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霊夢1

最終更新:

orz1414

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■霊夢1


霊夢へ
「博麗流陰陽術を、俺に継がせてくれ!!」

1スレ目 >>7

───────────────────────────────────────────────────────────

そうだ霊夢。
僕の体は完璧だけど一つだけ出来過ぎている部分がある。
それを君の足りない部分に合わせようじゃないか。  

1スレ目 >>76

───────────────────────────────────────────────────────────

     セミの声がだいぶ少なくなった夏の終わり。
     僕は博麗神社の境内に足を運んでいた。
     今年の夏は本当に忙しかった。
     紅魔館経営の海の家でチャーハンや焼きそばを美鈴さんと作るかたわらで、海水浴の監視員も兼業していた。
     体が二つあっても足りないくらいのてんやわんや。
     となりの角の生えた女の子は酒ばっかり飲んでいてちっとも仕事をしない視姦員と化していて、おぼれたり流されたりした人を助けるのは全部僕の役目だった。
     夜雀の子を助けたこともあったし、迷子の式の主を一緒に探してあげたこともあった。
     本当に忙しかった。でも、ばっちり働いたかいはあった。
     ポケットをなでると、ぎっしりと詰まった財布の感触。
     レミリアお嬢様の機嫌もよくて、咲夜さんからボーナスまでもらったからだ。予想以上の報酬に心なしか足取りも軽くなる。
     風鈴の鳴る鳥居をくぐると、懐かしい紅白が目に飛び込んできた。
     「あら、帰ってきてたの」
     竹箒片手に出迎えてくれたのは、この神社の巫女、博麗霊夢だった。
     「ついさっきね。霊夢は? この夏はどうしてた?」
     「私はずっとここにいたわ。巫女が神社を留守にしていられないもの。よほどの異変がない限りはね」
     「そうなんだ。海はきれいだったよ。人もすごく多かったし」
     「そうかもね。あなた、日に焼けて真っ黒よ。見違えるくらい」
     何がおかしいのか、霊夢はくすくす笑いながら竹箒を使って境内を掃いていく。ゆっくりゆっくり、丁寧に丁寧に。
     僕の前を通って、神社の向こうへと歩きながら掃いていく。
     夏の終わりという季節がそうさせたのか、そんな彼女を見て一抹の寂しさを感じた。
     「つまらなくない? ずっと神社にいて」
     春夏秋冬変わらずにずっと博麗の巫女であり続ける霊夢。何をするわけでもなく、ただ変わらずにそこにあり続ける少女。僕のように幻想郷の外から来た人間からすれば、気の遠くなりそうな生き方だ。
     「別に。そういうこと、あまり考えたこともないし」
     霊夢は竹箒を動かす手を休めることなく、そう答える。声からは、霊夢が何を考えているのか分からない。達観しているのか、どうでもいいのか。
     「夏だけでも休みを取ったら。魔理沙やアリスと一緒にどこかに出かけてもいいのに」
     「魔理沙は魔法の研究。アリスは人形作り。二人ともやることがいっぱいよ。そういうの、あまり誘うものじゃないわ」
     そんなものだろうか。
     ふと、霊夢がこちらを見た。
     「それにね。秋になればお月見よ。また宴会で忙しくなるわ。主に片付けでね」
     ああ、そうだ。この神社ほど、月が綺麗に見える場所はないものだ。
     「そのときはまた手伝うよ。洗い物なら、実家が食堂だったから慣れてるし」
     「はぁ、ほんと、あなたみたいな心がけの人が少しくらい妖怪の中にもいればいいのに。みんな騒いだら騒ぎっぱなし。散らかしたら散らかしっぱなしだもの」
     「仕方ないさ。妖怪ってのは戯れるものだからね」
     「ええ、だから私たち人間が苦労するのよ」
     「まったくだね」
     そんな他愛もない会話に興じているうちに、やがてミンミンゼミは鳴くのをやめ、ひぐらしのなく頃になっていた。
     「それで、今日はどういう用事だったの?」
     竹箒を片付け、神社の脇にある手水鉢で手を洗いながら霊夢が尋ねる。
     「ん~? 参拝、かな」
     わざと、気のない返事をしてみせる。案の定、
     「そう、なら、素敵な――――」
     「お賽銭箱はここよってことだろ。分かってるって」
     僕は余裕たっぷりにポケットから財布を取り出し左右に振ってみせる。
     心地よい重みが手に伝わってくる。
     「今年はがんばって働いたかいがあってね。かなり懐が潤っているんだ」
     財布のお札を入れるとこに手を入れると、霊夢がぐぐっと身を乗り出してきた。
     なんだ、まさかそんなに困窮していたのかな?
     「だからね、今回は大盤振る舞いってやつさ。ほら」
     中から取り出したのは一万円札。これを賽銭箱に入れるような奇特な人はめったにおるまい。
     驚け巫女よ! 僕の信心に驚くのだ。
     「えっ…………!」
     とたん、霊夢の顔色が変わった。あれ、思っていたのと違う驚き方だ。
     「そ、そんなにたくさん…………なの?」
     「そうだけど。あっ、賽銭の上限って決まっていたっけ?」
     「そんなことないけど……」
     おかしいな。当初の予定だと、それだけあれば一ヶ月は食べていけるわよ、という喜びで満ちた驚きで迎えられるはずだった。
     でも、目の前の霊夢の反応は違う。
     なんだろう。困っているような、どぎまぎしているような、よく分からない。
     「とにかく。はい、奉納」
     「あっ…………」
     僕が指を離すと、一万円札はひらひらと賽銭箱の隙間に吸い込まれていった。
     一部始終を食い入るように見つめている霊夢。
     顔はなぜか、お酒を飲んだときのように赤くなっていた。
     それなぜなのか、今の僕には分からなかった。
     「おーい霊夢。スイカが手に入ったからおすそわけー」
     次の日の夜。僕はもう一度博麗神社を訪れていた。
     今回は参拝じゃなくておすそわけだ。神社の裏手に回って玄関で霊夢を呼ぶ。
     「こんばんはー。おすそわけだぞー」
     返事はない。出かけてしまったんだろうか。
     「おーい。いるかー」
     「…………いるわよ」
     何回目かでようやく返事があった。消え入るように小さな声でかすかに。
     「スイカだよスイカ。妖夢がくれたんだ~」
     「……あがって…………」
     また、かすかに聞こえる霊夢の声。どうしたんだろう。出てこられないのかな。
     風邪を引いたとか。
     「じゃ、失礼して」
     言われたとおりに靴を脱いで家の中へ。台所とかをのぞいたけれども、霊夢の姿はない。
     「霊夢―、どこにいるんだよー」
     「…………こっち」
     声のするほうにとりあえず進んでみる。縁側を通って和室の前で足を止めた。
     どうやら、ここにいるらしい。ああ、こりゃ本当に風邪を引いたんだな。
     大丈夫だろうか。
     「ほら霊夢、夏の終わりでもまだスイカが…………」
     何気なくあけたふすまの先に見えた光景。
     その意外さに、一瞬僕の体は凍った。持っていたスイカを床に落としそうになる。
     和室の中央に敷かれたのは、誰も横になっていない布団。
     なぜに、枕が二つ並んでいるんでしょうね?
     そして、なぜに枕元にティッシュの箱があるんでしょうね?
     掛け軸に書かれた「御無体」って何?
     そして何よりも…………
     「遅かったじゃ……ないのよ」
     布団のすぐ横に、寝巻き姿で正座しているのは、
     「霊夢……これは、いったい何事…………?」
     どこから見ても、正真正銘博麗の巫女である博麗霊夢だった。
     なぜ? どうして?
     そんな疑問が、顔を真っ赤にしてもじもじしている霊夢を前にして浮かんでは消えていく。
     「おさいせん…………」
     「は?」
     「だから、あなたが納めたお賽銭…………」
     「ああ、一万円。それが何?」
     「だから、神社の変な決まりなの。その……一万円だと…………これ」
     もじもじしたまま、視線だけを横に向ける霊夢。
     そこにあるのは、紛れもない二人用に敷かれた布団。
     これ……といわれても思いつくのは一つしかないけれど、まさか添い寝ってことじゃなくてこれはそのまさかで…………
     「ええと…………ふ、ふつつかだけれども、よ、よろしく…………お願い」
     その、恥ずかしげに発せられた言葉。
     普段一度も見たこととのない霊夢の照れた寝巻き姿。
     吸い寄せられるようにして、僕は部屋の中へと一歩を踏み出していた。

1スレ目 >>107-110


───────────────────────────────────────────────────────────

ある日の晩、○○は神社の縁側に腰掛け、星を見上げては呆けていた。
霊夢は入浴中、彼女の長風呂は幻想郷でも有名なほどの長さだ。入浴待ちってのもあるが、
この退屈な時間を活用してそろそろやっておかなければならないことがある。

そして子の刻になる頃、西から東からアリス、魔理沙、パチュリーの3人がやって来た。
○「やあ、本当に時間通りに来てくれたね」
ア「何?今日はあなたが宴会の幹事になるのかしら?」
パ「そういえば霊夢は?」
○「霊夢は入浴中。宴会も悪くないが今日はもっと大事な用件だからパスだ。
  実は…その、これから付き合いたい人を決めようと思ってね」
それを聞き3人の目の色が変わる。
○「たった今から椅子取りゲームの要領で僕の膝の上を占領できた子と付き合おうと思う」
パ「思ったより簡単なのね」
○「あぁ手っ取り早くて分かりやすいだろ。さぁもう勝負は始まってる、かかってこい」
○○がひときわ強く声を上げると合図されたかのように彼の元に突っ込んでいく3人。
○「おー、こりゃ魔理沙が一番早いか…っておい待てちょっとそれ軌道がおかしくnプギャ!」

