ここは幻想郷で唯一の梅ノ木が咲いているところ。
ここには○○という一人の男が梅ノ木を世話していた。
これはとある日のこと
○○「今日もいい天気だな~」
???「そうね~」
○○「誰ですか?そこにいるのは?」
近くの草むらから西行寺家のお嬢様、西行寺幽々子が出てきた。
なぜお供の魂魄妖夢をつれていないのだろう?
幽々子「あなたが育てたこの梅ノ木も立派になったわね~」
○○「そうですね。幽々子さんたちのおかげですよ」
最近この幻想郷に迷い込んだ○○は、突然現れたスキマから梅ノ木の苗を渡されたのだった。
スキマから「あなたはなかなか見所がありそうね~。どう?この梅ノ木を育ててみない?」
○○「あなたは誰なんですか?それにここはどこでどうすれば帰れるんですか?」
スキマから「私の名前は八雲 紫。ここは幻想郷。妖怪と人間の住む場所。そしてあなたはもう元の世界には戻れないわ」
○○「じゃあどうすれ「だ~か~ら梅ノ木を育ててみない?」……何でですか?」
紫「何でって……暇だからよ!最近霊夢も相手にしてくれないし。藍や橙も忙しいみたいだし…」
○○「霊夢や藍って誰ですか…でも、場所とか水や肥料の問題もありますし、まず僕が生きていけないと…」
紫「場所ならここから見えてるあの小高い丘にすればいいじゃない。たぶんあそこなら元気に育つわ。
しかも、ちょうど良く小屋があるじゃない」
…僕は見ていた。大きなスキマから小屋が落ちてくるのを…
紫「食べ物だったらここを下っていって人間の里から分けてもらえばいいわ。この辺なら妖怪もあまり出ないみたいだし
上白沢って人に言えば食べ物や道具とかもどうにかしてもらえるわ。
○○「さいですか…」
こんな感じで僕はこの場所で梅ノ木を育てることになったのである。
幽々子「回想が長いわよ~」
○○「そうですね。少し長すぎました」
幽々子さんたちに出会ったのは、一度、鴉天狗の取材があって次の日にこの事が新聞でばら撒かれていたからだ。
その後、評判を聞きつけて幽々子さんやいろんな人がこの木を見に来た。
緑色の腋巫女からは、食べ物をもらったり、元の世界で住んでいるところが近かったらしく、話し込んだりした。
くしゃくしゃの耳をしているブレザーのウサギからは、病気になるといけないからといって永琳印の救急箱をもらった。
⑨は梅ノ木を折ろうとしたのでなぞなぞを出して追い払った。
そして幽々子さんからは、虫がつかないようにする肥料のようなものをもらったり、こうしてここで話していたりする。
不思議なのはこの梅ノ木で苗から三ヶ月で立派な木になり、今では蕾もつけている。
幽々子「この調子ならもう少ししたら花が咲くわね。」
○○「蕾もたくさんついてますし、咲いたらお花見ができますね」
そう言って幽々子さんは涎をたらしている。花より団子ですか。
こうして一時間ほど話した後唐突に幽々子さんがこう切り出してきた。
幽々子「ねぇ○○、あなたはこの梅の花が咲いた後どうするのかしら?」
○○「そうですね……梅ノ木の世話ですかね。あとはゆっくりと過ごすつもりです」
幽々子「ね、ねぇ、良かったらだけどうちの桜たちの面倒も見てもらえないかしら。もちろん三食昼寝付きで、庭師よりもいい待遇をしてあげるわ」
○○「それもいいかm「ちょっとまったー!!」
そういって話に飛び込んできたのは、妖怪クラスでトップの力を持つ、風見 幽香であった。
幽香「○○は西行寺には渡さないわよ!」
幽々子「どうしてあなたがそんな事を言えるのかしら?」
怖いですよ。お二人さん なんか殺気が立ちこもって来てますよ
幽香「なぜならうちの花たちの世話をしてもらうんだから。それに……」
なんで顔を赤くしてるんですか?
幽々子「ダメよ○○。あなたは私、この西行寺幽々子と共に、桜たちの世話をしなきゃ」
なんでこちらも顔を赤くしていて、しかも幽々子さんの名前のところを大きな声で強調しているんですか?
幽香「これはもうあれね」
幽々子「そうね。あれよね」
あれってもしかして……
幽香&幽々子「「弾幕ごっこよね!!」」
色とりどりの弾幕が展開されていく。そのうちスペルカードを使い始めて流れ弾がこっちに当たるようになり
僕は意識がなくなっていった。
どうしていたのだろう。まさか僕は死んだのだろうか。
○○「うぅ、イタタタ」
幽々子「○○大丈夫?生きてる?」
幽香「意識ある?」
目を開けると梅ノ木の下でぼくは横たわっていた。
目の前には幽香さんと幽々子さんがいた。
幽々子「良かったわ。あなたが死ぬなんて私、考えられないわ」
幽香「怪我とかしてない?ふぅ、大丈夫そうね」
○○「僕はどうしたんですか?」
幽香「あなたは私たちの弾幕の流れ弾に当たって気を失っていたのよ」
幽々子「あなたが寝ている間に私と幽香は話し合っていたんだけどね~」
○○「何を話していたんですか?」
そこで二人はまた顔を赤らめて、
二人同時に
幽々子&幽香「「あなたのことが好きなの!!」」
はい?
二人が俺を好き?
なぜ?why?
幽々子「だからあなたに私か幽香をどちらかを選んでほしいの」
選ぶ?僕が?幽々子さんか幽香さんを?
幽香「さぁどっちを選ぶ?私?西行寺?」
そして僕が選んだのは……
続く?
一応幽香エンド…
○○「幽香さんだよ」
幽香「本当なの?私でいいのね…」
○○「ああ、俺は幽香のことを愛している」
幽々子「そうなの…妖夢帰るわよ」
妖夢「わ、待ってください幽々子様~」
幽々子「○○、あなたに一言だけ言っておくわ。例え自らと存在が違おうとも愛することは永遠にできるのよ」
○○「わかりました。俺は永遠に幽香さんを幸せにすることを誓います!!」
幽香「○○…」
幽々子「そのいきよ。もし間違っても白玉楼に来たら消滅させるから。ふふふh」
幽々子さんその笑顔でそれを言うのは反則だと思います
幽々子さんと妖夢はそのまま宙に浮き、飛んでいった
幽香「そうね。白玉楼なんかに○○は行かせないわ」
○○「幽香…」
幽香「さぁ早く帰りましょう?私たちの家へ」
そういって幽香は手を差し伸べてきた
俺はその手をやさしく手に取る
○○「ああ、帰ろっか」
二人はその手を離さぬようにしっかりとつないだ
…二度とその手が離れぬように…
13スレ目>>201 うpろだ962、1001
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少女は幸せだった。
端から見たらさぞかし不気味だったんだろうが・・・・それでも少女は幸せだった。
そう、目の前に飾られている雛人形を見るだけで。
―――今日は雛祭り。
人形師である私は当然、自分で雛人形を造り、自分で飾る。
毎年のことである。
だけど、今年はデザインを変えた。
そう、お雛様と、・・・・・お内裏様を。
お雛様を・・・・・私、お内裏様を・・・・・・○○に。そう、似てるようにデザインした。
少女趣味にも程があるのは自覚している。
でも、やっぱり見ているだけで幸せになれる。自分でもまさか、これほど効力があるとは思っていなかった。
ほんの、ちょっとしたアイデアというか、・・・・・・そんな感じだったのに。
―――○○は最近、幻想郷に迷い込んできたらしい。
第一発見者は魔理沙。森の木の上で昼寝している○○を見つけ、そのまま仲良くなったらしい。
そして、私にも紹介してくれた。
最初はなんだか冴えなさそうな印象だった。
けど・・・・・・・私は、いつのまにか彼にしか目が行かなくなってしまっていた。
いつからかはわからない。でも、この気持ちは紛れもなく本物だった。初めてだった。
―――ピンポーン!
「え?」
呼び鈴の音が鳴った。
どういうことだろう。今日は来客の予定なんて無かったはず・・・・・・・・
急いで窓から外を見る。するとそこには・・・・・・
「霊夢に・・・・・・魔理沙に・・・・・・○○・・・・・・・?」
「やっぱりいないんじゃないか?」
呼び鈴を鳴らしても出る気配がない。
なんで俺達が、アリスの家に来ているかというと、魔理沙が突然、アリスの家でパーティーやろうぜ!とか言い出したのである。
他人の家前提なのが魔理沙らしいと言えば魔理沙らしい。
「いーや、いるはずだぜ。予定無いとか呟いてたし」
「だからってアリスの家でやらなくても」
「私の家はガラクタだらけだし、霊夢のところはもう飽きたし」
「そりゃ、あんたらがあれだけ宴会やってれば飽きるわよ・・・・・・」
「ちなみに、言うまでもなく俺の家は無理だからな?」
俺の家は森の奥のほうにあった廃屋。
不便さ全開だが、野宿よりは数倍マシである。
「仕方ない。強行突破だぜ」
「おいおい、破壊する気か?」
「出ないアリスが悪いぜ」
「やめといたほうが・・・・」
「無駄よ、○○。こうなった魔理沙は止まらないわ」
「そういうことだぜ。ほんじゃま、ちょっくら・・・・」
窓から3人をボーっと見ていると突然魔理沙の手元が光りだした。
あ、まずい!まだ雛人形が飾ったまま・・・・・!
「こ、こら!魔理沙!私はいるから、もうちょっと待ちなさい!」
窓からそう叫び、急いで雛人形を片付ける作業に入る。
だが、流石に短時間でこれだけの台や人形を片付けるのは無理だ。長引くと怪しまれる。
止むを得ず、○○の姿をしたお内裏様を上海と蓬莱に託し、隠すよう命じた。
急がないと、魔理沙にドアを破壊される・・・・
窓からアリスの声が聞こえたと思ったら、すぐ引っ込んでしまった。
何をしているのだろうか。
「やっぱりいたぜ」
「でも、あれだけ鳴らしたのに、なんですぐ出なかったんだろう?」
霊夢が答えた。
「人形でも作ってたんじゃない?今日は雛祭りだしね」
「そういや今日は雛祭りだったか。でも、なんか慌ててたようだったけど」
「魔理沙にドアを破壊されるところだったからでしょ」
ガチャリ
「・・・・・・はぁ。まったく、一体何の用よ・・・・」
何秒かした後、ドアからアリスが出てきた。
なぜか息を切らしているが。
すると、アリスを横切るように魔理沙が先に行った。
「お邪魔するぜー」
「ちょっと魔理沙、勝手に入らないでよ!」
「いつものことじゃないか」
「それとこれとはちがーう!」
そう言って、二人は家の奥のほうへ駆けていった。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
俺と霊夢は二人そろって「やれやれ」のポーズで、遅れてアリスの家の中へと入った。
「へえー。立派な雛人形だな」
家に入ると、まずそこになんとも立派な台に綺麗な装飾が施された人形達。
見入ることは間違いない。
「でも、お雛様はいるのに、なんでお内裏様がいないんだぜ?」
確かにそうだ。
主役と言っていいお内裏様がいないのには、何か理由があるんだろうか。
「う、うるさいわね・・・・えーと、その・・・・・・・・失くしたのよ」
「失くした?」
「そ、そうよ!失くしたの!」
「なんでそんなに怒ってるんだぜ・・・・」
「怒ってないわよ!・・・・・・・はぁ、それで、ここに何の用なの?」
これには霊夢が答えた。
「魔理沙がここでパーティーをしたいらしいのよ」
「はい?」
「今日は雛祭りだし、どんちゃん騒ぎやろうぜ!ってことらしいわよ。魔理沙が。」
「なんで私の家で・・・・・・・」
「かくかくしかじか・・・・・だぜ」
「便利だねぇ」
「勝手に決めないでよ・・・・・」
「どうせ、何も予定無かったんだろ?」
「そうだけど・・・・・」
「じゃあいいじゃないか。減るもんじゃないぜ。じゃ、○○、材料よろしく」
突然の名指しである。
「え、なんで俺?持ってきてるわけないだろ」
「買い物よろしくだぜ」
「自分勝手だな」
「気にしたら負けだぜ」
なんか騙された気分になりながらも、俺は一人寂しく人里へ材料の買い物に出かけることにした。
つーか、考案者なら用意しとけよな・・・・・・。
「あら?」
○○が買い物に出かけた後、突然霊夢が妙な声を出した。
もしや隠してた人形が見つかった・・・・?
隠し場所は上海と蓬莱に任せてしまったのでどこにあるかはわかってない。
「このお雛様・・・・よく見たらアリスに似てない?」
「え?」
しまった、こっちも隠しておくべきだった・・・・・
「そ、そうかしら?」
「ほら、この黒髪を金髪にして、顔をもうちょっと丸くして・・・」
「気のせいよ、気のせい」
「ん?上海と蓬莱、こんなところで何やってるんだ?」
「!?」
今度は向こうから魔理沙の声。
上海と蓬莱・・・・?
「ん?何か隠してる・・・・?」
「ああああああああああ、そ、それはダメなの!ね!」
「な、なんだ急に・・・・」
こら、上海と蓬莱、同じところで固まってたら普通バレるでしょ!
もうちょっと上手く隠しなさい!
