「-CROSS OVER ENDLESS MISSION 2-本能-」
作者:本スレ 1-710様
449 :-CROSS OVER ENDLESS MISSION 2-本能-:2014/02/09(日) 00:22:12
450 :-CROSS OVER ENDLESS MISSION 2-本能-:2014/02/09(日) 00:24:05
『貴方が欲しい』とか、そんな言葉で――僕が喜ぶと思ったのかな。
――いいよ、今は、君の言葉に乗ってあげよう。
ヘンリーの黄金の瞳を目に留め、其処に宿る意思を認めた時、幸は何とも言えない感情を
覚える事になった。多分、彼はもう、とっくに了知しているのだ。
幸自身に、半ば無意識かつ、即応的に相手が望む返答を返す性質を備わっている事を。
これまでに重ねてきた経験から、幸には、自らが犠牲となるような、不釣り合いな対価を
払ってでも、その場を平穏にやり過ごしたいと望む性質が比較的強く備わっている事も。
目の前の青年――ヘンリーに、そうした思惑がある事を見て取った瞬間、幸は、自らの背
中の中心に沿って冷たく、痺れるような感覚が一瞬のうちに擦り抜けていくのを感じた。
そんな感覚を覚えながら、幸が彼の黄金の双眸を見つめている事も、全て了知していたか
のように、ヘンリーは、そのまま、ただ、一度、幸の唇へと軽く口付ける。
それから、彼は漸く、幸の両腕を拘束していたままにしていた、自らの掌の力を解いた。
ヘンリーは何も告げる事なく、そのまま、幸の首筋から鎖骨へと、再び口付けを落とし、
その位置を徐々に相手の身体の下の方へと向かって、移動させていく。
やがて、その口付けが、彼の胸元へと到達した時に、幸は再び切ない声をあげた。
同時に彼は、目の前の青年の背中へと、自らの両腕を伸ばす。
「っ、は、あぁ!」
声を上げた幸に対して、ヘンリーは、一言も声をかける事をしなかった。
だが、今度は、先程までとは違う。片方の胸の頂きを舌と唇で愛撫され、そのまま、軽く
歯を立て甘咬みされると同時に、もう片方の頂きも、彼の指先で摘まれ、弄られる。
それは、以前、旭が見る目の前で、数人の男から激しく乱暴された時のものとは全く違う。
もう既に亡くなった、あの義父から与えられていた、酷く懐かしく、優しい、あの感覚に
近しいものだ。
自らの事を大切に想い、深く愛しみながら、甘く疼くような、それでいて、恍惚とした感
触を伴う、あの感覚を今、ヘンリーが再び与えてくれたのだ。
幸はヘンリーが与えた感覚を全身で受け止めながら、ただ、純粋に快楽へと溺れていった。
幸がそんな何処か感傷染みた感覚を追いながら、この快楽を感じている事に、恐らくもう、
とっくに気付いている筈なのに、ヘンリーが、そうした事に触れる様子は全く無かった。
そんな幸の感情の揺らめきさえも、全く意に介する事なく、ヘンリーは、空いていたもう
片方の手で、つい先程まで、愛撫を加えていた幸の身体の中心にある頂きに再び触れた。
ヘンリーは、そのまま、幸の昂りの頂きにも再び、強い快楽を伴う施しを加えてやる。
「あぁっ! も、だめ、だから……」
「いいよ、そのままイッて、僕は君を制したりしないから」
程無く、自分自身が達しそうな事を伝えた幸に対し、ヘンリーはそう告げた。
それと同時に、幸が一番感じている昂りの先端を一層強く、丁寧に刺激する。
「っあ! あ、あぁあっ!!」
ヘンリーから、そうした所作を受けた幸は、一際大きな声で喘いだ。
同時に、幸は絶頂を迎えると、目の前の相手の掌の中に、精液を放つ。
自らの華奢な肢体を小さく震わせながら、幸は、その場で、絶頂の余韻を受け止めていた。
幸の様子を目に留めたヘンリーは、新たな涙の滲む幸の面差しの方へと改めて視線を向け
ながら穏やかに微笑んだ。
「いい子だね、臆する事なく、ちゃんと出来たじゃないか」
呟くように、そう言ったヘンリーは直後に、幸の面差しから視線を外し、自らの片方の腕
を支えに、自分自身の上半身を起こした。
ヘンリーがそうした所作を行うと同時に、彼の背中へと、頼りなく添えられていた幸の両