魔「…あのなぁ、なんだよこの決め方。私は何となくむかついたぜ」
○「ムギュ・・・」
魔理沙のヒップアタックをもろに受け仰向けに倒れた○○の顔の上を一人占領し毒づく魔理沙。

魔「…あとお前らももうちょっと怒れよこいつに」
顔を上げると膝の上でおしくらまんじゅうしてるアリパチェ。

霊「あー、襖壊したわね!○○さん後で体で弁償ね」
○「ムグ…モゴコラどけ魔理沙…あぁ霊夢、実はお前が好きだ付き合ってくれないk」
魔「但し魔砲は尻から出るスパーク!!!」

1スレ目 >>387

───────────────────────────────────────────────────────────

527 名前: 名前が無い程度の能力  投稿日: 2005/10/12(水) 17:40:29 [ ulkobMvM ]
    霊夢に殴られたい

528 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/12(水) 18:27:59 [ Njbym132 ]

  /\/ i
 「` ´:::::::::ヽ
  i :::ノ_,ル,_:::〉
  !:::l:!‘д‘ノリ  パーン
   ⊂彡☆))Д´)←>>527


529 名前: 名前が無い程度の能力  投稿日: 2005/10/13(木) 01:46:51 [ 4avbXSBY ]
    >>527
    いいなぁ…

1スレ目 >>527-529

───────────────────────────────────────────────────────────

目を覚ますと、倉庫のような場所に居た。
古びれた旧時代の倉庫のようだ。そこは薄暗く、辺りには
この倉庫の持ち主の、私物らしきものが置かれている。
風鈴や、団扇、過ぎし夏を思い出させるものばかりだ。

「…ここ、何処だ?」
まず最初に思った事はそれだった。
別に、この倉庫は俺が知っている場所のはずはない。
あの場所から俺は逃げていた。
逃げて逃げ続けて、どこかを通った覚えがある。
まぁ、そんな瑣末な事はどうでもいいだろう…。
とにかく、俺は逃げたのだ。
「出るか…」
いつまでもこんな倉庫に居てもしょうがない。
閉めきった倉庫は埃だらけで、息をするのも億劫だった。

「…っ」
思い切って戸を開けた。
開けた途端、さんさんと出ている日光を身体に浴びる。
天気は晴れ、山や森、川が見える。
「さて、どう言う事なんだろうな」
今あることは疑問しかないが、何となく、すぐに解決できるような予感がした。

周囲を見渡しても、何かあるわけではない。
いや…何も無いからこそ、おかしかった。
俺が今まで居た場所はビルがあり、車があり、無意味に多い人々が辺りを歩き回っている。
そんな場所だったはずだ。
ところが、ここはどうだろう?
まるでどこかの片田舎のように、山に囲まれて、川があり、見たことのない自然が
繁栄している。
「…何だ、あれは?」
もう、驚きたくもなかった。
遠くを、見たことのない生物が飛んでいた。
生物というよりは、妖怪といった感じだが。
再び周囲を見回してみると、赤い鳥居に目が行った。
…どうやらここは、一応神社らしい。


「はぁ…」
神社の境内に回ってみると、縁側でお茶を飲む巫女が居た。
その巫女装束は、普通の神社とはまた違うものだった。
「すいません」
「はい?」
思い切って訪ねることにした。
ここが何処なのか、何故俺はここに居るのか。
他にも色々。
まぁ一人の巫女にわかるようなら苦労はないんだけど…。
「ここは、どこですか?」
「あぁ、あなた迷い人ね? ここは幻想郷の博麗神社」
いきなり訳の分からない単語を言われた。幻想郷?博麗神社?
「あんたは…?」
「私は博麗神社の巫女、博麗霊夢」
霊夢、その言葉に奇妙な感じを覚える。
「まぁ、迷い人なら、ここから外に出せばいいのよね。結界の修復は面倒だけど
仕方ないか」
呆れ気味に言う巫女――霊夢は俺の手を取ろうとしたが、俺は無意識の内に
手を引っ込めていた。
「…どうしたの?」
「あ、いや…」
そうだ。
俺は逃げていたんだ。
だから、誰の目の当たらなそうな場所に居るしかない。
ここは、そういう意味でも絶好の逃げ場所だろう。



「…とまぁ、そういう訳なんだけど、分かった?」
俺は一通りこの幻想郷についての説明を受けていた。
ここは隔離した世界とでも言うらしい。
妖怪が居る世界という説明で何となく納得できた。
「一つ質問があるんだけど」
「なに?」
「俺がここから出て行ったら、もうここには来れないのか?」
「結界の修復をするしねぇ、無理とは言わないけど、難しくなると思うわ」
…嫌だな。
せっかく、見つけたんだ。あんな世界には戻りたくない。
虚構に彩られた世界。
何が正しくて、何が正しくないのか、そんな曖昧な世界には…戻りたくない。
それに…彼女――霊夢の事も妙に気になっていた。
何故気になるのかも分からない。しかし、気になるのだ。

「あー、倉庫でよければ貸すけど?」
「あぁ、借りるよ」
ここに知り合いなんて居るはずもない。
塒があるだけでもありがたい。
今の俺には、ここを調べるという事だけが、一番重要なことだった。
人間の手が入っていない、素晴らしくも物足りない世界。
方向感覚にだけは自信があるので、夜まで俺は歩き続ける事にした。



霊夢は変な奴だ。
…変な奴とまで言うと語弊があるが、ともかく俺のであった人間の中では
比較的変わった奴の部類に入る。
だが、どことなく懐かしい気がするのも事実だ。
もしかしたら、何処かで会ったのかもしれない。

「それはないな…」
霊夢はこの幻想郷に居るのだ。
彼女が向こうに行ったなんてことはありえない。
「あら、それはどうかしら?」
夕闇に染まり始めた時、その声は響いた。
目の前に現れたのは、一人の女性。
傘を手に持つ姿は、一見して見惚れるくらい美しかった。
だがその女性が放っている奇妙な空気、とでも呼ぶべきか
それだけは人間にあるまじき気配だった。
「もしかしたら会った事があるのかもしれないし、ないのかもしれない」
「いつの間に…それよりも…どういうことだ!?」
「まぁそんな事はどうでもいいわ。あなたは気付いていない」
俺が…一体何に気付いていないと言うんだ?
女性は軽く頭を振ると、俺に向かって微笑する。
「輪廻する想いは別れ、巡り、そして再び出会うの…霊夢とあなたもそんな
切れることのない縁で結ばれている」
「あんたは…一体何なんだ?」
問いに対して、女性は何も答えない。
漆黒に彩られた夜が降りて、森に住まう妖怪達がざわめき立つ。
「…いない?」
ほんの少し目を逸らした隙に、女性は居なくなっていた。
彼女は…一体何者なんだろう?


「あぁ、それ紫よ」
「…紫?」
霊夢の話によると、強力な妖怪らしい。
普段からあんな風に掴み所がなく、言う事が大体、胡散臭いらしい。
「真に受けちゃダメよ」
「…あぁ」
もっとも、あまり意味が分からなかったけど…


その日、倉庫で見た夢は暗い夢だった。
一人の男が居る、女性が居る。
感覚的に何故かはっきりと分かる。
あの男は…恐らく『俺』で女性の方はきっと『霊夢』なんだと。
『もうすぐ、お別れね』
『そうなるな。…お前は一緒に来ないのか?』
『私には…幻想郷に居るっていう義務があるから』
そんな義務…捨ててしまえ。
男は人間の住まう世界に帰らなければならなかった。
最愛の博麗の巫女を置いて。
『だが、再び会える日がくる』
『それは何時かしらね?』
『例え、俺が死んだとしても、お前とは…必ず会える…再び…会える事を
――俺は願う』

ブツン

まるで、出来の悪い映像が切れたような音が鳴った。
起きてみると、寝汗しかかいていない。
今のは、きっと前世の記憶とかいう感じの夢だろう。
まだ日も出ているわけではない。
頭が痛い。
魂から沸き起こるような奇妙な想い。
前世の俺が叶えることができなかった博麗の巫女への想い。
「…しょうがないな。伝えてやるよ」
まだ寝かけている頭を無理に覚醒させながら、俺は起き上がり
現在の博麗の巫女の元へ向かった。


「…起きているか?博麗の巫女」
境内の方にに向かってみると月下に佇む一人の巫女が居た。
その雰囲気は日の出ていた時の霊夢とは、また違った雰囲気をもっていた。
『待っていたわ』
はっきりと夜に響く声で彼女は言った。
「…伝えなければならないことがある」
俺の言葉じゃない。
『あの男』の言葉だ。何が起きても、もう不思議とは思えない。
今はただ、『この男』に『俺』という器を貸してやるということだけだ。

『私も伝えなければならないことがある』
「それは互いに奇遇だな」

本当はわかっているのだろう。
不敵な笑みが自然とこぼれる。

『会って言わなければならなかった』
「…俺もだ。だが、生きて会うことは出来なかった」

だから、輪廻なんていうものに頼ってしまった。
会える保障なんてないはずなのに、それに頼る。
それだけの想いが…あったのだろう。
博麗の巫女はくすくすと笑いながら、呟く。

『会えて、良かった』
「また…共に――」
自然と抱き合うような形になっていた。
彼女の想いと、温もりが俺の方にも感覚的に伝わってくる。
すぅっ、と体が一瞬だけ、軽くなった。


「…で、離れないの?」
「気付いてたなら、言えば良いだろ」
『男』と『博麗の巫女』の想いが離れて行っても、俺達は
抱き合ったままだった。
もしかしたら、こういうのが自然だったのかもしれない。
「…薄々とは気付いてたの。色々とね」
「俺は、夢に見て気付いた」
「輪廻してからの、この想いも…未だあなたに向けられているのね」
「それは、俺が想われているって事か?」
霊夢は顔を赤くしながら、黙ってそっぽを向く。
月光に照らされた顔は、夢に見たものとも、先ほどの彼女の顔とも
違っていた。

