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パチュリー1

最終更新:

orz1414

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■パチュリー1


君がいてくれるのなら、なんだって出来る。
絶対に寂しい思いなんてさせない。
喘息だって治してあげられる。
だから・・・だからパチュリー、目を開けてくれよ。
お願いだからもう一度、笑顔を見せてくれよ。
生きていた頃の君に、逢いたいよ・・・。  

1スレ目 >>18

───────────────────────────────────────────────────────────

既に日の暮れた紅魔館の中の図書館に俺はまだ居た。
俺の仕事というものがまだ終わってなかった為だ。
普通な役職の俺の主な仕事といえば、図書整理と、この中の警備の二つ。
前者は本当に時間がかかるし、後者はどこかの白黒の魔法使いが来たら、色々な
覚悟を決めなければならない事が欠点だ。
だが、そんな仕事にもいい事というのは存在するものだ。
「…仕事は終わったの?」
「あぁ、パチュリーさん。まだ終わってませんから、先に戻ってくれても構いませんよ」
この図書館の主、パチュリー=ノーレッジが、そのいい事の大半を占めている。
貴重な本を貸してくれたり、普通では手に入らない本なんて見せてもらうのも珍しくない。
それよりも俺にとっては、パチュリーさんに出会えることが一番の喜びだった。
「ダメ。私は最後まで残って、鍵を閉めなきゃならないから」
「でも、遅くなりますよ?」
「待ってるから、さっさと終わらせて」
と彼女はイスに腰掛けて、本を読み始めた。
待っていると言ったから、多分俺の仕事が終わるまでずっとここで本を読んでいるつもりだろう。
「分かりました。じゃあ行ってきます」

………

約一時間かかって、管理カードを書き終えて俺は戻ってきた。
白黒の持っていった本に時間がかかったという理由なのは内緒だ。
「パチュリーさん、終わりました…よ?」
「すぅ…すぅ…」
俺を待っている間、どうやら本も読み終わったらしく、パチュリーさんは眠っていた。
それにしても、身体が細くて白い。ちゃんと栄養は取っているのだろうか?
いや、それよりもこの後をどうするかだ。このまま放っておくのも夢見が悪いけど、何の許可もなしに
身体に触るのもなぁ…。こういう時の頼みの小悪魔の娘も居ないし…
「仕方ないか…」
悪いとは思ったがパチュリーさんを背負う。思ったとおり彼女の身体は軽かった。
やっぱり栄養を取ったり、運動したりした方がいいよなぁ…

ようやく辿り着いた時に、パチュリーさんは目を覚ました。
「ここ、は?」
「パチュリーさんの寝室ですよ」
背から降ろしてしばらく支えてやる。初めはフラフラと危なげだが何とか普通に立つ。
「それじゃ鍵は俺が閉めますから、お休みなさい」
鍵置き場から鍵を回収して部屋から出ようとすると、いきなりパチュリーさんに袖を
握られた。
そこからは、もう既にスローモーションだった。
パチュリーさんの唇が近づいてきて、俺の唇にそっと触れた。
それがキスだという事を理解するのに、二、三分はかかった気がするが、多分普通の時間的に言えば
数秒なんだろう。
「お休み…」
最後に顔の赤いパチュリーさんを見てから、俺は――さっさと部屋を出て行った。
図書館を出て鍵をかけて自分の部屋に戻ってから、まだ唇にあの感触が残っていた気がした。

やっぱり…これは、そういう意味なんだろうか?




あれ以来、どうもパチュリーさんと一緒にいると気恥ずかしくなってしまった。
考えてみれば俺って、女の人にキスされた事なんてないんだよな…。
いや、ファーストキスなんてロマンチックに言う気はないけど…どうも、しっくりこない。
もしもパチュリーさんが寝ぼけててキスしたなんて言ったら、それはそれで悲しいけど。
「あ…そこ、間違ってますよ」
「…あ、すいません」
どうやらずっと考え事をしていたためか、手元の管理カードの記入にミスをしてしまっていたらしい。
小悪魔の娘に謝ってから、記入を訂正する。それほど大きなミスではないが、失敗には違いない。
「どうしたんですか?今日もボーっとしてますね」
「いや、ちょっと寝不足で…」
あながち間違ってはいない。
あの日以来、夜はずっとあの時の事を考えて、最近の寝る時刻といえば、前寝ていた時間の半分くらいだ。
「もしかして、パチュリー様と何かありましたか?」
「…!いえ、別に何にも無いですよ!?」
何やってるんだ俺。あからさますぎてバレバレだ。
俺のその様子に、小悪魔の娘はくすりと笑い、
「パチュリー様は魔理沙さんとあなたが来てからお変わりになりました。
魔理沙さんとは良い友人として、あなたに対しては――」
とそこで言葉を切る。
「…俺に、対しては?」
「恐らく、あなたが考えている事と同じだと思いますよ?」
俺が考えている事って…。いや、そんな事があるはずがないよな…。
「…それでは、頑張って下さいね」
それだけ言って、小悪魔の娘は次の仕事に移ろうとしていた。
「…待ってくれ」
俺の言葉に小悪魔の娘は振り返る。
今、彼女に対してどうしても言わなければならない事があった。
「何ですか?」
「…ありがとう、これで少しは勇気が出た」
彼女は先ほどと同じような笑みを浮かべて
「いえいえ、パチュリー様が幸せなら、いいんですよ」
それはまるで、娘を嫁に出す母親のような言葉だった。



俺の方は昨日の小悪魔の娘の言葉で、今日告白する覚悟はできた。
しかし俺は全くといって良いほど、他の可能性を失念していた。
「…どうして、今日に限ってパチュリーさんが休みなんだよ!」
「あの、図書館ではお静かに…」
「あ、すいません…」
そう今日はパチュリーさんは体調を崩してお休みなのだ。
それもかなり心配なのだが、俺がこのテンションを保つのも無理が出てきた。
昨日のままなら、まだそのままの勢いで告白できると思っていたのだが、今になって
不安が出てきた。
「…はぁ」
「やっぱりパチュリー様が居ないと作業がはかどりませんね」
俺の方を見ながら言う小悪魔の娘。
どうせ俺はパチュリーさんが居ないとやる気が出ない男さ…。
「仕方ないですし、今日はもう終わりにしましょう。あなたも面会したいでしょう?」
「あ、まぁ…」
…本当は心配でしょうがない。体調が悪いのはいつもの事だけど、俺の方もいっぱいいっぱいなのだ。
できる事なら、スパッと事を進めたい。
「…ちゃんと行ってきて下さいね」
「はいよ」
…やっぱり、何か持ってくべきだよな。しかし俺が持ってるものでパチュリーさんが
喜びそうな物なんて無いんだけどな…。
そう考えながら、俺は紅魔館の中庭に足を運んでいた。




『えっと、パチュリー様のお見舞い?じゃあ、これとか持っていってね』
初めに、服装やら何やらが中国っぽい門番にそう言われて花束を渡された。
『パチュリー様のお食事、持っていってあげてね』
その花束を持ちながら紅魔館と図書館を繋いでいる廊下近くを歩いていると
いきなりメイド長に止められて、お盆とお粥まで持たされた。
…何で俺がパチュリーさんのところに行くって分かってるんだ?
いや、まぁ仕事とかで一緒にいることが多いけどさ…。今日、休みだってみんな知ってるだろうか?
『果物とかも持っていってあげなさい』
最後にこの館では昼間、出会う事がほとんどありえないお嬢様と遭遇して、そんな事まで言われた。
それだけ持たされた俺の腕はほとんど機能停止寸前だったが
果物と花束を一緒に袋に詰めて、お粥を片手で持つという荒業で何とかなった。
しかし、この作戦には重大な欠点がある。
彼女の寝室に辿り着いた時、目の前のドアを開けられなかった。
「…どうしよう」
「はい、どうぞ」
救いの女神は案外近くにいた。いや正確には彼女は小悪魔だが。
とりあえず彼女に感謝しながら、俺は部屋の中に入った。
気を利かせたのか小悪魔の娘は鍵を取っていった。どうやらもう閉館予定らしい。
「ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
いつもの笑顔で、小悪魔の少女は微笑んだ。



寝室で彼女――パチュリー=ノーレッジは規則正しい寝息を立てていた。
どうやら症状は安定しているらしい。
「…う…ん」
「起きましたか?」
「…何で、あなたがここに…?」
寝ぼけながら身体を起こすパチュリーさん。
「お見舞いですが、迷惑でしたか?」
「そんな事……ないけど…」
このまま行くと、気まずさが更に上がる気がして俺は慌てて話題を振った。
「こ、これ門番の人から花束です。あと、こっちはお嬢様から果物です」
「レミィ…から?」
何とも意外そうに声を上げる。お嬢様もあまり果物なんてあげないようだ。
「後はご飯ですけど…食べれますか?」
「…ちょっと今の状態じゃ、普通に食べるのは辛いかもしれないわ」
「そうですか…温かいうちが美味しいと思うんですけどね」
「……て」
とても小さな声で、パチュリーさんは何事かを呟く。
「はい?」
「た、食べさせて」
上目遣いに頬を染めながらそんな事を言う彼女に対して、その時の俺は
ちょっぴり、くらっときてしまった訳で…
「え、と…じゃ、あーんして下さい」
食べさせてもらう方と、やっている方どっちが恥ずかしいんだろう?とそんな無駄な事を
考えながら俺は高鳴る鼓動を押さえていた。
「…あーん」
おずおずと小さな口を開いて、レンゲを口に入れる。
「どうですか?」
「……おいしい」
そりゃメイド長特製ですから、と言おうとして言いとどまる。
何となく言いたくなかった。理由らしい理由は、分からないけど。


結局、彼女はお粥を全部食べ終わってしまった。
しかし流石にあーんというシチュエーションは初めてだった。
やってみると死ぬほど恥ずかしい。
「…それじゃ、果物を剥きましょうか」
「レミィからの林檎ね…」
魔女が持つ林檎は毒林檎という相場が決まっているけど、パチュリーさんじゃ
適用され無さそうだな…。
「はい、じゃあ剥きますよ」
慣れているわけじゃないけど、ここにきて最初の方に叩き込まれた技能に皮むきはあった。
「……あーん」
これは、また食べさせろと? いや、死ぬほど恥ずかしいだけで、それ以外は別に問題ない。
むしろ、率先してやらせてもらいたい。
「はい、あーんです」
…そんな独特で甘い空気がしばらく流れた。

