彗星戦神ツイフォンに敗れ、治療を余儀なくされた闘士ウルトラマンに代わり、超エネルギー増幅装置を身に着けたメフィラス大魔王がツイフォンに挑む。 だがそれは、自らの命すら奪いかねない危険な賭けだった。 ハイパー化したメフィラスの必殺技・超魔光閃がツイフォンに炸裂したものの、メフィラスも増幅装置の暴走・爆発によって致命傷を負ってしまう。 そこに、治療を終えたウルトラマンが駆けつけた……。 メフィラス「……よう……」 ウルトラマン「メフィラス! なんてことを……」 メフィラスを抱き起こすウルトラマン。 メフィラス「最後まで、説教か…… それもお前らしい……」 ウルトラマン「喋るな! 今すぐ地球へ運んでやる」 メフィラス「よせ、無駄だ…… 俺は、お前みたいに不死身じゃない…… 俺なりに頑張ってみたが…… お前のように格好よくはいかなかったぜ……」 ウルトラマン「何を言う! ツイフォンを倒したじゃないか。お前は私以上だ!!」 メフィラス「……そうだな…… お前でも勝てなかったあいつをな……」 ウルトラマン「ああ……!」 ……しかし、ウルトラマンは気づいてしまう。ツイフォンがまだ生きていることに。 一方のメフィラスは気付かないのか、急に黙ってしまったウルトラマンに尋ねる。 メフィラス「どうした……」 メフィラスに悟られないよう、必死に作り笑いを浮かべながら語るウルトラマン。 ウルトラマン「……すごかったよ、メフィラス! すごかった…… 奴は粉々だ。地球は救われた、お前のおかげだ!」 無感情にそれを見つめるツイフォン。 メフィラス「……そうか…… よかった、な……」 ウルトラマン「!!! メフィラス……!!」 メフィラスが息を引き取る。嗚咽するウルトラマン。 メフィラスの亡骸を抱きしめ、しばらく体を震わせていたが……。 ウルトラマン「……お前は一体何者なんだ!! 何故こんな殺戮を続ける!?」 ウルトラマン、ツイフォンに向き直って怒りの叫びをぶつける。 その時、ツイフォンが初めてその口を開いた。 ツイフォン「俺は俺だ」 ウルトラマン「!!!」 ツイフォン「全宇宙を駆け巡り、その行き先にある物はすべて破壊する。それが俺だ」 ウルトラマン「何だと……!? 何故だ、何故そんなことを!!」 ツイフォン「『何故』はない。それが俺だ。もう何万年もの間繰り返してきた。そしてこれからもだ」 ウルトラマン「そうはさせない……! もう、二度と!! こんなことはさせない!!!!」 ウルトラマンの体を黄金のオーラが包む。超闘士ウルトラマンに変身したのだ。 万丈「こ…… これは!?」 タロウ「だ、ダメだ…… ダメだよ、ウルトラマーン!!」 ウルトラクラウンを破壊された今のウルトラマンは、3分間しか超闘士形態を維持することができない。 しかし、それでもなおウルトラマンは戦う。そしてツイフォンに告げる! ウルトラマン「私は宇宙を破壊する者を許さない!!!」 散っていったメフィラスの闘いを受け継ぎ、ツイフォンに挑むウルトラマン。 宇宙に轟く力と力、そのぶつかり合いが再び幕を開けた。 ツイフォン「ツイフォ~ン!!!」 ウルトラマン「食らえっ!!!」 救護船から必死に呼びかけるタロウ、そして実況宇宙ステーションでは万丈アナウンサーが視聴者に解説。 タロウ「だ、ダメだ、ウルトラマン!! ウルトラクラウンなしで、超闘士の力を使ったら……!!」 万丈「そうです!! あまりの超エネルギーに、3分あまりで肉体がボロボロになり死んでしまうのです!!」 全力を振り絞り、パンチ、キックでツイフォンを追い詰める超闘士ウルトラマン。 しかし、カラータイマーが点滅を始めてしまう。 ウルトラマン「うっ!! あ、ああっ……!!」 