「…仲良いじゃない」
「「うわっ!?」」
急にかけられた声に俺達は一瞬で離れた。
妖怪さん――八雲紫が何処からともなく現れたのだ。
「あんた、一体どこから来るのよ!」
「そこの異次元から」
霊夢の言葉にあっけらかんと答える紫さん。
「まぁ、一部始終は見させてもらったわ」
「…紫、もしかしてあんた知ってたの?」
「知らなかったら、そこの子に教えないわよ」
そう言って俺を指差す。
どうやら、最初からお見通しだったというわけらしい。
俺が輪廻した者だという事。博麗の巫女の想いを受け取るべき
存在を、身に宿す者という事を。
「ま、とりあえず、一件落着でしょう。貴方達、この際だから許嫁にでもなったら?」
「許嫁!?」
「って、何でそこまで話が飛躍するの!?」

「言ったでしょう。想いは別れ、巡り…そして再び出会う。
別れる事となって後悔したくないなら、早い内にくっついた方がいいのよ」

確かに正論ではある。
だが、それはお互い想い合っていればの話だ。
今日出会ったばかりの俺と霊夢に言うのは無理がある。
「…別に、いいんだけど」
「は?」
俺は耳を疑った。霊夢がそんなことを?
「博麗の巫女の想いは…未だ残っているの。あなたを想う気持ちが…」
それはつまり…
「あら、貴方は感じないのかしら?あの男が残した『想い』を」

…目を閉じると、暗闇の向こうに、一人の少女が立っていた。
俺は、彼女――霊夢が愛しいと想う。
出会った時や時間なんて関係ないものだ。
前世の『俺』が言う。
「あぁ…俺って、霊夢が好きなのか」
過去の二人が巡った時間、それを俺達は引き継いだ。
互いをこんなにも想っている。

「…一応、前世の想いなんてのがあるけどさ…
俺はお前が好きだ」

月光に照らされる少女の髪が、ふわりと揺れた。





後書きという遺書。


訳ワカメでした。

ノリに任せて書いていたら、いつの間にか妖精さんが書いてくれました。
冗談ですが。

えっと、前世ネタなんで、感覚で愛を感じろ…でしょうか?
ギャグは一切無しで頑張ったんですけどね…

とりあえず、リクエストしてくれた方には本気で申し訳ないくらいです。
この場で、588の方に全力で謝罪しておきます。
ごめんなさい。俺はあんたの期待を裏切った。
…いや、期待されていないかもしれませんが。

ひとまず、期待してくれた方には感謝を、そして俺は地獄行く。

1スレ目 >>640

───────────────────────────────────────────────────────────

 降り始めた雪は、朝になる頃には一面の雪景色を予感させた
「ご馳走様。…随分暖かくなった」
「こういう日はこれが一番よ」
霊夢が作ってくれた夕食は、野菜を煮た汁に酒粕を溶いたものだった
「ふー。腹一杯だ…」
「寒いからって食べ過ぎじゃないの」
「腹ごなしでもすっか。外行こうぜ」
「…はぁ?」



 雪で白みつつある神社の階段を静かに降りる
身を切るような寒さだが、冬の冷たい空気は何とも心地よい
「なぁ霊夢、冬の夜って特別な気がしないか?」
「寒いから嫌よ」


   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:弾 ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄

終わっちゃうだろそれじゃ…



き、気を取り直して続きだ



 冬の夜が好きだと、霊夢に話してみるが上手く表現出来ないものだ
霊夢はマフラーで口を覆い、更に両手で抑える
俺との身長差から、上目遣いになる。なんとも言えず可愛い
「あなた、私には見えない何かが見えてるのかしら」
「そうか?」
「でもわかるわ。特別に感じる季節があるのは自然の事よね」
少しの間、沈黙が続く
「実は、この散歩は口実に過ぎなかったんだ」
「え…?」霊夢は訝しげにこちらを見る
今日という日を選んだのも、冬が特別なものなのだから


 霊夢の肩を引き寄せ、背中に腕を回し、その小さな身体を抱いた
「あ……」驚いたようだが、抵抗は無い
「好きだよ、霊夢…」
返答は無かったが、霊夢も腕を背中に回してくる。
それだけで十分すぎる返事だ
例え言葉が無くても、受け入れられたという満足感で旨が一杯になる
寒さで乾いた唇を湿らせ、優しくゆっくりと唇を重ねる
彼女の小さな唇も乾いてはいなかった
びょう、と風が吹くと互いを抱く力は強くなった。寒いはずなのにかえって暖かい



冷たい空気も、降りしきる雪も、今では心地よい祝福の言葉

1スレ目 856

備考:絵板2342の霊夢かわいいよ!

───────────────────────────────────────────────────────────

「お待たせ。もう準備は済んだのかしら?」
ぽっかりと空間に穴が空き、スキマ妖怪こと─八雲紫がにゅっと顔を出す。全く心臓に悪いものだ
俺が幻想郷を去るにあたり、外界との境を隔てている結界の破壊や修復が可能な彼女の力は必要不可欠だ
「ああ、全部済んでいる」
「最後にもう一度だけ…後悔しないわね?」紫はじっと俺の方を見る
「ああ」一瞬だけ、俺の心に何かが引っかかるような感じがした
「…そう。わかったわ」
最後の決断。もう後戻りはできない
その時、霊夢が何かを抱えながら廊下を歩いてきた
「…これ、後で食べて」
霊夢が差し出したのはどう見ても弁当らしき代物。
「…人里までどれぐらいあるのかわからないし、途中で疲れても知らないわよ」
「霊夢…」霊夢の心づかいに、ドキっと心臓が鳴る
 ──この世界に流れ着き、いきなり妖怪に襲撃を受けた時も
 ──大怪我をした俺に、神社の部屋を貸してくれたのも
 ──怪我が治るまで何もすることが出来ない俺の面倒を見てくれたのも
楽園の素敵な巫女こと博麗霊夢。彼女はいつだって、俺のそばにいた…
そして俺は、何一つ報いることが出来無かった
「本当に俺…何て言ったらいいか」
「…何回言わせるのかしら。私のことなんて気にしなくていいの」少々素っ気無い返事
「本当に…ありがとう。霊夢」霊夢に向かって深く頭を下げる。この程度の礼もできないようでは恥としかいいようがない
「…ううん、どういたしまして」霊夢は小さく頷いた
「元気でね」
「君こそ」
別れの挨拶としては、余りにも簡単なものだった


(…霊夢)
(何よ)
(いつものあなたはどこに行っちゃったのかしら?)
(…)
(あなたはいつだって、思い立てばすぐに行動してたのに)
(…これは私の都合だけじゃないでしょ)
(夢と伝統を保守する巫女。あなたはいつだって正しいのだから)
(…)
(…ありがと、紫)



 神社の鳥居をくぐると、奇妙な感覚が俺を包んだ。これが結界を抜けるといことなのだろうか
後は振り返らずに、俺はどんどん歩みを進める。
辺鄙な山奥とはいえ、ここは元の世界なのだ。もう振り向いたって仕方が無い
「…待って」少しだけ聞こえた、聞こえるはずの無い声
俺は驚き、思わず後ろを振り返る
「…霊夢! どうして」
霊夢は何も言わずに、俺に抱きついてくる
突然のことで思わずもんどりうって盛大に尻餅をつく
霊夢は俺に覆い被さるようにしたまま、顔を近づけると唇を重ねてきた
その時見てしまった。霊夢の頬が涙で濡れているのを─
「私…あなたと一緒に…いたい…」泣き声になりながらも、はっきりと告げてくる
「引き止めちゃ…いけないのに…でも…好きなの…離れたく…ないの」
俺は立ち上がると、霊夢の細い身体をしっかりと抱く。今度は俺から優しくキスをする
「戻ろうか」
霊夢はこくりと頷いた


夢と伝統を保守する巫女は、伝統を捨てて夢を追った
夢を捨てかけた俺は、現実を捨てて夢を取り戻した


これからは、どんな夢が待っているのだろうか
人は、夢を見ることができる。夢を手に入れることもできる
最早恋と言う夢では無く、愛という現実のものなのだ

1スレ目 >>896

───────────────────────────────────────────────────────────

「霊夢、君の心を俺という金で売ってくれないか?」

2スレ目 >>8

───────────────────────────────────────────────────────────

俺「あー……熱いお茶がしみるなあ」
霊「んー……熱いお茶がしみるわね」

ずず……。

俺「なあ」
霊「なに」

ずずず。

俺「結婚してくれ」
霊「ああいいわよ」

ずずずず……。

俺「そっか。んじゃそういうことで」
霊「ん。 ……お煎餅、食べる?」
俺「貰う」
霊「ほら。口開けなさい」
俺「あーん?」

ぱりっ。

霊「湿気てない?」
俺「お前のお肌くらいには張りがあるよ」
霊「そ。私も食べよ」
俺「食え食え」

ぱりぱり。

霊「……んー。これからもよろしくね」
俺「……んー? ああ。よろしくな」



霊夢はこれくらいまったりと適当にするのが似合うと思った、晩秋の日。
あ、石投げないで!

