超獣戦隊ライブマンの第43話

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超獣戦隊ライブマンの第43話 - (2022/03/13 (日) 14:52:30) の1つ前との変更点

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前回、年老いた姿となったビアスは、よろけながら、ヅノーベースの奥に作られた秘密の部屋「ヅノールーム」に来た。 部屋の中には、人間の脳髄が納められたカプセルが12個、ビアスの玉座を円形に囲む形で並んでいる。 カプセルの1つは、まだ空のまま。 ビアスが震えながら玉座に腰掛け、ヘッドギアを頭に装着。すると、周囲のカプセルが光りだし、脳髄からエネルギーがビアスに流れ込み、ビアスは元の姿に戻った。 ビアスは、脳髄の無い空のカプセルを見る。 ビアス「最後の1個、急がねばならん…… それも、最高の頭脳…… 千点頭脳!!」 ビアスは弟子たちのいる広間に戻った。 マゼンダ「ビアス様! 一体どちらにいらしておいでだったのですか?」 ビアス「たわけ!! お前たちこそこんな所で何をしている。お前たちは片時も勉強を忘れてはならぬ身であろう──ガッシュ!」 ガッシュの目が光り、広間の壁に各々の点数が映し出される。 ドクター・ケンプが850点、ドクター・マゼンダが820点、ドクター・アシュラとギルドスが800点タイ、ブッチーが650点で最下位。 ギルドス「冗談じゃねえ! そんな点数、消してもらおうじゃねえか」 ブッチー「あ~、ギルドス! 何を言うダスか」 ギルドス「ブッチー、びくつくことはないぜ。大教授ビアスなんて偉そうなことを言っていたが、その正体は人間じゃないか!」 ブッチー「えっ、人間!?」 ビアスの目元が少しだけ震える。 ギルドス「地球一の天才か何か知らんが、地球なんてこの宇宙の片隅にあるちっぽけな星にしか過ぎないんだ。それに比べ俺たちは、宇宙の天才なんだぜ? その俺たちに点数を付けたり命令したり、おこがましいと思わぬか!?」 ブッチー「う、う~ん…… いや、そういえば……」 ビアス「ふふふ、ふははははは…… これはこれはギルドス殿、大変な自信ですな。だがそこまで仰るからには、余程凄いところをお見せ願えるのでしょうな」 ギルドス「ギルドカオス、ファントムエネルギー放射!!」 ギルドスが頭脳核にカオスファントムエネルギーを浴びせ、頭脳獣ギルードヅノーを作り出した。 マゼンダ「はっ!?」 ケンプ「自分の力で、頭脳獣を作るとは……」 ギルドス「頭脳獣・ギルードヅノー」 ブッチー「いやー、ははは……」 ギルドス「我がギルド星人の不滅の生命力を得て生まれし頭脳獣によって、ライブマンを1人ずつ片づけてみせる。まず最初のターゲットは、グリーンサイこと相川純一!!」 #center(){|BGCOLOR(#00000f):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){怪&i(){!?} ギルドス最期の姿}}}&br()&br()|} その頃純一は、松葉杖の子供・翔の歩行訓練に、翔の姉の由紀と一緒に付き合っていた。 純一「翔くん、ガンバレよ!」 由紀「翔、ダメよ、最初からあきらめちゃ。やってみなきゃ。さあ、おいで、お姉ちゃんの方へ」 翔「ダメなもんはダメなんだ。いくらやったってダメなんだよ」 由紀「ねえ翔、純一さんもね、あなたと同じ歳の時に、同じような怪我をしたの。でも、純一さんは頑張ったの。そして…… これは内緒だけど、今じゃライブマンなのよ」 翔「ライブマン!?」 純一「初めは辛い。ちっとも進まなくて嫌になる。でもね、そこを我慢して少しずつ頑張っていけば、必ず良くなるんだよ」 由紀「そうよ、貴方だっていつかは純一さんのように強くなれるのよ」 ギルドス「それはどうかな?」 攻撃と共に、ギルドスとギルードヅノーが現れる。 ギルドス「あれがターゲットだ」 翔「純一さん!」 純一「任せとけ、俺はグリーンサイだ! 行くぜ、&bold(){グリーンサイ!!}」 純一がグリーンサイに変身した。 翔「あっ、グリーンサイ!」 