プロポスレ@Wiki
文1
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orz1414
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■文1
ストレートに
「写命丸さん、俺と付き合って下さい」
1スレ目 >>86
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「……で、なんで俺なのさ」
「この間の月都万象展で外界に対する興味は高まっていますからね。読者の読みたがる記事を書くのも文文。新聞の務めです。そこで今日は外界から来たというあなたに独占取材をですね……。もちろん三面記事ぶち抜きですので期待してください」
と、文はなぜか誇らしげに胸を張る。まあ、俺の行動範囲である博麗神社周辺の人物はそんなに外界に興味を持っているようにも思えないのだが、俺の知らない集落なんかではきっとそうなんだろう。
しかしながら会話になっていないのは気のせいだろうか。
「別に外の世界ならゆあ……ゴホン。紫さんに聴けばいいじゃないか」
お茶をすすりつつ、脇を通ったカラスに煎餅をくれてみる。
外の世界の事と言われても、俺の記憶の中にあるのはたかだか十数年かそこらだし、そもそもどの程度役立つのかも疑問系である。
「いくら私でもマヨヒガへそう何度も行けるわけではありません。それに彼女はもう冬眠していますよ」
「ふぅん……まぁ答えられる範囲で良いなら善処するよ」
「ご協力感謝します。では、始めにですね…………」
―――――――
「成程成程……やはり外界では科学の進歩が発展に大きな影響を与えている。と」
かれこれ小一時間はインタビューを受けただろうか。どの質問もどうにか俺の知識の範囲内で答えられるものだったのが何よりの救いだが、『ロケットの材料であるという『アームストロング』とはどういう物ですか』とか、微妙に何か間違っている質問が多かったのも事実である。
「あ、次が最後の質問ですね。お疲れ様でした」
と軽く頭を下げる文。釣られて俺も「いえいえ」なんて会釈を返してしまう。
「では最後の質問です。…………」
止まった。
メモ帳を凝視したまま、うつむき加減で文が止まった。
「お、おい、どうした?」
「…………?」
成程。止まっているのではなく物凄い小声。うつむいているというか、そこはかとなく赤みを帯びだした表情を読み取られまいと顔の下半分を隠しているのか。
そして、
「……私は……あなたのことが……好きなのですが、それについて、どう思われますか?」
聞こえた。聞こえてしまった。
そして同時に全てがジグゾーパズルのように繋がった。
どうして今日、こんなインタビューなんて受けているのか。
どうして「風神少女」の異名を持つ彼女を追って幻想郷を東奔西走したのか。
どうして徹夜で文文。新聞の編集や校正、製版を手伝っていたのか。
皆から「物好きねぇ」なんて言われたそれらの理由が解った。
「……その質問に答えるのは簡単なようでとても難しい」
俺は座り直すとできるだけ真面目に答える。
「まずは射命丸文という人物の人柄から説明しなければならないんだが……時間も押しているようだし端折ってしまおう」
新聞に対する情熱、ひたむきさ。そういう理屈っぽいものは全てひっくるめてしまおう……
「俺もお前が好きだ。愛してる」
この一言だけできっと十分だから。
1スレ目 >>131
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射命丸スレよりコピペ
273 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/18(木) 10:55:05 [ jitlL1co ]
文を抱き締めたい
「な…何するんですか!記事にしますよ…?」
と言いつつも腕を僅かに緩めているにも関わらず逃げようとしない彼女に俺は言う
「記事ニスレバイイ。ダガ『事件』ノ欄デハナク、『おめでたニュース』ノ欄ニ
俺ト君ガ載ルコトニナル」
文はマイクとメモ帳を取り落とすと同時に、俺の体に小さな腕を回した
「…取材拒否…できませんよね…?」
「ウム」
そして俺は彼女に
274 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/18(木) 11:34:23 [ Q4L8reDc ]
そっと口づけをした。
文も目を閉じて返してくる。
「んっ、ぷちゅっ……」
俺は、そろそろと文の柔らかな身体をまさぐり出す。
「あ、やっ、はぁ……」
文が身をよじる度その身体が俺にこすれる。
感極まった俺は下半身スッパ
1スレ目 >>151
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「今回のインタビューはこんなところです。今日もありがとうございました」
「うん、お疲れ様。男前に書いておいてくれよ」
「あらあら、文々。新聞は真実の泉ですよ?」
「それは残念」
「うふふ」
手帳から顔を上げた文の顔が、柔らかな笑みに綻んだ。
比較的最近の外界から幻想郷に来た、という物珍しさが彼女の好奇心に強く触れたらしく、
初めて会って以来、時には今日のように取材を受けたり、時には新聞の作成を手伝った事もあった。
住み慣れない幻想郷に不安だった自分にとって、文の人当たりの良さはとてもありがたいものだったし、
底が見えないけど根本的には実直な性格、感情のままにコロコロ可愛らしく動く表情、etc……
まあ詰まるところ、俺は射命丸文に、いつからか特別な感情を持つようになっていた。
「……あの、これは取材とは関係ない個人的な疑問なんですけど、一つ訊いてもいいでしょうか」
帰りの道中、三歩先を行く文が、ふと足を止めて振り返った。
「ん、何だい?」
こちらも足を止めて訊き返す。文の顔は珍しく下を向いていて、こちらから彼女の表情はよくわからなかった。
「その……帰りたい、とは思わないのでしょうか」
「……いきなりだな。何でそんな事を」
「今まで貴方から聞いた外の世界と、この幻想郷を比べてみての率直な感想です。
貴方が過ごしてきた場所に比べて、ここは酷く不便ですし、
何より貴方のような普通の人間には危険に過ぎます」
「まあ、そこは確かに間違ってはいないなあ……」
「なら、どうして幻想郷を選ぶのですか?」
「ん~~……」
唸りながら天を仰ぐ。緩やかに沈む太陽を孕んだ赤い空が、とても綺麗だった。
……うん、理由なんて、一つしかない。ここで彼女に伝えてしまおう。
「あのさ、文」
「はい」
面を文の方へと戻した。顔を上げた彼女と、視線が交わる。
「確かにあっちには色々便利な物がたくさんあって、生きていくに困るような事はそうそう無い。
曲がりなりにも俺が生まれ育った場所だし、大切なものだってたくさんあった。
帰りたいと望めば、あるいは帰る事もできるのかもしれない」
「……はい……」
自惚れだとは思うが、彼女の表情に少し影が挿したように見えた。
「でもさ」
この距離では本当に言いたい事は伝わらない。足踏み二つ彼女の方に歩み寄った。
そして、極上の硝子細工を扱うように、そっと彼女の手を取る。
「――あっ」
文の口から小さく声が漏れたが、その手が振り払われるような事は無かった。
「一番大切なものは、ここにしか無いんだ」
「え……」
触れた大好きな人の手から、あたたかなものが優しく沁みてくる。
この蕩けるようなぬくもりを、彼女も俺に対して持ってくれていたら嬉しいのだけど。
俺はひとつ息を吸って、そして彼女に告げた。
「文。好きだ。君を愛してる」
1スレ目 >>564
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「ゴホッ!ゴホッ!あ~」
朝から猛烈に頭が痛い、ついでに熱が出てきやがった。
咳も出るし・・・あーこりゃ完全に風邪だなぁ。今日は誰も入れないでおこう、なんとなく今日は大凶そうだし。
ガチャッ
「こんにちわー。今日は良い事があったんですよ~」
そうだ、こいつが居たんだった・・・、勝手に入ってくるなって。
この勝手に入ってきた泥棒に間違えられても仕方が無い奴は天狗の射命丸文。文々。新聞っていうのを発行してた、ごめんしてる。
なんか知らないけど俺は天狗に良く好かれるんだよなぁ・・・なんで?まぁ何かと良くしてくれるからいいけど。
「いますか~、○○さんいますか~?」
「居るから漁らないでくれ」
「あ、居た」
こいつは俺が居ないと勝手に漁るからなぁ・・・。前に漁られて片付けるのに半日ぐらいかかったっけか、世も末だ。
とりあえずこいつだけには風邪をばらしてはいけない。絶対にネタにするからだ。
「どうしたんですか?寝込んじゃって」
「いや、二度寝しようかなとでも考えていたんだ。まぁそれよりも、良い事ってなんだ?」
そう言って話を強引にずらす、こいつは勘も鋭いから不自然な動きを見せたら絶対に感ずかれる。
「あ、それがですねちょっとコレを見てください、眼鏡の男の人がやっている店で手に入れたものです」
「ん?デジカメじゃないか、幻想郷にもあったか?」
「あ、知ってたんですか残念・・・。それはともかく、コレで何処でも写真が取れるんですよ!」
うわ~ヤバイな、こんなもの持っていたら鬼に金棒、いつも以上に気を引き締めないと拙いかも。
「それにしても、元気がないですよ?もしかして風邪でも引きましたか?」
「えっ?何でわかっ・・・あ」
「あ、当たりだったんですか?これはスクープに・・・って、えぇ!?風邪ですか!?」
「え?風邪だけど・・・」
なんでこんなに驚いているんだ?
「か、風邪ですか!?あの大量の人間を死に追いやったあの風邪ですか!?」
「そこまで大げさなものじゃないけど・・・」
「た、大変大変!あなたが死んだら私の楽しみが無くなっちゃいます!」
「だから死なないって・・・聞いてないな」
天狗の中では風邪を引くと死ぬなんてことになっているんだろうか?それにしてもこんなに慌てた姿は始めてみたな。
「あ、そうだ!何か私にお手伝いできる事があったらしてもいいですか?していいですね!」
「勝手に決めるな、まぁ別にいいけど。それじゃあちょっと桶に水を汲んで持ってきてくれないか?」
「解りました!今もってきますね」
ちょうど頭のタオルも温くなってきたし、とりあえず体を起こして待ってるかな。
「うわ、っととと・・・」
おいおい・・・大丈夫か?ってか水汲み過ぎだって、溢れんばかりまで入れなくてもいいのに。
「・・・っとととと、キャッ!!」
突然手を滑らせて桶が手から離れた。いや、それだけなら別にいいんだけど、その桶に入った水がこっちに向かってきている。
あーなんかありきたりだな。なんて思うけど一つだけ変なのがあった。
水の向こうに見える
カメラを構えたこの事態の張本人の姿が
ザッパーーーカシャーーン!!!
「やった!いい写真が取れた!これは使わなければ!」
なんかもう起こる気も失せてきた・・・はぁ。
「へくしょーい!!!」
その後服を変えたり布団を変えたり色々と疲れたけどとりあえずは元に戻った。
なんか余計熱が出てきたかもしれない。
「あ、そうだ。永遠亭から薬貰ってきてくれないかな?」
「解りました!十分で貰ってきます!」
そういって文は出て行った。大丈夫かなぁ、なんか不安だなぁ。
「戻りました!」
「早ッ!」
いや、まだ十分もたってないよ?いくらなんでも早すぎでしょ。通った後には酷い跡がついてるだろうに。
「・・・あれ?薬は?」
「あ、それがですね。症状を見ないと解らないかもってことで永淋さんについてきてもらったんです」
「そう・・・でもさ」
「はい?」
「腕だけつれてきても意味が無いと思うんだけど?」
「へ?」
「手、良く見れ」
「あれ?腕だけだ、何ですかね?」
「もしかして本気で飛ばした?」
「ええ、時間かけると悪いと思いまして」
「たぶんそれ」
つまりはこうだ。永淋さんの手首を掴んでマッハを越えるスピードで飛んだら、普通腕は飛ぶだろうに。
普通の人なら死ぬ、普通のなら。
「いたたたた・・・もう少し遅く飛べないの?」
腕一本飛ばして『いたたたた』で済ましたほうが凄い。良く見ると直ってるし、蓬莱の薬恐るべし。
「で、この人がその病人?」
「ええ、そうです」
「まぁとりあえず検診はしないとね」
「おねがいします、それがメインなので」
永淋さんの診断によると、普通の風邪だそうだ。
普通に寝てれば直るらしいけど・・・水を被った事が少し治りにくくなってるらしい。
いちいち寝てるの面倒でしょって渡されたのが、なんかドブの味がする薬。
鼻摘まんで飲んでみたところ、一気に気分が楽になった。流石永淋さん。
次の日
【○○ 布団での水遊び!?】
なんていう絵と見出しの中に書かれていた文字は俺の怒りを爆発させるには十分の火薬だった。
「こんの天狗がー!!!」
1スレ目 >>636
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「どうして酒飲みってそうなのかしら? 相手のことなんか全く考えないんだから」
息を切らせて薬を求めに来た天狗の少女を、八意永琳は一瞥する
「は、はい…申し訳ないです」
射命丸文は罪悪感で涙を零しながら頭を下げる
「私に謝られてもね…まぁいいわ。見捨てるわけにも行かないし」
永琳は薬棚を空け、ごそごそと中を掻き回した
「はい、この2つね。こっちはすぐに飲ませて。もう1つは状態が良くなったら飲ませること。
お湯で溶いて、冷めてからよ。間違えたり、飲み方守らなかったらどうなっても知らないわよ」
「は、はいっ…ありがとうございます!」
紙で包んだ粉末薬を受け取るや否や、文は幻想郷一とも言われる速度で駆け出していく
「やれやれ…あわただしいことね」
あの人と出会ったのは、桜が咲き始めた頃だった
外界から来たということで、これはもう密着取材しかないって思った
話を聞くうちに、私の中で何かが変わった
──好きなの
外界では新聞記者を志していたという彼が、私の新聞を手伝いたいと言ってきたときにはもう舞い上がる気分だった
──愛してるの
極上のお酒を手に入れたから、一緒に飲みたかった
──相手のことなんか全く考えないんだから
ああ、そうだった…自分が酒好きだからって…私は…
人間が酒に弱いってことなんて、考えてもいなかった
人間とかどうとか、そんなことはどうでも良かった
──離れたくなかったから
家に辿り付いた文は、お湯を沸かし始める
「早く、早く…」
湯が沸くまでの数分すらもどかしい
湯呑に薬を溶くと、文はその匂いに思わず顔をしかめる
「うわ、何この匂い…」自分が飲むわけでもないのに嫌な気分になる
「…これじゃ飲ませられないわ」
男の頭を抱え、少し体を起こしてやるものの、これでは口には入らず零れてしまうだけだ
(……いいわよね)
文は薬を自分の口に含み、体を抱きながら口移しで流し込む
(良くなって)心の中で、静かに祈るように
──これが、最初で最後のキスになりませんように
1スレ目 >>763
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この幻想郷に、久しぶりに外の世界から移り住んできた者がいるらしい。
その移入者は人間の青年で、大蝦蟇の池の近くのオンボロ小屋に居を構えたという。
何時ぞやの花の異変以来、目立ったニュースも無く、
ネタに飢えていた私は、他の天狗仲間に先を越されては堪らないと、真っ先に彼の元を訪れる事にした。
「♪幻想の不思議を~、今日もあややがメッタ切り~♪」
雲ひとつ無い青空を、上機嫌で飛び回る。
照りつける太陽と吹きぬける薫風のコントラストが、とても気持ちよかった。
「……あっ、あれかしら?」
池のほとりで、人間らしき青年と顔見知りの氷精が、何やら楽しそうに遊んでいる。
青年は、美貌と言うには少々及ばないが、形の整った、なかなかに精悍な顔立ちをしていた。
「一体何をしているのかしら……」
これだけの距離において、彼らの目でこちらの姿を捉える事は不可能だろう。
天狗の目を凝らし、風を使って、会話が届いてくるように調整する。
愛用のメモ帳を開き、ペンを胸ポケットから取り出した。
『……これ位の大きさが、ちょうどいいかな』
そう言って彼は、一枚の葉っぱをチルノさんの方に掲げた。
あれは……シロダモの葉かしら。
『で、これをこうして丸めて、と……』
『ふんふん』
『で、口の中を少しすぼめて……』
興味津々な様子で見つめるチルノさんに一つ笑いかけると、彼は丸めた葉っぱを口先にあてがい、そこに息を吹き込んだ。
ビー――――――ッ。
「……へえ」
今時草笛とは、なかなか粋な真似を。
『わあ、すごいすごい! ねえねえ、あたいにも出来るかな!?』
『ああ、簡単だよ。やってみるか?』
はしゃぐチルノさんに手ほどきをしている姿を見て、私は彼の第一印象に、かなりの高得点をつけた。
ビー――――――ッ。
『あは、出来た出来た! ねえねえ、他にも何か無いの?』
『よし、分かった。とっておきを見せてやろう』
そう言って力強く袖を捲り上げると、彼は立ち上がり、お尻を突き出した。
『ふんっ』
ブー――――――ッ。
「………………………」
――――ぽろっ。
手元からペンがこぼれ落ち、池に小さな波紋を立てた。
…………ええっと、今、彼は、何を。
『……ふっ。どうだチルノ。俺のラストスペル、死風「ガーリックタイフーン」は!!』
彼は、いかにもいい仕事をした、という風な爽やかな笑みを浮かべ、額に浮かんだ汗をぬぐった。
『あははははっ、すごい臭いっ!! それはあたいには出来ないや!!』
チルノさんは、無邪気に大笑いしながら、バンバン手を叩いていた。
『ハハハこやつめ!』
『あははははは!』
「…………」
疲れた。まだ何もしてないけど、とにかく疲れた。
何とも言えない敗北感を胸に、今日はそのまますごすごと帰る事にした。
…………改めて次の日。
今度は彼の家を訪れてみると、今日は一人で過ごすつもりだったらしく、快く取材を受け入れてくれた。
これから少し遅めのお昼ご飯という事らしく、軒先に出汁と茸の甘い香りが漂っていた。
「どうする? 多めに炊いたから、ついでに一緒に食べてくか?」
「いいんですか? ありがとうございます」
何だ、やっぱり優しい青年ではないか。昨日のアレは、何かの間違いだったのだろう。
「……美味しい」
彼の用意してくれた茸ご飯と山菜の煮付けは、どちらも見事な手前だった。
インタビューとして色々と彼自身の事を尋ねながら、複雑に味の染みた料理に舌鼓を打つ。
「凄いですね。料理は得意なんですか?」
「ああ。向こうでも一人が長かったからな。いつの間にやら身になってた」
「……そうですか」
誰の心にも、必ず陰を孕んだ部分はある。訊いて良い事と悪い事の分別くらいは、私も出来ているつもりだ。
茸ご飯を口に放り込む。出汁の甘味と茸の薫りが口内を満たし、鼻先を抜けた。
「味付けも見事ですけど、この茸も美味しいですね。何ですかコレ?」
絶妙な歯ごたえに、芳醇な風味。少なくとも私の知る物に含まれてはいなかった。
「知らん。天井裏に生えてた」
「はい?」
…………ええっと、今、彼は、何を。
「あはははは何でそんな物をははははは調理あははははするんですかあははははは!!」
ゲラゲラ笑いながら彼に箸を突きつけるが、もちろん面白がっている訳ではない。
「ははははは他に食べ物もははは無かったしあはははは美味しそうだったからあははははは!!」
「ハハハこやつめ!」
「あははははは!」
『はははははははははははは!!!』
ドンガラガッシャー――ンッッッ!!!!!
