恋愛候補生L(れんあいこうほせい・える)は岩手オリオンテレビジョンで1999年10月から2006年3月まで断続的にシリーズ化されていたアニメーション作品。

作品概要

1998年にOVAとして発売された「恋愛候補生」の続編。当初は岩手オリオンテレビ(及び当時のテレビ東北=現在のテレビ仙台テレビ信越)とテレビ東京の共同制作の予定だったが、99年1月の「Missing」のテレビ東京放映見送りが原因で放映予定がずれ込んだ。
以来相次ぐ声優交代やネット局変更などを乗り越え、6年半にわたりシリーズ化された。

第1期 1999年10月~2000年3月
第2期 2000年10月~2001年3月
第3期 2002年10月~2003年3月
第4期 2004年7月~2004年9月
完結編 2005年4月~2006年3月(なお休止期間が05年7~9月にあったほか、イーグルスナイター・ベガルタサッカーの影響によるカットもあった)

ストーリー

(OPナレーション・第1期)
西暦2148年、人類は地球を離れ宇宙で生活するようになっていた。そしてその宇宙は二つに割れていた・・・
そして、その間隙を縫うようにもうひとつの宇宙が胎動をはじめていた。
この物語はUFA士官学校候補生と宇宙旅行家ユリナの恋と戦いの物語である。

第1期

ワンズホーム軍とNUN軍の戦闘は修復不能にまでなった。そんな折、ダイモスのスターライトセンターからスターライツシチーへ向かっていた秋葉ユリナが謎の戦闘機の襲撃を受けた。それを救ったのがジュンこと新山潤一である。
ジュンの戦闘機はワンズホームの輸送艦転用訓練船「さざなみ」に助けを求めることにした。そしてそこでユリナと岸波めぐみが出会うことになる。この出会いをきっかけに新たな戦いがはじまるのだった。

第2期

カスミの渾身の攻撃で戦闘は一時収束したかに見えた。しかし田原たちは死んでいなかった。再びこの宇宙を手に入れるために。

第3期

西暦2149年、NUN軍はプロフェッサー・田原を仲間にし、ついにワンズホーム崩壊を画策する。しかしそのためには越えなければならない壁があった。それは死んだと思われていたユリナとユリナの元にいるめぐみたちだった。

第4期

プロフェッサー田原の地球破壊計画は阻止された。しかしさらなる強敵が宇宙を、そして地球を脅かしていた・・・

完結編

ワンズホームにとって明らかに不利な停戦協定、それを調印させたのは秋葉孝蔵であると武豊秀吉総裁が全宇宙に発表する。そしてユリナとめぐちたちは追い詰められ・・・果たして最後の戦いの黒幕は誰か?
しかし失政を咎められたリョーフ・ブラックストンを筆頭とする反宇宙同盟がめぐみにテロ攻撃を仕掛け、配下のシオンが死亡。その後リョーフは秀吉の政務代行と名乗り、総裁政府の改革に着手。さらに恐怖の地球破壊計画を打ち立てていた。それを知ったユリナが、聡が、そして雄矢が次々と狙われ…

キャスト

めぐみ・・・川澄綾子
雄矢・・・岡野浩介
ユリナ・・・小西寛子(第1期,第2期)→折笠富美子(第3期,第4期) →佐藤利奈(完結編)

カスミ(第2期まで)・・・桑島法子
めい・・・飯塚雅弓
夏美・・・木村亜希子
理奈・・・中川亜紀子
レイカ・・・岩男潤子
ジュン・・・江原淳史(~第4期)→河内貴久(完結編)
茜・・・堀江由衣
ミツアキ・・・塩沢兼人(第1期)→森川智之(~第4期)→品田晶一郎(完結編)
豊栄 聡・・・うえだゆうじ(第3期まで上田祐司)
高澤 淳・・・結城比呂
新津枝理華・・・南 央美
池上才子・・・園崎未恵(第3期までそのざきみえ)
田所竜二・・・神奈延年(第2期まで林延年)
秋葉孝蔵・・・清水章吾
ジミー・・・井上和彦
醍醐郎/ティコ・・・浪川大輔
田原一騎(~第3期)・・・草尾 毅
シャカール・・・水野たかし
マックス(第3期から)・・・内野優希
岩隈啓太(第3期から)・・・高橋直純→斉藤 晃(完結編)
ラン・フランキー(第4期から)・・・塩澤謙人
武豊秀吉・・・村下秀郎
麻倉集保・・・大平 透
なお、シリーズのナレーターは第1期が塩沢、第2期が結城、第3期、第4期が村下、完結編が品田が担当した。

スタッフ

企画・・・水沼康弘(第3期・第4期),増田道明(完結編)
プロデューサー・・・水沼康弘(第1期・第2期),日下達夫(第2期~完結編),伊藤真一(第3期・第4期),竹内修二(完結編)
製作補・・・西村博則(第2期~第4期),樺山一身(完結編)
設定プログラマー・・・朽木芳樹(第1期),中田智哉(第3期~完結編) ,多田 憲(完結編ダイアローグ担当)
脚本・・・中川則行,竹鼻浩孝,樋口晋作,工藤 治,石橋雅俊,須田英弥,遠田裕明,藤瀬 学,小西寛子(完結編最終話)
音楽・・・山本はるきち,川越美央
監督補佐・・・中西公隆(第2期),草木一三(第3期),山内哲司(第4期・完結編)
シリーズディレクター・・・原竹洋介(第3期),中西公隆(第4期・完結編)
アニメーション制作…アローワンスカンパニー/スタジオプリメーロ
製作・・・テレビ東北(~第2期)岩手オリオンテレビジョン(第3期~完結編)/NAS(第1期~完結編)/SOFTX(~第2期)/ブレイズコミュニケーション(第3期~)

補足

完結編最終話の脚本を担当した藤瀬と小西はのちに「群青の空を越えて」「腐蝕の構造」のIOTドラマ版シナリオを手掛けた。両作とも本作最終話で非業の死を遂げた啓太のCVだった斉藤晃が大物相手に最後銃を向けるラストになっていた。なお斉藤が演じたキャラはいずれも原作に出ないオリジナルキャラクター。啓太は死に際に『地球を殺したのはあなただ!』と言って、モノローグとして最後に『貴様ら、復讐してやる』という言葉を残し絶命したが、斉藤のファンなどからは岩隈啓太の亡霊が出た、あるいは原俊彦に岩隈啓太の怨念が乗り移ったという一種の役名錯乱病が指摘されるまでになった。
その最終回のシナリオは当初中川と藤瀬、それに多田憲が担当する予定だったが、中川の描いたシナリオが『最後は「イデオン」と「バルディオス」の最終回の10乗』という内容だったことに藤瀬が反発。小西に相談を持ち掛け「もし中川さんのシナリオをそのまま放送したら川澄さんたちに中川脚本の作品にはもう出ないと言えばいい」と言って対案を中川に提示した。中川はそれを見て死亡するキャラを大幅に減らすなどの妥協点を話し合い、結果的には藤瀬、小西にシナリオの全権委任と言う形で自身はシナリオ執筆から降りた。後に小西は「中川さんのシナリオを改めて読むと、もしこれが実現した場合いろんな意味で終わってしまいましたね」と語っている。

関連項目

最終更新:2016年08月03日 11:13