プロポスレ@Wiki
ルーミア3
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「待てー」
「のおおおおおおおお!!!」
ある晴れた日の夕方、俺は叫びながら森の中を必死で逃げていた。
何故逃げているのかって?
後ろから赤いリボン付けた黒い服の妖怪……ってか、ルーミアがふよふよ浮きながら追っかけてくるからさ。
親友のみすちーと楽しくお喋りしてたのに、いきなり「ごはんー!ヽ(^Д^)ノ」とか叫んで背後から出てきたときには心臓が止まるかと思った。
とにかく、なんとか みすちーだけでも逃がそうと 俺が囮になろうとした結果、この腹ペコ妖怪と命がけの追いかけっこをやっている、
まー、別にこんな感じの追っかけっこは初めてというわけでもない。
みすちーと喋ってると何故かよくコイツが現われては追いかけまわされているので、もう慣れた。
逃げるたびに足腰も鍛えられているので、たぶん『ルーミアから逃げ切れる程度の能力』は獲得できていると思う。
……どうせなら、もっとマシな能力が欲しいものだが。
「ごはんーー待ってーーーー」
待てるか阿呆。
のんきな声に悪態をつきながらひたすら走る。
正直、この付近はあまり土地勘がない上、森の木々が邪魔で視界が遮られるため あまりスピードが出せない。
「くそっ……このままじゃ捕まっちまう……!」
そのとき、森の木々の間に一瞬光が見えた。
勝機!!
視界の良い平地なら今の倍の速度は軽く出せる。
そう考えた俺は、光の方向へ向かい森を抜けた。
しかし。
「!!」
開けた場所に出たと思ったが……森を抜けた先は切り立った崖で行き止まりになっていた。
そして、崖のすぐ傍には流れが速そうな川がある。
川に逃げ込もうかとも思ったが、かなり流れが速い。
つ ー か 、 俺 泳 げ な い し
飛び込んだらデッドエンド確定だ。
焦る俺の背後から、のんきな声が響く。
「追いつめたー もう逃げられないよ」
振り向いたそこには、ルーミアが満面の笑みを浮かべてふよふよ浮いていた。
そこで問題だ! この絶体絶命なピンチの中でどうやって あの腹ペコ妖怪の貪欲な口をかわすか?
3択―ひとつだけ選びなさい
答え① ハンサムなオレは突如、逃走手段のアイデアがひらめく
答え② えーりんがきて助けてくれる
答え③ 喰われる。現実は非情である
To Be Contenued……
8スレ目 >>223
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ルーミア
「○○…私、○○のこと大好き!」
○○
「俺も…好きだぜ」
※このあと○○はルーミアが美味しく頂きました。
8スレ目 >>640
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満月の夜に、僕は彼女と出会った。
里では見かけない子だから、里の外に住む変り者の子供なのだろう。 証拠に、里について彼女は無知すぎた。
可愛い真っ赤なリボンについて尋ねると、本当は護符で外せないものらしい。
納得だ。 里の外に暮らすなら弾幕や符の一枚持たなければ危ないだろう。
一月後、また彼女と出会った
彼女は里の話を聞きたがったので、知りうる限りのことを答えていった。
何を聞いても新鮮らしく
「そーなのかー」
と驚き、感心する姿はとても愛らしかった
僕は次の満月が待ち遠しかった。
彼女は、満月の日に逢えるという予感があったからだ
予感どおり、彼女は次の満月にあらわれた。
だが、今日は里ではなく健康面が心配らしい。
なるほど、いつも元気な彼女が、頬も赤いし様子も変だし風邪でも引いたのかもしれない。
だけど、違った。
思うだけで高鳴る胸、会えないだけで溺れてしまったような息苦しさ。
それは、非常に見に覚えのある病気だった。
だから、特効薬を使った
唇を重ね合うのだ
次の満月が楽しみだ。
なんでも、彼女は満月以外目が見えないそうだ
だから満月以外会えないのかと納得できたし、だからこそ次が楽しみなのだ
次の満月は、彼女が見る初めてのお祭りとなるだろう
彼女はいつもの一張羅でやってきた。 やはり祭りには浴衣だと思い、親戚のお下がりを借りてきておいたのだ
「一緒にお祭りにいこうよ!」
祭り、といっても色々ある
今回の昼間は、穣子さま主賓の収穫祭。 彼女と来たのは八坂とかいう、新しい神さまを祭るらしい。
どちらにせよ、飲めや歌えやの大騒ぎをするのに変わりはない。
今年の中月の名月は1日満月とずれているせいで、ずっと里は騒ぎっぱなし
彼女は……目を輝かせてごちそうに食らい付いている。
思ったより大食い……というか大人顔負け。すごいなぁ
彼女が食物に釘付けになっていると、神様の立てた柱に負けない角を生やした先生が僕のところにやってきた
「ルーミアとは別れなさい。 彼女は妖怪だ」
妖怪? そんな馬鹿な!
「本当だよ。君が本気で彼女が好きでも、誰も変えられない事実だ」
先生は、嘘や冗談でこんなことは言わない。 つまり本当のことなんだろう
「わかったよ先生」
今はもう、満月の夜に逢うことはない
一緒に語り明かすことも、お祭りに行くこともない
彼女に食べられることで、彼女と一つになることを望んだからだ
9スレ目 >>922
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夕暮れの幻想郷、とある森の中。
二人(匹)の妖怪が寄り添って寝ている。
「なぁ、ルーミア」
ルーミアと呼ばれた妖怪は十進法を思わせるポーズで寝ている。
「どうしたの? ○○」
○○と呼ばれた妖怪はぼんやりと夕空を眺めている。
「……腹減ったなぁ」
「……そうだねー」
くぅ、とルーミアのお腹が鳴る。
ぐぐぎゅー、と○○の腹も鳴る。
「これで3日目か……」
「わたしは3日目だけど、○○は4日目だよね」
「気にすんな。俺は大丈夫だから」
ここ数日この二人は何も口にしていない。
ここ最近食料となる野生の動物が捕れない。
正確には3日前に魚を釣ったが、○○がルーミアにあげたので○○は4日目になる。
「なんかごめんね」
「いや、ルーミアが空腹で倒れるよりならマシだって」
言うのが遅れたがこの二人は仲がいい。所謂恋人という関係である。
「なにかしてあげたらいいんだけど」
「じゃルーミアでも食べるか。性的な意味で」
「え……わ、わたしはいいけど」
「まじでっ!?」
○○が飛び起きる。
「でも…お腹空くよ?」
「……そうだよな」
長い空白の後に○○が再び横になる。
性欲が食欲に負けた瞬間だった。
「はぁ……!」
また○○が起き上がる。
「なに?」
「……何か来る。 これは、食える匂いだ」
ぴくりとルーミアも反応する。
3日ぶりの食事にありつけるかも知れないこのチャンスに、二人は神経を研ぎ澄ませじっとその時を待つ。
「ちんちん♪ あ、ルーミアと○○」
「あ、みすちー」
「ちっ…」
「『ちっ』て聞こえた!」
二人の視界に現れたのは夜雀のミスティアだった。
これから店を開くのであろう、移動式屋台を運んでいる最中らしい。
「なんか二人とも頬がこけてるけど大丈夫?」
「うん、ここ最近何も食べてない」
「○○におなじー」
うわー、と同情するような目をするミスティア。
「え!? 八つ目を奢ってくれるって?」
「本当みすちー!?」
「そんなこと一言も言ってない!!」
「じゃあミスティアでも喰うか」
○○のこの一言で場の空気が変わった。
「……みすちーには悪いけど、そうするしかないね」
「ちょ、ルーミアも何言って」
「見ろルーミア、あのむしゃぶりつきたくなるあの脚。絶対美味いぞ」
「わたしはあの胸肉が食べたいなー」
ビクッとミスティアが寒気を覚え後ずさる。
「胸肉か、いいなぁ。もしかしたら手羽先も美味いかもな」
「タンもいけると思うよー」
じりじりと二人が距離を詰めてくる。
「「じゃあ、いただきます」」
「貞操より生命の危機!!」
二人の食欲が性欲に勝った瞬間である。
ミスティアが屋台ごと180度ターンして逃亡を図ろうと思ったが、すでに目の前にはルーミアのレーザー弾幕で通れなくなっている。
「くっ」
「残念こっちも通行止め」
振り返ると○○もレーザー弾幕で逃げ道を塞いでいた。
「○○もレーザー撃てたの!?」
「まぁね」
「みすちーつんだー」
幾重にも交錯するレーザーによりミスティアの退路は完全に断たれてしまった。
「安心しろ。屋台の調味料も使って美味しく調理してやるから」
「骨まで美味しく食べるからー」
「い……いやあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ふー、食った食った!」
「ごちそーさま! 美味しかったよみすちー」
「ふえぇぇ……今日の分の八つ目が全部……」
結局ミスティアは『好きなだけ八つ目を食べさせる』ことで難を逃れたのであった。
そのせいで今日の屋台は経営困難になってしまったが。
「まぁそう落ち込むなミスティア。今度屋台手伝ってやるから」
「割に合わないよ……」
「わはー」
半泣きの状態でミスティアが屋台を引きずり去っていった。
哀れ夜雀。
「さて、飯も食ったことだしこれからどうする?」
「巫女の所に遊びに行こー」
「今は深夜を回ったとこか。多分宴会でもやってるんだろうな」
「そうと決まったら突撃だー!」
「よし、行くか!」
○○とルーミアが地面を蹴る。
ぐんぐんと高度を上げ、森を抜けると居心地のいい闇夜が迎えてくれた。
遠くには小さな明かりが見える。目指す神社に向けて二人は手を繋ぎスピードを上げた。
おまけ
「やっと着いたな」
「れーむー」
「あ、○○にルーミア!!」
「どうした霊夢? そんな怖い顔して」
「あんた達がミスティアの八つ目食べたせいで私達が食べられなくなったじゃない!!!」
「ちょっ、いきなりスペカかよ!!」
「わたしは止めたんだよー。だけど○○が無理やりやらせたのだー」
「ルーミア貴様っ!?」
「覚悟しなさい○○!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!!」
11スレ目>>155
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今日は12月25日。楽しい楽しいクリスマス!
★その日○○くんがルーミアちゃんから貰ってたいそう嬉しかったものランキング(○○くんその晩の脳内調べ)★
第五位 世界の珍鳥図鑑
(概要):世界の珍しい鳥を一挙網羅!生態・主食・卵の模様・繁殖時期に至るまでムダに詳しく掲載だぞ!
珍しい鳥がいっぱい、という触れ込みだけど、あくまでマニア内の話なので一体何がそんなに珍しいのか一般の人には全然分からないぞ!
「すごいなこれ、こんなに詳しい図鑑は初めて見た。
解りやすいし、ホウロクシギの羽の配色の種類がこんなにたくさん・・・ああ、外の世界でやってた野鳥観察を思い出すなあ」
「これね、こないだ道端に落ちてたのをみすちーが拾ったんだよー」
「そっか、これも外から流れ着いてきたのか・・・って、ミスティアが?」
「鳥っておいしそーだなーって思ってみすちーの見てたら、これくれるって!
でも今日くりすますっていうなんかおめでたい行事みたいだから○○にあげるよ!」
「え?ルーミア、これお前が読みたかったんじゃないのか?こんな良いもの貰えるのはすごく嬉しいけど、お前が貰ったんなら」
「ううん、いいのいいの!○○のお家に置いててっ!
そしたらわたし、しょっちゅう読みにくるからー!いいよね?」
「・・・!」
★○○くんの嬉しかったポイント
そ、それってつまり、ルーミアがしょっちゅう俺の家遊びに来てくれるってことだろうか・・・!!
・・・!!(※声にならない)ホウロクシギ万歳!!!!
第四位 なんか人肉風味っぽい(あくまで風味)ハンバーグオムライス
(概要):とある青巫女さんに教わって作った外の食べ物。
日本の国旗も立ってます!
「○○、どう?これ、外の世界で食べてたものなんだよね?
・・・おいしくない?」
「すごく美味しい。・・・すごくおいしい」
「わはー二回も言わなくていいよ照れちゃうよー」
★○○くんの嬉しかったポイント
マジでどうしたらこの子と結婚できるだろう
第三位 クリスマスカラー(赤と緑)のキーホルダー&「○○が元気で毎日たのしくすごせますように!」と書いた絵馬
(概要):といってもあの小学生がじゃらじゃらランドセルにつけているようなものじゃなく純粋にキー(鍵を)ホルダー(使いやすいようにまとめる)だぞ!
クリスマスカラーがちょっとステキ!ズボンに引っ掛けることができるぞ!実はこーりんの所からかっさらってきたものだぞ!
絵馬の方は腋巫女(赤いほう)に偽札を渡したらすんなり書かせてくれたぞ!
「・・・、俺、女の子がなんで飾り物とかであんなにはしゃぐんだろうと不思議だったんだけどさ」
「うん?」
「きもち、わかった。・・・嬉しいな、プレゼントって・・・大事にするよ」
「あ、えと、そんなに言われたら照れちゃう、あ、あの○○の好みにあうか心配だったんだけど、使い道あるかなーとか」
「この絵馬もわざわざ書きに行ってくれたのか?すごいこと考えるよなルーミアって」
「霊夢がこれに一筆書いたらすごくご利益あるってべたぼめしてたからそれでね!
ほら絵馬だからはじっこに馬の絵かいたんだよ」
「そうか、そうか。馬の絵をかいたんだな」
「かいたんだよ!」
※黙ってルーミアちゃんの頭をなでなでする○○くん
★○○くんの嬉しかったポイント
バカな子ほど可愛いなぁ・・・可愛いよなぁ・・・
第二位 突然のサプライズ訪問
(概要):12月25日はクリスマスだとすっかり忘れて空を眺めながら「ルーミアのところ行って遊ぼうかな・・・」などと考えていた○○くん、
そんなとき家の扉が何者かによって突き破られる!
「・・・ルーミア?」
「○○めりーくりすますーーーーーーーーーー!!!」
「わっ、あ、えっ」
「○○っ、おはよー!今日、あのー、暇?あのね、用事がなかったら、その、わたしとめりーくりすますしてほしいんだけど・・・
あれ?お祝いのしかた、これでまちがってた、かな?」
「・・・・!!いっ、祝われたい、です・・・!」
むぎゅううううっ
「○○おめでとーおめでとー」
「ありがとう・・・」
「○○好き!」
「俺も、・・・ありがとうルーミア・・・」
※玄関だぞ、お前ら
★○○くんの嬉しかったポイント
あああああああああああうそマジで?うわあああああああ生まれてよかった俺えええええめりーくりすますうううううう
第一位 ルーミア
(概要):こっぱずかしいので割愛
「・・・ルーミア、あのさ、もしかして、この日のために何日も前から準備とかしてくれてた?」
「え!?だ、誰に聞いたの!?」
「あ、ほんとに、そうなのか?」
「そ、そーなのかー・・・・」
「そーなのかーで返すなよ」
「えへへ」
「まったく・・・」
「・・・えーと、外の世界ではこの日はくりすますっていうお祝いの日なんだってみんなから聞いて、それで○○と祝ったらたのしーのかなって、だから」
「で、やる気を出してみたわけか。プレゼント持ってきたりご飯作ってみたり」
「だって初めての○○のくりすますだよ?」
「俺はもう20回以上過ごしてるけどな」
「・・・わたしとするのは初めてでしょー」
「ああ、そうだな。・・・ごめん、俺プレゼントとか何も用意してなくて、ルーミアにあげられないんだけど、その」
「ううんいいんだよ、○○が喜んでくれればいいの!○○、うれしい?」
「ああ。こんなに嬉しいクリスマス、初めてだよ。俺、ほんとに嬉しい」
「え、えへへ、くりすますが?」
「ルーミアに会えて」
「・・・!!」
「照れた?」
「てっ てれ た・・・」
「俺も」
「ま ○○」
「ん、なんだ?」
「今日、わたし、おうち、帰らないから、いっぱい、ちゅう、して」
「・・・なっ」
★○○くんの嬉しかったポイント
わざわざ言わなくてもご理解いただけるかと思います。
11スレ目>>494
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○「ルーミア、あけましておめでとう!」
ル「わはー、あけましておめでとうー」
ルーミアを見かけたので、声をかけると、こちらも嬉しくなるくらい元気に返ってきた。
その後、色々と他愛も無い話の中で、実は話したかった事に入る。
○「実は、新年かくれんぼをやることになった」
ル「?」
○「でさ、他の子たち、結構めざといから、すぐに見つかっちゃうんだよな」
ル「そーなのかー」
○「だからさ、もし良かったら、良い隠れ場所とか隠れ方とか教えてくれない?」
ここでやっと意図が理解できたのだろう。
頼りにされている事が嬉しかったのか、ルーミアの笑みが満面の物に変わる。
ル「そういうことだったら、私の得意分野だよ! 任せて!」
○「おぉ、マジで? じゃあお願いします!」
ル「うんっ!」
そう言って、俺に腰に抱きつくようにピタリとくっついてくるルーミア。
――!?
いやちょい待て何事だ俺何かしたっけいやしてないしそもそもかくれんぼについてあばばばばばばば
○「ちょ、ルーミア、何を」
ル「じっとしてー」
どうやら彼女は大真面目なようだ。
ならば、あまりじたばたしているのも彼女に悪い。
ここは、ぐっと我慢する事にした。
ル「わはー」
○「…………」
ル「○○いい匂いがするー」
前言撤回。この子ふざけてる。
○「る、ルーミアっ!」
ル「ご、ごめん、ちゃ、ちゃんとやるー」
どうやら落ち着いてくれたようだ。
少しだけ、抱きしめられる力が強くなる。
ル「いくよー」
○「い、いいよ」
ル「せーの」
瞬間、目の前が暗闇に包まれた。
何か異世界にでも転移したのかと思ったが、彼女の能力を思い出して、それは違うと理解した。
ルーミアが暗闇を展開したらしい。
だから、外から見たらどんな感じか大体把握できる。
景色の中に、黒くて丸い球体が一つ。
○「ルーミア、ストップ!」
ル「?」
暗闇が晴れる。
ルーミアを見ると、依然抱きついたまま、期待に満ちた眼でこちらを見ている。
確かにルーミアらしい。これは彼女にしかできない事だ。
でも、明らかに怪しいから、ルーミアとかくれんぼやったら一発でばれてしまう。
○「いや、あのね、確かに凄いと思うよ」
ル「!」
○「でも、これだと逆にばれる気がするんだ」
ル「……そーなのかー」
ルーミアの表情が明らかに沈んでいく。
やばい、落ち込ませるつもりで言ったわけじゃないのに。
○「だけど、嬉しかったよ。ありがとう」
ル「……ごめんねー」
○「いや、いいよいいよ。そういう方法があるってだけでも嬉しかったから。最終手段として使わせてもらおうかな」
そう言いながら頭を撫でてあげると、ルーミアははにかんだような笑顔でこちらを見ている。
○「そういや、お礼がまだだったなぁ」
ル「?」
○「いや、教えてくれたしさ。やっぱり、礼をしておかないとさ」
ル「! じゃ、じゃあ!」
○「ん?」
ルーミアがぎゅっと抱きついている腕に力を込める。
ル「しばらく、このままでいたい」
○「……いいよ、でも」
ルーミアを一度引き離す。
それでルーミアが泣きそうになってしまったけど、腰をかがめて、こちらから抱きしめる。
○「こっちの方が、いいかな」
ル「……うんっ」
ルーミアの手が俺の背中に回される。
そして、ぎゅっと力が込められた。
お礼と言っておきながら、全くお礼じゃないな、と心の中で笑う。
ル「○○、いい匂いがするー」
○「……あ、ありがとう?」
ル「わはー」
ル「お腹すいたー」
○「それじゃ、そろそろ離れようか」
ル「ダメーこのままー」
○「あ、あはは……」
新年早々、命を危機を感じた。
11スレ目>>731
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幻想入りするに当たって、ゆかりんが適当な能力を付けてくれるらしい。
色々案を出してみたが弾幕能力が出せそうだと駄目ならしく、
弾幕喰らっても死なない程度なら良いという事で、
「壊れない程度の能力」を手に入れた。
これでフラン様専属の執事として死なない様に仕えたり、
ゆうかりんとお花畑で殺し合い(一方的な)の末に愛情が芽生えたりと、
俺も多くの○○の様な生活が送れるのか・・・!