「……さて、本題に入りましょうか」
その後、しばらく本や白黒への対策など他愛のない話で盛り上がり、俺は決心した。
「私もあなたに、伝えなければならない事があるの」
まさか彼女にも重大な話があるのか?
「…別に良いですけど、急ぎのお話ですか?」
「いえ、他愛のない話だから、あなたの後で良いわ」
他愛のない話、か。じゃあ多分、大丈夫だろう。
「…えと、それじゃ一回しか言いませんから、よく聞いてください」
よく深呼吸して、呼吸を整える。今なら普通に言える、そんな気がした。
「パチュリーさん、俺、あなたが好きです」
「……そう」
「…返事は――」
「いいわよ」
「そう、ですか…やっぱり…って……はい?」
「いいって言ったのだけど」
…いい、って事はこれはOKって事だよな?
「…お、俺の用事はこれで終わりです!パチュリーさんの用事って何ですか!?」
慌てて言う俺に対して、パチュリーさんは赤い顔で俯きながら
「…あなたが大事だって分かったの。だから一生、私と居て、下さい――」
俺は、その日陰に生きる本の少女を急に愛しくなって、抱き寄せた。
「…ははっ、喜んで…パチュリー」
嬉しい時の涙という物を、俺は初めて流した気がした。
その日の俺はまさしく、人生最良の日だった。


蛇足――
これは彼が彼女に対して告白した後のお話である。
「…お嬢様、あの行動に関してなのですが」
「あぁ、咲夜の言いたい事は分かっているわよ。どうして異種族同士の恋愛を助長するような事を
したのかって事でしょう?」
この館の主であるレミリア=スカーレットは紅茶を飲みながらカーテンを開く。
まだ空は完全に夕闇に染まっていない。微かに出ている月を見て
「だって友人の恋愛を応援しないものなんて居ないでしょう?」
それはそうですが、と言おうとする。咲夜の口を押さえて
「彼とパチェは寿命が違いすぎるの、きっと彼はパチェを置いてこの世を去るでしょうね」
…友人には幸せになってもらいたい。
だからこそレミリアは彼に対して、少しだけ力を使ったのだ。
パチュリーが彼を思っていることは前々から知っていた。滅多に人間の話題を出さないパチュリーは
彼の話が出てくるたびに、どことなく嬉しそうに話す。
あぁパチェは彼に恋をしているんだな、と感覚的に悟った。
たとえ非業の死が二人を別っても、愛の絆は永遠にその心の糸を結び続けるだろう。
「それで咲夜、お願いなんだけど、あの役をやってくれないかしら?」
「いえ、それはお嬢様がやるべきでしょう。二人を繋ぐ紅い糸を、作り出した張本人なのですから」
「ダメよ。私は真剣な場で何を言うか分からないもの」
「多分、大丈夫だと思いますよ。あの場では」
結婚式の場というのは、新郎と花嫁が主役だ。
そして、その愛を壊すものは誰一人としていない。
誰もが祝福をしにその場所に集まるのだから――


「これより、行われる誓いは神の前において嘘偽りなく、
己が心に正直に答える事。よろしいかしら?」
「はい」
「はい…」
式場の中は明るく、それでいて厳かな雰囲気に包まれていた。
神父の役をやっているお嬢様は淡々と聖句を読み上げるが時折、パチュリーに
優しそうな笑顔を覗かせる。
「新郎、――。汝、健やかなる時も病める時も、新婦パチュリーに生涯、永遠の愛を誓うか?」
「誓います」
こうなる事を俺は望んでいた。
そう彼女と一緒に人生を歩む事を…
「では、新婦パチュリー。汝、健やかなる時も病める時も如何なる時も新郎――を愛する事を
誓うか?」
パチュリーはその聖句を聞きながら俺の方を一瞬見た。
「……誓います」
してやったり、といった表情を見せながらお嬢様――神父は言った。
「では、誓いの口付けを…」
「…パチュリー」
俺はパチュリーのヴェールを持ち上げる。練習とかで何度もやったはずなのに
どうも、みんなの前でやるその時だけは妙な気恥ずかしさに襲われた。
唇が触れた時、俺はみんなが騒がしくなるのを肌で感じていた。
口で騒いでいるわけじゃない、心が騒いでいるんだ。
「…ありがとう」


教会――と言っても実際は大きな外部屋を改修したものだが――から出ると
大きな歓声に包まれた。この声はすべて祝福のものなのかと思うと、心地よく感じる。
太陽の光が苦手だといった彼女も、今回だけは特別なのか
眩しそうに目を細めるだけでいるだけだった。
「…神社とかでやってくれると嬉しかったんだけどねえ」
紅白の巫女が唇を尖らせていた。
「まぁまぁ、普通に祝福してやれよ。目出度い席なんだからさ」
と白黒の魔法使いが諌めるように巫女の肩に手を置く。

「おめでとうございます。――さん」
いつの間にか小悪魔の娘が近くまで来ていた。
思えばこの娘のおかげで、俺はこうなったのかもしれない。
「…ありがとう。キミのおかげで俺はこうなる事が出来た」
「いえいえ、私はちょっと後押ししただけですよ。だから、こうなったのはあなた自身のおかげです」
「…それでも、ありがとう」
俺の言葉に小悪魔の娘は「どういたしまして」と言い残して、祝福する声の渦に入っていった。
「…さぁてパチェ、そろそろブーケを投げなさい」
神父の役をしていたお嬢様もいつの間にか着替えて、ブーケが投げられるのを今か今かと
待っていた。
見ると、他の女性達もそれを待っているのか妙にそわそわしている。
「パチュリー」
「…えぇ」
上空高くブーケは投げられた。
そのブーケは弧を描き――





End




如何でしたでしょうか?
これは誤字とか加筆修正を加えたものであり、あんまり内容は変わっていません。
ちなみに結婚式を、つい最近になって見てきたのは内緒です。
とりあえず、俺×パチェのSSはこれでお終いです

1スレ目 >>260

───────────────────────────────────────────────────────────

「よっと、邪魔するぜ」
 そう言って入ってきたのは、魔理沙だった
 このヴワル図書館の常連者でもあり……そして本泥棒だ
「お、○○じゃないか」
「魔理沙、今日は勝手に本を持って行くなよ。
 ……あとでパチュリーさんに怒られるのは俺なんだから」
「おいおい、それじゃまるで私がここに来るたびに本を取っていくような言い草じゃないか
 それにだ。私は本を借りているだけだぜ?」
 ――未だに返しに来るところを見たことないけどね。
 と、まぁ言ってもしょうがないので心の内に閉まっておく。
「それにだ、今日はパチュリーにちょっと用があってな。
 本を借りに来たわけじゃない」
「パチュリーさんに?」
「ああ。というわけだ、パチュリーがどこに居るか知らないか?」
「パチュリーさんなら…えーと―――」
 俺はパチュリーさんの大体の居場所を魔理沙に伝える。
「サンキュ。助かったぜ」
 そして、手に持った箒に跨り――
「そうだ。今度、また外の世界の話、聞かせてもらうぜ。
 じゃあな!」
 白黒の魔砲使いは俺の視界から消えていった。


 私が本を読んでいると、遠くから騒がしい音が聞こえてきた。
 この飛行音、おそらくは魔理沙だろう。
 そして、間もないうちに白黒の魔砲使いが姿を現した。
「よぅ、パチュリー」
 上空から聞こえてくる声。
「何? 今日もまた何か持っていくつもり?」
「おいおい…どうしてお前も○○も第一声がそれなんだ?」
「常習犯だからに決まっているからじゃないの」
「私は泥棒か何かか?」
「泥棒じゃないの、それもとびっきりの」
「酷い言われようだぜ」
「で、今日は何の用?」

 その後、魔理沙と取り留めのない会話をする。
 最近の出来事、取り留めのないこと、その他色々…
 しかし、どことなく違和感を感じる。
「…というわけなんだが…… どうかしたか?」
 どうやら思考が顔に出ていたらしい。
 ただ、向こう側から問いかけてくるのであれば、ここは流れに乗させてもらうことにした。
「魔理沙…あなた、何か隠していない?」
 きょとん、とする魔理沙。
「何かって…別になんにも隠していないぜ?」
「そうかしら。さっきまでの会話、何か違和感を感じたわ
 ――そうね。一番聴きたい事を中々繰り出せない。
 と、言ったところかしら?」
「――――」
 沈黙が訪れる。
「やっぱ、分かるか?」
「私は知識と日陰の少女、パチュリー・ノーレッジよ。
 私が持つ知識の中には読心術の心得もあるわ」
 魔理沙は観念したかのようにため息をつき――
「その、だな…
 ○○ってさ、誰か…誰か好きなヤツって……いるのか?」
 息が詰まる。
 今、魔理沙はなんて言ったの?
「いや、いざ本人にそれを聞くのは…ちょっと、な。
 で、パチュリーなら、もしかしたら知っているんじゃないかと思ってな……」
「………け…ゃない」
「…? パチュリー?」
「いくら私でも、他人の好いている人が分かるわけないじゃない!」
「!?」
 本当に自分が出したのだろうかと疑いたくなるような、大きな声。
 こんなに大きな声を出したのは生まれて初めてかもしれない。
「ど、どうしたんだ、パチュリー… そんな大きな声を出して……」
「え、あ…ごめんなさい。魔理沙が変なことを聞いてくるから…つい」
「…そうか」
 多分。いや、絶対。魔理沙は○○のことを――
「その…○○だけど……」
 だから私はあえて聞くことにした。
「好きなの? 魔理沙」
 魔理沙の本心を。

「ああ――好きだぜ」


 その後、話すことがなくなったので魔理沙は帰っていった。
 そして幻想郷の夜が訪れる。
 私は自分のベッドに腰をかけて、昼間のことを思い返す。
 魔理沙が――○○のことを好き。
 実はそのことは薄々感づいていた。
 最近、魔理沙と会話するとき、大抵○○のことが話題に上がってくる。
 その時の魔理沙の顔は、意気揚々としていたのに気が付いた。
 
 だが、そのことに気がついたもの、ある一つの理由から。
 だって、私も―――
「あの人の事が―――好きだから」

 ある日、俺はパチュリーさんに呼び出された。
 やっぱまたお咎め…か? というか、それ以外特に理由が浮かばないが…
 まぁ、なんにせよ。行けば分かるということだ。

 数分後、パチュリーさんの部屋の前に立つ。
(さて…鬼が出るか、蛇が出るか。答えはこの扉の向こう――か)
 意を決して、ドアをノックする。
「パチュリーさん、○○です」
「いいわ、入ってきなさい」
「…失礼します」
 ドアを開け、部屋に入る。
 そして、テーブルに備え付けられた椅子に腰掛けるパチュリーさんを見る。
「それで…なんのようですか?」
「そんなに急かさなくてもいいわ。…とりあえずこちらに来て腰掛けなさい」
「はぁ…」
 意図がつかめないが…
 とりあえず、言われたとおり向かい側の椅子に腰掛ける。
「今回あなたを呼んだのは…そうね。少し話をしようと思って、ね」
「話…ですか」
 珍しいこともあるものだ。パチュリーさんから話の誘いがあるなんて。
 …まぁ、パチュリーさんと話す機会自体珍しいので、俺としてはうれしい限り。だが――
「しかし、なんでまた」
 当然の疑問といえば当然というべきか。
「特に理由なんてないわ。ただ、あなたと話がしたかった。それだけよ」
 だが、彼女から帰って来た言葉はアッサリとしたものだった。
 ――俺は、夢でも見ているのか?
 そう思いたくなるような返答。
 つまりは普段からは到底考えられない理由ということだ。
「その前に…」
 パチュリーさんは、テーブルに置いてあるポットを手に取り、カップに紅茶を注いでゆく。
「あ、それぐらい、自分が」
「いいのよ。たまには自分でやるのも面白いものだわ」
 これまた普段の彼女からは想像出来ない行動であった。
 普段なら子悪魔さんか、俺がいれるのだが…自分でやるなんてことがあっただろうか。
「はい、どうぞ」
「あ、はい。頂きます」
 カップが手渡される。
 それを手に取り、一つ軽い礼をして紅茶を一気に飲み干す。
「相変わらず、一口で飲み干すのね」
「あ、はい……。癖みたいなものなので……すいません」
「いいのよ。飲み方なんて人それぞれだわ。
 礼儀に沿った飲み方をする人もいれば、貴方のように自分の飲み方をする人もいるもの」
「そう…ですね
 …ところで、話って、一体なんですか?」
「ん…そのことなんだけど