万丈「カラータイマーが!!」 ノタニー「長引いては危険じゃ!」 ウルトラマン、ツイフォンを投げ飛ばす。 ツイフォン「ぬぅぅぉあぁぁぁ!!!」 気合いと共にツイフォンの拳から放たれたエネルギー波がウルトラマンを捕獲。 そして、ツイフォンの頭突きがカラータイマーを砕いた!! タロウ「あっ!!」 ウルトラの父「うっ!!」 セブン「おっ!!」 万丈「ああ~っ!!」 ウルトラマン「ぐわああああ────っ!!!!!」 砕かれたカラータイマーから光のエネルギーが鮮血のように迸る。 そして──ウルトラマンの目から、光が消えた。 ウルトラマンを振り捨てるツイフォン。 万丈「う、ウルトラマン……!! ウルトラマンまでもがぁ……!!」 涙を流して呼びかける万丈。しかし、ウルトラマンは何の反応も示さない。 タロウ「ウルトラマン!!」 セブン「ウルトラマン……!」 カネゴン「ウルトラマン……」 フジ隊員「死んじゃダメぇ!!」 ウルトラ戦士、怪獣、防衛隊……戦いを見守る全宇宙の人々が、ウルトラマンに呼びかける。 &big(){&bold(){『ウルトラマン!! ウルトラマ──ン!!!』}} ……宇宙空間を漂うウルトラマン。突然、その亡骸がまばゆい光に包まれる。 ウルトラマン(死なない…… 絶対に死ねない。私には義務がある。メフィラスが護ったものを、護り通す義務が!! 死ぬわけにはいかない!!!!) その時、ウルトラマンの目、そしてカラータイマーに再び光が宿った。 そして、まばゆく暖かい光が、宇宙中からカラータイマーに集まってゆく。 ゾフィー「おおっ、あれは!!」 ウルトラの父「宇宙伝説の永遠の命…… デルタスター!!!」 全宇宙の人々の祈りが、ウルトラマンに[[究極魔神シーダを倒した>ウルトラマン超闘士激伝の第42話]]銀河永遠の命、デルタスターを再び与えたのだ!! ツイフォンがウルトラマンの胸のデルタスターへ右拳を振り抜いた。 しかし、ツイフォンの拳の方が砕ける。 ツイフォン「ぅおぉぉ──う!!!」 ツイフォンが高速回転し、角での突撃をデルタスターに放つ。 ウルトラマン「無駄だ、ツイフォン!!」 デルタスターとツイフォンが激突し、大爆発が起こった。 万丈「ど、どーなったんだ!!?」 爆発が収まる。削れ、砕けたのはツイフォンの角の方だ。 ツイフォン「ツイ、フォ~ン……」 虫の息のツイフォン。 ウルトラマン「……それが私だからだ。お前の永い旅もここで終わらせる!!」 ツイフォン「ああっ……!!?」 ウルトラマン「スペシウム…… &big(){&bold(){超・光・波────っ!!!!!}}」 ウルトラマンの放ったスペシウム超光波がツイフォンを遙か彼方へ打ち上げていく。 そして、ツイフォンは光の中で崩壊していき、消滅した。 万丈「や…… やった、やりました!! 超闘士ウルトラマン!!! 彼こそ我らがヒーロー!! 英雄の中の英雄で~す!!!」 感涙にむせぶ万丈とカメラマンの怪獣ビーコン。 そして、ノタニー博士も……。 ノタニー「いや、ウルトラマンだけではない……」 眼鏡を外し、涙をぬぐうノタニー博士。 ノタニー「英雄は、彼の…… 我々の胸の中にもいるよ……!!」 地球。闘士五獣士、そしてツイフォンの起こした災害から生き残った人々がウルトラマンの勝利を称える。 やはり涙を流すウルトラマン80と、ウルトラセブンが頷き合う。 これからのことを話し合う防衛隊の隊員たち。 安堵の面持ちのウルトラの父とゾフィー。 救護船。恩師であるメフィラスの死を嘆くタロウを、ジャックやエース達が励ます。 そして、ウルトラマンは息絶えたメフィラスの亡骸を抱き、地球を見つめ続けていた……。 #center(){&big(){(終)}}