大笑いしながらマウントポジションを取り、彼をタコ殴りにした。
「はははコラコラはしたないはははははちょっ、白いのが見えてははははぶべらっっ」
オンボロ小屋に、肉を叩く音と、男の悲鳴が響きわたった。
少女打撃中……
「……ごめんなさい。少しやりすぎました」
発作が治まってテンションが元に戻ると、下になった彼の顔を見て、かなり手酷く痛めつけてしまった事に気づいたのだった。
腫れ上がった目蓋に薬草を塗りこんでやりながら、らしくもなく平静さを見失った己の未熟さを恥じ、素直に彼に頭を下げた。
「あ痛たた。いや、全面的にこっちが悪かった。
なあ、お腹が痛いとか、気分が悪かったりはしないか?」
顔を腫らし、鼻血を拭いながら、なお彼は私の体の事を気遣ってきた。
……今日色々と話をして、一つ気づいた事がある。
彼は少し馬鹿で常識に欠けるところがあるが、とても優しい人なのだ。
「大丈夫です。強いて言うなら、拳が少し痛むくらいです」
「そうか、よかった。……なあ、よかったら、これに懲りずにまた来てくれないか? こっちに来てから、友達が全然少なくて、ちょっと寂しいんだ」
「いいですよ。貴方なら、少なくともネタに困るような事は無さそうです」
浮かべた笑みの柔らかさに、自分で驚いた。
……私の中に、こんな表情があったのか。
「そっか、どうもありがとう。これからもよろしくな、文」
そう言って彼は嬉しそうに笑い、私の名を呼んだ。
――――とくん。
心臓がひとつ強く跳ねて、甘く蕩けた血が体中を巡る。
……あぁ、何という事だろう。
この世に生を受けて以来、ゆうに千を超える年を数えてきたこの私が。
初めて会ってからほんの一日で、ただの人間に恋をしてしまったのだ。
――それ以降、私は時間の隙を縫っては彼の元を訪れ、多くの時間を彼と共有するようになった。
やはり彼は破天荒な人で、時々ついていけなくなる事もあったが、
そんな彼に振り回されるのも、時には彼を振り回すのも、今まで身に覚えた事の無い、充実した体験だった。
さて、それから二月ほど経って――――
「俺が?」
「すみませんっ、もう貴方しか頼れる人がいないんです!」
仲間内での新聞大会に間に合わせるのに、どうにも手が足りなくなり、彼に助力を仰ぐ事にした。
「よし、任せろ。三流スポーツ新聞の風俗情報並みに役に立つ記事を書いてやる」
「……そんなの載せたら私、爪弾きにされちゃいます……」
前途は多難だった。
「へえ、こんな風になってるんだ」
物珍しそうに、彼は周りをキョロキョロと見回した。
そう言えば、彼を私の家に招待するのは、これが初めての事だった。
「それで、俺は何をすればいいんだ?」
「そうですね……差し当たって、半面分のコラムを一つ書いて欲しいんです。
あとは……私がもし寝ちゃったら、起こしてくれませんか? 多少乱暴にしても構いませんので」
もう丸三日寝ていないので、今でも気を緩めると眠ってしまいそうだ。
「多少エロい事をしてもいいんだな?」
「…………」
真剣そのものの目で手指を怪しく蠢かしながらそんな事をのたまう彼を前にして、危機感が眠気をどこかへ飛ばしていくのを感じた。
……彼は本気だ。
色々な意味で気を引き締め、ほどなく作業に取り掛かる事にした。
「よし、こんなところか。……なあ、文。出来たから、推敲してみてくれ」
「あ、はい。ありがとうございます」
渡された原稿に、ざっと目を通す。
「ふむふむ……」
驚いた。初めてこういう物を書いたとは思えない程の文章力だ。
構成、言葉の使い方、全てにおいて高いレベルでまとまっている。
……ただ一つ、問題があるとすれば。
「誰がエロ本の読書感想文を書けと言ったんですか……」
「ダメ?」
「当たり前です!!」
グシャグシャに丸めた原稿を彼のおでこに投げつける。
すこーん。
「OUCH!」
頭から軽そうな音を立てて何故か英語で悲鳴を上げると、彼は椅子ごと後ろにひっくり返った。
……少し眠気覚ましにはなったかしら。
少女原稿中……
夜の帳もとっくに降りて、いよいよリミットが迫る中、私の中の睡魔もいよいよ勢いを増して襲い掛かってきた。
「……なあ文、大丈夫か? 相当辛そうに見えるぞ?」
「だ、大丈夫です……あと少し、あと少しで終わりですから……」
どろどろになった頭の中に鞭を打って、重くなった手を無理矢理動かす。
「もういいじゃないか。大会に間に合わなくても、新聞はいつでも出せるだろ?」
「嫌です……せっかく初めて貴方に手伝ってもらったのに、落とすだなんて、絶対嫌です……」
「……ふう」
彼は一つため息を漏らすと、隣の部屋へと足を運んだ。
「まったく意固地だな、文は。他の天狗の娘は、もう少し聞き分けがいいと思うぞ?
いつもはもっとハキハキしてて楽しそうなのにさ」
そんな意地の悪い事を言いながら、彼は隣の部屋から持って来た毛布を、私の肩にかけてくれた。
「俺は、そんな辛そうに新聞を書いてる文は、見たくないな」
そして、私の頭の上に手を置いて、ゆっくりとかき混ぜるように、優しく撫でてきた。
…………ひどいや。
そんなに優しくされたら、もう起きてなんていられない。
彼の手のぬくもりを胡乱な頭いっぱいで味わいながら、意識が急速に落ちていくのを感じた。
……………………
目が覚めた時には、日は真上に昇り、もう取り返しのつかない時間になっていた。
今まで大会で勝った事も無かったけど、不戦敗というのは初めての事だった。
「……ごめんな。起こせって言われてたのに」
彼は、申し訳無さそうな苦笑いを浮かべていた。
そんな彼を責めるような資格は私には無いし、そんなつもりも無い。
「いいんですよ。新聞はいつでも出せる、でしょう?」
せめて、彼から学んだ事だけは、大切にしよう。
私の新聞は、時間に急き立てられて書くようなものではない。
それに、今は大会で勝つ事なんかより、もっと欲しいものがあった。
「……ねえ。実は、一つ記事を差し替えたいんです」
椅子ごと彼の方に体を寄せ、その肩におでこをちょこんと乗せた。
彼が文句を言わない事に、安堵を覚える。
私は、見た事も無ければ信じてもいない神様に、初めて祈った。
「……どんな記事に?」
――どうか、彼が私を受け入れてくれますように。
「そうですね……『私たち、付き合う事にしました』……っていうのはどうでしょうか」
1スレ目 >>949
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爽やかな冬の日。
彼女は天高くを舞い。いつもの通りに俺のところへ来る。
それは既に日課になっていて、俺も気づかない内にそれに
慣れ親しんでいた。
幻想郷の日常であり、普通の人間だった俺にはちょっとだけ
非日常でもある。
「…ふぁ」
俺の寝ぼけ眼と欠伸で始まる一日は、いつものように爽やかな朝から始まった。
ここに紛れ込んでから数ヶ月、未だに日常の変化には完全に慣れてはいない。
何せ文明や、生活様式さえ違うのだ。
色んな意味で外国に近い感覚がある。
今更、電気やガスが無い生活を送るとも思っていなかった。
娯楽らしい娯楽も、はっきり言えばほとんどないのだが、唯一
俺でも楽しめる娯楽のような物があったのだ。
とりあえず、朝食の準備から始める。
畑を作り、自給自足な生活を送る。考えてみれば、こうした生活が
今まで何百年も続いているという事は、驚くべき事なのだろう。
電機や物に囲まれた生活から、一切を捨てて離れてここに住んでからは、
全てを新鮮に感じた。
「どうもー、文々。新聞ですー」
そんな挨拶と共に、一人の少女が玄関から来た。
黒い髪に下駄のような靴。そして、不思議な形の帽子。
「あぁ、おはよう、文」
この少女がその唯一の娯楽を持ってきてくれる射命丸文だ。
彼女はこの幻想郷の記者らしく、週に一回、俺に暇つぶしになる新聞を
持ってきてくれる。
内容はともかくとして、これを読むのは最早日課になっていた。
「これから朝食、食べるところだけど…食べてく?」
今日の朝食の献立は味噌汁、ご飯、川で捕った魚と山菜だ。
会心の出来といえば言い過ぎだが、それなりに自信はついてきた。
きゅるるるるる
彼女のお腹の音が鳴った…それがサインなのかもしれない。
文は真っ赤になって俯いてしまった。
幻想郷をいつもいつも朝早く空から駆け巡れば、それも当然なのかもしれない。
「そ、その…」
「…席についててくれ、すぐ持っていくから」
「は、はい」
テーブルなんて洒落た物はここには無い。
有るのは、リサイクルできる家具と、適当な趣味の物と、生活に必要な物だ。
ちゃぶ台の上に、次々とメニューが彩られていく。
「いただきます」
「…暖かい内に食ってくれ」
いつもの食事が始まった。
少しくらい騒がしいイメージのある彼女だが、食事の時はいつも静かだった。
食事中は大抵話さないし、特に話すことも無い。
…いや、俺が口下手で無愛想なのもあるんだが。
「これ、今日の新聞です。…それとご馳走様でした」
「どういたしまして」
彼女の手から新聞を受け取る。
これが無ければ、俺の一週間は無いだろう。
人間、退屈で死ぬという事も、もしかしたらあるのかもしれない。
「晩御飯はどうする。食べていくか?」
「…お願いします」
彼女は礼を一つすると、空高くへと飛び上がった。
昼は寒いし、夜も寒い。
冬とはまったくもって辛い季節だった。
これが季節を感じさせるのだから文句は言えないのだが。
彼女には手袋とマフラーを持たせたから、風邪を引くことはないだろう。
昼間の内に洗濯を終わらせて、焚き木に火を点けて新聞を読み始める。
バサッ
「…へぇ、氷の妖精が再び悪戯、冬眠してた蛙をたたき起こして逆鱗に触れる…ねぇ」
妖精とはここまで適当な考えをする者達だっただろうか?
まぁ悪戯こそが、妖精たちのする所行だろうが。
そう言った感じで、新聞を読み進めていると、一枚の紙が落ちてきた。
どうやら文が俺宛に書いたらしい、丸い文字でこう書かれていた。
『本日の夜中、とある方の取材を致しますので、できれば手伝ってください。射命丸文』
これは珍しい。
彼女が俺を手伝わせるような事は滅多に無い筈だ。
せいぜい原稿を手伝ったり、夜食を作ってあげたり、寝室を貸してあげたりしているくらいだ。
「…暇だからいいか」
どうせ夜までには、する事なんてない。
朝ご飯はその場で考えるほうなのだから。
そうして新聞を読み進めていると、カラスが鳴き始めていた。
既に日は暮れており、彼女もそろそろ来る頃になるだろう。
息は白くなるし、寒くて嫌になる。
だからこそ、冬は苦手なのだ。
毛布の心地を覚えてしまうと、朝なんて起きる事は出来ない。
「…夕飯か」
丁度、芋があったので煮っ転がしにしようと考えた。
彼女は鶏肉が苦手だ。
言うまでも無いだろう、彼女は鴉天狗なのだから。
豚肉もあまり手には入らない。
手に入れたとしても、別段困る事は無いだろう。
「戻りました」
「あぁ、おかえり」
寒そうに身を震わせて、文は帰ってきた。
帰って来たは語弊があるが、俺にとっては帰って来たで合っている。
晩御飯は食べる時と食べない時がある。
彼女のように朝から晩まで飛び回り、記事を書き上げて、配る。
という事を繰り返していれば、自然と会わないこともある。
箸の音だけが、響く。
「それで、手伝うんだったか?」
彼女が箸を咥えたまま、こちらを見る。
「あ、はい。お手伝いをお願いしたいんです」
「…何処まで行くんだ?あまり遠くは遠慮願いたいんだが」
「大丈夫です。すぐ近くですから」
にこりと彼女は笑う。
その笑みに不思議な違和感を覚えたのは、俺の気のせいであると信じたい。
真夜中の山――
俺と彼女は始めてここで出会った。
初めて出会ったときの印象は、『あの世からのお迎え』だったけど。
「…はぁ」
白い息が出る。
空は澄み渡り、月は輝いている。
「で、ここで誰の何の取材をするんだ?」
寒さに身を震わせながら彼女に訊ねる。
ここに来るまでに、何も聞かされていない。
なにを聞いてもだんまりで、必要な情報は何一つとして教えてもらっていない。
「あなたへの…密着取材です」
そう俺の耳に届いた瞬間、彼女が不意に抱きついてきた。
柔らかい感触と、冷えてしまっている体温が伝わってくる。
「文…」
「…それでは、質問です」
彼女は俺から離れようとせず、質問を投げかけた。
「あなたは…私をどう思っていますか?やはり、迷惑と――」
そう言いかけた彼女の口を、唇で塞いだ。
「これが答えなんだが…これじゃダメか?」
恥ずかしくて、彼女の方を向く事が出来ない。
きっと、今の俺の顔を見るとトマトと比べられるくらい真っ赤なのは間違いないだろう。
それだけ今、俺の顔は熱い。こんなに身体は寒いのに。
彼女の腕の力が強くなった。
俺という存在を離さないとでも言うように、力が篭る。
「…そっか、これって一応、密着取材だよな」
俺も彼女の方に寄り添い、抱きしめる。
「あ、雪…」
季節としてはまだ早いはずだが、しんしんと雪が降り始めていた。
好意的に解釈すると、どうやら俺達を祝福してくれているようだった。
俺は離さない。この大事な彼女を――
後書き
===遺書の裏===
首を括る覚悟なら…とうに出来ておるわ!
===遺書の裏ここまで===
『告白』とは『恋』を知る事!『愛』を我が物とする事じゃあ!!
…いや、冗談ですが。
みんなの書く文が可愛すぎた。
それに触発されました…。遺書の裏に書いたとおり、首を括る覚悟は出来ている!
2スレ目 >>123
───────────────────────────────────────────────────────────
チュンチュンチュン…
雀の鳴き声で目を覚ました。
起き上がってカーテンを開く。
朝の光が窓から差し込んできていい気持ちだ。
俺の家は、紅魔館のそばの湖畔に位置している。
何故人里離れたこんなところに住んでいるのか、と言うと、特に意味は無い。
単なる気まぐれだ。
強いて言うなら、ここでは生まれ育った人里ではなかなか体験できなかったことがある、と言ったところだろうか。
ともかく俺はここで、毎日を氷精をからかったり、氷精をからかったり、夜雀で遊んだり、氷精をからかったりして過ごしている。
…からかってばっかとか言うな。暇なんだ。
そんなここでの数少ない暇つぶしと言えば、おバカな氷精をからかうことと、もう一つ。
「おはようございまーす」
噂をすればなんとやら、だ。
俺は窓を開け、玄関に向かった。
「おはよう、文。いつもお疲れ様」
「いえ、好きでやってることですから」
その暇つぶしとは、この鴉天狗――射命丸 文が配達してくれる新聞であった。
「それに、貴方は私の新聞を購読してくださる数少ない方ですから」
「そーなのかー…面白い新聞だと思うんだがなあ」
「そう言って頂けると書いているかいがあるというものです」
そこまで言われるのもなんだか恐縮な気がする。暇つぶしってだけなのに。
「あー、時に、朝ご飯まだだろう? 食べていかないか?」
「あ…、その、遠慮しておきます、まだ配達するところもあるので」
断られてしまった。
以前、朝ご飯を一緒に食べた時に鳥鍋を出したのがまずかったんだろうか。
あの時は涙目で睨まれてドキッとした。じゃなかった、非常に困った。
「そっか…。じゃ、また明日」
「はい、それでは」
そう言うと文は風に乗り高速で飛んでいった。白。何がって? 野暮なことを聞くな。
文との出会いは大体3ヶ月くらい前のことだった。
俺が、趣味かつ護身のために始めたスペルカード生成作業中のとき、
「こんにちは。○○さんいらっしゃいますか?」
と、玄関から聞きなれない少女の声がしたのだった。
「はいはい、俺に何か用がおありで?」
玄関にいたのは、鴉を肩に乗せた、独特の形をした帽子をかぶった少女だった。
「ええ、ちょっと取材を受けていただこうかと」
取材。…取材? 何の?
「取材、って一体何の? …というか、君は誰」
俺がそう言うと、彼女は手をポンと叩いて言った。
「ああ、すみません、申し遅れました。私は文々。新聞社の記者で射命丸 文と言うものです」
「はぁ、それで記者殿はどうやってここを知ったんで?」
「湖に住む氷精に『最近、面白い人間が近くに越してきた』と聞いてやってきました」
「ふむ、で、なんでまた俺に取材なんぞ」
「ええっとですね、人里で生まれ育った人が、独立して違う場所に住むってことは珍しいんですよ」
ですから、とそこで彼女は一旦言葉を区切り、懐からペンとメモ帳を取り出した。
「こんなネタを見逃すわけにはいきませんから。取材、受けてくださいますか?」
拒否権が無い様に見えるのは気のせいだろうか。
まあ、特に拒否する理由も無い。
どうせ暇だ。いい暇つぶしが出来る。
そう考えた俺は、取材を受けることにした。
「…はい、これで取材はおしまいです。ご協力ありがとうございました」
1時間にも及ぶ取材が終了し、俺はちょっと疲れ気味だった。
「あー、んー、参考になればいいんだけどねぇ」
「これだけあったらとてもいい記事が書けますよ。書きあがったら一番最初に持ってきますね」
その後、俺と文は他愛ない会話をして過ごした。
文の性格もあろうが、俺は文とすぐ打ち解けることが出来た。
文は、とても礼儀正しかった。
どっかの巫女に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ。
暫くして。
「あの…なんだか、焦げ臭くありませんか?」
「え? …あ、本当だ。なんだろう?」
言われてみると確かに焦げ臭い。
料理はしてなかったから、火にくべたままとかそういうわけでは…
し ま っ た 。
「ゔわ゙ぁ゙ーーーーーーーー!」
「ひっ!? ど、どうしたんですか急に!」
「スペカ生成炉、火が点いたまんまだ!」
「な、なんですってー!」
「バカバカ! 俺のバカ!」
「どうしてそんな危険なもの放置してたんですか!」
「そんなに長いこと喋ると思ってなかったんだよ!」
「ははは、こやつめ!」
「ははは!」
「ってこんなことしてる場合じゃないでしょう! 早く止めないと!」
「ああ、うん…もう遅い」
「え、ちょ、何言っt
文がそういうと同時に、生成炉が臨界点を突破した。
…紅魔館周辺一帯に、大きな爆発音がこだました。
ドォン!
「あら? 咲夜、なにかしら今の爆発音は」
「さあ、わかりません。でも、大方どこぞの魔砲使いがやったんでしょう」
「そうね、気にするほどのことでもなかったわ」
ありがとう俺の家 さようなら俺の家
君の事は忘れないよ
後に残ったのは、全身真っ黒の俺と文、何故か無事な生成炉、そして見るも無残に崩れた俺の家、だった物の瓦礫だった。
「ああああぅぅうああうぅあああぁあぁあぁあぁぁぁ…」
今俺は非常に後悔している。
後悔後に立つ。
ドクターアフターデス。
悔やんだところで俺の家は戻ってこない。
がっくりと肩を落とした俺を、ぽかんとした表情で文が見ていた。
「ああぅぅあぁ…ええっと…文は大丈夫だった?」
「え、ええ…私は大丈夫ですが…」
「そう、良かった…」
「貴方が非常に大丈夫で無いように見えるのですが」
「きっと気のせいさ、あはは…」
全然気のせいじゃない、が、これ以上文に気を使わせるわけにもいくまい。
「あの…、すみません、私のせいで」
文のほうを見ると、本当に申し訳なさそうな顔でこちらを見ていた。
「いやいや、文は悪くないよ、さっき言ったとおり俺が止めてれば良かったんだから」
まさしく自業自得と言う奴だ。
だから文が気に病むことは何も無い。
「いえ…、こうなった原因は私にもありますから。家、直すの手伝います」
「別にそんな、そこまでしてもらわなくても」
「ダメです。私の気がすみません」
そんな感じの押し問答を暫く続け、結局俺が折れる形となった。
どうも彼女は大変義理深い性格のようだ。
彼女の協力もあり、日が暮れる頃にはどうにか夜露を凌げるほどにまでは復旧していた。
「本当にありがとう、こんなに手伝ってもらって」
「いえ、私が悪いんですから」
「いや俺が」
「いえ私が」
「いや俺」
「いえ私」
「俺」
「私」
終わらん。終わらんよこの問答。千日手だよ。
「ああもう、どっちが悪いかなんて置いとこう、もう。とにかく、手伝ってくれてありがとう、助かったよ」
「え、あ、はい…」
ちょっと強く言い過ぎただろうか。
彼女は肩を落として返事をした。
これじゃ、彼女が悪いみたいじゃないか…って、もうこのことは考えないんだった。
なんとなく嫌な沈黙が場を支配する。
なんか喋らないと…そうだ。
「あー、そういえば、文は新聞書いてるんだよな?」
「はい、そうですが」
「1部、取りたいんだが」
「え…ホントですか?」
妙に食いついてきた。一体なんだというんだ、新聞取るって言ったくらいで。
「恥ずかしながら、私の新聞を取ってくれている人って凄く少ないんですよ…。ですから、とても嬉しいです」
そーなのかー。
まあ、だからって取らないわけじゃないが。
「それでは、私はこれで」
「ん、それじゃ。また明日」
「はい、また明日」
そう言って彼女は、どこからともなく吹いてきた風に乗り飛んでいった。
…ピンク。何が? 世の中には、聞いていいことと、聞いちゃいけないけど聞くと面白いことがあるんだぜ?