「そうされると意地でも見たくなるぜ・・・・・」
「ダメ!これはダメなの!」
「なんでダメなんだぜ?」
「それは・・・・・・」
「別に見られたって死ぬわけじゃないでしょ?」
「霊夢、いいところにきたぜ」
「ダメ!」
「まぁまぁ、運が悪かったと思って」
霊夢に腕を掴まれる。
「やめて!」
「さーて、上海と蓬莱、吹っ飛ばされたくなかったらどいてなー」
そう言われて帰ってくる上海と蓬莱。
この臆病者ー!!
「ん・・・・・・人形?」
「人形ね」
この世から消えてしまいたい。
「あれ・・・・この人形・・・・・」
「・・・・○○・・・・・・よね・・・・・・」
この世から消えうせてしまいたい。
ごめんなさい、お母さん。私、もう無理かも・・・・・・
「アリス・・・・・お前まさか・・・・・」
「・・・・・・そうよ。魔理沙の思ってる通りよ・・・・・・○○のことが好きなの、私」
「な・・・・・・・」
下手に否定するほうが不自然だから、もう認めるしかない。
なかば、ヤケクソだ。
「なんで・・・・・・お前も・・・・・・」
・・・・・・・・・お前「も」?
「魔・・・理・・・沙・・・?」
「あ、いや、今のは違うんだぜ!言葉のアヤってやつで・・・・」
真っ赤な顔で否定されても説得力に欠けている。
「魔理沙・・・・・あんたまで○○のことが・・・・」
「うう・・・・・・」
「霊夢?あなたまでそんなこと言うんじゃ・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
ちょっと。
どんな状況よ、これ。
まさか3人・・・・・・・・?
「雛さーん、いい加減はなれてくれよ~」
魔理沙に頼まれた買い物帰り、俺は途中の道で雛さんに遭遇した。
雛さんは魔理沙の次に幻想郷で出あった人(?)だ。
その日は、迷い込んでた森でたまたま雛さんと出会い、なぜか気に入られてしまった。
雛さん曰く、「あなたの厄は数え切れないほどある。心配なの」 とのこと。
そんな、まだ俺若いのに・・・・・・この先の人生やっていけるのかな・・・
ところで、さっきの「離れてくれよ」はなんだったのかというと、
「あなたには、今、かなり大きい女難の厄がとり憑いているわ」
とか言って背中に雛さんが抱きついて離れないのである。あなたは蝉か。
それにしても、女難ってなんだろう・・・・・魔理沙辺りの話ならもう何回もそんな目に会ってるが・・・・・ちょっと違うか?
「この厄は・・・・かなり大きいし、近いわ」
「あのー、離れて欲しいんだけど」
「お気になさらず」
「重いんだけど」
頭にゲンコツがとんできた。両手には荷物を抱えているので守ることが出来ずクリーンヒット。
かなり痛い。
「レディ相手に失礼ね」
「(・・・・・・鬼だ・・・・・)」
「なんか思った?」
「めっそうもございませーん!」
なんだかんだしている内にアリスの家が見えてきた。
結局雛さんまで憑いてきてしまったけど。
「近い・・・・近いわ」
「雛さん?」
「今・・・・・あの家に入るのは危険よ」
「・・・・・・・どうしてだ?」
「危険だと脳が告げてるわ」
「でも、あの家が目的地なんだけど」
「危険よ」
「・・・・・・・どうすればいいんだ?」
「・・・・・私から離れないようにしなさい」
「この状態で行けってことかい?」
「そう」
・・・・・まぁ、客が一人増えるぐらいなら大丈夫だろう。
そう思い、俺はアリスの家へと入った。頭に雛さんを乗せて。(流石に背中に抱きつきっぱなしは疲れたらしい)
―――まず思ったこと。
・・・・・・・・・何事かと思った。
俺が買い物に出るまでは確か和気藹々(?)してたはずだった。
なのに、今のこの部屋の惨状はなんだろう。
部屋は荒れに荒れ、壁がところどころ破壊されてるわ、テーブルが壊れてるわ・・・・・まるでここで弾幕バトルが起きたみたいじゃないか。
「おーい、霊夢に魔理沙にアリス~?どこいったんだ~?」
荷物を置き、雛さんを頭に載せたまま3人を探すが、どうやらここにはいないようだ。
強盗・・・・・なわけないよな。むしろ返り討ちだろう。
となると、やはりこれは・・・・
「・・・・・・さっきまでここで弾幕勝負があったようね。それもかなり大きい」
「でも・・・・なんで突然?」
「・・・・・・・・それは自分で知りなさい。私からはなんとも言えないわ」
「・・・・?」
「(まったく、朴念仁なんだから・・・・これだから私の気持ちも・・・・・・)」
家を探し回っていると、ここから出たと思われる窓があり、その外には荒れた草や木が倒れていた。
「いくらなんでも激しすぎだ・・・・」
「まずいわね。かなりオーバーヒートしてるみたい」
「行くしかないか」
森を進み、平地を進み、湖のほとりを渡り、ようやっと、3人の影らしきものが見えてきた。
いや、よく頑張ったよ、俺。飛ばずに歩いてここまで来れるなんてさ。
というか頭の上の雛さん、あなた飛べるでしょう。
「今頃気づいたの?」
「いつのまにか違和感が無くなってたんだよ・・・・・多分明日は首と肩が筋肉痛だな・・・・・」
やれやれだ。
周囲に起こるのは旋風。砂塵。
ここだけ別世界なんじゃないかと思うほど、この3人の周囲は荒れていた。
これ以上の激しさを伴った弾幕勝負が、かつて幻想郷で起こっただろうか。
「それに・・・・しても・・・・・!」
弾幕を放ち、あるいは避けながら、3人は思い思いに叫ぶ。
「まさか・・・・・アリスや・・・・・・!霊夢までが・・・・・・!あいつのことを好きだとは・・・・思わなかったぜ・・・・・!!」
叫ぶと同時に強調するかのようにそれぞれのスペカ・技が繰り出される。
魔理沙の場合はスピード感溢れる星型弾幕だ。
だが、今のような本気モードはスピード感では表現できない。威圧感がこもっている。
「魔理沙は・・・・前から妖しいとは思ってたけど・・・・・・・・・アリスまでそうだとは思わなかったわよ!」
霊夢は魔理沙と正反対の弾幕だ。
だが、彼女の弾幕はどこまでも相手を追いかけ、確実に、致命傷とまではいかないまでも少しずつ体力を削りとる。
そして、霊夢はワープを駆使し、弾幕を寄せ付けない戦い方をする。
「こうなるとは・・・・思って無かったわ・・・・・本気で・・・霊夢や魔理沙と戦うのは・・・・・初めてよ!」
惚れた男が絡むと女は恐ろしいというのは本当のことのようだ。
アリスの弾幕は綺麗な模様美。人形師らしい、魅せ、テクニックにこだわった弾幕だ。
だが、本気が絡むと、魔理沙に勝るとも劣らないスピードの弾幕が重なってくる。
まさに、この地帯は戦争状態だった。
「す、すげえ・・・・」
岩陰に隠れながら、俺は3人の戦いを見ていた。
3人が何て言っているかは聞こえないが、完全にあそこだけ別世界だ。
あんなところに放り込まれたら、どんな妖怪も一瞬で蒸発するんじゃないだろうか?
「でも、これじゃ近づけないな・・・・雛さん、何とかできない?」
「・・・・・・・」
返事が無いと思ってたら、隅で何故かブルブル震えていた。
どうやら、弾幕勝負をしたことがある奴にしかこの恐怖はわからないらしい。
「無理よ・・・・・私でもこれ以上の厄を見たことが無いわ・・・・・・・・ものすごい量が渦巻いているわ・・・・・」
雛さんをここまで震え上がらせるとは・・・・
「それにしても、なんでこんなことになってるんだろう?」
基本的にあの3人は仲がいいはずである。
俺が買い物に出かけてから戻るまでに、何か友情破壊するような事件でもあったのだろうか。
いや、あったとしても理由がまったく考え付かない。それに、あのバトルを見ている限り相当の理由っぽい。
なんだ、一体なんだ・・・?
「○○!前!前!」
「え?」
雛さんが珍しく叫んでいた。
あれ・・・・流れ弾・・・・・?
そう認識する前に、目の前がテレビの電源が切れたように真っ暗になった、
・・・・辛うじて、俺が地面に倒れたということはわかった・・・・・。
「お、おい、あれ、○○じゃないか?」
「「え?」」
魔理沙の声に釣られて振り返ると、地上に・・・・・確かに○○がいた。
でも、地面に倒れている。
「まずい、巻き込んじまったか!」
「しまった、すっかり夢中で見えてなかったわ・・・・」
「こんなことしてる場合じゃないわ!」
・・・・後にその場の生き証人で、第三者であった鍵山 雛はこう語る。
3人がこっちに向かってくる際、そのスピードが恐ろしく速かったこと。
私も傍にいたはずなのに、思いっきり無視されてたこと。倒れた○○にしか目がいってなかった事。
まるで別人のようだった。「愛は盲目」という言葉を体の奥まで理解させられた、と。
でも、私は諦めない、と、最後に語ってくれた。雛さん頑張れ、超頑張れ。
―――あの騒動から一ヶ月。
今のあの3人と○○は・・・・・
「○○、この人形どう思う?」
「ん?ああ、綺麗に出来てるじゃないか」
「そうでしょ?だから、○○も一緒n「そんな人形なんかほっといて、○○、キノコ狩りに行こうぜ!」
「・・・・・昨日も行かなかったか?」
「気のせいだぜ」
「ちょっと魔理沙、まだ私の話は終わってないわよ!」
「人形の話なんて、聞かなくても退屈であくびが出るぜ」
「そうよ。○○は私とお茶を飲みながらゆっくり過ごしたいって言ってるじゃない」
「ふん。霊夢なんかあのAAのセリフでも吐いて勝手に一人でゆっくり過ごしとけばいいぜ」
「「「なによ!!!」」」
「はぁ・・・」
ここんところ毎日である。
いつからこうなったのやら。
またもこの騒がしい少女達は以前ほどのバトルとまではいかないまでも、また外で弾幕バトルを始めた。
流石に以前のは反省したらしい。
だが、あの日以来、俺の家にこの3人以外のお客さんが増えた。
そう、雛さんである。
「・・・・・・・」
3人が弾幕勝負をしに外へ出て行った後、無言で入ってくる。
これも、毎日のことだ。
「ああ、雛さん。今日も来たんだね」
「・・・・うん」
赤くなる雛さん。どうしたのだろうか。
「それにしても、ホント変わったよなぁ、あの3人。あそこまで活発的だったっけ?」
「・・・・・・大丈夫。今度はずっと私がいるから・・・・もうあんな危ない騒動なんかには会わせないから・・・」
「・・・・?」
ちなみに、あの騒動は当然、ブン屋の記事のネタにされた。
それ以来、どこかでひっそりと、スキマ妖怪主演の、「誰が最終的に○○とくっつくか?」賭博が行われているそうな。
それによると、意外にも鍵山 雛の相場が高いそうなのである。
果てさて・・・・・どうなるのやら。
13スレ目>>328 うpろだ975
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昼下がり。縁側で茶を啜ってたら黒猫がやってきて、俺のひざの上で欠伸をかき始めた。
春も近いぽかぽかした日だったので、一緒に昼寝するかと思い座布団を枕に横になる。
それから一時間くらい経ち、人の気配を感じてふと目を覚ます。
目の前3cmまで接近した春妖精リリー(白)がいた。
何してんだと尋ねる前にわが身を振り返る。すると胸板あたりに猫化が解けた橙が寝ぼけて俺に抱きついてた。
…なる程。寝てたらうっかり変身が解けたか。こりゃ人目引くな。
起こすのもなんなのでその態勢のままでいると、動けないのをいい事にリリー(白)までこっちに抱きついてきた。
こりゃ暖かいを通り越して暑いな。とのんびり考えていると、頭上を闇が通り過ぎていった。
丁度いいやと思いその闇を呼び止め、闇の主に戸棚の干し肉と引き換えにしばらく留まって日光を遮って貰う事にする。
三分ぐらいはじっとしていたルーミアだが、干し肉を食い終えるとこれまた俺を抱き枕にして昼寝し始めた。
…これで計三人の人外をぶらさげて昼寝してる事になる。どういう状況だ。
で、結局その日は気づいたら夜になっていた。
三人に夕食を奢り、俺のなんてことのない休日は終わりを告げたのであった。
13スレ目>>455
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春の陽気とは人や妖怪関係なしに昼寝に誘う魅力があるらしい。
川辺でうとうとしていたらにとりが寄りかかってくるし、
森で木にもたれていたらいつのまにか白黒リリー二人に挟まれていたし、
野原で大の字に寝転がっていたらいつのまにかチルノや大ちゃん等々妖精と雑魚寝していたし、
向日葵畑が見える丘で寝ていたら何故か幽香が腕ひしぎ十字固めしながら寝てるし、
ほんと、みんな寝るのが好きだなぁ
13スレ目>>456
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まぁやってきたといっても気付いたらいたというだけで幻想郷の住人のみんなからするとたまに現れる外からの迷い人なだけでしかないわけだが。
外の世界に帰ることも出来たんだけど外での生活に特に未練も無かった俺はあっさりと幻想郷に永住することを決めた。
基本的に外からの迷い人はみんな帰ってしまうのか、俺があっさりと「こっちで暮らすよ」って言った時にはみんな驚いていたのが印象的だった。
それからはいろんなことがあったが、特筆するような出来事といえば博麗神社の巫女さん、霊夢と恋人同士になったことだろう。
まぁその経緯はいつか話すこともあるかもしれない。
と軽く過去の話をしたところで現在
縁側で霊夢と一緒にお茶を飲んでいる。年寄り臭いとか言うな
「平和だなぁ……」
「平和ねぇ……」
俺の何気ない呟きにそのまんまの返答をする霊夢
「そろそろなにか異変が起こりそうな時期じゃないか?」
「縁起でもない事言うのやめてよ、めんどくさい」
「博麗の巫女がそんなことを堂々と言ってるのも問題だと思うが……」
「異変なんてない方がいいのよ。誰にとってもね」
「まぁそれもそうか……」
とまぁこんなゆるいやり取りもいつものこと。
本当に平和だなぁなんて思ってたらいつの間にか霊夢が俺の膝を枕に寝転がりだした。
男女が逆じゃないのか?普通だと俺が霊夢にしてもらう立場だと思うが……
「だらしないぞ、おい」
「いいのよ」
一体何がいいのか疑問だったが俺としても悪い気はしないし放っておこう。
そんな感じにまったりと過ごすこと30分くらいした頃
「○○さーん!」
聞き覚えのある声に見上げるとつい先日幻想郷に神社ごと引っ越してきたという守矢神社の巫女さん、東風谷早苗がやってきた。
「また来た……」
途端に不機嫌になる霊夢、別に遊びに来るくらいで怒るなよ
「ん?早苗じゃないか。どうした?」
ちなみに俺と早苗は普通に仲がいい。
つい先の異変の際に霊夢が守矢神社に殴りこんだとのことで保護者の俺としてはご迷惑をおかけしてすみませんでした的な意味で菓子折りを持ってお詫びに行った時に意気投合したのである。
お互いに外からの移住者であることが大きかったのかもしれない。
まぁ決定的だったのは
「あのですねー、今ゼ○ダやってるんですけど、ここの謎解きがよくわからないんですよ。○○さんならわかるかと思って」
……これだ。流石現代っ子、D○を取り出してずずいっと寄ってくる。
「んー、ちょっと見せてくれ。……霊夢、悪いが頭どけてくれ」
流石にこの体勢でD○やるのは辛い
「いや」
「いやってお前……いいからどけ」
「いーや」
(駄々っ子かお前は……)
そんなことを考えていると
「えい☆」(ガスッ)
いつの間に後ろに回り込んだのか、俺の膝を枕にしていた霊夢の脇腹を早苗が蹴り飛ばした。
「ぐえっ」
潰れたカエルみたいな呻き声を上げて霊夢は縁側から庭に転げ落ちていった
「れ、霊夢ー!」
「さあさあ邪魔者もいなくなりましたし」
「いや、邪魔者って……」
とりあえず早苗は俺の話を聞く気は無いらしい、というか霊夢のことはもはや眼中に無いらしい。
「まぁいいか……うーん、ここは……多分爆弾を上手く使って時間差で通るんじゃないかな?」
「そうなんですか?ちょとやってみてくださいよ」
そう言いながら何故か密着してくる早苗、近いって!というか胸当たってる!
