([[前回>ジャンボーグAの第27話]]のあらすじ) ナレーター「マッドゴーネが送りこんだスーパーロボット怪獣ジャンキラーとの戦いで、ジャンボーグAは倒れた」 ナオキ「ジャンは・・・・ジャンセスナは・・・2度と空は飛べない・・・・ ジャンは死んでしまんだ。折り鶴の様に・・・飛べないんだ・・・」 エメラルド星人「立て、ナオキ」 闇夜にエメラルド星人の姿が浮かんだ。 エメラルド星人「お前にはもう1つの命があるのだ。その3つめの命はお前が自分で生み出すのだ」 ナオキ「エメラルド星人・・・」 エメラルド星人「分かったか」 エメラルド星人の姿が消えた。 ナオキ「3つめの命・・・3つめ・・・第3の命とは・・・・何だ・・・・?」 ジャンセスナに置かれた折り鶴が光った。 #center(){|&big(){&bold(){復活!ジャンボーグA-グロース第4号作戦-}}|} 大利根航空。ジャンセスナの修理を続けるナオキに伴野社長が近寄る。 伴野「おーいナオキ、いいかげんに諦めろ。もうすっかり話は付けた」 ナオキ「え?それはどういう意味ですか?」 伴野「スクラップにすることにしたよ。今日中にも引き取りに来るそうだ」 ナオキ「親父さんそれだけは止めてください!ジャンを売ってしまうなんて」 伴野「馬鹿もん、空を飛べない飛行機なんざもうジャンじゃない。これはただのスクラップにすぎん」 ナオキ「でも・・・」 伴野「デモもストライキもあるものか!その代わり新しいセスナを買う事にした」 ナオキ「え」 伴野「ただしそれはもう少し先の話だ。それまで大利根航空は開店休業だよ。その代わり君はPATの臨時隊員として働いてくれ」 ナオキ「PATの臨時隊員ですって」 スナック・PATでPATバッジを付けたナオキがコーヒーを飲んでいた。 その後ろの席に、和也と同級生の女の子、雪子が来た。 和也「雪子ちゃんこっちおいでよ」 雪子「うん」 和也「雪子ちゃん。PATバッジ、お人形につけないかい?」 雪子「PATバッジ、貰って良い?」 和也「雪子ちゃんならいいや」 雪子「ありがとう、嬉しいわ」 茂子「何だかそういうナオキさん見てると死んだ主人を思い出すわ。やっぱり兄弟ね、そっくりだわ」 ナオキ「俺は臨時隊員なんだよ。暇な隊員さ」 茂子「あら。だってPATは今忙しいんでしょ?」 ナオキ「うん。高性能レーダーを開発中なんでね。秘密が漏れない様に警備に力を入れてるんだ」 茂子「ほら、雪子ちゃんのパパはレーダーの設計をした三ツ木博士なのよ。和也は同級生なの」 ナオキ「同級生か」 そこへ、三ツ木博士と浜田隊長が来た。 雪子「パパ、パパ!」 三ツ木「さ、帰ろうか」 雪子「ねえ、もう少し和也くんと遊んだっていいでしょ。ウチに帰ったって、誰もいないんですもの」 三ツ木「ご迷惑になるといけないから帰ろうか」 雪子「いや!」 茂子「博士、あたし達が帰る時に雪子ちゃんをお送りしますわ」 雪子「わー、嬉しい!」 三ツ木「それはどうも。ありがとうございます。何しろ、母親を亡くしてから楽しい思いを させていませんのでね。一つ、お言葉に甘えさせていただきます」 茂子「いいえ」 浜田「ナオキくん、それじゃ博士を車までお送りしてくれ」 ナオキ「はい」 ナオキと三ツ木が道を歩く。 ナオキ「今度のレーダーは素晴らしいんですってね」 三ツ木「うん。これ以上高性能のレーダーは作る事は出来ないだろう。あれが完成すれば日本の空を飛ぶあらゆる飛行物体をキャッチする事が出来るんだよ」 ナオキ「そんなに優秀なんですか」 三ツ木「うむ。グロース星人も容易に入り込む事は出来ないだろう。ところで、君の兄さんも確かグロース星人に殺されたんだってね。だが、もう安心だよ」 ナオキ「でも僕は、自分の手で兄さんの仇を取りたいんです」 三ツ木「何だと?」 