と思ったが、
それはゆかりんの巧妙な罠だった。
という訳でゆかりんのおかげで能力手に入れたぞー!
すごいぞー!かっこいいぞー!
「そーなのかー?」
て、うお、ルーミアだ。
まあ紅魔館に向かってるんだから遭遇するんだ、きっと。
「ところであなたは食べられる人類?」
「いや、食べられないよ。毒があるから」
「そーなのかー?」
「そーなんだー」
「なんで毒があるのー?」
う、痛い所をついてくる・・・
バカルテットなんて言う人もいるが流石に疑われるか。
「そ、そりゃあれだ。
人間の脳には病気があってそれを食べたら馬鹿になって死ぬんだよ?」
「そーなのかー?」
「そーなんだー」
かぷり。
ルーミアが俺の腕に食いついた。
あまりに急だったので痛みを感じるまで一瞬の間があったが、
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「頭を・・・うむ・・食べなきゃ・・むぐ・・・大丈夫なのかー?」
ち、違っ・・・
「・・・お肉、なくならない?」
気付かれた!?
ゆかりんから能力のお陰で、
ルーミアに喰われた身体的な欠損は瞬く間に治癒してしまう。
・・・喰われた痛みだけを残して。
「・・・そーなのかー」
自己解決した様だ。
彼女は傷口に舌を突き立て、中をほじくりながら血を啜り始めた。
体を動かすのに問題な程に血液が不足すると即座に血液が体内に戻ってしまう。
「う・・・あぁ・・・うう・・・」
痛い。
体が痛みに慣れない。
痛みに慣れるのは精神が壊れる事とでも言いたいのか。
それから5分程腕を食べ続けたルーミアは、
酔った様な眼で俺を見上げた。
「大好き・・・だよぉ?」
「っ・・・!」
きっとそれは眼前の食料に対して言ったのだろう。
別にルーミアが特別好きだった訳では無かったが、
不覚にも心が揺らいでしまった。
そして辺りは暗闇に包まれていく。
何で腕の一本を捨てて逃げなかったのだろう。
どうせすぐ生えてくるのに。
「お、俺も・・・」
もう全て遅い。
彼女は闇を操る以外に、獲物を魅了する程度の能力を持っていたのだろうから。
「ルーミアの事、好きだから」
これから与えられる痛みが、愉しくて堪らない。
ついに月が隠れて漆黒の闇、
紅い口が三日月に歪んだ。
DEAD END
11スレ目>>163>>170
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宵闇の妖怪、ルーミア。
幻想郷では意外と少ない「人食い妖怪」である。
故に彼女は巫女の仕事の絶好の的。
見つかればとりあえず攻撃される為、他を巻き添えにしないようにと
留まる事なくふわふわと漂っている事が多かった。
その為、彼女には親しい友人があまりいない。
…よく弾幕勝負を仕掛けてくる⑨や、「非常食」の夜雀は別だが。
そんな彼女だが、最近、よく話す友人ができたという。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
え?あいつとの出会い?えーっと………あ、一ヶ月ぐらい前だったかしら。
私がいつものように森の中をふわふわしてたら、闇の中に一人、人間が掛かったのよ。
その時のあいつの対応、結構早かったわー。
その場からとっとと逃げ出した…は、いいんだけど…あいつの走った方向って、出口じゃなくて闇の中心部。つまり私のところだったんだよねー。
あいつったら必死にこっちへ走ってくるんだもん、もうその姿が可愛くて思わず笑っちゃったわー。
走って、走って、走って…ふと前を見ると、そこに自分を食べる妖怪がいた。
そんな時のあいつの表情ったら…もう、あんたにも見せてあげたかったわ。
慌てて方向を変え、そのまま走り去ろうとするあいつ。
けど私だって妖怪の端くれ。あいつが石に躓いたのをきっかけに一気に組み伏せたのよー。
そのままあいつを頭からかじってやろうって時、あいつが──
「…死ぬ前に、一言話させてくれないかな?」
その口調がやけに冷静だったもんだから、私も一瞬動きを止めちゃったわ。
「遺言でも残したいのー?」
捕食を止めてくれた事に、あいつは驚きと安堵が入り混じった顔を見せた。
…今だに私の口は貴方の頭をくわえているって言うのにねー。
「遺言残せるような相手がいればそれもいいか…って、そうじゃなくて、本当にただの話だよ」
「貴方、自分の立場わかってる?」
聞くだけ無駄だったと思ったわ。私は彼の頭に歯を立てようと──
「…俺が、別世界の人間だとしても?」
再び、私は動きを止めた。
「…貴方は──外の世界の人類なの?」
「人類っていうか…ま、俺もよく分かんないんだけどね。少なくとも俺のいた所は──天狗はいなかった。」
そう言って空を見上げたあいつの真上を、ちょうどあんたが飛んでったの。
結構重要な場面にいたのよ?あんた。
彼の頭から口を離し、とりあえず向かい合って座ったわ。
「お、食うの止めてくれたの?」
「…貴方の話に興味が出てきたわー。つまんなかったら食べちゃうわよ?」
「そりゃ怖い。…じゃ、まあ、何から話すかな──」
どんな事を聞いたって?…ふふ、秘密ー。
だって…彼はもう私の物。だったら、彼から聞いた話も私だけの物なのよ。
…あいつ?うん、今も生きてるわ。だって面白い話を聞かせてくれるんだもの。そう簡単に食べちゃもったいないでしょ?
弾幕も…スペルカードはさすがに持ってないけど、そこらへんの妖怪から身を守るくらいは覚えたしねー。
今はきっと、あの森のあそこらへんで昼寝でもしてるんじゃないかしら。
…終わり?そう。じゃーね、新聞屋さん。
……さて、○○に会いに行こうーっと。
12スレ目>>294 うpろだ806
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某日、ガマのいる湖のほとりにて
○「…………………」
る「……………いい天気だねー…」
○「……………日光遮ってるから余計になー…」
る「…………お腹空いてきたねー…」
○「…………そろそろ昼飯時かな…太陽が高いなー…」
る「………ねえー…耳…食べてもいい?」
○「………ダメ」
る「…妖怪に無闇に近づく人間は食べてもいい…って、この間巫女が言ってたよ?」
○「あの腋巫女め…
いいか?こーやって毎日一緒にいるからこそ、俺は食べちゃいけないんだよ。そもそも妖怪と一緒に昼寝するような人間、俺以
外にいないだろ?んでそれはつまり「いつでも食べられる」という事だ。対してお前がいつも食ってる人間は滅多な事ではお前
に近寄らない。つまお前が人間(俺以外の)を食う事は極めて困難な事だ。もしここでお前が俺をペロリと骨も残さず平らげて
みろ。本当に飯に困った時食う物がないだろうが。つまり俺をおやつ感覚で食うな。もっと非常時に食え。俺は非常食だ。
ってワケだ。」
る「そうなのかー」
る「……じゃあ、小指食べていい?」
○「人の話聞いてないな、お前」
12スレ目>>131
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ル「わはー、○○、チョコー」
○「え、僕に?」
ル「そうだよー」
○「どうして、またそんないきなり?」
ル「だって、今日は好きな人にチョコをあげる日なんでしょー?」
○「……あ、そうだっけ?」
ル「うんうん」
○「ありがとう、嬉しいよ」
ル「…………」
○「…………」
ル「…………」
○「……一緒に食べようか」
ル「! うん!」
12スレ目>>506
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どっちの方がすき? ~ルーミア編~
彼女の為に○○が特製弁当を作り、彼女と一緒に食べてるとき。
1 普通のルーミア
あっ、○○だ~! また会っちゃったね!(○○はルーミアに出会って5回目である)
ん? 前のように襲わないのかって? くすくす、また襲っちゃおっか?(冗談っぽく笑う)
……じ~。(○○の手に持っている弁当に目が付く)
ぐぅ~。(弁当を見つめているうちにお腹がなる)
……あっ、○○の弁当見てたらお腹が空いちゃった…はずかしぃ///
ねぇ、ここ辺りで食べない? ここ辺りなら誰もいないし……ね?
~少女&青年食事中~
…ご馳走様! ○○の作った弁当、とってもおいしかったよ!
えっ? 人肉以外の物でも食べれるのかって?
くすくす、○○ってばかね。 人肉しか食べれなかったら飢え死にしてるわよ。
人肉は滅多に食べれないご馳走だから皆人間を襲うのよ。
じゃぁ、何で私が○○を襲わないのかって? ん~……何でだろうね。(しばらく考え込む)
きっと、初めて会ったとき、○○の弁当がおいしかったからだと思うのよね~♪
でも、○○はどうして出会う度においしい弁当を持ってきてくるの?
……えっ!? お前の事が大好きだからって?
……そ、そーなのかー///(顔を真っ赤にして見つめる)
わ、私もね、実をいっちゃうと、○○の事好きだょ…。
最初はおいしい弁当を食べさせてもらえる優しいお兄さんって感じだったけれど…今はちがうよ。
○○、私はあなたの事が大好き。
でもね、私みたいな人喰い妖怪が人間である○○の事を好きになっちゃうなんて、どうかしちゃってるよね――んぅっ!?(言い切る直前に○○は抱きついて唇で唇をふさいだ)
ん…んくっ……くはぁ…/// ○○、い、いきなり何をするのよ///
…えっ、ばかな事は言うなって? う、うん…ごめんね、○○。
これからも私の事愛してね。 私の為においしい物食べさせてね……!
2 大人なEXルーミア
あら、○○じゃない。 また会ったわね。
えっ? あなたは誰ですかって? 私よ、初めて会ったときに襲った、ルーミアよ♪(○○はびっくりして固まった)
うふふ。 ちょっとした出来事で封印が解けちゃったのよ。
でも、あなたを襲ったりは、しないわよ?(○○の顔を近づけて悪戯っぽく微笑む)
あら、今日も弁当作ってきたのね? でもごめんなさいね。
私、今まだ空いてないのよね。 今日は気持ちだけ受け取っておくわ。(少しがっかりする○○)
でも○○、どうしていつも弁当を作ってくるの?
…私の事が好きだから?
……んふふ、○○が隙なのは今の私? それともいつもの私?
あらあら、両方とも好きなのね。 欲張りはだめよぉ?(○○のでこに軽くでこピンをくらわす)
……でも、○○がそういってくれて嬉しいわ。
ありがとう、○○。 あなたになら…愛されたって悪く無いわね。
……ねぇ、○○は今の私かいつもの私、どっちの方と一緒になりたい?
…あら、今の私のほうがいいのね。 早い決断ありがとう。
それじゃぁ、○○の家で酒宴を開かない? 私とあなたの愛の誓いを立てる為に…ね♪
12スレ目>>753 うpろだ873
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みょんな事から幻想郷のド真ん中に放り出されてもう二週間経った。
近くの雑魚妖精ボコって聞き出した唯一の頼れそうな場所、「はくれい神社」はまだ見つからず、かといって最寄りの村にたどり着ける訳でもない。
二週間前に偶然持っていた多少のお菓子を除いて、俺はろくな食事をしていなかった。
「…これが……最後の食料か…」
ポケットから取り出した板チョコをまじまじと見つめる。
奇しくも今日は二月十四日。…バレンタインにチョコ片手に往生するとは思わなかったよ。
「………あ、○○だー」
お空から間のぬけた声が聞こえたかと思うと、あっという間に目の前が暗転する。
よりによって今くるか。宵闇妖怪。
「ねー。面白い話聞かせてー」
このどうみても金髪幼女にしか見えないまっくら妖怪は一応人食いであるのだが、好奇心旺盛なのにつけこんで
外の世界の「そーなのかー」な話を教えてやる代わりに俺を食わないでくれるというという泣く子も大爆笑するような契約を結んでいる。
だから割と安心。ってかこの世界での唯一の友人である。
「………」
チョコとルーミアを交互に見つめる。
俺の頭に、とてもよろしくない考えがひとつ浮かんだ。
「…ほれ。とりあえず食え」
それは最後の食料をくれてやるという事。
…まあ、二月十四日だし、このままならどうせ俺死ぬだろうし。
「何?これー」
「チョコレート。…外の世界では今日はバレンタインデーつってなあ。元々、とある国のヴァレンチノって司祭が──」
そのまま、バレンタインという行事について説明してやる。
「○○は外の世界からバレンタインデーを伝えました」と、日本史におけるポルトガル人ぐらい大きく幻想郷の歴史に載れたらいいなあ。
「──って訳で、俺の国では好きな相手にチョコを送る日になってる訳よ」
「そーなのかー」
ふと見ればルーミアの手元のチョコはもう…いや、まだ半分くらいしか減っていない。
あまりの美味しさにゆっくり食おうと思ったか。どこの世界でも子供がチョコ好きなのは共通か。
俺の話が終わった後、ルーミアは俺と食いかけチョコを交互に見回し──
「じゃあ…はいっ。」
チョコを俺に手渡した。
「…え?」
「…だって、私も○○の事大好きだもん」
…ははは。生まれて二十年弱、妖怪から初めてのチョコをもらうとは夢にも思わなかったぜ。
ペキッ
チョコを更に半分に折る俺。
「…んじゃ、一緒に食うか?」
「うんっ!」
ここで半分のチョコレートを食っておけば少しは生き長らえたのだろうが…
…まあ、どうせ死ぬなら辛気臭く死ぬよりも、いい思い出抱えて死にたいしねぇ。
その後二人でもぐもぐ食っていたが、食いかけのチョコを眺めているうちに、俺は面白い事を思い出した。
「…なあルーミア、お前、間接キスって知ってるか?」
12スレ目>>964 うpろだ917
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薄暗い森の中、二つの影はひたすら走る。
「なんで逃げるのさー!」
人間が妖怪から逃げて何が悪い。
…クソッ、夜の森をぬけようとした俺がバカだった。
二つの影はさらに走る。
不意に、後ろのルーミアの気配が消えた。
走るスピードを少しづつゆるめていき、後ろに全神経を集中させる。
ふと、か弱い少女のすすり泣きが聞こえた。
「なん…で…エグッ…逃げるのさ…ヒック……○○ぅ…ッ…ばかぁ…」
………う。
なんだかすごく悪い人のようじゃないですか、俺。
ひょっとして悪い事したかと振り返る。
彼女は既に飛ぶのをやめ、そこらの切り株に腰掛けてなんだか泣いてる様子。
流石に逃げられず、おそるおそる切り株に近づく。
「…あー…まあ、その、なんだ。悪かった…な?」
すると泣き声はだんだん押し殺した笑いに変わり――
「ふふふ…えいっ!」
途端、彼女は顔を上げ俺の胸あたりに飛びついてくる。
そして月の夜に必要ないはずの闇を展開し、そのまま俺は押し倒された。
「…これでもう、逃げられないよー?」
…え?ウソ泣き?
やばい。マジ食われる。捕食者の目だ。
「○○ぅ…んっ…」
しかし彼女は歯を立てることなく、何やら夢見心地で俺に抱きついてるだけだった。
その目に泣いたあとがある所を見ると、さっきの泣きはまんざらウソでもなかったのだろう。
「んにゅ…○○ぅ…むにゅ」
もはや言葉にならない擬音を発しながら俺の体にすりよってくるルーミア。
下半身にすりよってくれりゃ、パチュリー様に助けてもらえるんだがなあ。
彼女の「すりすり攻撃」は、偶然巫女が通りかかるまで丹念に続きましたとさ。
>>うpろだ1028
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「ちくしょう……夜中にどんちゃん何の騒ぎだ?」
古ぼけた神社のほうか。 最近、夜中にやたら騒がしい音がする。
常識をわきまえない奴らが宴会でもやってるのだろうか。
「もう頭にきた! 一発ガツンと言ってやる」
羽織を着て、俺は神社のほうへと歩き出した。
この近辺では、神隠しがよく起こるという。
近所でも評判の心霊スポットだ。 おかげで神社には参拝客どころか、人っ子一人寄り付かない。
それだからああいうふざけた奴の溜まり場になるんだ。
「やれやれ……んなのあるわけねぇって」
お化けとか幽霊とか妖怪とか、俺はそんなものをまるで信じていない。
そんな類のものはこの世にいないのが常識だし、真実だ。 今までその公式が崩れたことは一度も無い。
今日俺は神社へ行き、あいつらにガツンと一言浴びせ、ゆっくり眠る。 そうしようと思っていた。
そうなるはずだと思っていたのだが。
「んー……やっぱり今日も神社だったかなー?」
遠くのほうで、少女が周りをきょろきょろしながら彷徨っている。
黒い服に映える金髪の髪に赤いリボン。 この近くでは見ない子だ。
「おい、どうしたんだ?」
驚かさないようにそっと声をかけてみる。
「あ、もしかしてあなたは食べてもいい人類?」
食べてもいい? 何を言ってるのだろうかこの子は。
きっと向こうの大人たちにバカみたいなことでも吹き込まれたのだろう。
「いいか、人類は食べちゃいけないものだ。 教えてくれた人にそう言いなさい」
「へーそーなのかー」
少女はあかるい顔で納得したように頷いた。
「君、名前は何て言うんだ?」
「ルーミア」
第一声がそれだったため変な子かと思ったら、案外普通の女の子だ。
しかし、やっぱり名前は聞いたことが無い。
「予想通り、あっちのツレだな……あっちに知ってる人はいるかい?」
「うん、みんな知ってる人ばっかりだよ」
「それじゃあ、連れて行ってくれないかな?」
「いいよー!」
そう言うと、ルーミアはするすると宙に舞う。
……宙に?