「ちょ、近すぎだろ早苗……」
「だってこれくらい近づかないと携帯ゲームなんて画面見えませんよー」
「それもそうか」
納得したところで再開
「くぉら」(ゴスッ)
再開しようとしたら後頭部にものすごい衝撃が来た。隣を見たら早苗も頭を押さえている。
「自分の恋人が地面を転げ回ってるのに『まぁいいか』で済ませてあまつさえ他の女とイチャイチャしてるってのはどういうことよ!」
ごもっともな話です。今は反省している。
「そんなの決まってるじゃないですか」
え、早苗サン?
「何がよ」
「霊夢さんは○○さんにとって『まぁいいか』で済ませられるような存在なんじゃないですかー?」
「さ、早苗……?」
なにやら雲行きが怪しくなってきた気がしなくもない。
「どういうことかしら……?」
聞き捨てならなかったのか頬を引き攣らせながら霊夢が聞き返す。
鼻で笑いながら早苗は
「大体その程度のことで暴力を振るうような恋人なんて御免ですよねー○○さん?」
「お、俺にここで振るのか!」
どう答えろというのか、ほらー、霊夢もすごい顔で睨んでるし……
「ま、まぁ殴られるよりは殴られない方がいいのは確かだが……」
「ですよね!じゃあうちの神社に住めばいいですよ!それだったら私もわざわざ○○さんに会うためだけにここまで来る必要もなくなりますし!」
それが目的かい
「ちょっと!なに勝手なこと言ってんのよ!○○は私の恋人なのよ、それがどうしてあんたの神社に住む話になるのよ」
そらそーだ
「簡単な話ですよ。霊夢さんと○○さんが別れて私と付き合えばいいだけの話じゃないですか」
Ω<な、なんだってー!
「ふん、なにを馬鹿なことを、○○、この女に言ってあげなさいよ、俺が愛してるのは霊夢だけだって……あれ?」
「○○さん、いい機会ですから全部言いたいこと言っちゃいましょうよ、俺は今日から早苗との愛に生きるって……あら?」
「冗談じゃない、あれ以上あの場にいたら何が起こるかわかったもんじゃない……」
というわけで某ジョースター家に伝わる戦いの発想法を発動した。
まぁただ逃げただけなんだけどね!
(にゅ)「……で、どうするわけ?」
まるで図ったようなタイミングで出てくるなこの人は……
「どうするもこうするもないでしょう紫さん。今頃神社じゃ弾幕ごっこが行われてるはずでしょうしほとぼりが冷めた頃に帰りますよ」
俺のその答えに紫さんはそうじゃないというように首を振る
「そうじゃなくて、霊夢と山の神社の巫女、どっちを選ぶの?」
「核心を突きましたね」
「女ってのはいくつになっても他人の色恋沙汰ってのは大好物なのよ」
外の世界でも幻想郷でもそれは変わらないんだなぁ
「霊夢のことは大切ですよ、恋人ですしね。でも……」
「でも?」
「早苗のことも嫌いじゃない。むしろ好きだと言っていいかも知れませんね」
「あらあら」
なにが楽しいのかニヤニヤとムカつく笑いをし出す紫さん
「何が面白いんですか何が……」
「ほら、あれ」
そう言って紫さんは俺の後ろを指差した。倣って振り返るとそこには霊夢と早苗がいた。
「○○、今の話は本当なの……?」
恐ろしいまでの負のオーラを纏った霊夢と
「○○さん、嬉しいです……」
真っ赤な顔をした早苗がいた。
「え、ちょ、ちょっと待て!今の全部聞かれてたの!?紫さん?っていねぇ!」
絶対ハメられた!
「……それで、どうするの?」
「さあさあうちの神社に行きましょう!神奈子様と諏訪子様も喜びますよ!」
対照的な反応の二人だが、俺はどうしたらいいんだろう
収拾つかなくなってきたから唐突に終わり
>>うpろだ1019
───────────────────────────────────────────────────────────
正座状態の俺の頭を足蹴にしながら霊夢が言う。
「それで式はいつにします?」
早苗は早苗で頭の中が春になってるようだ。
それにしてもどうしてこうなってしまったのか。
まぁ俺が全部悪いんですけど。
あ、ありのままに説明するとこうなる
霊夢と付き合っていながら早苗のことも好きになったのがバレた。
「だ、だけどまだ早苗とはなにもしてませんよ?」
「いきなりなにを言い出してんのよあんたは」
いかん、動揺しすぎて思わず声に出してしまったようだ。
「あ、いや、あれですよ。もしかすると覗いてるかもしれない天狗や鬼にもわかりやすく……」
我ながらどういう誤魔化し方なんだか。
「それはどうでもいいんだけど、さっきも言ったようにどうするつもりなの?」
やっぱり誤魔化されてはくれませんか。
女って怖いなぁ。
「○○さん!子供は何人がいいですか!?」
早苗はもう少し落ち着いてくれ。
ともあれそろそろ真剣に話をする頃合だろう。
「とりあえず二人とも、落ち着いてくれ」
「「…………」」
え、霊夢はともかくさっきまで春爛漫状態だった早苗まで?
「まず最初に、俺が紫さんに言ったことは事実だ」
「まぁ紫に嘘は吐かないわよねあんたは、どういうわけか」
だってあの人嘘吐いてもすぐ見破るし……
「でも霊夢、お前のことが好きじゃなくなったとかそういうわけじゃないのも事実だ」
ここまでは問題ない。
ここから先を言うのがとても気が重いだけだ。
「ただ早苗のことも好きになった。それだけの話だ」
ここで弱気になると大変なことになる、出来る限り堂々と宣言した。
「そ、それだけって、あんたねぇ!」
やっぱり霊夢さんは怒りますよね。
だがまだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!
「逆に考えるんだ、好きな人が二人いてもいいやって考えるんだ(AA略」
ふ……、決まった……
さすがの霊夢もジョー○ター卿の言葉には敵うまい。
……ってあれ?
「そう……言い残す言葉はそれでいいのね……?」
ってなんでスペルカードを取り出してるんですか?
ちょ、リアルに生命の危機?
逃げようにもずっと正座だったせいで足が痺れて立ち上がれねぇ!
短い人生だったなぁ。
妖怪に殺されるんじゃなくて博麗の巫女に殺されるとは思ってませんでした。
そんなことを考えていると
「ということはあれですか?霊夢さんと○○さんの関係は解消、ってことでいいんですか?」
ここまで黙って成り行きを見守っていた早苗が爆弾発言をしやがりました。
「「……え?」」
重なる俺と霊夢の声
「だってそうですよね?そこまで怒るんですから」
「いや、あんたは腹立たないの?ハッキリと二股宣言よこれは!?」
ご尤もな話ですね
いやはや本当に申し訳ない。
「私は別に構いませんよ?だって私のことも好きだって言ってくれましたし」
なんて懐の広い……
まさに大和撫子ってやつじゃないですかね?
普段俺とマ○オカートで対戦中に嬉々として赤甲羅をぶつけてくる子とは思えん。
……あと雷で小さくなった所を狙って踏み潰しに来たりもしたな。
「で、でも、最初に付き合ってたのは私なのに……」
やっぱ納得いかないよなぁ……
だって俺が霊夢の立場でも気に食わないと思うもん
「別に霊夢さんも○○さんのことが嫌いになったわけじゃないんですよね?」
「と……当然じゃない!そもそもそうだったらこんなに怒らないわよ!」
お、なにやら雲行きが変わって来たっぽいぞ?