ギルドス「頭脳獣ギルードヅノーに勝てると思っているのか!」 森の中で、グリーンサイとギルードヅノーが戦う。 翔「純一さん!」 ギルドス「フン」 グリーンサイがギルードヅノーに投げ飛ばされた。 グリーン「うわぁぁぁぁ……」 グリーンサイは資材置き場まで投げ飛ばされ、鉄骨に叩きつけられた。 ギルドス「見たか、ギルードヅノーのパワー! ギルードヅノー、とどめだ」 ギルードヅノーがカッター状の武器を取り出した。 グリーン「おのれっ! サイ、カッター!!」 グリーンサイがサイカッターをギルドーヅノーに投げるも、武器に弾き飛ばされた。 ギルドス「そんなものが効くものか!」 しかし、弾き飛ばされたサイカッターは、ギルドスたちの頭上の電線を切り裂き、電線がギルドスとギルードヅノーに落ちてきて、2人がスパークを食らう。 ギルドス「うわっ!」 グリーン「今だ!! てやああぁ!!」 グリーンサイの投げつけたサイカッターがギルードヅノーに炸裂し、バラバラに粉砕した。 ブッチー「ああぁ……」 アシュラ「おいおいブッチーくん、どこが宇宙の天才なんダスか?」 落胆するブッチー。 翔と由紀の所に純一が戻ってきた。 由紀「大丈夫ですか、純一さん」 純一「任せなさいって! 見事にやっつけてやったからな。もうジャマはさせないぞ。さあ翔くん、出来るかな?」 翔「僕、頑張るよ。そうしたら、きっとお兄ちゃんのようになれるね」 純一「ああ! なれるとも」 由紀「翔……」 翔が歩行訓練を再開した。 由紀「ありがとうございます、純一さん」 純一「ライブマンだということがこんな風に役に立って、僕も嬉しいよ」 一方、ギルドスはギルードヅノーの破片を拾い集めていた。 ギルドス「ギルド星人の不滅の生命力の恐ろしさ、思い知らせてやるぞ。蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルドーヅノーの破片に目からの光線を当てると、そこからギルードヅノーが再生した。 ブッチー「どうダス、どうダス!? 見たダスか、ギルドスの威力! ギルドス、宇宙一~!!」 アシュラを押しのけて声援を送るブッチー。 純一「さあ、頑張って!」 純一たちに再び攻撃が飛んできた。 純一「何者だ!」 ギルードヅノーが出現。 純一「ギルードヅノー!!」 翔「お兄ちゃん、やっつけたと言ったじゃないか!」 純一「やっつけた…… 確かにやっつけたんだ」 ギルドスも来た。 ギルドス「ハハハハハハ! 宇宙の天才・ギルド星人ギルドスの科学力と生命力は、お前如きの常識を遙かに超えているのだ。純一、今度こそ地獄へ送ってやるぜ」 純一「おのれぇ!」 ギルドス「やれ!」 純一はギルードヅノーと戦うも敵わず、舌を巻き付けられ、振り回された。 純一「&bold(){グリーンサイ!!}」 純一がグリーンサイに変身する。 グリーン「サイ、カッター!!」 グリーンサイがギルードヅノーにサイカッターを投げるも弾かれ、ギルードヅノーにエネルギーを纏った武器を投げつけられた。 グリーン「うわっ!!」 グリーンサイの変身が解け、純一が倒れる。 翔「純一さんが…… 純一さんが、負けちゃった!」 ギルドス「とどめだ!」 そこにレッドファルコンとブラックバイソンが飛び出してきて、ギルードヅノーに飛び蹴りをするも、弾き飛ばされた。 ブルードルフィンとイエローライオンが純一に駆け寄る。 ブルー「純一! 大丈夫?」 純一「ああ……」 ギルドス「丁度いい。お前らも一緒に地獄へ行け!」 ギルードヅノーの攻撃がライブマンに炸裂した。 レッド「うわっ!」 ギルドス「ハハハハハ!!」 そこへコロンの乗るランドクーガーが駆け付けた。 コロン「クーガーバルカン!」 ランドクーガーのクーガーバルカンが炸裂し、ギルドスが吹き飛ばされ、ギルドーヅノーが粉砕される。 ギルドス「おのれ、また邪魔が! ふふふ、だがな、まだまだだぞ。蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーの破片にエネルギーを注ぐ。 純一「翔くん! 翔くーん!」 純一が翔の元に向かったが、翔は悲しい目で純一を見て、由紀に背負われて去っていく。 純一「翔くん!!」 肩を落とす純一。 