腕がその場に留まる力を失ったかのように、ベッドの上へと滑り落ちていく。
この華奢な身体付きの青年――幸に昨晩も施してやった行為と比べると、たいした愛撫を
加えたわけではない。だが、今、そんな状況にあっても、もう既に少し意識を朦朧とさせ
ながらも、熱を帯びた荒い吐息を零し続ける幸の姿をヘンリーは自らの目に留めていた。
幸のそんな様子を改めて確認したヘンリーは、幸の昂りを愛撫していたのとは逆の手を自
らの腰の辺りへと宛てた。
ヘンリーは、そのまま、自分自身の下肢の衣服のフロントボタンを外すと、自らの衣服の
ファスナーを下ろし、もう既に充分に昂り、熱を帯びた自分自身のそれを顕わにさせた。
それから間を置く事なく、ヘンリーは、つい先程まで幸の精液を受け止め、そのままにし
ていた自らの片手を相手の一方の内腿に添え、幸の両脚を開かせる。
幸の両脚の隙間を一気に押し広げると同時に、ヘンリーは自らの身体を滑り込ませると、
何の前振りも無く、幸の其処を貫いた。
「――――っ!! う、あ、ぁあ、あぁあぁ!!」
その行為が成し遂げられた瞬間、幸は息を詰めた。彼の口元からは、絶叫にも近い悲鳴が
漏れる。確かに、ヘンリーの熱を帯びたそれは、その行為の直前に幸の其処に宛がわれた。
でも、何の前触れも、其処を馴らす為の前置きとしての行為も無く、それがそのまま、挿
入ってくるのだとは、思ってもいなかったのだ。
これまでにも、こうした行為を共にした相手から、何の前触れもなく挿入された経験が無
い訳ではない。
それでも、今、幸自身の瞳に姿が映る、この青年――ヘンリーがそうした行為を成すのだ
とは、全く思いも至らなかったのだ。
こうした事になると、思い至らなかった自分自身が愚かなのだとは思った。
けれども、幸は、その時点で、ヘンリーに抵抗する術も、抗議の声をあげる術も全く失っ
ていた。幸には、ただ、荒い吐息を零し続ける事しか出来なかった。
自分自身の後孔で受け止めている、ヘンリーの昂りと、熱を帯びた体温が齎す灼け付くよ
うな、強烈な質量と圧迫感を遣り過ごす為に、幸は涙を零し、身体を震わせた。
「少し苦しいかな? でも、幸なら、じきに慣れるよ」
「っ、は、ぁ……!」
そう言いながら、ヘンリーは、自らの腕を添えて、幸の片方の脚を持ち上げ、脹脛の辺り
へと、一度、軽く口付ける。途端に、幸の唇からは悲鳴にも似た小さな声があがった。
相手から受けた、所作の所為で、幸の身体の結合部分に挿し込まれている、あの熱を帯び
たものが、身体の奥へとより深く入り込んでいく感覚を直接的に受ける事になったからだ。
程無く、ヘンリーは幸のもう一方の脚も同様に持ち上げてから、覆い被さる自分自身の身
体の体重の重みをもって、相手の身体の上へと強く圧し掛けた。
そうすることで、ヘンリーは、幸の華奢な身体を大腿部の付け根の部分から二つに折り曲
げるようにして強く、圧倒的な力で押さえ込む。
「う、あ、ああぁあっ!!」
自らの体を思い切り押さえ込まれた幸の口からは、再び悲痛な声色の喘ぎ声が上がった。
急にそんな姿勢を取らされた事への苦痛ももちろんあった。
だが、それにも増して、幸の内側を貫く、彼のものが更に、更に奥へと侵入してきた事を
実感する破目になったのだ。
相手から受けたそんな所作から逃れる術のほぼ全てを失っていた幸には、自らの目の前に
在るヘンリーの身体へと縋りつく余裕さえない。
幸は、その場での辛さをただ、ひたすらに遣り過ごそうとするかのように、手元のシーツ
を手繰り寄せ、自らの両手を硬直させながら、ベッドの上へと強く爪を立てた。
「ちょっと身体が硬い幸には、辛いかな、ごめんね、でも、すぐに悦くなるよ」
「ん、ふ、はぁ……ふ、っあ!」
幸が喘ぐ様子を気に留めながら、ヘンリーは、耳元でそう囁いた。
直後に、彼は幸の首筋にキスを贈りながら、一方の手で相手の胸元を弄んだ。
ただ、その間も、ヘンリーは自分自身の身体を動かす事は、一切、しなかった。
彼は敢えて自らの昂りを幸の後孔の内部へと納めたまま、温かい熱を帯びて熟しきった、