 貴方、何か違和感を感じない?」
「違和感…ですか?」
 別に何も感じない、と言おうとした矢先、体に異変が起きていくのを感じた。
「な…っ!?」
 あ。コレは、なんかマズイ。
 凄い、嫌な予感がする―――。
「ふふ…先ほど貴方に飲ませた紅茶。実はとある魔薬を含んでいてね? ふふふ……」
 パチュリーさんの、目が、怪しく耀く。
「――お休みなさい。 ○○」
「パチュ―――――」
 言葉を言い終えることなく――俺の精神は深遠の底へと沈んでいった。



「ふふふふふ……」
 目の前には、私の薬で倒れたあの人が居た。
 安らかに、まるで寝ているかのようにうつ伏せている。
「でも、もう目覚めることは――」
 そう。この人は目覚めることは、もう、ない。

 
 魔理沙が○○のことを好きと聞いてから、
 私はあることを考え始めた。
 
 この人を私のものにしたい。
 この人を私だけのものにしたい。
 この人を誰にも渡したくない。
 この人を魔理沙に渡したくない。
 この人を魔理沙にだけは渡したくない。
 
 そして、これが私の結論。
 私の部屋に閉じ込めて、私だけのものにする。
 貴方の顔も、躰も、手も足も。
 全て私だけのもの。
 何も語ってくれないけれど――それでも

「貴方は、私だけのモノよ……」

「よぅ、パチュリー」
「…あら、魔理沙」
 図書館で本を読んでいると魔理沙がやってきた。
「相変わらずな生活を送っているな。たまには外に出てきたらどうだ?」
「そんなの、私の勝手でしょう?」
「ま、それもそうだな…
 おお、そうだ。最近○○見かけないんだけど、知らないか?」
 私は心の奥底でほくそ笑んだ。
 普通であれば、何も知らないフリをするか、嘘を付けばいいのだろうけど――
「○○なら私の部屋で寝いているわ――」
 あえて私は本当の事を言う。
「―――永遠にね」
「なっ――――」
 驚愕する魔理沙。
「あの人は、私だけのもの―――誰にも、特に、魔理沙だけには渡さないわ」
 静まり返る図書館。
 完全無音が世界を支配し、時が止まる。
 そして、やはりというべきか。静寂の世界の針を動かしたのは魔理沙だった。
「それは、どういう意味だ。パチュリー」
「言葉通りよ。彼は私の部屋で寝ているわ。
 しかも、ただの睡眠ではなく、私の造った魔薬によって永遠に目覚めることのない眠りに付いているわ」
 その台詞に魔理沙は反応して、私の襟元を掴む。
「どういうことなんだよ、パチュリー!?」
「どういうことも…魔理沙。貴女○○の事が好きなんでしょう?
 私は○○を魔理沙に取られるのが嫌だった。
 だから――こうしたのよ」
 流石に魔理沙も気が付いたらしく、ハッとする。
「パチュリー…まさか、お前」
「そうよ。――私も○○の事が好きだもの!
 だから私は彼を私だけのものにするためにこうしたの!
 他の誰にも取られないようにするため!
 魔理沙に○○を取られないようにするために!!」
「この……バカッ!!」
「そうよ! 馬鹿みたいでしょ!?
 でも、あの人の事が好きで好きで好きで好きでしょうがないのよ!」
「だったら、直接想いを伝えればいいじゃないか!!」
「しようと思ったこともあった!
 でも、怖かったのよ! 振られるの怖くて!」
「っ…この大馬鹿パチュリーッ!!」
 瞬間、弾ける様な音が鳴ると同時に、私の頬に痛みが生じた。
 魔理沙が、叩いたのだ。
「この、大馬鹿…!
 コレはアイツのとの約束だから言うつもりはなかったけど、
 もうガマンできない!!」

「アイツはなぁ!!」



「―――嘘」
 私は言ってやった。
 アイツとの約束だから絶対言う事はないと思ったけど、
 この馬鹿を説得するにはこれしかないと思った。
「本当だ。――この前聞いた。嘘なんかじゃない」
「…っ!」
 パチュリーはこの場を離れ、自分の部屋へと飛んでいった。
「はぁ…悪いな、パチュリー。叩いちまって」
 自分の手を見る。
 かなり思いっきり引っ叩いたので、かなりヒリヒリする。
「…わりぃ、○○。約束、破っちまった」

 それは数日前のこと。
 私は○○に告白した。だが――
「悪い、魔理沙。気持ちはうれしいけど。――俺には、好きな人がいるんだ」
 と、あっけなく振られてしまった。
 で、その好きな相手というのが
「俺は、パチュリーさんが――いや、パチュリーが好きなんだ。
 ただ――正直向こうがどう思っているのか怖くて……
 だから、いつか俺自身がパチュリーに告白するときまで
 この事は魔理沙の胸の内に秘めておいてくれないか?」
 とのことで。
「つまりは、まぁ。両想いだったって訳だ」

 とんだすれ違いや、恋に臆病な二人が起こした小さな騒動。
「ま、親友として二人を祝福するぜ」
 そうして魔理沙は図書館を後にした。
 ――一筋の雫を頬に流しながら。

 深遠の闇が広がる世界。一切の光が存在しない世界。
 俺はここにいた。
 ふわふわと浮いているような感覚。
 体を動かそうにもまるで動く気配が無い。
 そこには、ただ薄れた意識だけが存在していた。
 
「……!!」
 ――声が聞こえた。
 懐かしい声。久しぶりに聞いたような気がする。
 それと同時に、闇の中に一粒の光が生じた。
 俺はそこに向かって意識を飛ばす。
「…! ……!!」
 より一層光が大きくなった。
 声も先程より良く聞こえるようになった。
 この声は――ああ。
「お……い! ……て!!」
 再び大きくなる光。先程と同じく。より聞こえるようになった声。
 俺の、愛しい人の声。
 その、愛しい人の名は―――
「お願い…! 起きてっ……!」
 ――その瞬間、世界が光で包まれた。
「……パチュリー」
 そこには――愛しい人の涙に濡れた笑顔があった。



 私は紅魔館の廊下を歩いていた。
 あの人が呼び出してくれた場所に向かうため。
 
 あの後、私は安堵心からそのまま寝てしまった。
 寝顔を見られたのは少々恥ずかしいが、○○が目覚めてくれて本当に嬉しかった。
 あの薬は対象者を永遠の眠り――とは言っても、別に死ぬというわけではなく、
 永遠に睡眠させる薬、といったものである。
 外の世界の言葉を使うならば――植物人間、と言う言葉が一番近いかしら。
 ともかく、本来なら目覚めることは絶対ない筈なのだが。
「奇跡……とでもいうのかしらね」
 普段なら使わないであろう言葉。
 だが、こんな事が起きたのであれば、それはもう奇跡と呼ぶしかないだろう。
 
 そして――
「お待たせ」
 あの人の所へ辿り着いた。
「パチュリーさん」
 優しく微笑みかけてくれる。
「それで、話って、何かしら?」
「えー、っと、その。ゴホン」
 私の大切な人。
「俺は、パチュリーさん……いや、パチュリー。
 ――俺は、君が好きだ。君と共に一生を歩んで行きたい。
 もしよかったら、俺と付き合って…くれないか?」



「―――よろこんで、お受けいたします…」

                          fin


えー無意味に長くなってしまいました。

結果的には『自分×パチェ』になりました。

なんかキャラが崩壊している気が…いろんな意味でごめんなさい
ちょっと纏まっていない感じがする。
大抵の流れからすると「眠る=死」なんだけど、魔理沙は何故か気が付いていた模様
そこら辺は目を瞑っていただきたいorz

1スレ目 >>346>>351-353

───────────────────────────────────────────────────────────

「貴方と一緒に生きることが、得られる筈の知識をどれほど失わせるか解る?」
「確かに君にとっては、俺はそんなものかもしれない。
 だが俺は、通り一遍等の知識では到底得られないものをお前に与えてやることが出来る。
 俺の今までの、そして残りの人生全てをかけて誓ってもいい。
 俺は、誰よりもお前を幸せにしてやれる。どんな知識よりも尊いものをお前に経験させてやる。
 絶対に後悔はさせない。だから俺と…」

しつこく食い下がる俺。俺の気持ちは、想いは、そんな一言で泡となり消えてしまうようなものじゃない。
それを感じ取ったのか、先刻までの無関心、無感情な顔をあらぬ方向へそむけるパチェ。
その表情は気のせいか、少し悲しげにも見える。

「どうしてそんなに…」
「どうして?決まってる。お前が好きだからだ。愛しいからだ。何よりも大切で、誰よりも愛してるからだ。
 君のニ百年の知識がどれほどかは分からないが、俺のこの想いが劣るとは思わない」

俺が想いを放つ度に、その体躯を震わせるパチュリー。顔は完全に下を向き、表情はこちらからは見えない。
言葉を噛み締めているのだろうか、膝の上に置かれている手の、震えが、徐々に、強く、なって、いって―――



その、手の上に、一滴の、涙が、零れた―――――――


長い、その長い長い沈黙は、永遠にも、一瞬にも感じられ、
さながら、罪を告白するかのように、パチュリーが言葉を紡いだ。


「………百年前、幻想郷はとても賑やかだった。沢山の妖怪や幽霊達。……それと、幾人かの人間。
 紅白の巫女、白黒の魔法使い、この館のメイド長、だった、人。
 毎日賑やかで騒がしかったけど、不快ではなかった。

 でも、その日々は有限だった。

 みんな、先に逝ってしまったわ。でもそれも当たり前、人間ですものね。
 数百の年月を生きる妖怪と違って、人間はせいぜい数十年。種族が違うことを、これほど恨んだ時はなかったわ。

 最初はみんな気付かない振りをしてた。
 
 でも、宴会を開くたびに、弾幕ごっこをするたびに、
 あの楽しかった日々が、もう二度と訪れない事に、みんな徐々に気付いていって。

 ……そして、幻想郷は変わってしまった。

 レミリアはここを飛び出したし、冥界の姫は静かにその生を終えたというわ。
 ……亡霊が生を終えるというのも、変な話だけれど」

 言って、パチュリーはクスッと笑う。自虐的な笑みを浮かべて。
 
「だから、貴方がどんなに想ってくれても、私には無理。
 アレはみんなの心に深い傷跡を残した。もちろん、私にも。
 もう二度と私はあんな思いをしたくない。
 私はもう二度と、人間と関わる気はない」

