その昔、大陸は、竜人族の王 暗黒竜メディウスに侵略され 人々は 恐怖と絶望の中にあった。 しかし...奇跡がおこった。 大陸の一地アリティアの若者が 神剣を手に暗黒竜を打ち倒したのだ。 大陸は再び平和な時代を迎えた。 だが、その100年後-- 暗黒竜は復活した。 世界支配の野望を持つ魔王と 手を組み、大陸の国々を攻撃。 大陸は再び闇にのみこまれつつあった。 かつて暗黒竜を倒した英雄の血をひく アリティアの国王は 暗黒竜を倒すため 神剣を持って出撃。 その一子、マルス王子は 母や姉と共に 隣国の同盟国の守備兵たちと 父王の留守を守りながら 文武の修行にはげむ日々を 送っていた。 そんなある日の夜-- #center(){|&big(){&bold(){Prologue&br()&br()序章}}|} 兵士「マルス王子 お休みのところを失礼します。」 マルス「どうしたんだい?」 兵士「エリス様がお呼びです。」 マルス「姉上が?」 兵士「急ぎの用とのことです 身支度をととのえて 広間に来るようにと。」 マルス「…何かあったの?」 兵士「グラに遠征している軍に異変があったようです。くわしいことは自分にも…」 マルス「そうか。わかった、ありがとう。」 マルス「姉上は、広間に来いとおっしゃっていたな。遠征軍に異変…父上の身に何かあったのだろうか。」 ・ ・ ・ 兵士「いたぞ、マルス王子だ!」 マルス「!! なんだ、お前たちは?」 兵士「我々はグラ軍の者だ。マルス王子 われらに投降されよ。手向かえば容赦はせぬ。」 マルス「投降!? どういうことだ?お前たちは同盟国グラの兵だろ?」 兵士「ククク…王子は何も知らないと見える。まあよい、いずれわかるさ。今は武器を捨てて、おとなしく…」 マルス「断る。」 兵士「なにっ!」 マルス「ぼくはアリティアの王子だ。自分の国、自分の城で他国の軍に投降するいわれはない!」 兵士「フン、こわっぱのくせに一人前の事を。ならば、その命をいただくまでだ。あの世で後悔するがいい!!」 ・ ・ ・ 兵士「むっ、手向かうか!」 マルス「あっ、広間の玉座が… 今、姉上が来られたら御身が危ない。早く取り返さねば!」 ・ ・ ・ エリス「マルス、無事でしたか。」 マルス「姉上、一体何が…」 エリス「落ち着いて聞くのですよ。父上がドルーア・グルニアの連合軍に敗れました。」 マルス「なんですって!」 エリス「同盟国グラが裏切って 背後から攻撃してきたらしいのです。偵察の報告では父上がご無事かどうかも定かではないと…」 マルス「父上が…そんな…」 エリス「それに乗じてグラから送り込まれた軍がこの城を落とそうとしています。こちらは分断されて離れにおられた母上の安否もわからぬ有様…」 マルス「そうでしたか…」 エリス「それで 今後のことなのですが…マルス、これから私の言うことをよくお聞きなさい。あなたは、城を脱出するのです。」 マルス「!!」 エリス「城に残った兵はわずか…残念ですが落城は時間の問題でしょう。私たちも後を追いかけます。あなたは先行して突破口を開くのです。」 マルス「…わかりました。お任せください。」 エリス「ジェイガンたちを城門に待たせてあります。彼らと合流して一刻も早く城を出るのです。いいですね。」 マルス「はい。では姉上、後ほど…」 エリス「無事、いきのびるのですよ。マルス…」