ナオキ「さ、どうぞ」 ナオキと三ツ木はジャンカーZで道を走っていたが、 その前で工事が行われていた。 ナオキ「おかしいな。確か今朝は工事してなかったはずだ」 ナオキがジャンカーZを降りて、工事員に話しかける。 ナオキ「すみません、いつ頃までかかりますか?」 しかし、工事員はグロース星人だった。 ナオキ「はっ!」 三ツ木「ナオキくん!」 後ろでは三ツ木が別のグロース星人たちに捕まっていた。 ナオキ「博士―――!」 ナオキが三ツ木の元に向かおうとするも、工事員のグロース星人が襲いかかってきて、足止めを食らう。 ナオキ「博士!」 「この野郎!」 三ツ木「離せ!はなさんか!」 三ツ木がグロース星人に茂みに連れ込まれた。 ナオキ「博士――!」 茂みの中に隠れた車が発進した。 ナオキがジャンカーZで車を追いかける。 ナオキ「はっ」 穴が開いて、車がそこへ入り込んだ。 ナオキ「うわっ!」 穴は、山の中に隠れた怪獣ロボット・エアドルメンの右手だった。 エアドルメンは腹部からロケット弾を放ち、ジャンカーZを狙う。 ナオキ「くそう。これしきの事で負けてなるか!」 ジャンカーZはエアドルメンの股の下をくぐり抜け、 エアドルメンはそれを追おうとして、転んだ。 ナオキの腕時計が輝いた。 ナオキ「ジャン・ファイト!ツー・ダッシュ!!」 ジャンカーZがジャンボーグ9に変身した。 ナレーター「ジャンボーグA2号!その名はジャンボーグ9!」 ジャンボーグ9がエアドルメンと戦う。 ナレーター「今、立花ナオキはジャンボーグ9の目の奥で操縦している」 ジャンボーグ9はエアドルメンを圧倒していた。 マッドゴーネ「ジャンボーグ9め!グロース第4号作戦を邪魔する気か!エアドルメン、ひとまず退却だ。エアドルメン飛べ!」 エアドルメンは逃げようとするも、ジャンボーグ9は後ろから蹴り飛ばして、 そこからエアドルメンを上空へ放り投げたが、エアドルメンはそのまま飛行しだした。 ナオキ「あっ、しまった!奴は空を飛べるのか」 ジャンボーグ9はジャンプしたが、エアドルメンには届かなかった。 マッドゴーネ「ははははは!ジャンボーグ9の弱点を見付けたぞ、奴は飛べないのだ! ははははは!我々にはもう恐れるものはないぞ! 後はPATのレーダーさえ無ければ、我々グロース星人は地球を手に入れる事が出来るぞ!」 エアドルメンの胸から爆雷が投下され、ジャンボーグ9を爆撃してから、 エアドルメンは飛び去っていった。 ナオキ「クイック・リターン!」 ジャンボーグ9がジャンカーZに戻った。 ナオキ「ちきしょう!空さえ飛べればあんな奴やっけられるのに!」 スナック・PAT。 浜田「何だって!博士が誘拐された!」 大羽「大変だ!グロース星人なら博士を殺しかねません!」 熊井「しっ!」 雪子「パパが!」 「パパがどうしたの!?パパを助けて!ねえお願い、パパを助けて!お願い!」 せつ子「こんな時、博士のレーダーがあれば、グロース星人の居所も分かるのに」 雪子「PATの人達は何も出来ないのね!私一人でパパを探してくる!」 雪子が外に飛び出した。 和也「雪子ちゃん!」 和也が雪子を追う。 茂子「和也!」 ナオキと和也が雪子を追いかける。 和也「待ってくれよ!」 和也が雪子に追いついた。 和也「雪子ちゃんこれ!」 和也は雪子の落としたぬいぐるみを渡した。 雪子「あなたとは口を利かないわ!PATは何もしてくれないじゃないの!」 和也「それは・・・」 雪子「こんなもの!」 雪子がぬいぐるみからPATバッジを外して、地面に叩きつけた。 和也「あっ!」 雪子「パパを返して!パパを返して!」 雪子は走り去って行った。 和也「ナオキさん何やってるんだよ!