2スレ目 >>17

───────────────────────────────────────────────────────────

珍しく紫さんが神社に遊びにきた。
紫さんはおそらく幻想郷一なんじゃないかと思うほど美しい。
その美しさについ見とれてしまう。ドカッ
そのたびに霊夢にぶん殴られるが、それでも(ドスッ

結局その日は10回くらい殴られてしまった。
・・・全く、橙と遊んでやってるときも殴ってくるから教育に悪いんじゃないかと思ってしまうが。
(「おねぇちゃん、○○痛そうだよ?」「橙、気にしなくてもいいのようふふ」「ヒィィ」)

紫さんが帰った後、二人で石段に腰掛ける。これもいつものことだ。

「ねぇ」
「ん?」
「私のこと、本当に好きなの?」
「ああ」
「貴方の紫に対する視線からすると、どうもそのようには見えないけど」
「いや、あれは違うんだ・・・。美しいものにはつい目が逝ってしまうんだ。だから、sの、あれd
「結局、紫の方がいいんでしょ?」
「いや、俺は霊夢、お前が好きだぜ」
「信用しにくいんだけど」
「いいか、紫さんなんてな、ただ美人なだけなんだ。
 内面は腹黒いし、式をこき使う冷酷な奴だし、
 年増だし、無駄に睡眠取ってるし、足は臭いし・・・(やべ言い過ぎt(ry

「そうなの?」
「そうさ。お前の方が良いに決まってる」
「本当に本当なの?」
「ああ」
「良かった~。」
そういうと霊夢は俺に抱きついてきた。
よし、今だ、この際にキスを・・・。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..|;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     _________
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 .!-'  /話は聞かせてもらったぞ!
    |┃     |    ='"     |    <貴様ら二人ともスキマ送りだ!
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     \
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     \
    |┃ ≡'" ̄ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |   

ちょちょちょ、ま、待て、やめ、助けt、うぎゃぁぁぁぁぁぁっぁ


---

[[ 博麗霊夢と○○、八雲紫に宣戦布告 ]]
――スキマ妖怪、二人に過酷な報復措置――
(3面に関連記事)

○日、博麗霊夢と○○はスキマ妖怪の八雲紫に対し、宣戦布告を行った。
八雲紫は式を伴って博麗神社を訪れ、博麗霊夢、○○と遊んでいたが、
夕方、帰った後に事件は発生した模様。
八雲紫は変える振りをして二人の様子を探っていたが、
○○と巫女はそれに気づかず雑談を始め、
逆鱗に触れるようなことを逝ってしまったらしい。
その内容は具体的には「足が臭い」とか「足が臭い」とか「足が臭い」といった
八雲紫に対する悪口が主である。
このスキマ妖怪の足が臭いのは周知の事実であるが、
事実であるがゆえに逆鱗に触れた模様だ。
マヨヒガ在住のRさんは「足が臭くて臭くて・・・。とても寝れたもんではない。
私だけなら我慢するが、橙の教育に悪いのではないかと思っている」と語る。
重ねて言うが、このスキマ妖怪の足が臭いのは周知の事実である。
が、タブーであるようだ。
実際のところ、これを書いている筆者の背後にも殺意が感じらr・・・


「文。」ビクッ
「あなたもスキマ送りにした方がよさそうね。事実なら書いてもいいって訳ではないのよ」
ひぇぇぇぇぇ

---

ゆかりん☆しんぶん
[[ 危険分子を派手に始末 ]]
――ゆかりん、スキマ送りの刑で秩序の回復を検討――

次の日、配られたのはそんな見出しの新聞だった。


-----------------------------------
あとがき
-----------------------------------
いつもはプロポスレを読むだけで楽しんでいたのですが、
妄想は止められず、今回初めてSSを書いてみました。

始めは、
霊夢との愛を確認→その際に紫を悪く言ってしまい、スキマ送り
という感じで書くつもりでいたのですが、
次第に尾ひれがつき、結局訳の分からん話になってしまいました。
書きたいものを書きたいように書くというのは難しいと改めて実感。
人に見せられるレベルのSSを書けるようになるまでは精進あるのみですね。

つまらない物でしたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

2スレ目 >>65

───────────────────────────────────────────────────────────

霊夢の上手な口説き方

まず、札束を二組用意する。
金額は多いほど、成功率が高いぞ。
次に、いつものように掃除を怠けている霊夢が挨拶してくる前に、その札束を見せる。
呆然としている霊夢の前を悠々と歩き、素敵なお賽銭箱の前へ。
「こっちの札束は、賽銭だ」
そういいながら、片方の札束をお賽銭箱へ投下。
札束は吸い込まれるようにお賽銭箱の中へ。
そして、そのまま霊夢の元へ行き、彼女の目を見つめる。
「そして、こっちは俺と霊夢の結婚資金だ」

こうして、感極まった霊夢が抱きついてきたらプロポーズ成功。
夢想封印が飛んできたら失p(夢想封印

2スレ目 >>502

───────────────────────────────────────────────────────────

今日もここ博麗神社では何時ものように宴会が繰り広げられていた。
夕日が己が赤で境内を染めていたころ開かれていたこの会も、今では満月が幻想郷全体を照らすがごとく、天蓋の頂点に位置している。
「―…綺麗ね」
「ん?」
騒ぐ皆を尻目にポツリと零すように、僕の傍らで座っている霊夢は呟いた。
彼女が指しているのが月の光眩い夜空か、
それとも、囲炉裏の火が本日の宴会の客人たちをまるで影絵のように照らしている様なのかは僕には解らない。
「今日、みんなに私達のことを全部話すのね…」
僕と霊夢が宴会に直接参加していないで、片隅で寄せ合って座っているのは、
今日の宴会の真の目的たる、ここに居る全員に二人の関係を告白する為の心の準備でもあったから。
すると、霊夢は僕に身を預けてきたので、手をぎゅっと握り締めてあげたら、
彼女は全信頼を預けるかのように身を完全にもたらせてくれた。
「…もう少し……このまま…ね?」
言った彼女の表情までは見て取れなかったが、その声には若干の怯えが在ったのかも知れない。
博麗の巫女を奪うことが幻想郷のバランスをいかほど崩すかは僕の知り得た事ではないけれど、
胸の中の愛しい人を守るためなら、僕はこの命までも投げ出そうと心に誓った。

2スレ目 >>811

───────────────────────────────────────────────────────────

散歩から戻ってきた俺を待っていたのは、目に涙を浮かべた霊夢だった。
彼女の手には、ぼろいルーズリーフのノート。
「霊……夢?」
縁側に座って俯いていた彼女は、俺の方を向いた。

「ごめん……この日記、読んだ」

突然この幻想郷に迷い込み、妖怪に襲われて死にかけていた、
そんな俺を助けてくれたのが霊夢だった。
それだけでなく、元の世界に戻れるまでこの博麗神社に泊めてくれている。
霊夢には、どれだけ感謝してもお礼をしても足りない。

元々武術も習っていないし運動音痴な俺に、
この幻想郷で出来る事は少なかった。
掃除や洗濯等の家事を手伝っているが、
それでも一日の大半は時間を持て余していた。

そんな日常の中で、数少ない楽しみが日記だった。
(見た限り)平和な日々の中の、些細な変化を書き留めるのが楽しかった。
白黒の魔砲使いとの会話。
時々天狗の娘が運んでくる新聞。
幻想郷で迎えた新年。
毎日の出来事を、事細かに書き記していた。

そんな日記が、毎日内容が同じようなものになっている。
霊夢。
俺の命の恩人。
いつからか、俺は彼女に恋心を覚えていた。
日々募る彼女への想い。
今では、寝ても醒めても彼女の事が頭から離れなかった。
そして、日記もここ1、2週間は彼女一色だった。

「えっと……もしかして全部?」
こくりと頷く霊夢。

昨日の夕方に書いた日記。
告白の台詞の候補を書き連ね、
あれがいいこれがいいと考えを巡らせ、
いつ告白したらいいかと考え、
そんな事をしているうちに日が暮れて。
そんな内容の日記。

そこまでも全部、霊夢に読まれてしまった。
独り言だからこそ成り立っていた日記。
それを全部、盗み聞きされてしまい。

――王様の耳はロバの耳――


「……私の事、あんな風に思ってくれてたんだ」
霊夢が若干上ずった声で言う。

――ロバの耳の王様は、
最後には笑われる覚悟で耳を民に晒した――

「今更遠回しな台詞なんてもういいな。
 霊夢…………君が好きだ」

――しかし、民は王様を笑う事無く――

「元の世界に……戻りたくないの?」
「それは、多少は戻りたいとは思う。
 突然いなくなって、親も心配してるだろうし。
 でも、今は君が何より大事だ」

――逆に、勇気を出して欠点を打ち明けた王様を称えた――


「……あなたって、本当に親不孝者ね。
 でも、あなたに好きって言われて……嬉しかった」
霊夢の目から涙が零れ落ちる。
「春になったら、元の世界に戻りなさい。
 親を悲しませたら、駄目。
 ……でも、必ず戻ってきて」
「わかった、ありがとう……霊夢」
俺は、霊夢を強く抱きしめた――





霊夢に告白してから数週間。
春妖精が遠くの空を飛び回っている。
今日、俺は元の世界に戻る。
目の前には、スキマ妖怪の紫と、顔を伏せた霊夢がいる。

「それじゃ、元の世界への道を開くわ」
そう言って紫は目の前の空間に裂け目を作った。
「……………………」
霊夢は俯いて黙ったままだ。
「それじゃ……また」
俺は霊夢の前に立って、静かに言う。
すると、霊夢は顔を上げて俺の方を向き、



ちゅっ



「……………………」
「早く…………戻ってきてよ」
「……わかった」
そして、俺は空間の裂け目へと入っていった……

「ふふっ、お熱いこと」
その様子を、横から紫が微笑みながら見ていた。















彼が自分の世界へ戻ってから、丁度5年。
今日は、いつもの春と何か違う。
おそらく、きっと――――



「ただいま」



声の方を向くと、そこには私の望んだ人がいた。



「遅いわよ」





終わり





――後書き――

えー、初SSです。
思いついたままに書いたら、こんな感じになりました。
話の展開が出鱈目だし。
持ち出した設定、全部使えてないし。

えーと、お目汚し失礼しました。

>>111

───────────────────────────────────────────────────────────

夜の博霊神社。
今日は宴会も開かれないと言う事で、彼と霊夢は早めに夕食を済ませ
ちゃぶ台で向かい合って食後のお茶を飲んでいた。

「ねえ、○○」
「んー?」

のほほんとした感じで応える彼。

「アレ、して欲しいんだけど…」

そう彼に言う霊夢の声は、普段の彼女とは思えないような、恥じらいを含んでいた。

「えぇ? 一昨日したばっかじゃん」
「だって凄く気持ちよかったし…。お願い、ね?」
「ウム、他ならぬ霊夢の頼みとあっちゃ仕方ないな」



(きっ…、きたきたきたぁ――――ッ!!)