静かな告白。俺は何も言うことが出来なくて――――

1スレ目 >>429-430 >>427を受けて

備考:未完。さあ、続きを(ry
>>>427~
分類不可1を参照のこと。

───────────────────────────────────────────────────────────

SS書きは東方キャラを愛しているか?
「生涯忠誠! 命懸けて! パチェ萌え! パチェ萌え! パチェ萌え!」

1スレ目 >>821

───────────────────────────────────────────────────────────

_________________
「パチュリー、紅茶淹れたぞ」



<(本を読んでいる)ありがとう、そこに置いといて。・・・○○、辞書はどこかしら>
_________________

「えーと・・・ほれ」



<ありがとう>
_________________

「・・・・・・・・」



<・・・・・・・・(ぱらぱら)>
_________________


「・・・・・・・・」

<・・・・・・・・(ぱらぱら)>

_________________

「・・・・・・・・」
<・・・・・・・・(ぱらぱら)>

_________________

「・・・・・・・・」<・・・・・・・・>

_________________

「・・・・・・・・」<・・・抱きつかないで>

_________________

「いいじゃん」<本が読めないわ>

_________________

「なあパチュリー・・・」<何よ・・・ん・・・>

_________________

「<・・・・・・・・・・・・・・>」

_________________

「・・・ふう」<・・・ふはっ>

_________________

「なあパチュリー」<何よ>

_________________

「愛してるぞ」<・・・・・・・>

_________________

「・・・・・・・」<知ってるわ>

_________________

「・・・そうか」<・・・そうよ>

_________________

「・・・・・・・」<・・・・・・・>

_________________

「・・・・・・・」<・・・・・・・>

_________________

「・・・<・・・・・・・・・・・>」

_________________

(がちゃり)

〔パチュリー様ー、○○さーん本の整理についてご相談したい事・・・が・・・〕


「・・!!<・・・・・・・・!!>」
__________________


1スレ目 >>866

───────────────────────────────────────────────────────────

 パチュリー・ノーレッジ様は紅魔館一のお風呂嫌い
本を読めない時間は無駄なの、なーんて言っちゃって
あれを鴉の行水って言うのよね。なんて囁かれてるし
それを言うならもやしの行水よ。調理前にさっと水洗いだけだから


変化の少ない紅魔館の生活も少々飽き気味。仕事変えてもらえないかなぁ
だってね、パチュリー様って暗すぎるの。図書館が暗いからかしら
でも掃除部は大変だしぃ…調理部は面白そうだけど、私料理苦手なのよね
「ねぇねぇ。知ってる? 人間の男が1人雇われたって話」仲間のメイドから、驚くべき知らせ
な、なんだってー(AA略
図書館に人手が欲しいし、丁度いいわ
…いいオトコかしら? …あんま期待しちゃダメよね
でも外界から来た人間って…?
なんかすっごい弾幕とか撃ちそう…どうやっても避けられないとか
カラフルなだけの弾幕とかは絶対嫌よ。意味無いしぃ


「パチュリー様、おはようございます」いつもの朝…なはずなんだけど
「…おはよう」本当パチュリー様は暗いのね。朝なのに
「もう知ってるかもしれないけど、外界から来た方よ。…ここで働きたいって」
へぇ…割といいオトコかも。少しは楽しめるかしら?
「レミィが連れてきたらしいけど…何か思うところでもあったのかしら」
うわぁ…なんか意外。あのお嬢様が、ね
「よろしくお願いします」
わわっ礼儀正しいのね。思わずドキンとしちゃったじゃない
「あ…え、えっと宜しくね」しっかりしろッ私。先輩らしく威厳ってモノを出さなきゃ
「それじゃ、あなた色々教えてあげて頂戴。」
思いもかけぬ言葉に、私の胸は高鳴るばかり


 それから十日ほど。私としては彼に図書館の仕事を全て教えたつもり
彼ったら真面目なの。礼儀も弁えてるし、素敵よね
私ったら彼のことばかり見て、失敗ばかりでパチュリー様に起こられたり彼にフォローされたり
…その度に胸がキュンとする
「そこまで思いつめてるんなら、告っちゃいなさいよ」仲間は気軽にそういうけど
私なんてしがない一メイド
私も人間だったら良かったのに


「どう? 彼の様子は。ちゃんとやってくれてるかしら」
パチュリー様は私を呼び出すと問い掛ける。いつも通り本から目を離さずに
…全然見て無いのかしら
「はい、凄く真面目ですしミスもほとんどありません。立派な方だと思いますが」
私としては素直に答えたの。本当のことだしね
「そう…」
私は見逃さなかった。パチュリー様の頬がうっすらと紅潮したことを
よりにもよって、ライバルがパチュリー様だなんて
私にどうしろって言うの?
私が手を出していいわけないじゃない
それこそパチュリー様お得意の魔法で一発で消し飛ばされるに決まってるじゃない
御機嫌を損ねて吹き飛んだ同僚だって見たんだからっ
木の符で吹き飛ばされるの?
水の符で貫かれるの?
金の符で押しつぶされるの? どれだって嫌よ


…熱いキスを交し合ってる二人がいた
覚悟はしていたけど、いたたまれないものね
私の恋は終わった
でも…こっそりサポートするのもいいかも。彼が幸せなら
義理と人情秤にかけりゃ、ってね
だったら私は義理に生きるわ
彼の同僚として、先輩としてね
…頑張ろっと


 パチュリー・ノーレッジ様は紅魔館一のお風呂好き
綺麗になるための大事な準備よ、なーんて言っちゃって

1スレ目 >>937

───────────────────────────────────────────────────────────

「何よ、また埋まったの?」


眠たそうな呆れたような目でその少女は言う。
そう、俺は埋まっていた。ちなみに、埋まる前は本の整理をしていた。
幻想郷広しと言えど、整理中の本の雪崩に巻き込まれるのなんて俺くらいのものだろう。
俺の名はやがて「雪崩に巻き込まれる程度の能力」の持ち主として幻想郷中に

「暫くそのままで良さそうね」
「はい下らない事考えてましたごめんなさい。 助けてパチュリー パチュリー助けて」

少女の名はパチュリー・ノーレッジ。外見こそ少女のそれだが、生粋の魔女にしてこの魔法図書館の主だ。
―俺は元々幻想郷の外の人間だったが、まあ色々あって、この図書館で雑用っぽい事をしている。

「何回目だっけ?」
「はい。今日だけで3回埋まってますがどう見てもドジです。本当に」
「ドジね」
「ありがとうございました。」

何事も無かったかのように俺に背を向けて歩き出すパチュリー。スルーかよ、ノってくれよ。

「おいてかないでー」

あ、こっち向いた。 …そんな目で見んでも。

「はぁ…」

ため息こそつかれたが、彼女は俺の前まで戻ってきてくれた。

「手、出せる?」
「なんとか…って、魔法使わんの?」
「貴方の周りの本、殆どが魔道書よ」
「オチが見えたので手で引っ張り出して下さい」
「ん」

白く小さな両手が本の山から生えた俺の手を取る。
暖かく柔らかい。…そういやパチュリーの手に触れたのは初めてな気がする。
悲しくも外の世界で女性経験に恵まれなかった俺は、こんな事でも思考がテンパってしまうのだ。

「あー、あんまり無理せんでも。 誰か呼んで来てくれるだけでも良いし」
喘息持ちの彼女に無理はさせられない。
けど引っ張られている手に意識がいってしまい、何だかぎこちない言い方になってしまった。

「んー」
パチュリーは特に気にした様子も無く、ぐい、ぐい、と彼女なりに力を込めて俺の手を引っ張る。
やがて、いくらか動かせる程度まで腕を出す事ができた。

「オッケー。後は自力で出られそ…うおッ!?」
「っ!」
本日4度目のドジ。自由になった腕を急に動かした所為で、新たな本の雪崩を以下略。
まあ要するに――どう見てもドジでした。

まあ、俺の周りの本が崩れたお陰で抜け出せるには抜け出せたんだが
まあその…前のめりに倒れこんだワケで、俺の目の前には彼女がいたワケで。

四つん這いになった俺の下に、彼女がいるワケだ。


「・・・」
普段はあまり表情を出さない彼女が、頬を染めて、僅かに潤んだその瞳を閉じ
――いや、今そんな表情されるとマズいから!色々と!

「どう見ても押し倒してます。本当にありがとうございました。」
…何とか誤魔化してみる。そうでもしないと気恥ずかしくて開花宣言しそうだった。


「そうね。どう見ても 押し倒してるわねえ」
頭上から聞こえる突然の声。 …頭上?

見上げてみる。


…


「ヤア!咲夜サン! こんな所で会うなんて奇遇ですネエ!」


アハハ 咲夜サン何て顔してんだよ それ人間がしていい表情じゃナイヨ咲夜サン咲夜サン咲夜s…



                 ――― その日は 俺が幻想郷に来て以来 最も辛く長い 一日となった

>>114

───────────────────────────────────────────────────────────

「……こりゃ、下は相当な有様ですよ」
紅に染められた館に、振動が響き渡る。
肌に感じるのは、常識外れの魔力の奔流。
「そんなことっ…けほっ…言ってる場合じゃ…!」
「駄目ですパチュリー様!まだ身体も魔力もボロボロなんですから!」
ベッドから起き上がろうとしたパチュリーさんを、小悪魔さんが制止する。
その強い剣幕に、彼女はジト目で睨み返していたが、やがてベッドに沈み込んだ。

紅魔館の地下には、レミリアさんの妹がいる。
全てを破壊しつくすと言われている吸血鬼、フランドール・スカーレット。
地下で続けられている激闘は、その妹さんが満月の影響で暴走したことに端を発する。