肉壁の感覚を味わうに留めた。
ヘンリー自らが動かなくとも、幸の其処は既に充分な熱を帯び、無意志のうちに、小さな
収縮を伴う動作を繰り返し、都度、其処に収まるヘンリーの熱いものを締め付ける。
自らの意思を介在させる術を失いつつ、ヘンリーの目の前で、幸は快楽に溺れきったかの
ように、扇情的な様を晒し続けていた。
この華奢な身体つきの青年――幸の事をもっと、貪るように愛してやる事も、出来なくは
ない。だが、今、この場では、それは、ヘンリー自身には何の利益も齎さない事を、彼は
よく理解していた。
やがて、ヘンリーが、軽く触れるような愛撫を胸元へと施すだけで、幸は小さく身体を震
わせながら、より敏感に反応を返してくるようになった。
相手の灼付くような熱を帯びた昂りを受け入れたままの状態で、幸は先程と同ように腰を
緩やかかつ、僅かに揺らし始める。
その様子を目に留めると、ヘンリーは、幸の胸元から、下肢の昂りの方へと、彼の華奢な
身体に再び軽く触れながら、自らの手許を移していった。
「っあ! は、あ……」
ヘンリーの掌が昂りの先端へと到達し、そのまま愛撫を加え始めると同時に、幸の全身へ
と再び、鋭い快楽が突き抜けるように廻っていく。それを感じ取りながら、幸は自らが意
識する事なく、小刻みに身体を震わせ続けた。
続けて、ヘンリーは、幸が自らの意思で、進んで腰を動かす事を促すかのように、快楽を
欲し続け、熱を帯びたままの相手の昂りへの愛撫を急に緩慢なものへと変える。
「あ……あ、あっ、ぁ……」
その所作を受けて、幸はヘンリーの思惑どおりに、その場で、熱を帯びた吐息を零しなが
ら、更なる熱と快楽を求め、自らの意思で、弧を描くように腰を動かし始めた。
今の幸には、どんなにその場で自らの動きを制しようと思っても、もうそれが出来なかっ
た。ただ、ひたすら、自身の身体が焦がれるように求めている、熱と欲望を得る為に、即
物的な本能が促すままに、目の前の青年を誘うように腰を揺らす。
自らの本能と欲望のままに、絶頂へと達する為の快楽と刺激を求め続ける。まるで、今は
もう、それ以外の事は何も考えられないのだ、とでもいうかのように、幸は緩急を付けな
がら、自らの意思で、求めるものを得る為に腰を振った。
「幸……いい子だね……」
「あ! あ、あ……」
幸が自ら行った所作に対して、ヘンリーが囁くように言った言葉に、幸は自らの意識をか
き乱されながら、熱い吐息を零し、ただ、ひたすらに喘いだ。
これは以前、義父との行為の最中に、最も良く贈られた言葉だ。
要らない――そんな言葉、いらない、から……。
自らの腰を振りながら、幸は、自らの黒い瞳の目元を潤ませ、涙を零して泣いていた。
それは、決して、快楽に咽ぶ生理的な涙だけではない。
幸には、今、自分自身が置かれている、この状況が、まるで以前、行為の度に、都度、重
ねるようにして、そんな事を思っていた、少年だった頃の自分と重なる気がしたのだ。
あの頃、これを、そう、こうした行為を行うのは、幸の本心からでは無かった筈なのに。
でも、今は違う。今の幸には、目の前の青年――ヘンリーから施されたいと、強く願って
いる行為があった。本当に心の底から、渇望する程にそれが施される事を望んでいるのに。
多分、目の前の青年――ヘンリーは、もう、とっくに、それを解っている筈なのに。
気付いている筈なのに。それでも、自分には、幸には、それを施してくれていないのだ。
欲しい、欲しい、欲しい、欲しい――。そう思えば、思うほどに、幸の感情は激しい熱を
帯びて、急激に昂ぶっていく。
「っ、あ……うっ……あぁ!!」
幸は、自らの両手で手許のシーツを掴んだまま、悲鳴を上げた。
今、この場で、どうして良いかなど、全く解らなかった。幸は、言葉にならない声をあげ
ながら、ただ、ひたすら、それが与えられる事を望み、自らの腰を揺らした。
それでも、ヘンリーの方は、自ら動く事は殆ど無い。
ヘンリーの方は、自らの片手をベッドへと付き、自身の身体を支えつつ、空いた方の掌で