具体的に言うと俺にとって都合がよくなりそうな空気だ。
「ここで提案がある」
流石に全てを早苗に任せるのも当事者として情けない。
「なによ」
「二人には悪いが、少しだけ時間をくれないか?」
「時間って、どうする気よ?」
「俺が結論を出す時間だ」
「つまり私と霊夢さんのどちらを選ぶかってことですよね?」
「まぁ……そんなこと言える立場じゃないけど、そうなるな」
「「…………」」
俺の真剣な表情に二人とも考えこんでるようだ。
先に口を開いたのは早苗の方だった。
「私は構いませんよ。負ける気がしませんし」
なんでこんなに強気なんだろう。
「なっ……、わかったわよ……『私も』負けるつもりはないしね」
霊夢も対抗意識バリバリだなぁ……
「二人とも、すまん、そしてありがとう」
「いえいえ、○○さんは私の将来の旦那様ですからー♪」
「ふん、今回は許してあげるけどこれ以上「好きになった」とかいう女増やしたら今度こそ殺すわよ?」
「その辺はもう重々承知しております……」
あえて早苗の脳内妄想トークはスルー
「とりあえず今日の所は私は帰りますね。お二人とも、お邪魔しましたー」
と以外にも早苗はさっさと帰ってしまった。
「随分あっさりと帰ったなぁ……」
「気を使ってくれたんでしょ、正々堂々と勝負ってところね」
俺の何気ない呟きに霊夢が返す。
「さーてと、晩御飯の準備しようっと」
霊夢は霊夢でさっきまでの修羅場空間が嘘のようにいつもの生活に戻ったようだ。
俺は料理をする霊夢の後姿を眺めながら
どうにかして片方じゃなくて両方と付き合う方法はないかなぁなんて考えていた。
少々gdgdになった気がしなくも無いが終わり
>>うpろだ1021
───────────────────────────────────────────────────────────
少し前に、○○という男が幻想郷に迷い込んだ。
○○は幻想郷に残ることを決め、外の世界でやっていた司書の経験を生かして紅魔館の図書館に住み込みで働くこととなった。
意外なことに、ただの人間であるはずの彼のもとを訪れる人妖は多かった。紅魔館の住人は勿論のこと、図書館を訪れる魔法使いや外の世界を知る隙間妖怪、新聞記者の鴉天狗に○○と同じく外の世界からやってきた山の上の巫女。
純粋に好意を抱いているのか、ただの興味本位なのかは本人達にしか分からない。しかし、これだけ多くの人妖のと交流を持つ人間は幻想郷でも数えるほどしかいないのは事実である。
○○が過労で倒れたそうだ。
これは千載一遇のチャンスだぜ。
本を借りるとかこつけて○○にイロイロとアピールをしてみたが、鈍感なのかまったく気づいてもらえなかった。
けど、今回は状況が違う。
必死に看病をすれば○○も私の魅力に気づいて
「魔理沙が本を盗むなんて、ウソだったんだな」
「そんなホラ話信じてたのか?」
「魔理沙は俺のハートを盗んでいった。返してほしい」
「……返してもいいけど、私もついてくるぜ?」
「喜んで受け止めるよ」
「○○……」
「魔理沙……」
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という展開になるはずだ。
そうと決まれば早速実行だぜ。
ちょっかいを出す連中がいるかもしれないし、念のために媚薬でも服用させておくか。
○○が過労で倒れてしまったみたい。
鈍感なせいか今までは色仕掛けも通じなかったけど、この状況は逆にチャンスとも言えるわ。
看病し続ければいずれ○○は私に依存して、私なしでは生きられなくなるはず。
「アリス、俺、司書やめるよ」
「どうして?」
「俺、アリスに恋してるんだ。アリスなしでは生きられない。アリスの操り人形なんだ」
「……○○、ずっと一緒よ? ずっと操ってあげる」
「アリス」
「○○」
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ふふ。ふふふ。
今までみたいな人形での予行演習はもう終わり。はやいとこ既成事実を作らないと。
邪魔されるといけないし、念のために媚薬でも服用させよう。
○○が過労で倒れてしまったようね。
○○は真面目すぎるところが欠点だわ。
まあ、これで傍にいられる時間が増えるのだけれど。
「パチュリー、俺、動かない大図書館パチュリー・ノーレッジの専属司書になるよ」
「○○……」
「パチュリー……」
「こんなところで駄目よ。本が汚れちゃう……」
検閲削除
鼻血で本が汚れるところだったわ。危ない危ない。
一番近くにいるのが私とはいえ、邪魔者がこないとは限らないから、念のために媚薬でも飲ませておこうかしら。
古来より、イモリの黒焼きは媚薬に使われる。
食事などにまぜて相手に食べさせれば、相手は必ず自分の虜になるという。
「「「出来たッ!!」」」
三人の魔女はイモリの黒焼きを用いて媚薬を作り上げた。
三者三様、それぞれが自身の経験と知識を限界まで活用し、オリジナルの媚薬として昇華させたのだ。
「「「あとはこれを○○に飲ませるだけ……!!」」」
我ながら不覚だ。
司書として働いてきた経験から体力には自信があったのに、過労で倒れるなんて。
あまり知られていなが、司書という仕事は結構体力を使う。百科事典や或いはそれ以上に分厚くて重たい本を何冊も持って移動したりすることがあるからだ。
ましてやこの図書館は異様に広く、ブックトラックがないうえに未製本のものや知らない言語で書かれたものもある。
空も飛べない、魔法も弾幕も使えない。そんな俺からすれば、この図書館での業務はまさに体力勝負だというのに。
でも、倒れたおかげでいいことがあった。
パチュリーさんや魔理沙さん、アリスさんが看病してくれたことだ。男としてこれほど嬉しいことはない。外の世界にいたら、こんな経験はすることがなかっただろう。
ただ、ひとつだけ疑問がある。
三人共俺のために薬を調合してくれたが、何故か三つとも黒い液体だった。しかも揃って微妙に粉っぽかった。
だだの偶然だろうか。それとも、魔女の作る薬というのはみんなあんなものなのだろうか。
とにかく、今日はもう寝よう。
数日後。
先日復帰した○○は今までのように司書として働いていた。
この図書館にもちゃんとした分類がほしいな、といつものように呟きながら○○は本を本棚に納めていく。
「○○」
そんな○○に声をかけたのは隙間妖怪――八雲紫――だった。
「紫さん。今日も来たんですね」
「少し話したいのだけれど、いいかしら?」
「じゃあどこか適当な場所を……」
椅子がないかと○○は周囲を見渡す。
「あ、そのままでいいから」
「そうですか?」
「○○、倒れている間に何かあった?」
「何かと言われても、抽象的すぎて分かりませんよ……」
○○は首を傾げて紫を見る。
「そうね。じゃあ具体的に言うわ。永遠亭の薬師以外が調合した薬を飲んだ? それか、何か食べた?」
「ああ。それなら――」
○○は自分が倒れている間に三人の魔女が看病してくれたことを紫に伝えた。
「そう。どうせそんなことだろうとは思ったわ。それなら、責任はあの三人に押し付けても問題ないわね」
言葉と同時に紫が消える。
「ゆ――!」
紫を見失い、声を出そうとした○○だったが後ろから抱きしめられたことに驚いて声が途中で途切れた。
「いつもそうだけど、今のあなたはとても魅力的よ」
紫の手が○○の顎に添えられる。
「食べてしまいたいわ」
「え、ちょ……紫さん?」
「安心して。妖怪としてじゃなくて、女性として、あなたを食べてしまいたいの。私の言葉の意味、分かるでしょ?」
○○は唾を飲み込んだ。
「大丈夫よ。私がリードしてあげるから。あなたに本当の絶頂を教えてあげる」
紫は蠱惑的な瞳で○○を見つめ、唇を奪った。
「声なんて誰にも聞こえないわよ。さあ、力を抜いて……」
濃密にして抗いがたい妖艶な色香を醸し出しながら、紫の手が○○の下半身へするりと伸びていく。
「そこまでよ!」
「動くと撃つ!」
「待ちなさい!」
突如聞こえてきた声に○○は驚き、手にしたままだった本を落とした。
その場に乱入してきたのは、三人の魔女。
「あらあら、もう見つかってしまったのね。お楽しみはこれからだったのに」
紫はふわりと飛び上がり、三人の後ろに着地する。
「○○を攫ってもいいんだけど、それじゃあ面白くないわよね」
魔女達は既に臨戦態勢となり、紫を包囲陣を展開している。
「原因を作ったのはあなた達なんだから、なんとかしなさいよ。それじゃあね」
紫は微笑み、いつものように隙間に消えていった。
「○○、大丈夫だった?」
「○○、何かされなかった?」
「○○、変なことされなかったよな?」
頷く○○を見て三人は安堵し、それぞれに視線を送る。
「○○、今日はもう休んでていいわよ」
「え、でも……」
「「「 い い か ら ! ! ! 」」」
三人に気おされ、○○は落とした本のことも忘れて自室へ引っ込んでしまった。
山の上の巫女はそろそろ来る時間だし、どこぞの白狼天狗は境界をいじっておいたからそのうち乗り込んでくる。新聞記者はけしかけておいたから問題なし。
あとは誰を送り込んだら面白くなるかしら。
……永遠亭の姫にしましょう。薬師なんか送り込んで解決されたらたまったものじゃないわ。
ふふ……。面白くなりそうね。
あら、一番乗りは山の上の巫女のようね。
「あのー、東風谷さん」
「 さ な え 」
「あー、早苗さん」
「どうしました?」
早苗は○○の頭を撫でる。
「どうして俺は早苗さんに膝枕をされてるんですか?」
「いいじゃないですか」
早苗が○○の顔を覗き込んだことにより、二人の距離がぐっと近づく。
「……」
「……」
早苗は○○の顔を両手でがっしりと掴んだ。
「○○さん、ごめんなさい。頂きます」
「え? ちょ……!!」
早苗はうっとりとした表情で○○の唇を奪った。
「恋愛において、共通の価値観や趣味、話題というものはとても大事だと思います。その点、私は○○さんと同じ外の世界出身ですし、年齢も近いですから大丈夫ですよね」
早苗はにこやかに微笑んでみせる。
「初めて見たときから、○○さんのこと素敵だと思っていました」
肝心の○○はどういう態度を取ればいのか迷っている。先ほどの紫の行為も影響しているのだろう。
「私の能力は『奇跡を起こす程度の能力』です。ですが、私にも起こせない奇跡はあります」
「……?」
両手が離されたことを確認し、○○は立ち上がる。
「恋という名の奇跡です。けど、○○さんはその奇跡を起こしました」
「小娘が大層な口をきくものね」
突如聞こえた声に振り向けば、そこには紅魔館の主とメイド長。時間を止めて現れたのだろう。
「○○は私と愛し合う運命なのよ」
「いえいえ、お嬢様。お嬢様に人間の男は不釣合いです。ここは同じ人間である私が○○を引き受けますから」
紅魔館の権力者二人が○○に向けて手を差し伸べた瞬間、壁を突き破って白狼天狗の犬走椛と彼女を抑えようとしたであろう紅魔館の門番紅美鈴が飛び込んできた。そしてその後ろからは幻想郷最速の鴉天狗射命丸文が。
「○○さん、私と愛という名の一局を打ちませんか?」
「私があなたの心の門番になります!」
「文々。新聞の一面を私と○○さんの結婚記事で飾りませんか?」
それぞれがそれぞれを睨み、お互いを牽制する。中心人物であるはずの○○がこの場で最も浮いていた。
「殿方の扱いがなっていない人達ね」
○○はいつの間にか空を飛んでいた。蓬莱山輝夜の腕に抱かれて。
「○○、私があなたに永遠に続く快楽を教えてあげる」
輝夜の美しい黒髪が○○の頬に触れ、芳しい香りが鼻腔を刺激する。
後ろを見れば、風にたなびく輝夜の黒髪の間に青いメイド服が見え隠れする。メイド長の十六夜咲夜が猛烈なスピードで追いかけてきているのだ。輝夜は咲夜を確認すると、これだから、と小さな声で文句を言った。
「どうしたものかしらね」
「○○を見失った!?」
非常に濃い面々が集まっている○○の部屋で、パチュリーはぐったりと壁によりかかった。そしてそのまま気を失ってしまう。
今回の騒動の原因は、三人の魔女がそれぞれ調合した媚薬を○○が全て摂取してしまったことにある。○○の体内で全ての媚薬が混ざりあって異常反応を示し、○○を見た者全てが○○に惚れてしまうという効果にかわってしまったのだ。
「解決方法はあるの?」
全力で壁の修復をしている美鈴を尻目に、レミリアが魔理沙とアリスに問う。
「紫か永琳か閻魔ならなんと出来ると思うぜ」
「一週間くらいで効き目は切れると思うけど、それまで放置しておくわけにはいかないし」
「ライバルが増えるというわけね」
魔理沙とアリスはレミリアの呟きを拾ったが、今はその時ではないと判断して触れないことにした。
「解毒剤か何かはないんですか?」
早苗の問いに魔理沙とアリスは、そんなものは作っていない、とない胸を張って自信満々に答えた。
「紫はこういうことを楽しむだろうから、ちょっかいは出しても解決はしないだろうな」
「なら永遠亭ですね!」
言葉と同時に文は飛び出した。ご丁寧にも美鈴が直したばかりの壁をぶち抜いて。
「とにかく、はやく○○を見つけないとまずいぜ」
「まかせて」
アリスが胸元から取り出したのは、一枚の白紙だった。
「○○の服には私が魔法をかけた布が縫い付けてあるの。私が呪文を唱えれば、どの服を着ているか、私からみてどの方向にいるかがこの紙に浮かび上がるわ」
「アリス、それってすとーかーってやつじゃないのか?」
「完全にストーカーですね」
魔理沙の疑問に早苗が答える。
「い、今はそれどころじゃないでしょ!!」
何気なく散歩をしていると、少し前にこっちに迷い込んできた○○という青年が倒れているのを発見した。
周辺にナイフや衣類の切れ端は落ちていたから、弾幕勝負にでも巻き込まれたのだろう。勝負をしていた人物達はどこかに移動したか、弾に当たって飛ばされてしまったか。
なんにせよ、こんなところで気絶していては妖怪に食べられてしまうので、介抱するため店に連れて帰ることにした。
それにしても、なかなかいい顔をしていると思う。インドア派だと聞いていたが、その割りには体つきもいい。
あの媚薬って同性にも効果があるのね。……って、関心している場合じゃないわ。
このままだと少しまずい展開じゃないかしら?
そういう趣味の男性がいるのは理解しているし、その逆もまた然り。
けど、二人とも知り合いで片方はついさっき媚薬の効果云もあってか本気で手を出そうとした人。
そもそも、媚薬の効果であって二人にそんな趣味はないはず……よね?