由紀「きゃあ!!」 直後、由紀と翔を連れてギルドスとギルードヅノーが現れた。 勇介「頭脳獣!!」 ギルドス「ギルド星人の生命は不滅と言ったのがまだ分からぬか。行け」 由紀が突き飛ばされる。 ギルドス「純一、子供の命を助けたくば一人で来い!」 由紀「あっ、翔!! 翔っ!!」 ギルドスとギルードヅノーが翔を連れて去って行った。 勇介「みんな行くぞ!」 純一「みんな待ってくれ! 俺一人に行かせてくれ」 めぐみ「そんな体じゃ無理よ!」 純一「でも、俺が行かなければ翔くんは……」 鉄也「それは分かってるけど、みすみずお前がやられるのを見てられるかよ」 丈「あの頭脳獣はただの頭脳獣じゃないぜ」 純一「俺はね、ただ翔くんを助けるためだけに行くんじゃないんだ。翔くんを歩けるようにしてやりたいんだ! 俺もね、翔くんと同じ歳の時、同じような怪我をして、辛いリハビリを受けたんだ。だから…… 翔くんを見てたら放っておけなかったんだ!」 ギルドスとギルードヅノーは翔を連れて、採石場にいた。 ギルドス「思いの他手間取っているな」 そこへグリーンサイが来た。 ギルドス「来たな…… グリーンサイ! 今度という今度こそ地獄に送ってやるぞ!」 グリーン「翔くん、見ていてくれ。これがグリーンサイだ!!」 グリーンサイがギルードヅノーに突っ込んでいく。 グリーン「いやああ──っ!!」 グリーンサイの角がエネルギーを纏う。 そして飛び上がっての角での頭突きをギルードヅノーに炸裂させ、爆破・粉砕した。 勇介たちも隠れて、様子を見る。 鉄也「やったじゃないか!」 ギルドス「ダメだダメだ! 何度やっても私の生命力は不滅。体の一部があれば蘇るのだ! 蘇れギル―ドヅノー!!」 ギルドスの手からの光線でギルードヅノーが再生した。 めぐみ「あんなことになってたなんて!」 ギルドス「分かったか、ギルド星人不滅の生命力の恐ろしさ!」 グリーン「おのれぇ!!」 グリーンサイが岩を握り砕いた。 グリーン「でぇ──いやぁっ!!」 グリーンサイがライブラスターの剣モードでギルードヅノーを滅多切りにして、粉砕した。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 グリーン「おのれっ!! サイカッター!!」 サイカッターの一撃がギルードヅノーを粉砕。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 グリーン「ライブラスター!!」 ライブラスターの銃撃がギルードヅノーを粉砕。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 そしてギルードヅノーの口からの光線がグリーンサイに直撃した。 グリーン「うわあ──!!」 鉄也「純一が危ない!」 丈「このままじゃやられちまうぜ!」 めぐみ「ギルドスがいる限り、頭脳獣を倒すことは出来ないわ」 勇介「純一は、翔くんのために頑張ってるんだ。信じよう、純一を!」 由紀も採石場に駆け付ける。 グリーン「たーっ!!」 グリーンサイがパンチを繰り出すも、ギルードヅノーのカウンターで弾き飛ばされた。 グリーン「わーっ!!」 翔「お兄ちゃん…… 僕のために……」 ギルードヅノーの爪がグリーンサイを切り裂いた。 グリーン「うわっ!!」 翔「やめて、お兄ちゃん!! お兄ちゃーん!!」 翔が立ち上がり、グリーンサイに駆け寄った。 翔「もういいよ! やめてお兄ちゃん!!」 グリーン「動けた……! 動けたじゃないか!!」 翔「……うん!!」 由紀「翔が…… 翔が歩いたわ!」 勇介「今だ!!」 勇介たちが瞬間変身して岩陰から飛び出し、レッドファルコンのファルコンセイバーとブラックバイソンのライブラスターがギルードヅノーを切り裂いた。 ブルー、イエロー「ダブルライブラスター!!」 ブルードルフィンとイエローライオンのダブルライブラスターがギルードヅノーを粉砕。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 レッド「行くぞ! バイモーションバスターだ!!」 グラントータスからバイモーションバスターが転送され、5人がそれをキャッチ。 