惑星Ziエレミア砂漠。 少年バン・フライハイトはホバーボードに乗って野生の水色のガイサックから全速力で逃げていた。 バン「まーた、追いかけてきやがる!しつけー野良ゾイドだぜ!」 バンが逃げる中でガイサックは地中に潜る。 バン「いない…諦めたか…」 バンがそういった中、待ち伏せしてたのか目の前からガイサックが姿を表す。 バン「くそー!えいっ!」 バンはジャンプでガイサックの攻撃を避けた後、再び逃げる。 #center(){|CENTER:BGCOLOR(DarkSlateGray):COLOR(white):&bold(){&big(){惑星Ziの少年}}|} 逃避行が続く中でガイサックはバンに向けて尻尾から遠距離攻撃を放つ。 バン「何でだ!?、何で野良ゾイドが撃ってくるんだ!?」 ブル「逃げろ!逃げろ!てめえはこいつの性能を試すのに持ってこいの獲物さ」 水色のガイサックにはパイロット・ブルが乗っていた。 ブル「野良ゾイドでも、この俺が乗れば、ちゃんとした兵器として使えることを証明してやるぜ!」 バン「あいつ野良ゾイドじゃねえ!自分から撃ってくるなんてきっと人間が乗ってやがるんだ。って…何しろこのポンコツホバーボードじゃ逃げ切れねえ…どうする…」 バンは目の前にゴジュラスの亡骸・残骸がある丘に気づく。 バン「遺跡か…なんとかなるかな…」 バンはそう言う中でガイサックの射撃攻撃が命中し離れるも、幸いホバーボードのワイヤー部分を持ち窮地に脱し、駆け足で逃げる。 ブル「どこへ逃げたって無駄だ。どこまでも追い続けてやるぜ…」 バンはホバーボードの原動力を利用し遺跡の壁を走り上に登ってやり過ごした。 バン「無茶苦茶するなぁ…」 一方遠い場所でネーロは双眼鏡でその様子を見ていた。 ネーロ「ブルのやつしっかりいい気分になってやがる…」 ビアンコ「まあ、そう言うな。俺達はボスからこのコマンドウルフを与えられてるが、あいつは何もなかったんだ」 ネーロ「当然だ。親米野郎にゾイドなんかもったいねえ…」 ビアンコ「だったらなおのこと。例え野良ゾイドでもあのガイサックを手に入れた途端に舞い上がっちまうのも無理はない」 ネーロ「だがな…あんな小僧を追い回したって何の自慢にもなんねえぜ」 ビアンコ「確かにな…けどあの小僧、近くの村のやつだな。俺達がいることを喋られるのもまずいんだよ」 一方でガイサック(ブル)はバンを落とそうと体当たりを続ける。 バン「なんで俺なんか追い回すんだよ…俺が何したってんだ!」 ブル「フーハッハッハッ!理由なんかねえ!いや一つだけ理由があるか…このガイサックをとっ捕まえた時にたまたま俺の前を通りかかった。つまりお前は運が悪い。俺は悪い奴が大嫌いなんだよ。そんな!」 ガイサック(ブル)は遠距離攻撃でバンを落とそうとする。 バン「くそっ…そんな理由で…」 ガイサックの攻撃の拍子でゴジュラスの亡骸は傾く。 ブル「何だ!?」 バン「くっそー!」 バンはホバーボードに乗ってガイサック(ブル)を突破しようとする。 ブル「あの野郎!逃がすか!」 バンは振り切る。 バン「やったー!」 ガイサック(ブル)は落石に埋もれて身動きが取れない。 ネーロ(無線)「おい!ブル!応答しろ!おい!ブル!」 ネーロ「ドジ野郎が…」 ビアンコ「仕方ない助けに行くぞ」 ネーロ「世話が焼けるぜ…ったく…」 逃げ切ったバンは崩落した遺跡を見回す。 バン「派手にぶっ壊れたなあ…」 バンはそういう中で持っていたホバーボードが壊れていた。 バン「ボードもぶっ壊れてる…これがねえと村まで帰れねえぞ…修理しようにも部品がなけりゃ…。!…そうだよあの遺跡には昔の戦争のときに使った機械が残ってんかもしれん!よーし!」 バンは遺跡の中に入り部品になりそうなものを探す。 バン「とはいってもなぁ…この遺跡今まで何度も来てっからな…目ぼしいものあらかた発掘し終わってるぜ…」 一方でビアンコとネーロが乗ったコマンドウルフ2機はガイサック(ブル)の元へ行く ブル「こちら、ブル。応答してくれ。」 ビアンコ「こちらビアンコ。無事…?」 ブル「ああ…平気だ…くそっ!ドジっちまった!こっから出るのは少々手間だ…くそっ!動けってんだ!このタコスケ!あの小僧はどうなった?」 ビアンコ「お前が崩した遺跡の中だ」 ブル「くそっ!あの小僧!」 ネーロ「バーカ!あれはおめーがドジっただけだろ!ガイサックだけで浮かれやがって…仕方ね本当のゾイドの扱い方を教えてやれ」 ビアンコ「よく見ておくんだ」 ブル「すまねえ」 バンは遺跡内を見回る。 バン「ふー、何もねえ…」 バンがそういう中で地響きが鳴る。 