雪子ちゃんのお父さんが死んだらどうするんだよ! 僕のお父さんも!雪子ちゃんのお父さんも!どうしてこんな目に遭わなきゃならないんだよ!! ナオキ「和也!俺もお前と同じ気持ちだ。だから俺は!」 和也「嘘だ!ナオキさんには、雪子ちゃんの気持ちが分かるはずがない!」 和也も走り去っていった。 ナオキ「和也!」 和也「雪子ちゃん!雪子ちゃーん!」 ナオキ「和也・・・」 和也「雪子ちゃーん!」 ナオキ「くそう・・・」 和也「雪子ちゃん―――!」 ナオキ「博士・・生きていてください・・・くそう!グロース星人め」 (エメラルド星人、教えてくれ!俺にくれる、第3の命とは一体、何なんだ!博士を助けるためには、ジャンボーグAが必要なんだ) 「ようし」 大利根航空。 ナオキはジャンセスナを修理していた。 伴野「おいナオキ、PATの仕事はどうしたんだ?」 ナオキ「オヤジさん、俺はパイロットです。パイロットが空を飛べないなんて、羽根をもぎ取られた、鳥とおんなじですよ」 伴野「しかしジャンはスクラップにすることに決めたんだ。誰が見たってもう一度空を飛ぶなんて考えられないよ」 ナオキ「オヤジさん、お願いです。ジャンは俺の命だったんだ。ジャンがいなくなったら、俺は1日だって生きていけない!」 伴野「ナオキ・・・」 ナオキ「ジャンは、俺のものです。ジャンのことは俺が1番よく知ってるんですよ!」 伴野「しかしジャンは直るのか?」 ナオキ「分かりません。でも、俺はジャンをもう1度、大空に飛ばしてやりたいんです!オヤジさん、お願いします」 そこへスクラップ屋のトラックが来た。 スクラップ屋「社長―、飛行機を受け取りに来ましたよー」 ナオキ「くそう・・・」 スクラップ屋「あー、このセスナですね。いやーこいつはひどいもんだ。スクラップにしかなりようがないな」 伴野「すまんが今日の話は止めにしてくれないか?」 スクラップ屋「え、どうして?このスクラップをどうするんですか?」 伴野「スクラップをもう1度空に飛ばす事にしたんだ」 ナオキ「オヤジさん!本当ですか」 スクラップ屋「そんな無茶な」 伴野「いや申し訳無い。この埋め合わせは必ずする。今日は黙って帰ってくれ」 スクラップ屋「そうですか・・・じゃあまぁ・・・」 社員たち「えー」 「帰るんですか」 ナオキ「オヤジさん・・・ようし」 ナレーター「しかしその頃、PATに重大な危機が訪れようとしていた」 せつ子「もしもし、はいそうです」 「隊長お電話です」 浜田「はい、浜田です」 「何!レーダーの設計図と交換だって!お前は誰だ!誰なんだ!何だって!?もしもし!もしもし!」 熊井「隊長、まさか、マッドゴーネからでは?」 浜田「そうだ!レーダーの設計図と、博士を交換するって言ってきた」 夜。修理を続けるナオキの元に和也が来た。 和也「ナオキさーん!」 ナオキ「和也。こんな遅くにどうしたんだ」 和也「大変な事になっちまったよ」 ナオキ「何が」 和也「明日の昼、隊長が設計図を持って森に行くんだ。博士と交換するんだって」 ナオキ「明日の昼に」 和也「うん」 ナオキ「ちきしょう・・・それまでにジャンは飛べるか・・・・?それを知らせに来てくれたんだ」 和也「うん!雪子ちゃんに教えてあげるんだ。お父さんが帰ってくるって!」 ナオキ「和也、気をつけて行けよ」 和也「うん。それからこれ、お母さんがナオキさんにって」 和也がナオキに袋を渡した。 ナオキ「ありがとう」 和也「じゃあね!お休み!」 ナオキ「お休み-!」 和也「サンドイッチだから、早く食べる様にって!」 翌日。 浜田「それじゃ俺は行ってくる。後の事は、熊井、頼むぞ」 熊井「はい」 浜田のPATジープが森に来た。 マッドゴーネ「約束通り来たな、浜田隊長。