「…………んな」
「あれ? どしたの?」
「空……はぁ!?」
理不尽な状況に、ただただ驚くしかなかった。
「早く早くー」
ルーミアは放心状態の俺の腕を掴み、持ち上げる。
俺は抵抗もできないまま、 少女の腕一本で宙ぶらりになってしまった。
「うわああああああ!」
「あ、暴れないでー」
「はーい到着」
「はぁ……はぁ……」
恐怖で息も絶え絶えな状態で、俺とルーミアは神社の前に降り立った。
「あら、遅かったわね。 その食糧はどうしたの?」
「……ちくしょう! 何がどうなってるんだ!!」
怪力の少女が空を飛んだ。 それだけでビビるのは十分だと思っていた。
俺の目の前には、現実ではない何か。 強いて言うならば……『幻想』が、そこにあった。
不思議な力で明るく照らされた境内には、人型の妖怪のような者達が酒を酌み交わす宴の真っ最中だった。
背中に翼が生えたもの、頭に角も持っているもの。 魔女の服に、白い幽霊を携えた者もいる。
妖怪狐や化け猫、おまけにこっちは蝙蝠だろうか。
「いらっしゃい。 隠された楽園、幻想郷へようこそ……まぁ、ゆっくりしていきなさいよ」
巫女装束の少女が酒を渡してきた。
「悪い夢でもみているのか……あんた達は一体誰なんだ!」
「人間以外と、それに怯えない愉快な人間達」
突然背後から声がする。
「愉快なは余計よ、紫」
「うあっ!」
振り向くと、奇妙な格好の少女があるはずのない空間から半身を出している。
「……本当にいたのか……幽霊や妖怪なんて……」
「あら、信じてないのね。 ……ところで、私達は人間の肉が大好物なの。 一回その体で学習してみない? 妖怪のコワサヲネ」
紫と呼ばれたこの妖怪が、俺の腕に手を伸ばしてくる。
「やめ……分かったから……」
身の危険を感じ、即座に腕を引っ込める。
「フフフ、怯えてるわね」
「怯えさせるなって。 今はみんな酔ってて何もしてこないけど、夜明けになって酔いがさめたなら、アンタ本当に食べられるぜ」
魔法使いが話しかけてくる。 こっちは何も危害を加えてはこなさそうだ。
「ま、出たくなったら頼んで。 適当にここから出してあげるから」
「あら、今日は一段と優しいのね」
「ほうっておくとルーミアなんかに食べられるでしょ? 無駄な殺生はしない主義なの」
「よく言うわ」
「ルーミア……あの子もやっぱり妖怪なのか?」
遠くで羽の生えた蒼い髪の少女と話すルーミアを見ながら巫女に聞いてみる。
「そうよ。 人を食べるれっきとした妖怪。 ……てか、あんた何で名前なんか知ってるの」
「いや……あの子にここへ案内された」
ありのまま起こったことを話すと、やっぱり変だ。
人を食べる妖怪が、道案内。
「ふーん……ま、どーでもいいわね」
さらりと流された。 何か知っているような様子もない。
「今宵は諦めて呑みなさい。 適当に楽しんで朝になったらすぐにここを出ていいわ」
声を張り上げて 月に手をかざし 歌え 終わらない宴を
夜をたずねて 月明かりの空の下 踊ろう
右では何十種類もの楽器が勝手に鳴り出す。
左では時を止めたような魔術が行われ、観客を驚かせている。
「それにしても……すごいところだ……」
妖怪がはびこる、あるはずのない世界。
それに惹かれているのは、果たして本当に酒のせいだけだったのだろうか。
「そろそろね……あんたたちー! そろそろ夜明けよー!!」
宴も落ち着いてきた所で、巫女が大きくふた声上げる。
すると、妖怪達は少しづつ自分のいるべき場所へ帰っていく。
数十分もすれば、残ったのは俺と巫女だけになった。
「はい、ここから出られるわよ」
巫女の誘導する先は、明らかに境界と分かるものがあった。
現実と幻想を隔てる境界のすぐ隣に、俺は立っている。
「待ってー!」
後ろから声がする。 ルーミアだった。
「あんた何しにきたの? この人間なら帰っていくわよ、食べられないわ」
「あの…… いってらっしゃいませー!」
敬礼のようなポーズで手を額にあて、笑顔でこちらを向いている。
「昨日魔理沙に教えてもらったんだ。 人間って、誰か好きな人を見送るときにこうするんでしょ」
「あ……ああ」
俺の中の現実が、揺らぎだす。
「さぁ、早く行かないと本当に食われるわよ」
巫女が眠そうな声で急かす。
このまま戻っていつもの生活に戻るか。 それとも、幻想の中で生活することにしていくのか。
昨日までならやすやすと決められた決断が、さっきのルーミアの一言で揺らぎだす。
「……ここに残る、ってのはないのか……?」
決断。 というよりは確認。
「何考えてるんだか。 あっちに行けば人里があるわ。 あそこなら人間は絶対に襲われない」
結界が閉じ始める。
戻れない現実世界に、数秒の名残を送った。
「結局、今まで信じてたものは全部嘘だったのか。 妖怪は閉ざされた空間で神隠しをしながら傍若無人に生活していましたってか」
「それが現実よ。 郷に入りては郷に従えって知ってるでしょ?」
俺はありがとうと巫女に告げると、人里のほうに歩き出した。
「なぁルーミア」
「何ー?」
俺の後ろをふわふわとついてくるルーミア。 もう驚くことは無い。
「さっきのいってらっしゃいませーって、本当に俺のこと好きだったのか?」
ふとした疑問を投げかける。
「う、うん……照れるなー」
「そっか」
一人の常識に囚われた人間と、一匹の常識がない妖怪は、人里へ向かっていく。
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元ネタは最後のルーミアから言わずもがな、石鹸屋アレンジの妖魔失踪。
一人の人間がいつのまにか境界を越えて、幻想に触れるって感じにしたかったけど何か上手くいかないというね
しかもイチャ分が最後の最後しかないとはこれいかに 適当に書いた結果がこれだよ!
お供にヴォーカル版を聴きながら読むとそれっぽくなるかも。 音楽って大事だね
色々矛盾が多いのは諦めろって俺の幽々子が言ってた。 ああもう幽々子さん大好き。
>>うpろだ1053
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―人物紹介(という名の前提条件設定)―
○○:人間。おっさん。多分主人公。
寺子屋で教師をしており、また自警団にも所属している正義感の強い人間。一応幹部。少々自分に酔う傾向にある。
ある日のパトロール中、襲ってきたルーミアを返り討ちにしたが、怪我を負わせてしまう。
正義感と罪悪感により、家へ連れ帰り一晩、手当てをするなど世話をするとルーミアに懐かれてしまう。現在、成り行き上ルーミアと寝食を共にする。
実はルーミアのことは好きだが世間の風当たりが厳しい昨今、自重している。ロリコンではない。
世間からはルーミアの親代わり、という見解。
ルーミア:妖怪。何の妖怪かは知らない。多分ヒロイン。
パトロール中の○○を喰おうと襲うも返り討ちに遭い、怪我の手当てまでしてもらい、○○の強さと優しさに惚れる。が、○○にその気はない、と想い、半ばその想いを諦めている。
その代わりと言ってはなんだが、強さと優しさを兼ね揃えたヒーローみたいな○○を目標に自警団に入りたいと思っている。
入りたい、と思っているけど慧音が「まだ子供だから」という理由で入団させてない。早く一人前になりたいとも思っている。
また、○○とであったその日から人を喰ってない。ヒーローはそんなことはしないものだ。
寺子屋にも通っている。授業はまじめに受けてないが。
慧音:半妖。ワーハクタク。
寺子屋の教師。自警団副団長。
蛇足だけど慧音が文系教科で○○が理系教科。
妹紅:人間。不死身。
健康マニアの焼き鳥屋さん。自警団団長。
蛇足だけど妹紅がタレ派で○○が塩派。
―CAUTION!!―
以下の単語に嫌悪感を抱く方はお引取り願います。
・カニバリズム(喰人行為)
・○○死亡
・二次設定
・三次設定
大丈夫だった方は本編へ。
―本編―
side:Rumia
―――――
目が覚める。
今日は寺子屋が休みだから○○と一日中遊ぶつもりだったけど……外が騒がしい。
いつもと違って隣に○○は寝ていなかった。
なんかあったのかな……?
わたしは寝ぼけ眼をこすりながら家の外に出る。
見知った自警団の人たちがせわしく働き回っているのを見て、何か里に起きたのだと分かった。
その中で、みんなに指示を出している男が一人、――○○だ。
「お、ルーミア、起きたのか。おはよう。」
他の自警団の人たちみんなに指示を出し終わると○○は話しかけてきた。
「おはよう。なんかあったのかー?」
「昨日の夜な、山賊が村を荒らしに来たんだ。」
里や道中、人々はたびたび山賊に襲われる。
大抵は物品を盗られるだけなのだが、ひどいときは人的被害も出たりする。
実際、寺子屋の友達は襲われかけたことがある。(そのときはもこー団長さんが助けてくれたらしいけど。)
人里では妖怪は襲ってこない分、実は山賊のほうが脅威だったりする。皮肉なものだ。
「……里のみんなは大丈夫ー?」
その質問を聞いて、右目をつぶって右手で頭をぼりぼり掻く。
ばつが悪いときの○○の癖だ。多分、被害が結構ひどいものなんだろう。
「あー……重症が一人……お前の友達の□□くんだ……」
□□くんは、寺子屋のクラスメイト。結構親しいほうだと思う。
なんで……? と、怒り、悲しみといった感情がこみ上げてくる。
「いや、命に別状はない!安心していい。」
急いで付け加える○○。わたしが泣きそうだったからか。
それにしても、本当に良かった。
「それでな、今珍しくDead or Aliveで山賊の捕獲命令が出ててな、自警団は大忙しだ。」
自警団は基本悪人であろうと人や妖怪を殺すまではめったにしない。
だから、Dead or Aliveが出るのはよほどのことがあったときだ。
よほど団長はお怒りなのだろう。それもそうだ、山賊が悪い、自業自得だ、あの世で裁かれろ。
「おーい、○○!行くぞー!!」
「ああ!今行く!!」
自警団の人が呼んでる。
「すまんが、そう言うわけで今日は一緒に遊んでやれない、ホントすまん!!」
「ううん、いい。お仕事がんばって。」
「ああ、行って来ます!」
○○は忙しそうに駆けて行った。
まあ仕方がない。○○は幹部だもん。もう慣れっこ。
さて、とりあえず、まずは着替えとご飯にすることにした。
―――――
「よし、片づけまでおわり、っと」
片づけまで終わると、いよいよ暇になる。
「何しようかなー?」
○○が居ないと暇で暇でしょうがない。
それもそうだ、外の世界と違って娯楽に乏しいからね。
ましてやわたしの外見は幼女そのもの、その少ない娯楽も限られる。
「ああ、暇……
……○○、今頃山賊見つけたかな……?
……山賊?」
わたしはあることを思いついた。
「そうだ!山賊を見つけよう!」
これはなかなかのアイデアだと思う。
□□くんの仇討ちにもなるし、○○のお手伝いにもなるし。一石二鳥だ。
Dead or Ariveもでてるし、手加減もしなくていいし。……大してわたしが強いわけでもないけど。
それにあわよくばけーね先生も認めてくれるかもしれないしw
「そうと決まれば……」
思い立ったら吉日。なんといい言葉でしょう?
わたしも山賊を探すことにしたのだった。
side:○○
―――――
うー、山賊山賊。
今、山賊を探して全力捜索している俺は自警団に所属しているごく一般的な教師。
強いて違うところをあげるとすれば、妖怪と二人暮らしをしているってとこかナ……
名前は○○。
さて、くそみそネタをかましてみたはいいが山賊が見当たらない。
畜生、何所行きやがった……
……□□の仇を……か。団長ちょー怒ってたな……あ、今の駄洒落な。
―――――
「おい!?大丈夫なのか!?」
被害者が出た、と団長から連絡があり、駆けつけた俺は顔見知りの医者――八意永琳に話しかける。
「命に別状はないわ。傷口はしっかりふさいだし、もう心配はないわ。……出血が酷かったから今はぐったりしているけど。」
「ああ、よかった……」
大丈夫、その一言を聞き安堵する。
が、ベッドに横たわる包帯ぐるぐる巻きの□□、左肩から右わき腹にかけてついたその傷口は、一箇所とはいえ小さい、といえる大きさではない。
これほどの傷を治療した永琳の腕はすごいのだと再確認した。
「ん…○○先生……?」
「ん、起こしてしまったか。すまんな。大丈夫か?」
□□は、こくんとうなずいた。
ああ、良かった。
少々、声が大きかった、と反省する。
……事の経緯はこうだ。
家屋に侵入してきた山賊がその子のお母さんを襲おうとした。山賊は太刀を一振り、そのお母さんを守るために身を挺して□□は守った。山賊は少年を見て怯み、そして逃げ帰った。
その話をけーねから聞いて、俺は山賊に対し、言いようのない怒りを覚えた。いや、いつも怒りは感じているのだけど。
「ねえ、先生。」
「あ?なんだ?」
「僕……お母さんを……守ったよ……」
「良く守ったな、偉いぞ、傷に障る、ゆっくり寝な。」
へへ、と□□は笑うと、安心したかのように寝だした。
そして、更なる憎悪がこみ上げてきた。
どうしてこんな子供が。どうして罪のない人々が。どうして身勝手な奴らのせいで。
考えるとキリがない。
絶対に、許さない。今度こそは逃がさない。
俺は、そう思うのみだった。
―――――
翌朝のこと。まだ日も出てないうちに自警団は召集される。
俺たち団員が並ぶ先に立つは団長、藤原妹紅。その横に立つは副団長、上白沢慧音。
団長の表情は険しかった。
「勇敢なる同士諸君。」
その一言から、もこの演説が始まる。
「我らにとって、□□はかけがえのない里の一員だった。鎮魂の灯明は我々こそが灯すべきもの、亡き村民の魂で、われらの弾幕は復讐の女神となる!! ヤマザナドゥの裁きの下、ラストワードで、奴らの顎を喰いちぎれ!!」
※対訳。
「自警団の皆さん。昨晩の山賊の襲撃により、□□くんが大きな怪我を負いました。今日こそは許しておきません。今まで亡くなってきた村民の方々のためにも。Dead or Alive、生死は問いません、なんとしても、奴らを捕まえましょう!!」
※対訳終わり。
俺は元ネタを知ってるし、別に□□も死んではいない。だけどこりゃあ言える雰囲気じゃあない。みんなうなずき、同意してる。
しかし、姐さんの、いやいや違った。団長の怒りは、恐らくどんな鈍感な奴でも感じられるほどだった。なんつうか居心地悪いくらい。アレは怒り通り越して殺気に近かった。
あのあと、ブラクラについて話しかけようと思ったが、近づくだけで殺されそうな気がしたからやめといた。
ここだけの話、□□はもこのお気に入りだったからな……結構親しかったし。
――さて、俺も動かなきゃな、っと。
―――――
……ルーミアに家に居とけ、って言い忘れてたのが唯一の心配だな。
ルーミアは友達思いのとこあるから、□□の仇討ちじゃー!!って感じで山賊を探し出して……カニバリズム……
いやいや、流石にないかな。
にしても本当に居ないな……まあ、昨晩のことだし……と。
………居た。
いかにも、な山賊の格好をした奴が、ひい、ふう、みい、よ、いつ……五人。
目撃情報も五人。背中に食料や金品の入った袋を背負ってるのが見える。ビンゴだな、間違いないだろう。
「『見、奇』っと。送信。」
俺はまず団長に連絡。
しかし、この「携帯電話」って奴は便利だな。
……奴らは五人。一人で戦うには少々、きつい。だが俺に気づいては居ない。奇襲を仕掛ければ……
「お、おい、あれ!」
奴らの仲間のうちの一人がそう言った。
気づかれたか!?
「あいつ、俺らの仲間を喰ったやつじゃねえか?」
「ああ、そうだ!」
「おい、破魔矢いくつある? もってこい、しとめる。仇討ちだ。」
「一本しかないぞ? 一本でしとめな。」
なんだ、俺のことじゃないのか……よかった。
一瞬ひやりとした。
……まあ、妖怪をしとめてもいいが、次の瞬間、しとめられるのはお前らのほうだけどなw
そんなことを考えていると……最悪な言葉が聞こえてきた。
「あの、憎き闇の妖怪め……」
………え?
一瞬、俺の思考がストップする。
おい、「闇の妖怪」って誰だよ。
おい、その矢の向いてる先にいるのは誰だよ。
……紛れもない、ルーミアだった。
「へへ、喰らいな……」
山賊はルーミアに照準をあわせ、満を持した。
俺はというと、ルーミアの方へ駆けていた。
畜生、今日に限って、言い忘れてたせいで……!!
間に合え!!
その一心だった。
そして、矢が放たれたのだった。
「ちくしょおおおおおおおおおお!!るうううううううみあああああああああああああああああ!!!!!!」
side:Rumia
―――――
山賊を探す。さて、何所いるのかな……?
全くさっぱり皆目見当もつかない。
村の人に尋ねたら、五人組みだった、くらいしか情報が入ってこなかったしなあ……
とりあえず……森の道を行こうかな……
……それにしても……□□くん……
畜生、わたし、手加減しないぞ……
友達がやられて、誰が黙っているもんですか!!
ああ、むかむかする!
―――――
しばらく歩いた。
……結局見当たらないけどね。
日が結構高くなった。もうすぐ昼、ってとこだ。
山賊はもう見つからないかもしれない、襲ったのは未明らしいし。
もうちょっと先を歩いたら、帰ろうか、そんなことを思っていると、
「ちくしょおおおおおおおおおお!!るうううううううみあああああああああああああああああ!!!!!!」
不意に、叫び声に近い○○の声が聞こえた。
○○の声。
いつも聴いてる○○の声。
大好きな、○○の声。
普段、絶対に聞くことのない○○の叫びを聞いて、何事かと思って声のするほうを向いた刹那、○○が抱きついてきた。
そして、ものすごい速さで、岩陰に隠れる。
いきなりのことで最初は何が起きたのか分からなかったけど、○○の背に刺さった矢を見ると、それはわたしのことを庇ったのだということは容易に理解できた。
「……うそ……でしょ……?」
現実逃避気味に言ってみる。
が、それは紛れもない現実。
「○○? …○○!!? そうだ!!矢を抜かなきゃ……!!」
当たり所は悪かったみたいだ。
矢は胸元を貫通。○○の口から血が出ている。
「ルーミア…ゲホッ……無事……か……? 良かった……」
「しゃべらないで! 今……きゃっ!!」
今抜く、そう言って矢を抜こうとしたのだけど……
その矢は破魔矢。わたしでは抜くことができない。
「諦める……もんかあ……!!」
熱いのを我慢しても力が入らず、ただ、わたしの手のひらを焦がすだけだった。
「もういい……ルーミア……」
「でも!! でも!!」
わたしのせいで、わたしを庇ったせいで……
わたしが勝手な行動をとったせいで……
「はは、さっき、お前に何か恨みがあるのか、お前を殺そうとしているのが聞こえて…な……」
「そんな……わたしの……せいで……○○の手伝いをしようと思ったせいで………」
「はは、俺も悪いさ……お前にちゃんと家に居るようにいってなかったからな、保護者失格だ、これでおあいこ、ってことよ……いいな?」
わたしはこくりとうなずいた。
○○はよかった、と言いたげに笑っていた。
「いいか、奴らは一本しか破魔矢をもって居なかったみたいだ……そこで、だ。逃げろ、ルーミア。もうじきやつらが来るだろうが、必ず逃げ切れるはずだ……」
わたしは首を横に振った。
「○○を……おいていけないよ……」
「なんだ……逃げないのか? 我侭な子だ……」
そう言って、くしゃり、とわたしの頭を撫でる。
ああ、おっきな手だなあ……
「ルーミア……手伝いに……げほっ……着たのに…俺に助けられちゃあ……せわぁねえな……」
「○…○……」
○○の声はだんだん弱くなっていく……
そんな、嘘だと言ってよ。
その刹那、○○はぎゅっと強く、わたしを抱きしめて、そしてわたしの唇を奪った。
初めてのキスは、わたしの涙と、○○の血の味だった。
「…………なん…で……?」
「ははは、 がはっ、ごほっ……へへっ、ようやく、唇奪ってやったぞ……ッ 好きだ、ルーミア……」
なんで今このタイミングで言うの……?