霊夢達の居る部屋の壁一枚向こうで、幻想の突撃取材班・射命丸 文は
心の中で雄叫びを上げつつ、Yes!! Yes!! と言わんばかりに
無言でガッツポーズを繰り返していた。

(霊夢さんとこに彼が転がりこんで一ヶ月、そろそろ何か進展があるんじゃないかと踏んでいましたが…)

そう、文は今夜霊夢と彼が二人きりになるのを見越し、張り込み取材を敢行したのだ。

(まさかドンピシャとは…! これは是が非でも明日の一面にさせてもらいますよ!)

鼻息も荒く、文は再び壁に耳を近づけた…



「ん…じゃあ、お願いね」
「了解」


「ねえ、私の…汚くない?」
「大丈夫、綺麗だよ」
「んっ…」


「やっ、くすぐったいっ」
「ほら、もっと力抜いて…」


「んっ! お願い…もっと…奥まで…っ!」





「ってこんな記事が書けますかーーっ!!」



壁一枚向こうで繰り広げられる幻想郷に、完全に平静を失った文が
ばーん!と襖を開け放ち乱入すると、そこには


「…」
「…。」


彼と、彼の膝枕で耳掃除をしてもらっている霊夢がいた。



「あんた、何してるの?」
「ていうか鼻血出てるぞ」



「えーと… ドウモー 文々。新聞でしたー  これからも御ひいきにー」

搾り出す様にそれだけ言うと、文は天狗の鼻よりも赤い顔をして全速離脱していった…。



「何あれ…勧誘?」
「でもあいつ、普段から此処にも新聞届けに来てるだろ」
「まあいいわ…それより続き、お願いね?」
「ああ。奥のがまだ取れてないからな」

>>131

───────────────────────────────────────────────────────────

彼女はちょっと変わった女の子だった。
いつも率先して事件を追って、彼女は事件を解決する為に奔走する。
初めてそれを見たのは、割と最近のことだ。

彼女は花に包まれていた。
正確にはここ、幻想郷が花に包まれると言う事件が起きた。
その時に、ちょうど彼女を知ったのだ。
人里の人間で、彼女を知らない者は居ない。

彼女は巫女である。
既に妖怪と戯れていると噂される、あの巫女である。
何故、既に神社は妖怪の手に落ちたと考えるものばかりなのだろう?
巫女の――友達と言う事を考える者は誰も居ないようだ。
いや、恐らく分かっていて、それを否定しているのだ。

「…慧音様」
無理は承知で、ここの里を守護する慧音様に会いに来た。
彼女と面識がある慧音様ならば、なぜ彼女が妖怪と一緒にいるのか、
ということを知っているのかもしれない。
「博麗の巫女の事か?」
「えぇ」
「物好きだな…。この里であの巫女に興味を持つものが居るなんて
思ってもいなかった」
呆れ気味に慧音様はつぶやくが、どことなく嬉しそうにも感じられた。
そう、例えるなら…失ったものを再び見つけた子供のように。
「…博麗の巫女は自分で好きに妖怪を呼び出している訳ではない。
そうだな、言うなれば引き寄せてしまうのだ」
引き寄せる?
つまり彼女のもとには自然と妖怪が集まってしまうと言う事か。
「異変を解決するたびに、妖怪が増えるのも考えものだがな」
慧音様の苦笑は、ある意味で現実的な気がした。
異変が解決するたびに妖怪が増えると言うことは、やはり
神社は妖怪の手にあるようなものだ。
「…ところで、何故巫女のことなど聞こうと思った?」
それは…自分でも分からない。
「…分かりません」
「そうか」
おかしそうに笑う慧音様に何となく腹がたった。
「博麗神社に行って直接、彼女を見てみればいい」
そう言って、送り出していった。



ほとんど着の身着のままで博麗神社に向かう。
途中、妖怪に襲われるも何とか逃げ切った。
所詮妖怪相手に、人間が勝てる訳が無い。
逆に勝てる人間の方が珍しいくらいなのだ。普通なら。
とにかく妖怪から逃げ切ると、神社へと続く階段がようやく見えてきた。
本当に長い階段を上りきると、そこに居たのは二人の少女。
片方は誰もが見たことのある巫女、そしてもう片方は見たことの無い
白黒の魔法使いだった。
「おい、参拝客みたいだぜ」
「ん?参拝する人が居るなんて珍しいわね」
巫女がそれでどうする?
という言葉を辛うじて飲み込み、真っ向から彼女を見る。
間違いなく、幻想郷の異変の際に、見かけた紅白の巫女。
博麗…考えてみれば名前は知らなかった。
博麗の巫女の肩書きだけで、名前を呼ぶ人なんて里には居はしなかった。
「いらっしゃい、素敵なお賽銭箱はそこよ」
「あぁ…いや、僕は――」
「ふぅん、どうやら珍しくこの神社に参拝客じゃないみたいだな」
その様子を見てか、白黒の魔法使いが笑いながら物珍しそうに
僕を見る。
「まぁ、博麗の巫女を見に来ただけだし」
「私?」
「見事に見世物入りだぜ。良かったな霊夢」
「嬉しくない」
白黒の反応に、博麗の巫女が返す。
何となく微笑ましいやり取りだった。
「後は慧音様からの預かり物を届けに」
これは本当だ。
『博麗の巫女に会いに行くならばついでに、この手紙を渡しておいてくれ』
と言われたのだ。
何が書いてあるかは、僕も知らない。
「人里の人間だったんだ。とりあえず、ありがとう」
手紙を渡すと、隣に居た白黒もその手紙を覗き込む。
「ふむふむ」
さほど重要ではないのか、博麗の巫女は流し読みをしている。
「へぇ、お仕事ってわけか」
少年のような笑みを浮かべて、白黒が僕を見る。
「ちょっと待ってて、返事くらい書くから」
これでは文通だ。
いや、それで間違っていないのか?
慧音様の手紙を、僕が渡して、その返事を博麗の巫女が書いて、僕が渡す。
うん、これは体よい運搬係だ。
「終わり。じゃ、これ慧音に届けておいて」
「あぁ」
その手紙を受け取る際、彼女の手が触れた。
暖かい。人里では『妖怪と関わる巫女の考えは知れない。きっと身も妖怪だろう』
と身も蓋もないことを子供達に教えていたが、それはどうなんだろう?
「あぁ、日が暮れてきたわね。魔理沙、彼をちょっと送ってあげて」
「面倒くさいぜ」
「いや、そんなハッキリと言われても…僕も困るんだけど」
「大体、霊夢が送っていけばいいじゃないか。私にその役目を押し付けるのは
どうかと思うぜ?」
「いや、まぁ…僕のことは気にしないでくれ。今の時間帯なら、運が悪くない限りは
妖怪に出会うことも無いと思う」
時刻的には今は夕方、急いで走れば夜中ギリギリには何とか人里まで戻れるだろう。
「仕方ないわね。ほら、お札一枚あげるから、これでどうにかしなさい」
本当に一枚だけお札を渡された。
それでも、その一枚のお札が、頼もしく見えるのは気のせいではない。
相当な霊力が、この一枚のお札に詰められている。
下手をすると、これをぶつけて霊力を弾けさせれば、人間にも効果があるのかもしれない。
「それじゃ、確かに受け取ったよ」
手紙とお札を持って、僕は博麗神社を振り返る。

やっぱり博麗の巫女はちょっと変わっていたが、人里の皆が
思っているような冷たい人物でもなかった。
「…手は暖かいし、やっぱり人間だよな」
改めてそれを確認した。
それよりも慧音様に早いところ、この手紙を届けに行かなければ。
せっかく急いだ意味が無い。



「…あぁ、ちゃんと届けてくれてありがとう」
「いいえ、普段から守って頂いているお礼だと思えば安い物です」
結局、受け取ったお札は使う事無く里まで辿り着いた。
もっとも使わない状況に越した事はないのだが。
早速手紙を届けに行くと、慧音様はその手紙を読み始める。
重要な事が書いているようでとても熱心に読み進める。
「ふむ…」
「どうかしたんですか?」
「お前も、少し前から畑を荒らす妖怪については聞いているだろう?」
どのくらい前かは忘れたが、そのことは聞いたことがある。
ある日の朝、収穫しようとした農作物が見事に盗まれており、それなりに
危機が起こった事がある。
里の皆や、僕も山狩りを行ったが、成果はゼロ。
いや、負傷者が居るから、言ってみればマイナスである。
死者が出なかったことは幸いだが、危険があることには違いない。
特徴は不明だが、どうやら爪を使って大人達を負傷させたらしい。
一匹で行動しているらしく、外見が狼ということ以外には分からない。
「それについて、一応専門である博麗霊夢に手伝ってもらおうと思ってな」
「なるほど」
妖怪退治は彼女の専門だ。
それに、慧音様が居れば妖怪の退治など容易いに違いない。
「…ところで、お前は博麗の巫女に会ってどう思った?」
「どうって…」
「そうだな。率直な感想で構わない」
率直な感想と問われてパッと出てくるのは…
「人里の人が思っているような人じゃなかった、って事でしょうか」
「そう感じたか…なるほど」
慧音様は考えごとをするように、僕の方と手紙を見直した。
「何か?」
「いや、そうだな。お前に手伝ってもらうのも悪くは無いかもしれない」
「妖怪退治ですか?」
それなら願ってもない。元々、慧音様を手伝うつもりだったし。
何より、博麗の巫女を再び見ることが出来る。
何かを含んだような慧音様の表情が、なぜか気になった。
僕も、まだ彼女の本質を知らなさすぎる。
「期待している。妖怪退治は三日後だ」
「はい!」
僕は礼をしてその場を後にした。