ライブマン「&bold(){&big(){バイモーションバスター!!}}」 バイモーションバスターから撃ち出された3色のエネルギー波がギルードヅノーに炸裂! ギルードヅノーがうつ伏せに倒れながら爆発する。 ギルドス「ああっ…… ギルードヅノーよ蘇れ!!」 ギルドスが破片に光線を撃つも、ギルードヅノーは再生しなかった。 ギルドス「どうしたことだ!? ギルードヅノーよ蘇れ!! ……何故蘇らん!? 何故だ、私の生命力は不滅のはずなのに、何故!?」 ギルドスの声が変わり始めた。そして体からも火花を吹き、爆発が起こる。 傷ついたギルドスの体からは、なんと機械が露出している。 ギルドス「ああっ、どうなっているんだ……」 ブルー「ロボット……!」 ギルドス「私の体はどうなってるんだ……!」 レッド「ギルドスはロボットだったんだ……」 ブッチー「ロボットぉ!? ギルドスが……!? あ、ああぁ……!!」 ヅノーベースのケンプたちも動揺を隠せない。 特にブッチーが激しく動揺し、ビアスに縋りつく。 ブッチー「ビアス様!! ビアス様、どういうことダスか!? ビアス様!!」 ビアスは何も答えずにほくそ笑んでいる──。 ギルドス「私が、私がロボットだなんて……! 宇宙人ではなかったのか……!?」 ギルドスがよろけながら、その場を離れる。 そこにガッシュが現れる。 ガッシュ「ギガ・ファントム」 ギルードヅノーが巨大な姿となって蘇生される。 何も言わず引き上げるガッシュ。 レッド「ライブボクサー!!」 ライブボクサーが飛来し、ギルードヅノーが戦う。 ライブボクサーはパンチでギルードヅノーを殴り飛ばすも、ギルードヅノーの武器の投げつけと体当たりを食らい、倒れ伏す。 レッド「ライブロボ!!」 続いてライブロボが飛来。 レッド「&bold(){合体・スーパーライブディメンション!!}」 ライブマン「&big(){&bold(){完成! スーパーライブロボ!!}}」 ライブロボとライブボクサーが合体、スーパーライブロボとなる。 ギルードヅノーはスーパーライブロボに武器を投げつけるも、スーパーライブロボは受け止めて投げ返し、致命傷を与えた。 レッド「&big(){&bold(){スーパービッグバースト!!}}」 とどめのスーパービッグバーストが炸裂し、ギルードヅノーは大爆発した。 スーパーライブロボの胸のライオンの顔が勝鬨の咆哮を挙げる。 純一たちが戻った時、ギルドスは崖の上にいた。 ギルドス「知らなかった…… 私の体の中がこんなになっていたとは…… 何故、何故だ!? 私は宇宙一の天才、不滅の生命力を持つギルド星人ギルドスではなかったのか……!? どういうことなのか……!? ああっ……」 ギルドスが崖から転落する。 めぐみ「あっ!!」 ギルドス「&big(){&bold(){ビアス!! 教えてくれぇぇぇぇぇ……!!}}」 そして、大爆発──。 めぐみ「純一…… あなたの翔くんを助けようという気持ちが、不滅の生命力に勝ったのよ」 純一「うん」 めぐみ「そして、ギルドスの正体も暴いたんだわ」 純一「でも、どうして宇宙人でもない者が、宇宙人の天才なんて名乗ってたんだろう?」 勇介「ケンプたちは天才ぶりを競い合っている。もしかすると、その競争相手に作られたのかもしれないな……」 丈「となると、ギルドスを作ったのはビアスか!」 鉄也「じゃあ、ブッチーだって……」 当のブッチーはギルドスの死を心から嘆き悲しみ、激しく泣き崩れている。 自分を待ち受ける運命さえ知らずに──。 ブッチー「ギ、ギルドスが…… 死んじまったダス……」 あまりのことにケンプたちさえも言葉を失う中、ビアスだけは不敵な笑みを崩そうとはしなかった。 #center(){|CENTER:&br()敵・味方、そして本人さえも知らなかったギルドスの正体。&br()ライブマンは、ビアスの科学力の恐ろしさを思い知らされると同時に、&br()ビアスが果たして何を考えているのか、&br()言い知れぬ恐ろしさを覚えるのであった。&br()&br()|} #center(){|BGCOLOR(#000006):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){つづく}}}&br()&br()|} ※ この続きは[[超獣戦隊ライブマンの第44話]]をご覧ください。