「よし……ようやく……言えた……ゲホッ……言えたのに……なあ……?」
そんな、いやだよ。
「ははっ、 泣くなよう、ルーミア……お前、手伝いに来たんだろ……?逃げないなら、あいつらをやっつけろ……
そんで、俺を喰えよう…… 俺を喰って……一緒にやっつけようぜ……?」
ねえ、ねえ、○○、ねえ。
「いや、嫌だ……」
「愛してたぜ……るー…みあ……」
ふっと○○の力が抜け、わたしに体重を任せる形になる。
「わたしも……愛してたのに……!好きだったのに……!」
今まで何度と見てきた人間の死。
でもそれとはなにか違う死。
「う、う、うわぁああぁあああああああああああああぁぁぁぁあああああああ!!!」
わたしは、もう、なくしかなかった。
「あ~あ、やっぱりしとめてなかったか。」
わたしが咽び泣いていると、山賊が来た。
「まあ、いいさ。自警団のお邪魔虫も排除できたことだしな。災い転じて福となす、ってやつだ。」
お邪魔虫? 誰のこと?
……○○?
……□□くんを傷つけて、○○を殺して、それだけじゃなく○○を虫呼ばわり!!!
許せない!許せない!
「許せないよ、あいつら、ねえ、○○、イッショニ、ヤッツケヨウヨ。」
がぶり、
わたしは○○の左腕にかぶりついた。
「ひええ、こ、こいつ、お、恩人を喰ってやがるよお!!」
「うええ、気持ちわりい……」
ばりっ くちゃくちゃ
山賊が口々にわたしを罵ってくるけど気にしない。
ああ、おいしい。おいしいよ、○○。今まで喰った人間の中で一番おいしいよ。
「所詮、妖怪は妖怪だ。仕方がない。こんなちび、すぐにでも殺せるが好きにさせとけ。どうせすぐにその虫けらの横に……」
「いま、なんていった?」
ぐしゃり
わたしが左腕を食べ終わったころ、わたしがその質問をすると同時に、○○を虫けら呼ばわりした山賊は下半身を残して吹き飛んだ。
「虫けら? ○○を虫けらと言ったな? この人を! 虫けらと言ったな!!?」
とてつもない力が湧いてくる。
「許さない!許さない!許さない!!許さない!!!」
手には黒い大きな剣を持っていた。
背中には黒い大きな翼が生えてきた。
この力はなんだろう?この力はなんなんだろう?
「征こう、○○ 征こう!征こう!! 一緒にあいつらをやっつけよう!!!!」
「ひ、ひえええええ!!お、俺たちも喰う気だああ!!!!」
どしゃ
そう言った山賊は肉塊となった。
「お前らの肉など!! 一粒一片1μgも喰ってやるものかああああああああああああああああ!!!」
side:Moko
―――――
Go, if you come up against a hurdle ~♪
おっと、メール……
『from:○○ 件:non title 本文:見、奇』…「見つけた、奇襲を仕掛ける」、か。
畜生、わたしより早く見つけやがって。
わたしが山賊を見つけたら思いつく限りの方法で痛めつけてやろうと思ったのに……
にしても携帯電話って便利だな。
「けーね、○○が見つけたってさ。撤収だ。」
「ああ、分かった。支援しに行かなくていいのか?」
「んー、いいんじゃない? あいつは自警団の中でも指折りの……」
「ちくしょおおおおおおおおおお!!るうううううううみあああああああああああああああああ!!!!!!」
実力者だ、そう言おうとしたら、○○の叫びにかき消された。
「な!? い、今の……」
「○○の叫び声……だよな……?」
「何が起きたか分からんが……」
「前言撤回、ただ事じゃなさそうだ、行くぞ!けーね!!」
「ああ!」
いやな……予感がする……
私たちは声のした方へ向かった。
―――――
そこは酷い惨状だった。
岩に寄りかかったまま、動く気配と左腕のない○○。
森に居るはずなのに紅魔館に来たのではないかと錯覚を起こすくらい血に染まって赤くなった大地。
ところどころに飛び散ってる、それがなんだったか分からないくらいくちゃぐちゃな肉片。
そして、そこに立つ、見知らぬ翼と剣を持った、見知った顔の少女。
「ルーミア!!」
「……えぐっ、ぐすっ……けーね先生……もこー団長……」
咽び泣くルーミア。
「わた…し……○○の…仇とった……よ……」
そう言うと、ルーミアは力尽きたので、私と慧音は支えてあげる。
ルーミアが力尽きて翼も剣も消えた。どうやら、あの翼と剣はルーミアの能力依存だったらしい。
しかし……この力は……
side:Rumia
―――――
目が覚めると、わたしは自警団の詰め所に居た。
○○が死んだせいか、能力を使いすぎたせいか、ぼうっとしてやる気が起きない。
「おお、起きたか。」
けーね先生だ。
「どうだ?調子は。」
「ぼうっとするー。」
「そうか、しっかり休めよ。」
「お、起きたか、ルーミア。」
もこー団長も来た。
「お前、すごい力持ってるんだなw」
「…!! そうだ!○○は……!!?」
「私と慧音が埋めといた。後で、拝んどいてやりな。それより、だ。」
そう言って、もこーは一呼吸おく。
「お前の今の力は強大すぎる。強大すぎるがゆえに、お前の小さな体では耐え切れん。今でこそ、使い切ったからか無事なんだが……また回復したときお前は……どうなるか分かるな?風船みたいに、な?w」
冗談を交えたつもりなんだろうが、全然笑えない。怖いだろ!!
「まあ、そこで、お前に選択肢を与える。」
一つは、けーねの能力で「強大な能力を持った」と言う歴史を消し去ること。
もう一つは、わたし自身に札などで制御封印を施すことだった。
前者は能力は前の状態に戻るけど○○との記憶も失うかもしれない。
後者は○○の記憶は失わないけどふとした瞬間、封印が解けてしまうかもしれない、とのこと。
わたしは……後者を選ぶことにした。
○○との記憶は無くしたくない。せっかく両思いだったんだ。忘れたくない。
そう伝えると、もこは「そうか……w」と言ってちょっと笑ってた。
そして、能力の制御封印が行われた。方法は簡単。もこーにもらった赤いリボン、それが札代わりとなる。わたしは当然触れない。
しばらくして、わたしは村から出て行くことにした。
なぜか、って言うと、なんでかは分からない。
でも、○○がそうしろって言った気がするから。
わたしは今森で暮らしている。
友達だってできたよ、チルノやミスティ、リグル、だいちゃん。みんないい人(?)だよ。
ねえ、○○、最愛の人よ。そっちは、どうですか?
元気にしてますか?わたしは元気だよ?
―――――
おしまい。
―以下、あとがき(という名の言い訳)―
お疲れ様でした。いかがでしたか? 楽しんでもらえたら良しとしよう。
シリアスが書きたいのかギャグが書きたいのか、優柔不断すぎたので変な文章になりました。すまん。
まあ、そこは愛嬌、ってことで。
HELLSING読んでたら電波受信して、ついついこんなもん書いちゃいました。ベルドナットたいちょおお!!
ルーミアの二次設定、EXルーミアになるエピソード的なものをば妄想。
よくよく読んでみると矛盾点とかいろいろ出てきますが、そこらへんは二百由旬へぶっ飛ばした。
ぶっちゃけイチャ分が少ないんじゃないか、そこらへんどうよ?兄弟たちよ。
まあ、そういうわけで、パ・アラムノシ
受験がんばりつつ今度はまともなの書く様努力するよ(´・ω・`)
―おまけ(という名の大蛇足)―
side:Moko
―――――
「「わたしは○○との記憶は無くしたくない。せっかく両思いだったんだ。忘れたくない。」だってよ、はは、かわいいねww」
焼き鳥を肴に酒を飲みながら、私は茶化すように言った。
「え? どうよ? ロリコン○○w」
○○に対して。
「うるせえな、いいだろ、別に……ってロリじゃねえ!!」
「まあまあ、そう怒るな、ってw
にしても………、まさか、お前が仙人だったとはね……」
「隠すつもりは、なかったンだけどなw」
―――――
ルーミアが倒れたすぐ後のことだった。
「もこー…これ…破魔矢抜いたほうがいいのかな?」
「ああ、頼む。」
「いや、私半妖だから……」
「ああ、すまんなっと。」
矢を抜いた、瞬間だった。
「ぐわああああああ!いてえええええ!!ひだりうでええええええええええ!!!」
○○が起きた。
慧音も私も、目を丸くして驚く。
○○の説明によるとこうだ。
破魔矢、って言うのは魔力なり妖力なり幻想の力を熱エネルギーに換えて発散させるものなんだが……
当然、破魔矢の刺さった○○は仙術で肉体を維持できなくなる。
そこで仮死状態にし、生き延びたのだ。
また、仮死になる間際に「喰え」と言ったのは人間たちと暮らし、人間を食べなくなったことによりルーミアが妖怪としての力を保てなくなりそうだったから、自らの肉を喰わせ、力を持たせた、との事。
持たせすぎたと反省はしているようだ。
―――――
「いやあ、左腕だけですんでよかったw」
「ほんと……全部喰われたらどうするつもりだったんだ?」
「考えてなかったw」
まあ、結果オーライだと。前から思ってたが、変なやつ……あ、これが仙人たるゆえんか。
「さて、そろそろ修行に戻るかな。ここじゃ、欲を出しすぎた。」
「……やっぱりいくのか。片腕で大丈夫なのか?」
「こんくらいハンデだよ、ハンデ。仙術使えば生やせないこともないしなw」
「……ルーミアはどうするんだ?折角両想いだったのに……」
「……欲を出しすぎたんだよ、ここじゃ。それじゃあ天人にはなれないからな……もし、天人になったら、下界へ来てルーミアを暮らしたいと思うんだ。あ、これも欲か。」
「……そうか、じゃあな、がんばれよw」
「ああ、また会う日までw」
―――――
――数百年後……里で「片腕の天人」と「人間好きの闇妖怪」のカップルが暮らし始めるのは、また別のお話。
―――――
今度こそおしまい。
新ろだ37
───────────────────────────────────────────────────────────
暑い。
クソ暑い。
…はっ!暑さのあまり下品な言葉を使ってしまった。
訂正。汚物暑い。
「…暑い」
ああ、暑い言うたら余計暑くなると言う法則に則り「暑い」は頭の中にしておいたのに、思わず声に出てしまう。
「朝から何回目よ、そのセリフ」
すかさず後ろでうだってる巫女から暑そうな声が聞こえてくる。
「暑いモンは暑い」
「新聞によればこの暑さで湖近くの氷精が溶けたそうよ。…これ、誰の起こした異変だと思う?」
「黒幕がいるならとっくにのしてるよ。…暑いが、日本の夏はこんなもんだ」
蚊・あせも・腐り物といった敵と戦いつつ、秋という名の援軍を待つ。それが日本の夏である。
「…でも、アレがいれば少しは涼しくなるかもね」
あれ?
「アレよ。最近アンタに懐いてる──」
霊夢が言い終えた途端、目を閉じてもいないのに俺の視界が真っ黒になった。
世の中電気を消して夜になれば暗くなるのが道理だがこれはそういうものではない、本当に光が何もないのだ。
目の前に人差し指を突き出したが、それすらも見えなかった。
このパターンはもう五~六回になるため、流石に慣れた。ルーミアだ。
「○○ー。遊びに来たよー」
気配を必死に感じ取ろうとするが、その前に背後の暗闇からふわっと抱きつかれた。
必然的にルーミアの意外とあるモノが二つ、背中に当たる事になる。
こっ恥ずかしいので撤去。小柄な体をひょいと持ち上げ、俺の隣の縁側と思われる所にのっける。
「…………」
俺の行動に続きがあると思ったか、数秒じっとしていた。
続きがないとわかると、再び今度は横からタックルをかましてきた。
意外と強い力で押されたので、俺は無抵抗に縁側に押し倒される。
数秒見つめ合って(闇で相手の目も見えなかったが)それから俺の耳にルーミアの唇の感触が───
スココーン
小気味いい音と共に、俺の頭に札が刺さる。
音が二発で札一枚という事は、もう一枚はルーミアに当たったのだろう。
「もー、なにすんのさー」
ダメージのせいで闇が弱まり「薄暗い」状態になる。
すると心なしか、いや心ありか怖さ3割増の霊夢が札構えて立っているのが見えた。
「人間を襲う妖怪は巫女に退治されるものなの」
俺にも当たったけど。
「あら、手が滑ったわ」
嘘だ、絶対嘘だ。
ルーミアはそれを聞くと、どこぞの性悪ウサギのような悪戯っ子のような顔をして、
「…ふうん、なんか私情が入ってる気がするけどー?」
と、俺の胡座の中に割り込んだ。
…なんか、霊夢の怖さオーラがすごく増大した気がするけど。
「……今すぐそこどかないと退治(シメ)るわよ?」
「やれるものならー」
「…いい度胸ね」
怖い霊夢は目を閉じ、経のようなものを唱え始めた。…これは夢想封印だ。
いやるーみあなんもしてないしたいじしたらやみつかえなくてあついままだ
しここでつかったらじんじゃめちゃくちゃになるしてかこのきょりだと──
おれもくらうんですけど。
状況把握。
目の前に怖霊夢。夢想封印まで二秒弱。
胡座の俺と、中にルーミア。
目の前に森、逃げるのならあそこ。そして気温は暑く、闇は涼しい。
…気が付いたら、ルーミアの手を引っ張って森の中をものすごい勢いで走ってました。
そしてかつてない威力の夢想封印が神社に炸裂した後。
神社、神社はそう、ものすごい事になっていました。
夢想封印で縁側付近はめちゃくちゃ、そこに仁王立ちする巫女がまたすさまじい殺気を放っており、
その殺気といったらもう、ちょっとカリスマのない人なら即座に土下座で許しを乞う事でしょう。
「…………そう…○○……そんなに…あの妖怪がいいの…
……○○の…○○のバカーーーーーーっ!!もう帰ってくるなーーーーっ!!」
クルナー…
ルナー…
ナー…
「…ん?」
「どーしたのー?」
「いや、なんか「ルナー!」って声が聞こえたような気がして…」
「ふーん…ねえ○○、この後どうするの?」
「え?いや、どうするって…ほとぼりが冷めたあと、普通に帰るだけだけど?」
「……それ、無理だと思うよ」
「そうなのか?」
「そーなのよー。」
「……何故?」
「さあねー♪…それより鰻食べに行こうよ。そろそろお昼だし、お腹すいちゃった」
「あ…ああ、そうだな」
それから鰻屋台で飲んだくれていた巫女とまた一波乱あるのだが、それは別の話である。
うpろだ1220
───────────────────────────────────────────────────────────
ある日僕は夜遅く家への帰り道を急いでいた。
夜中は妖怪の活動時間のためいつ襲われてもおかしくない。
多少危険でも近道の湖を通ることにした。
途中、月明かりが眩しい中、僕は湖の中心で踊る人影を見た。
金色の長い髪が光を反射し、水面の満月の上で目を瞑り踊る女性はとても幻想的で僕は心を奪われた。
「こんばんわ。いい月夜ね」
急に目の前で鈴を転がしたような声がして我に返ると、柔らかく微笑むあの姫君がそこにいた。
宝石のような紅眼に見つめられ、頭の芯からつま先まで痺れてしまった。
「こんな夜更けに出歩いていると妖怪に食べられても仕方がないわよ?」
「あ、いや、その、ちょっと用事があって……帰りが遅くなってしまって」
そう、こんな夜中に起きているのは妖怪くらい。ならば彼女もアヤカシの類なのだろう。
それでも僕は目の前の姫君から目を離せなかった。
「そう。それじゃちょっと話し相手になってくれない?」
ちょこんと座りこんでしまった彼女の横に僕も腰を下ろす。
そして何の変哲もない世間話を始めた。
僕の話にころころと表情を変えてくれて、それが嬉しくて時間が経つのも忘れていた。
「そろそろ帰った方がいいわ。これ以上長居すると流石に危険よ」
姫君は立ちあがると後ろを振り返りまるで月の移し身と思わざるをえない笑顔を浮かべた。
「またいつか縁があったら会えるわ。それまで生きていてね。貴方は私だけが食べていい人類なのだから」
どこか聞き覚えのある言葉を残して、瞬きをした瞬間彼女は消えていた。
後には虫の音しかしなかった……
それからしばらく僕は何も手に付かなかった。
妖気にあてられたのだろうと皆が心配してくれたのだがそれが理由じゃないことは僕自身が分かっていた。
「○○ーおはよーなのだー」
久しぶりに聞く元気な声。
宵闇の妖怪、ルーミアだ。
以前けがをしているところを助けてから仲良くなりよくうちに遊びに来てくれる。
でも最近は何か用事でもあったのか姿を見かけなかった。
「どーしたの? ○○元気ないよ?」
ルーミアには話してもいいかなという気持ちになり、月夜の晩、月の水面で遊ぶ姫君のことを話した。
未だに鮮明に思い出せる。長い絹糸のような髪、幾年を重ねた紅玉のような瞳、闇よりも暗い漆黒のドレス……
どうやらかなり真剣に話しこんでしまったようだ。
ルーミアを見ると彼女らしくないすごく真剣な顔で僕に問いかけてきた。
「……○○はその人のことが好きなのかー?」
僕の答えは決まっていた――
「……うん、一目ぼれなんだと思う。会えるならまた月の晩、湖で」
じっと、時が過ぎるのも忘れ彼女を見つめていたい――
「……そーなのかー」
ふとルーミアに悲しげな表情が浮かんだ気がするが、すぐにいつもの笑顔に戻ると
「また、会えるといいね」
可愛らしい笑顔を見せてくれた。
何故かルーミアの笑顔が彼女の笑顔の面影があることに僕は気が付いた――
うpろだ1453
───────────────────────────────────────────────────────────
「のおおおおおおおお!!!」
ある晴れた日の夕方、俺は叫びながら森の中を必死で逃げていた。
何故逃げているのかって?