それからの僕の生活は慌しいものだった。
まずは足手まといになる可能性が、高いため自分に合う武器を
見繕い、それを振って感覚を確かめる。
やっぱり、攻撃を重視して斧を持つことに決めた。
「精が出るな」
「あ、はい」
「山狩りは明日の夜だ…。お前の家に博麗の巫女に迎えに来させるから
ついてくればいい」
「分かりました」
あの巫女が迎えに来るのか…。
そもそも、僕の家も人里から少しだけ離れた場所にあるから
問題は無いのかもしれない。
きっと、人里に彼女が現れれば奇異の視線で見られることは間違いないからだ。
その日はずっと斧を振り続けた。
きっと筋肉痛になるだろうが、その程度なら、身体を解すだけで、
少しはマシになるはずだ。


次の日の夜。
本当に博麗の巫女が来た。
寒いのかろうが暑かろうが、きっとその巫女服を変える気は無いんだろうな。
と考えながら、僕は彼女の後に続いた。
「あぁ…そうだ。このお札」
三日前に借りたままのお札を返したほうがよかった気がし、彼女にそれを渡す。
「ん…あー、それ返さなくてもいいわ」
それを押し返された。
何でも彼女曰く、これからきっと必要になると言うことだ。
「ちゃんと来たな二人とも」
「そりゃね。魔理沙は来れないって」
「そうか…少しは期待したんだが」
魔理沙とは、確かあの白黒魔法使いのことだったか?
彼女も予定などがあってどうやら来れないようだ。
「それで、山狩りらしいけど。どうするの?」
「二手に分かれた方がいいだろう。私は一人でも問題ない。お前は
霊夢と一緒に組んだ方がいい」
博麗の巫女が山の地理を知っているとは思えない。ならば僕に
案内させた方が少しはマシだと言うことなのだろう。
「それじゃ、よろしく」
「あぁ、よろしく」
博麗の巫女の手に再び触れた。
人間の彼女の手はやはり暖かかった。



松明を片手に歩き回る。
弓を背負い腰に斧と言う重装備に比べて、博麗の巫女は巫女服と
札に針に陰陽玉という至って簡単な装備だった。
まぁ、どれもきっと、僕の振るう武器よりも遥かに威力を持った
装備なのだろうが。
「……」
「……」
会話なんてありはしない。
妖怪が蔓延るこの時間で、騒げば格好の的である。
「居ないな」
「…そうね」
正直、拍子抜けした。
山に居るはずの例の妖怪は、何故か姿を現さなかった。

僕たちはそれでも狼の妖怪を探して歩き回る。
子供の頃から住んでおり、それでもなお、この山の深さは分かりきっていない。
…いや、それなりに働けるようになってからは来てないから、うろ覚えな
部分もあるのか。
「…あ」
ほんの少し昔。
洞穴を見つけたことがあった。確かそこを、子供らしく遊び場にした覚えがある。
そこには――
そう、何か居たはずだが、忘れてしまった。
「どうかしたの?」
「いや…隠れる場所の心当たりが思いついただけ」
「そう、なら多分そこね」
博麗の巫女は疑ってすらいない。
きっと知性は高くないだろうが、雨風防げる巣くらいは作っているだろう。
僕達は、早速その場所に向かう事にした。



「…何があったんだっけ?」
洞穴の前まで到着したが、僕はそこに何が居たのか、全く思い出せないでいた。
とても重要な事だった気がするのだが、記憶に無い。
子供の頃の話だと言えばそれまでだが、喉まで出かかっているのに
思い出せないと逆に気持ち悪い。
まぁ、とにかく妖怪退治だ。
「…ここみたいね」
「うん…」
そこら辺に感じられる妖気のせいで、麻痺してしまいそうだが
間違いなく、ここに居ることは分かる。
そう、言うなれば霧の中で煙を向けられているような感じだ。
肌に纏わりつくような感じと、はっきりとこちらに向けられている
妖気が、間違いなく敵がこちらに気付いている証拠だ。
「…来るわよ」
「…ん」
背の弓を持ち構える。狙いは洞穴の中だ。
恐らく、これを打ち込めば即座に戦いになるだろう。
「…撃って!」

しゅっ

軽い風切り音が鳴り、吸い込まれるように洞穴へと矢が飛んでいく。
二つの開かれた目が、飛び出した。
それは間違いなく、狼の妖怪で、里の人間を傷つけたものだった。
「お出ましね」
札と針を持って博麗の巫女も構える。
「パスウェイジョンニードル!」
針を投げつけ、それは真っ直ぐ妖怪を狙いつける。
だが妖怪はそれを回避しようともせず、その身体で受け止めた。
「…!?」
その異常な様子に気付いたのか、彼女も一旦様子見とばかりに
攻撃の手を休める。
「……」
妖怪は僕たちの方を睨みつけるだけだ。
「どういうことだ?」
「…さぁ、それでも油断はしないように」
彼女の警告を受けながら、何故か、僕はこの妖怪に違和感を感じていた。
無論、この奇怪な行動もだが、どこかで見たことが――

何となく一本の線で繋がった気がした。

「…博麗の巫女、僕が洞穴に入るから…援護してくれないか?」
「何か分かったの?」
「多分」
確証は無い。それでも少しは『ある事』を期待しているのだ。
「それと悪いけど…あの妖怪を生かしておいてくれないか?」
「難しい注文ね」
「…信じてるから」
多分、彼女なら殺さずに無力化することも無理ではないと信じている。
「それじゃ、始めましょうか」
札を取り出して、投げる体制に入る。
恐らく、あの妖怪は何か守っている。そして、それも博麗の巫女は勘付いているだろう。
「夢想封印――集!」
放った札は、空に舞い大きく螺旋を描き、一つの球体を生み出した。
そして一つが二つに、二つが四つに、四つが――八つに。
そのまま妖怪に向かって、その球体全てが集まってくる。
無茶苦茶だと思いながら、僕も走り出す。

――やはり居た。

妖怪狼の子供だ。
「…弱ってはいないけど」
眠っているようで手を出しても気付かれていないが
こんな環境では弱るのは目に見えていた。
とりあえず抱きかかえて、外に出る。
「やっぱり居たよ!」
彼女の方に大きな声で声をかける。
こちらの方に気付いたのか、警戒したように、妖怪は唸る。
子供を人質に取られた親だ。
警戒するのは無理もない。
「…子供に餌をあげるために、畑を荒らしたってわけ?」
「妖怪は何でも食べるからね」
「はぁ…色んな意味で無駄骨だった気がするわ」
がっくりと肩を落とす。僕は子供を地面に降ろし、手を上げて離れる。
それなりに距離を取ると、妖怪は子供に近づいてきた。

「それで、どうするの?退治する?」
「…いや、これから山の向こうに行くように説得する」
「…相手は妖怪よ?」
「それでも」
あの妖怪は聞いてくれる気がした。昔の事を覚えていれば、だが。
僕が子供の頃に、あの妖怪狼は確かに居た。
僕と同じように子供で、ただの狼だと思って遊んでいた。
大人になってからは来ることはなかったけど。
まさか、妖怪だったとは…
「…はぁ」
その事情を聞いて、博麗の巫女は本当に呆れたようにため息をつく。
「ま、いいわ。それじゃ後は任せるわよ」
と呟きながら、彼女は空へと舞う。
「慧音には事情を言っておきなさいよ」
分かっている。
心配をかけたとは思えないが、一応言っておかなければなるまい。




二日後、僕は再び博麗神社を訪れた。
博麗の巫女に礼を言うためだ。
あの後、朝日が昇るまで説得をして、理解したかどうか知らないが
子供をつれて妖怪は洞穴を離れていった。
畑も荒らされていないようで、ちょっとだけ安心した。
「あら、いらっしゃい」
掃除をしていたのか、巫女は手に箒を持っていた。
「…とりあえず、お礼に来たんだけど」
風呂敷包みを降ろして、中から野菜を取り出す。
「畑は荒らされなかったから、多分もう大丈夫」
「あの妖怪は?」
「どこか別の所に移動したみたいだ。あ、これ慧音様からの礼状」
それを受け取る博麗の巫女は、年相応の表情で満足そうに頷いた。
…それを不覚にも、可愛いと思ってしまった。
「どうかした?」
「や…何でも」
慌ててそっぽを向く。
「それじゃ博麗の巫女、ありがとう」
「あ、待ちなさい」
去ろうとした途端に呼び止められた。
「博麗の巫女って言い方、止めてもらえない?」
「…分かったよ。霊夢」
にこりと笑う。やはり彼女も年相応なのだろう。
そして僕も…どうやら、彼女に好意を持ってしまったらしい。



