに、ホークの奴」
女性「ランダー、何なの? これ」
ランダー「スーツ・オン!」「プリテンダー!」「トランスフォーム!」
青年がプリテンダーに変身する。
スーパーカーに変形し、白目をむいた女性を残して夜の街を走り去る。
さらに別の国、とある空港。
フェニックス「トランスフォーム!」
雨の中を、プリテンダー・フェニックスがジェット機に変形して飛び立つ。
日本。
街中で暴れ回るテンタキルのもとへ、メタルホークが飛来する。
メタルホーク「トランスフォーム!」
ロボットモードに変形して降り立つメタルホーク。
ブラッド「ホークだ!」
ギルマー「やっぱり出てきたか、作戦は成功だ」
ダウロス「グフフ、叩き殺してやる! 野郎!」
ブラッド「俺が先だ!」
ダウロス「何!?」
ギルマー「待て! テンタキルで様子を見るんだ。我々は高見の見物というわけだ」
メタルホーク「来い!」
メタルホークとテンタキルの戦いが始まる。
テンタキルの触手がメ、タルホークを叩きのめす。
秀太がそこへ駆けつける。
メタルホーク「うぅぅ……!」
秀太「ホーク! ホークぅ!」
メタルホークが立ち上がり、反撃に転じる。
秀太「ホーク、その調子だぁ! ノシイカにしちゃえ! やれぇ! そこだ! 行けぇ!」
夢中になる秀太の背後に別のテンタキルが現れ、触手で彼を捕らえる。
秀太「わぁ、助けてぇ!」
メタルホーク「はっ、秀太くん!?」
秀太「ホーク! 助けてぇ──! わぁっ!」
メタルホークが秀太を助けようとし、テンタキルの攻撃を背に浴びる。
メタルホーク「うわぁっ!?」
秀太「ホーク!? ホーク、ホーク!」
メタルホーク「くっ……」
秀太「ホーク、立てぇ! うっ、うわぁっ!」
メタルホーク「ぐぅっ…… その子を離せ!」
秀太「ホーク、危ない! 後ろ!」
背後からテンタキルが襲いかかるが、メタルホークは大ジャンプでかわす。
メタルホーク「チタニウムサーベル! とぉっ!」
メタルホークの抜いた剣が、テンタキルの攻撃を跳ね返しつつ、テンタキルを真っ二つに叩き斬る。
テンタキルが大爆発。
残るテンタキルはあと1体だが、依然、秀太が捕われている。
さらにダウロスがモンスターからロボットモードへと変身、剣を抜いてメタルホークと切り結ぶ。
メタルホーク「貴様、ダウロス!」
ダウロス「メタルホーク、久しぶりだな!」
ブラッドとギルマーも、次々にロボットモードに変身して現れる。
メタルホーク「デストロン……!」
ブラッド「会いたかったぜ、ホーク」
ギルマー「よくも俺たちを何千年もの間、薄暗い地下に閉じ込めてくれたな!」
メタルホーク「どうやって抜け出して来た!?」
ダウロス「ケッ、お前の知ったことか! 今までの礼、たっぷりさせてもらうぜ!」
ダウロスとメタルホークの、激しい鍔迫り合い。
メタルホーク「たぁっ!」
ブラッド「俺がやる!」
ギルマー「だぁっ!」
メタルホーク「うわぁっ!」
3人を一度に相手にし、メタルホークは明らかに劣勢を強いられる。
ギルマー「これまでだ、ホーク。名残惜しいが死んでもらうぞ」
メタルホーク「貴様たちの狙いは何だ!? なぜ地球を!?」
ギルマー「わかりきったこと。地球を我が手にし、やがてはデストロンの帝国を築くため! フフフ…… お喋りはここまでだ。ホーク、覚悟!」
そこへフェニックスが飛来する。
ビームを放ち、ギルマーの剣を弾き飛ばす。
ギルマー「おわぁっ!?」
メタルホーク「フェニックス、遅いぞ!」
フェニックス「そりゃないぜ! 朝メシをまだ食ってないんだ!」
ブラッド「野郎、ふざけやがって! トランスフォーム!」
ブラッドがビークルモードに変形して飛び上がり、フェニックスを追う。
フェニックス「ブラッド、俺とやる気かい?」
ブラッド「当たり前だ! お前なんかにコケにされてたまるか!」
フェニックス「面白ぇ!」
一方でダイバーも、日本に到着する。
ダイバー「トランスフォーム!」
ロボットモードに変形して地を走る彼の脇を、ランダーが追い抜いて行く。
ランダー「やぁダイバー、元気だったか? お先にっ! トランスフォーム!」
ランダーがロボットに変形し、ブラッドに体当たりを食らわす。
ブラッド「ぐわぁっ!?」
ランダー「ダウロス、お前の相手はこのランダー様が!」
メタルホークの相手はギルマーのみとなったが、依然、秀太がテンタキルに捕われている。
ギルマー「ホーク、武器を捨てろ!」
メタルホーク「卑怯な!」
ギルマー「フフフ…… ガキの命が惜しかったら、抵抗をやめろ」
そこへ背後から忍び寄ったダイバーの鉄拳が、ギルマーの顔面に炸裂。
ギルマー「ぐはぁっ!?」
ダイバー「こいつらは引き受けた!」
メタルホーク「おぉっ!」
メタルホークがテンタキルの攻撃をかわしつつ、その触手を剣で切り落とす。
宙に放り出される秀太を、メタルホークが受け止める。
テンタキルが大爆発を遂げる。
ギルマー「しまったぁ!?」
秀太「ホーク……」
メタルホーク「大丈夫かい?」
秀太「うん…… ありがとう、ホーク!」
ギルマー「退け、テンタキルがやられた!」
ブラッド「何!?」
フェニックスと空中戦を演じていたブラッドが、慌てて撤退する。
フェニックス「ブラッド、逃げるつもりか!?」
ギルマー「トランスフォーム!」
ダウロス「トランスフォーム!」
ダウロスとギルマーもビークルモードに変形し、走り去る。
戦いは終わった。
メタルホーク、秀太、プリテンダーたちが、夕陽を見つめる。
メタルホーク「初めて見る人間は、頼りなく弱い生き物に見えた……しかし、相手をいたわる優しさ、思いやり、そして、愛する者のためなら命をかけても立ち向かう勇気。私たちは人間に出会い、そのすばらしさにショックを受けた。だから人間にトランスフォームしたのだ」
秀太「ホーク……!」
メタルホーク「ただ強ければいいのではない。それを教えてくれた人間を守るために、私たちは立ち上がる!」
ダイバー「俺たちがいる限り、この平和で美しい地球は……」
ランダー「必ず守ってみせる!」
フェニックス「再び現れたデストロンと戦う!」
#center(){|CENTER:&br()数千年の時を経て今また、&br()悪魔の使者デストロンとサイバトロンの、&br()宿命の対決が開始された。&br()&br()立て、正義の戦士サイバトロン!&br()戦え、プリテンダー!&br()&br()|}
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