後ろから赤いリボン付けた黒い服の妖怪……ってか、ルーミアがふよふよ浮きながら追っかけてくるからさ。
親友のみすちーと楽しくお喋りしてたのに、いきなり「ごはんー!ヽ(^Д^)ノ」とか叫んで背後から出てきたときには心臓が止まるかと思った。
とにかく、なんとか みすちーだけでも逃がそうと 俺が囮になろうとした結果、この腹ペコ妖怪と命がけの追いかけっこをやっている、
まー、別にこんな感じの追っかけっこは初めてというわけでもない。
みすちーと喋ってると何故かよくコイツが現われては追いかけまわされているので、もう慣れた。
逃げるたびに足腰も鍛えられているので、たぶん『ルーミアから逃げ切れる程度の能力』は獲得できていると思う。
……どうせなら、もっとマシな能力が欲しいものだが。
「ごはんーー待ってーーーー」
待てるか阿呆。
のんきな声に悪態をつきながらひたすら走る。
正直、この付近はあまり土地勘がない上、森の木々が邪魔で視界が遮られるため あまりスピードが出せない。
「くそっ……このままじゃ捕まっちまう……!」
そのとき、森の木々の間に一瞬光が見えた。
勝機!!
視界の良い平地なら今の倍の速度は軽く出せる。
そう考えた俺は、光の方向へ向かい森を抜けた。
しかし。
「!!」
開けた場所に出たと思ったが……森を抜けた先は切り立った崖で行き止まりになっていた。
そして、崖のすぐ傍には流れが速そうな川がある。
川に逃げ込もうかとも思ったが、かなり流れが速い。
つ ー か 、 俺 泳 げ な い し
飛び込んだらデッドエンド確定だ。
焦る俺の背後から、のんきな声が響く。
「追いつめたー もう逃げられないよ」
振り向いたそこには、ルーミアが満面の笑みを浮かべてふよふよ浮いていた。
そこで問題だ! この絶体絶命なピンチの中でどうやって あの腹ペコ妖怪の貪欲な口をかわすか?
3択―ひとつだけ選びなさい
答え① ハンサムなオレは突如、逃走手段のアイデアがひらめく
答え② えーりんがきて助けてくれる
答え③ 喰われる。現実は非情である
To Be Contenued……
8スレ目 >>223
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ルーミア
「○○…私、○○のこと大好き!」
○○
「俺も…好きだぜ」
※このあと○○はルーミアが美味しく頂きました。
8スレ目 >>640
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満月の夜に、僕は彼女と出会った。
里では見かけない子だから、里の外に住む変り者の子供なのだろう。 証拠に、里について彼女は無知すぎた。
可愛い真っ赤なリボンについて尋ねると、本当は護符で外せないものらしい。
納得だ。 里の外に暮らすなら弾幕や符の一枚持たなければ危ないだろう。
一月後、また彼女と出会った
彼女は里の話を聞きたがったので、知りうる限りのことを答えていった。
何を聞いても新鮮らしく
「そーなのかー」
と驚き、感心する姿はとても愛らしかった
僕は次の満月が待ち遠しかった。
彼女は、満月の日に逢えるという予感があったからだ
予感どおり、彼女は次の満月にあらわれた。
だが、今日は里ではなく健康面が心配らしい。
なるほど、いつも元気な彼女が、頬も赤いし様子も変だし風邪でも引いたのかもしれない。
だけど、違った。
思うだけで高鳴る胸、会えないだけで溺れてしまったような息苦しさ。
それは、非常に見に覚えのある病気だった。
だから、特効薬を使った
唇を重ね合うのだ
次の満月が楽しみだ。
なんでも、彼女は満月以外目が見えないそうだ
だから満月以外会えないのかと納得できたし、だからこそ次が楽しみなのだ
次の満月は、彼女が見る初めてのお祭りとなるだろう
彼女はいつもの一張羅でやってきた。 やはり祭りには浴衣だと思い、親戚のお下がりを借りてきておいたのだ
「一緒にお祭りにいこうよ!」
祭り、といっても色々ある
今回の昼間は、穣子さま主賓の収穫祭。 彼女と来たのは八坂とかいう、新しい神さまを祭るらしい。
どちらにせよ、飲めや歌えやの大騒ぎをするのに変わりはない。
今年の中月の名月は1日満月とずれているせいで、ずっと里は騒ぎっぱなし
彼女は……目を輝かせてごちそうに食らい付いている。
思ったより大食い……というか大人顔負け。すごいなぁ
彼女が食物に釘付けになっていると、神様の立てた柱に負けない角を生やした先生が僕のところにやってきた
「ルーミアとは別れなさい。 彼女は妖怪だ」
妖怪? そんな馬鹿な!
「本当だよ。君が本気で彼女が好きでも、誰も変えられない事実だ」
先生は、嘘や冗談でこんなことは言わない。 つまり本当のことなんだろう
「わかったよ先生」
今はもう、満月の夜に逢うことはない
一緒に語り明かすことも、お祭りに行くこともない
彼女に食べられることで、彼女と一つになることを望んだからだ
9スレ目 >>922
───────────────────────────────────────────────────────────
夕暮れの幻想郷、とある森の中。
二人(匹)の妖怪が寄り添って寝ている。
「なぁ、ルーミア」
ルーミアと呼ばれた妖怪は十進法を思わせるポーズで寝ている。
「どうしたの? ○○」
○○と呼ばれた妖怪はぼんやりと夕空を眺めている。
「……腹減ったなぁ」
「……そうだねー」
くぅ、とルーミアのお腹が鳴る。
ぐぐぎゅー、と○○の腹も鳴る。
「これで3日目か……」
「わたしは3日目だけど、○○は4日目だよね」
「気にすんな。俺は大丈夫だから」
ここ数日この二人は何も口にしていない。
ここ最近食料となる野生の動物が捕れない。
正確には3日前に魚を釣ったが、○○がルーミアにあげたので○○は4日目になる。
「なんかごめんね」
「いや、ルーミアが空腹で倒れるよりならマシだって」
言うのが遅れたがこの二人は仲がいい。所謂恋人という関係である。
「なにかしてあげたらいいんだけど」
「じゃルーミアでも食べるか。性的な意味で」
「え……わ、わたしはいいけど」
「まじでっ!?」
○○が飛び起きる。
「でも…お腹空くよ?」
「……そうだよな」
長い空白の後に○○が再び横になる。
性欲が食欲に負けた瞬間だった。
「はぁ……!」
また○○が起き上がる。
「なに?」
「……何か来る。 これは、食える匂いだ」
ぴくりとルーミアも反応する。
3日ぶりの食事にありつけるかも知れないこのチャンスに、二人は神経を研ぎ澄ませじっとその時を待つ。
「ちんちん♪ あ、ルーミアと○○」
「あ、みすちー」
「ちっ…」
「『ちっ』て聞こえた!」
二人の視界に現れたのは夜雀のミスティアだった。
これから店を開くのであろう、移動式屋台を運んでいる最中らしい。
「なんか二人とも頬がこけてるけど大丈夫?」
「うん、ここ最近何も食べてない」
「○○におなじー」
うわー、と同情するような目をするミスティア。
「え!? 八つ目を奢ってくれるって?」
「本当みすちー!?」
「そんなこと一言も言ってない!!」
「じゃあミスティアでも喰うか」
○○のこの一言で場の空気が変わった。
「……みすちーには悪いけど、そうするしかないね」
「ちょ、ルーミアも何言って」
「見ろルーミア、あのむしゃぶりつきたくなるあの脚。絶対美味いぞ」
「わたしはあの胸肉が食べたいなー」
ビクッとミスティアが寒気を覚え後ずさる。
「胸肉か、いいなぁ。もしかしたら手羽先も美味いかもな」
「タンもいけると思うよー」
じりじりと二人が距離を詰めてくる。
「「じゃあ、いただきます」」
「貞操より生命の危機!!」
二人の食欲が性欲に勝った瞬間である。
ミスティアが屋台ごと180度ターンして逃亡を図ろうと思ったが、すでに目の前にはルーミアのレーザー弾幕で通れなくなっている。
「くっ」
「残念こっちも通行止め」
振り返ると○○もレーザー弾幕で逃げ道を塞いでいた。
「○○もレーザー撃てたの!?」
「まぁね」
「みすちーつんだー」
幾重にも交錯するレーザーによりミスティアの退路は完全に断たれてしまった。
「安心しろ。屋台の調味料も使って美味しく調理してやるから」
「骨まで美味しく食べるからー」
「い……いやあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ふー、食った食った!」
「ごちそーさま! 美味しかったよみすちー」
「ふえぇぇ……今日の分の八つ目が全部……」
結局ミスティアは『好きなだけ八つ目を食べさせる』ことで難を逃れたのであった。
そのせいで今日の屋台は経営困難になってしまったが。
「まぁそう落ち込むなミスティア。今度屋台手伝ってやるから」
「割に合わないよ……」
「わはー」
半泣きの状態でミスティアが屋台を引きずり去っていった。
哀れ夜雀。
「さて、飯も食ったことだしこれからどうする?」
「巫女の所に遊びに行こー」
「今は深夜を回ったとこか。多分宴会でもやってるんだろうな」
「そうと決まったら突撃だー!」
「よし、行くか!」
○○とルーミアが地面を蹴る。
ぐんぐんと高度を上げ、森を抜けると居心地のいい闇夜が迎えてくれた。
遠くには小さな明かりが見える。目指す神社に向けて二人は手を繋ぎスピードを上げた。
おまけ
「やっと着いたな」
「れーむー」
「あ、○○にルーミア!!」
「どうした霊夢? そんな怖い顔して」
「あんた達がミスティアの八つ目食べたせいで私達が食べられなくなったじゃない!!!」
「ちょっ、いきなりスペカかよ!!」
「わたしは止めたんだよー。だけど○○が無理やりやらせたのだー」
「ルーミア貴様っ!?」
「覚悟しなさい○○!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!!」
11スレ目>>155
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今日は12月25日。楽しい楽しいクリスマス!
★その日○○くんがルーミアちゃんから貰ってたいそう嬉しかったものランキング(○○くんその晩の脳内調べ)★
第五位 世界の珍鳥図鑑
(概要):世界の珍しい鳥を一挙網羅!生態・主食・卵の模様・繁殖時期に至るまでムダに詳しく掲載だぞ!
珍しい鳥がいっぱい、という触れ込みだけど、あくまでマニア内の話なので一体何がそんなに珍しいのか一般の人には全然分からないぞ!
「すごいなこれ、こんなに詳しい図鑑は初めて見た。
解りやすいし、ホウロクシギの羽の配色の種類がこんなにたくさん・・・ああ、外の世界でやってた野鳥観察を思い出すなあ」
「これね、こないだ道端に落ちてたのをみすちーが拾ったんだよー」
「そっか、これも外から流れ着いてきたのか・・・って、ミスティアが?」
「鳥っておいしそーだなーって思ってみすちーの見てたら、これくれるって!
でも今日くりすますっていうなんかおめでたい行事みたいだから○○にあげるよ!」
「え?ルーミア、これお前が読みたかったんじゃないのか?こんな良いもの貰えるのはすごく嬉しいけど、お前が貰ったんなら」
「ううん、いいのいいの!○○のお家に置いててっ!
そしたらわたし、しょっちゅう読みにくるからー!いいよね?」
「・・・!」
★○○くんの嬉しかったポイント
そ、それってつまり、ルーミアがしょっちゅう俺の家遊びに来てくれるってことだろうか・・・!!
・・・!!(※声にならない)ホウロクシギ万歳!!!!
第四位 なんか人肉風味っぽい(あくまで風味)ハンバーグオムライス
(概要):とある青巫女さんに教わって作った外の食べ物。
日本の国旗も立ってます!
「○○、どう?これ、外の世界で食べてたものなんだよね?
・・・おいしくない?」
「すごく美味しい。・・・すごくおいしい」
「わはー二回も言わなくていいよ照れちゃうよー」
★○○くんの嬉しかったポイント
マジでどうしたらこの子と結婚できるだろう
第三位 クリスマスカラー(赤と緑)のキーホルダー&「○○が元気で毎日たのしくすごせますように!」と書いた絵馬
(概要):といってもあの小学生がじゃらじゃらランドセルにつけているようなものじゃなく純粋にキー(鍵を)ホルダー(使いやすいようにまとめる)だぞ!
クリスマスカラーがちょっとステキ!ズボンに引っ掛けることができるぞ!実はこーりんの所からかっさらってきたものだぞ!
絵馬の方は腋巫女(赤いほう)に偽札を渡したらすんなり書かせてくれたぞ!
「・・・、俺、女の子がなんで飾り物とかであんなにはしゃぐんだろうと不思議だったんだけどさ」
「うん?」
「きもち、わかった。・・・嬉しいな、プレゼントって・・・大事にするよ」
「あ、えと、そんなに言われたら照れちゃう、あ、あの○○の好みにあうか心配だったんだけど、使い道あるかなーとか」
「この絵馬もわざわざ書きに行ってくれたのか?すごいこと考えるよなルーミアって」
「霊夢がこれに一筆書いたらすごくご利益あるってべたぼめしてたからそれでね!
ほら絵馬だからはじっこに馬の絵かいたんだよ」
「そうか、そうか。馬の絵をかいたんだな」
「かいたんだよ!」
※黙ってルーミアちゃんの頭をなでなでする○○くん
★○○くんの嬉しかったポイント
バカな子ほど可愛いなぁ・・・可愛いよなぁ・・・
第二位 突然のサプライズ訪問
(概要):12月25日はクリスマスだとすっかり忘れて空を眺めながら「ルーミアのところ行って遊ぼうかな・・・」などと考えていた○○くん、
そんなとき家の扉が何者かによって突き破られる!
「・・・ルーミア?」
「○○めりーくりすますーーーーーーーーーー!!!」
「わっ、あ、えっ」
「○○っ、おはよー!今日、あのー、暇?あのね、用事がなかったら、その、わたしとめりーくりすますしてほしいんだけど・・・
あれ?お祝いのしかた、これでまちがってた、かな?」
「・・・・!!いっ、祝われたい、です・・・!」
むぎゅううううっ
「○○おめでとーおめでとー」
「ありがとう・・・」
「○○好き!」
「俺も、・・・ありがとうルーミア・・・」
※玄関だぞ、お前ら
★○○くんの嬉しかったポイント
あああああああああああうそマジで?うわあああああああ生まれてよかった俺えええええめりーくりすますうううううう
第一位 ルーミア
(概要):こっぱずかしいので割愛
「・・・ルーミア、あのさ、もしかして、この日のために何日も前から準備とかしてくれてた?」
「え!?だ、誰に聞いたの!?」
「あ、ほんとに、そうなのか?」
「そ、そーなのかー・・・・」
「そーなのかーで返すなよ」
「えへへ」
「まったく・・・」
「・・・えーと、外の世界ではこの日はくりすますっていうお祝いの日なんだってみんなから聞いて、それで○○と祝ったらたのしーのかなって、だから」
「で、やる気を出してみたわけか。プレゼント持ってきたりご飯作ってみたり」
「だって初めての○○のくりすますだよ?」
「俺はもう20回以上過ごしてるけどな」
「・・・わたしとするのは初めてでしょー」
「ああ、そうだな。・・・ごめん、俺プレゼントとか何も用意してなくて、ルーミアにあげられないんだけど、その」
「ううんいいんだよ、○○が喜んでくれればいいの!○○、うれしい?」
「ああ。こんなに嬉しいクリスマス、初めてだよ。俺、ほんとに嬉しい」
「え、えへへ、くりすますが?」
「ルーミアに会えて」
「・・・!!」
「照れた?」
「てっ てれ た・・・」
「俺も」
「ま ○○」
「ん、なんだ?」
「今日、わたし、おうち、帰らないから、いっぱい、ちゅう、して」
「・・・なっ」
★○○くんの嬉しかったポイント
わざわざ言わなくてもご理解いただけるかと思います。
11スレ目>>494
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○「ルーミア、あけましておめでとう!」
ル「わはー、あけましておめでとうー」
ルーミアを見かけたので、声をかけると、こちらも嬉しくなるくらい元気に返ってきた。
その後、色々と他愛も無い話の中で、実は話したかった事に入る。
○「実は、新年かくれんぼをやることになった」
ル「?」
○「でさ、他の子たち、結構めざといから、すぐに見つかっちゃうんだよな」
ル「そーなのかー」
○「だからさ、もし良かったら、良い隠れ場所とか隠れ方とか教えてくれない?」
ここでやっと意図が理解できたのだろう。
頼りにされている事が嬉しかったのか、ルーミアの笑みが満面の物に変わる。
ル「そういうことだったら、私の得意分野だよ! 任せて!」
○「おぉ、マジで? じゃあお願いします!」
ル「うんっ!」
そう言って、俺に腰に抱きつくようにピタリとくっついてくるルーミア。
――!?
いやちょい待て何事だ俺何かしたっけいやしてないしそもそもかくれんぼについてあばばばばばばば
○「ちょ、ルーミア、何を」
ル「じっとしてー」
どうやら彼女は大真面目なようだ。
ならば、あまりじたばたしているのも彼女に悪い。
ここは、ぐっと我慢する事にした。
ル「わはー」
○「…………」
ル「○○いい匂いがするー」
前言撤回。この子ふざけてる。
○「る、ルーミアっ!」
ル「ご、ごめん、ちゃ、ちゃんとやるー」
どうやら落ち着いてくれたようだ。
少しだけ、抱きしめられる力が強くなる。
ル「いくよー」
○「い、いいよ」
ル「せーの」
瞬間、目の前が暗闇に包まれた。
何か異世界にでも転移したのかと思ったが、彼女の能力を思い出して、それは違うと理解した。
ルーミアが暗闇を展開したらしい。
だから、外から見たらどんな感じか大体把握できる。
景色の中に、黒くて丸い球体が一つ。
○「ルーミア、ストップ!」
ル「?」
暗闇が晴れる。
ルーミアを見ると、依然抱きついたまま、期待に満ちた眼でこちらを見ている。
確かにルーミアらしい。これは彼女にしかできない事だ。
でも、明らかに怪しいから、ルーミアとかくれんぼやったら一発でばれてしまう。
○「いや、あのね、確かに凄いと思うよ」
ル「!」
○「でも、これだと逆にばれる気がするんだ」
ル「……そーなのかー」
ルーミアの表情が明らかに沈んでいく。
やばい、落ち込ませるつもりで言ったわけじゃないのに。
○「だけど、嬉しかったよ。ありがとう」
ル「……ごめんねー」
○「いや、いいよいいよ。そういう方法があるってだけでも嬉しかったから。最終手段として使わせてもらおうかな」
そう言いながら頭を撫でてあげると、ルーミアははにかんだような笑顔でこちらを見ている。
○「そういや、お礼がまだだったなぁ」
ル「?」
○「いや、教えてくれたしさ。やっぱり、礼をしておかないとさ」
ル「! じゃ、じゃあ!」
○「ん?」
ルーミアがぎゅっと抱きついている腕に力を込める。
ル「しばらく、このままでいたい」
○「……いいよ、でも」
ルーミアを一度引き離す。
それでルーミアが泣きそうになってしまったけど、腰をかがめて、こちらから抱きしめる。
○「こっちの方が、いいかな」
ル「……うんっ」
ルーミアの手が俺の背中に回される。
そして、ぎゅっと力が込められた。
お礼と言っておきながら、全くお礼じゃないな、と心の中で笑う。
ル「○○、いい匂いがするー」
○「……あ、ありがとう?」
ル「わはー」
ル「お腹すいたー」
○「それじゃ、そろそろ離れようか」
ル「ダメーこのままー」
○「あ、あはは……」
新年早々、命を危機を感じた。
11スレ目>>731
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幻想入りするに当たって、ゆかりんが適当な能力を付けてくれるらしい。
色々案を出してみたが弾幕能力が出せそうだと駄目ならしく、
弾幕喰らっても死なない程度なら良いという事で、
「壊れない程度の能力」を手に入れた。
これでフラン様専属の執事として死なない様に仕えたり、
ゆうかりんとお花畑で殺し合い(一方的な)の末に愛情が芽生えたりと、
俺も多くの○○の様な生活が送れるのか・・・!