「それで帰ってきたと?」
神社から帰って報告をすると、慧音様は不服そうに唇を歪める。
「…それ以上に何をしろと?」
「いや、非常に残念だ」
何が残念なのか分からないが、とっても良くない予感がした。
慧音様も、ちょっとだけ変わっているのは、この時解った。
「…こうなれば、全員に招集をかけて…ぶつぶつ…」
なぜか考えごとに突入した。
「それじゃ、失礼します」
僕は礼をして、いつものように去る。
家に帰ってから、畑を見なければならないからだ。



「…様子は良し。あと少しで他のも収穫できそうだ」
霊夢に渡した野菜は、里のみんなのと大半が僕の畑からだ。
別に深い理由は…ないはずだ。霊夢から貰った札を見る。
結局貰ってしまったが、使う機会はほとんどない気がする。
「とりあえず、今日も日課の修行をしよう…」
自分の無力はよく解っている。
だからこそ、資本である身体を鍛える事にした。


そして、その辺りから、唐突に僕の日常は変化した。


なぜか、慧音様が博麗神社への用事を、執拗に僕に言い渡すようになった。
まぁ、それくらいならば問題はないのだが、そのおかげで霊夢と関わっている
人間や妖怪の知り合いが増えた。
霊夢と二人っきりになる機会がなぜか増えた。
嬉しい事は嬉しいのだが、どうしてそう言う時、他の妖怪達が訪れないのかも
疑問になってきた。
「さーて、今日は楽しい宴会よ。あなたも参加するんでしょう?」
楽しいと言っても、彼女の場合、準備片づけを全てこなすのが面倒だ
とも言っている。
「…どういう心境の変化?」
「あなたが片付けと準備を手伝ってくれるでしょ?」
いや、確かに手伝うつもりだけど。
「人数結構来るから、大変よねぇ」
「…その分、片付けも準備も時間が掛かる、と」
まぁ、霊夢と居れる時間が増えるのはありがたいと言えばありがたいのか?
彼女は、やっぱり人間である。
あの妖怪を逃がしたように人間味はとてもある。
だが、時々物憂げな表情になるわけも分からない。
「さ、準備しましょう」
お酒、食べ物。準備しなければならないものは沢山だ。



みんな、唐突に現れて唐突に去っていく。
嵐のような集団だった。
無論、嵐なんだから片付けるのも人間だ。
そして、この日僕は初めて片付けと準備の重労働を感じた。
よくも毎回毎回こんな事が出来るな、と半ば感心してしまった。
「お疲れさま」
「あぁ…ありがとう」
お茶を差し出されて、受け取る。
湯気が出るほど熱いお茶だった。
「大変だね。これは」
「分かってくれる?」
「まぁね」
…そこから会話が途切れる。
空に月は浮かび、雲すら出ていない。
見えるのは夜空と、星と満月。
「……」
「……」
息の音が響く。
「…あのさ」
「ん?」
「僕は…霊夢が好きだから」
「…ありがと」
こんな幻想的な雰囲気だから、僕はこういうことが言えたのかもしれない。
「霊夢は――」
「…あなたのこと、嫌いじゃないけどね」
それはイコール、どちらでもないだ。

『む、いけないぞ。○○、押し切らねば』
『霊夢にも春が来たかな…と思ったんだが。これじゃ遅そうだぜ』
『春はとっくに返したでしょう』
『幽々子様、分かってボケているでしょう?』
『いい雰囲気なんですけどねえ…シャッターチャンスがきません…』

「…?」
「どうかした?」
「誰かに見られている気がしただけ…気のせいかしら?」
視線は確かに感じるが、きっと気のせいだろう。
虫とか鳥とか、きっとそのあたりだと思う。
霊夢がすぅーっと息を吸い込む
「…いい?私は博麗の巫女なの…私の子供はこの先、ずっと幻想郷を守らなければならない」
「…だろうね」
「だからこそ、よ」
きっと、強靭な子供が必要となるだろう。だからこそ、貧弱な僕は対象に入らない。
「さ、お話は終わり」
「…それでも、僕は諦め切れない」

僕は…想っている。

「いいんじゃない?」
突然、そんな声が響いた。
「紫!?」
「…どういうことですか?」
現れた妖怪――八雲紫に対して、僕は疑問をぶつける。
本当に、どういうことだろう。
「必要なのは、気持ちでしょう?」
「…あんたが言う台詞じゃないでしょ?」
「あら、これでも人の気持ちくらいは分かりますわ。霊夢の偽りもね」
偽り、その言葉を聞いた途端、霊夢は紫を睨みつけた。
「偽ってないわ」
「恐れているんでしょう?いつか自分が、関係を崩壊させるかもしれないと言う事を」
「恐れてない!」
紫の言葉に霊夢は語気を荒くして、答える。
いや、もう既にそれは叫びだった
「霊夢、僕は…」
「想いが人を強くする…。子供とか、そんなことは関係ないでしょう?
愛しているか、どうか。貴女は…どっち?」

――霊夢は言葉に詰まる。

「…好きよっ…!好きに決まってるでしょ!」
「なら、よし」
にこりと、不敵な笑みを浮かべて、紫は浮かび上がる。
「ついでに、デバガメをしているのも、暫くスキマ送りにしておくから
あとは二人で楽しみなさい」
ふふふ…と怪しい笑い声を浮かべて、境内の裏に向かった。

『ぎぃやぁぁぁぁ!』

そこから、断末魔が聞こえた。

「…ホントにデバガメしてたんだ」
何となく予想はついてたけど。
もしかしたら、僕は最初から彼女に惹かれていたのかもしれない。
「…なに、笑ってるの?」
「いや…一生涯の宝物が…手に入って嬉しいんだ」
僕は、彼女を抱きしめた。



既にお茶は冷たくなっていた。
だけど僕の気持ちは熱く、暖かかった。




後書き

===社会の裏===

自分の為に長文妄想すると…
やっぱり、色々おかしくなるなぁ

===社会の裏ここまで===

この530(仮名)の長文妄想に書ける物などあんまりない!

と、まぁ…霊夢ですね。
始めはこんなに変になるなんて思ってなかったんです。
…すいません。お目汚しです。

シリアス文章(?)なんで後書きもあまりネタに走らず…
普通に…終わらせます。
読んでくれた方、ありがとうございました。

>>142

───────────────────────────────────────────────────────────

1日目
気が付けば私は見知らぬ土地に立っていた。
とりあえず近くにあった鰻屋で1杯やることにした。
隣に座っていた女性がいきなり、
「人の話を聞くことが、あなたに積める善行です。私の話しを聞きなさい!」
と言われて説教が始まった。
5時間ほどで女性は満足して帰っていくが…女性は金を払っていなかった。
歌が下手な店主に2人分の金額を請求されるが当然払えるわけでもなく…
『あっUFOだ!』
と指差し、振り向いてる隙に逃げた。

何が悲しくてこんな事をしなければならないのだろう。


2日目
夜の川原を歩いていたところ、触角をつけた少女を発見する。

→つかう
→さとうすい
→セルフ

わたしはぜんしんにさとうすいをかけ、さけんだ!
『おれのむねにとびこんでこい!』
しょうじょはわたしをいちべつすると、
「キモッ」
とびさっていった。

ざんねん!!わたしはきらわれてしまった!!

冷たい水の中で体を洗いながら私は泣いた。


3日目
風邪を引いてしまった私は永遠亭でお世話になった。
薬師の技術に感心しながら内部を散策する。
『せっかくだからこの赤の襖を選ぶぜ!』
開けないように注意された襖を開ける。
「MVPが取れなかったじゃない、あのBOTの所為で…あら……お客様かしら…」
あまりのプレッシャーに私は襖を閉め、自分の愚かさを呪った。
しかし神は私を見捨てた、襖が開き私を中に引きずり込んだ。

単なるNEETとか、カリスマ不足だとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしい恐怖の片鱗を味わったぜ・・・


4日目
森の中にある謎の店に入る。
すると中に居た男が褌一丁で飛びかかってきたので、
『君がッ 泣くまで 殴るのを止めないッ!』
三日分の思いを男にぶつけた。
しばらくすると落ち着いたらしく話を聞くと、
「久しぶりに客が来て、嬉しくなってやった、正直反省している」
その言葉にカッとなった私は地獄突きをかました。

ここは地獄なのだろうか…


5日目
辿り着いた神社で巫女さんにお茶をご馳走になる。
そんなささやかな事で涙した。
「大丈夫?」
『ちょっと辛いことがあって』
「そう、お替り要る?」
『もらえるとありがたい』
安らぎの時間を過ごした。

賽銭を奮発しておいた。


6日目以降
あれから私は神社にお世話になる事にした。
隣にはいつも彼女がいる。
ただそれだけでいい。

賽銭から始まる恋もあるのかもしれないな……

>>172

───────────────────────────────────────────────────────────

多分ラブラブものってわけではありません。
いろいろ突っ込みどころも多いと思います。
…どうか広い目で。orz

追記:手直ししました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「でさ、これがその時借りた魔道書なんだよ。なんかいかにもって感じだろ?」
「ああ、だがな魔理沙、何度も言うがお前のそれは借りるんでなく強奪というんだ」
「……」

 小春日和の博麗神社。
 今日もいつものようにお茶と茶菓子をたかりに来た魔理沙の自慢話を聞かされていた。

「強奪とはひどい言い草だな。ちょっと長期の貸し出しをしてもらってるだけだぜ」
「門番さんから司書(小悪魔)さんから軒並みマスタースパークで吹っ飛ばすののどこが貸し出し手続きなんだよ…」
「……」

 俺は一月程前にちょっとした事故でここ幻想郷にやってきた。
 昔から霊感があるほうで、霊っぽいものとかをたまに見たりしていたので、状況を受け入れるのは普通の人よりは早かった、らしい。
 もっとも、それだけで別に戦闘能力があるわけでも無いから、来てすぐに保護されたのは幸運だったのかな?
…そこも妖怪の家だったけど。