「レミィ……魔理沙……咲夜……」
シーツを握り締め、小さく漏らすパチュリーさん。
地下に向かったのは姉のレミリアさん、俺の師匠の魔理沙さん、メイド長の咲夜さん。
どう見積もっても、やり過ぎじゃないかと思ったこのメンバーが、小一時間も闘っている。
妹さんと俺はまだ面識はないが……パチュリーさんまで行こうとした以上、相当な相手なんだろう。
(……策はある。咲夜さんが無事なら…まだ)
闘いが長引くにつれて、不安が強くなっていく。
敗北の2文字なんて、どうしても当て嵌まらない3人でも、負けることがあるのだろうか……?
ズゥゥゥン……。
一際大きい地響き。
それが、決着だったのだろうか。先程までの痛いくらいの魔力の波が、うっすらと引いた。
「うそ……」
「そ、そんな…」
2人もその変化を感じたのだろう。
様子からすると、負けたのは……。
「小悪魔さん。夜明けまで…いえ、月が沈むまで、あとどのくらいありますか?」
「え!?あ、そうですね…4時間といった所でしょうか」
4時間……か。まともに闘える時間じゃない。少なくとも、俺の主観時間では。
「……咲夜に地下室全体の時間をある程度止めてもらって、月が沈むまでの時間を稼ぐ。
地下室と外の時間の流れをずらし、少ない戦闘時間で持ちこたえる……といった所かしら?」
「パチュリーさん…気付いてたんですか?」
「けほけほっ…残ってる戦力は、私達と美鈴。
貴方が行く計画なら、全部読めてたことになるわね」
貴方が考えそうなことね、とも付け加えられた。
「しょ、正気ですか?」
「いやまぁ、俺に正気も狂気もあってないようなもんですけど」
驚く小悪魔さんに、軽口で返す。
幻想郷に来る前の自分だったら、絶対に自分から行こうだなんて思わなかった。
だから、狂ったと言われても仕方ないけど……変われたと信じたい。
「半人前の魔法使いに、妹様の相手が務まると思ってるの?」
床に伏せっているとはいえ、パチュリーさんの言葉には力がある。
知っているが故の、説得力。
「半人前って……これでも、4分の3くらいまでは行ってると思うんですけど。
小悪魔さん、探してほしい魔導書があるんですが……」
小悪魔さんにタイトルを伝えると、彼女は足早に図書館の方へと消えていった。
「4分の3でも、1人前には届かないわよ。
それに、無知は剣にはなっても盾にはならない。貴方は妹様を知らな過ぎる」
「盾なんて最初から持ってませんよ。俺は剣しか持ってませんし。やってみなけりゃ解りませんよ」
腰に下げた剣を見せて、笑いかける。彼女は呆れたのか、深々と溜息を漏らした。
「はぁ……何を言っても無駄みたいね。魔理沙以上に無茶するとは思わなかったわ」
「一点だけでも魔理沙さんを越えてるなら満足ですよ」
「……他には、図書館でのマナーくらいは褒めてあげるわ」
「そりゃ光栄ですね」
そこまで言うと、彼女は黙り込んで、そっぽを向いてしまった。
……横になっている彼女の側には、大低小悪魔さんが付き添っている。
それが今はいない。俺が頼んだ訳だけど。
2人っきりでの――――沈黙。
本を読んでる時はそうでもないけど、互いに黙ってると……気まずい。
「……怒ってますか?」
「呆れてるだけ。
……そういえばその剣、何処から持って来たのよ」
「魔理沙さんのコレクションからです。俺、接近戦の方が得意なんで。
バレたらマスタースパークで消し炭にされそうなんで、内緒にしてくださいね」
瞬間、彼女は物凄い勢いで向き直った。……直後に咳込んだけど。
「貴方ねぇ…壊したりしたら、本気でやりかねないわよ」
「…マジですか?」
「貴方の師匠なんでしょう。想像力が足りないわよ」
……想像してみよう。
魔理沙さんが真っ正面から…いや正面に限らず、俺を狙ってあの魔砲をぶっ放して来たら……?


『お前の飛び方は丁寧過ぎて退屈だぜっ。
ま、その分狙いやすいんだがな。
恋符「マスタースパーク」!』


「何笑ってるのよ」
「あ~……今から会う妹さんより、魔理沙さんの方がよっぽど恐いだけです」
妖怪と弾幕りあったことはある。弾幕がどんなものかも、大体解る。
ただ、魔理沙さんの本気の弾幕だけは、見たことがない。
「原型…残ればいいなぁ」
「妹様には楽観的なのに、魔理沙には悲観的なのね」
「師匠なんで…はは、まいったな。
だったらいっそのこと、パチュリーさんの弟子にしてもらえませんか?」
苦笑いしながら、口に出してみる。帰って来た答えは…概ね予想通り。
「私が消し炭にされそうだし、お断りするわ。でも……」
「パチュリーさん…?」
そっと手が触れられた。少し冷たくて、白くて、綺麗な手。
「美鈴や咲夜に話を通してちゃんと入って来るなら、図書館に来るのは構わないわ」
彼女は、いつも本を読んでいる横顔からは想像出来ない、優しい表情で微笑んでいた。
「え、あ、そのっ……」
「貴方の言葉なら、魔理沙も本持ってくのを自重するかもしれないし。
……何で赤くなってるのよ」

俺には……言えない。

側にいるだけで、触れ合えるだけで、満たされてしまうから。

この幸福を、俺の欲張りで壊したくないから。

「……何でも、ないですよ」

だから、その手を握り返すことで答える。

俺が出来るのは、きっとこれが精一杯……。

「あ、あの、お二人とも……」
「こ、小悪魔!?あなたいつから……っ!」
「いいい今先程来たばかりで何も見てません聞いてませんっ!!
わわわわわ賢者の石なんか持ち出さないで下さい~!
ごめんなさいお二人がいい雰囲気だったのでとても間に入れなくて……。
ってパチュリー様本気ですか私謝ったじゃないですかぁぁぁ~っ!?」
「問答無用!
火水木金土符『賢者の石』!」
「いやぁぁぁ~~っ!?」
あ~~……うん。
本気の弾幕って、このくらい苛烈なんだな。
避けられるように、俺も精進しないと。
「きゃぅっ!」
あ、小悪魔さん、また被弾してる。
この密度じゃ無理もないか。
・
・
・
「ごほごほっ……」
「ううぅ……私はただ、パチュリー様の笑顔が見ていたかっただけですのに……」
「じゃ、そろそろ妹さん止めてきますけど……大丈夫ですか?」
俺から見れば、2人とも大丈夫そうには見えない。
被弾しまくった小悪魔さんは、さながら咲夜さんにお仕置きされた美鈴さんみたいにボロボロ。
加害者のパチュリーさんも、元々体調を崩してた所でスペルカードを使ったためか、一層具合を悪くしている。
加えるなら、屋内でスペルカードを使ったためか、図書館の方まで結構な被害が行ってる。
小悪魔さん、結構逃げ回ってたからなぁ……。
「そうね……けほっ…。今更止めても行くんでしょ?」
「今なら、俺が時間稼ぎにならなくても、まだ美鈴さんがいますから」
こんな状態じゃなければ、看病していたかったけど、そうも言ってられない。
魔理沙さん達が先発なら、俺は中継ぎ、抑えは美鈴さん、ってトコか。
妹さんがとんでもない弾幕張ってたら、中継ぎどころか捨て石にもならないかもしれないけど。
「小悪魔さん、パチュリーさんを看てて下さいね。
……後で、図書館の整理手伝いますから、元気出して下さい」
「……はい」
しょげている小悪魔さんを慰めると、俺は本を手に取り地下室に行くために立ち上が―――
「ちょっと待って…」
――ろうとして、袖を掴まれた。パチュリーさんだ。

「本はちゃんと返してよね。その……貴方自身の手で」

……言葉に詰まった。
伝えたい気持ちが、一気に強くなっていく。
剣を握る勇気はあっても…………それでも俺は、その境界を超えることは出来なかった。

「ありがとう……ございます」

だからせめて、それ以上自分の気持ちに嘘はつかないように、大事な人の手をぎゅっと握り返した。

「な、何がよ…?」
「何とか、最後まで戦えそうってコトですよ」
困惑している彼女の手を離し、笑いかけると、俺は図書館を後にした。

―――図書館から出た俺は、辺りに誰もいないことを確認して、目を閉じてみた。
あの笑顔も、手の温もりも、彼女への想いも、ちゃんと心の中にある。
伝えることも叶わない想いでも、心の中にちゃんとあるなら、それはきっと力になるはず。

だからきっと、負けたって立ち上がれる。そんな気がする。
生を諦めかけた自分が、幻想郷での生活で立ち直れたみたいに。

「じゃ、行きますか」
目を開き、自分に対して呟く。

甘い時間はもう終わり。
ここから先は、勝負の時間。
4分の3の魔法使いが、お相手しましょう……。




「ごほごほっ…小悪魔。明日からでいいんだけど、探して欲しい薬があるの」
「あれ……喘息の薬、もう切れてましたか?」
「人の話は最後まで聞く。
見つかりづらいと思うから、永遠亭の薬師に話を聞いた方がいいかもね」
「はぁ。それで、何の薬を探せばよろしいんですか?」
「その………バカにつける薬」
「………あの、パチュリー様?誰が使うんですかそんなの」
「い、いいじゃないのそんなこと……あ、レミィ達には秘密でね」






ちょみっとだけ後書き……っていうかむしろ懺悔

一部始終をゆかりんが見てそうだw
まさに、「スキマ様が見てる」

今回の話、そーとー前から妄想だけはあったんですが、スレ見つけるまではただの妄想で終わってました。
しかしスレ見つけて、書こうとしたらさあ大変。

書きたいことが多すぎる(妄想が過ぎます)。
全部書こうとしたら量がとんでもなくなる(文章能力的に許容量オーバー)。
そもそも全部書いてたらいつまでかかるか分からない(遅筆なんです)。
少なからずともパチュが泣く展開に(自分パチュ萌えなんです)。

とまあそんなこんなでレティが文になるくらい(失礼)内容削減。
結局こんなんなりました。合唱。

削減前の大筋は、
1.この後魔法剣でレーヴァテインとチャンバラ。
2.相打ち(魔力使いすぎが死因)で、三途の川へ。
3.色々と小町に諭されたり弄られたりで彼岸へ。
4.えーき様からお説教、色々あって白玉楼へ。
5.ゆゆ様に引っ張られてもう一度紅魔館へ……。

うん、絶対書ききれない。書かなくてよかった。自分じゃ質が保てない。
いや保つほどの質もないけど悪化しないよりはマシです。

プロポとは違いますし告白もありません。イチャついてもいません。
キスもなけりゃ抱擁もないです。きっと雰囲気違いますね、すみません。
ココアの甘さよりは、微糖のコーヒーみたいな。切なく苦いけど暖かい、みたいな。
手を繋いだだけの幸せでも大事なことを……あーもー言葉に出来ません。
本当にバカにつける薬が欲しいです。対象はもちろん自分自身。

もうこのまま長々と続きそうなんでここいらで止めときます。
1週間全力投球で書ききれただけで満足ですもん。

それでは読んで下さった皆様、
このスレを設け、盛り上げた全ての皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

>>122

───────────────────────────────────────────────────────────

 紅魔館の厨房の片隅で、包丁の音がリズミカルに響く。
パチュリーさんに料理を教えて欲しいと頼まれたのはつい先日の事だ。
図書館の雑用として配属された筈の俺だが、みょんなことで作ったパチュリーさんへ
の食事を気に入られてしまってから、彼女専用のコックへと昇進(押し付け)と相成ったのだ。
まずは基本的な料理の作り方と食材の切り方等から教えていく。
千切り・微塵切り・短冊切り・十文字切り・天空剣Vの字切り──
何か間違っているような気もするが気にしない事にした。