ここは少し境界をいじってしまいましょう。
「お、気が付いたようだね」
「ん……ここは……」
○○が身を起こすと、そこは見たこともない店だった。店内には○○が見たことのあるものから初めて見るものまで、商品が乱雑に並べられている。
「ここは香霖堂。まあ、細かい説明は割愛させてもらうよ。散歩していたら君が気絶しているのを見つけてね。一応ここまで運んだというわけさ」
「あ、ありがとうございます」
「そのうち迎えが来るだろうから、ゆっくりしていくといい」
そう言って香霖堂の店主は店の奥に消えてしまった。
「今日はいったい何が……」
○○は今日一日の出来事を振り返る。が、一日に二度も女性に唇を奪われたことを思い出して赤面してしまった。
「なんだか凄く疲れた……」
「「○○ーー!!」」
香霖堂の入り口を吹っ飛ばして突入してきたのは魔理沙とアリスだった。アリスの背中にはぐったりとしたパチュリーがおぶられている。
「ッ、○○……、何もされなかったか……?」
息も切れ切れの魔理沙は店内の壁にもたれかかった。
「えーと、輝夜さんと咲夜さんの弾幕勝負に巻き込まれて、気が付いたらここにいた」
「「よかった……」」
魔理沙とアリスの声が重なった後、数泊遅れてパチュリーの声がかすかに聞こえてきた。
「迎えにきたようだね」
姿を消していた香霖堂の店主が盆に急須と湯飲みを載せて現れた。壊された入り口を見て一瞬顔をしかめたが、すぐに元の顔に戻る。
「やかんごと持ってこようか? いや持ってきた方がいいみたいだね」
店主は魔理沙に目配せをし、再び店の奥に消えてしまった。
「○○、本当にごめん」
突然誤りだす魔理沙に、理由が分からない○○は戸惑う。
「今日の事件の原因を作ったのは私達なの」
「この前私達が○○に飲ませた薬、覚えてる?」
アリスの言葉を引き継ぎ、ゆっくりと紡がれるパチュリーの言葉に○○は頷いた。
「○○の体内で混ざって異常な反応をしちゃったみたいなの」
「さっき紫が境界を操っておいたって言ってたから、もう心配はないと思うぜ」
「ちょっかいを出したのはからかっただけだと思うから安心して」
「あの、それで……私達がこんなことを言うのは間違ってると思うんだけど、許してくれる?」
パチュリーは責められることを覚悟して○○を見やる。
「許すも何も、看病してくれたのは嬉しかったし、なんだかんだで楽しかったから俺は構わないよ。流石に連日はいやだけど」
「「「よかった」」」
三人の魔女は揃って安堵の息をついた。
「流石に今日は疲れたぜ」
「私もよ」
「ほんと。これだけ激しく動いたのは久しぶり」
「隙間郵便の出張サービスよ~」
隙間が開き、紫が姿を現した。
「みんなお疲れさま。今日は特別に隙間を使ってみんなを自宅に送り届けてあげるわ」
「悪いな、紫」
「いいわよ。充分に楽しませてもらったから」
三人の魔女は苦笑交じりに紫を睨む。
「やーん、こわーい。○○、助けて~」
わざと甘ったるい声をだしながら、紫は○○に抱きついた。
「ちょっと、紫さん……」
「冗談よ冗談。三人共得物をしまってよ。ね? ゆかりからの お ね が い 」
紫は○○を盾にするように移動した。そこで○○から身を離し、いつもの表情に戻る
「明日は今回の騒動の終了を祝って神社で宴会よ。四人は必ず出席すること。いいわね?」
紫は四人の答えを聞かずに隙間を閉じた。
ふふふ。
また面白くなりそうね。
私が操った境界は媚薬の対象だけ。
同性への効果はなくなったけど、異性に対する効果はまだ残っているのよ。
ふふ。
フフフ……。
明日が楽しみだわ……。
─────────「
適当な時間まで○○と談笑しようと思っていたら、○○を神社へ連れて行く、と言って隙間妖怪が○○を連れていった。
正直なところ、不安でしかたがない。
媚薬の効果なのか単純に場を引っ掻き回そうとしたのかは分からないけど、昨日○○にちょっかいを出そうとしたのは事実。しかも図書館内で。
けど、任せるしか方法がなかったのも事実。
空を飛べない○○と一緒に歩く体力も、○○をおぶって神社へ向かって飛ぶという体力も私にはないわ。だからといって○○一人で神社にいかせれば、妖怪に襲われるという最悪の結果になりかねない。
昨日の媚薬騒動を解決してくれた借りもあるから、無碍に断ることも出来ない。
結局のところ、隙間妖怪が軽々しい行動に出ないことを祈るしかない。
「○○は異類婚姻譚のことを知っているかしら?」
博麗神社へ向かう道すがら、八雲紫は○○に問う。
「確か、人間と人間以外が結ばれる、っていう話でしたよね。悲劇で終わることも多いとか」
「そう。世界各地に多く頒布し、説話の類型として知られているわ。ホオリとトヨタマヒメ、白蛇伝、メリュジーヌ……」
「それで、異類婚姻譚がどうしたんです?」
○○は首を傾げて紫を見る。
「人外が多く存在する幻想郷では、異類婚姻は簡単に行うことが出来るの」
紫は○○の後ろに回り込み、手を掴んだ。
「妖怪の私と異類婚姻してみない?」
○○の耳元で、そっと、甘く甘く、情欲を込めて紫は囁いた。
「か、からかわないでくださいッ!」
昨日図書館でからかわれたのを思い出し、○○は紫から離れようとする。しかし、人間と妖怪では身体能力の差は歴然で、紫はびくともしなかった。
「冗談よ。本当、可愛い人ね」
だからみんなに好かれるのよ、という最後の言葉を飲み込んで紫は笑う。
「さあ、いきましょう」
○○を解放し、紫は歩き出だした。
本当、○○がきてから葛藤が増えたわ。○○のおかげで魔理沙が本を返しにくるようになったのはいいことだけど。
それに、館内も以前と比べて大分明るくなった。来客も増えた。
悪魔の棲む館と言われた紅魔館が明るく、来客が多いというのも妙な話だけど。
これも○○のおかげかしら……?
っと、物思いに耽っている場合じゃないわ。私もいい加減準備をしないと。
……そういえば、粉末にしたイモリの黒焼きがまだ余ってるのよね……。お酒に混ぜればバレないわよね……?
昨日解決したばかりだし、きっとみんな油断しているはずよ。昨日の今日で同じことが起きるはずがない、と。
○○と紫が博麗神社につくと、二人の巫女と上白沢慧音が宴会の準備に奔走していた。黒白の魔法使いと鬼は箒を使って戯れている。
「お、○○。来たか」
「ひさしぶりだな、○○」
「こんにちは。伊吹さん、慧音さんお久しぶりです」
「○○、久しぶりだな。っと、悪いけど私は準備で忙しいからまた後でな」
挨拶もほどほどに、慧音は巫女二人の後を追っていった。
「私のことは無視? ひどいわ。ゆかりん泣いちゃう」
紫は○○の胸に顔を埋め、泣き真似を始めた。
「何がゆかりんだよ。そんな歳でもないくせによく言うよ」
ゆっくりと振り返り、紫は発言主の萃香を見る。
「伊吹萃香さ~ん、向こうで私と少しお話ししましょうか。ねっ?」
「え、いや、その……なんだ。言葉の文ってやつだよ。分かるよな?」
「鴉天狗の新聞記者がどうしたの?」
にっこりと微笑む紫。勿論、目は笑っていない。
「た、たまには霊夢を手伝ってくるぜ!」
魔理沙は顔を引きつらせながらその場から逃げ出した。
「○○さーん、ちょっと来てくれませんかー?」
「え、あ、はい」
早苗に呼ばれたのを好機として、○○もその場から逃げ出した。
「紫」
二人が完全に離れたのを確認すると、萃香の表情が真剣なものになる。
「今日の○○、随分と雰囲気が違わないか? なんかこう……前に会ったときよりも魅力的というかなんというか……」
「あら、気づいた?」
「誰だと思ってるんだよ。お前が何かやったのか?」
「まさか」
ふっ、と笑い、紫は肩をすくめた。
「私はけしかけただけよ。原因は魔女達」
「いったい何をやらかしたんだ?」
隙間が三つ開き、それぞれの先に魔理沙、アリス、パチュリーの姿が見える。
「過労で倒れた○○に三人が媚薬入りの薬を飲ませたのよ。それが見事に混ざって妙な反応を示しちゃったみたいなの。しかも同性にも効果があるというスグレモノ。まあ、同性への効果は私がなんとかしておいたけどね」
「つまり、異性への効果は現在も継続中、と」
「そういうこと。薬に媚薬が入っていたことも○○には伏せてあるわ。それに、あの三人がそんなそんなことを説明するはずがないし」
扇で口元を覆い、紫は笑う。
「あなたも○○をからかいたいのなら、構わないのよ? 何かあったら私が何とかするから。それに、今日はワーハクタクと薬師も呼んでいるし、事情も伝えてあるから大丈夫よ」
ワーハクタクも○○に好意を抱いていたみたいだから好機と判断したみたいね、と紫は口にしなかった言葉を反芻した。
「ところで、さっきの話の続きなんだけど」
「エッ!?」
「昨日は迷惑をかけてしまってすいません」
「あ、いや、そんなに謝らなくてもいいからっ」
○○を呼んでから、早苗は何度も頭を下げて謝っている。それに対して○○は、昨日早苗に強引に唇を奪われたことを思い出していたたまれくなっていた。
「お詫びと言ってはなんですけど、これを受け取ってください」
早苗が恥ずかしがりながら胸元から取り出したのは薄い紙袋。中には紙のような薄いものが入っているようだ。
「これは?」
「見てください」
早苗に勧められて袋の中身を取り出し、○○は愕然とした。
中身は早苗の写真だった。それも、セーラー服やブレザー、メイド服などを着ている。
「あのー、東風谷さん」
「 さ な え 」
笑顔で凄みをきかせる早苗。
「――早苗さん。これは?」
「男性は異装――特に制服フェチが多いですから、頑張ってみました」
あながち間違いでもない意見を述べる早苗は恥ずかしそうにしながらも笑顔を見せる。
「……」
「……もしかして、気にいりませんでした? 靴下は白の方がよかったですか? それとも、絶対領域がないのが原因ですか?」
「あ、いや、そうじゃないけど……」
妙な方向に向かっている早苗の真面目さについていけず、○○は曖昧な返事をして誤魔化した。
「その写真、ヘンなコトに使わないでくださいよ? けど、○○さんが望むなら写真なんかじゃなくて私が直接、その……」
言葉の進行と同期して早苗の顔が赤くなる。そしてついに、顔が真っ赤になったところで早苗は境内の方へ駆け出してしまった。
「ちょ、早苗さん……!!」
呼び止めようとしたが、○○が反応した時には既に遅し。取り残された○○は誰かに見られても困るので写真をポケットに入れておくことにした。
「○○」
早苗の次に現れたのはもう一人の巫女、博麗霊夢。
「霊夢さんお久しぶりです」
「久しぶり。ところで、早苗に何か言った? 凄い勢いで走っていったけど」
「いや、俺は何も。寧ろこっちが聞きたいですよ」
「そうなの?」
まあそれは置いといて、と言いながら霊夢は○○の腕を掴んで引き寄せた。
「人手が減ったんだし、○○も手伝ってよ」
「手伝いますけど、魔理沙さんは?」
「魔理沙が手伝うなんて、それこそ異変よ。解決しない方がいい異変なのかもしれないけど」
霊夢は肩をすくめ、そんなことより準備をするわよ、と○○を引っ張る。
「そ、そんなに引っ張らないでください」
霊夢のない胸が腕に当たりそうになり、○○は気づかれないように必死で抵抗する。
「○○、どうしたの?」
○○の腕を更に引っ張る霊夢。その目は血走っており、鼻息も明らかに荒い。
「え、ええと、手を握られてると手伝えないんですけど」
「ああ、ごめんないさい」
霊夢は残念そうに手を離した。
「俺は何を手伝えばいいんです?」
「そうね……それじゃあ料理でも手伝ってもらおうかしら。味見と称したつまみ食いは駄目よ? ……私なら今すぐに食べてもいいんだけど」
最後の言葉は照れて小さくなってしまい、○○の耳には届かなかった。
まさか私の媚薬のせいでこんなことになるとは……。
というか、アリスとパチュリーも○○に気があったとは予想外だ。
しかも二人共媚薬を○○に飲ませたなんて、考えが一緒にもほどがるぜ。
類は友を呼ぶ、ってやつなのか?
まあ、考えても仕方ないか。それよりも今はこの残ったイモリの黒焼きをどうするかだ。どれくらいの人数が参加するかはわからないけど、これを酒に混ぜることくらいはできるよな……?