幸の昂りを優しく包み込むようにして、ただ、軽く触れる程度の僅かな施しをするのみだ。
「……っ、ふ……」
「幸、もういいよ、君が何を欲しているのか、僕はちゃんとわかっている」
幸の身体が幾度となく小さく震え、彼自身が自ら引き寄せた僅かな快楽の波と絶頂を浚う
間合いを謀っていたかのように、ヘンリーは再び、幸の耳元で小さく囁いた。
それと同時に、ヘンリーは、漸く、彼、自らの意思で、緩やかに腰を動かし、幸が一番、
心地良いと感じるであろう、内壁のその場所を軽く刺激してやる。
「……ぅ、あ、ああっ!?」
「ちゃんと言って?」
相手が思ったとおりの反応を返してきている事を確認しながら、ヘンリーは、幸が自ら請
い願い、その欲求を伝え、それを言葉にする事を促す為に、再び彼の耳許で声をかけた。
「……っあ、……欲しい。……欲しい。貴方の、貴方からのキスが欲しい」
目の前の青年が、呼吸を荒くし、涙を振りこぼしながら、途切れ途切れに言った言葉を受
けて、ヘンリーは、改めて、自らの顔を幸の面差しへと寄せた。
それから、自らの舌で、幸の頬に流れる涙を拭い取ってやってから、幸の薄い唇へと口付
ける。
「ん……は、あ、あ……」
互いに深く口付けを交し合った唇の間から、濡れた吐息が零れる。
自らの舌を絡め取られるように激しく口付けられた幸は、瞳を閉じたまま、目元から一筋
の涙を零す。
そうした行為に共に耽りながらも、ヘンリーは交した口付けに、幸が強い快楽を感じ取り、
相対する自分の背中の方へと縋るように両腕を伸ばしてきた様を冷静に汲み取っていた。
その上で、ヘンリーは、幸が自らの背中に軽く両手を置いた瞬間を見計らい、ずっと緩慢
な所作を施し続けていた相手の昂りに、速度を付けて、強い快感を伴う刺激を施してやる。
「……は、あ、っあ、あぁっ!! いや……嫌だぁ!!」
急速な刺激を与えられた幸は、自らの首を横に振って、ヘンリーと交わしていた口付けを
解いた。直後に彼は相手の背中へと置いたままにしていた両手を小さく、硬直させる。
程なく、幸は自らの性器で達し、熱を帯びた状態のまま、その場で白濁液を放っていた。
ヘンリーは、今度は敢えて、自らの掌で幸の精液を受け止める事をしなかった。
その所為で、幸の腹の上に、生暖かい白濁液が飛び散り、流れ、零れ落ちていく。
同時にそれは、上に覆いかぶさるヘンリー自身の腹にも若干の飛沫を飛ばしていた。
そうした相手の行動をあらかじめ予測していたようで、ヘンリーは、幸が自ら口付けを外
した際も、相手からの飛沫を自らの身体に受けた際にも、全く動じた様子は無かった。
『それでも、僕は貴方に惹かれている』
昨日の夜は、彼自身の黄金の双眸の視線をしっかりと此方に合わせて、確かに幸自身に向
けて、そう言ってくれたのに。
それなのに、今は、幸自身の事を焦らし、弄ぶかのような行為だけしか、施してくれなく
なってしまったように思ったから。
まるで――今の幸自身には、彼――ヘンリー自らが、口付ける程の価値など全くないのだ
と、そうした事を、この行為の合間に、都度、意思表示されているような気がしたから。
だから彼――ヘンリーからの口付けが欲しかった。昨晩と同じように、彼が幸自身を愛し
てくれているのだという、確証が、証が欲しかった。それなのに。
「……う、あ……、こんな、の……いや、なのに……」
幸は、溢れるように涙を流し、喘ぎ声を混じりになりながらも、それでも、小さな声で、
途切れ途切れに、呟き、泣いていた。
やっと、ヘンリーが施してくれた口付けなのに。
激しく熱を帯びる自らの感情のままに、狂おしい程に望んていた、口付けなのに。
今度は、彼から更に、もっと強い刺激を与えられて、自らそれを外し、逃してしまった。
もっと。もっと、もっと、深く口付けて、ずっと深く。激しく。愛して、愛し尽くして。
幸自身の事を――ヘンリー自らが施す行為で塗りつぶして、奪い尽くして欲しかったのに。
「幸……好きだ。愛しているよ」
目の前の華奢な青年の激しさを増していく、気持ちの有様を見て取ったかのように、ヘン