彼女の可愛らしいエプロン姿──
真剣なジト目──
つまりはパチェ萌(ry


一月も経過する頃には、彼女の奇行は紅魔館中の噂になっていた。
三度の食事や風呂より読書…であった以前からすると奇行と考えられるのも無理は無い。
「……パチュリーさん」
「何?」
「どうして、急に料理を学ぼうなんて気になったんです?」
ぎこちなさの残る彼女の手を制止させ、包丁の手本を見せる。
「……わからない?」少しの沈黙の後、声を小さく、だがはっきりと告げる。
「あなたが……好きだからよ」
刹那、左手に激痛が走る。
「うあっ!」思わず包丁を放り出す。
思いもかけない告白に動揺してしまったか、指に包丁がざっくりと入ってしまった。
反射的に水桶に手を入れる。水が瞬く間に紅に染まる。
「…! ちょっと待ってて…薬とか探してくるわ」

──あなたが……好きだからよ

彼女が戻ってくるまでの間、その言葉が頭から離れなかった。
今まで女の子と縁など無かった。それなのに…。

 ほどなくして彼女は薬やら包帯やらを持って戻ってくる。
青い色の液体が入った小瓶──これが究極幻想のボーションなる代物だろうか。宝箱の鍵を開けたりする薬ではなさそうだ。
「…手、見せて」
水から手を出す。激痛に思わず声を上げたくなる。
「止血の、魔法よ」
彼女はそう言うと、顔を近づけて俺の指をその小さな口に含む。
「ちゅ……ん……んぐっ」
顔を紅潮させながら指を柔らかく吸い、患部をそっと舐め上げる。ごくんと喉を鳴らして血を飲み込む。
「さっきの返事…してなかったな」
彼女の細い身体を引き寄せ、抱き締める。
「ん……」紅く汚れた小さい唇を塞ぐ。
初めて愛した女性の唇は、薬と血の味がした。


******
176を見てパチェに指パチュ…指チュパさせたくなった

>>186

───────────────────────────────────────────────────────────

「フゥ…ようやく半分読み終えたか…」
「○○、独り言を声に出さないで」
「あ、すみません」

僕は今、紅魔館の図書館で読書をしている。
たまには本を読むのもいいかな?と思ってココに来てみたのだが…
ちょっと声を出すたびにココの住人であるパチュリーに注意されてしまうのだ。
…まぁ、確かに図書館内では静かにしないといけないのが常識なのだが…

「○○?あなたの持っているその本…」
「ん?これがどうかした?」
「ああ、やっぱり。それって私の読みたかった本よ。返しなさい」
「え…でも今読んでる途中だしパチュリーも今違う本を…」
「いいから返しなさい」
「…ハイハイ」

まぁ、こんな感じで僕の持ってきた本は何故かパチュリーの読みたかった本であることが多く、奪われてしまうのだ。

「…さてと、ちょっと休憩」
「○○、休憩するなら紅茶を淹れて来て頂戴」
「ん、分かりました」
「それと、適当に本を持ってきて。あなたが選ぶ本は何故か私の読みたい本であることが多いから」
「ハイハイ…かしこまりました」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「淹れて来ましたよ。オレンジペコーですけどいいですか?」
「ええ、分かってるじゃない○○」
「ハハ…なんとなくですよ。で、いくつか本を持ってきましたが…」
「…あら、全部私の読みたかった本…」
「え…?ハハハ、なんつうかそのすごいですね…」

ちなみに僕の持ってきた本は10冊である
…パチュリー、そんなに読みたい本があるのか…

「ねぇ…いくらなんでもおかしくない?」
「ん?何がですか?」
「何であなたは私の好みとか読みたい本が分かるのかしら?」
「え?いや、何ででしょうね?僕はただその場その場で決めてるだけですけど…」
「…研究の必要がありそうね」
「ハイ?」

あ、なんだか嫌な予感が…

「あ、その…僕帰ります」
「(ガシッ)逃がさないわよ…」
「え、ちょっとタンマ…」
「フフフ…しばらくココに泊まっていきなさい」
「い、いや…そんな迷惑ですよ…」
「あら、ココの図書館は少なくとも私が管理してるのよ。あなたが泊まるぐらいわけないわ」
「…まぢすか」
「フフフ…楽しみね…」

ああ母さん…たった今僕は人間から研究対象に格下げされました…

「…って、何で人の服脱がしているんですか!」
「研究するのに衣服はジャマなの。我慢しなさい」
「うう…恥ずかしい…」
「…どうでもいいけど立派ね」
「そんなに見ないでくださいよ!」
「研究するのに研究対象を観察しなくてどうするの?」
「ううう…なんでこんな目に…」

…パチュリーって一体…

「…って何やってんですか」
「何って…体温を測っているんだけど」
「いや、何で体温を測るのに抱きつかないといけないんですか!」
「体温計が無いのよ」
「…なんでそういう日常で必要なものが無いんですか…というかどうやって抱きついて体温測るんですか!?」
「人肌」
「…いや、そんな一言で言われましても…もう、好きにしてください…」

…五体満足で帰れるかな…
というか、本当に家に帰れるかな…

「ってパチュリー、顔が近いんだが」
「よーく見る必要性があるのよ」
「いや、だからと言って近すぎ…んむっ!?」

え…なんでキスされてんの?

「ぷはぁっ…な、何をしてるんだよ!」
「唾液の採集」
「いや、だからそんな一言で片付けるなよ…ってかキスする必要性あるのか!?」
「人間の唾液を採取するにはこれが一番いいのよ」
「ウソダドンドコドーン」
「他にも方法はあるけど…面倒くさいのよね…」
「出来ればその方法でやって欲しかったよ…(ファーストキスだったんだぞ…)←小声」
「何か言ったかしら?」
「いいや、何も」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「さて次は…」
「まだあるのかよ…」
「ネタばらしね」
「は?」
「実は…今までの検査って何の意味も無いのよ」
「…えっ」
「研究するのには服を脱がす必要はないし、体温計はちゃんとある。そして唾液なんて最初から採集する必要性が無い」
「…嘘だろ…じゃあ…じゃあなんでこんなことをしたんだよ!」

パチュリーはいきなりそっぽを向いて言った

「あなたが…好きだから…」
「…はい?」
「あなたを愛してるから…だからこんなことをしたの」
「……」
「もう…逃がさないわよ」

そういうとパチュリーはいきなり呪文を唱え始めた
すると図書館の戸の鍵が閉められていた。

「もう、私以外開けることは出来ない…」
「…そんな態度で示さなくても…良かったのに」
「いいのよ。これが私なりの愛情表現なの」
「やれやれ…」
「…ねぇ、あなたは私のことどう思ってるの?」
「どうって…好きじゃなかったらこんなことには付き合わないよ。…って言っても無理やりつき合わされたっぽかったけどね」
「…嬉しい」
「さてと、パチュリー?これからどうするんだい?」
「そうね…とりあえずは…」

そういってパチュリーは僕にキスをした。
先ほどとは違い、求めるような大人のキス。
僕もそれに精一杯答えた。
そして…

「パチュリー様ぁ…図書館から出れなくなって…」
「「あ…」」
「……」
「……ハハハ…よぉ、リトル」

小悪魔がいるのを忘れてた…
ちなみに今はパチュリーが僕を押し倒し、僕はパチュリーの胸を触っている状態である…

「…し、失礼しました…ごゆっくり…」
「リトル…後で司書室に来なさい…」
「…パチュリー?何をする気だ?」
「決まっているでしょ、お仕置きよ」
「パ、パチュリー様!?」
「あなた、私たちの楽しみをジャマしたんだから当たり前よね…」
「い、いやぁ…」
「…ハハハ…こりゃまた……はぁ…」


はい、どう見てもネチョまで後一歩です。ありがとうございました。
なんつうかその…すみませんでした

>>196

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――――妖怪は人間を襲う。

――――人間は妖怪を退治する。

――――そう、当たり前の事。






ある日、いつも通り本を読んでいたら魔理沙が来た。
だが今回は、もう一人変わった少年を連れてきた。
その少年は妖怪が好きらしい。…そんなことはどうでもいいが。
咲夜が四人分の紅茶を持ってきて、二つを私と魔理沙のところに置く。
その後、少年(りりと言うらしい)に近づいて、
「りり君、あなたのことを待っている方がいるの。来てくれる?」
その声に少年が少しおびえた顔をした。
「大丈夫…たぶん何もされないわよ」
すると魔理沙が口を挟む。
「待ってるって誰なんだ?」
誰かが待っている。それは私も興味があった。
「お嬢様です」
その答えに私は少し驚いた。レミィが興味を示す事は滅多に無いのだ。
「あー…ダメだな。私はそいつを守れと言われているんだ」
流石に魔理沙でも人を見殺しにはしない。これは普通の事である。
だが、今の私にはレミィが何に興味を持っているかが気になった。
「魔理沙…きっとお嬢様はなにもしないわ」
それに、お客として呼んでいるのだ。それを殺すことはレミィのプライドが許さないだろう。
「そうは言ってもな…りりどうする? お前が決めろ」
少年は行くだろうとは思うが、一応は見てみる事にする。
「わ、わかりました。その…お嬢様に会います…」
その言葉に咲夜は少年を連れて出ていった。

<ここから、自作部分です>

「……大丈夫かな。あいつ」
パチュリーに何もしないといわれても気になることは気になる。
「大丈夫よ、レミィはよほどの事が無い限り、お客様を殺すなんて失態はしないわ」
「よほどの事って、どう言う事だ?」
「そう、例えば…」
そう言ったと私に指を指して。
「あなたが本を百冊借りたまま返さないとか」
「おいおい、百冊も借りてないぜ?」
「今、八十三冊目よ」
そんなに借りていたとは知らなかった。
と、そろそろ少し返してやろうかと考えていたとき、
「にゃー」
…猫?
「おー、パチュリー。随分上手い声真似じゃないか」
「私じゃないわよ、この子よ」
そう言って膝に乗せていた(座っているので死角)から猫を取り出した。
その猫は全身紫色で、はっきり言って変わった猫だった。
「ついに猫イラズじゃ敵わなくなったのか」
「猫イラズは代用品。この子が里帰りしている間の」
冗談めかしていったつもりだが、パチュリーは真面目に返してきた。
というか、猫が里帰りなんて聞いた事が無い。前に回転する尻尾が二本の黒猫なら見たが。
「でも、アレルギーとかしつけとか色々大丈夫なのか?」
「この子は特別よ。一応使い魔のようなものだし」
「使い魔、ねぇ…。便利なのか?」
「まぁ、実験台とか魔力増幅装置みたいなものね」
「それじゃあ戦闘には使えにくいんじゃないのか? 落ちたりすると危ないし」
「飛べるからそこらへんは問題無いわ」
流石はパチュリーだ、極悪非道だぜ。
これ以上聞くと、この猫が可哀相になってきたので話を変えることにする。
ちなみに猫はパチュリーの膝の上に帰還していた。
「そ、そういえばさ」
「何?」
「パチュリーは弟子とか取らないのか? あの薬師みたいに」
「もう弟子なんて取らないわよ」
まぁそう答えるだろうとは考えていたが、一つの言葉が頭に引っかかった。
「もう? ってこは、取った事あるんだな」
「ええ、一人だけ」
「パチュリーが弟子なんて取るなんてな」
「悪い?」
悪くは無いが、ありえないと思っていた。
「…その話し、詳しく聞きたい?」
「ああ、聞きたいぜ」
ネタになることは間違い無い、反射的に身を乗り出しす。
「それは、むか~しむかしのことじゃった…」
「まてパチュリー。その言い方だとおじいさんが桃を割って中から出てきた人間が鬼を退治しそうだ」
鬼といえば、あの鬼はどうしたのだろうか?
「仕方が無いわね…」
そう言うとパチュリーは話し始めた…。
「それは、そう。30年くらい前でね、ここで起こったのよ…」