今回は後者だ。
まあ、あんなミニでカッ飛んで行ったらどうなるかは想像に難くなく。
要はそういうことだ。
バレたらどうなるだろうか。怖くて想像できない。
バレなきゃいいか。
…とまあ、非常に印象的な出会いをしたのだった。
出会った初日に家が吹っ飛びゃそりゃ忘れないだろう。
それからまた数週間したある日。
チュンチュンチュン…
雀の鳴き声で目が覚めた。
いつもと同じ朝。
カーテンを開ける。
いつもと同じ太陽。
「おはょぅごさぃます…」
いつもと違う声。…あれ?
いつもならもっと元気がいい挨拶をしてくれるはずの文が、今日は何故か元気が無い。
その声に多少の胸騒ぎを覚えた俺は、足早に玄関へ向かった。
「おはよう文。…大丈夫か?」
今日の彼女は一目見ただけで体調が悪いとわかるほどだった。
「だ、大丈夫です、このくらい。ちょっと、体の節々が、痛いですが」
「いや、もうどうみても大丈夫じゃありません 本当にありがとうございました」
「なんですかそれ…?」
「いや、無意識のうちに口をついて出た」
こうしている間にも、文は肩で息をして非常に辛そうだった。
「おい、文…ちょっとおでこ貸せ」
「え、あ、ちょっと…っ」
非難する彼女を無視しておでこをくっつけた。
「熱っ!? 凄い熱じゃないか!」
「だ、だぃι゛ょぅぶですからぁ…」
断言しよう。全然大丈夫じゃない。
どれくらいかって家が吹っ飛んだ時の俺くらい大丈夫じゃない。
「文、いいから休めって。無理してこれ以上悪化したら困るだろ?」
「ちょっと、あと、ちょっと、配、達する、だけ、です、から…」
満足に喋れなくなっといて何があとちょっとなんだ。
彼女の頑固さに少し辟易しつつも、どうにか説得を試みてみた。
「だから、ダメだって。なんなら俺が代わりに配達するよ」
「ダメ、です、そこまで、迷惑、かけられ、ません」
「だからその体で動いちゃダメだって」
「いや、です」
「ダメ」
「いや」
「ダメ」
「いや」
はいはい、お決まりの千日手のパターンですよ。
こうなるともう俺が折れるしかなくなってしまう。
俺が途方に暮れていると、文は俺に背を向け飛び立とうとしていた。
「それでは、また、明日…」
「ちょっと文! ホントにダメだって!」
「だぃι゛ょぅ…」
ドサッ
言い終わる前に、文は地面に崩れ落ちた。
「お、おい!? 文!?」
慌てて抱き上げ、ベットに連れて行き寝かせた。
顔は真っ赤、体の節々の痛み、非常に高い熱…と来ると、思い当たるものは一つくらいしかなかった。
これは俺だけじゃ解決は出来ない。
俺は身支度を整えると、急いで家を出た。
目指すは竹林の奥深く、永遠亭。
飛ぶ訓練を積んでいて、非常に良かった。
まさか、こんなことで役に立つとは思わなかったが。
「あら? 珍しい客ね」
全速力で飛ばし、永遠亭の戸を叩くと、奇しくも出てきたのは永琳だった。好都合だ。
「頼む永琳! 力を貸してくれ! 俺じゃ無理なんだ!」
「え? 一体どうしたのかしら?」
「詳しい話は飛びながら話す!」
そう言うと俺は、永琳の手を掴んで飛び上がった。
「あ、ちょっと、引っ張らないでって、ねぇ!」
脇目も振らず、全速力で俺の家に飛ぶ。
道中、文の容体を説明しながら。
程なくして家に着いた。
「そうね…、聞いた限りの話だと、あれとしか思えないわね」
「だよな、やっぱり…」
「最近、どうもこれが外でも凄く流行ってるらしいの」
「そーなのかー」
「ええ、この間も夜雀がウチに来たばっかりよ」
文が寝ている部屋に永琳を通す。
暫くの診察の後、永琳が口を開いた。
「ええ、やっぱり…そうね。…インフルエンザよ」
インフルエンザ。
やはり、文が掛かっていたのはこの病気だった。
独自に仕入れた情報だと、今外では、鳥にこの病気が非常に蔓延しているらしい。
さっきの永琳の話でも言われていたが。
「それにしても…かなり危険な状態よ? どうして放っておいたの?」
「いや、俺に言われても」
「気づけなかったの? 少なくとも3日は経ってるわよ?」
全く気が付かなかった。
いや、良く考えれば2~3日前から少し元気が無いような気がしたような。
ともかく、気づけなかった俺の責任もあろう。
「とりあえず出来ることは全てやったわ。…後は本人の回復力に掛けるだけ」
「そ、そこまで危険なのか?」
「今彼女は非常に危ない状態にあるわ。それこそ、三途の川が目の前にあるくらいに」
なんてこった。
俺は、こんなくだらないことで彼女を亡くしてしまうのか?
嫌だ。そんなのは嫌だ。
いつもは近くにありすぎて気づかなかった。
亡くす寸前になって気づいた。
俺には彼女が必要だ。
俺は文のことが好きだ。
いや、文のことを愛している。
「ど、どうにかならんのか?」
目の前に突きつけられた現実に眩暈を覚えながら、俺はかすかな希望を永琳に求めた。
「だから、最善は尽くした、と言ったでしょう? これ以上は本人次第よ」
だが、その希望もあっけなく断ち切られた。
いや、完全には切れてない。
本人次第、本人が頑張れれば回復する余地はある。
ただ、俺には何も出来ない。
ただ、そばで見守り、回復を祈り続けることしか出来ない。
歯痒い。非常に歯痒い。
「…わかった」
しかし。
誰も信じなかったら、起こることも無い。
だから、俺は文の回復を祈り続けよう。
彼女の、すぐそばで。
「そう。…ああそう、この病気、人にうつる可能性があるから、貴方もこれを飲んでおきなさい、いいわね?」
「わかった」
「それじゃ、これで。…治るといいわね」
そう言って永琳は去って行った。
それから何日か、俺は文の看病を続けた。
文は、初めは本当に苦しそうな表情をしていたが、だんだんと安らかな表情になりつつあった。
意識は、取り戻してはくれなかったが。
そんなことが続いた14日目の朝。
今日も朝からつきっきりで文を看病する。
「ん…んぅ…」
2週間ぶりに聞いたその声に、思わず、文を凝視した。
俺の期待に答えるかのように、ゆっくりと、文の目は開かれていった。
「え…あ…? ここは…?」
「目が、覚めたのか…文、良かった…」
「あ…○○さん…その、私は、一体」
俺は、今までの経緯をかいつまんで話した。
今は、こうやってまた文と話せることが本当に嬉しかった。
「2週間も寝ていたんですね、私。…すみません、本当に多大なるご迷惑をおかけしてしまって」
「いいって、気にしないの。折角回復したんだから、そんな辛気臭い顔はやめやめ」
「ですが…」
「いいから笑って笑って」
「あの…ちょっと、前から疑問に思っていたのですが」
「何?」
「どうして、貴方は私にそんなに良くしてくれるのですか?」
いい加減、その質問が来る頃だろうと思っていた。
そして、その答えは2週間前にようやく出た。
文が回復した今、この想いを伝えるのは今しかない…。
「それはね、文」
一旦言葉を区切り、文を見る。
文と俺の視線が交錯する。
「俺は、文のことが好きだから、さ」
急な言葉に文はきょとんとしていたが、何を言われたのか理解すると、顔が真っ赤に爆発した。
「な、なな、な、な、ななに言ってるるるるんですか!」
「落ち着けって、落ち着けって」
「だ、だだってっだってっだっててっだって!」
「だから落ち着け」
ここまで慌てた文は凄く珍しい。いいものを見た。
「そ、そんな、急に、だって、その」
「まあ聞いてくれ、さっき言ったとおり、君は生死の境を彷徨っていたんだけど」
「はい…」
「失いそうになって、ようやく気づいたんだ。大切なものに。…俺には文が必要なんだ」
「○○さん…」
ようやく言えたこの想い。
ようやく伝えることが出来た。
気づくのが遅かったこともあるけれど。
「その…○○さん…」
自分の世界に多少入り込んでいた俺を文の声が引き戻す。
文のほうを見ると、彼女はモジモジしながらこう言った。
「実は、その、私…も、○○さんのことが…好きだったんです」
今度は俺が赤くなる番だった。
「あ、え、あ、そそそうだったんだ?」
「はい、初めて会った時からなんとなく惹かれるものがあったのですが…今ので確信しました」
「はあ、えっと、その」
自分が言うならいいが、言われるとどうも相当になんと言うか動揺してしまう。
そしてさっき自分が言ったことを思い出してしまった。非常に恥ずかしい。
後から効いてきた。ボディーブローのように。
でも、それも心地いいものだった。
ぎゅっ
「あっ…」
たまらず俺は文を抱きしめた。
こうでもしないと叫びだしそうなほどだったからだ。
文は、驚いた様子だったが、すぐに抱きしめ返してくれた。
「文…」
「はい…」
「これからずっと、一緒にいような」
「はいっ…」
END
蛇足
「げほごほぐふっ!」
「大丈夫ですか?」
まさか今度は俺が掛かるとは。
そういえば永琳が何か言ってたような。
ちゃんと聞いとけばよかった。
過去の俺のバカ。
「うぅ…不覚だ…」
「看病して人にうつされるだなんて、いかにも○○さんらしいです」
「ぐはっ」
俺はそんな間抜けに見えるのか。
そう思い、自分の色々な行動を思い返してみた。
………。
どうみても間抜けです。本当にありがとうございました。
「まあ、そんなことは置いといて」
「んぁ?」
「今度は、私が○○さんを看病する番ですねっ」
そう言って、文はこれ以上無い笑顔を俺に向けた。
ああ、何はともあれ、俺は今―――幸せだ。
後書きの間
はいどうも。
通称はまとめの人ですよ。
ニュース見てて思いつきました。この不謹慎な野郎が。
今年の奴は危険そうで。
ニュース見るたびに死亡予想者数が増えてきます。
いまんとこ68万人だそうで。
いや、でももう70万人超えた…のかな?
十分気をつけましょう。
俺ですか?俺はバカだから風邪もインフルエンザもへいちゃらへー。ですよ。
はい、すいません。orz
2スレ目 >>213
───────────────────────────────────────────────────────────
文がまた俺のところにやってきた
「ただ通りがかっただけです…」
俺はそんな彼女が可愛くてついからかってしまう
「オヤオヤ、ドウシタンダイ?君ニトッテ人間ナド取材スル価値モ無イダロ?」
「…そのとおりです。人間なんて襲う対象でしかないですから」
生意気なので亜音速で抱擁。
「ホホォ…君ハ襲ウ時ニモワザワザ『香水』ヲツケルノカイ?」
文の小さな体から花のような匂いがたちこめる
「い、嫌でしたか?」
「俺ハ石鹸ノ香リノホウガ好キダナ」
「あ…」
そして俺は彼女に
2スレ目 >>315
───────────────────────────────────────────────────────────
…うん、今日もいい天気だ。
僕は今、森を散歩している。
いや、暇だったからなんだがね…
今は昼間、多分あの宵闇の妖怪も襲ってこないと思う。
…ん?なんだかものすごい風を切る音が…
ガン!
「ぐぁぁぁぁぁぁ!あ、頭がぁ!」
いきなり後頭部に割れるような衝撃を受け僕は痛みに悶えながら転がった。
「痛ぁ…何かに膝ぶつけちゃったよ…」
そのそばで痛そうに膝を抑えている烏天狗がいる。
…文じゃないか…
「…おまえか、歩行人に空から膝蹴りを浴びせる馬鹿は…」
「えっ?す、すみません!ちょっと急いでて!」
「ハァ…もういいよ。急いでるんだろ、早く行け」
「す、すみませんでしたぁ!」
…全くアイツは…幻想郷随一の速さの持ち主なのは分かるが…もう少し周りを見ろってんだ…
う゛~…頭痛ェ…家に戻ろうか。治療しなくては。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…見事に立派なたんこぶが出来てやがる…
でもこれ位で済んで良かったな…
もしもアイツの本気の速さで蹴られてたら…おおこわ、考えないようにしよう。
「あの~、○○さんいますか?」
「ん?文か?用事は終わったのかい?」
「ええ、終わりました。さっきはすみませんでした。あの、大丈夫ですか?」
僕は後ろを向き、言った
「これで大丈夫に見えるのか?」
「…ッ!?出血してるじゃないですか!」
「は?」
文にそう言われて改めて後頭部に触ると…わお、出血してるよ。
さっきからなんか背中に違和感を感じていたが…そうか、背中沿いに流血してたのか。
「ちょっとうつ伏せになってください!今治療しますから!」
「いや、いいよ。ほっとけば治るだろ」
「そんなわけ無いじゃないですか!すごい勢いで流血してるんですよ!?」
「そうなのか…ってアレ?なんか、ちょっと、フラついて…あらら、地面が、傾いて…」
「○○さん!?」
僕は文の叫び声を聞きながら意識を手放していった…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ん…んん?アレ…僕はいったい…」
「あ、気が付きましたか」
とりあえず状況確認。今僕はベッドでうつ伏せで寝ていて、傍らで文が氷嚢を作っている。
あ、頭に包帯が巻いてある。
「どうやらすっかりお世話になってるっぽいな」
「いえ、元はといえば私のせいですし。あ、お昼ごはん食べましょうか」
「ああ、じゃあ作らないとな」
そういって起き上がろうとした僕を文が抑え付けた。
「ダメです。貴方は怪我人なんですから、私が作りますよ」
「おいおい、そこまでやらなくてもいいよ。仮にもお客様なんだし」
「いーえ!○○さんは寝ていてください!私が美味しいお粥作ってあげますから!」
「う…そうか…じゃあお願いする…」
「ハイ!任せてください!」
うーん…どうでもいいが…文の奴料理美味いんだろうな…
@風神少女料理中………@
「出来ました~」
「お、見た目はなかなかだな」
文が作ったのはありきたりの卵とじ粥。まぁ、病人にはいいんだろうが…
…僕は、怪我人だよな…
まぁ…いいか。
「おっと、食べるには仰向けにならなくてはだな」
「いえ、そのままで安静にしててください」
「え?でもこの状態じゃものすごい食べづらいんだが?」
「私が食べさせてあげますから♪」
「え゛?」
何を言い出すんだコイツは…
おいおい、ちょっとマジかよ…
「○○さん、あーん」
「おいおい、いいよ。それぐらい自分で…」
「ダメです。安静にしてなくちゃいけないんですから。はい、あーん」
「…絶対にこの食べ方じゃないとダメなのか?」
「ええ、ダメです」
…腹を括るか…
「はい、あーん」
「うう、誰かに見られたら恥ずかしいな…はむ」
「どうですか?」
「ん、なかなかいけるじゃないか」
「でしょう?たくさん食べてくださいね♪はい、あーん」
「…ハァ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ご馳走様でした」
「お粗末さまでした。そしてこちらもご馳走様でした」
「ん?文になんかご馳走したっけ?」
「いえ、貴方がこういう風にお粥を食べている写真を撮らせていただきました♪」
「ナヌ?」
「明日の一面を飾るので楽しみにしててくださいね♪」
「いや、ちょっと待て。それは文自身の恥にもなるのでは?」
「フフフ…もちろん写真は私が写らないように編集させていただきますよ?」
「え゛?いや、おい待てよ」
「それでは○○さん、失礼します」
バタン、元気良く僕の家の戸が閉められた。
後に残された僕はただベッドの上で呆然としているだけだった。
ちなみに翌日、文々。新聞の一面(「○○、イチャイチャ同棲生活!」)を見た僕はこの行き場の無い怒りを…とりあえず外で歌いながら飛んでいた夜雀に対してぶつけることにした。
ちなみに夜雀は白玉楼に速達で届けてもらうことにした。
何が書きたかったんだよ…俺…
>>150
───────────────────────────────────────────────────────────
「おはようございます」
「…あー…?」
目を開ける。
文の顔がどアップ。
「ちょwwwwwちけぇwwwwwww」
「そんなことはどうでもいいです」
「あー…?」
起き抜けの頭では認識がなかなか出来なかったが、少し時間が経ってみると――文は怒っているようだった。
「『あー』じゃないです」
「えーっと…なんで怒ってるんだ?」
「わからないんですか?」
「あー…?」
「だから『あー』じゃないです、そればっかりじゃないですか」
「うー?」
「『うー』でもないです!」
「え「ふざけないでください」…すまんかった」
「で…本当にわかってないんですか?」
はっはっは、自慢じゃないが全くわからん。
なんかあっただろうか。
文との約束だったら忘れるはずがない。
「よし、なにひとつわからない」
「はあ…じゃあ一つ質問します。…今日は何月何日ですか」
「えーっ?今日は、12月…2…6……」
ぅゎ ぉれ ょゎぃ
「わかりましたか?」
「はいわかりました」
「…で、何か言うことは?」
「あのホントすいませんでした許してください」
「許せると思いますか?」
「…すいませんでした」
「クリスマスに!恋人放っておいて!どういう了見ですか!」
「ぐががががちょまちょそれまじしn」
「ほら早く納得いく説明を!」
「いやだkらふあがかしでゃb」
正直言い訳のしようもない。
ただ完全に忘れていた、それだけだ。
言ったら文はさらにヒートアップした御様子でした!