そこの入り口を入って貰おう」 PATジープがエアドルメンの手に入っていった。 その頃。ジャンセスナのエンジンがかかり、プロペラが回り出した。 ナオキ「ジャンが蘇ったぞ!しまった。ジャン、出発だ」 ジャンセスナが飛んでいった。 伴野「いいぞ!おいナオキー!おーい無理しちゃいかんぞー!ジャンはまだ直ってないぞー!おい無理するなよー!気をつけろよー!」 ナオキ「俺はなんとしても、グロース星人から博士を助けなければならないんだ」 エアドルメンが起き上がり、飛び上がった。 浜田「ここはどこだ!」 グロース星人「ふはははは、安心しろ。今離陸した所だ」 浜田「空を飛んでいるのか!」 グロース星人「驚く事はない。さ、約束の設計図を渡してもらおうか」 浜田「先に博士を引き渡しててもらおう」 グロース星人「まあ、どっちでも同じことだが。来い!」 グロース星人が三ツ木を連れてきた。 三ツ木「隊長」 浜田「博士!」 グロース星人「さ、渡してもらおう」 三ツ木「隊長、渡すんじゃない。こいつは私達を殺す気だ」 浜田「何だって!」 グロース星人「さすが博士、物分かりがいい。それ!」 グロース星人が浜田から設計図の入ったケースを奪った。 浜田「あぁ!くそう、騙したな」 ジャンセスナがエアドルメンを発見した。 ナオキ「見付けたぞ」 「怪獣ロボットめ、俺の命と引き換えでも、勝ってみせる!しかし、このままでジャンボーグAになれるだろうか・・・・」 三ツ木と浜田がエアドルメンの口まで追い立てられていた。 三ツ木「隊長、どうする?どうせ殺されるんだったら・・・」 浜田「分かってます。やられる前に奴らの手から、設計図を!」 グロース星人「何をグズグズしてるんだ。早く突き落とせ」 浜田がグロース星人から設計図のケースを奪い返し、三ツ木と共に飛び降りた。 ナオキ「あ、博士!」 浜田「うわああ!」 三ツ木「ああああ!」 その時、ナオキの時計が輝いた。 ナオキ「分かったぞ!第3の命!」 「ジャン・ファイト!!」 ジャンセスナがジャンボーグAに変身した。 ジャンボーグAは三ツ木と浜田を受け止め、地面に下ろす。 浜田「ジャンボーグAは健在だったのか!」 ジャンボーグAが飛び上がって、エアドルメンに頭突きを叩き込み、地上に叩き落とした。 マッドゴーネ「な、なんたること!ジャンボーグAが生きているぞ!くそう、エアドルメン、戦え!」 ジャンボーグAとエアドルメンが戦う。 ジャンボーグAはエアドルメンに連続パンチを打ち込み、倒れた所へ更にパンチを打ち込む。 エアドルメンは胸からミサイルを撃ち、ジャンボーグAが飛び退いた所を上空へ飛び、 ジャンボーグAも上空へ飛んだ。 ジャンボーグAはエアドルメンをハンティングフラッシャーで撃ち、エアドルメンは墜落した。 ナオキ「ハンディングサンフラッシャー!!」 ハンディングサンフラッシャーがエアドルメンに炸裂し、エアドルメンは炎上して倒れた。 そして、ナオキはジャンカーZで三ツ木を自宅に送り届けた。 ナオキ「どうぞ」 三ツ木「ナオキくん、ありがとう!ジャンボーグAに助けられた時、何だか君がそばにいるように感じたが、気のせいかな? ナオキ「気のせいですよ」 雪子が家から出て来た。 雪子「パパ!パパ!」 三ツ木「雪子・・・」 雪子「パパ!」 三ツ木「雪子、パパはねこの通り帰ってきたよ 雪子「約束、守ってくれたのね」 ナオキ「うん」 三ツ木「どうも、ありがとう」 ナオキ「じゃあ、失礼します」 雪子「さようなら!」 ナオキはジャンカーZで去って行った。 ナレーター「立花ナオキにエメラルド星人がくれた3つめの命、それはジャンボーグAが再びこの世に復活することであった」 #center(){&big(){&bold(){つづく}}}