――――人間が妖怪を食べる? 無茶ね。


30年前にも図書館に住んでいた私は、いつも通り本を読んでいた。
ちなみに、その頃は誰もいなくて、一人で黙々と読んでたわ。
でも、それが一つの出来事によって壊され始めたのよ…。

「…? 誰かしら?」
突然の気配。しかも図書館の奥から。
無論メイド達は近づいてこないし、ありえない事だ。
「……面倒だけど、読書の邪魔になるし…」
そう言うと少し浮かんで気配のほうに近づいていった。

「で、そこには誰がいたんだ?」
「一人の少年よ。背丈は私より小さいわ」
「おいおい、随分小柄だな」

その少年は、周りの本棚を呆然と見ていただけだった。
「あなた、誰? どこから来たのかしら?」
いきなり殺すのも悪いだろうと思って、その少年に話しかけた。
「…えっと、僕は○○です。村から来ました。…それ以前にここはどこですか?」
いきなり話しかけてきたのに答えるとは変わった人間だ。
というか、進入してどこか知らないと言うのもおかしな話しである。
それに、普通の人間なら湖の真ん中にさえ近づけないはずである。
「ここは、図書館よ。あなた、何でここに来たのかしら?」
「えーっとですね。…頭の上で指をくるくる~っと回したら、何時の間にかここに来てしまいまして」
正直ありえない。魔法も何も唱えずに指を頭の上で回しただけでここについてしまったのである。
「あなた、回す前に何か考えてた?」
「たしか、大量の魔法の本が読みたいって、微かに」
なるほど、つまりは念じている最中に術式か何かが出来あがってしまって、ここに来たわけである。
だが、移動呪文はかなり高度な呪文である。それを適当にやって出来るのだろうか?
それに、私は彼に興味があった。
「…あなた、魔法を使いたいと思う?」
何故かは解らないが、なぜかこの少年には魔法を教えても良いかもしれない、という考えが生まれていた。
「魔法ですか? 使いたいですよ」
「親は?」
「…居ません。………前に妖怪に殺されました」
それなら好都合である。
「そう。じゃあ、ついてきて」
そう言ってもとの場所に戻った。


「で、若き○○はダークサイドに落ちたのか」
「何の話よ」
「まあそれはともかく、なんで弟子なんかにしたんだ?」
「才能がね、あったのよ。彼の目を見たら解ったわ」
「勿論、それ以外の理由もあるんだろ?」
「……………胸キュン?」
「イメージ崩れるぞ」
「余計な御世話。それで、彼は私の事をなぜか先生と呼んだのよ。理由はわからないけど」
「まぁ、悪い気はしなかっただろ?」
「まぁ…ね」


「…ここまでが基礎の基礎。わかった?」
「解りました」
うん、私が教えた事をすぐに飲み込んでくれるので正直教えがいがある。
「さて、次は……。…ついてきて」
「? はい」
理由も聞いてこないので、いちいち説明する必要が無くて楽である。
その割に質問は良くする。変わった子だ。少し抜けているところも少々。
二人が着いたところは本棚の境目である。
「この本棚をパッと見渡して。周りのよりも明るい本があったらそれを取る。解った?」
「はい。…でも、なぜですか?」
「周りよりも明るい本はあなたの得意魔法。とりあえず得意のからやるべきだから…。まぁ、私は全部だけどね」
それで納得したのか、順順に見渡していく。
…が、全然目にとまるものが無いらしく、一つ二つと取りに行かずに通る。
(この子には、得意魔法が無いのかしら…?)
そう思いかけたとき、
「あ、ありました!」
やっと見つけられたためか、喜び勇んで取りに行った。
そうして戻ってきたときには四冊の本があった。


「何の本だったんだ?」
「光、闇、日、月よ」
「じゃあそれが得意属性だったんだな」
「しかも、最後の地点にあったのを取ってきたからね、随分嬉しかったんじゃないかしら」
「でも、得意属性の本が一冊ってのはありえないじゃないか? ここは魔法図書館だぜ?」
「元々、その四つの属性については少なかったから。それだけしか目に入らなかったのかもしれないわね」


レミィと○○の出会いはそれはもう変わったものだった。
「え~っと日の呪文…は、こうやって…」
ああ、どうして彼は普段難しい属性が得意なのだろう…。
暴発が恐くて仕方が無い。本を読んでる暇さえないのだ。
「わっ!」
と、いきなり部屋が眩しくなった。
「ど、どうしたの!?」
「呪文が発動しちゃって」
「どんな呪文!?」
「えっと、たしか…ロイヤルフレア」
「ロイヤルフレア!? まさかあなた、本を右開きしたでしょ!」
「ええ、まあ」
○○は眩しくないのか? こっちは眩しすぎるが。
「魔道書は左開き! それじゃあ高位呪文から覚える事になっちゃうじゃない!」
「えーっと、これを解く方法は…」
なんて暢気に探してる。やっぱり眩しくないようだ。
と、
「パチェ? 入るわよー」
レミィが入ってこようとしてきた。…拙い、吸血鬼に日光は死と同じである。
「レミィ! 入ったら死ぬわ!」
「何言ってるのパチェ? そんなわけないじゃない」
死にます。灰になってお終いです。
それならばと思って○○の方を向くが、眩しくて全然見えない。
「○○! 闇の魔法で相殺!」
もうなんど大声を出したか。それを聞いた○○は、
「あ、はい。えーっと、オリエンタルダークブライトは、こう…」
暢気に読んでいる。あー、もう。
「早く!」
と、術式が出来たのか。今度は真っ暗になってしまう。
それなのに○○は本を読んでいる。暗くて読めなくないのか?
―――ガチャ
「うわ! 全然見えないじゃない!」
間一髪、レミィが生還しました。ってそういう場合じゃない。
「○○、なんて書いてある…?」
恐る恐る尋ねる。
「えーっとですね。一度空間を包み込んで闇にしたあとに大爆発。です」
あーなるほど、それでロイヤルフレアを包み込んだと。って、
「また右開き!?」
「ええ、負けるとダメだと思って…」
「左舷から開くの! なにやってんの!?」
今、なにか電波が入りました。大変結構でございます。
じゃなくて! このままだと全員死んでしまう。
「○○! 範囲を極限まで小さく出来る?」
「やってみます!」
そう言うと、一部を除いて元の明るさに戻った。
「そのままの状況で維持!」
「はい!」
そして呪文を唱え、○○が小さくしたところを包み、圧縮して、固める。
「もう、良いわよ…はぁ」
ここまで、疲れたのは始めてだ…。
「そうですか?」
「何が何だったのかしら…」
「二人とも能天気過ぎるわよ…」
「それはともかく…、この玉どうしますか?」
「それ? それは閃光弾として使えるけど…、今使ったらレミィが灰になるわ」
「というか、あなた誰?」


「っていう感じでね、それはもう大変だったんだから…」
「パチュリー、愚痴っぽくなってるぞ…」
「でね、そのころはまだ私弾幕のこと教えてなくて…」
「酒、入ってんのか?」
「酒といえば、○○は酒もダメでね…。悪酔いはしないんだけど苦手で…」
「おーい店主! 酒一本追加!」
「店主とはな……アチャー!(ヘッドバット」
「???」
「でね、そのころはまだ私、くわしい弾幕の事教えてなくて…」
「いかん、ループしてきた…」
「まさか、中国に負けたのよ?」


なぜか○○は来ない、散歩に行ってくると言ったっきり全然。
心配になってきたので、最近雇ったらしい門番のところに聞きに行く。
つもりだったが、
「ちょ、聞いてくださいって!」
「貴様のような人間、見た事も聞いた事も無い!」
元凶だった。
○○は最近外に出ないため、○○のことが門番の耳に入っていなかったのだ。
この門番、得意技が体術のために、私達のような魔法使いには相性が悪いのだ。
そういえば、スペルカードについて教えるの忘れていたのも関係しているのかも。
(あ、詠唱中に止められた。…まぁ、そうでしょうに)
と、そろそろ助けに行ってあげようとしたところに。
「なっ!」
門番が出した突きをかわして掴み、前のほうの足を払った。
しかもその行動中にも詠唱を続け、終わらせる。
「ふるいけやかはすとびこむみづのをと!」
視界が一瞬眩しくなった。
直視はまぬがれたため、すぐに目が元に戻る。
と、そこ居たのは。
目を回している門番が一人。
…○○は逃げたらしい。
(まぁ、あの子らしいわね。あまり危害を加えないあたり)
思わず苦笑してしまう。さて、戻るか。


「なんでそいつは攻撃しなかったんだ?」
「まぁ、紅魔館の人だからというのが理由ね」
「……そのころから中国は負けてたのか…」
「その後にスペルカードとか色々教えたわ。あの子は弾幕ごっこの素質もある見たいだったし」
「ほぉ、一度戦ってみたかったな」
「う~ん、自分から仕掛けるタイプじゃなかったけど…。やるときはやる子だったわ。強さは…そのころは普段の私と同じぐらいね」
「そうなると、そろそろパチュリーのほうが弱くなるんだな」
「…喘息のせいよ」
「っていうか酔いは醒めたのか?」


――――人間が妖怪を食べる? まぁ、鳥なら良いんじゃない?