「本当に貴方って人は貴方って人は!」
今、文は一見笑顔だが目は全く笑っていない、やばいよこれもうしぬかもわかr
俺は平謝りするしか出来ない。
完全に俺が悪いのだから…。
「いやはははあのほんとすいませんでした」
「謝って…済むと思いますか?」
「どうみても済みません ほんとうにありがとうございました」
「このダメ人間!」
「あうぅ…」
「バカ!バカ!」
「うぅ…」
「バカ…バカ……」
文の声に急に元気がなくなった。
見ると…文は泣いていた。
「文…」
「クリスマス…楽しみにしてたのに……あんまりですっ!」
「…」
「私、ずっと待ってたんですよ?いつ来るかわからないから何度も玄関まで行ってみたり…」
「…」
「いつまで経っても貴方は来なくて…一人でずっと待ってる寂しさわかりますか!?」
「…」
「折角、ずっと前から準備もしてたのに……」
準備、か。
そもそも俺もクリスマスを完全に忘れていたわけではない。
少なくとも1ヶ月前までは覚えていた。
だからもちろんプレゼントもちゃんと用意してある。
が、何故かここ1~2週間ですっかりと頭から抜け落ちてしまっていたようだ。
…さて、俺に何が出来る。
っても――出来ることはまあ限られているか。
「文…」
「なんですか」
文は真っ赤な目でこちらを睨んだ。
自分のせいでこんなになってしまったことに心が締め付けられる。
何時だって一人は寂しいものだ。
「ごめんな…本当に」
「…聞き飽きました」
「その…なんつーかこんなこと言うのはおこがましいが」
「…」
「二日遅れになっちまったけど…パーティー、するか?」
「……」
「本当、悪かった」
さて…後は文次第だ。
これで許してもらえるかな、なんて思ってる俺はやっぱり小さくて甘い人間なんだろうな。
まあ、これでダメだったとしてももう俺に出来ることはないし、悔いはないさ…。
「……わかりました。パーティー、しましょう」
「あ…許して、くれるのか?」
「そんなわけないでしょう!」
やっぱそうだよな…。
「ただ…ただ…来年は、ちゃんと当日にやってくれたら許してあげます」
「っ!…それって」
「来年もよろしく、お願いしますね」
―――どうも、文とは長い付き合いになれそうだ。
後書き
ぅゎ ぉれ ぉそぃ
気づいたのは当日の朝。
遅筆の俺にはどうしようもなく。
まいっかー☆ で当日を過ごしてしまったけれども、どうにも。
俺の中で『書かねば』って意志が熱く燃え滾ってしまっていたので。
えーっと、後は…。
お正月ネタ間に合うといいなあ?
ということで、まとめでした?
>>327
───────────────────────────────────────────────────────────
○○「ああ文か、あけましておめでとう」
文 「おめでとうございます○○さん。今年初の新聞です、どうぞ」
○○「年中無休か、忙しいな」
文 「何年もやってれば慣れますよ」
○○「そんなもんかな…。 なあ文、時間あるか?」
文 「今日の分の配達は終わりましたから、いくらでも」
○○「よかったら餅つきしないか? 永遠亭で杵と臼を借りてきたんだ」
文 「わあ、面白そうですね。やりますやります♪」
文 「これでよし、っと。準備完了ですね♪」
○○「だな。 ところで文、餅をつくのとまわすの、どっちをやる?」
文 「そうですねえ…餅をつくのは初めてですから、両方やってみたいです」
○○「それがいいかもな。そんじゃまずは…」
ξ・∀・)<○○選択
1.餅をついてくれるか?
2.餅をまわしてくれるか?
選択肢1
○○「餅をついてくれるか?」
文 「わかりました♪」
文 「け、結構重たいんですね…」
○○「はは、大丈夫か?」
文 「大丈夫ですよ。せめて十回くらいはやってみせます」
○○「そっか。んじゃ始めるぞ」
文 「はいっ♪」
ぺたっ。ふわっ。
○○(ん…?)
文 「こ、こうですかー?」
○○「そうそう」
くるっ。
文 「よい、しょ…っと」
ぺたっ。ふわっ。
○○(お、これは…)
文 「こんな感じですか?
○○「上手いぞ、文」
文 「そ、そうですか?」
くるっ。
○○「強いて言うなら、もうちょっと腰を入れた方が良いな」
文 「力任せにつくだけじゃ駄目なんですね。」
○○「まあな。結構難しいんだよ。もっかいやってみ?」
文 「はいっ!」
ぺたっ。ふわわっ。
○○「!!!」
文 「ど、どうでしょうか?」
○○「あ、ああ。大分良くなったぜ」
文 「ふふふ♪ 続けましょう♪」
くるっ。
ぺたっ。ふわぁっ。
○○(おおっ!)
くるっ。
ぺたっ。ふわわわっ。
○○(見えたっ!)
くるっ。
ぺたっ。ふわわわっ。
○○(…白! ナイス選択だ文)
ぺたっ。ふわわっ。
○○(こいつは…強力すぎる)
ぺたっ。ふわっ。
○○(ん? 段々見えなくなってきてるような…)
ぴたっ。
○○(ぴたっ…?)
ちらっ。
┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙
文 「どうしたんですか○○さん。続き、やりましょうよ」
○○「あのさ文笑いながら杵を振り回すなよ危ないし怖いぜ可愛い顔や真っ白なパンツがだいなs」
そのご ○○の すがたを
みたものは だれも いない…
Congratulations? Ending No.???
杵エンド
選択肢2
○○「餅をまわしてくれるか?」
文 「わかりました♪」
○○「うっし、いくぞ」
文 「はいっ!」
ぺたっ。
くるっ。
文 「どうでしょうか?」
○○「そうそうそんな感じ」
ぺたっ。
くるっ。
ぺたっ。
くるっ。
○○「しっかしアレだなぁ、くるくるやってると…」
文 「?」
○○「なんつーか、こう…くるっ、くるっ、くれらっぷーみたいな感じがしないか?」
文 「言ってる意味が分からないのですが…」
○○「そっか…」
ぺたっ。
くるっ。
ぺたっ。
くるっ。
ズズー…。
○○「あ゙ー…」
文 「風邪ですか?」
○○「いや、違う。クシャミが出そうで出ないんだよ」
文 「も、餅に鼻水を垂らさないで下さいね」
○○「努力はしてみるさ」
ぺたっ。
くるっ。
ぺたっ。
くるっ。
ぺt「ぶえーーーーーっくしょい!!」
文 「ひあっ!?」
ばしゃっ。べちゃっ。
○○「文、だいじょ…」
文 「ふえぇ~、ベトベトでびしゃびしゃです~…」
○○ (餅+水=白くてベトベトwwwww妄想広がりんぐwwwwwww)
文 「○○さぁ~ん…」
○○「うはwwwテラエロスwwwwwっうぇwww …ハッ!」
文 「○○さん…あなたはまた
そ ん な こ と を 考 え て い た の で す か ?」
┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙
文 「○○さん…最後に言い残すことはありますか?」
○○「…『ぺたっ。くるっ。』ってずっと見てると『つるっ。ぺたっ。』って見えてこないか?
それが文を彷彿とさせr「判決『死刑』!!!」
ド グ チ ア ァ ァ !!
文 「…後は映姫様にお任せします」
Congratulations? Ending No.???
ぽるぽるエンド
餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵
杵 臼
臼 あとがき 餅
餅 逃げ回りゃ、死にはしない! 杵
杵 そんなふうに考えていた時期が私にもありました 臼
臼 餅
餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵
>>375
───────────────────────────────────────────────────────────
のんびりグダグダ。
いやー…、お正月って素晴らしい。
はいそこ、お正月じゃなくてもグダグダしてるって言うな。
去年こそは孤独な年越し脱出だと思ったんだが…。
「結局一人で年越しフゥーーーーーーーーー!!!」
はいはいひとりひとり。
絶対来ると思っていた人は来ませんでしたっ!
俺は今年もおそらく負けたであろう曙のことを思いながら除夜の鐘を一人寂しく聞く事になったのだった。
「新年から幸先良すぎフゥーーーーーーーーー!!!」
今年もいい年だー!
今年も女運なさそうだー!
バーカ!バーカ!カップルは皆滅びればいいと思うよ!
クソ…なんでこんなことに…。
初夢だって文とイチャつく夢だったのに!
まああれだ。
この間のあの事件、クリスマスッポカシ文ちゃん大激怒事件――今名付けた――のセイセイセーイ!…もとい、せいだとは思うのだが…。
つまり表面上は許してくれたが、実は根に持っていて今回こういう形で表現されたということで。
…要するにだ、俺は文にふられてしまったと、そういうことか大佐!
(今は任務が先だスネーク!)
…なんだ今のは。そもそも大佐って誰だ。
まあその、今ので一つはっきりしたことは、だ。
「こ、今年も独り身か…?」
はい、それおそらく正解。
独り身脱出の喜びはたった数週間のものでしたっ!
「独身フゥーーーーーーー!」
「…何やってるんですか」
「うおぅ!文いつの間に?」
諦めて某ゲイ人の真似をしていたら、いつの間にやら文が後ろに立っていた。
「新年早々とんでもないものを見てしまいました…」
「とんでもない。立派な腰振りじゃないですか。
そんなことを言われるとは、全くもって心外です」
「なんで英語の教科書風なんですか…?」
「いいえ、彼はトムです」
「何言ってるんですか」
いかんいかん、話が脱線しすぎた。
どのくらい脱線してるかって言うと元のレールから脱線して他のレールに乗ったからそのまま運行しちゃったみたいな。
今年の隠しゲイはこれで行こう。
「だから何言ってるんですか…」
「地の文に突っ込むんじゃないっ!」
「今『じのあや』って言いませんでしたか?」
「なあに、ただのミステイクだ」
「はぁ…あと、さっきのは口に出てました」
「なんだって口に出ていたのかそうかそうか全く納得だそれなら仕方ない」
「はぁ…」
文は2度目のため息を盛大についていた。
「おいおい、新年からため息とは文、幸せが逃げる前に来ないぞ」
「誰のせいですか…」
断言しよう、間違いなく俺のせいだ。
まあそれは置いておこうか。
大問題はつい10分前に振られたって思考にたどり着いたのにもかかわらずいざ会ってみたら普通に話している俺の思考にある。
「なあ、あやや…」
「なんですかそのあだ名は…。どうでもいいですけど」
文の方を見るとそっぽを向いています。
急に敬語になったのはきっと雰囲気です雰囲気。
「あのさ…。なんで大晦日来なかったんだ?」
まわりくどいのは嫌いだ。
さっさと核心を突いてみることにした。
「うっ…。その、あの…いろいろと」
「いろいろって何してたんだ?」
「い、いろいろです…」
なんでこんなことに答えられないんだ…?
まさかっ!
「あやぱん…」
「そのあだ名もどうかと思います…」
「えーっと…他の男?」
「なっ、どどどうしてそうなるんですかっ!」
あやぱんは顔を真っ赤にして否定した。
そこは否定してくれるのか、よかった。
…でも俺以外の男っつったら香霖くらいしか思い当たらんわけで。
否定してくれて切に良かったと思う。それはいいんだが…
「んじゃ、なんで言えないのさ?」
と、当然のことながら思ってしまうわけで。
「で、ですからいろいろあって…」
「言えないようなことなのか?」
「言いづらいことではあります…」
「言いづらい…ま、まさかっ!」
俺はあるひとつのことに思い当たった。
こんなことがまさか本当にあったなんて!
「男じゃなくて女とイチャイチャしに「なんでそうなるんですかっ!」ひでぶっ!」
言ってる途中であやぱんにハイキックを見舞われましたが、どうみても白です。
本当にありがとうございました。
何が白いのかは心の奥底にしまっておこうか。
「全く…新年から何を言い出すんですか…」
「それはあやぱんがちゃんと言ってくれないから…」
「そのあだ名やめてください…。わかりました、言いますから」
「お?マジで?」
「その…写真を撮ってたんです」
「写真?」
「はい、新聞用にしようかと」
写真を撮るだけでそんなに時間が掛かるだろうか。
「で、えーっと…そんなに時間掛かるもんなんかな?」
「えっと…実はその、弾幕ごっこしながらだったんで」
「ちょwwwwwwあるあるwwwwwwwww」
ねーよwwwwwwwwwwwwww
弾幕ごっこしながら写真撮るとか、鬼かって。天狗だって。
「思ったより全員撮影するのに時間が掛かってしまって…気づいたら新年だったんです」
「そうだったのか…てっきり俺はふられたものと」
「そっ、そんなわけないじゃないですか!」
「いやー、そこまで必死に否定してくれると男としては感無量」
「そーなのかー」
…なんだ今の。
一瞬視界が黒くなった気が。
「そもそもクリスマスの時に言ったじゃないですか…」
「あー?」
「『あー?』じゃないですっ!…まさか、忘れちゃったんですか?」
途端に文の顔が曇る。
「まさか、そんなわけないだろ?」
「ですよね…」
「ああ、『来年もよろしく』、ってな」
「よろしくしといてふるわけないじゃないですか」
「そりゃそうか…?」
「そうですっ!」
言い切ってくれた。
さっきも言ったが感無量だ。
「そういや…クリスマスのことがあるんだから、言い淀む必要も無かったんじゃないか?」
「あー…じゃあ、おあいこってことでお願いします」
そう言って舌を出して笑うあやぱん。可愛すぎて今すぐベッドに押し倒「はい何考えてるんですか」
「地の文に突っ込まないでくれ…」
「また口に出てました!」
「そうなのか…」
「クリスマスの話で思いついたんですが」
「んー?」
「折角ですから今から新年のお祝いをしましょうか?」
「OK牧場」
「…なんですかそれ」
それからどした
「えー…っと…これはどういったことだ」
「え?ですから、新年の酒盛りです」
「やっぱこうなるのか?」
「もちろんですっ!」
テーブルの上には銘酒、水道水から幻想郷じゃなかなか手に入らないワインとかいろいろいっぱいいっぱいチルノ。
待て待て、これをまさか2人で飲むというのか?そうなのか?
流石に呑んだくれの文でもそれは無いだろう…無いだろう?
「あー…あやぱん?」
「あやぱんって言わないでくださいっ!…なんですか?」
「いや、これまさか2人で全部飲むつもりなんか?」
「え?もちろんそのつもりですよ?」
「あやぱん実は怒ってません?」
「怒ってませんよ?」
そう言って満面の笑顔を見せる文。
悪気がない分性質が悪いよ?
この呑んだくれ!
「あー…無理」
「えー!どうしてですか!」
「いや、どうしてもこうしてもなあ…」
天狗ならともかく、この量は無理だ。
流石呑んだくれだ!俺に出来ないことを平気でやってのける!
「あのな?天狗ならこんなん飲んだうちに入らんかもしれんがな、悲しいことに、だ」
「はい」
「私は一流の一般人で、さらに…一流の一般人だ」
「まわりくどいですが、要は一般人ですよねそれは」
「そうだ。つまり無理」
「ダメです。倒れるまで付き合ってもらいますよっ!」
なんで?なんでこうなるんだ?
「やっぱ怒ってないか?」
「怒ってませんよ?」
そう言ってイイ笑顔を見せる文。
あらまあよく見れば青筋が。
「ちょwwwwwwなんで怒ってんのwwwwwwww」
「さあ?何ででしょうねぇ?」
全く身に覚えが無いぞ!
あれか?アルコールが切れたからなのか?飲む前から!
この呑んだくれ!
…って…このパターンから言ってまさか。
「誰が…呑んだくれですか…」
「いやっぱり口に出てましたよっ!?」
「言いたい放題言って!」
「これほどまでに怒っている文を私は今までに知りません!」
「当たり前です!」
「あああああ許してあやぱんやめてあやぱん」
「あやぱん言うな!」
風符「風神一扇」
「くぁwせdrftgyふじこlp;」
「はっ!」
「あ、ようやく起きましたか」
「ああ…」
「それじゃ、始めましょうか」
始めるのはいい。始めるのはいいんだが。
「あーっと…一つ言いたいことが」
「なんですか?」
「この拘束を解いてください」
「『だが断る』です」
あんですとー!?
「な、なにするつもりだよぅ!やめろよぅ!弱いものいじめよくないよぅ!」
「なんでいきなり幼児退行してるんですか…」
「な、なんで…なんでこんなこと」
「そうでもしないと逃げちゃうじゃないですか」
「そんなことはない!…と思うよ?」
「なんで疑問系なんですか!せめてそこは言い切ってください!」
どうしてもこれは逃れられないのか?
…そうだ。
「ああ!あやぱん!」
「あやぱん言うな!…なんですか?」
「ほら、このままじゃ飲めないだろ?だから手だけは解いてくれ!」
「ダメです」
なんでじゃー!
「なんで…」
「私が飲ませます」
「どうやって?」
「こうやるんですっ!」
そう言うや否や、文は持っていた酒を口に含み……俺にそのままキスした。
「!!?!???!」
驚く俺を他所に、文の口の中から俺の口の中へと酒が送り込まれてくる。
そうして飲む酒はなんとなく甘い気が、した。
酒を送り終え、文がそっと離れる。
頬を赤く染めて視線を逸らせてああもう!可愛いなあ!
「お世辞言っても何も出ませんよ」
「いや本心だから!」
「…そうですか?」
そう言ってこっちを上目遣いでうかがう文。
ちょっと潤んでたりしてもうくぁwせdrftgyふじこlp;
「あやぱん…」
「なんですか…?」
「ずっと、一緒だぜ?」
「…縛られたまま言うのはかっこ悪いですよ?」
そうでしたー☆
「ちょwwwwwwじゃあ解いてくれよ!」
「ダメです」
なんでだよ…。
「絶対に離してあげませんからねっ!…ずっと、一緒ですから」
ああ、そういうことか…。
「…大丈夫だって、逃げたりなんかしないから」
「本当ですね?」
「ああ。誰が離れてやるもんか」
「…その言い方はちょっとどうかと思いますよ?」
「俺も同意見だ」
仕切り直す。
大事なことだしな…。
「絶対、文を離したりなんかしないさ。…ずっと一緒だ」
今度こそは決まった!そう思うだろ?アンタも!
「……………」
ちょ、なんで無言なんだよ!
「………ぷっ」
「なんで笑うんだよ!」
「だって…縛られた…まんま…ぷくくくく!」
そうだったー☆
「二度目かよ!解けって!」
「はいはいわかり…ふふふふふ!」
「笑うなっつーに!」
台無しだよ!もう!
「いい感じに酔ってまいりましたー」
「誰に言ってるんですか…」
「さあー?」
「飲みすぎじゃないですか?」
「誰だよー、飲めって言ったのはー」
「私ですけど…」
「だろー?」
「悪酔いしすぎです…」
「気のせいですよーん☆」
「…………」
「すまん、正直今のは自分で無いと思った」
「ですよね…流石に今のは引きます」
「引くな、頼むから」
そんな感じで暫くのまのま。
気づけばテーブルの上の酒も大体無くなっていた。
スゴイネ人体。
「あー…ようやくこれでお開きかぁ?」
「え?まだですよ?」
なんで?もうお酒ナイヨ?
「あやぱん、そうは言うがもうお酒は…」
「ありますよ、ここに」
そう言って玄関の外に行く文。嫌な予感しかしません。
ついて行くとそこには…。
「うわぁ……玄関の前、お酒でいっぱいなりぃ……」
ついおかしな語尾になってしまうほどの量のお酒がそこにはありましたとさ。
「これ全部飲むの?」
「当たり前ですっ!」
「勘弁してくれー!!!!」
~後書き~
あーあ、東海大なにしてんだよもう。
関係ないけど優勝候補って言われる奴って大体優勝しないよね。
これは本当に余談だけど。
スペカ見たときに、ついでにカットインの言葉も見たわけですが。
優曇華とチルノの奴は特にキャラのことも表してなさげでちょいとはてなでした。
まーだチルノは言いそうだけど、一石二鳥とかは。
本編の突っ込み。
>初夢
マジで見れたので。
ありがとうあやぱん。
>彼はトムです
ツボだったのでついやってしまいました。
わからなかったらググってください?
>弾幕ごっこしながら写真
はい、思っておられるとおり文花帖です。
面白いけど。面白いけど!
あんまりヘタレてるから落ちる落ちる。ごめんねあやぱん。
>一流の一般人&これほどまでに(ry
古畑任三郎FINALの第1夜より。
第2夜はイチローだし楽しみ。
>そう思うだろ?アンタも!