前回、年老いた姿となったビアスは、よろけながら、ヅノーベースの奥に作られた秘密の部屋「ヅノールーム」に来た。 部屋の中には、人間の脳髄が納められたカプセルが12個、ビアスの玉座を円形に囲む形で並んでいる。 カプセルの1つは、まだ空のまま。 ビアスが震えながら玉座に腰掛け、ヘッドギアを頭に装着。すると、周囲のカプセルが光りだし、脳髄からエネルギーがビアスに流れ込み、ビアスは元の姿に戻った。 ビアスは、脳髄の無い空のカプセルを見る。 ビアス「最後の1個、急がねばならん…… それも、最高の頭脳…… 千点頭脳!!」 ビアスは弟子たちのいる広間に戻った。 マゼンダ「ビアス様! 一体どちらにいらしておいでだったのですか?」 ビアス「たわけ!! お前たちこそこんな所で何をしている。お前たちは片時も勉強を忘れてはならぬ身であろう──ガッシュ!」 ガッシュの目が光り、広間の壁に各々の点数が映し出される。 ドクター・ケンプが850点、ドクター・マゼンダが820点、ドクター・アシュラとギルドスが800点タイ、ブッチーが650点で最下位。 ギルドス「冗談じゃねえ! そんな点数、消してもらおうじゃねえか」 ブッチー「あ~、ギルドス! 何を言うダスか」 ギルドス「ブッチー、びくつくことはないぜ。大教授ビアスなんて偉そうなことを言っていたが、その正体は人間じゃないか!」 ブッチー「えっ、人間!?」 ビアスの目元が少しだけ震える。 ギルドス「地球一の天才か何か知らんが、地球なんてこの宇宙の片隅にあるちっぽけな星にしか過ぎないんだ。それに比べ俺たちは、宇宙の天才なんだぜ? その俺たちに点数を付けたり命令したり、おこがましいと思わぬか!?」 ブッチー「う、う~ん…… いや、そういえば……」 ビアス「ふふふ、ふははははは…… これはこれはギルドス殿、大変な自信ですな。だがそこまで仰るからには、余程凄いところをお見せ願えるのでしょうな」 ギルドス「ギルドカオス、ファントムエネルギー放射!!」 ギルドスが頭脳核にカオスファントムエネルギーを浴びせ、頭脳獣ギルードヅノーを作り出した。 マゼンダ「はっ!?」 ケンプ「自分の力で、頭脳獣を作るとは……」 ギルドス「頭脳獣・ギルードヅノー」 ブッチー「いやー、ははは……」 ギルドス「我がギルド星人の不滅の生命力を得て生まれし頭脳獣によって、ライブマンを1人ずつ片づけてみせる。まず最初のターゲットは、グリーンサイこと相川純一!!」 #center(){|BGCOLOR(#00000f):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){怪&i(){!?} ギルドス最期の姿}}}&br()&br()|} その頃純一は、松葉杖の子供・翔の歩行訓練に、翔の姉の由紀と一緒に付き合っていた。 純一「翔くん、ガンバレよ!」 由紀「翔、ダメよ、最初からあきらめちゃ。やってみなきゃ。さあ、おいで、お姉ちゃんの方へ」 翔「ダメなもんはダメなんだ。いくらやったってダメなんだよ」 由紀「ねえ翔、純一さんもね、あなたと同じ歳の時に、同じような怪我をしたの。でも、純一さんは頑張ったの。そして…… これは内緒だけど、今じゃライブマンなのよ」 翔「ライブマン!?」 純一「初めは辛い。ちっとも進まなくて嫌になる。でもね、そこを我慢して少しずつ頑張っていけば、必ず良くなるんだよ」 由紀「そうよ、貴方だっていつかは純一さんのように強くなれるのよ」 ギルドス「それはどうかな?」 攻撃と共に、ギルドスとギルードヅノーが現れる。 ギルドス「あれがターゲットだ」 翔「純一さん!」 純一「任せとけ、俺はグリーンサイだ! 行くぜ、&bold(){グリーンサイ!!}」 純一がグリーンサイに変身した。 翔「あっ、グリーンサイ!」 ギルドス「頭脳獣ギルードヅノーに勝てると思っているのか!」 森の中で、グリーンサイとギルードヅノーが戦う。 翔「純一さん!」 ギルドス「フン」 グリーンサイがギルードヅノーに投げ飛ばされた。 グリーン「うわぁぁぁぁ……」 グリーンサイは資材置き場まで投げ飛ばされ、鉄骨に叩きつけられた。 