と思ったが、
それはゆかりんの巧妙な罠だった。
という訳でゆかりんのおかげで能力手に入れたぞー!
すごいぞー!かっこいいぞー!
「そーなのかー?」
て、うお、ルーミアだ。
まあ紅魔館に向かってるんだから遭遇するんだ、きっと。
「ところであなたは食べられる人類?」
「いや、食べられないよ。毒があるから」
「そーなのかー?」
「そーなんだー」
「なんで毒があるのー?」
う、痛い所をついてくる・・・
バカルテットなんて言う人もいるが流石に疑われるか。
「そ、そりゃあれだ。
人間の脳には病気があってそれを食べたら馬鹿になって死ぬんだよ?」
「そーなのかー?」
「そーなんだー」
かぷり。
ルーミアが俺の腕に食いついた。
あまりに急だったので痛みを感じるまで一瞬の間があったが、
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「頭を・・・うむ・・食べなきゃ・・むぐ・・・大丈夫なのかー?」
ち、違っ・・・
「・・・お肉、なくならない?」
気付かれた!?
ゆかりんから能力のお陰で、
ルーミアに喰われた身体的な欠損は瞬く間に治癒してしまう。
・・・喰われた痛みだけを残して。
「・・・そーなのかー」
自己解決した様だ。
彼女は傷口に舌を突き立て、中をほじくりながら血を啜り始めた。
体を動かすのに問題な程に血液が不足すると即座に血液が体内に戻ってしまう。
「う・・・あぁ・・・うう・・・」
痛い。
体が痛みに慣れない。
痛みに慣れるのは精神が壊れる事とでも言いたいのか。
それから5分程腕を食べ続けたルーミアは、
酔った様な眼で俺を見上げた。
「大好き・・・だよぉ?」
「っ・・・!」
きっとそれは眼前の食料に対して言ったのだろう。
別にルーミアが特別好きだった訳では無かったが、
不覚にも心が揺らいでしまった。
そして辺りは暗闇に包まれていく。
何で腕の一本を捨てて逃げなかったのだろう。
どうせすぐ生えてくるのに。
「お、俺も・・・」
もう全て遅い。
彼女は闇を操る以外に、獲物を魅了する程度の能力を持っていたのだろうから。
「ルーミアの事、好きだから」
これから与えられる痛みが、愉しくて堪らない。
ついに月が隠れて漆黒の闇、
紅い口が三日月に歪んだ。
DEAD END
11スレ目>>163>>170
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宵闇の妖怪、ルーミア。
幻想郷では意外と少ない「人食い妖怪」である。
故に彼女は巫女の仕事の絶好の的。
見つかればとりあえず攻撃される為、他を巻き添えにしないようにと
留まる事なくふわふわと漂っている事が多かった。
その為、彼女には親しい友人があまりいない。
…よく弾幕勝負を仕掛けてくる⑨や、「非常食」の夜雀は別だが。
そんな彼女だが、最近、よく話す友人ができたという。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
え?あいつとの出会い?えーっと………あ、一ヶ月ぐらい前だったかしら。
私がいつものように森の中をふわふわしてたら、闇の中に一人、人間が掛かったのよ。
その時のあいつの対応、結構早かったわー。
その場からとっとと逃げ出した…は、いいんだけど…あいつの走った方向って、出口じゃなくて闇の中心部。つまり私のところだったんだよねー。
あいつったら必死にこっちへ走ってくるんだもん、もうその姿が可愛くて思わず笑っちゃったわー。
走って、走って、走って…ふと前を見ると、そこに自分を食べる妖怪がいた。
そんな時のあいつの表情ったら…もう、あんたにも見せてあげたかったわ。
慌てて方向を変え、そのまま走り去ろうとするあいつ。
けど私だって妖怪の端くれ。あいつが石に躓いたのをきっかけに一気に組み伏せたのよー。
そのままあいつを頭からかじってやろうって時、あいつが──
「…死ぬ前に、一言話させてくれないかな?」
その口調がやけに冷静だったもんだから、私も一瞬動きを止めちゃったわ。
「遺言でも残したいのー?」
捕食を止めてくれた事に、あいつは驚きと安堵が入り混じった顔を見せた。
…今だに私の口は貴方の頭をくわえているって言うのにねー。
「遺言残せるような相手がいればそれもいいか…って、そうじゃなくて、本当にただの話だよ」
「貴方、自分の立場わかってる?」
聞くだけ無駄だったと思ったわ。私は彼の頭に歯を立てようと──
「…俺が、別世界の人間だとしても?」
再び、私は動きを止めた。
「…貴方は──外の世界の人類なの?」
「人類っていうか…ま、俺もよく分かんないんだけどね。少なくとも俺のいた所は──天狗はいなかった。」
そう言って空を見上げたあいつの真上を、ちょうどあんたが飛んでったの。
結構重要な場面にいたのよ?あんた。
彼の頭から口を離し、とりあえず向かい合って座ったわ。
「お、食うの止めてくれたの?」
「…貴方の話に興味が出てきたわー。つまんなかったら食べちゃうわよ?」
「そりゃ怖い。…じゃ、まあ、何から話すかな──」
どんな事を聞いたって?…ふふ、秘密ー。
だって…彼はもう私の物。だったら、彼から聞いた話も私だけの物なのよ。
…あいつ?うん、今も生きてるわ。だって面白い話を聞かせてくれるんだもの。そう簡単に食べちゃもったいないでしょ?
弾幕も…スペルカードはさすがに持ってないけど、そこらへんの妖怪から身を守るくらいは覚えたしねー。
今はきっと、あの森のあそこらへんで昼寝でもしてるんじゃないかしら。
…終わり?そう。じゃーね、新聞屋さん。
……さて、○○に会いに行こうーっと。
12スレ目>>294 うpろだ806
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某日、ガマのいる湖のほとりにて
○「…………………」
る「……………いい天気だねー…」
○「……………日光遮ってるから余計になー…」
る「…………お腹空いてきたねー…」
○「…………そろそろ昼飯時かな…太陽が高いなー…」
る「………ねえー…耳…食べてもいい?」
○「………ダメ」
る「…妖怪に無闇に近づく人間は食べてもいい…って、この間巫女が言ってたよ?」
○「あの腋巫女め…
いいか?こーやって毎日一緒にいるからこそ、俺は食べちゃいけないんだよ。そもそも妖怪と一緒に昼寝するような人間、俺以
外にいないだろ?んでそれはつまり「いつでも食べられる」という事だ。対してお前がいつも食ってる人間は滅多な事ではお前
に近寄らない。つまお前が人間(俺以外の)を食う事は極めて困難な事だ。もしここでお前が俺をペロリと骨も残さず平らげて
みろ。本当に飯に困った時食う物がないだろうが。つまり俺をおやつ感覚で食うな。もっと非常時に食え。俺は非常食だ。
ってワケだ。」
る「そうなのかー」
る「……じゃあ、小指食べていい?」
○「人の話聞いてないな、お前」
12スレ目>>131
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ル「わはー、○○、チョコー」
○「え、僕に?」
ル「そうだよー」
○「どうして、またそんないきなり?」
ル「だって、今日は好きな人にチョコをあげる日なんでしょー?」
○「……あ、そうだっけ?」
ル「うんうん」
○「ありがとう、嬉しいよ」
ル「…………」
○「…………」
ル「…………」
○「……一緒に食べようか」
ル「! うん!」
12スレ目>>506
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どっちの方がすき? ~ルーミア編~
彼女の為に○○が特製弁当を作り、彼女と一緒に食べてるとき。
1 普通のルーミア
あっ、○○だ~! また会っちゃったね!(○○はルーミアに出会って5回目である)
ん? 前のように襲わないのかって? くすくす、また襲っちゃおっか?(冗談っぽく笑う)
……じ~。(○○の手に持っている弁当に目が付く)
ぐぅ~。(弁当を見つめているうちにお腹がなる)
……あっ、○○の弁当見てたらお腹が空いちゃった…はずかしぃ///
ねぇ、ここ辺りで食べない? ここ辺りなら誰もいないし……ね?
~少女&青年食事中~
…ご馳走様! ○○の作った弁当、とってもおいしかったよ!
えっ? 人肉以外の物でも食べれるのかって?
くすくす、○○ってばかね。 人肉しか食べれなかったら飢え死にしてるわよ。
人肉は滅多に食べれないご馳走だから皆人間を襲うのよ。
じゃぁ、何で私が○○を襲わないのかって? ん~……何でだろうね。(しばらく考え込む)
きっと、初めて会ったとき、○○の弁当がおいしかったからだと思うのよね~♪
でも、○○はどうして出会う度においしい弁当を持ってきてくるの?
……えっ!? お前の事が大好きだからって?
……そ、そーなのかー///(顔を真っ赤にして見つめる)
わ、私もね、実をいっちゃうと、○○の事好きだょ…。
最初はおいしい弁当を食べさせてもらえる優しいお兄さんって感じだったけれど…今はちがうよ。
○○、私はあなたの事が大好き。
でもね、私みたいな人喰い妖怪が人間である○○の事を好きになっちゃうなんて、どうかしちゃってるよね――んぅっ!?(言い切る直前に○○は抱きついて唇で唇をふさいだ)
ん…んくっ……くはぁ…/// ○○、い、いきなり何をするのよ///
…えっ、ばかな事は言うなって? う、うん…ごめんね、○○。
これからも私の事愛してね。 私の為においしい物食べさせてね……!
2 大人なEXルーミア
あら、○○じゃない。 また会ったわね。
えっ? あなたは誰ですかって? 私よ、初めて会ったときに襲った、ルーミアよ♪(○○はびっくりして固まった)
うふふ。 ちょっとした出来事で封印が解けちゃったのよ。
でも、あなたを襲ったりは、しないわよ?(○○の顔を近づけて悪戯っぽく微笑む)
あら、今日も弁当作ってきたのね? でもごめんなさいね。
私、今まだ空いてないのよね。 今日は気持ちだけ受け取っておくわ。(少しがっかりする○○)
でも○○、どうしていつも弁当を作ってくるの?
…私の事が好きだから?
……んふふ、○○が隙なのは今の私? それともいつもの私?
あらあら、両方とも好きなのね。 欲張りはだめよぉ?(○○のでこに軽くでこピンをくらわす)
……でも、○○がそういってくれて嬉しいわ。
ありがとう、○○。 あなたになら…愛されたって悪く無いわね。
……ねぇ、○○は今の私かいつもの私、どっちの方と一緒になりたい?
…あら、今の私のほうがいいのね。 早い決断ありがとう。
それじゃぁ、○○の家で酒宴を開かない? 私とあなたの愛の誓いを立てる為に…ね♪
12スレ目>>753 うpろだ873
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みょんな事から幻想郷のド真ん中に放り出されてもう二週間経った。
近くの雑魚妖精ボコって聞き出した唯一の頼れそうな場所、「はくれい神社」はまだ見つからず、かといって最寄りの村にたどり着ける訳でもない。
二週間前に偶然持っていた多少のお菓子を除いて、俺はろくな食事をしていなかった。
「…これが……最後の食料か…」
ポケットから取り出した板チョコをまじまじと見つめる。
奇しくも今日は二月十四日。…バレンタインにチョコ片手に往生するとは思わなかったよ。
「………あ、○○だー」
お空から間のぬけた声が聞こえたかと思うと、あっという間に目の前が暗転する。
よりによって今くるか。宵闇妖怪。
「ねー。面白い話聞かせてー」
このどうみても金髪幼女にしか見えないまっくら妖怪は一応人食いであるのだが、好奇心旺盛なのにつけこんで
外の世界の「そーなのかー」な話を教えてやる代わりに俺を食わないでくれるというという泣く子も大爆笑するような契約を結んでいる。
だから割と安心。ってかこの世界での唯一の友人である。
「………」
チョコとルーミアを交互に見つめる。
俺の頭に、とてもよろしくない考えがひとつ浮かんだ。
「…ほれ。とりあえず食え」
それは最後の食料をくれてやるという事。
…まあ、二月十四日だし、このままならどうせ俺死ぬだろうし。
「何?これー」
「チョコレート。…外の世界では今日はバレンタインデーつってなあ。元々、とある国のヴァレンチノって司祭が──」
そのまま、バレンタインという行事について説明してやる。
「○○は外の世界からバレンタインデーを伝えました」と、日本史におけるポルトガル人ぐらい大きく幻想郷の歴史に載れたらいいなあ。
「──って訳で、俺の国では好きな相手にチョコを送る日になってる訳よ」
「そーなのかー」
ふと見ればルーミアの手元のチョコはもう…いや、まだ半分くらいしか減っていない。
あまりの美味しさにゆっくり食おうと思ったか。どこの世界でも子供がチョコ好きなのは共通か。
俺の話が終わった後、ルーミアは俺と食いかけチョコを交互に見回し──
「じゃあ…はいっ。」
チョコを俺に手渡した。
「…え?」
「…だって、私も○○の事大好きだもん」
…ははは。生まれて二十年弱、妖怪から初めてのチョコをもらうとは夢にも思わなかったぜ。
ペキッ
チョコを更に半分に折る俺。
「…んじゃ、一緒に食うか?」
「うんっ!」
ここで半分のチョコレートを食っておけば少しは生き長らえたのだろうが…
…まあ、どうせ死ぬなら辛気臭く死ぬよりも、いい思い出抱えて死にたいしねぇ。
その後二人でもぐもぐ食っていたが、食いかけのチョコを眺めているうちに、俺は面白い事を思い出した。
「…なあルーミア、お前、間接キスって知ってるか?」
12スレ目>>964 うpろだ917
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薄暗い森の中、二つの影はひたすら走る。
「なんで逃げるのさー!」
人間が妖怪から逃げて何が悪い。
…クソッ、夜の森をぬけようとした俺がバカだった。
二つの影はさらに走る。
不意に、後ろのルーミアの気配が消えた。
走るスピードを少しづつゆるめていき、後ろに全神経を集中させる。
ふと、か弱い少女のすすり泣きが聞こえた。
「なん…で…エグッ…逃げるのさ…ヒック……○○ぅ…ッ…ばかぁ…」
………う。
なんだかすごく悪い人のようじゃないですか、俺。
ひょっとして悪い事したかと振り返る。
彼女は既に飛ぶのをやめ、そこらの切り株に腰掛けてなんだか泣いてる様子。
流石に逃げられず、おそるおそる切り株に近づく。
「…あー…まあ、その、なんだ。悪かった…な?」
すると泣き声はだんだん押し殺した笑いに変わり――
「ふふふ…えいっ!」
途端、彼女は顔を上げ俺の胸あたりに飛びついてくる。
そして月の夜に必要ないはずの闇を展開し、そのまま俺は押し倒された。
「…これでもう、逃げられないよー?」
…え?ウソ泣き?
やばい。マジ食われる。捕食者の目だ。
「○○ぅ…んっ…」
しかし彼女は歯を立てることなく、何やら夢見心地で俺に抱きついてるだけだった。
その目に泣いたあとがある所を見ると、さっきの泣きはまんざらウソでもなかったのだろう。
「んにゅ…○○ぅ…むにゅ」
もはや言葉にならない擬音を発しながら俺の体にすりよってくるルーミア。
下半身にすりよってくれりゃ、パチュリー様に助けてもらえるんだがなあ。
彼女の「すりすり攻撃」は、偶然巫女が通りかかるまで丹念に続きましたとさ。
>>うpろだ1028
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「ちくしょう……夜中にどんちゃん何の騒ぎだ?」
古ぼけた神社のほうか。 最近、夜中にやたら騒がしい音がする。
常識をわきまえない奴らが宴会でもやってるのだろうか。
「もう頭にきた! 一発ガツンと言ってやる」
羽織を着て、俺は神社のほうへと歩き出した。
この近辺では、神隠しがよく起こるという。
近所でも評判の心霊スポットだ。 おかげで神社には参拝客どころか、人っ子一人寄り付かない。
それだからああいうふざけた奴の溜まり場になるんだ。
「やれやれ……んなのあるわけねぇって」
お化けとか幽霊とか妖怪とか、俺はそんなものをまるで信じていない。
そんな類のものはこの世にいないのが常識だし、真実だ。 今までその公式が崩れたことは一度も無い。
今日俺は神社へ行き、あいつらにガツンと一言浴びせ、ゆっくり眠る。 そうしようと思っていた。
そうなるはずだと思っていたのだが。
「んー……やっぱり今日も神社だったかなー?」
遠くのほうで、少女が周りをきょろきょろしながら彷徨っている。
黒い服に映える金髪の髪に赤いリボン。 この近くでは見ない子だ。
「おい、どうしたんだ?」
驚かさないようにそっと声をかけてみる。
「あ、もしかしてあなたは食べてもいい人類?」
食べてもいい? 何を言ってるのだろうかこの子は。
きっと向こうの大人たちにバカみたいなことでも吹き込まれたのだろう。
「いいか、人類は食べちゃいけないものだ。 教えてくれた人にそう言いなさい」
「へーそーなのかー」
少女はあかるい顔で納得したように頷いた。
「君、名前は何て言うんだ?」
「ルーミア」
第一声がそれだったため変な子かと思ったら、案外普通の女の子だ。
しかし、やっぱり名前は聞いたことが無い。
「予想通り、あっちのツレだな……あっちに知ってる人はいるかい?」
「うん、みんな知ってる人ばっかりだよ」
「それじゃあ、連れて行ってくれないかな?」
「いいよー!」
そう言うと、ルーミアはするすると宙に舞う。
……宙に?