昨日の今日だし、みんなきっと油断してるよな。
木の幹にもたれかかる○○。そして、その正面には輝夜。昨日○○を部屋から無理矢理連れ出したように、霊夢の元から連れ出したのだ。
「○○、昨日はごめんなさい。メイドとの弾幕勝負にあなたを巻き込ませてしまうなんて、我ながら情けないわ」
輝夜は申し訳なさそうに呟き、○○の手を取った。
「○○、知っている? 身分の高い者にはその身分に伴う務めがあるということを」
「えっと、確か……ノブレス・オブリージュ……でしたよね」
「私に何か出来ることはないかと考えたの」
輝夜は○○の手を自身の胸元へと導いた。
「私に出来るのは、あなたを導くこと。あなたを永遠に続く快楽へ誘うこと」
○○を抱きしめ、輝夜は口付けをする。
「――ッ!?」
相手からの強引な口付けは、昨日の分も含めればこれで三度目。しかし、舌を絡められたのは初めて。
輝夜はそのまま○○を押し倒し、馬乗りになる。唇を離した際に唾液が糸を引いた。
「か、輝夜さん……!!」
「静かにして」
長く美しい黒髪が○○の頬を撫でる。その髪の隙間から月光が薄く差し込み、輝夜の体が淡いシルエットとなって浮かび上がった。
輝夜は強く艶かしい声で囁き、再び口付けをする。そして、器用にも片手で○○がしていたベルトをはずした。
「○○……」
「か――」
○○の唇を自身のそれで塞ぎ、片手をズボンにかける。
「姫様」
いつの間にか傍に佇んでいた従者――八意永琳――の声に輝夜は振り向く。
「どうしたの?」
冷たく、恨みの籠もった目で永琳を見た。
「○○に不満でも?」
「不満はありません。ただ、ここは野外です。それに、ここは博麗神社ですよ」
「永琳、気にしているの?」
輝夜の問いに永琳は首を激しく縦に振った。
「それとも、姫様は他人に見られたいのですか?」
一瞬呆けたような顔をした輝夜だったが、その表情はすぐに笑顔にかわる。
「そんな趣味ないわ」
手際よく○○のベルトを締めなおす輝夜。視線はずっと○○に向けられている。
「○○、この続きは今度にしましょう。あなたが望むなら、私はいつでも構わないから」
「姫様、宴会の用意が整ったようです」
「ちょうどいいタイミングね。さあ○○、行きましょう」
「昨日は永遠亭で無駄な時間を過ごしてしまいましたけど、今日はそうはいきませんよ」
輝夜の逃亡先=永遠亭と判断して○○を見失ってしまった文は、どこぞの不老不死の如く体から炎を出しそうな勢いで勝手に燃えている。
「ご苦労なことね。まあ、想像するのは自由だから、私と○○の結婚記事を書く時まで好きにさせておきましょう。そうでしょう、咲夜?」
「いえ、お嬢様に人間の男は相応しくありません。スカーレット家の名に傷をつけてしまいます。ですから、同じ人間である私が責任を持って○○を引き受けます」
意欲に満ちて燃え盛る文の視線と、たっぷりと余裕を含んだレミリアの視線が重なる。隣の咲夜はスカーレット家の名を建前にして淡々と自分の意見を紡ぐ。
「○○、私と一緒に愛の歴史をつくらないか? いや、やっぱり、私の寺子屋で愛の授業をうけないか? の方がいいか?」
少し官能的すぎるか、と呟きながら慧音は他の台詞を考えては頭をひねるを繰り返していた。
「○○さん遅いですね……。まさか、早速私の写真でそんなコトを……! もう、私がすぐ傍にいるのに……!」
早苗は自分の世界に入り込み、相変わらず顔を赤い絵の具のように真っ赤にしている。
まさか、桜の散ったこの季節に宴会とはね。まあ、花見じゃないんだから季節は関係ないけど。
それにしても、あの青巫女はなんであんなに顔を真っ赤にしているのかしら。ワーハクタクもさっきから妙なことをぶつぶつ言ってるし。
……いけないいけない。他人のことなんて気にしてる場合じゃないわ。
この予備のイモリの黒焼きをどうやって○○のお酒に混ぜるか。それが大事なのよ。
昨日の今日だから、みんな油断しているはず。予備を作っておいて正解だったわね。
今度こそ人形での予行演習は終わりよ。
「○○はどこいったんだ? せっかくいい酒が揃っているのに」
萃香は待ち遠しそうに両手で酒瓶を弄んでいる。
「そろそろ戻ってくるんじゃないかしら? ほら、噂をすればなんとやら」
紫が扇で示した方向から、輝夜と○○、そして二人につき従うようなかたちで永琳が現れた。
「「「げぇっ、永琳!!」」」
魔理沙、アリス、パチュリーの声が重なり、三人共、最悪、と言わんばかりの表情で永琳に視線を向けている。しかし、当人達はまったく気づいていない。
「人の顔を見て驚くなんて失礼ね。私は汚物でもなければバケモノでもないわよ。それとも、私がいると何か困ることでもあるのかしら?」
永琳は笑ってみせるが、目は笑っていない。明らかに事情を知っている者の目だ。
「そ、そんなことないわよ……。ね、魔理沙?」
「そそそ、そうだぜ。な、なあ、パチュリー?」
「え、ええ。な、何もやましいことなんて考えてないわよっ」
三人共笑顔で答えるが、その表情は引きつっており永琳から目をそらしている。
「じゃあ、これはいったい何なのかしらね」
扇で口元を隠す紫が片手で弄んでいるのは三つの小瓶。それも、中身は揃って黒い粉末。
「「「あッ!!?」」」
「あら、知っているの? ゆかりん詳しく教えてほしいわ」
三人の反応を見て、紫はしてやったり、といった表情で笑う。
「わ、私は何も知らないぜっ!? ぱ、パチュリーなら知ってるんじゃないのか!?」
「ななな、何言ってるの。私はあんもなの知らないわよっ!!?」
「わ、私もまったく、こ、これっぽっちも身に覚えがないわ」
「ふーん。そう。じゃあ、こうしてもまったく問題がないわけね」
紫の掌から小瓶が零れ落ちる。それを見て三人は声を上げたが、時は既に遅し。小瓶は隙間の中へ消えていった。
「さてさて。ようやく主役も全員揃ったことだし、宴会を始めましょうか」
紫はしょんぼりとしている三人の魔女に向かい、何か言うことがあるでしょ、と言葉をうながした。
「あー、えっと、その、何だ。昨日は騒動を起こして悪かった」
魔理沙は、場を引っ掻き回したお前も悪いんだぞ、という目で紫を見る。
「まあ、細かいことは抜きにして乾杯しましょう」
かんぱぁ~いっ!!
女声の中にひとつだけ混じる男声。そして声に一瞬遅れて杯のぶつかり合う音が響く。
花見の季節はとっくにすぎているが、そんなことは関係ない。
花より団子。
ただただ飲んで騒ぐだけ。
ただただ騒いで夢を見る。
「○○、飲んでるかぁ~?」
既に酒のニオイを全身から漂わせている萃香が○○の膝の上にちょこん、と座る。他の参加者は萃香を睨んでいるが、鈍感な○○は気づかずにレミリアから勧められる咲夜謹製ヴィンテージワインを味わっていた。
「はい。飲んでますよ」
「よぉーし、もっと飲め!」
萃香は近くにいた早苗の杯を奪い、中身を○○に飲ませた。
「これ、ひょっとして間接キスってやつか?」
萃香の言葉で○○の顔が赤くなる。早苗は早苗で、頼んでくれたらキス以外にも何でもしてあげます、と顔を真っ赤にしている。その姿はまさにトマトだ。
「○○、こっちのお酒も飲んでみない?」
好機と見た霊夢は飲みかけの酒が入った杯を差し出した。丁寧にも、自分が口をつけた部分を○○に向けて。
「あー、いや、その……」
「霊夢、○○はワインの方が好みなのよ」
レミリアは自分が使っていたグラスにワインを注ぎ、○○に向けて差し出した。
「「さあ!!」」
「え、えーと……」
○○は助け舟を出してもらえないかと周囲に視線を送る。
「無理矢理飲ませて急性アルコール中毒になったらどうするおつもりです?」
「その通りだ」
咲夜の言葉に慧音が同意し、二人がかわりに酒を飲みほした。
「○○、困ったことがあったら私に相談してくれよ。そ、その、なんだ……。ずっと……隣で……さ、サポートするからな?」
酒のせいなのか自身の発言のせいなのか、慧音の頬は少し赤くなっている。
「先ほどのものより上質のワインが出来ましたよ。さあ、ゆっくり味わってください」
ついさっき自分が言ったことを無視し、咲夜は○○のグラスに能力で作り上げたばかりのヴィンテージワインを注いだ。私の体を肴にしてもいいんですよ、と口にして。
「ちょっと咲夜!?」
「紅魔館の主とメイド長、ひとりの男を取り合い大喧嘩、と。いいネタですね。そして○○さんは私のものです」
写真を撮ってさらりと問題発言をする文。
「○○さん。あんな二人はほうっておいて私としっぽりと飲み明かしましょう」
文がぐいと引っ張ると、○○の腕が霊夢のなかったそれとは別のものに当たる。
「お酒の勢いに任せて、文字通り密着取材とかもアリですね」
「ちょ、ちょっと射命丸さん」
「心配しないでください。私が口ぞえをしておきますから、山での働き口は安心ですよ。ああ、専業主夫なんてのもアリですね。こどもは何人にします? サッカーの試合が出来るくらいにしましょうか」
どんどんと飛躍していく文の妄想とそれについていけない○○。
「○○はどういう女性が好みなのかしら?」
少し離れたところにいる紫の発言でその場の空気が完全に破壊された。全員が○○に向けて一斉に視線を向ける。
「確か、外では『しゅうがくりょこう』と言ったかしら? お酒を飲んだ時としゅうがくりょこうの時は好きな異性のことを暴露するのが慣わしなのよね?」
早苗は自分に向けられた紫の視線から意図を汲み取り、はい、そうです、と大きく頷いた。
「○○、教えてくれるかしら?」
参加者全員の双眸が答えろ、という色を宿して○○を見ている。
「お、俺が好きな女性は……」
○○の視線は右へ左へと面白いように動いていく。
「勿論、人間に決まっているわよね」
今まで黙って様子を見ていた輝夜が微笑んで言った。魔理沙、咲夜、早苗、霊夢はそれに同調してうんうん、と頷いている。
「○○は博識だから異類婚姻譚は知っているわよね……?」
紫が同じことを話していたとも知らず、パチュリーが異類婚姻譚の例を挙げていく。
「このまま傍観しているつもり?」
「何か問題でもあるのかしら?」
永琳の問いに答えながら紫は酒を飲む。
「いいえ。姫様のあれほど楽しそうな顔は滅多に見れるものじゃないわ」
「媚薬の効果かもしれないわよ?」
「姫様の○○への好意は以前からのもの。これは確かよ」
初耳だわ、と言いながら紫は杯に酒を注ぎ、永琳に手渡した。
「言ってないもの」
「そりゃそうようね」
二人は苦笑し、酒を呷る。
「あなたはいかなくていいの?」
「○○への好意はあるけど、姫様が抱いている感情とは別物。まあ、○○だったら悪い気はしないけど」
永琳は嬉しそうに笑い、紫の杯に酒を注いだ。
「○○が永遠亭にきたら、みんな喜ぶでしょうね」
永遠亭に限った話じゃないでしょうけど、と付け足して再び微笑む。
「そっちは混ざらなくていいの?」
「私はもう充分楽しんだわ。……まあ、もう少し先にいってもよかったんだけど」
紫はふふ、と笑い自分達の方へ向かってくる慧音のために酒を杯に注いだ。
「○○~それでお前好みの異性はこの中でいうと誰なんだ? 言ってみろよ~?」
ニヤニヤと笑いながら萃香は○○に詰め寄る。それを止めようとする者は誰もいない。全員が○○の答えを期待しているのだ。
「先に言っておくけど、みんなが好き、なんて答えはなしだからな」
ずい、とさらに詰め寄る萃香。それにあわせて他のメンバーも○○を包囲するように前に進む。
「えっと、その……」
○○は助けてもらおうと紫を見るが、紫は笑顔で手を振るだけ。両隣にいる永琳も慧音も同じ。
「さぁて、助太刀してくれるやつはいなくなったぞ。観念するんだ。安心しろ、みんなお前のことを気にいっているから、告白したくらいじゃ嫌われないさ」
萃香の言葉を聞き、○○の顔が呆けたものになる。
「俺が……気に入られている……?」
「なんだ、ひょっとして気づいていなかったのか? 鈍感なやつだな」
○○の予想外の反応に萃香は大きく笑った。
「みんな! ○○のことが気に入っている。そうだろ?」
萃香が同意を求めると、周囲の人妖達がそれぞれ肯定の意見を述べる。
「な? だから、イロイロと吐いちまえよ。おっと、酒を吐くのは勘弁してくれよ」
○○は目を閉じ、胸に手を当てて深呼吸を始めた。
「おい、ちょ、まさか本気でリバースする気じゃないだろうなッ!?」
萃香は慌てて○○から離れ、様子を伺う。十秒ほど様子を伺っていると、○○が目を開けて立ち上がった。
「言います。俺が憧れているのは――」
――(自分の嫁の名前を入れよう!)さんです!