バン「何だ!?」 ビアンコとネーロのコマンドウルフ2機がバンのいる遺跡に向けて攻撃する。 ネーロ「やったぜ!ここまでやれば生きちゃいられねえだろ…」 ビアンコ「小僧一人に何わめいてんだ?それじゃブルと変わらんぞ。ブルのガイサックを掘り出す手伝え!」 ネーロ「わかってるよ!」 攻撃による崩落を逃れたバンは座る。 バン「危ねえ…踏んだり蹴ったりだぜ…お?」 バンは遺跡の奥の通路があるのに気づく。 バン「あれは…もう行くしかねえな!」 バンは通路の奥へと進み、扉を開ける。 バン「こんなところに隠し部屋があったのか…なんかの格納庫か…あれ?電源がまだ生きてる。何だろう?」 バンはスイッチを押すと照明が点灯する。 バン「うおー!生きてるぜ!ここのシステム!。あっ…あれは…!」 バンは目の前に培養カプセルらしきものがあることに気づく。 バンの村。 マリア「バン!×3。いないの!全く…あの子ったら家の手伝いもしないで…どこ行ったのかしら…」 レオン「やあ、マリアさん!また行方不明ですか?弟さんは?」 マリア「神父様、はい…」 レオン「バンならがここにはいませんよ。大方また砂漠の探検にも出かけたんじゃないですか?」 マリア「ええ…きっとそうです…村の人は危ないといつも言ってるんですけど…」 レオン「まぁ大目に見てあげなさい…彼のゾイド欲しいという気持ちは抑えられるものではありません。見てごらんなさい」 誰かの墓の足元には花束が献花されていた。 マリア「これは…」 レオン「多分…」 マリア「あの子今日が父さんの命日だって覚えてたのね」 レオン「そうあなた達のお父さんがジークとともに村を守るために戦い、命を落としてから5年…その間のバンの口癖はあなたが一番知っているでしょ?」 マリア「ええ…『いつか俺もジークみたいなゾイドの相棒を見つけて父ちゃんみたいな立派なゾイド乗りになるんだ』って…。でも神父様…もし運よく野生のゾイドを見つけることができたとしても…言うことを聞かせることなんてできるんでしょうか…」 レオン「うーん…それはまあ彼の努力次第でしょうね…それに…今では野生のゾイドはめっきり見かけなくなりましたね…軍から離れた野良ゾイドばかりになってしまった…」 遺跡内。 バンは培養カプセルを調べていた。 バン「中に見えるのはどう見てもゾイドみたいだぞ…ってことは!こいつを開けることができるなら夢にまで見た俺の相棒ゾイドが…!」 パンがカプセルを調べる中で左手が脇にあったスイッチに接触する。 そのカプセルが光り始めるとカプセルが割れ恐竜のオーガノイド・ジークが出てくる。 バン「嘘だろ…ゾイドが生まれてきた…ゾイドがこんな風に生まれるなんて…聞いたこともないぞ…すげぇ…こんなの初めてみた…なんて綺麗なんだ…こんな野生ゾイドがこの世界にいるなんて…」 ジークがバンに近づくと、かすかに動き始めて小さな雄叫びを上げる。 バン「怖がらなくていい。俺はただお前の相棒になりたいだけだよ俺の名前はバン、おめぇの名前は…」 バンがそういった瞬間、ジークは彼を尻尾を激しくを振って弾き飛ばす。 バンはその攻撃に耐えて起き上がる。 バン「いってー!そう来なくっちゃな!俺の相棒になるからにゃこのくらい鼻っぱしらが強くねえとダメだ!」 バンはジークを強いゾイドであることを証明したのか笑顔を見せる。 バン「決めたぜ誰が何と言おうとお前は俺と一緒に来るんだ!さあ!おめえの名前…ジークってのはどうだ?死んだ父ちゃんのゾイドの名前なんだ。強そうだろ?」 ジークがバンに手を出そうとした瞬間、ガイサック(ブル)が壁を突き破ってやって来た。 ブル「どこに隠れていようと、この俺は見つけ出すぜ!逃さねえぜ…。?、なんだそりゃ?野生のゾイドか?いいもの見つけたぜ。そいつを売り飛ばせりゃ大儲けできるぜ。小僧、お前なんかにはもったいねえ代物だ!こっちへよこしな!」 バンが後ずさりする中で太いケーブルに触れる。 ブル「さあこいつ大人しくそいつををこっちによこしな!」 バンは太いケーブルを切り離し、そこから放たれた電流でガイサック(ブル)に接触させる。 バン「そいつは俺が引きつける!ジーク!お前はどっかに逃げろ!逃げろって!俺の言ってることがわかんねえのか!?頼む!今だけでいいから!俺の言うことを聞いてくれよ…こいつに使われたらお前が何されるかわかんないんだぞ!」 ブル「このクソガキが!」 ガイサック(ブル)はバンを振り払う。 バン「畜生…」 ブル「さっきはよくもやってくれたな。俺も2度もコケにしやがって…こいつぶっ潰してやる!」 