「立派な貸し出し手続きだと思うけどな、主には『もう勝手にしなさい』って言われたし」
「閻魔様ー、犯罪者がここにいますよー」
「……」

 で、俺がここに来た原因のスキマ妖怪は、なにやら冬眠中だとか(俺の件は寝返りの影響らしい)で、実際に帰れるのは少し先になるらしい。
 もうひとつ手が無いではないそうだが、どうも俺がここに来るときにややこしい通り道のあけ方をしたとかで、
微妙にややこしいことになりかねないらしい。そんなに問題のあるやり方だったのか?
 …まあ、寝ぼけてたそうだしな。
 ともあれ、件の妖怪が起きてくるまで、その間の仮宿として、ここ博麗神社があてがわれたのだ。
 家主さんには「何で私が」とか当然のごとくいろいろ言われたんだけどね。いかなマヨヒガでもあれだけご同輩がいりゃあそりゃパンクするだろ。
あのときの狐さん(藍さんというらしい)が必死に頭を下げる姿は妙に心に残った。痛々しくて。

「…って言うか、門番って誰だっけ?」
「うわ、覚えてないよこの人! ひど!」
「……」

 …そして、そろそろ一ヶ月。
「神社に居候が来た」というので、物見遊山に来た連中がまあたくさん。おかげさまで知り合いも増えた。
 仲でも親しくなったのが、今こうしてしゃべっている魔法使いの少女、霧雨 魔理沙と、「香霖堂」という店を営む「香霖」こと、森近 霖之助。そして…

「なあ霊夢、さっきから一っ言も喋らないけど…どうかしたのか?」
「ああ…何つーか、怒ってないか?」
「…別に?」

 いや、明らかに怒ってるでしょ、それ。
 むすっとしながらそっぽを向いてお茶を飲んでいる少女は博麗 霊夢。
 言うまでもなくこの博麗神社の住人にして、俺の「家主」さんだ。
神社で巫女さんをしているらしく、ちょっと見慣れないデザインの巫女服を身にまとい、
迷惑妖怪の退治とか境内の掃除とかお茶の時間とかお茶の時間とかお茶の時間とかしている。…突っ込みはいらんよ?

「…あー、今日はなんだか日が悪いっぽいな、また来る」
「そう? じゃあね」
「おー、またなー」

 言いつつ魔理沙は苦笑とともに帽子をかぶりなおし、そのままほうきに乗って飛んでいった。
普通に家に帰るのか、それともどこかで時間をつぶすか…たぶん後者だな。それも図書館。まだ奪い足りないのか、あいつは。
 魔理沙はよく神社に遊びに来るので、霖之助さんとは霊夢の買い物の荷物もちで香霖堂に言ったときに知り合い、親しくなった。
魔理沙の第一声、「おーい、霊夢が男連れ込んだってー?」にはびっくりした。まあ速攻で「夢想天生」食らってたけど。五・六回。
…大概タフだな。幻想郷の住人は。

「…でもどうしたんだ今日は?」
「べつに?…ああそうそう、明日霖之助さんの所に行くから、荷物持ちお願いね?」
「ああ…」

 またいろいろと「貰い」に行くのか。まあ今は俺もそのお世話になっているから何も言えんが…お金くらいは払おうよ、やっぱり。
 霖之助さんは…正直親しみやすかった。客商売というのもあってか、非常に人当たりが良く、また親切にいろいろ教えてくれた。
こっちも「外からの品」とやらの使い方をいくつか解説してあげたりした。最も知ってる人はほかにもいるらしく、ほとんど補足ばっかりだったが。

「さて、少し早いけど夕御飯の支度でもしますか。あ、悪いけど残りの部分の掃除、お願いできる?」
「了解」

 で、霊夢は…正直最初は難儀した。
 何せいきなり男女二人が一つ屋根の下だ。向こうはどう思っているかはよく分からないが、正直かなり気を使った。居候の身としても。
 とはいえ慣れとは怖いもので、一週間もするころには別段普通に接していた。まあ気を使いすぎるよりはいいが。
彼女は彼女でかなり早いうちから慣れてしまっていたらしい。それはそれでどうだろう? 無頓着というかなんと言うか。
 台所に消える霊夢の背中を眺めつつ、なんともいえない気分になる。一緒に住むことを認めてくれたのはうれしいんだが、
何かこう、男として見られていないようにも思えて。

「早めに済ませてよー?日が暮れちゃうからー」
「っと、いかんいかん」

 台所から聞こえる声で、ボーっとしていた自分が引き戻され、あわてて自分の仕事に移る。
さすがに一ヶ月も手伝っていると、こういうことにも慣れてくる。霊夢ほど上手くは無いが、それでもそれなりに早く、しっかりと境内を掃いて回る。
 こういう時間も、お茶を飲んでいるときとはまた違ったまったり感が感じられて、意外にいいものだな。


 それから程なくして、言われた分を掃き終えると、霊夢の声が聞こえる。夕飯の時間だ。
 ほうきを片付けて食卓に向かうと、霊夢がほかほかの御飯を俺の茶碗によそってくれているところだった。

「はい、どうぞ」
「ありがと。それじゃあ…」

「「いただきます」」

 しばし、箸の音だけが響く。
 特に会話もなく、季節柄、虫の声もなりを潜め、静かなものではあるが…
しかし、まったりとした、暖かな時間が流れる。

 食後のお茶を楽しんでいると、ふと、霊夢が口を開く。

「…昼間の事なんだけど…」
「ん?」

 霊夢は、どこか申し訳なさそうな顔をしている。昼間というと…魔理沙と話していたときか。

「昼間、私が機嫌を悪くしてるっていってたでしょ」
「ああ、そのことね…どしたん?」
「…正直、自分でも分からないのよ。なにがなんだか」
「?」
「休憩にしてからすぐ、かぎつけたかのように魔理沙が来たじゃない? あれで用意していたお茶菓子とかが足りなくなって、
新しいのをとりにいったんだけど…」
「そのときになにか?」
「ううん、その後。戻ってきたとき」

 首を振る霊夢に、首を傾げる俺。あの時は特に何があったってわけでもなかったと思うが…

「あの時あなた、魔理沙と話してたじゃない?」
「ああ、あの自慢話な。どっちかというと話してたというより、聞き専門に回ってた感じだけど」
「うん…その時あたりからなのよ、なんかもやもやしちゃって」
「もやもや?」
「ええ、あなたと魔理沙が楽しそうに話してるのを見てたら、なんだか…。話の中にも、入っていけなかったし」
「そういえばいつもは適当に相槌打ってるのに、今日はなかったな」
「何でなのか、自分でもよく分かんないんだけど…」
「んー、なぜだろう…」

 うつむく霊夢に、いつもの覇気のようなものは感じられない。思ってもみなかった事態に、困惑しているのだろう。
二人して首をひねる。十分ほどもそうしていたが、答が出ることはなかった。

「…ごめんね、変な事言って。…片付けましょうか、もう遅いし」
「あ、いや…。…手伝うよ」
「ありがと」

 その後、風呂に入って寝るまで、二人ともこの話題は出さなかった。
しかし、やはり気にかかるのか、霊夢の表情は曇りがちだった。…かくいう俺もそうだが。

「何があったんだろうな…」

 布団の中で、そんなことを呟く。ノーヒントの激ムズクイズ番組にでも参加した方がまだましな気分だ。
そう思いつつ、霊夢のことがかなり気になっている自分を自覚する。
 かりそめの…とはいえ、家族のようなものといって差し支えない少女、いつもどこかふわふわした、春のような少女。
そんな彼女に対して感じる、かすかだがしっかりした…気持ち。
 どうにか力になってやりたい。だがどうすればいいのか。

「…困ったときは、人に聞く…か」

 マヨヒガでであった、あの元気な猫の少女の口癖を呟きつつ、とりあえず目を瞑った。
せっかくだし、明日霖之助さんにでも相談してみよう。そう心に決めながら。





 ―その後、まあいろいろとあるのだが、その辺は置いておく。
 とりあえず、がんばることができた。それだけ。





「さて、明日はどうしよっかな…。そろそろ霊夢のところもいろいろ切れるころだし、香霖のところにでも顔出してみるか、
あいつもたぶん来るだろうしな。…次は何みせてやろっかなー」





 ―ごたごたも、たくさん。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

こういうのは初挑戦です。だがわけわかめ。orz

一応霊夢もののつもりで書きました。ちょっぴり三角関係テイストもこめて。
これから彼がどうなるかは…皆さんの胸の中に(マテ

無責任ですみません。これが俺の限界です。
もっと短くまとめられたら少しは違ってくるのでしょうが…。

後、まとめの人、いつも乙です。
ほんと大好きです。ありがとう。


<追加あとがき>
ども、作者です。改めてみたら誤字だらけ、わが事ながらいささか呆れました。
つか神社の名前を間違うかよ…orz

上で「三角関係」なんて書きましたが、ごめんなさい、どろどろしたのじゃなくギャグで、しかも…
とにかくそういうのを期待した方には申し訳ない結果のプロットでした。

今回一緒にあげる予定の(というかあがってるはずの)エピローグのほうに詳しく載ってます。

最初に書いたときはあまり気にしてませんでしたが、改めてプロットをチェックしたら
何か5・6話位軽くいきそうなことが分かって、せっかく2話目を書いていたのですが、さっさとあきらめてしまいました。
短くまとめる能力って大事ですよね。そういう力のある人ってうらやましいです。
次があったらがんばってみます。

関係ない話ですが、
この話のシチュエーション、意外と応用利く気がします。
預ける場所を変えればヒロインとかいかようにもなりそうだし。

…書く時間無いけどね。

初出 >>37 改訂 >>198
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