ギルドス「見たか、ギルードヅノーのパワー! ギルードヅノー、とどめだ」 ギルードヅノーがカッター状の武器を取り出した。 グリーン「おのれっ! サイ、カッター!!」 グリーンサイがサイカッターをギルードヅノーに投げるも、武器に弾き飛ばされた。 ギルドス「そんなものが効くものか!」 しかし、弾き飛ばされたサイカッターは、ギルドスたちの頭上の電線を切り裂き、電線がギルドスとギルードヅノーに落ちてきて、2人がスパークを食らう。 ギルドス「うわっ!」 グリーン「今だ!! てやああぁ!!」 グリーンサイの投げつけたサイカッターがギルードヅノーに炸裂し、バラバラに粉砕した。 ブッチー「ああぁ……」 アシュラ「おいおいブッチーくん、どこが宇宙の天才なんダスか?」 落胆するブッチー。 翔と由紀の所に純一が戻ってきた。 由紀「大丈夫ですか、純一さん」 純一「任せなさいって! 見事にやっつけてやったからな。もうジャマはさせないぞ。さあ翔くん、出来るかな?」 翔「僕、頑張るよ。そうしたら、きっとお兄ちゃんのようになれるね」 純一「ああ! なれるとも」 由紀「翔……」 翔が歩行訓練を再開した。 由紀「ありがとうございます、純一さん」 純一「ライブマンだということがこんな風に役に立って、僕も嬉しいよ」 一方、ギルドスはギルードヅノーの破片を拾い集めていた。 ギルドス「ギルド星人の不滅の生命力の恐ろしさ、思い知らせてやるぞ。蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーの破片に目からの光線を当てると、そこからギルードヅノーが再生した。 ブッチー「どうダス、どうダス!? 見たダスか、ギルドスの威力! ギルドス、宇宙一~!!」 アシュラを押しのけて声援を送るブッチー。 純一「さあ、頑張って!」 純一たちに再び攻撃が飛んできた。 純一「何者だ!」 ギルードヅノーが出現。 純一「ギルードヅノー!!」 翔「お兄ちゃん、やっつけたと言ったじゃないか!」 純一「やっつけた…… 確かにやっつけたんだ」 ギルドスも来た。 ギルドス「ハハハハハハ! 宇宙の天才・ギルド星人ギルドスの科学力と生命力は、お前如きの常識を遙かに超えているのだ。純一、今度こそ地獄へ送ってやるぜ」 純一「おのれぇ!」 ギルドス「やれ!」 純一はギルードヅノーと戦うも敵わず、舌を巻き付けられ、振り回された。 純一「&bold(){グリーンサイ!!}」 純一がグリーンサイに変身する。 グリーン「サイ、カッター!!」 グリーンサイがギルードヅノーにサイカッターを投げるも弾かれ、ギルードヅノーにエネルギーを纏った武器を投げつけられた。 グリーン「うわっ!!」 グリーンサイの変身が解け、純一が倒れる。 翔「純一さんが…… 純一さんが、負けちゃった!」 ギルドス「とどめだ!」 そこにレッドファルコンとブラックバイソンが飛び出してきて、ギルードヅノーに飛び蹴りをするも、弾き飛ばされた。 ブルードルフィンとイエローライオンが純一に駆け寄る。 ブルー「純一! 大丈夫?」 純一「ああ……」 ギルドス「丁度いい。お前らも一緒に地獄へ行け!」 ギルードヅノーの攻撃がライブマンに炸裂した。 レッド「うわっ!」 ギルドス「ハハハハハ!!」 そこへコロンの乗るランドクーガーが駆け付けた。 コロン「クーガーバルカン!!」 ランドクーガーのクーガーバルカンが炸裂し、ギルドスが吹き飛ばされ、ギルードヅノーも粉砕される。 ギルドス「おのれ、また邪魔が! ふふふ、だがな、まだまだだぞ。蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーの破片にエネルギーを注ぐ。 純一「翔くん! 翔くーん!」 純一が翔の元に向かったが、翔は悲しい目で純一を見て、由紀に背負われて去っていく。 純一「翔くん!!」 肩を落とす純一。 由紀「きゃあ!!」 直後、由紀と翔を連れてギルドスとギルードヅノーが現れた。 勇介「頭脳獣!!」 ギルドス「ギルド星人の生命は不滅と言ったのがまだ分からぬか。行け」 由紀が突き飛ばされる。 ギルドス「純一、子供の命を助けたくば一人で来い!」 