「あらあら。爆弾発言が出たわね」
紫は片手で弄んでいた扇をぱちん、と閉じる。
「本当ね」
「さて、それじゃあいろいろと処理しようか」
紫が立ち上がるのと同時に、永琳と慧音も立ち上がった。
○○にとって、幻想郷でのこれからの生活はどうなるのかしら。
幸せなものになるのか、はたまたその逆か。
これからがすごく楽しみだわ。
うpろだ1105、1125
───────────────────────────────────────────────────────────
「なにしてんだ?」
慌てて飛び起きた。
「まっ――!」
「静かに。○○が起きちまうぜ」
魔理沙はさっきの霊夢と同じように○○の顔を覗き込む。
「あどけない顔してるなー。こうして見ると○○もかわいいな」
そして靴を脱ぐと○○の隣りに寝転がった。
「おー、お日さまのいいにおいー。こりゃ特等席だ」
「ちょ、魔理沙!」
「なんだよ、いいじゃないか。さっき霊夢だって同じようなことしようとしてたじゃないか」
「う……」
「それにまだ反対側に特等席は残ってるぜ。それじゃおやすみー」
目をつぶった魔理沙はあっという間に眠りについてしまった。一人取り残された霊夢は暫く考えた後、○○の隣りに寝転がった。
「……う、んん? そっか、少しだけってことで眠っちゃったんだっけ」
○○が目を覚ますと両脇に誰かが眠っていることに気がついた。
まだ寝ぼけたままの○○は片方の人影に手を伸ばすとゆっくりと頭を撫で始めた。
さらさらと指にからまることなく絹のような手触りに○○は傷めないようにやさしく手を動かす。
撫でられている方も心地よいのか胴に腕をまわして首をこすりつけている。まるでもっと撫でてと催促しているみたいだ。
「んぅ……ふにゃ……にぅ」
子猫のような声を聞きながら○○はだんだんと意識がはっきりしてきた。
「……そういえば今頭撫でてるの誰なんだろ?」
視線を下に向けると胴に首をこすりつけている霊夢の姿が目に飛び込んできた。
「――!?」
驚いて頭から○○は手を頭から離してしまった。
「あ……やめちゃやだ……」
顔をあげた霊夢は自分を見つめている○○に気がつき、はっきり分かるくらい顔を赤くした。
そして二人ともしばらくぴくりとも動かなかったが、おずおずと○○が口を開いた
「えっと、霊夢?」
「○○」
「な、なに?」
「今言ったことは寝言よ。深い意味はないわ」
「で、でも今は起きてるし」
「いいの! そういうことにしておくの! ……そ、それでまた撫でてほしいんだけど」
そう言い終わると○○の方に頭を向けて目を閉じてしまった。
そのしぐさに苦笑した○○は頭に手を乗せて撫で始めようとしたが、反対側から服を引っ張られるので
そちらに視線を移すとこちらも撫でてくれといわんばかりに見つめてくる魔理沙がいた。
「……魔理沙も起きてるだろ」
「何言ってるんだ? 私は眠っているぜ。そしてこれは寝言だ」
「はいはい、魔理沙も撫でて欲しいんだろ」
「ああ、頼むぜ」
○○は二人の頭に手を置くとゆっくりとやさしく撫で始めた。
(ふぁ……ただ撫でられるのになんでこんなに気持ちいいの……?)
(あぅ……のーみそとろけちまいそうだぜ……)
どこか上気した顔でごろごろと擦り寄ってくるのを見て○○はまるでわがままな子猫だなと思いながら二人が満足するまで頭を撫で続けた。
うpろだ1107
───────────────────────────────────────────────────────────
「突然ですが僕も身を固めることになりました」
「ほんと突然ね。急にどうしたの?」
「実はね、慧音様が…」
『お前も成人したんだ、生涯の伴侶を得るには丁度良い時節だな。
しかし、お前に想いを寄せる輩は人妖問わずゴロゴロしている。
誰にでも優しく接してしまうお前だからな、簡単には決められない
だろう。そこで、掟破りの一夫多妻制を採ってみないか?責任は
私が取ろう』
「慧音らしくもない爆弾発言ね…で、一夫多妻制って言うからには
正妻と側室が付き物だけど、もう決めた?」
「それなんだけどね…」
ズザザザーッ
「お前の正妻を決めると聞いて速い音速で飛んできたぜっ!」
「あややややっ、これはスクープです、文句なしの大スクープ!
そしてその話題の中心には、この私、射命丸 文がっ!」
「おぉ?久方ぶりに面白そうだから私も付き合うかねぇ~、酒の
肴にゃあちょうどよさそうだし」
「これは運命なのよ。彼の隣に立つ正妻、その名はレミリア。
永遠の紅い月、紅魔ことレミリア・スカーレット!」
「失礼ですが、お嬢様に彼は分不相応と言うもの。汚れ役として
この咲夜が出向かせていただきます(お嬢様と言えども正妻は…
譲りませんわ!)」
「パチュリー様ぁ、大丈夫ですか~?」
「喘息が何よ、太陽光が何よ、何が何でも私は彼の隣に立つの!」
「むーっ!私一人でいいのに、美鈴までどうして来るのよぅ!」
「そりゃ決まってるじゃないですか、彼の正さ…ゴホン、妹様の
お目付け役です(何回壊されても、穿たれても、私は負けません
からっ!)」
「ねぇ、人形でごっこ遊びしていても面白くないから本当の夫婦に
ならない?」
「この妖夢、半人前ですが全身全霊で愛させていただきますっ!」
「いやいや妖夢、私が彼を本当の愛の巣へと誘ってあげるのよ」
「い、いや、私は、紫様がどうしてもと仰るので…」
「隙間を弄らなくたって、あなたを虜にすることなどわけないわ。
退屈などない、刺激的な毎日にしてあげる」
「し、師匠がどうしても付き合えって言うから、えっと、その…」
「ウドンゲ、私が正妻になった暁にはあなたを彼の側室にするよう
取り計らってあげるわ。だから正妻は諦めなさい」
「イナバ、永琳、揃いも揃って主人に反旗を翻す気?私こそが彼の
正妻に相応しい姫君に決まってるじゃないの」
「ふざけろ輝夜っ!お前には絶対に渡さないんだから!正妻は私
一人でいい!」
「あら、私の夫になりたい身の程知らずな人間はこちら?いいわよ、
死ぬほど愛してあげる」
「四季さまぁ、ほんとにあたいも同行していいんですかね?」
「彼の側室になれば流石にサボることもなくなるでしょうからね。
そして何より私が正妻…」
「姉さんを側室にして私が正さ「穣子を側室にして私が正さ」」
「厄…一緒にいていくらでも取ってあげるから」
「人間~、正妻にしてくれれば毎日がテクノライフだよ~」
「せせっ、正妻ですか!?い、いけませんっ、私達まだ契っても
いないじゃないですか!ああっ、駄目ですっこんなのっ」
「あーこらこら早苗、熱暴走しないの。早苗を娶るんだったら、
私らも側室にして頂戴」
「あーうー、ケロちゃん毎日大喜び!雨がなくても外跳ね回るわ!」
「空気を呼んで参上しました。正妻にするのですね、わかります」
「こら衣玖!抜け駆けするなと何度言ったら分かるのよ!」
「妬ましい、こんなにも想われるあなたが妬ましいわ」
「おや、萃香がいるのかい?気に入った、私も付き合おう!」
「お空、お燐、私が彼を地霊殿に迎えた時はあなた達を側室に
するよう取り計らってあげるから…って、引く気ないわね!」
「そりゃあ~、当然じゃないですかぁ」
「毎日をメルトにフュージョンしたいんだもん!」
「お姉ちゃん達はほっといて…私のこと、お嫁さんにして?」
「凄く壮観な光景だな…」
「オーケー、いきなりだがこいつの正妻は私、霧雨魔理沙だ!」
『Boo!Boo!』
「やかましい!だが私もおと、もとい!女だ。側室の席も用意した。
残りの席が欲しかったら幻想郷の流儀に従い、スペルカード戦で私を
倒して行けぇぇーッ!!」
ゴッ!!←回し蹴りが綺麗に決まった音
「はぁうッッ!!」
「これで邪魔者は消えました。正妻には是非とも私を、紅美鈴を
よろしくお願いしま」
ドゴーン←賢者の石
「ウボァー」
「役にも立たない門番なんかよりも私を選びなさい。知識は豊富
だし、今なら小悪魔もついてお得よ」
「パチュリー様ぁ~、嬉しいですっ」
プシュー←ぜんそくスプレーの逆バージョン
「くぁwせdrftgyふじこ!!!!!!!??????」
「これは運命なの、私があなたの正妻になるのも、あなたが私の
夫になるのも、全て運命のうちなのよ。さぁ、愛の口付けを…」
「だぁーめ!お姉様は『手垢』つきだからバッチくていけないわ!
495年も地下にいたけど、垢のない綺麗な私がいいよね!」
「ちょっとフラン、聞き捨てならないことを言ってくれたじゃない。
どっちが偉いか教えてあげるわ」
「ふんだ!壊れちゃっても知らないからね!いきなり喰らえー!」
「妹と言えども容赦しないわ、しばらく大人しくしてなさい!」
「この咲夜、従者の経験を生かして炊事洗濯、掃除に護衛と何でも
できます。退屈も不自由もさせませんわ…」
「それだったら従者でも側室でも別にいいじゃない。そんなことは
全部人形がやってくれるし、それらを制御できる私なら言う事無しよ」
「そ、そうじゃなくて大事なのは真心ですよ!本人がやらなくちゃ
意味ないじゃないですか!幽々子様のお目付け役として続けてきた
ことを、あなたに全身全霊でぶつけます!」
「そんなのだったら、咲夜とやること大して変わらないじゃない」
「…あなた達とは、一度決着をつけるべきかしら。すみません、
少々お時間を頂きます。この埋め合わせは後で必ずしますので」
「この二人を叩きのめしてくるからお茶の用意をして待っててね」
「叶わぬ愛など全然ない!お二人が相手でも負けませんから!」
「妖夢ったら、ぶつけてどうするのかしら。壊れちゃうかもしれない
じゃない。まぁ壊れちゃったら、その時こそこちらに来て貰うのが
一番よねぇ」
「幽々子、彼はマヨヒガの我が家でこれ以上ない素晴らしい生涯を
送るのよ。貴女といえども、邪魔はさせないわ」
「西行寺様、紫様のご命令は絶対ですので。ご無礼!」
「永遠に咲かない桜の下で眠るがいいわ、亡霊の娘!」
「底なき隙間の闇の中に消えるがいいわ、紫色の妖!」
「わ、私は師匠の元で薬師として修行をしたし、輝夜様の面倒も
見てきたから、あなたの役に立てると思うの」
「あらウドンゲ、私を差し置いて下克上のつもりかしら?」
「月のイナバも随分と生意気言うようになったわねぇ。お仕置き
してあげるからそこになおりなさい」
「普段暇そうにしているお前が言うか!あー、気にしないで。要は
私が正妻になればいいんだから」
「何か言ったかしら?妹紅。邪魔はさせない、今日こそ完璧に
死なせてあげるわ」
「実はあなたは非常に重い罪を背負っています。このままいけば
地獄確定どころか、存在そのものが消滅しかねません!対処法は
只一つ、私を正妻として…」
「四季様、それじゃただの脅迫ですって!」
「えぇーい小町、邪魔はさせないわ!そこになおりなさい!」
「きゃん!きゃん!(1UP)まだ何もしてないじゃないですかぁ!」
「黙りなさい、まだってことはこれから、ってことじゃないの!」
「中立公平な閻魔を自称する癖に色気違いね。私の向日葵畑近くの
別荘にいらっしゃいな。死ぬほど愛してあげるわ。そう、末永くね…」
「こんな危険度極悪指定の妖怪に着いて行ってはいけません。稗田の
娘が書き記した求聞史紀にも書いてあったでしょう?着いて行ったら
即地獄どころか消滅確定です」
「あら、閻魔様ともあろうお方が他人の誹謗中傷とはね。丁度良い、
そこのヘタレた死に神と一緒にまとめて苛めてあげるわ。少しの間
待っていなさい、後で存分に愛してあげる」
「あんた、あたいはともかく四季さまを見下すのはいただけないねぇ」
「すみません、少々お待ちを…これより四季映姫・ヤマザナドゥの
元、被告人風見幽香の裁判を行います!」
「このカニ飾り持ちの駄目姉「この芋くさい田舎っぺな愚妹」」
「ぱっと見て分かるくらい、今のあなたは厄に塗れているわ。私と
契れば、この厄から逃れられる」
「ちょっと厄神さま、人間は今それ所じゃないんですよ。私との
テクノライフを楽しむための準備があるんで借りていきますねー」
「あやっ!駄目です駄目です、彼は私とお空の散歩、空中で夫婦の
契りを交わす…うーん、ロマンティック!」
「ごめんね、この二人をまず払いのける必要があるわ。終われば
あなたの厄も大分薄くなるはずだから。その後で、ね」
「人間、これから素敵なテクノライフの邪魔者達を吹っ飛ばすから
首を長くして待っててねー」
「むむむ、これは大ピンチですか?否!これも愛の試練、見事に
乗り切って見せましょう!待っててくださいねー」
「こら、そこの蒼白地上人!私を天人と知って彼を寝取ろうなんて
いい度胸じゃない!」
「私は風祝(かぜはふり)です!これでも現人神なんです!毎日が
エクササイズです!そっちこそ天人だって言うわりには毎日毎日
暇してばかりで、何にも仕事しちゃいないじゃないですか!」
「ああーっ、地上人のくせに言ってはいけないことを!」
「だから現人神なんですってば!」
「総領娘様、事実ですので否定は出来ません」
「やっぱり!天人だって言うのに怠け者じゃ、あの人が振り向いたり
するわけないんです!私は信仰集めに毎日忙しいんですから、愛を
囁かれる資格は十分、いえ十二分ですよ!」
「うるさいうるさーい!衣玖、あんたはどっちの味方なのよ!」
「あのお二人を相手にするとろくなことがありません。私と共に
天界へ行きませんか」
「って、シカト!?」
「こら、神の私らをシカトするとはいい度胸じゃないナマズっ子」
「ケロちゃん様はお怒りだー!ミシャグジ様もお怒りだぞー!」
「2対1、非効率的ではありますがお相手させていただきます」
「この生意気地上人!」
「この怠け者天人!」
「妬ましい…」
「まーまー、一杯やんなよパルパル。落ち着いて落ち着いて」
「誰がパルパルよ、ん…きゅう」
「さぁーて、邪魔者はいなくなった。どうだい、私と飲み明かさない?」
「こらゆーぎ!あんた私を差し置いて何やってんのさ!鬼たるもの、嘘と
ズルはいけないんだぞ!」
「どーやらアンタとは決着をつける必要があるねぇ…鬼同士。来な!」
「お空、お燐、二人とも自重しなさい!」
「さとり様のご命令とは言え、譲りませんよーだ」
「フュージョン!フュージョン!一緒にフュージョン!」
「…再教育が必要かしら。二人ともそこに座りなさい」
「お姉ちゃん達のことはほっといていいから…ほら、早く契ろ?」
「こら、こいし!あなたも抜け駆けするのやめなさい!」
「あああ…何だか収拾がつかなくなってきた」
「ねぇ」
「うん?」
「私のこと、正妻にして?あなただったら、その…構わないわ」
「えっ…」
「霊夢、抜け駆け禁止!!」
「うっさい!私の邪魔をするなら叩き潰すまでよ!」
『死ねよやぁー!!』
「…はぁ。決まらないなぁ…」
幻想郷縁起・異変の項目に追加
神社崩壊変
某月某日、博麗神社に幻想郷の名だたる人間と妖怪達が殺到。
それから程なくして、同神社の半径百メートルが弾幕の嵐に
見舞われたという異変である。その騒ぎは通常の異変ならば一日で
終わる(※1)と思われたが、予想を裏切り三日三晩続いた(※2)。
被害は人里へは及ばず大したことはなかったが博麗神社が倒壊、
現在有志の元復旧工事が行われている(執筆終了後の現在復旧完了)。
嵐の中心にいたのは、湖近辺にそびえる紅い館の主でも冥界の
亡霊達が地獄へ旅立つ瞬間までを過ごす楼閣の亡霊嬢でもなく、
竹林の奥にある屋敷の姫君でもない。鬼でもなければ天界の天人
でもなく、妖怪の山にある神社の神でもなければ地底にある殿堂の
姉妹でもない(※3)。
寺子屋の上白沢氏の弟子である。
彼が直接何かをしたわけではなく、成人したことから身を固める
ことを氏から勧められたと博麗の巫女に語った際、その会話に前途の
彼女達が反応、大集合となった。
当然丸く収まるはずもなく、彼女達の激情が神社の境内のいたる
ところで炸裂、大喧嘩に発展。スペルカード戦に則って決闘開始、
そして今回の異変に至った(※4)。
上白沢氏の弟子の所在は現在不明(※5)、調査中とのこと。異変の
詳細を詳しく知る意味でも、彼の安否が気遣われる。
※1)
長続きしないところから異変を起こした張本人は余程の暇人と推察。
※2)
やはり暇人の集まりである。その能力をもっと有用なことに使うと
言う選択肢はないのだろうか?