スクライド。
ありがとうございました。
>>397
ストレートに
「写命丸さん、俺と付き合って下さい」
1スレ目 >>86
───────────────────────────────────────────────────────────
「……で、なんで俺なのさ」
「この間の月都万象展で外界に対する興味は高まっていますからね。読者の読みたがる記事を書くのも文文。新聞の務めです。そこで今日は外界から来たというあなたに独占取材をですね……。もちろん三面記事ぶち抜きですので期待してください」
と、文はなぜか誇らしげに胸を張る。まあ、俺の行動範囲である博麗神社周辺の人物はそんなに外界に興味を持っているようにも思えないのだが、俺の知らない集落なんかではきっとそうなんだろう。
しかしながら会話になっていないのは気のせいだろうか。
「別に外の世界ならゆあ……ゴホン。紫さんに聴けばいいじゃないか」
お茶をすすりつつ、脇を通ったカラスに煎餅をくれてみる。
外の世界の事と言われても、俺の記憶の中にあるのはたかだか十数年かそこらだし、そもそもどの程度役立つのかも疑問系である。
「いくら私でもマヨヒガへそう何度も行けるわけではありません。それに彼女はもう冬眠していますよ」
「ふぅん……まぁ答えられる範囲で良いなら善処するよ」
「ご協力感謝します。では、始めにですね…………」
―――――――
「成程成程……やはり外界では科学の進歩が発展に大きな影響を与えている。と」
かれこれ小一時間はインタビューを受けただろうか。どの質問もどうにか俺の知識の範囲内で答えられるものだったのが何よりの救いだが、『ロケットの材料であるという『アームストロング』とはどういう物ですか』とか、微妙に何か間違っている質問が多かったのも事実である。
「あ、次が最後の質問ですね。お疲れ様でした」
と軽く頭を下げる文。釣られて俺も「いえいえ」なんて会釈を返してしまう。
「では最後の質問です。…………」
止まった。
メモ帳を凝視したまま、うつむき加減で文が止まった。
「お、おい、どうした?」
「…………?」
成程。止まっているのではなく物凄い小声。うつむいているというか、そこはかとなく赤みを帯びだした表情を読み取られまいと顔の下半分を隠しているのか。
そして、
「……私は……あなたのことが……好きなのですが、それについて、どう思われますか?」
聞こえた。聞こえてしまった。
そして同時に全てがジグゾーパズルのように繋がった。
どうして今日、こんなインタビューなんて受けているのか。
どうして「風神少女」の異名を持つ彼女を追って幻想郷を東奔西走したのか。
どうして徹夜で文文。新聞の編集や校正、製版を手伝っていたのか。
皆から「物好きねぇ」なんて言われたそれらの理由が解った。
「……その質問に答えるのは簡単なようでとても難しい」
俺は座り直すとできるだけ真面目に答える。
「まずは射命丸文という人物の人柄から説明しなければならないんだが……時間も押しているようだし端折ってしまおう」
新聞に対する情熱、ひたむきさ。そういう理屈っぽいものは全てひっくるめてしまおう……
「俺もお前が好きだ。愛してる」
この一言だけできっと十分だから。
1スレ目 >>131
───────────────────────────────────────────────────────────
射命丸スレよりコピペ
273 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/18(木) 10:55:05 [ jitlL1co ]
文を抱き締めたい
「な…何するんですか!記事にしますよ…?」
と言いつつも腕を僅かに緩めているにも関わらず逃げようとしない彼女に俺は言う
「記事ニスレバイイ。ダガ『事件』ノ欄デハナク、『おめでたニュース』ノ欄ニ
俺ト君ガ載ルコトニナル」
文はマイクとメモ帳を取り落とすと同時に、俺の体に小さな腕を回した
「…取材拒否…できませんよね…?」
「ウム」
そして俺は彼女に
274 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/18(木) 11:34:23 [ Q4L8reDc ]
そっと口づけをした。
文も目を閉じて返してくる。
「んっ、ぷちゅっ……」
俺は、そろそろと文の柔らかな身体をまさぐり出す。
「あ、やっ、はぁ……」
文が身をよじる度その身体が俺にこすれる。
感極まった俺は下半身スッパ
1スレ目 >>151
───────────────────────────────────────────────────────────
「今回のインタビューはこんなところです。今日もありがとうございました」
「うん、お疲れ様。男前に書いておいてくれよ」
「あらあら、文々。新聞は真実の泉ですよ?」
「それは残念」
「うふふ」
手帳から顔を上げた文の顔が、柔らかな笑みに綻んだ。
比較的最近の外界から幻想郷に来た、という物珍しさが彼女の好奇心に強く触れたらしく、
初めて会って以来、時には今日のように取材を受けたり、時には新聞の作成を手伝った事もあった。
住み慣れない幻想郷に不安だった自分にとって、文の人当たりの良さはとてもありがたいものだったし、
底が見えないけど根本的には実直な性格、感情のままにコロコロ可愛らしく動く表情、etc……
まあ詰まるところ、俺は射命丸文に、いつからか特別な感情を持つようになっていた。
「……あの、これは取材とは関係ない個人的な疑問なんですけど、一つ訊いてもいいでしょうか」
帰りの道中、三歩先を行く文が、ふと足を止めて振り返った。
「ん、何だい?」
こちらも足を止めて訊き返す。文の顔は珍しく下を向いていて、こちらから彼女の表情はよくわからなかった。
「その……帰りたい、とは思わないのでしょうか」
「……いきなりだな。何でそんな事を」
「今まで貴方から聞いた外の世界と、この幻想郷を比べてみての率直な感想です。
貴方が過ごしてきた場所に比べて、ここは酷く不便ですし、
何より貴方のような普通の人間には危険に過ぎます」
「まあ、そこは確かに間違ってはいないなあ……」
「なら、どうして幻想郷を選ぶのですか?」
「ん~~……」
唸りながら天を仰ぐ。緩やかに沈む太陽を孕んだ赤い空が、とても綺麗だった。
……うん、理由なんて、一つしかない。ここで彼女に伝えてしまおう。
「あのさ、文」
「はい」
面を文の方へと戻した。顔を上げた彼女と、視線が交わる。
「確かにあっちには色々便利な物がたくさんあって、生きていくに困るような事はそうそう無い。
曲がりなりにも俺が生まれ育った場所だし、大切なものだってたくさんあった。
帰りたいと望めば、あるいは帰る事もできるのかもしれない」
「……はい……」
自惚れだとは思うが、彼女の表情に少し影が挿したように見えた。
「でもさ」
この距離では本当に言いたい事は伝わらない。足踏み二つ彼女の方に歩み寄った。
そして、極上の硝子細工を扱うように、そっと彼女の手を取る。
「――あっ」
文の口から小さく声が漏れたが、その手が振り払われるような事は無かった。
「一番大切なものは、ここにしか無いんだ」
「え……」
触れた大好きな人の手から、あたたかなものが優しく沁みてくる。
この蕩けるようなぬくもりを、彼女も俺に対して持ってくれていたら嬉しいのだけど。
俺はひとつ息を吸って、そして彼女に告げた。
「文。好きだ。君を愛してる」
1スレ目 >>564
───────────────────────────────────────────────────────────
「ゴホッ!ゴホッ!あ~」
朝から猛烈に頭が痛い、ついでに熱が出てきやがった。
咳も出るし・・・あーこりゃ完全に風邪だなぁ。今日は誰も入れないでおこう、なんとなく今日は大凶そうだし。
ガチャッ
「こんにちわー。今日は良い事があったんですよ~」
そうだ、こいつが居たんだった・・・、勝手に入ってくるなって。
この勝手に入ってきた泥棒に間違えられても仕方が無い奴は天狗の射命丸文。文々。新聞っていうのを発行してた、ごめんしてる。
なんか知らないけど俺は天狗に良く好かれるんだよなぁ・・・なんで?まぁ何かと良くしてくれるからいいけど。
「いますか~、○○さんいますか~?」
「居るから漁らないでくれ」
「あ、居た」
こいつは俺が居ないと勝手に漁るからなぁ・・・。前に漁られて片付けるのに半日ぐらいかかったっけか、世も末だ。
とりあえずこいつだけには風邪をばらしてはいけない。絶対にネタにするからだ。
「どうしたんですか?寝込んじゃって」
「いや、二度寝しようかなとでも考えていたんだ。まぁそれよりも、良い事ってなんだ?」
そう言って話を強引にずらす、こいつは勘も鋭いから不自然な動きを見せたら絶対に感ずかれる。
「あ、それがですねちょっとコレを見てください、眼鏡の男の人がやっている店で手に入れたものです」
「ん?デジカメじゃないか、幻想郷にもあったか?」
「あ、知ってたんですか残念・・・。それはともかく、コレで何処でも写真が取れるんですよ!」
うわ~ヤバイな、こんなもの持っていたら鬼に金棒、いつも以上に気を引き締めないと拙いかも。
「それにしても、元気がないですよ?もしかして風邪でも引きましたか?」
「えっ?何でわかっ・・・あ」
「あ、当たりだったんですか?これはスクープに・・・って、えぇ!?風邪ですか!?」
「え?風邪だけど・・・」
なんでこんなに驚いているんだ?
「か、風邪ですか!?あの大量の人間を死に追いやったあの風邪ですか!?」
「そこまで大げさなものじゃないけど・・・」
「た、大変大変!あなたが死んだら私の楽しみが無くなっちゃいます!」
「だから死なないって・・・聞いてないな」
天狗の中では風邪を引くと死ぬなんてことになっているんだろうか?それにしてもこんなに慌てた姿は始めてみたな。
「あ、そうだ!何か私にお手伝いできる事があったらしてもいいですか?していいですね!」
「勝手に決めるな、まぁ別にいいけど。それじゃあちょっと桶に水を汲んで持ってきてくれないか?」
「解りました!今もってきますね」
ちょうど頭のタオルも温くなってきたし、とりあえず体を起こして待ってるかな。
「うわ、っととと・・・」
おいおい・・・大丈夫か?ってか水汲み過ぎだって、溢れんばかりまで入れなくてもいいのに。
「・・・っとととと、キャッ!!」
突然手を滑らせて桶が手から離れた。いや、それだけなら別にいいんだけど、その桶に入った水がこっちに向かってきている。
あーなんかありきたりだな。なんて思うけど一つだけ変なのがあった。
水の向こうに見える
カメラを構えたこの事態の張本人の姿が
ザッパーーーカシャーーン!!!
「やった!いい写真が取れた!これは使わなければ!」
なんかもう起こる気も失せてきた・・・はぁ。
「へくしょーい!!!」
その後服を変えたり布団を変えたり色々と疲れたけどとりあえずは元に戻った。
なんか余計熱が出てきたかもしれない。
「あ、そうだ。永遠亭から薬貰ってきてくれないかな?」
「解りました!十分で貰ってきます!」
そういって文は出て行った。大丈夫かなぁ、なんか不安だなぁ。
「戻りました!」
「早ッ!」
いや、まだ十分もたってないよ?いくらなんでも早すぎでしょ。通った後には酷い跡がついてるだろうに。
「・・・あれ?薬は?」
「あ、それがですね。症状を見ないと解らないかもってことで永淋さんについてきてもらったんです」
「そう・・・でもさ」
「はい?」
「腕だけつれてきても意味が無いと思うんだけど?」
「へ?」
「手、良く見れ」
「あれ?腕だけだ、何ですかね?」
「もしかして本気で飛ばした?」
「ええ、時間かけると悪いと思いまして」
「たぶんそれ」
つまりはこうだ。永淋さんの手首を掴んでマッハを越えるスピードで飛んだら、普通腕は飛ぶだろうに。
普通の人なら死ぬ、普通のなら。
「いたたたた・・・もう少し遅く飛べないの?」
腕一本飛ばして『いたたたた』で済ましたほうが凄い。良く見ると直ってるし、蓬莱の薬恐るべし。
「で、この人がその病人?」
「ええ、そうです」
「まぁとりあえず検診はしないとね」
「おねがいします、それがメインなので」
永淋さんの診断によると、普通の風邪だそうだ。
普通に寝てれば直るらしいけど・・・水を被った事が少し治りにくくなってるらしい。
いちいち寝てるの面倒でしょって渡されたのが、なんかドブの味がする薬。
鼻摘まんで飲んでみたところ、一気に気分が楽になった。流石永淋さん。
次の日
【○○ 布団での水遊び!?】
なんていう絵と見出しの中に書かれていた文字は俺の怒りを爆発させるには十分の火薬だった。
「こんの天狗がー!!!」
1スレ目 >>636
───────────────────────────────────────────────────────────
「どうして酒飲みってそうなのかしら? 相手のことなんか全く考えないんだから」
息を切らせて薬を求めに来た天狗の少女を、八意永琳は一瞥する
「は、はい…申し訳ないです」
射命丸文は罪悪感で涙を零しながら頭を下げる
「私に謝られてもね…まぁいいわ。見捨てるわけにも行かないし」
永琳は薬棚を空け、ごそごそと中を掻き回した
「はい、この2つね。こっちはすぐに飲ませて。もう1つは状態が良くなったら飲ませること。
お湯で溶いて、冷めてからよ。間違えたり、飲み方守らなかったらどうなっても知らないわよ」
「は、はいっ…ありがとうございます!」
紙で包んだ粉末薬を受け取るや否や、文は幻想郷一とも言われる速度で駆け出していく
「やれやれ…あわただしいことね」
あの人と出会ったのは、桜が咲き始めた頃だった
外界から来たということで、これはもう密着取材しかないって思った
話を聞くうちに、私の中で何かが変わった
──好きなの
外界では新聞記者を志していたという彼が、私の新聞を手伝いたいと言ってきたときにはもう舞い上がる気分だった
──愛してるの
極上のお酒を手に入れたから、一緒に飲みたかった
──相手のことなんか全く考えないんだから
ああ、そうだった…自分が酒好きだからって…私は…
人間が酒に弱いってことなんて、考えてもいなかった
人間とかどうとか、そんなことはどうでも良かった
──離れたくなかったから
家に辿り付いた文は、お湯を沸かし始める
「早く、早く…」
湯が沸くまでの数分すらもどかしい
湯呑に薬を溶くと、文はその匂いに思わず顔をしかめる
「うわ、何この匂い…」自分が飲むわけでもないのに嫌な気分になる
「…これじゃ飲ませられないわ」
男の頭を抱え、少し体を起こしてやるものの、これでは口には入らず零れてしまうだけだ
(……いいわよね)
文は薬を自分の口に含み、体を抱きながら口移しで流し込む
(良くなって)心の中で、静かに祈るように
──これが、最初で最後のキスになりませんように
1スレ目 >>763
───────────────────────────────────────────────────────────
この幻想郷に、久しぶりに外の世界から移り住んできた者がいるらしい。
その移入者は人間の青年で、大蝦蟇の池の近くのオンボロ小屋に居を構えたという。
何時ぞやの花の異変以来、目立ったニュースも無く、
ネタに飢えていた私は、他の天狗仲間に先を越されては堪らないと、真っ先に彼の元を訪れる事にした。
「♪幻想の不思議を~、今日もあややがメッタ切り~♪」
雲ひとつ無い青空を、上機嫌で飛び回る。
照りつける太陽と吹きぬける薫風のコントラストが、とても気持ちよかった。
「……あっ、あれかしら?」
池のほとりで、人間らしき青年と顔見知りの氷精が、何やら楽しそうに遊んでいる。
青年は、美貌と言うには少々及ばないが、形の整った、なかなかに精悍な顔立ちをしていた。
「一体何をしているのかしら……」
これだけの距離において、彼らの目でこちらの姿を捉える事は不可能だろう。
天狗の目を凝らし、風を使って、会話が届いてくるように調整する。
愛用のメモ帳を開き、ペンを胸ポケットから取り出した。
『……これ位の大きさが、ちょうどいいかな』
そう言って彼は、一枚の葉っぱをチルノさんの方に掲げた。
あれは……シロダモの葉かしら。
『で、これをこうして丸めて、と……』
『ふんふん』
『で、口の中を少しすぼめて……』
興味津々な様子で見つめるチルノさんに一つ笑いかけると、彼は丸めた葉っぱを口先にあてがい、そこに息を吹き込んだ。
ビー――――――ッ。
「……へえ」
今時草笛とは、なかなか粋な真似を。
『わあ、すごいすごい! ねえねえ、あたいにも出来るかな!?』
『ああ、簡単だよ。やってみるか?』
はしゃぐチルノさんに手ほどきをしている姿を見て、私は彼の第一印象に、かなりの高得点をつけた。
ビー――――――ッ。
『あは、出来た出来た! ねえねえ、他にも何か無いの?』
『よし、分かった。とっておきを見せてやろう』
そう言って力強く袖を捲り上げると、彼は立ち上がり、お尻を突き出した。
『ふんっ』
ブー――――――ッ。
「………………………」
――――ぽろっ。
手元からペンがこぼれ落ち、池に小さな波紋を立てた。
…………ええっと、今、彼は、何を。
『……ふっ。どうだチルノ。俺のラストスペル、死風「ガーリックタイフーン」は!!』
彼は、いかにもいい仕事をした、という風な爽やかな笑みを浮かべ、額に浮かんだ汗をぬぐった。
『あははははっ、すごい臭いっ!! それはあたいには出来ないや!!』
チルノさんは、無邪気に大笑いしながら、バンバン手を叩いていた。
『ハハハこやつめ!』
『あははははは!』
「…………」
疲れた。まだ何もしてないけど、とにかく疲れた。
何とも言えない敗北感を胸に、今日はそのまますごすごと帰る事にした。
…………改めて次の日。
今度は彼の家を訪れてみると、今日は一人で過ごすつもりだったらしく、快く取材を受け入れてくれた。
これから少し遅めのお昼ご飯という事らしく、軒先に出汁と茸の甘い香りが漂っていた。
「どうする? 多めに炊いたから、ついでに一緒に食べてくか?」
「いいんですか? ありがとうございます」
何だ、やっぱり優しい青年ではないか。昨日のアレは、何かの間違いだったのだろう。
「……美味しい」
彼の用意してくれた茸ご飯と山菜の煮付けは、どちらも見事な手前だった。
インタビューとして色々と彼自身の事を尋ねながら、複雑に味の染みた料理に舌鼓を打つ。
「凄いですね。料理は得意なんですか?」
「ああ。向こうでも一人が長かったからな。いつの間にやら身になってた」
「……そうですか」
誰の心にも、必ず陰を孕んだ部分はある。訊いて良い事と悪い事の分別くらいは、私も出来ているつもりだ。
茸ご飯を口に放り込む。出汁の甘味と茸の薫りが口内を満たし、鼻先を抜けた。
「味付けも見事ですけど、この茸も美味しいですね。何ですかコレ?」
絶妙な歯ごたえに、芳醇な風味。少なくとも私の知る物に含まれてはいなかった。
「知らん。天井裏に生えてた」
「はい?」
…………ええっと、今、彼は、何を。
「あはははは何でそんな物をははははは調理あははははするんですかあははははは!!」
ゲラゲラ笑いながら彼に箸を突きつけるが、もちろん面白がっている訳ではない。
「ははははは他に食べ物もははは無かったしあはははは美味しそうだったからあははははは!!」
「ハハハこやつめ!」
「あははははは!」
『はははははははははははは!!!』
ドンガラガッシャー――ンッッッ!!!!!