「…………んな」
「あれ? どしたの?」
「空……はぁ!?」
理不尽な状況に、ただただ驚くしかなかった。
「早く早くー」
ルーミアは放心状態の俺の腕を掴み、持ち上げる。
俺は抵抗もできないまま、 少女の腕一本で宙ぶらりになってしまった。
「うわああああああ!」
「あ、暴れないでー」
「はーい到着」
「はぁ……はぁ……」
恐怖で息も絶え絶えな状態で、俺とルーミアは神社の前に降り立った。
「あら、遅かったわね。 その食糧はどうしたの?」
「……ちくしょう! 何がどうなってるんだ!!」
怪力の少女が空を飛んだ。 それだけでビビるのは十分だと思っていた。
俺の目の前には、現実ではない何か。 強いて言うならば……『幻想』が、そこにあった。
不思議な力で明るく照らされた境内には、人型の妖怪のような者達が酒を酌み交わす宴の真っ最中だった。
背中に翼が生えたもの、頭に角も持っているもの。 魔女の服に、白い幽霊を携えた者もいる。
妖怪狐や化け猫、おまけにこっちは蝙蝠だろうか。
「いらっしゃい。 隠された楽園、幻想郷へようこそ……まぁ、ゆっくりしていきなさいよ」
巫女装束の少女が酒を渡してきた。
「悪い夢でもみているのか……あんた達は一体誰なんだ!」
「人間以外と、それに怯えない愉快な人間達」
突然背後から声がする。
「愉快なは余計よ、紫」
「うあっ!」
振り向くと、奇妙な格好の少女があるはずのない空間から半身を出している。
「……本当にいたのか……幽霊や妖怪なんて……」
「あら、信じてないのね。 ……ところで、私達は人間の肉が大好物なの。 一回その体で学習してみない? 妖怪のコワサヲネ」
紫と呼ばれたこの妖怪が、俺の腕に手を伸ばしてくる。
「やめ……分かったから……」
身の危険を感じ、即座に腕を引っ込める。
「フフフ、怯えてるわね」
「怯えさせるなって。 今はみんな酔ってて何もしてこないけど、夜明けになって酔いがさめたなら、アンタ本当に食べられるぜ」
魔法使いが話しかけてくる。 こっちは何も危害を加えてはこなさそうだ。
「ま、出たくなったら頼んで。 適当にここから出してあげるから」
「あら、今日は一段と優しいのね」
「ほうっておくとルーミアなんかに食べられるでしょ? 無駄な殺生はしない主義なの」
「よく言うわ」
「ルーミア……あの子もやっぱり妖怪なのか?」
遠くで羽の生えた蒼い髪の少女と話すルーミアを見ながら巫女に聞いてみる。
「そうよ。 人を食べるれっきとした妖怪。 ……てか、あんた何で名前なんか知ってるの」
「いや……あの子にここへ案内された」
ありのまま起こったことを話すと、やっぱり変だ。
人を食べる妖怪が、道案内。
「ふーん……ま、どーでもいいわね」
さらりと流された。 何か知っているような様子もない。
「今宵は諦めて呑みなさい。 適当に楽しんで朝になったらすぐにここを出ていいわ」
声を張り上げて 月に手をかざし 歌え 終わらない宴を
夜をたずねて 月明かりの空の下 踊ろう
右では何十種類もの楽器が勝手に鳴り出す。
左では時を止めたような魔術が行われ、観客を驚かせている。
「それにしても……すごいところだ……」
妖怪がはびこる、あるはずのない世界。
それに惹かれているのは、果たして本当に酒のせいだけだったのだろうか。
「そろそろね……あんたたちー! そろそろ夜明けよー!!」
宴も落ち着いてきた所で、巫女が大きくふた声上げる。
すると、妖怪達は少しづつ自分のいるべき場所へ帰っていく。
数十分もすれば、残ったのは俺と巫女だけになった。
「はい、ここから出られるわよ」
巫女の誘導する先は、明らかに境界と分かるものがあった。
現実と幻想を隔てる境界のすぐ隣に、俺は立っている。
「待ってー!」
後ろから声がする。 ルーミアだった。
「あんた何しにきたの? この人間なら帰っていくわよ、食べられないわ」
「あの…… いってらっしゃいませー!」
敬礼のようなポーズで手を額にあて、笑顔でこちらを向いている。
「昨日魔理沙に教えてもらったんだ。 人間って、誰か好きな人を見送るときにこうするんでしょ」
「あ……ああ」
俺の中の現実が、揺らぎだす。
「さぁ、早く行かないと本当に食われるわよ」
巫女が眠そうな声で急かす。
このまま戻っていつもの生活に戻るか。 それとも、幻想の中で生活することにしていくのか。
昨日までならやすやすと決められた決断が、さっきのルーミアの一言で揺らぎだす。
「……ここに残る、ってのはないのか……?」
決断。 というよりは確認。
「何考えてるんだか。 あっちに行けば人里があるわ。 あそこなら人間は絶対に襲われない」
結界が閉じ始める。
戻れない現実世界に、数秒の名残を送った。
「結局、今まで信じてたものは全部嘘だったのか。 妖怪は閉ざされた空間で神隠しをしながら傍若無人に生活していましたってか」
「それが現実よ。 郷に入りては郷に従えって知ってるでしょ?」
俺はありがとうと巫女に告げると、人里のほうに歩き出した。
「なぁルーミア」
「何ー?」
俺の後ろをふわふわとついてくるルーミア。 もう驚くことは無い。
「さっきのいってらっしゃいませーって、本当に俺のこと好きだったのか?」
ふとした疑問を投げかける。
「う、うん……照れるなー」
「そっか」
一人の常識に囚われた人間と、一匹の常識がない妖怪は、人里へ向かっていく。
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元ネタは最後のルーミアから言わずもがな、石鹸屋アレンジの妖魔失踪。
一人の人間がいつのまにか境界を越えて、幻想に触れるって感じにしたかったけど何か上手くいかないというね
しかもイチャ分が最後の最後しかないとはこれいかに 適当に書いた結果がこれだよ!
お供にヴォーカル版を聴きながら読むとそれっぽくなるかも。 音楽って大事だね
色々矛盾が多いのは諦めろって俺の幽々子が言ってた。 ああもう幽々子さん大好き。
>>うpろだ1053
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―人物紹介(という名の前提条件設定)―
○○:人間。おっさん。多分主人公。
寺子屋で教師をしており、また自警団にも所属している正義感の強い人間。一応幹部。少々自分に酔う傾向にある。
ある日のパトロール中、襲ってきたルーミアを返り討ちにしたが、怪我を負わせてしまう。
正義感と罪悪感により、家へ連れ帰り一晩、手当てをするなど世話をするとルーミアに懐かれてしまう。現在、成り行き上ルーミアと寝食を共にする。
実はルーミアのことは好きだが世間の風当たりが厳しい昨今、自重している。ロリコンではない。
世間からはルーミアの親代わり、という見解。
ルーミア:妖怪。何の妖怪かは知らない。多分ヒロイン。
パトロール中の○○を喰おうと襲うも返り討ちに遭い、怪我の手当てまでしてもらい、○○の強さと優しさに惚れる。が、○○にその気はない、と想い、半ばその想いを諦めている。
その代わりと言ってはなんだが、強さと優しさを兼ね揃えたヒーローみたいな○○を目標に自警団に入りたいと思っている。
入りたい、と思っているけど慧音が「まだ子供だから」という理由で入団させてない。早く一人前になりたいとも思っている。
また、○○とであったその日から人を喰ってない。ヒーローはそんなことはしないものだ。
寺子屋にも通っている。授業はまじめに受けてないが。
慧音:半妖。ワーハクタク。
寺子屋の教師。自警団副団長。
蛇足だけど慧音が文系教科で○○が理系教科。
妹紅:人間。不死身。
健康マニアの焼き鳥屋さん。自警団団長。
蛇足だけど妹紅がタレ派で○○が塩派。
―CAUTION!!―
以下の単語に嫌悪感を抱く方はお引取り願います。
・カニバリズム(喰人行為)
・○○死亡
・二次設定
・三次設定
大丈夫だった方は本編へ。
―本編―
side:Rumia
―――――
目が覚める。
今日は寺子屋が休みだから○○と一日中遊ぶつもりだったけど……外が騒がしい。
いつもと違って隣に○○は寝ていなかった。
なんかあったのかな……?
わたしは寝ぼけ眼をこすりながら家の外に出る。
見知った自警団の人たちがせわしく働き回っているのを見て、何か里に起きたのだと分かった。
その中で、みんなに指示を出している男が一人、――○○だ。
「お、ルーミア、起きたのか。おはよう。」
他の自警団の人たちみんなに指示を出し終わると○○は話しかけてきた。
「おはよう。なんかあったのかー?」
「昨日の夜な、山賊が村を荒らしに来たんだ。」
里や道中、人々はたびたび山賊に襲われる。
大抵は物品を盗られるだけなのだが、ひどいときは人的被害も出たりする。
実際、寺子屋の友達は襲われかけたことがある。(そのときはもこー団長さんが助けてくれたらしいけど。)
人里では妖怪は襲ってこない分、実は山賊のほうが脅威だったりする。皮肉なものだ。
「……里のみんなは大丈夫ー?」
その質問を聞いて、右目をつぶって右手で頭をぼりぼり掻く。
ばつが悪いときの○○の癖だ。多分、被害が結構ひどいものなんだろう。
「あー……重症が一人……お前の友達の□□くんだ……」
□□くんは、寺子屋のクラスメイト。結構親しいほうだと思う。
なんで……? と、怒り、悲しみといった感情がこみ上げてくる。
「いや、命に別状はない!安心していい。」
急いで付け加える○○。わたしが泣きそうだったからか。
それにしても、本当に良かった。
「それでな、今珍しくDead or Aliveで山賊の捕獲命令が出ててな、自警団は大忙しだ。」
自警団は基本悪人であろうと人や妖怪を殺すまではめったにしない。
だから、Dead or Aliveが出るのはよほどのことがあったときだ。
よほど団長はお怒りなのだろう。それもそうだ、山賊が悪い、自業自得だ、あの世で裁かれろ。
「おーい、○○!行くぞー!!」
「ああ!今行く!!」
自警団の人が呼んでる。
「すまんが、そう言うわけで今日は一緒に遊んでやれない、ホントすまん!!」
「ううん、いい。お仕事がんばって。」
「ああ、行って来ます!」
○○は忙しそうに駆けて行った。
まあ仕方がない。○○は幹部だもん。もう慣れっこ。
さて、とりあえず、まずは着替えとご飯にすることにした。
―――――
「よし、片づけまでおわり、っと」
片づけまで終わると、いよいよ暇になる。
「何しようかなー?」
○○が居ないと暇で暇でしょうがない。
それもそうだ、外の世界と違って娯楽に乏しいからね。
ましてやわたしの外見は幼女そのもの、その少ない娯楽も限られる。
「ああ、暇……
……○○、今頃山賊見つけたかな……?
……山賊?」
わたしはあることを思いついた。
「そうだ!山賊を見つけよう!」
これはなかなかのアイデアだと思う。
□□くんの仇討ちにもなるし、○○のお手伝いにもなるし。一石二鳥だ。
Dead or Ariveもでてるし、手加減もしなくていいし。……大してわたしが強いわけでもないけど。
それにあわよくばけーね先生も認めてくれるかもしれないしw
「そうと決まれば……」
思い立ったら吉日。なんといい言葉でしょう?
わたしも山賊を探すことにしたのだった。
side:○○
―――――
うー、山賊山賊。
今、山賊を探して全力捜索している俺は自警団に所属しているごく一般的な教師。
強いて違うところをあげるとすれば、妖怪と二人暮らしをしているってとこかナ……
名前は○○。
さて、くそみそネタをかましてみたはいいが山賊が見当たらない。
畜生、何所行きやがった……
……□□の仇を……か。団長ちょー怒ってたな……あ、今の駄洒落な。
―――――
「おい!?大丈夫なのか!?」
被害者が出た、と団長から連絡があり、駆けつけた俺は顔見知りの医者――八意永琳に話しかける。
「命に別状はないわ。傷口はしっかりふさいだし、もう心配はないわ。……出血が酷かったから今はぐったりしているけど。」
「ああ、よかった……」
大丈夫、その一言を聞き安堵する。
が、ベッドに横たわる包帯ぐるぐる巻きの□□、左肩から右わき腹にかけてついたその傷口は、一箇所とはいえ小さい、といえる大きさではない。
これほどの傷を治療した永琳の腕はすごいのだと再確認した。
「ん…○○先生……?」
「ん、起こしてしまったか。すまんな。大丈夫か?」
□□は、こくんとうなずいた。
ああ、良かった。
少々、声が大きかった、と反省する。
……事の経緯はこうだ。
家屋に侵入してきた山賊がその子のお母さんを襲おうとした。山賊は太刀を一振り、そのお母さんを守るために身を挺して□□は守った。山賊は少年を見て怯み、そして逃げ帰った。
その話をけーねから聞いて、俺は山賊に対し、言いようのない怒りを覚えた。いや、いつも怒りは感じているのだけど。
「ねえ、先生。」
「あ?なんだ?」
「僕……お母さんを……守ったよ……」
「良く守ったな、偉いぞ、傷に障る、ゆっくり寝な。」
へへ、と□□は笑うと、安心したかのように寝だした。
そして、更なる憎悪がこみ上げてきた。
どうしてこんな子供が。どうして罪のない人々が。どうして身勝手な奴らのせいで。
考えるとキリがない。
絶対に、許さない。今度こそは逃がさない。
俺は、そう思うのみだった。
―――――
翌朝のこと。まだ日も出てないうちに自警団は召集される。
俺たち団員が並ぶ先に立つは団長、藤原妹紅。その横に立つは副団長、上白沢慧音。
団長の表情は険しかった。
「勇敢なる同士諸君。」
その一言から、もこの演説が始まる。
「我らにとって、□□はかけがえのない里の一員だった。鎮魂の灯明は我々こそが灯すべきもの、亡き村民の魂で、われらの弾幕は復讐の女神となる!! ヤマザナドゥの裁きの下、ラストワードで、奴らの顎を喰いちぎれ!!」
※対訳。
「自警団の皆さん。昨晩の山賊の襲撃により、□□くんが大きな怪我を負いました。今日こそは許しておきません。今まで亡くなってきた村民の方々のためにも。Dead or Alive、生死は問いません、なんとしても、奴らを捕まえましょう!!」
※対訳終わり。
俺は元ネタを知ってるし、別に□□も死んではいない。だけどこりゃあ言える雰囲気じゃあない。みんなうなずき、同意してる。
しかし、姐さんの、いやいや違った。団長の怒りは、恐らくどんな鈍感な奴でも感じられるほどだった。なんつうか居心地悪いくらい。アレは怒り通り越して殺気に近かった。
あのあと、ブラクラについて話しかけようと思ったが、近づくだけで殺されそうな気がしたからやめといた。
ここだけの話、□□はもこのお気に入りだったからな……結構親しかったし。
――さて、俺も動かなきゃな、っと。
―――――
……ルーミアに家に居とけ、って言い忘れてたのが唯一の心配だな。
ルーミアは友達思いのとこあるから、□□の仇討ちじゃー!!って感じで山賊を探し出して……カニバリズム……
いやいや、流石にないかな。
にしても本当に居ないな……まあ、昨晩のことだし……と。
………居た。
いかにも、な山賊の格好をした奴が、ひい、ふう、みい、よ、いつ……五人。
目撃情報も五人。背中に食料や金品の入った袋を背負ってるのが見える。ビンゴだな、間違いないだろう。
「『見、奇』っと。送信。」
俺はまず団長に連絡。
しかし、この「携帯電話」って奴は便利だな。
……奴らは五人。一人で戦うには少々、きつい。だが俺に気づいては居ない。奇襲を仕掛ければ……
「お、おい、あれ!」
奴らの仲間のうちの一人がそう言った。
気づかれたか!?
「あいつ、俺らの仲間を喰ったやつじゃねえか?」
「ああ、そうだ!」
「おい、破魔矢いくつある? もってこい、しとめる。仇討ちだ。」
「一本しかないぞ? 一本でしとめな。」
なんだ、俺のことじゃないのか……よかった。
一瞬ひやりとした。
……まあ、妖怪をしとめてもいいが、次の瞬間、しとめられるのはお前らのほうだけどなw
そんなことを考えていると……最悪な言葉が聞こえてきた。
「あの、憎き闇の妖怪め……」
………え?
一瞬、俺の思考がストップする。
おい、「闇の妖怪」って誰だよ。
おい、その矢の向いてる先にいるのは誰だよ。
……紛れもない、ルーミアだった。
「へへ、喰らいな……」
山賊はルーミアに照準をあわせ、満を持した。
俺はというと、ルーミアの方へ駆けていた。
畜生、今日に限って、言い忘れてたせいで……!!
間に合え!!
その一心だった。
そして、矢が放たれたのだった。
「ちくしょおおおおおおおおおお!!るうううううううみあああああああああああああああああ!!!!!!」
side:Rumia
―――――
山賊を探す。さて、何所いるのかな……?
全くさっぱり皆目見当もつかない。
村の人に尋ねたら、五人組みだった、くらいしか情報が入ってこなかったしなあ……
とりあえず……森の道を行こうかな……
……それにしても……□□くん……
畜生、わたし、手加減しないぞ……
友達がやられて、誰が黙っているもんですか!!
ああ、むかむかする!
―――――
しばらく歩いた。
……結局見当たらないけどね。
日が結構高くなった。もうすぐ昼、ってとこだ。
山賊はもう見つからないかもしれない、襲ったのは未明らしいし。
もうちょっと先を歩いたら、帰ろうか、そんなことを思っていると、
「ちくしょおおおおおおおおおお!!るうううううううみあああああああああああああああああ!!!!!!」
不意に、叫び声に近い○○の声が聞こえた。
○○の声。
いつも聴いてる○○の声。
大好きな、○○の声。
普段、絶対に聞くことのない○○の叫びを聞いて、何事かと思って声のするほうを向いた刹那、○○が抱きついてきた。
そして、ものすごい速さで、岩陰に隠れる。
いきなりのことで最初は何が起きたのか分からなかったけど、○○の背に刺さった矢を見ると、それはわたしのことを庇ったのだということは容易に理解できた。
「……うそ……でしょ……?」
現実逃避気味に言ってみる。
が、それは紛れもない現実。
「○○? …○○!!? そうだ!!矢を抜かなきゃ……!!」
当たり所は悪かったみたいだ。
矢は胸元を貫通。○○の口から血が出ている。
「ルーミア…ゲホッ……無事……か……? 良かった……」
「しゃべらないで! 今……きゃっ!!」
今抜く、そう言って矢を抜こうとしたのだけど……
その矢は破魔矢。わたしでは抜くことができない。
「諦める……もんかあ……!!」
熱いのを我慢しても力が入らず、ただ、わたしの手のひらを焦がすだけだった。
「もういい……ルーミア……」
「でも!! でも!!」
わたしのせいで、わたしを庇ったせいで……
わたしが勝手な行動をとったせいで……
「はは、さっき、お前に何か恨みがあるのか、お前を殺そうとしているのが聞こえて…な……」
「そんな……わたしの……せいで……○○の手伝いをしようと思ったせいで………」
「はは、俺も悪いさ……お前にちゃんと家に居るようにいってなかったからな、保護者失格だ、これでおあいこ、ってことよ……いいな?」
わたしはこくりとうなずいた。
○○はよかった、と言いたげに笑っていた。
「いいか、奴らは一本しか破魔矢をもって居なかったみたいだ……そこで、だ。逃げろ、ルーミア。もうじきやつらが来るだろうが、必ず逃げ切れるはずだ……」
わたしは首を横に振った。
「○○を……おいていけないよ……」
「なんだ……逃げないのか? 我侭な子だ……」
そう言って、くしゃり、とわたしの頭を撫でる。
ああ、おっきな手だなあ……
「ルーミア……手伝いに……げほっ……着たのに…俺に助けられちゃあ……せわぁねえな……」
「○…○……」
○○の声はだんだん弱くなっていく……
そんな、嘘だと言ってよ。
その刹那、○○はぎゅっと強く、わたしを抱きしめて、そしてわたしの唇を奪った。
初めてのキスは、わたしの涙と、○○の血の味だった。
「…………なん…で……?」
「ははは、 がはっ、ごほっ……へへっ、ようやく、唇奪ってやったぞ……ッ 好きだ、ルーミア……」
なんで今このタイミングで言うの……?