由紀「あっ、翔!! 翔っ!!」 ギルドスとギルードヅノーが翔を連れて去って行った。 勇介「みんな行くぞ!」 純一「みんな待ってくれ! 俺一人に行かせてくれ」 めぐみ「そんな体じゃ無理よ!」 純一「でも、俺が行かなければ翔くんは……」 鉄也「それは分かってるけど、みすみずお前がやられるのを見てられるかよ」 丈「あの頭脳獣はただの頭脳獣じゃないぜ」 純一「俺はね、ただ翔くんを助けるためだけに行くんじゃないんだ。翔くんを歩けるようにしてやりたいんだ! 俺もね、翔くんと同じ歳の時、同じような怪我をして、辛いリハビリを受けたんだ。だから…… 翔くんを見てたら放っておけなかったんだ!」 ギルドスとギルードヅノーは翔を連れて、採石場にいた。 ギルドス「思いの他手間取っているな」 そこへグリーンサイが来た。 ギルドス「来たな…… グリーンサイ! 今度という今度こそ地獄に送ってやるぞ!」 グリーン「翔くん、見ていてくれ。これがグリーンサイだ!!」 グリーンサイがギルードヅノーに突っ込んでいく。 グリーン「いやああ──っ!!」 グリーンサイの角がエネルギーを纏う。 そして飛び上がっての角での頭突きをギルードヅノーに炸裂させ、爆破・粉砕した。 勇介たちも隠れて、様子を見る。 鉄也「やったじゃないか!」 ギルドス「ダメだダメだ! 何度やっても私の生命力は不滅。体の一部があれば蘇るのだ! 蘇れギル―ドヅノー!!」 ギルドスの手からの光線でギルードヅノーが再生した。 めぐみ「あんなことになってたなんて!」 ギルドス「分かったか、ギルド星人不滅の生命力の恐ろしさ!」 グリーン「おのれぇ!!」 グリーンサイが岩を握り砕いた。 グリーン「でぇ──いやぁっ!!」 グリーンサイがライブラスターの剣モードでギルードヅノーを滅多切りにして、粉砕した。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 グリーン「おのれっ!! サイカッター!!」 サイカッターの一撃がギルードヅノーを粉砕。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 グリーン「ライブラスター!!」 ライブラスターの銃撃がギルードヅノーを粉砕。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 そしてギルードヅノーの口からの光線がグリーンサイに直撃した。 グリーン「うわあ──!!」 鉄也「純一が危ない!」 丈「このままじゃやられちまうぜ!」 めぐみ「ギルドスがいる限り、頭脳獣を倒すことは出来ないわ」 勇介「純一は、翔くんのために頑張ってるんだ。信じよう、純一を!」 由紀も採石場に駆け付ける。 グリーン「たーっ!!」 グリーンサイがパンチを繰り出すも、ギルードヅノーのカウンターで弾き飛ばされた。 グリーン「わーっ!!」 翔「お兄ちゃん…… 僕のために……」 ギルードヅノーの爪がグリーンサイを切り裂いた。 グリーン「うわっ!!」 翔「やめて、お兄ちゃん!! お兄ちゃーん!!」 翔が立ち上がり、グリーンサイに駆け寄った。 翔「もういいよ! やめてお兄ちゃん!!」 グリーン「動けた……! 動けたじゃないか!!」 翔「……うん!!」 由紀「翔が…… 翔が歩いたわ!」 勇介「今だ!!」 勇介たちが瞬間変身して岩陰から飛び出し、レッドファルコンのファルコンセイバーとブラックバイソンのライブラスターがギルードヅノーを切り裂いた。 ブルー、イエロー「ダブルライブラスター!!」 ブルードルフィンとイエローライオンのダブルライブラスターがギルードヅノーを粉砕。 ギルドス「蘇れギルードヅノー!!」 ギルドスがギルードヅノーを再生させる。 レッド「行くぞ! バイモーションバスターだ!!」 グラントータスからバイモーションバスターが転送され、5人がそれをキャッチ。 ライブマン「&bold(){&big(){バイモーションバスター!!}}」 バイモーションバスターから撃ち出された3色のエネルギー波がギルードヅノーに炸裂! ギルードヅノーがうつ伏せに倒れながら爆発する。 ギルドス「ああっ…… ギルードヅノーよ蘇れ!!」 