大笑いしながらマウントポジションを取り、彼をタコ殴りにした。
「はははコラコラはしたないはははははちょっ、白いのが見えてははははぶべらっっ」
オンボロ小屋に、肉を叩く音と、男の悲鳴が響きわたった。
少女打撃中……
「……ごめんなさい。少しやりすぎました」
発作が治まってテンションが元に戻ると、下になった彼の顔を見て、かなり手酷く痛めつけてしまった事に気づいたのだった。
腫れ上がった目蓋に薬草を塗りこんでやりながら、らしくもなく平静さを見失った己の未熟さを恥じ、素直に彼に頭を下げた。
「あ痛たた。いや、全面的にこっちが悪かった。
なあ、お腹が痛いとか、気分が悪かったりはしないか?」
顔を腫らし、鼻血を拭いながら、なお彼は私の体の事を気遣ってきた。
……今日色々と話をして、一つ気づいた事がある。
彼は少し馬鹿で常識に欠けるところがあるが、とても優しい人なのだ。
「大丈夫です。強いて言うなら、拳が少し痛むくらいです」
「そうか、よかった。……なあ、よかったら、これに懲りずにまた来てくれないか? こっちに来てから、友達が全然少なくて、ちょっと寂しいんだ」
「いいですよ。貴方なら、少なくともネタに困るような事は無さそうです」
浮かべた笑みの柔らかさに、自分で驚いた。
……私の中に、こんな表情があったのか。
「そっか、どうもありがとう。これからもよろしくな、文」
そう言って彼は嬉しそうに笑い、私の名を呼んだ。
――――とくん。
心臓がひとつ強く跳ねて、甘く蕩けた血が体中を巡る。
……あぁ、何という事だろう。
この世に生を受けて以来、ゆうに千を超える年を数えてきたこの私が。
初めて会ってからほんの一日で、ただの人間に恋をしてしまったのだ。
――それ以降、私は時間の隙を縫っては彼の元を訪れ、多くの時間を彼と共有するようになった。
やはり彼は破天荒な人で、時々ついていけなくなる事もあったが、
そんな彼に振り回されるのも、時には彼を振り回すのも、今まで身に覚えた事の無い、充実した体験だった。
さて、それから二月ほど経って――――
「俺が?」
「すみませんっ、もう貴方しか頼れる人がいないんです!」
仲間内での新聞大会に間に合わせるのに、どうにも手が足りなくなり、彼に助力を仰ぐ事にした。
「よし、任せろ。三流スポーツ新聞の風俗情報並みに役に立つ記事を書いてやる」
「……そんなの載せたら私、爪弾きにされちゃいます……」
前途は多難だった。
「へえ、こんな風になってるんだ」
物珍しそうに、彼は周りをキョロキョロと見回した。
そう言えば、彼を私の家に招待するのは、これが初めての事だった。
「それで、俺は何をすればいいんだ?」
「そうですね……差し当たって、半面分のコラムを一つ書いて欲しいんです。
あとは……私がもし寝ちゃったら、起こしてくれませんか? 多少乱暴にしても構いませんので」
もう丸三日寝ていないので、今でも気を緩めると眠ってしまいそうだ。
「多少エロい事をしてもいいんだな?」
「…………」
真剣そのものの目で手指を怪しく蠢かしながらそんな事をのたまう彼を前にして、危機感が眠気をどこかへ飛ばしていくのを感じた。
……彼は本気だ。
色々な意味で気を引き締め、ほどなく作業に取り掛かる事にした。
「よし、こんなところか。……なあ、文。出来たから、推敲してみてくれ」
「あ、はい。ありがとうございます」
渡された原稿に、ざっと目を通す。
「ふむふむ……」
驚いた。初めてこういう物を書いたとは思えない程の文章力だ。
構成、言葉の使い方、全てにおいて高いレベルでまとまっている。
……ただ一つ、問題があるとすれば。
「誰がエロ本の読書感想文を書けと言ったんですか……」
「ダメ?」
「当たり前です!!」
グシャグシャに丸めた原稿を彼のおでこに投げつける。
すこーん。
「OUCH!」
頭から軽そうな音を立てて何故か英語で悲鳴を上げると、彼は椅子ごと後ろにひっくり返った。
……少し眠気覚ましにはなったかしら。
少女原稿中……
夜の帳もとっくに降りて、いよいよリミットが迫る中、私の中の睡魔もいよいよ勢いを増して襲い掛かってきた。
「……なあ文、大丈夫か? 相当辛そうに見えるぞ?」
「だ、大丈夫です……あと少し、あと少しで終わりですから……」
どろどろになった頭の中に鞭を打って、重くなった手を無理矢理動かす。
「もういいじゃないか。大会に間に合わなくても、新聞はいつでも出せるだろ?」
「嫌です……せっかく初めて貴方に手伝ってもらったのに、落とすだなんて、絶対嫌です……」
「……ふう」
彼は一つため息を漏らすと、隣の部屋へと足を運んだ。
「まったく意固地だな、文は。他の天狗の娘は、もう少し聞き分けがいいと思うぞ?
いつもはもっとハキハキしてて楽しそうなのにさ」
そんな意地の悪い事を言いながら、彼は隣の部屋から持って来た毛布を、私の肩にかけてくれた。
「俺は、そんな辛そうに新聞を書いてる文は、見たくないな」
そして、私の頭の上に手を置いて、ゆっくりとかき混ぜるように、優しく撫でてきた。
…………ひどいや。
そんなに優しくされたら、もう起きてなんていられない。
彼の手のぬくもりを胡乱な頭いっぱいで味わいながら、意識が急速に落ちていくのを感じた。
……………………
目が覚めた時には、日は真上に昇り、もう取り返しのつかない時間になっていた。
今まで大会で勝った事も無かったけど、不戦敗というのは初めての事だった。
「……ごめんな。起こせって言われてたのに」
彼は、申し訳無さそうな苦笑いを浮かべていた。
そんな彼を責めるような資格は私には無いし、そんなつもりも無い。
「いいんですよ。新聞はいつでも出せる、でしょう?」
せめて、彼から学んだ事だけは、大切にしよう。
私の新聞は、時間に急き立てられて書くようなものではない。
それに、今は大会で勝つ事なんかより、もっと欲しいものがあった。
「……ねえ。実は、一つ記事を差し替えたいんです」
椅子ごと彼の方に体を寄せ、その肩におでこをちょこんと乗せた。
彼が文句を言わない事に、安堵を覚える。
私は、見た事も無ければ信じてもいない神様に、初めて祈った。
「……どんな記事に?」
――どうか、彼が私を受け入れてくれますように。
「そうですね……『私たち、付き合う事にしました』……っていうのはどうでしょうか」
1スレ目 >>949
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爽やかな冬の日。
彼女は天高くを舞い。いつもの通りに俺のところへ来る。
それは既に日課になっていて、俺も気づかない内にそれに
慣れ親しんでいた。
幻想郷の日常であり、普通の人間だった俺にはちょっとだけ
非日常でもある。
「…ふぁ」
俺の寝ぼけ眼と欠伸で始まる一日は、いつものように爽やかな朝から始まった。
ここに紛れ込んでから数ヶ月、未だに日常の変化には完全に慣れてはいない。
何せ文明や、生活様式さえ違うのだ。
色んな意味で外国に近い感覚がある。
今更、電気やガスが無い生活を送るとも思っていなかった。
娯楽らしい娯楽も、はっきり言えばほとんどないのだが、唯一
俺でも楽しめる娯楽のような物があったのだ。
とりあえず、朝食の準備から始める。
畑を作り、自給自足な生活を送る。考えてみれば、こうした生活が
今まで何百年も続いているという事は、驚くべき事なのだろう。
電機や物に囲まれた生活から、一切を捨てて離れてここに住んでからは、
全てを新鮮に感じた。
「どうもー、文々。新聞ですー」
そんな挨拶と共に、一人の少女が玄関から来た。
黒い髪に下駄のような靴。そして、不思議な形の帽子。
「あぁ、おはよう、文」
この少女がその唯一の娯楽を持ってきてくれる射命丸文だ。
彼女はこの幻想郷の記者らしく、週に一回、俺に暇つぶしになる新聞を
持ってきてくれる。
内容はともかくとして、これを読むのは最早日課になっていた。
「これから朝食、食べるところだけど…食べてく?」
今日の朝食の献立は味噌汁、ご飯、川で捕った魚と山菜だ。
会心の出来といえば言い過ぎだが、それなりに自信はついてきた。
きゅるるるるる
彼女のお腹の音が鳴った…それがサインなのかもしれない。
文は真っ赤になって俯いてしまった。
幻想郷をいつもいつも朝早く空から駆け巡れば、それも当然なのかもしれない。
「そ、その…」
「…席についててくれ、すぐ持っていくから」
「は、はい」
テーブルなんて洒落た物はここには無い。
有るのは、リサイクルできる家具と、適当な趣味の物と、生活に必要な物だ。
ちゃぶ台の上に、次々とメニューが彩られていく。
「いただきます」
「…暖かい内に食ってくれ」
いつもの食事が始まった。
少しくらい騒がしいイメージのある彼女だが、食事の時はいつも静かだった。
食事中は大抵話さないし、特に話すことも無い。
…いや、俺が口下手で無愛想なのもあるんだが。
「これ、今日の新聞です。…それとご馳走様でした」
「どういたしまして」
彼女の手から新聞を受け取る。
これが無ければ、俺の一週間は無いだろう。
人間、退屈で死ぬという事も、もしかしたらあるのかもしれない。
「晩御飯はどうする。食べていくか?」
「…お願いします」
彼女は礼を一つすると、空高くへと飛び上がった。
昼は寒いし、夜も寒い。
冬とはまったくもって辛い季節だった。
これが季節を感じさせるのだから文句は言えないのだが。
彼女には手袋とマフラーを持たせたから、風邪を引くことはないだろう。
昼間の内に洗濯を終わらせて、焚き木に火を点けて新聞を読み始める。
バサッ
「…へぇ、氷の妖精が再び悪戯、冬眠してた蛙をたたき起こして逆鱗に触れる…ねぇ」
妖精とはここまで適当な考えをする者達だっただろうか?
まぁ悪戯こそが、妖精たちのする所行だろうが。
そう言った感じで、新聞を読み進めていると、一枚の紙が落ちてきた。
どうやら文が俺宛に書いたらしい、丸い文字でこう書かれていた。
『本日の夜中、とある方の取材を致しますので、できれば手伝ってください。射命丸文』
これは珍しい。
彼女が俺を手伝わせるような事は滅多に無い筈だ。
せいぜい原稿を手伝ったり、夜食を作ってあげたり、寝室を貸してあげたりしているくらいだ。
「…暇だからいいか」
どうせ夜までには、する事なんてない。
朝ご飯はその場で考えるほうなのだから。
そうして新聞を読み進めていると、カラスが鳴き始めていた。
既に日は暮れており、彼女もそろそろ来る頃になるだろう。
息は白くなるし、寒くて嫌になる。
だからこそ、冬は苦手なのだ。
毛布の心地を覚えてしまうと、朝なんて起きる事は出来ない。
「…夕飯か」
丁度、芋があったので煮っ転がしにしようと考えた。
彼女は鶏肉が苦手だ。
言うまでも無いだろう、彼女は鴉天狗なのだから。
豚肉もあまり手には入らない。
手に入れたとしても、別段困る事は無いだろう。
「戻りました」
「あぁ、おかえり」
寒そうに身を震わせて、文は帰ってきた。
帰って来たは語弊があるが、俺にとっては帰って来たで合っている。
晩御飯は食べる時と食べない時がある。
彼女のように朝から晩まで飛び回り、記事を書き上げて、配る。
という事を繰り返していれば、自然と会わないこともある。
箸の音だけが、響く。
「それで、手伝うんだったか?」
彼女が箸を咥えたまま、こちらを見る。
「あ、はい。お手伝いをお願いしたいんです」
「…何処まで行くんだ?あまり遠くは遠慮願いたいんだが」
「大丈夫です。すぐ近くですから」
にこりと彼女は笑う。
その笑みに不思議な違和感を覚えたのは、俺の気のせいであると信じたい。
真夜中の山――
俺と彼女は始めてここで出会った。
初めて出会ったときの印象は、『あの世からのお迎え』だったけど。
「…はぁ」
白い息が出る。
空は澄み渡り、月は輝いている。
「で、ここで誰の何の取材をするんだ?」
寒さに身を震わせながら彼女に訊ねる。
ここに来るまでに、何も聞かされていない。
なにを聞いてもだんまりで、必要な情報は何一つとして教えてもらっていない。
「あなたへの…密着取材です」
そう俺の耳に届いた瞬間、彼女が不意に抱きついてきた。
柔らかい感触と、冷えてしまっている体温が伝わってくる。
「文…」
「…それでは、質問です」
彼女は俺から離れようとせず、質問を投げかけた。
「あなたは…私をどう思っていますか?やはり、迷惑と――」
そう言いかけた彼女の口を、唇で塞いだ。
「これが答えなんだが…これじゃダメか?」
恥ずかしくて、彼女の方を向く事が出来ない。
きっと、今の俺の顔を見るとトマトと比べられるくらい真っ赤なのは間違いないだろう。
それだけ今、俺の顔は熱い。こんなに身体は寒いのに。
彼女の腕の力が強くなった。
俺という存在を離さないとでも言うように、力が篭る。
「…そっか、これって一応、密着取材だよな」
俺も彼女の方に寄り添い、抱きしめる。
「あ、雪…」
季節としてはまだ早いはずだが、しんしんと雪が降り始めていた。
好意的に解釈すると、どうやら俺達を祝福してくれているようだった。
俺は離さない。この大事な彼女を――
後書き
===遺書の裏===
首を括る覚悟なら…とうに出来ておるわ!
===遺書の裏ここまで===
『告白』とは『恋』を知る事!『愛』を我が物とする事じゃあ!!
…いや、冗談ですが。
みんなの書く文が可愛すぎた。
それに触発されました…。遺書の裏に書いたとおり、首を括る覚悟は出来ている!
2スレ目 >>123
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チュンチュンチュン…
雀の鳴き声で目を覚ました。
起き上がってカーテンを開く。
朝の光が窓から差し込んできていい気持ちだ。
俺の家は、紅魔館のそばの湖畔に位置している。
何故人里離れたこんなところに住んでいるのか、と言うと、特に意味は無い。
単なる気まぐれだ。
強いて言うなら、ここでは生まれ育った人里ではなかなか体験できなかったことがある、と言ったところだろうか。
ともかく俺はここで、毎日を氷精をからかったり、氷精をからかったり、夜雀で遊んだり、氷精をからかったりして過ごしている。
…からかってばっかとか言うな。暇なんだ。
そんなここでの数少ない暇つぶしと言えば、おバカな氷精をからかうことと、もう一つ。
「おはようございまーす」
噂をすればなんとやら、だ。
俺は窓を開け、玄関に向かった。
「おはよう、文。いつもお疲れ様」
「いえ、好きでやってることですから」
その暇つぶしとは、この鴉天狗――射命丸 文が配達してくれる新聞であった。
「それに、貴方は私の新聞を購読してくださる数少ない方ですから」
「そーなのかー…面白い新聞だと思うんだがなあ」
「そう言って頂けると書いているかいがあるというものです」
そこまで言われるのもなんだか恐縮な気がする。暇つぶしってだけなのに。
「あー、時に、朝ご飯まだだろう? 食べていかないか?」
「あ…、その、遠慮しておきます、まだ配達するところもあるので」
断られてしまった。
以前、朝ご飯を一緒に食べた時に鳥鍋を出したのがまずかったんだろうか。
あの時は涙目で睨まれてドキッとした。じゃなかった、非常に困った。
「そっか…。じゃ、また明日」
「はい、それでは」
そう言うと文は風に乗り高速で飛んでいった。白。何がって? 野暮なことを聞くな。
文との出会いは大体3ヶ月くらい前のことだった。
俺が、趣味かつ護身のために始めたスペルカード生成作業中のとき、
「こんにちは。○○さんいらっしゃいますか?」
と、玄関から聞きなれない少女の声がしたのだった。
「はいはい、俺に何か用がおありで?」
玄関にいたのは、鴉を肩に乗せた、独特の形をした帽子をかぶった少女だった。
「ええ、ちょっと取材を受けていただこうかと」
取材。…取材? 何の?
「取材、って一体何の? …というか、君は誰」
俺がそう言うと、彼女は手をポンと叩いて言った。
「ああ、すみません、申し遅れました。私は文々。新聞社の記者で射命丸 文と言うものです」
「はぁ、それで記者殿はどうやってここを知ったんで?」
「湖に住む氷精に『最近、面白い人間が近くに越してきた』と聞いてやってきました」
「ふむ、で、なんでまた俺に取材なんぞ」
「ええっとですね、人里で生まれ育った人が、独立して違う場所に住むってことは珍しいんですよ」
ですから、とそこで彼女は一旦言葉を区切り、懐からペンとメモ帳を取り出した。
「こんなネタを見逃すわけにはいきませんから。取材、受けてくださいますか?」
拒否権が無い様に見えるのは気のせいだろうか。
まあ、特に拒否する理由も無い。
どうせ暇だ。いい暇つぶしが出来る。
そう考えた俺は、取材を受けることにした。
「…はい、これで取材はおしまいです。ご協力ありがとうございました」
1時間にも及ぶ取材が終了し、俺はちょっと疲れ気味だった。
「あー、んー、参考になればいいんだけどねぇ」
「これだけあったらとてもいい記事が書けますよ。書きあがったら一番最初に持ってきますね」
その後、俺と文は他愛ない会話をして過ごした。
文の性格もあろうが、俺は文とすぐ打ち解けることが出来た。
文は、とても礼儀正しかった。
どっかの巫女に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ。
暫くして。
「あの…なんだか、焦げ臭くありませんか?」
「え? …あ、本当だ。なんだろう?」
言われてみると確かに焦げ臭い。
料理はしてなかったから、火にくべたままとかそういうわけでは…
し ま っ た 。
「ゔわ゙ぁ゙ーーーーーーーー!」
「ひっ!? ど、どうしたんですか急に!」
「スペカ生成炉、火が点いたまんまだ!」
「な、なんですってー!」
「バカバカ! 俺のバカ!」
「どうしてそんな危険なもの放置してたんですか!」
「そんなに長いこと喋ると思ってなかったんだよ!」
「ははは、こやつめ!」
「ははは!」
「ってこんなことしてる場合じゃないでしょう! 早く止めないと!」
「ああ、うん…もう遅い」
「え、ちょ、何言っt
文がそういうと同時に、生成炉が臨界点を突破した。
…紅魔館周辺一帯に、大きな爆発音がこだました。
ドォン!
「あら? 咲夜、なにかしら今の爆発音は」
「さあ、わかりません。でも、大方どこぞの魔砲使いがやったんでしょう」
「そうね、気にするほどのことでもなかったわ」
ありがとう俺の家 さようなら俺の家
君の事は忘れないよ
後に残ったのは、全身真っ黒の俺と文、何故か無事な生成炉、そして見るも無残に崩れた俺の家、だった物の瓦礫だった。
「ああああぅぅうああうぅあああぁあぁあぁあぁぁぁ…」
今俺は非常に後悔している。
後悔後に立つ。
ドクターアフターデス。
悔やんだところで俺の家は戻ってこない。
がっくりと肩を落とした俺を、ぽかんとした表情で文が見ていた。
「ああぅぅあぁ…ええっと…文は大丈夫だった?」
「え、ええ…私は大丈夫ですが…」
「そう、良かった…」
「貴方が非常に大丈夫で無いように見えるのですが」
「きっと気のせいさ、あはは…」
全然気のせいじゃない、が、これ以上文に気を使わせるわけにもいくまい。
「あの…、すみません、私のせいで」
文のほうを見ると、本当に申し訳なさそうな顔でこちらを見ていた。
「いやいや、文は悪くないよ、さっき言ったとおり俺が止めてれば良かったんだから」
まさしく自業自得と言う奴だ。
だから文が気に病むことは何も無い。
「いえ…、こうなった原因は私にもありますから。家、直すの手伝います」
「別にそんな、そこまでしてもらわなくても」
「ダメです。私の気がすみません」
そんな感じの押し問答を暫く続け、結局俺が折れる形となった。
どうも彼女は大変義理深い性格のようだ。
彼女の協力もあり、日が暮れる頃にはどうにか夜露を凌げるほどにまでは復旧していた。
「本当にありがとう、こんなに手伝ってもらって」
「いえ、私が悪いんですから」
「いや俺が」
「いえ私が」
「いや俺」
「いえ私」
「俺」
「私」
終わらん。終わらんよこの問答。千日手だよ。
「ああもう、どっちが悪いかなんて置いとこう、もう。とにかく、手伝ってくれてありがとう、助かったよ」
「え、あ、はい…」
ちょっと強く言い過ぎただろうか。
彼女は肩を落として返事をした。
これじゃ、彼女が悪いみたいじゃないか…って、もうこのことは考えないんだった。
なんとなく嫌な沈黙が場を支配する。
なんか喋らないと…そうだ。
「あー、そういえば、文は新聞書いてるんだよな?」
「はい、そうですが」
「1部、取りたいんだが」
「え…ホントですか?」
妙に食いついてきた。一体なんだというんだ、新聞取るって言ったくらいで。
「恥ずかしながら、私の新聞を取ってくれている人って凄く少ないんですよ…。ですから、とても嬉しいです」
そーなのかー。
まあ、だからって取らないわけじゃないが。
「それでは、私はこれで」
「ん、それじゃ。また明日」
「はい、また明日」
そう言って彼女は、どこからともなく吹いてきた風に乗り飛んでいった。
…ピンク。何が? 世の中には、聞いていいことと、聞いちゃいけないけど聞くと面白いことがあるんだぜ?
