豪奢な法衣を身に纏った、真白い肌に床に届く程の長い白髪と紫緑妖眼を持った美丈夫。
若々しい外見に反した深い知性とカリスマ性の持ち主であると同時に奸智に長けた策略家でもある。
元は
サトゥルネス教の信徒であったらしいが、ある時に真聖サトゥルネス教会を統べる法王アダマスの前に現れ『真聖サトゥルネスの教義に深い感銘を受け、是非ともその教えを広める力となりたい』と自ら宗旨替えを宣言。
そして巧みな話術を繰り出しては人々を真聖サトゥルネスの教えに染め上げ、瞬く間に教会内での地位を確立。
更には教会が探し求めている『
宣教師ザミエイル』が使ったとされる奇術の有力な手掛かりや関連魔導具を次々と発見した事でその地位を盤石な物としたようだ。
そうした功績を認められ、法王アダマスからコンバイン教団の設立を許される事となったのである。
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【実態】 |
【実態】
真聖サトゥルネス教会の一派を取り纏める高位神官ヤクシ。
その実態は 魔王候補の一人たる 魔将ノブナガ配下の一人『地獄道』を名乗る者である。
彼自身は教会の教えに対しては何の感情も抱いておらず、ただ己の目的の為に利用しているに過ぎない。
宗教国家である ノウィスト皇国が保有する神官戦士や神殿騎士団達はたとえ一騎当千の力を持つノブナガであっても無視できない脅威であった。
そこでヤクシはノウィストと対立関係にあった真聖サトゥルネス教会を増強させる方向でノウィスト全体の弱体化を狙い、同時に支配下に置いた教会や信徒を労働源にしてノブナガに対する支援体制の構築を画策しているようだ。
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【更なる実態と経緯】 |
“使嗾侯爵”アナビメル
狼にも似た黒い双頭の魔獣の背中から、赤黒く淀んだ眼をしたミミズクの頭部を持つ人型の上半身が生えた異形。
胸の中央には縦に裂けた形状の牙を有する瞼があり、その内部には複数の眼球が集まって一つと化した巨大な『目』が存在する。
膨大な 魔力に加え、胸の眼球を使った相手の心を見透かす能力で人々に不和を植え付けて騒乱を引き起こすとの事。
―――そんな悪魔が過去に一人の高位魔族によって召喚され、ノウィスト皇国へと潜り込んだ。
自身の能力によって一度は神官団の結束を瓦解させかけるも、当時のノウィストの守護者にして 勇者候補であった『聖女』がその企みを看破。
聖女を中心にして神官団が再び一致団結した事に憤慨し、アナビメルは真の姿を現して聖女に襲い掛かったのである。
そして激しい死闘の末に聖女を その愛馬諸共に倒すに至ったが、自身も聖女が最期に放った渾身の 神聖魔術を受けて力の大半を消失。
そこに後続として自ら前線に出た当時の教皇と残存した神官団による 封印魔法によって タリスマンに封じ込められ、召喚主である魔族共々討伐されたのだ。
やがて戦乱終結後、封印の媒体となったタリスマンはとある祠に納められると厳重な結界を張った上に禁足地として永らく秘匿される事となった…。
それから時は流れ―――。
とある筋からこの悪魔の情報を得たノブナガが少数の配下を率いて祠に訪れ、 瘴気を纏わせた一刀にて結界ごと祠の中のタリスマンを両断したのである。
こうして解放されたアナビメル。
だが聖女によって受けた傷は未だ癒える事は無く、その力は本来の半分以下と言う状態であった。
弱体化という事実に憤慨するアナビメルに対し、ノブナガは長きに渡る封印を齎したノウィストへの復讐の手伝いを提案。
ノブナガを 契約主とする事で失った力を補い、ノウィストの崩壊を果たす為に利用し合うよう持ち掛け、この提案を飲んだアナビメルは自らの力が復活するまでノブナガを新たな主に定める事となったのだ。
そうして 人間の姿で皇国内に潜り込むと、ノウィスト壊滅の為に暗躍を開始。
現在も真聖サトゥルネス教団の教義を広める素振りをしつつ、騒乱の火種を周辺に撒き続けている。
やがては大規模な宗教紛争を起こさせ、かつて自身を封じた聖女が守ろうとした皇国を聖女自身が信じた『人の信仰心』によって滅ぼす為に。
ちなみにヤクシとしての容姿は皮肉を込めて聖女の顔つきに似せているとの事。
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最終更新:2024年07月05日 15:04