リーは、自らの許で涙を零し、小さく震える幸へと声をかけた。続けてヘンリーは、幸の
唇へと一度、軽く口付けを贈る。
その後にヘンリーは、相手の灼けるような熱を帯びた昂りを受け入れたままの幸の身体を
激しく揺さぶり突き動かすように動作を加えていく。
「ああぁっ! はあっ、は、あっ、ぁあぁ!!」
途端に幸の唇からは、先程よりも一層、艶めいた嬌声が零れ、ヘンリーの背中へと廻され
ていた、細い両腕に強く力を籠める。
ヘンリーはその反応を心得えていたかのように、幸が心地良く感じるその場所を幾度とな
く的確に突き上げた。
「ね、僕の名を呼んで。好きだよ」
「っ、あぁあ!!」
再度、強めに突き上げてくる、ヘンリーの所作を受けて、幸の熱を帯びた内側の肉壁は強
く締まり始める。
ヘンリーは、幸が言葉にならない程に感じている様を確認し、自らの目に留めていた。
幸のその様を見て、ヘンリーは、未だに余裕ありげに、自らの身体の下に組み敷く、か細
い体躯の青年に向かって微笑みながら、その動作少しだけ緩めてやる。
「っあ、ヘンリー! ヘンリー!! ……好、き……貴方が、好き、好き……」
「うん、僕も」
幸は相手のその所作に合わせて、目の前の青年へと自らがその時、抱いていた感情のまま
に、灼付くような強い熱に浮かされながら、上擦った声で彼の名を呼び、想いを告げた。
それに応じて、ヘンリーは、幸を激しく突き上げ、追い詰めようとしていた、その動作を
ほんの少しだけ緩めて微笑み、短く返事を返した。
ヘンリーの返答を耳にした幸は、無意識のうちに自らの腰を揺らす。
それは、幸自身がヘンリーの熱を帯びた昂りと、灼け付くような、あの迸りを自らの内側
に受け入れたいと、それを強く求めているのだと、その事を相手に強く実感させるものだ。
幸の熱を帯びた後孔の肉壁が齎す締め付けと脈動は、まるで、彼自身が自ら求めている激
しい感情を全て乗せているかのように、熱く、激しさを増してく。
自分自身が挿し入れている昂りに幸の肉壁が与えて来る締め付けと心地良い脈動を感じな
がら、ヘンリーは、其処から齎される熱と快楽を充分に味わっていた。
「……っ、幸、出すよ」
程なく、自らが達する事を覚ったヘンリーは、短く言葉を掛けると同時に、幸の内側へと
自らの精を思い切り放った。
「う、く、あ、ぁあっ、ふ、あぁあぁ!! ああっ!!」
直後に、幸は相手の熱い迸りを受け止め、自らの身体を硬直させながら、自らも射精し、
一際、高い声で喘いだ。
幸には自らの声を抑える事も、この快楽を全身で感じ取る、自らの事を律する事も、もう、
完全に出来なくなっていた。
「っあ、う、く、あっ、は……」
相手の昂りを受け入れたまま、それも自分自身の性器には一度も触れられぬままに、射精
し、果てた幸はその場で息を切らしながら、自らの身体を震わせていた。
灼け付くような余韻が自らの内側を抜けていくのを待っていた幸に対し、ヘンリーの方は、
熱を帯びた、自身のそれの硬さと形を未だに保ったままだ。
相手の熱く潤む狭い肉壁の中に、自分自身のそれを挿し入れたままにしておきながら、ヘ
ンリーは幸へと笑顔で声をかける。
「これで終わりだと思った?
まだだ、まだ、これからだよ。君が本当に満たされるまで、何度でも抱いてあげる」
幸の返答を待つ事なく、ヘンリーは未だに荒い吐息を零し続け、熱を帯びたままの幸の身
体を抱き起こし、彼の身体を再び突き上げ始めた。
ヘンリーは、その後も、幸が幾度か意識を失う過程を経て、自分自身が満足するまで、幾
度となく、華奢な青年の身体を抱き続けた。
後に幸は、ヘンリーが去ったこの部屋に唯一人で残され、自らのスマートフォンの振動音
で再び目を覚ます事になった。
【 続く 】
お読みいただきありがとうございました!
ということで、ヘンリーと幸さんの方は、ただひたすら、ヤッてんよ……!!という感じになりました……
幸さん、本当にごめんなさい!でもあまり反省はしていないw
これに懲りずに、またお付き合いいただけると幸いです
今後ともどうぞよろしくお願いいたします
最終更新:2014年03月08日 23:18