今回は後者だ。
まあ、あんなミニでカッ飛んで行ったらどうなるかは想像に難くなく。
要はそういうことだ。
バレたらどうなるだろうか。怖くて想像できない。
バレなきゃいいか。
…とまあ、非常に印象的な出会いをしたのだった。
出会った初日に家が吹っ飛びゃそりゃ忘れないだろう。
それからまた数週間したある日。
チュンチュンチュン…
雀の鳴き声で目が覚めた。
いつもと同じ朝。
カーテンを開ける。
いつもと同じ太陽。
「おはょぅごさぃます…」
いつもと違う声。…あれ?
いつもならもっと元気がいい挨拶をしてくれるはずの文が、今日は何故か元気が無い。
その声に多少の胸騒ぎを覚えた俺は、足早に玄関へ向かった。
「おはよう文。…大丈夫か?」
今日の彼女は一目見ただけで体調が悪いとわかるほどだった。
「だ、大丈夫です、このくらい。ちょっと、体の節々が、痛いですが」
「いや、もうどうみても大丈夫じゃありません 本当にありがとうございました」
「なんですかそれ…?」
「いや、無意識のうちに口をついて出た」
こうしている間にも、文は肩で息をして非常に辛そうだった。
「おい、文…ちょっとおでこ貸せ」
「え、あ、ちょっと…っ」
非難する彼女を無視しておでこをくっつけた。
「熱っ!? 凄い熱じゃないか!」
「だ、だぃι゛ょぅぶですからぁ…」
断言しよう。全然大丈夫じゃない。
どれくらいかって家が吹っ飛んだ時の俺くらい大丈夫じゃない。
「文、いいから休めって。無理してこれ以上悪化したら困るだろ?」
「ちょっと、あと、ちょっと、配、達する、だけ、です、から…」
満足に喋れなくなっといて何があとちょっとなんだ。
彼女の頑固さに少し辟易しつつも、どうにか説得を試みてみた。
「だから、ダメだって。なんなら俺が代わりに配達するよ」
「ダメ、です、そこまで、迷惑、かけられ、ません」
「だからその体で動いちゃダメだって」
「いや、です」
「ダメ」
「いや」
「ダメ」
「いや」
はいはい、お決まりの千日手のパターンですよ。
こうなるともう俺が折れるしかなくなってしまう。
俺が途方に暮れていると、文は俺に背を向け飛び立とうとしていた。
「それでは、また、明日…」
「ちょっと文! ホントにダメだって!」
「だぃι゛ょぅ…」
ドサッ
言い終わる前に、文は地面に崩れ落ちた。
「お、おい!? 文!?」
慌てて抱き上げ、ベットに連れて行き寝かせた。
顔は真っ赤、体の節々の痛み、非常に高い熱…と来ると、思い当たるものは一つくらいしかなかった。
これは俺だけじゃ解決は出来ない。
俺は身支度を整えると、急いで家を出た。
目指すは竹林の奥深く、永遠亭。
飛ぶ訓練を積んでいて、非常に良かった。
まさか、こんなことで役に立つとは思わなかったが。
「あら? 珍しい客ね」
全速力で飛ばし、永遠亭の戸を叩くと、奇しくも出てきたのは永琳だった。好都合だ。
「頼む永琳! 力を貸してくれ! 俺じゃ無理なんだ!」
「え? 一体どうしたのかしら?」
「詳しい話は飛びながら話す!」
そう言うと俺は、永琳の手を掴んで飛び上がった。
「あ、ちょっと、引っ張らないでって、ねぇ!」
脇目も振らず、全速力で俺の家に飛ぶ。
道中、文の容体を説明しながら。
程なくして家に着いた。
「そうね…、聞いた限りの話だと、あれとしか思えないわね」
「だよな、やっぱり…」
「最近、どうもこれが外でも凄く流行ってるらしいの」
「そーなのかー」
「ええ、この間も夜雀がウチに来たばっかりよ」
文が寝ている部屋に永琳を通す。
暫くの診察の後、永琳が口を開いた。
「ええ、やっぱり…そうね。…インフルエンザよ」
インフルエンザ。
やはり、文が掛かっていたのはこの病気だった。
独自に仕入れた情報だと、今外では、鳥にこの病気が非常に蔓延しているらしい。
さっきの永琳の話でも言われていたが。
「それにしても…かなり危険な状態よ? どうして放っておいたの?」
「いや、俺に言われても」
「気づけなかったの? 少なくとも3日は経ってるわよ?」
全く気が付かなかった。
いや、良く考えれば2~3日前から少し元気が無いような気がしたような。
ともかく、気づけなかった俺の責任もあろう。
「とりあえず出来ることは全てやったわ。…後は本人の回復力に掛けるだけ」
「そ、そこまで危険なのか?」
「今彼女は非常に危ない状態にあるわ。それこそ、三途の川が目の前にあるくらいに」
なんてこった。
俺は、こんなくだらないことで彼女を亡くしてしまうのか?
嫌だ。そんなのは嫌だ。
いつもは近くにありすぎて気づかなかった。
亡くす寸前になって気づいた。
俺には彼女が必要だ。
俺は文のことが好きだ。
いや、文のことを愛している。
「ど、どうにかならんのか?」
目の前に突きつけられた現実に眩暈を覚えながら、俺はかすかな希望を永琳に求めた。
「だから、最善は尽くした、と言ったでしょう? これ以上は本人次第よ」
だが、その希望もあっけなく断ち切られた。
いや、完全には切れてない。
本人次第、本人が頑張れれば回復する余地はある。
ただ、俺には何も出来ない。
ただ、そばで見守り、回復を祈り続けることしか出来ない。
歯痒い。非常に歯痒い。
「…わかった」
しかし。
誰も信じなかったら、起こることも無い。
だから、俺は文の回復を祈り続けよう。
彼女の、すぐそばで。
「そう。…ああそう、この病気、人にうつる可能性があるから、貴方もこれを飲んでおきなさい、いいわね?」
「わかった」
「それじゃ、これで。…治るといいわね」
そう言って永琳は去って行った。
それから何日か、俺は文の看病を続けた。
文は、初めは本当に苦しそうな表情をしていたが、だんだんと安らかな表情になりつつあった。
意識は、取り戻してはくれなかったが。
そんなことが続いた14日目の朝。
今日も朝からつきっきりで文を看病する。
「ん…んぅ…」
2週間ぶりに聞いたその声に、思わず、文を凝視した。
俺の期待に答えるかのように、ゆっくりと、文の目は開かれていった。
「え…あ…? ここは…?」
「目が、覚めたのか…文、良かった…」
「あ…○○さん…その、私は、一体」
俺は、今までの経緯をかいつまんで話した。
今は、こうやってまた文と話せることが本当に嬉しかった。
「2週間も寝ていたんですね、私。…すみません、本当に多大なるご迷惑をおかけしてしまって」
「いいって、気にしないの。折角回復したんだから、そんな辛気臭い顔はやめやめ」
「ですが…」
「いいから笑って笑って」
「あの…ちょっと、前から疑問に思っていたのですが」
「何?」
「どうして、貴方は私にそんなに良くしてくれるのですか?」
いい加減、その質問が来る頃だろうと思っていた。
そして、その答えは2週間前にようやく出た。
文が回復した今、この想いを伝えるのは今しかない…。
「それはね、文」
一旦言葉を区切り、文を見る。
文と俺の視線が交錯する。
「俺は、文のことが好きだから、さ」
急な言葉に文はきょとんとしていたが、何を言われたのか理解すると、顔が真っ赤に爆発した。
「な、なな、な、な、ななに言ってるるるるんですか!」
「落ち着けって、落ち着けって」
「だ、だだってっだってっだっててっだって!」
「だから落ち着け」
ここまで慌てた文は凄く珍しい。いいものを見た。
「そ、そんな、急に、だって、その」
「まあ聞いてくれ、さっき言ったとおり、君は生死の境を彷徨っていたんだけど」
「はい…」
「失いそうになって、ようやく気づいたんだ。大切なものに。…俺には文が必要なんだ」
「○○さん…」
ようやく言えたこの想い。
ようやく伝えることが出来た。
気づくのが遅かったこともあるけれど。
「その…○○さん…」
自分の世界に多少入り込んでいた俺を文の声が引き戻す。
文のほうを見ると、彼女はモジモジしながらこう言った。
「実は、その、私…も、○○さんのことが…好きだったんです」
今度は俺が赤くなる番だった。
「あ、え、あ、そそそうだったんだ?」
「はい、初めて会った時からなんとなく惹かれるものがあったのですが…今ので確信しました」
「はあ、えっと、その」
自分が言うならいいが、言われるとどうも相当になんと言うか動揺してしまう。
そしてさっき自分が言ったことを思い出してしまった。非常に恥ずかしい。
後から効いてきた。ボディーブローのように。
でも、それも心地いいものだった。
ぎゅっ
「あっ…」
たまらず俺は文を抱きしめた。
こうでもしないと叫びだしそうなほどだったからだ。
文は、驚いた様子だったが、すぐに抱きしめ返してくれた。
「文…」
「はい…」
「これからずっと、一緒にいような」
「はいっ…」
END
蛇足
「げほごほぐふっ!」
「大丈夫ですか?」
まさか今度は俺が掛かるとは。
そういえば永琳が何か言ってたような。
ちゃんと聞いとけばよかった。
過去の俺のバカ。
「うぅ…不覚だ…」
「看病して人にうつされるだなんて、いかにも○○さんらしいです」
「ぐはっ」
俺はそんな間抜けに見えるのか。
そう思い、自分の色々な行動を思い返してみた。
………。
どうみても間抜けです。本当にありがとうございました。
「まあ、そんなことは置いといて」
「んぁ?」
「今度は、私が○○さんを看病する番ですねっ」
そう言って、文はこれ以上無い笑顔を俺に向けた。
ああ、何はともあれ、俺は今―――幸せだ。
後書きの間
はいどうも。
通称はまとめの人ですよ。
ニュース見てて思いつきました。この不謹慎な野郎が。
今年の奴は危険そうで。
ニュース見るたびに死亡予想者数が増えてきます。
いまんとこ68万人だそうで。
いや、でももう70万人超えた…のかな?
十分気をつけましょう。
俺ですか?俺はバカだから風邪もインフルエンザもへいちゃらへー。ですよ。
はい、すいません。orz
2スレ目 >>213
───────────────────────────────────────────────────────────
文がまた俺のところにやってきた
「ただ通りがかっただけです…」
俺はそんな彼女が可愛くてついからかってしまう
「オヤオヤ、ドウシタンダイ?君ニトッテ人間ナド取材スル価値モ無イダロ?」
「…そのとおりです。人間なんて襲う対象でしかないですから」
生意気なので亜音速で抱擁。
「ホホォ…君ハ襲ウ時ニモワザワザ『香水』ヲツケルノカイ?」
文の小さな体から花のような匂いがたちこめる
「い、嫌でしたか?」
「俺ハ石鹸ノ香リノホウガ好キダナ」
「あ…」
そして俺は彼女に
2スレ目 >>315
───────────────────────────────────────────────────────────
…うん、今日もいい天気だ。
僕は今、森を散歩している。
いや、暇だったからなんだがね…
今は昼間、多分あの宵闇の妖怪も襲ってこないと思う。
…ん?なんだかものすごい風を切る音が…
ガン!
「ぐぁぁぁぁぁぁ!あ、頭がぁ!」
いきなり後頭部に割れるような衝撃を受け僕は痛みに悶えながら転がった。
「痛ぁ…何かに膝ぶつけちゃったよ…」
そのそばで痛そうに膝を抑えている烏天狗がいる。
…文じゃないか…
「…おまえか、歩行人に空から膝蹴りを浴びせる馬鹿は…」
「えっ?す、すみません!ちょっと急いでて!」
「ハァ…もういいよ。急いでるんだろ、早く行け」
「す、すみませんでしたぁ!」
…全くアイツは…幻想郷随一の速さの持ち主なのは分かるが…もう少し周りを見ろってんだ…
う゛~…頭痛ェ…家に戻ろうか。治療しなくては。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…見事に立派なたんこぶが出来てやがる…
でもこれ位で済んで良かったな…
もしもアイツの本気の速さで蹴られてたら…おおこわ、考えないようにしよう。
「あの~、○○さんいますか?」
「ん?文か?用事は終わったのかい?」
「ええ、終わりました。さっきはすみませんでした。あの、大丈夫ですか?」
僕は後ろを向き、言った
「これで大丈夫に見えるのか?」
「…ッ!?出血してるじゃないですか!」
「は?」
文にそう言われて改めて後頭部に触ると…わお、出血してるよ。
さっきからなんか背中に違和感を感じていたが…そうか、背中沿いに流血してたのか。
「ちょっとうつ伏せになってください!今治療しますから!」
「いや、いいよ。ほっとけば治るだろ」
「そんなわけ無いじゃないですか!すごい勢いで流血してるんですよ!?」
「そうなのか…ってアレ?なんか、ちょっと、フラついて…あらら、地面が、傾いて…」
「○○さん!?」
僕は文の叫び声を聞きながら意識を手放していった…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ん…んん?アレ…僕はいったい…」
「あ、気が付きましたか」
とりあえず状況確認。今僕はベッドでうつ伏せで寝ていて、傍らで文が氷嚢を作っている。
あ、頭に包帯が巻いてある。
「どうやらすっかりお世話になってるっぽいな」
「いえ、元はといえば私のせいですし。あ、お昼ごはん食べましょうか」
「ああ、じゃあ作らないとな」
そういって起き上がろうとした僕を文が抑え付けた。
「ダメです。貴方は怪我人なんですから、私が作りますよ」
「おいおい、そこまでやらなくてもいいよ。仮にもお客様なんだし」
「いーえ!○○さんは寝ていてください!私が美味しいお粥作ってあげますから!」
「う…そうか…じゃあお願いする…」
「ハイ!任せてください!」
うーん…どうでもいいが…文の奴料理美味いんだろうな…
@風神少女料理中………@
「出来ました~」
「お、見た目はなかなかだな」
文が作ったのはありきたりの卵とじ粥。まぁ、病人にはいいんだろうが…
…僕は、怪我人だよな…
まぁ…いいか。
「おっと、食べるには仰向けにならなくてはだな」
「いえ、そのままで安静にしててください」
「え?でもこの状態じゃものすごい食べづらいんだが?」
「私が食べさせてあげますから♪」
「え゛?」
何を言い出すんだコイツは…
おいおい、ちょっとマジかよ…
「○○さん、あーん」
「おいおい、いいよ。それぐらい自分で…」
「ダメです。安静にしてなくちゃいけないんですから。はい、あーん」
「…絶対にこの食べ方じゃないとダメなのか?」
「ええ、ダメです」
…腹を括るか…
「はい、あーん」
「うう、誰かに見られたら恥ずかしいな…はむ」
「どうですか?」
「ん、なかなかいけるじゃないか」
「でしょう?たくさん食べてくださいね♪はい、あーん」
「…ハァ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ご馳走様でした」
「お粗末さまでした。そしてこちらもご馳走様でした」
「ん?文になんかご馳走したっけ?」
「いえ、貴方がこういう風にお粥を食べている写真を撮らせていただきました♪」
「ナヌ?」
「明日の一面を飾るので楽しみにしててくださいね♪」
「いや、ちょっと待て。それは文自身の恥にもなるのでは?」
「フフフ…もちろん写真は私が写らないように編集させていただきますよ?」
「え゛?いや、おい待てよ」
「それでは○○さん、失礼します」
バタン、元気良く僕の家の戸が閉められた。
後に残された僕はただベッドの上で呆然としているだけだった。
ちなみに翌日、文々。新聞の一面(「○○、イチャイチャ同棲生活!」)を見た僕はこの行き場の無い怒りを…とりあえず外で歌いながら飛んでいた夜雀に対してぶつけることにした。
ちなみに夜雀は白玉楼に速達で届けてもらうことにした。
何が書きたかったんだよ…俺…
>>150
───────────────────────────────────────────────────────────
「おはようございます」
「…あー…?」
目を開ける。
文の顔がどアップ。
「ちょwwwwwちけぇwwwwwww」
「そんなことはどうでもいいです」
「あー…?」
起き抜けの頭では認識がなかなか出来なかったが、少し時間が経ってみると――文は怒っているようだった。
「『あー』じゃないです」
「えーっと…なんで怒ってるんだ?」
「わからないんですか?」
「あー…?」
「だから『あー』じゃないです、そればっかりじゃないですか」
「うー?」
「『うー』でもないです!」
「え「ふざけないでください」…すまんかった」
「で…本当にわかってないんですか?」
はっはっは、自慢じゃないが全くわからん。
なんかあっただろうか。
文との約束だったら忘れるはずがない。
「よし、なにひとつわからない」
「はあ…じゃあ一つ質問します。…今日は何月何日ですか」
「えーっ?今日は、12月…2…6……」
ぅゎ ぉれ ょゎぃ
「わかりましたか?」
「はいわかりました」
「…で、何か言うことは?」
「あのホントすいませんでした許してください」
「許せると思いますか?」
「…すいませんでした」
「クリスマスに!恋人放っておいて!どういう了見ですか!」
「ぐががががちょまちょそれまじしn」
「ほら早く納得いく説明を!」
「いやだkらふあがかしでゃb」
正直言い訳のしようもない。
ただ完全に忘れていた、それだけだ。
言ったら文はさらにヒートアップした御様子でした!
