悪ぃ男一匹川流れ

生まれついての碌でなし
親父が殴る甲斐もなし
流れ流れて悪の道
親ァ泣かし

陸(おか)と船(ここ)では違ぇ場所
自分の手で漕き進む物
罪の味する杯を合わせ
笑う「声と」笑う「心」
でっかくあれ

流れ流れてなっげぇ川
川面に映る星に手を伸ばし
絶えずたゆまず流れは進む
悪ぃ男一匹川流れ

ゴロツキどもに囲まれて
かかぁに尻ぃ叩かれて
ひとりぼっちと嘯けば
人に追っかけぇられて

増えて減っての水嵩と
やってやられての河賊家業
明日川面に浮かぶとも
今の「笑顔」今の「望み」
でっかくあれ

流れ流れてなっげぇ川を
誰もいつか水底の泥
流れ着くか沈むのか
悪ぃ男一匹川流れ

正しさと叫ぶ魂よ
悪と名乗りし魂よ
羊皮紙(かみ)の川面へと沈み
残る「言葉」残る「想い」
消えさっても

流れ流れてなっげぇ川を
川面に映る星に手を伸ばし
絶えずたゆまず流れは進む
悪ぃ男一匹川流れ


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最終更新:2023年06月13日 11:31