第二次覇権海戦(ズドリティアの悲劇)

シードリア共和国ハーレン海防連合王国の海の覇権を巡る争いの最中に発生した出来事とその顛末。

第一次覇権海戦より時は流れるも未だ両国の衝突は続いていた。
そしてロクシア歴1712年にシードリア側は大型戦艦を含めた五十隻、ハーレン側は中型艦を主軸とした六十隻もの船舶が集結して相対。
だが開戦の狼煙が上がると同時、突如として巨大なクラーケンが戦場に出現。
これによって双方全ての作戦が無意味と化したのである。

さて、このクラーケンではあるが…。
戦争中の両軍が協力して撃退したという話なら美談になるのだがそんな事はなく、あろう事か互いにクラーケンを押し付け合ったのだ。
どうやってクラーケンを撃退するのかではなく、いかにクラーケンに敵軍を攻撃してもらうかに終始したこの戦いは両軍合わせて多大な犠牲と損害を出し『引き分け』として終結した。

最終的にクラーケンはシードリアの軍艦1隻とハーレンの軍艦1隻が協力して打ち倒している。
しかし両軍提督による押し付け合いで泥沼化したこの戦いは流石に両国の市民からも非難される事態となり、以降『ズドリティアの悲劇』と呼ばれる事となった。

ちなみに協力してクラーケンを討伐した両軍の軍艦は二隻とも完全な命令無視であったらしい。
その後乗っていた指揮官達には相応の処罰があったらしいが、一部の市民からは賞賛の声が挙がったと云う。

一方で、何故このタイミングでクラーケンが現れたのかという疑問も挙げられていた。
その後の調査ではクラーケンはズドリティアの『更に巨大な魔物』から逃げてきたのではないか、との説が囁かれたとも。


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最終更新:2025年07月15日 23:35