ギルドスが破片に光線を撃つも、ギルードヅノーは再生しなかった。 ギルドス「どうしたことだ!? ギルードヅノーよ蘇れ!! ……何故蘇らん!? 何故だ、私の生命力は不滅のはずなのに、何故!?」 ギルドスの声が変わり始めた。そして体からも火花を吹き、爆発が起こる。 傷ついたギルドスの体からは、なんと機械が露出している。 ギルドス「ああっ、どうなっているんだ……」 ブルー「ロボット……!」 ギルドス「私の体はどうなってるんだ……!」 レッド「ギルドスはロボットだったんだ……」 ブッチー「ロボットぉ!? ギルドスが……!? あ、ああぁ……!!」 ヅノーベースのケンプたちも動揺を隠せない。 特にブッチーが激しく動揺し、ビアスに縋りつく。 ブッチー「ビアス様!! ビアス様、どういうことダスか!? ビアス様!!」 ビアスは何も答えずにほくそ笑んでいる──。 ギルドス「私が、私がロボットだなんて……! 宇宙人ではなかったのか……!?」 ギルドスがよろけながら、その場を離れる。 そこにガッシュが現れる。 ガッシュ「ギガ・ファントム」 ギルードヅノーが巨大な姿となって蘇生される。 ギルドスには目もくれずに引き上げるガッシュ。 レッド「ライブボクサー!!」 ライブボクサーが飛来し、ギルードヅノーが戦う。 ライブボクサーはパンチでギルードヅノーを殴り飛ばすも、ギルードヅノーの武器の投げつけと体当たりを食らい、倒れ伏す。 レッド「ライブロボ!!」 続いてライブロボが飛来。 レッド「&bold(){合体・スーパーライブディメンション!!}」 ライブマン「&big(){&bold(){完成! スーパーライブロボ!!}}」 ライブロボとライブボクサーが合体、スーパーライブロボとなる。 ギルードヅノーはスーパーライブロボに武器を投げつけるも、スーパーライブロボは受け止めて投げ返し、致命傷を与えた。 レッド「&big(){&bold(){スーパービッグバースト!!}}」 とどめのスーパービッグバーストが炸裂し、ギルードヅノーは最期を遂げた。 スーパーライブロボの胸のライオンの顔が勝鬨の咆哮を挙げる。 純一たちが戻った時、ギルドスは崖の上にいた。 ギルドス「知らなかった…… 私の体の中がこんなになっていたとは…… 何故、何故だ!? 私は宇宙一の天才、不滅の生命力を持つギルド星人ギルドスではなかったのか……!? どういうことなのか……!? ああっ……」 ギルドスが崖から転落する。 めぐみ「あっ!!」 ギルドス「&big(){&bold(){ビアス!! 教えてくれぇぇぇぇぇ……!!}}」 そして、大爆発──。 めぐみ「純一…… あなたの翔くんを助けようという気持ちが、不滅の生命力に勝ったのよ」 純一「うん」 めぐみ「そして、ギルドスの正体も暴いたんだわ」 純一「でも、どうして宇宙人でもない者が、宇宙人の天才なんて名乗ってたんだろう?」 勇介「ケンプたちは天才ぶりを競い合っている。もしかすると、その競争相手に作られたのかもしれないな……」 丈「となると、ギルドスを作ったのはビアスか!」 鉄也「じゃあ、ブッチーだって……」 当のブッチーはギルドスの死を心から嘆き悲しみ、激しく泣き叫んでいる。 自分を待ち受ける運命さえ知らずに──。 ブッチー「ギ、ギルドスが…… 死んじまったダス……」 あまりのことにケンプたちさえも言葉を失う中、ビアスだけは不敵な笑みを崩そうとはしなかった。 #center(){|CENTER:&br()敵、味方、そして本人さえも知らなかった&br()ギルドスの正体。&br()ライブマンは、ビアスの科学力の恐ろしさを&br()思い知らされると同時に、&br()ビアスが果たして何を考えているのか、&br()言い知れぬ恐ろしさを覚えるのであった。&br()&br()|} #center(){|BGCOLOR(#000006):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){つづく}}}&br()&br()|} ※ この続きは[[超獣戦隊ライブマンの第44話]]をご覧ください。

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