「本当に貴方って人は貴方って人は!」
今、文は一見笑顔だが目は全く笑っていない、やばいよこれもうしぬかもわかr
俺は平謝りするしか出来ない。
完全に俺が悪いのだから…。
「いやはははあのほんとすいませんでした」
「謝って…済むと思いますか?」
「どうみても済みません ほんとうにありがとうございました」
「このダメ人間!」
「あうぅ…」
「バカ!バカ!」
「うぅ…」
「バカ…バカ……」
文の声に急に元気がなくなった。
見ると…文は泣いていた。
「文…」
「クリスマス…楽しみにしてたのに……あんまりですっ!」
「…」
「私、ずっと待ってたんですよ?いつ来るかわからないから何度も玄関まで行ってみたり…」
「…」
「いつまで経っても貴方は来なくて…一人でずっと待ってる寂しさわかりますか!?」
「…」
「折角、ずっと前から準備もしてたのに……」
準備、か。
そもそも俺もクリスマスを完全に忘れていたわけではない。
少なくとも1ヶ月前までは覚えていた。
だからもちろんプレゼントもちゃんと用意してある。
が、何故かここ1~2週間ですっかりと頭から抜け落ちてしまっていたようだ。
…さて、俺に何が出来る。
っても――出来ることはまあ限られているか。
「文…」
「なんですか」
文は真っ赤な目でこちらを睨んだ。
自分のせいでこんなになってしまったことに心が締め付けられる。
何時だって一人は寂しいものだ。
「ごめんな…本当に」
「…聞き飽きました」
「その…なんつーかこんなこと言うのはおこがましいが」
「…」
「二日遅れになっちまったけど…パーティー、するか?」
「……」
「本当、悪かった」
さて…後は文次第だ。
これで許してもらえるかな、なんて思ってる俺はやっぱり小さくて甘い人間なんだろうな。
まあ、これでダメだったとしてももう俺に出来ることはないし、悔いはないさ…。
「……わかりました。パーティー、しましょう」
「あ…許して、くれるのか?」
「そんなわけないでしょう!」
やっぱそうだよな…。
「ただ…ただ…来年は、ちゃんと当日にやってくれたら許してあげます」
「っ!…それって」
「来年もよろしく、お願いしますね」
―――どうも、文とは長い付き合いになれそうだ。
後書き
ぅゎ ぉれ ぉそぃ
気づいたのは当日の朝。
遅筆の俺にはどうしようもなく。
まいっかー☆ で当日を過ごしてしまったけれども、どうにも。
俺の中で『書かねば』って意志が熱く燃え滾ってしまっていたので。
えーっと、後は…。
お正月ネタ間に合うといいなあ?
ということで、まとめでした?
>>327
───────────────────────────────────────────────────────────
○○「ああ文か、あけましておめでとう」
文 「おめでとうございます○○さん。今年初の新聞です、どうぞ」
○○「年中無休か、忙しいな」
文 「何年もやってれば慣れますよ」
○○「そんなもんかな…。 なあ文、時間あるか?」
文 「今日の分の配達は終わりましたから、いくらでも」
○○「よかったら餅つきしないか? 永遠亭で杵と臼を借りてきたんだ」
文 「わあ、面白そうですね。やりますやります♪」
文 「これでよし、っと。準備完了ですね♪」
○○「だな。 ところで文、餅をつくのとまわすの、どっちをやる?」
文 「そうですねえ…餅をつくのは初めてですから、両方やってみたいです」
○○「それがいいかもな。そんじゃまずは…」
ξ・∀・)<○○選択
1.餅をついてくれるか?
2.餅をまわしてくれるか?
選択肢1
○○「餅をついてくれるか?」
文 「わかりました♪」
文 「け、結構重たいんですね…」
○○「はは、大丈夫か?」
文 「大丈夫ですよ。せめて十回くらいはやってみせます」
○○「そっか。んじゃ始めるぞ」
文 「はいっ♪」
ぺたっ。ふわっ。
○○(ん…?)
文 「こ、こうですかー?」
○○「そうそう」
くるっ。
文 「よい、しょ…っと」
ぺたっ。ふわっ。
○○(お、これは…)
文 「こんな感じですか?
○○「上手いぞ、文」
文 「そ、そうですか?」
くるっ。
○○「強いて言うなら、もうちょっと腰を入れた方が良いな」
文 「力任せにつくだけじゃ駄目なんですね。」
○○「まあな。結構難しいんだよ。もっかいやってみ?」
文 「はいっ!」
ぺたっ。ふわわっ。
○○「!!!」
文 「ど、どうでしょうか?」
○○「あ、ああ。大分良くなったぜ」
文 「ふふふ♪ 続けましょう♪」
くるっ。
ぺたっ。ふわぁっ。
○○(おおっ!)
くるっ。
ぺたっ。ふわわわっ。
○○(見えたっ!)
くるっ。
ぺたっ。ふわわわっ。
○○(…白! ナイス選択だ文)
ぺたっ。ふわわっ。
○○(こいつは…強力すぎる)
ぺたっ。ふわっ。
○○(ん? 段々見えなくなってきてるような…)
ぴたっ。
○○(ぴたっ…?)
ちらっ。
┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙
文 「どうしたんですか○○さん。続き、やりましょうよ」
○○「あのさ文笑いながら杵を振り回すなよ危ないし怖いぜ可愛い顔や真っ白なパンツがだいなs」
そのご ○○の すがたを
みたものは だれも いない…
Congratulations? Ending No.???
杵エンド
選択肢2
○○「餅をまわしてくれるか?」
文 「わかりました♪」
○○「うっし、いくぞ」
文 「はいっ!」
ぺたっ。
くるっ。
文 「どうでしょうか?」
○○「そうそうそんな感じ」
ぺたっ。
くるっ。
ぺたっ。
くるっ。
○○「しっかしアレだなぁ、くるくるやってると…」
文 「?」
○○「なんつーか、こう…くるっ、くるっ、くれらっぷーみたいな感じがしないか?」
文 「言ってる意味が分からないのですが…」
○○「そっか…」
ぺたっ。
くるっ。
ぺたっ。
くるっ。
ズズー…。
○○「あ゙ー…」
文 「風邪ですか?」
○○「いや、違う。クシャミが出そうで出ないんだよ」
文 「も、餅に鼻水を垂らさないで下さいね」
○○「努力はしてみるさ」
ぺたっ。
くるっ。
ぺたっ。
くるっ。
ぺt「ぶえーーーーーっくしょい!!」
文 「ひあっ!?」
ばしゃっ。べちゃっ。
○○「文、だいじょ…」
文 「ふえぇ~、ベトベトでびしゃびしゃです~…」
○○ (餅+水=白くてベトベトwwwww妄想広がりんぐwwwwwww)
文 「○○さぁ~ん…」
○○「うはwwwテラエロスwwwwwっうぇwww …ハッ!」
文 「○○さん…あなたはまた
そ ん な こ と を 考 え て い た の で す か ?」
┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙
文 「○○さん…最後に言い残すことはありますか?」
○○「…『ぺたっ。くるっ。』ってずっと見てると『つるっ。ぺたっ。』って見えてこないか?
それが文を彷彿とさせr「判決『死刑』!!!」
ド グ チ ア ァ ァ !!
文 「…後は映姫様にお任せします」
Congratulations? Ending No.???
ぽるぽるエンド
餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵
杵 臼
臼 あとがき 餅
餅 逃げ回りゃ、死にはしない! 杵
杵 そんなふうに考えていた時期が私にもありました 臼
臼 餅
餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵臼餅杵
>>375
───────────────────────────────────────────────────────────
のんびりグダグダ。
いやー…、お正月って素晴らしい。
はいそこ、お正月じゃなくてもグダグダしてるって言うな。
去年こそは孤独な年越し脱出だと思ったんだが…。
「結局一人で年越しフゥーーーーーーーーー!!!」
はいはいひとりひとり。
絶対来ると思っていた人は来ませんでしたっ!
俺は今年もおそらく負けたであろう曙のことを思いながら除夜の鐘を一人寂しく聞く事になったのだった。
「新年から幸先良すぎフゥーーーーーーーーー!!!」
今年もいい年だー!
今年も女運なさそうだー!
バーカ!バーカ!カップルは皆滅びればいいと思うよ!
クソ…なんでこんなことに…。
初夢だって文とイチャつく夢だったのに!
まああれだ。
この間のあの事件、クリスマスッポカシ文ちゃん大激怒事件――今名付けた――のセイセイセーイ!…もとい、せいだとは思うのだが…。
つまり表面上は許してくれたが、実は根に持っていて今回こういう形で表現されたということで。
…要するにだ、俺は文にふられてしまったと、そういうことか大佐!
(今は任務が先だスネーク!)
…なんだ今のは。そもそも大佐って誰だ。
まあその、今ので一つはっきりしたことは、だ。
「こ、今年も独り身か…?」
はい、それおそらく正解。
独り身脱出の喜びはたった数週間のものでしたっ!
「独身フゥーーーーーーー!」
「…何やってるんですか」
「うおぅ!文いつの間に?」
諦めて某ゲイ人の真似をしていたら、いつの間にやら文が後ろに立っていた。
「新年早々とんでもないものを見てしまいました…」
「とんでもない。立派な腰振りじゃないですか。
そんなことを言われるとは、全くもって心外です」
「なんで英語の教科書風なんですか…?」
「いいえ、彼はトムです」
「何言ってるんですか」
いかんいかん、話が脱線しすぎた。
どのくらい脱線してるかって言うと元のレールから脱線して他のレールに乗ったからそのまま運行しちゃったみたいな。
今年の隠しゲイはこれで行こう。
「だから何言ってるんですか…」
「地の文に突っ込むんじゃないっ!」
「今『じのあや』って言いませんでしたか?」
「なあに、ただのミステイクだ」
「はぁ…あと、さっきのは口に出てました」
「なんだって口に出ていたのかそうかそうか全く納得だそれなら仕方ない」
「はぁ…」
文は2度目のため息を盛大についていた。
「おいおい、新年からため息とは文、幸せが逃げる前に来ないぞ」
「誰のせいですか…」
断言しよう、間違いなく俺のせいだ。
まあそれは置いておこうか。
大問題はつい10分前に振られたって思考にたどり着いたのにもかかわらずいざ会ってみたら普通に話している俺の思考にある。
「なあ、あやや…」
「なんですかそのあだ名は…。どうでもいいですけど」
文の方を見るとそっぽを向いています。
急に敬語になったのはきっと雰囲気です雰囲気。
「あのさ…。なんで大晦日来なかったんだ?」
まわりくどいのは嫌いだ。
さっさと核心を突いてみることにした。
「うっ…。その、あの…いろいろと」
「いろいろって何してたんだ?」
「い、いろいろです…」
なんでこんなことに答えられないんだ…?
まさかっ!
「あやぱん…」
「そのあだ名もどうかと思います…」
「えーっと…他の男?」
「なっ、どどどうしてそうなるんですかっ!」
あやぱんは顔を真っ赤にして否定した。
そこは否定してくれるのか、よかった。
…でも俺以外の男っつったら香霖くらいしか思い当たらんわけで。
否定してくれて切に良かったと思う。それはいいんだが…
「んじゃ、なんで言えないのさ?」
と、当然のことながら思ってしまうわけで。
「で、ですからいろいろあって…」
「言えないようなことなのか?」
「言いづらいことではあります…」
「言いづらい…ま、まさかっ!」
俺はあるひとつのことに思い当たった。
こんなことがまさか本当にあったなんて!
「男じゃなくて女とイチャイチャしに「なんでそうなるんですかっ!」ひでぶっ!」
言ってる途中であやぱんにハイキックを見舞われましたが、どうみても白です。
本当にありがとうございました。
何が白いのかは心の奥底にしまっておこうか。
「全く…新年から何を言い出すんですか…」
「それはあやぱんがちゃんと言ってくれないから…」
「そのあだ名やめてください…。わかりました、言いますから」
「お?マジで?」
「その…写真を撮ってたんです」
「写真?」
「はい、新聞用にしようかと」
写真を撮るだけでそんなに時間が掛かるだろうか。
「で、えーっと…そんなに時間掛かるもんなんかな?」
「えっと…実はその、弾幕ごっこしながらだったんで」
「ちょwwwwwwあるあるwwwwwwwww」
ねーよwwwwwwwwwwwwww
弾幕ごっこしながら写真撮るとか、鬼かって。天狗だって。
「思ったより全員撮影するのに時間が掛かってしまって…気づいたら新年だったんです」
「そうだったのか…てっきり俺はふられたものと」
「そっ、そんなわけないじゃないですか!」
「いやー、そこまで必死に否定してくれると男としては感無量」
「そーなのかー」
…なんだ今の。
一瞬視界が黒くなった気が。
「そもそもクリスマスの時に言ったじゃないですか…」
「あー?」
「『あー?』じゃないですっ!…まさか、忘れちゃったんですか?」
途端に文の顔が曇る。
「まさか、そんなわけないだろ?」
「ですよね…」
「ああ、『来年もよろしく』、ってな」
「よろしくしといてふるわけないじゃないですか」
「そりゃそうか…?」
「そうですっ!」
言い切ってくれた。
さっきも言ったが感無量だ。
「そういや…クリスマスのことがあるんだから、言い淀む必要も無かったんじゃないか?」
「あー…じゃあ、おあいこってことでお願いします」
そう言って舌を出して笑うあやぱん。可愛すぎて今すぐベッドに押し倒「はい何考えてるんですか」
「地の文に突っ込まないでくれ…」
「また口に出てました!」
「そうなのか…」
「クリスマスの話で思いついたんですが」
「んー?」
「折角ですから今から新年のお祝いをしましょうか?」
「OK牧場」
「…なんですかそれ」
それからどした
「えー…っと…これはどういったことだ」
「え?ですから、新年の酒盛りです」
「やっぱこうなるのか?」
「もちろんですっ!」
テーブルの上には銘酒、水道水から幻想郷じゃなかなか手に入らないワインとかいろいろいっぱいいっぱいチルノ。
待て待て、これをまさか2人で飲むというのか?そうなのか?
流石に呑んだくれの文でもそれは無いだろう…無いだろう?
「あー…あやぱん?」
「あやぱんって言わないでくださいっ!…なんですか?」
「いや、これまさか2人で全部飲むつもりなんか?」
「え?もちろんそのつもりですよ?」
「あやぱん実は怒ってません?」
「怒ってませんよ?」
そう言って満面の笑顔を見せる文。
悪気がない分性質が悪いよ?
この呑んだくれ!
「あー…無理」
「えー!どうしてですか!」
「いや、どうしてもこうしてもなあ…」
天狗ならともかく、この量は無理だ。
流石呑んだくれだ!俺に出来ないことを平気でやってのける!
「あのな?天狗ならこんなん飲んだうちに入らんかもしれんがな、悲しいことに、だ」
「はい」
「私は一流の一般人で、さらに…一流の一般人だ」
「まわりくどいですが、要は一般人ですよねそれは」
「そうだ。つまり無理」
「ダメです。倒れるまで付き合ってもらいますよっ!」
なんで?なんでこうなるんだ?
「やっぱ怒ってないか?」
「怒ってませんよ?」
そう言ってイイ笑顔を見せる文。
あらまあよく見れば青筋が。
「ちょwwwwwwなんで怒ってんのwwwwwwww」
「さあ?何ででしょうねぇ?」
全く身に覚えが無いぞ!
あれか?アルコールが切れたからなのか?飲む前から!
この呑んだくれ!
…って…このパターンから言ってまさか。
「誰が…呑んだくれですか…」
「いやっぱり口に出てましたよっ!?」
「言いたい放題言って!」
「これほどまでに怒っている文を私は今までに知りません!」
「当たり前です!」
「あああああ許してあやぱんやめてあやぱん」
「あやぱん言うな!」
風符「風神一扇」
「くぁwせdrftgyふじこlp;」
「はっ!」
「あ、ようやく起きましたか」
「ああ…」
「それじゃ、始めましょうか」
始めるのはいい。始めるのはいいんだが。
「あーっと…一つ言いたいことが」
「なんですか?」
「この拘束を解いてください」
「『だが断る』です」
あんですとー!?
「な、なにするつもりだよぅ!やめろよぅ!弱いものいじめよくないよぅ!」
「なんでいきなり幼児退行してるんですか…」
「な、なんで…なんでこんなこと」
「そうでもしないと逃げちゃうじゃないですか」
「そんなことはない!…と思うよ?」
「なんで疑問系なんですか!せめてそこは言い切ってください!」
どうしてもこれは逃れられないのか?
…そうだ。
「ああ!あやぱん!」
「あやぱん言うな!…なんですか?」
「ほら、このままじゃ飲めないだろ?だから手だけは解いてくれ!」
「ダメです」
なんでじゃー!
「なんで…」
「私が飲ませます」
「どうやって?」
「こうやるんですっ!」
そう言うや否や、文は持っていた酒を口に含み……俺にそのままキスした。
「!!?!???!」
驚く俺を他所に、文の口の中から俺の口の中へと酒が送り込まれてくる。
そうして飲む酒はなんとなく甘い気が、した。
酒を送り終え、文がそっと離れる。
頬を赤く染めて視線を逸らせてああもう!可愛いなあ!
「お世辞言っても何も出ませんよ」
「いや本心だから!」
「…そうですか?」
そう言ってこっちを上目遣いでうかがう文。
ちょっと潤んでたりしてもうくぁwせdrftgyふじこlp;
「あやぱん…」
「なんですか…?」
「ずっと、一緒だぜ?」
「…縛られたまま言うのはかっこ悪いですよ?」
そうでしたー☆
「ちょwwwwwwじゃあ解いてくれよ!」
「ダメです」
なんでだよ…。
「絶対に離してあげませんからねっ!…ずっと、一緒ですから」
ああ、そういうことか…。
「…大丈夫だって、逃げたりなんかしないから」
「本当ですね?」
「ああ。誰が離れてやるもんか」
「…その言い方はちょっとどうかと思いますよ?」
「俺も同意見だ」
仕切り直す。
大事なことだしな…。
「絶対、文を離したりなんかしないさ。…ずっと一緒だ」
今度こそは決まった!そう思うだろ?アンタも!
「……………」
ちょ、なんで無言なんだよ!
「………ぷっ」
「なんで笑うんだよ!」
「だって…縛られた…まんま…ぷくくくく!」
そうだったー☆
「二度目かよ!解けって!」
「はいはいわかり…ふふふふふ!」
「笑うなっつーに!」
台無しだよ!もう!
「いい感じに酔ってまいりましたー」
「誰に言ってるんですか…」
「さあー?」
「飲みすぎじゃないですか?」
「誰だよー、飲めって言ったのはー」
「私ですけど…」
「だろー?」
「悪酔いしすぎです…」
「気のせいですよーん☆」
「…………」
「すまん、正直今のは自分で無いと思った」
「ですよね…流石に今のは引きます」
「引くな、頼むから」
そんな感じで暫くのまのま。
気づけばテーブルの上の酒も大体無くなっていた。
スゴイネ人体。
「あー…ようやくこれでお開きかぁ?」
「え?まだですよ?」
なんで?もうお酒ナイヨ?
「あやぱん、そうは言うがもうお酒は…」
「ありますよ、ここに」
そう言って玄関の外に行く文。嫌な予感しかしません。
ついて行くとそこには…。
「うわぁ……玄関の前、お酒でいっぱいなりぃ……」
ついおかしな語尾になってしまうほどの量のお酒がそこにはありましたとさ。
「これ全部飲むの?」
「当たり前ですっ!」
「勘弁してくれー!!!!」
~後書き~
あーあ、東海大なにしてんだよもう。
関係ないけど優勝候補って言われる奴って大体優勝しないよね。
これは本当に余談だけど。
スペカ見たときに、ついでにカットインの言葉も見たわけですが。
優曇華とチルノの奴は特にキャラのことも表してなさげでちょいとはてなでした。
まーだチルノは言いそうだけど、一石二鳥とかは。
本編の突っ込み。
>初夢
マジで見れたので。
ありがとうあやぱん。
>彼はトムです
ツボだったのでついやってしまいました。
わからなかったらググってください?
>弾幕ごっこしながら写真
はい、思っておられるとおり文花帖です。
面白いけど。面白いけど!
あんまりヘタレてるから落ちる落ちる。ごめんねあやぱん。
>一流の一般人&これほどまでに(ry
古畑任三郎FINALの第1夜より。
第2夜はイチローだし楽しみ。
>そう思うだろ?アンタも!
スクライド。
ありがとうございました。
>>397