「よし……ようやく……言えた……ゲホッ……言えたのに……なあ……?」
そんな、いやだよ。
「ははっ、 泣くなよう、ルーミア……お前、手伝いに来たんだろ……?逃げないなら、あいつらをやっつけろ……
そんで、俺を喰えよう…… 俺を喰って……一緒にやっつけようぜ……?」
ねえ、ねえ、○○、ねえ。
「いや、嫌だ……」
「愛してたぜ……るー…みあ……」
ふっと○○の力が抜け、わたしに体重を任せる形になる。
「わたしも……愛してたのに……!好きだったのに……!」
今まで何度と見てきた人間の死。
でもそれとはなにか違う死。
「う、う、うわぁああぁあああああああああああああぁぁぁぁあああああああ!!!」
わたしは、もう、なくしかなかった。
「あ~あ、やっぱりしとめてなかったか。」
わたしが咽び泣いていると、山賊が来た。
「まあ、いいさ。自警団のお邪魔虫も排除できたことだしな。災い転じて福となす、ってやつだ。」
お邪魔虫? 誰のこと?
……○○?
……□□くんを傷つけて、○○を殺して、それだけじゃなく○○を虫呼ばわり!!!
許せない!許せない!
「許せないよ、あいつら、ねえ、○○、イッショニ、ヤッツケヨウヨ。」
がぶり、
わたしは○○の左腕にかぶりついた。
「ひええ、こ、こいつ、お、恩人を喰ってやがるよお!!」
「うええ、気持ちわりい……」
ばりっ くちゃくちゃ
山賊が口々にわたしを罵ってくるけど気にしない。
ああ、おいしい。おいしいよ、○○。今まで喰った人間の中で一番おいしいよ。
「所詮、妖怪は妖怪だ。仕方がない。こんなちび、すぐにでも殺せるが好きにさせとけ。どうせすぐにその虫けらの横に……」
「いま、なんていった?」
ぐしゃり
わたしが左腕を食べ終わったころ、わたしがその質問をすると同時に、○○を虫けら呼ばわりした山賊は下半身を残して吹き飛んだ。
「虫けら? ○○を虫けらと言ったな? この人を! 虫けらと言ったな!!?」
とてつもない力が湧いてくる。
「許さない!許さない!許さない!!許さない!!!」
手には黒い大きな剣を持っていた。
背中には黒い大きな翼が生えてきた。
この力はなんだろう?この力はなんなんだろう?
「征こう、○○ 征こう!征こう!! 一緒にあいつらをやっつけよう!!!!」
「ひ、ひえええええ!!お、俺たちも喰う気だああ!!!!」
どしゃ
そう言った山賊は肉塊となった。
「お前らの肉など!! 一粒一片1μgも喰ってやるものかああああああああああああああああ!!!」
side:Moko
―――――
Go, if you come up against a hurdle ~♪
おっと、メール……
『from:○○ 件:non title 本文:見、奇』…「見つけた、奇襲を仕掛ける」、か。
畜生、わたしより早く見つけやがって。
わたしが山賊を見つけたら思いつく限りの方法で痛めつけてやろうと思ったのに……
にしても携帯電話って便利だな。
「けーね、○○が見つけたってさ。撤収だ。」
「ああ、分かった。支援しに行かなくていいのか?」
「んー、いいんじゃない? あいつは自警団の中でも指折りの……」
「ちくしょおおおおおおおおおお!!るうううううううみあああああああああああああああああ!!!!!!」
実力者だ、そう言おうとしたら、○○の叫びにかき消された。
「な!? い、今の……」
「○○の叫び声……だよな……?」
「何が起きたか分からんが……」
「前言撤回、ただ事じゃなさそうだ、行くぞ!けーね!!」
「ああ!」
いやな……予感がする……
私たちは声のした方へ向かった。
―――――
そこは酷い惨状だった。
岩に寄りかかったまま、動く気配と左腕のない○○。
森に居るはずなのに紅魔館に来たのではないかと錯覚を起こすくらい血に染まって赤くなった大地。
ところどころに飛び散ってる、それがなんだったか分からないくらいくちゃぐちゃな肉片。
そして、そこに立つ、見知らぬ翼と剣を持った、見知った顔の少女。
「ルーミア!!」
「……えぐっ、ぐすっ……けーね先生……もこー団長……」
咽び泣くルーミア。
「わた…し……○○の…仇とった……よ……」
そう言うと、ルーミアは力尽きたので、私と慧音は支えてあげる。
ルーミアが力尽きて翼も剣も消えた。どうやら、あの翼と剣はルーミアの能力依存だったらしい。
しかし……この力は……
side:Rumia
―――――
目が覚めると、わたしは自警団の詰め所に居た。
○○が死んだせいか、能力を使いすぎたせいか、ぼうっとしてやる気が起きない。
「おお、起きたか。」
けーね先生だ。
「どうだ?調子は。」
「ぼうっとするー。」
「そうか、しっかり休めよ。」
「お、起きたか、ルーミア。」
もこー団長も来た。
「お前、すごい力持ってるんだなw」
「…!! そうだ!○○は……!!?」
「私と慧音が埋めといた。後で、拝んどいてやりな。それより、だ。」
そう言って、もこーは一呼吸おく。
「お前の今の力は強大すぎる。強大すぎるがゆえに、お前の小さな体では耐え切れん。今でこそ、使い切ったからか無事なんだが……また回復したときお前は……どうなるか分かるな?風船みたいに、な?w」
冗談を交えたつもりなんだろうが、全然笑えない。怖いだろ!!
「まあ、そこで、お前に選択肢を与える。」
一つは、けーねの能力で「強大な能力を持った」と言う歴史を消し去ること。
もう一つは、わたし自身に札などで制御封印を施すことだった。
前者は能力は前の状態に戻るけど○○との記憶も失うかもしれない。
後者は○○の記憶は失わないけどふとした瞬間、封印が解けてしまうかもしれない、とのこと。
わたしは……後者を選ぶことにした。
○○との記憶は無くしたくない。せっかく両思いだったんだ。忘れたくない。
そう伝えると、もこは「そうか……w」と言ってちょっと笑ってた。
そして、能力の制御封印が行われた。方法は簡単。もこーにもらった赤いリボン、それが札代わりとなる。わたしは当然触れない。
しばらくして、わたしは村から出て行くことにした。
なぜか、って言うと、なんでかは分からない。
でも、○○がそうしろって言った気がするから。
わたしは今森で暮らしている。
友達だってできたよ、チルノやミスティ、リグル、だいちゃん。みんないい人(?)だよ。
ねえ、○○、最愛の人よ。そっちは、どうですか?
元気にしてますか?わたしは元気だよ?
―――――
おしまい。
―以下、あとがき(という名の言い訳)―
お疲れ様でした。いかがでしたか? 楽しんでもらえたら良しとしよう。
シリアスが書きたいのかギャグが書きたいのか、優柔不断すぎたので変な文章になりました。すまん。
まあ、そこは愛嬌、ってことで。
HELLSING読んでたら電波受信して、ついついこんなもん書いちゃいました。ベルドナットたいちょおお!!
ルーミアの二次設定、EXルーミアになるエピソード的なものをば妄想。
よくよく読んでみると矛盾点とかいろいろ出てきますが、そこらへんは二百由旬へぶっ飛ばした。
ぶっちゃけイチャ分が少ないんじゃないか、そこらへんどうよ?兄弟たちよ。
まあ、そういうわけで、パ・アラムノシ
受験がんばりつつ今度はまともなの書く様努力するよ(´・ω・`)
―おまけ(という名の大蛇足)―
side:Moko
―――――
「「わたしは○○との記憶は無くしたくない。せっかく両思いだったんだ。忘れたくない。」だってよ、はは、かわいいねww」
焼き鳥を肴に酒を飲みながら、私は茶化すように言った。
「え? どうよ? ロリコン○○w」
○○に対して。
「うるせえな、いいだろ、別に……ってロリじゃねえ!!」
「まあまあ、そう怒るな、ってw
にしても………、まさか、お前が仙人だったとはね……」
「隠すつもりは、なかったンだけどなw」
―――――
ルーミアが倒れたすぐ後のことだった。
「もこー…これ…破魔矢抜いたほうがいいのかな?」
「ああ、頼む。」
「いや、私半妖だから……」
「ああ、すまんなっと。」
矢を抜いた、瞬間だった。
「ぐわああああああ!いてえええええ!!ひだりうでええええええええええ!!!」
○○が起きた。
慧音も私も、目を丸くして驚く。
○○の説明によるとこうだ。
破魔矢、って言うのは魔力なり妖力なり幻想の力を熱エネルギーに換えて発散させるものなんだが……
当然、破魔矢の刺さった○○は仙術で肉体を維持できなくなる。
そこで仮死状態にし、生き延びたのだ。
また、仮死になる間際に「喰え」と言ったのは人間たちと暮らし、人間を食べなくなったことによりルーミアが妖怪としての力を保てなくなりそうだったから、自らの肉を喰わせ、力を持たせた、との事。
持たせすぎたと反省はしているようだ。
―――――
「いやあ、左腕だけですんでよかったw」
「ほんと……全部喰われたらどうするつもりだったんだ?」
「考えてなかったw」
まあ、結果オーライだと。前から思ってたが、変なやつ……あ、これが仙人たるゆえんか。
「さて、そろそろ修行に戻るかな。ここじゃ、欲を出しすぎた。」
「……やっぱりいくのか。片腕で大丈夫なのか?」
「こんくらいハンデだよ、ハンデ。仙術使えば生やせないこともないしなw」
「……ルーミアはどうするんだ?折角両想いだったのに……」
「……欲を出しすぎたんだよ、ここじゃ。それじゃあ天人にはなれないからな……もし、天人になったら、下界へ来てルーミアを暮らしたいと思うんだ。あ、これも欲か。」
「……そうか、じゃあな、がんばれよw」
「ああ、また会う日までw」
―――――
――数百年後……里で「片腕の天人」と「人間好きの闇妖怪」のカップルが暮らし始めるのは、また別のお話。
―――――
今度こそおしまい。
新ろだ37
───────────────────────────────────────────────────────────
暑い。
クソ暑い。
…はっ!暑さのあまり下品な言葉を使ってしまった。
訂正。汚物暑い。
「…暑い」
ああ、暑い言うたら余計暑くなると言う法則に則り「暑い」は頭の中にしておいたのに、思わず声に出てしまう。
「朝から何回目よ、そのセリフ」
すかさず後ろでうだってる巫女から暑そうな声が聞こえてくる。
「暑いモンは暑い」
「新聞によればこの暑さで湖近くの氷精が溶けたそうよ。…これ、誰の起こした異変だと思う?」
「黒幕がいるならとっくにのしてるよ。…暑いが、日本の夏はこんなもんだ」
蚊・あせも・腐り物といった敵と戦いつつ、秋という名の援軍を待つ。それが日本の夏である。
「…でも、アレがいれば少しは涼しくなるかもね」
あれ?
「アレよ。最近アンタに懐いてる──」
霊夢が言い終えた途端、目を閉じてもいないのに俺の視界が真っ黒になった。
世の中電気を消して夜になれば暗くなるのが道理だがこれはそういうものではない、本当に光が何もないのだ。
目の前に人差し指を突き出したが、それすらも見えなかった。
このパターンはもう五~六回になるため、流石に慣れた。ルーミアだ。
「○○ー。遊びに来たよー」
気配を必死に感じ取ろうとするが、その前に背後の暗闇からふわっと抱きつかれた。
必然的にルーミアの意外とあるモノが二つ、背中に当たる事になる。
こっ恥ずかしいので撤去。小柄な体をひょいと持ち上げ、俺の隣の縁側と思われる所にのっける。
「…………」
俺の行動に続きがあると思ったか、数秒じっとしていた。
続きがないとわかると、再び今度は横からタックルをかましてきた。
意外と強い力で押されたので、俺は無抵抗に縁側に押し倒される。
数秒見つめ合って(闇で相手の目も見えなかったが)それから俺の耳にルーミアの唇の感触が───
スココーン
小気味いい音と共に、俺の頭に札が刺さる。
音が二発で札一枚という事は、もう一枚はルーミアに当たったのだろう。
「もー、なにすんのさー」
ダメージのせいで闇が弱まり「薄暗い」状態になる。
すると心なしか、いや心ありか怖さ3割増の霊夢が札構えて立っているのが見えた。
「人間を襲う妖怪は巫女に退治されるものなの」
俺にも当たったけど。
「あら、手が滑ったわ」
嘘だ、絶対嘘だ。
ルーミアはそれを聞くと、どこぞの性悪ウサギのような悪戯っ子のような顔をして、
「…ふうん、なんか私情が入ってる気がするけどー?」
と、俺の胡座の中に割り込んだ。
…なんか、霊夢の怖さオーラがすごく増大した気がするけど。
「……今すぐそこどかないと退治(シメ)るわよ?」
「やれるものならー」
「…いい度胸ね」
怖い霊夢は目を閉じ、経のようなものを唱え始めた。…これは夢想封印だ。
いやるーみあなんもしてないしたいじしたらやみつかえなくてあついままだ
しここでつかったらじんじゃめちゃくちゃになるしてかこのきょりだと──
おれもくらうんですけど。
状況把握。
目の前に怖霊夢。夢想封印まで二秒弱。
胡座の俺と、中にルーミア。
目の前に森、逃げるのならあそこ。そして気温は暑く、闇は涼しい。
…気が付いたら、ルーミアの手を引っ張って森の中をものすごい勢いで走ってました。
そしてかつてない威力の夢想封印が神社に炸裂した後。
神社、神社はそう、ものすごい事になっていました。
夢想封印で縁側付近はめちゃくちゃ、そこに仁王立ちする巫女がまたすさまじい殺気を放っており、
その殺気といったらもう、ちょっとカリスマのない人なら即座に土下座で許しを乞う事でしょう。
「…………そう…○○……そんなに…あの妖怪がいいの…
……○○の…○○のバカーーーーーーっ!!もう帰ってくるなーーーーっ!!」
クルナー…
ルナー…
ナー…
「…ん?」
「どーしたのー?」
「いや、なんか「ルナー!」って声が聞こえたような気がして…」
「ふーん…ねえ○○、この後どうするの?」
「え?いや、どうするって…ほとぼりが冷めたあと、普通に帰るだけだけど?」
「……それ、無理だと思うよ」
「そうなのか?」
「そーなのよー。」
「……何故?」
「さあねー♪…それより鰻食べに行こうよ。そろそろお昼だし、お腹すいちゃった」
「あ…ああ、そうだな」
それから鰻屋台で飲んだくれていた巫女とまた一波乱あるのだが、それは別の話である。
うpろだ1220
───────────────────────────────────────────────────────────
ある日僕は夜遅く家への帰り道を急いでいた。
夜中は妖怪の活動時間のためいつ襲われてもおかしくない。
多少危険でも近道の湖を通ることにした。
途中、月明かりが眩しい中、僕は湖の中心で踊る人影を見た。
金色の長い髪が光を反射し、水面の満月の上で目を瞑り踊る女性はとても幻想的で僕は心を奪われた。
「こんばんわ。いい月夜ね」
急に目の前で鈴を転がしたような声がして我に返ると、柔らかく微笑むあの姫君がそこにいた。
宝石のような紅眼に見つめられ、頭の芯からつま先まで痺れてしまった。
「こんな夜更けに出歩いていると妖怪に食べられても仕方がないわよ?」
「あ、いや、その、ちょっと用事があって……帰りが遅くなってしまって」
そう、こんな夜中に起きているのは妖怪くらい。ならば彼女もアヤカシの類なのだろう。
それでも僕は目の前の姫君から目を離せなかった。
「そう。それじゃちょっと話し相手になってくれない?」
ちょこんと座りこんでしまった彼女の横に僕も腰を下ろす。
そして何の変哲もない世間話を始めた。
僕の話にころころと表情を変えてくれて、それが嬉しくて時間が経つのも忘れていた。
「そろそろ帰った方がいいわ。これ以上長居すると流石に危険よ」
姫君は立ちあがると後ろを振り返りまるで月の移し身と思わざるをえない笑顔を浮かべた。
「またいつか縁があったら会えるわ。それまで生きていてね。貴方は私だけが食べていい人類なのだから」
どこか聞き覚えのある言葉を残して、瞬きをした瞬間彼女は消えていた。
後には虫の音しかしなかった……
それからしばらく僕は何も手に付かなかった。
妖気にあてられたのだろうと皆が心配してくれたのだがそれが理由じゃないことは僕自身が分かっていた。
「○○ーおはよーなのだー」
久しぶりに聞く元気な声。
宵闇の妖怪、ルーミアだ。
以前けがをしているところを助けてから仲良くなりよくうちに遊びに来てくれる。
でも最近は何か用事でもあったのか姿を見かけなかった。
「どーしたの? ○○元気ないよ?」
ルーミアには話してもいいかなという気持ちになり、月夜の晩、月の水面で遊ぶ姫君のことを話した。
未だに鮮明に思い出せる。長い絹糸のような髪、幾年を重ねた紅玉のような瞳、闇よりも暗い漆黒のドレス……
どうやらかなり真剣に話しこんでしまったようだ。
ルーミアを見ると彼女らしくないすごく真剣な顔で僕に問いかけてきた。
「……○○はその人のことが好きなのかー?」
僕の答えは決まっていた――
「……うん、一目ぼれなんだと思う。会えるならまた月の晩、湖で」
じっと、時が過ぎるのも忘れ彼女を見つめていたい――
「……そーなのかー」
ふとルーミアに悲しげな表情が浮かんだ気がするが、すぐにいつもの笑顔に戻ると
「また、会えるといいね」
可愛らしい笑顔を見せてくれた。
何故かルーミアの笑顔が彼女の笑顔の面影があることに僕は気が付いた――
うpろだ1453
───────────────────────────────────────────────────────────