出会ってからほぼ一年。○○はメキメキと力をつけていった。
そしてあくる日、いつも通り(?)起きる…が○○の気配が無い。
と、置手紙があった。
『先生へ、
  少しばかり出かけてきます。
             ○○』
なぜか、悪寒がした。
さすがに普通の妖怪程度なら簡単に倒せるだろうとは思うが、何故か心配になった。
それも錯覚と思い、とりあえず本を読む。
一日目、帰ってくる気配が無い。まぁ里帰りでもしているのだろうと思い気にしないでおく。
二日目、やっぱり帰ってくる気配無し、流石に少し心配になってきた。
そして三日目、
いつも通り本を読んでいたらレミィが来た。
「パチェ」
「何?」
「あの子、死ぬわよ」
「え…?」
突然の言葉に声を失う。
「今日の夜、死ぬ運命にあるわ」
「そう…」
何が悪かったんだろうか、やっぱり三日も空けると魔力が尽きるのだろうか?
「そうじゃないわよ。あなた、殺したくないでしょ?」
「…当たり前よ」
内心、とても焦っている自分がいる。しかしそれを必死で押しとどめる。
「だったら、なんで何もしないのかしら?」
「…運命、なんでしょう?」
「……パチェ、あなたが知らないとは思ってもいなかったわ」
「なにを、かしら」
「運命はね、それがわかっていたら変えられるのよ。過ぎたものなら変えられないけど、まだ過ぎてもいないものなら変えられるのよ。
 知っているのに変えないのは、それがいい事かバカだからね」
「………」
「なんで、何もしないのかしら?」
「もし、助けられなかったら?」
「たとえ、助けられなくたって別の道がある。足掻かないでいるのは、バカな証拠よ」
「………」
「…パチェだから、教えてるのよ」
「……それは、友人だからかしら?」
「それもあるけど…、パチェが悲しんでる姿なんて見たくないし」
そう言い終えるとレミィは出ていった。
(運命は変えられる…か。…でも、もし死んでいたら)
『たとえ、助けられなくたって別の道がある』
『足掻かないでいるのは、バカな証拠よ』
気がついたら、外に飛び出していた。


外はもう夜。それでもパチュリーは探しつづけた。
『運命はね、それがわかっていたら変えられるのよ』
(変えて、みせる!)
しかし、外は暗闇である。どこを探しても見つからない。
(魔力で探そうにも…、たぶんいつもの魔力じゃないからわからない…。
 …○○が、日か光の魔法をつかってくれれば…)
そう思い、辺りを見まわすがその類のものは見当たらない。
と、
――――ズガンッ!!
大きい破裂音がした。その後、激しい閃光がパチュリーを襲う。
(これは…!)
前に、ロイヤルフレアをオリエンタルダークブライトで包み込んだものを固めた記憶がある。
(…たしか、その後○○に渡した気がするわ)
しかし、光は一瞬で音も感知しづらい音だった。
(でも、微かに魔力はある)
その魔力の元に向かってパチュリーは駆けた。

「○○!!」
そこにいたのは、満身創痍の倒れている○○と、妖怪の群だった。
「先生!? あ、危ないです!」
「大丈夫よ。…今日は、喘息の調子が良いから」
そう言い、二枚のスペルカードを取り出す。
「木&金符『エメラルドメガリス』」
魔法が妖怪達を襲う。
が、
「無傷…?」
「この妖怪は、全ての属性に、対して…耐性を持っています……」
それでは倒せない。心の中で舌打ちをしながらもを解決策を探る。
妖怪達は徐々に迫っていき、逃げ場が無くなってきた。
「……先生。僕に考えが」
「なに?」
「…先生の全てのカード、貸してください」
その一言でパチュリーには全てが読めてしまった。
「まさか、○○! あなたまさか………!」
「……そうです、全ての魔力を解き放てば、倒せるはずです」
○○は マ○ンテを となえた!
ぼうそうした まりょくが てきをおそう!
なんてちゃちなものではない。下手をすれば体ごと吹き飛んでお終いである。
「ダメよ! そんなことで、命を捨てるの!?」
「しかし、このままだと先生まで!!」
○○は自分を助けようとしてそんなことを言っている。それは解るが、納得が出来ない。
「でも!! あなたが…」
「大丈夫です、1%でも生きる確立があるなら、それに僕は賭けます。
 このまま、一緒に死ぬくらいなら…、それくらい、賭けても良いんじゃないですか?」
「………だったら、私が」
「駄目です、あなたにはまだやることがあると思います。それに、死ぬなら自分だけで良いんです!」
「なぜ…そこまでするの…?」
「先生、僕の親は妖怪に殺されたと言ってましたよね?」
「…ええ」
「それ以来、僕は心を閉ざしていました。他人にあまり接せずに、暮らしていました。笑うなんてそのころは一度も無かったです。
 でも、ここに来て変わりました。笑うなんてほぼ毎日あります。それに、親のいない僕にとって先生は親のようでした。
 …………だからもう、大切な人を失うのはごめんです!!」


「テテッテ、テテーテーテ♪(マリオ」
「真面目に聞きなさいよ」
「湿っぽいのは嫌いなんだよ」


「…先生が無理ならいいです。四枚でも目くらまし程度にはなるでしょう」
「………いえ、全部あなたに託すわ」
「……ありがとう、ございます…」
そう言い、カードを11枚持ち魔力を、解き放つ。
「火水木金土月日闇光符『幻想夢物語』」
それは、美しいようで、儚く。
それは、儚いようで、晴々として。
全ては一人の思いとなり、妖怪達を襲う。
――――ドガァァァァァァァン!!
敵が死んだかもわからない、砂埃の中。
二人がいた。
「…○○?」
「すみません、全部放出するほど勇気が無くて…」
その答えに、パチュリーは砂埃の服を気にせず一筋の涙を流し、笑った。
「それが、普通よ」
その答えに、○○も笑った。
しかし、


「え…!?」
「………無傷!?」
そこにいるのは、無傷の妖怪達であった。
「ここまで、効かないとは思いませんでした…」
と、一匹の妖怪が振りかぶった。
「!」
「せ、先生!?」
驚く○○をよそにパチュリーは○○を守るべく、妖怪の目の前に立ちはだかる。
「くっ!」
攻撃される。
それでもその場所を動かない。
「先生! なぜ、そんなことを!!」
「…私は、図書館でずっと一人で本を読んでいたわ。たまにレミィがくるけど、ほとんど一人で。
 でも、あなたが来てそれは無くなった。時には実験をして、時には失敗して、そして笑いあった。
 そして何時しか気付いたわ、あなたの事が好きだと。それには自分だって驚いた。
 でも、それよりも強いものがあるのよ………。もう……、もう、あんな所に一人で居るのは嫌!!
 そのためなら、運命だって変えてみせる!!」
「!! 先生!」
「!」
また妖怪がパチュリーを貫こうと振りかぶった。


――――ザシュッ!!


貫かれたのは、パチュリーではなくその妖怪だった。
一本の槍が、その妖怪を貫いていた。
「この、槍は…!」
「レミィ…!?」
「こうなるとは思っていたわ。とりあえず、間に合って良かったわ…」
その後、レミリアは妖怪達の方を向き。笑みを浮かべた。
「……さて、雑魚妖怪達、覚悟はいいかしら?」


一匹、また一匹と槍で貫かれる。どんなに逃げ惑おうと槍が逃がさず貫く。
そして、妖怪達は全員死んだ。
「…まさか、レミィが来るとは思わなかったわ…」
「大切な友人のためよ? これくらい当たり前」
「……そうね、ありがとう」
「先生。無茶し過ぎです…」
その言葉にパチュリーは普通に返す。
「あなたほどではないわ」
「……そうですか? …それは兎も角、ありがとうございました。…あなたに会えて本当に良かったです」
そこで唐突にレミリアが割って入った。
「パチェ……正直、この調子だと確実に死ぬわ。…ここ以外で、血が出過ぎてる。その上、魔力も殆ど無い」
「……え!?」
「やっぱり、ばれてましたか」
「…当たり前よ」
「……先生、死ぬ前に渡しておきたいものが…」
「待って! 死ぬなんて、言わないで!」
「パチェ、ここは訊くときよ…」
「この三日で見つけたものです…」
そう言って懐にあったものを差し出す。
「これは…グリモア……?」
「そうです、あると便利かと思いまして…」
「そのために、命をかけてまで?」
「……ええ」
「…無茶過ぎるわ、そんなので命を捨てるなんて!」
「…でも」
「でもじゃない! こんなグリモアなんかよりも、本なんかよりも、あなたが重要なの!」
「………しかし、もう無理です」
「くっ…!」
「最後に、一つだけ。…あなたが、好きです」
そう言うと、○○は目を閉じた。
「……○○」




「へぇー大変だったな」
「……あなた、途中から全然聞いてなかったでしょ」
「まあな。で、そいつはまだ生きてるのか?」
「普通は、死んでるわよ…」
「念のためだ、念のため」
そこで一旦話しが切れる。
「パチュリー様、何かする事は?」
と、小悪魔がやってきて聞いてきた。
「じゃあこの本とこの本、元の場所に戻してきてくれる?」
「はい」
そう言うと、小悪魔は指定された本を持って歩いていった。
「…しかし、小悪魔も大変だな。あいつ、ここの全部一人でやってんだよな?」
「まあ、そうなるわね」
「たしか、パチュリーが召還したんだよな?」
「…それ以外に誰がするって言うの?」
(……まさかね)
「さて、それじゃあ本を貰って帰る準備するかな?」
「もってかないでー」
「もってくぜ」


少しして、あの少年が戻ってきた。
結局、魔理沙から本を守る事は出来なかったが。
「お、もういいのか?じゃあ帰るか」
「その本ちゃんと返しなさいよ」
一応忠告としては言って置く。
「気が向いたらな」
結局こう返されるのだが。…八十四冊。



「さて、もういいわよ?」
そう言うと、膝の上の猫が飛んだ。
そして魔法を猫自身が自分でかける。
魔法をかけると、その猫は光に包まれ、光が解けた頃には一人の少年になってた。
紫色の髪の、パチュリーより小さい少年だった。
ただ、猫耳と尻尾を除いて。
「はぁ、久しぶりに元に戻れました」
少年は少し伸びをした後、パチュリーに向かって。
「っていうか先生、なんで猫なんですか?」
「なんとなく、よ」
「さいですか」
毎回思う疑問をとりあえず捨て、パチュリーに聞く。
「先生、なぜ本当の事を伝えなかったんですか?
 本当はグリモアが只の本になって、そのかわり僕が猫になって助かったってことを」
「まあ、良いじゃないの」
「良くないです…。また隠す必要があるじゃないですか」
「それより…、あの子、どうだった?」
「……妖怪と人間が共存できる、と言ってました」
「それについて、どう思ってる?」
「…随分無茶を言っています。でも、そう考える気持ちもわからなくないのです。
 それに、思う気持ちは十分過ぎます。…あの子はきっと凄い事をしますよ」
「…で、もしかして助けるつもり?」
「さあ? どうでしょう?」
「……一週間お昼ご飯禁止」
「あ、ピンポイント攻撃ですね?」



――――思いが強ければ何にでもなる。

――――たとえ、運命が決まっていても。



End




~~~あそ(び)がき~~~


どーも、こんにちわこんばんわ。めどいからA氏です。
パチェです、主人公猫です、むきゅーです(なにそれ
書いていて羨ましいやらなんやら…。
っていうか猫耳です。ああ、自分で書いていてなんだが主人公かわr(幻想夢物語
今回は399氏のりり君を後ろに友情出演。無駄に繋がれる。
ええ、ありがとうございます! 

さてさて、今回もハッピーエンド? ですが改造シーンを。


改造、1

『先生へ、
  少しばかり呪ってきます。
            ○○』
なぜか悪寒がした。

カーン、カーン、カーン…



改造、2

「無傷…?」
「この妖怪は、全ての属性に、対して…耐性を持っています……」
「だからって…………どくばりじゃ無茶よ! 相手のHPは一桁じゃないわ!!」
「経験値が………欲しかったんです! 魔法使いでも倒せると証明したかったんです…」

メタルキングは にげだした!


改造、3

「魔道書は左開き! それじゃあ高位呪文から覚える事になっちゃうじゃない!」
「………でも、これ巻物ですよ?」
「どこから持ってきたのそれ!?」


「入るわよー」



駄目だスネーク!未来が変わってしまう!タイムパラドックスだ!

>>415
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