ガイサック(ブル)がバンを襲おうとした瞬間、ジークが体当たりをする。 バン「お前…俺を助けようってのか?」 ブル「この野郎!」 ガイサック(ブル)はジークをはじき飛ばす。 ブル「チビスケが…少々痛い目を見ねえとわかんねえようだな…。」 ガイサック(ブル)はジークを攻撃し続ける。 バン「やめろ…もういいやめろ…頼むから!やめてくれー!」 バンの叫ぶと同時にジークは彼の近くに壁にぶつかる。 ブル「手間取らせやがって!俺に逆らうとどうなるか分かったろ!」 バン「ジーク…馬鹿野郎…まだちびのくせにあんなでかいのにかなうわけねえだろ…すまねえ、俺がおめえを起こしちまったばっかりに…だからだから死ぬなよ…」 ブル「ふっはははは!」 バン「くそっ!どうすりゃいいんだよ!」 バンがそういう中でジークが立ち上がり。 バン「ジ…ジーク?」 ジークは歩いてどこかへと向かい。 ブル「まだ、分かってねえのか。こいつ?。」 バン「やめろ!ジーク!敵うわけねえ!本当に死んじまう!やめろ!やめろ!ジーク!俺の相棒になんなくていいから!お父ちゃんの時見てえなことは…」 バンの頭の中に父がと乗っていたゾイドと共に爆発する光景がフラッシュバックする。 バン「あんなのもう見たくねえんだ!」 バンがそう言った後、ジークは彼を背中に乗せる。 ギャバン「ジーク?」 ブル「なんだ?」 ギャバン「何すんだよジーク!やめろ!」 ギャバンがそういう中でジークは背中のブースターを展開しガイサック(ブル)を押し飛ばす。 ブル「何だこりゃ!」 ギャバンを乗せたジークはガイサック(ブル)とともに壁を突き破る形で遺跡の外に出る。 ネーロ「なんだありゃ!」 ビアンコ「新型のゾイドか!」 バン「どこに行くんだよ!」 ギャバンを乗せたジークは全速力でどこかへと行く。 向かった先はシールドライガーの残骸であった。 ギャバン「シールドライガー?」 2機のコマンドウルフはジークとバンを追いかける。 ネーロ「ブルのガイサックはどうする?」 ビアンコ「知るか!それよりさっきのゾイドだ」 ジークはギャバンをシールドライガーの残骸の操縦席に乗せる。 ギャバン「こんなところに連れて何するつもりなんだよ?。これを俺に操縦しろって言うのか!?」 2機のコマンドウルフがシールドライガーに向けて攻撃してくる。 バン「さっきのガイサックの仲間か!くそまた撃ってきやがって!」 バンがそう言うと、ジークが光り出す。 バン「ジーク?」 ジークがシールドライガーの残骸に入り込む。 バン「何だ!何が起こっているんだ!?」 バンが乗ったシールドライガーは復元する形で新品のような姿になる。 ネーロ「なんだありゃ!?」 ビアンコ「シールド…ライガー!?」 2人が驚愕する中でバンの乗ったシールドライガーは雄叫びを上げる。 バン「そうか…これがお前の力か!」 ビアンコ「ネーロ!びびんじゃねえ!シールドライガーはトップクラスなんだぞ!あんな小僧に操れるわけがねえ!」 バン「行くぜ!ジーク!」 ビアンコ「この野郎!」 シールドライガー(バン)はコマンドウルフの攻撃を回避後、脚をめがけて噛みつき攻撃をする。 ビアンコ「そんな…バカな!あんなど素人にあんな操縦が…。クソっ!コンバットシステムがフリーズしやがった!。」 ネーロ「こっちもだ…」 ビアンコ「仕方ねえ…引くぞ!」 2機のコマンドウルフは撤退する。 操縦席から降りたバンはシールドライガーを上から眺める。 バン「やった!やったぜ!ジーク!初めて乗ったゾイドで勝ったぜ!」 バンは戦いで疲労したのかばったりと倒れた後、顔を上げる。 バン「これからもよろしくなジーク!」 ジークは鳴き声を上げるとどこかへと行く。 バン「どうしたんだ?ジーク?。おい、ジークどこ行くんだよ?」 バンはジークの後を追う、行き先はジークが眠っていた遺跡の研究室であった。 バン「これってさっきの…そうだよな…並んでたってことは…こいつはおめえの弟かもしれないもんな」 バンがコンピューターを操縦するともう一つのカプセルが光り出す。 バン「おっ!行ける!行けるぞ!こいつも動くぞ!見ろよジーク!生まれるぞ!並んでおいてあったんだからきっとお前の弟だよ!こいつも絶対すげえゾイドだぜ!」 そのカプセルが割れる。 バン「やった!生まれた!。来いよ!ジーク!ちっこくたって…お前の可愛い男…」 カプセルの中身はコールドスリープしたと思われる少女であり複数のコードが絡まれていた。 バン「じゃあなさそうかな…少なくとも…」 バンは予想外のものが保管してあったことに驚く。 #center(){(続く)}