※3)
これだけ並べられるほどの要注意人物、妖怪がいるということ。
※4)
恋は盲目、近所迷惑とはまさにこのことである。
※5)
決闘に使用される流れ弾に被弾した可能性がある。最悪死もありうるが。
「お待たせしました、夕飯の時間ですよ」
「ごめんね阿求さん、突然押しかけちゃったりして…」
「いえいえ、困ったときはお互い様ですから」
(このまま信頼を勝ち取っていけば彼と契るところまで…うふふふ)
…この後彼の気配を嗅ぎ取った少女達が稗田邸に押しかけてきて
ますますグダグダになるのは言うまでもないであろう。
新ろだ23
───────────────────────────────────────────────────────────
「ふぁ……」
夏の終わりを感じさせるような柔らかな日差し、秋の冷たい風が吹き抜ける博麗神社。
縁側に座る青年は欠伸を隠すことなく、目の端に涙を浮かべながらボンヤリとしている。
「あら、頭の中はすっかり春ね」
艶やかな黒髪に赤いリボン、特徴的な巫女服に実を包む少女が両手に湯飲みを持ち、青年の隣に座る。
ここ――博麗神社の巫女である博麗霊夢。
霧雨魔理沙と並ぶちょっとした有名人。
「ありがと……ふぁ……」
「この陽気じゃあ仕方ないわね……ふぁ……」
欠伸は移るというが、移ったようだ。
霊夢は目を細め、○○と言う青年を見る。
―事故で迷い込んでしまったらしい。
―どうもこの青年は眠るのが好きらしい。スキマ妖怪と気が合いそうだ。
―料理も趣味でするらしい。趣味の域をでないよ、ははは。というのは本人の談。
―ボンヤリとしている。
―見様によっては“頼りないお兄ちゃん”に見える。
「……霊夢、どしたの?」
「ううん、何でもないわ」
二人同時にお茶をズズッと。
「あ~お茶が美味しい」
目を細め○○
「お茶が美味しいわ」
同じく目を細め霊夢。
駄目だこいつら。早くなんとかしないと。
「こんにちわ~」
「早苗ちゃんこんにちわ」
傍目から見てもボンヤリとしていると分かる、○○の声。
「あら、何か用?」
「はい。大切な用事です。」
心なしか早苗の目に炎が灯っている。
「一体何かしら」
巫女の勘と言うべきか。その目は鷹のように鋭く。
「ふぁ……秋だなぁ……」
これから切って落とされるだろう巫女二人の舌戦など、まるで気にしないように独り言を呟いている。
巫女巫女が壮絶な睨み合いをしている頃、また乱入者が一人。
箒に跨る黒い帽子に黒いエプロンドレスの少女。
「邪魔するぜ……おっとぉ!」
「魔理沙もこんにちわ。今日はお客さんが多い日だなぁ~」
はい、お茶。と言い、湯飲みにお茶を注ぐ○○
「お、サンキュー」
ズズッとお茶を飲む魔理沙。
「で、コイツは一体何なんだぜ?」
「ん……何?」
相変わらず舌戦を繰り返す巫女二人を尻目に、瞼が重たくなったのかほわほわとしている○○
「まるで赤ん坊だぜ」
「俺赤ちゃんじゃないよ」
「だったらこんな時にうとうとしないぜ」
と言うのも、巫女二人が弾幕ごっこで決着をつけようとしているからだ。
「……痛ぁ……気持ち良いんだから仕方ないよ~」
もたれている柱に後頭部をぶつけ、お茶を飲む○○
「それもそうか。私も眠たくなってきたぜ……」
コテン、と○○の右太ももを枕代わりに眠り始める魔理沙。
「魔理沙も人のこと言えないね」
と、今度は左太ももに重みを感じる。
何時の間に現れたのか、八雲紫が眠っていた。
「紫様がすまない」
「こんにちわ、藍さん。こんな日ですもん。仕方ないですよ」
二人を起こさないように小声で。
お茶を淹れたいが立ち上がれず、顔の前で両手を合わせる○○
いや、良いよ、と言いたげに手で制する藍。
彼女もこの陽気にやられたのか眠たそうだ。
「それより藍さんも一眠りどうです?」
「……紫様もこの様子だ。少しくらいなら構わんだろう」
○○と背中合わせになるように座り、うつらうつらとし始める藍。
藍の膝の上には二本の尻尾を持つ黒猫がいる
「尻尾が暖かくて気持ちいい……」
この陽気を存分に吸い取った九尾の狐色の尻尾を堪能する○○
今にも瞼が閉じそうだ
「そうか……それは良かった……」
藍と○○、肩をあわせるように眠り始めた。
○○の手は魔理沙と紫の頭に乗せられている。
○○・魔理沙・紫・藍の四人が○○を中心に惰眠を貪る中、二人の巫女は弾幕ごっこを続けていた。
~~巫女巫女弾幕中~~
引き分けとなった弾幕勝負。
お互いの服は所々破けており、その若さ溢れる柔肌を見せ付けている。
二人の目には、既に満員御礼になり、眠る○○達の姿。
「…………!?」
「…………!?」
二人同時に目を見開いたと思えば、残り一席を求めて駆け出す!
二人から○○まで約30メートル。
霊夢は並走する早苗に目をやる。
早苗の目から燃え上がる炎を幻視する霊夢。
「(……本気のようね)」
残り20メートル
今度は早苗が霊夢に目をやる。
「(流石です。ですが渡しません)」
残り10メートル
「「はぁっ!!」」
同じタイミングでお払い棒を打ち合う二人。
二人のお払い棒がぶつかり合った箇所には火花が散る。
そんな馬鹿な。
残り5メートル
「「今度こそ!」」
互いが互いの足を引っ掛け、ガッと音が鳴り、地を抉る。
残り4メートル
ザッ!
止める事は困難なと判断したのか二人は踏みとどまる
「あら、今度こそ“弾幕”で決着をつける?」
「望むところです!」
空中に飛ぶ二人、今にも弾幕が張られようとしている。
スペルカードを取り出し、いざ……
「……ニャーン」
お燐こと、火焔猫燐が猫形態で○○の膝の上で丸くなっていた
「「( ゚д゚)……」」
「「(つд⊂)ゴシゴシ」」
「「(;゚д゚)……」」
「「(つд⊂)ゴシゴシゴシ」」
_, ._
「「(;゚ Д゚)……!?」」
「「( ゚д゚ )」」
コクリと頷き合った二人。
二人は懐からスペルカードを取り出し
「夢想封印」
「八坂の神風」
ちゅどーん!!
新ろだ36
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ある日起きると穣子が静かな顔で枕元に座っていた。
しかしその気配は殺気に満ち、下手を打てば心中せんという勢いである。
何をそこまで怒っているのかと思うが、やはり身に覚えが無い。
仕方が無いので尋ねてみるとそこで寝ている女は誰かと言う。
横を見ると何時の間に入ったのか、同じ布団で眠る天子がいた。
早急に説明をしなければ酷いことになるのは目に見えている。
既に穣子の右手には煌く何かが握られており、事の深刻性を示していた。
ここは正直に天人で以前家を壊した張本人と話すべきだろうか。
だがそう簡単に信じてもらえるとも思えない。
天子が起きて自分で説明してくれればそれが一番いいのだろうが、生憎起きる様子が無い。
考えている最中にも右手のそれは序々に近づき、胸元まで迫っている。
これはいよいよ以って終わったかと思っていると、竜宮の使いが現れた。
有り難い事に彼女は期待以上の働きをしてくれた。穣子は判ってくれたようで、泣きながら謝ってくれる。
このようなときに現れる奴は引っ掻き回すだけだろうなと半ば諦めていたが、どうやら空気を読んでくれたらしい。
胸の肉は幾らか抉れており、あと少し遅れていれば大惨事だったろう。全く背筋が凍るとはこのことか。
穣子は反動の所為か稚児のように泣いたまま胸の中で甘えている。
しかし右手にはまだ硬く鋭いものが握り締められている辺り、依然怒っているのかもしれない。
その様を竜宮略は生温かい目で見ていた。
なお天子はまだ起きていない。
無事に家からの脱出を果たす。生きているというのはそれだけで素晴らしいことだ。
家で休んでいようというのは朝方常に考えることだが、まさか早く家を出たいと願う日が来るとは露にも思わなかった。
だが朝から一波乱あった所為で仕事をする気になれない。ずっと準備中にしている。
弁当も忘れたが里中に食いに行く気力も無い。余剰の炸薬でも川に放り込んで魚を取って食っていようか。
川下の住人やら河童やらから苦情が来そうだが、常用するわけでも無し一回こっきりと思って我慢してもらおう。
さて爆薬、雷管の準備をしている時に客が来た。
準備中としているのにやって来るとはどういう了見をした連中だろうと出てみると穣子御一行であった。
曰く弁当を持ってきたということだが、今日に限っては全く嬉しくない。
持ってこられた弁当のおかずは好物が多いが、寧ろ多すぎて不安にさせる。
しかもいざ食おうとすると箸を取り上げられ、右手にいた穣子に口を開けろと半ば命令される様に言われた。
恐らくこれはよく聞く奴をやろうとしているのだろう。勘弁してくれ。
凡そ地獄のような食事であった。
凄まじい緊張感の中、一つ一つ食物が口に放り込まれる。
茶を飲むのにも穣子が椀を持つ始末で、果ては口移しで飲まされるのではなかろうかと思えた。
それを見て面白そうだと思ったのか、天子も自分の口に桃を近付けてやれ食えと言ってくる。
しかもそれが水蜜桃なのだから性質が悪い。蜜で口の周りが気持ち悪いことになった。
食事の後、天子がどこかに遊びに連れて行けとせがみ抱きついてくる。
穣子はそれを射殺さんばかりの眼光で睨みつけている。
竜略はそれらをまだ弁当を食いながらただ黙って見ている。
生きた心地が全くしない。誰か助けてくれ。
仕事があるといって何とか追い返せた。
今なら言える。神は死んだ。
帰ってみると天子が穣子の膝の上に座ってくつろいでいた。
昼の剣幕はどこへやら、穣子も顎の下などを掻いて楽しんでいる。
時折天子が穣子の胸に頬を擦り付けて気持ち良さそうな顔をしていた。
何があったのかは判らないが随分な仲の良さだ。だが険悪よりよっぽど良い。
どうしたのかは聞かないでおこう、またいらぬことを思い起こさせても厄介だ。
それよりかは戻ってきた平穏を楽しんでおこう。
夕飯を食っていると天子が片膝の上に乗ってきた。こいつは膝の上が好きなのだろうか。
何か言うのも面倒なので、自分も頭を撫でてやりながら酒を呑む。天子はどうにも気持ち良さそうに目を細めていた。
それを見ていたのだろうか穣子が脇まで寄ってくる。催促する様に頭を差し出されては撫でるより他に無い。
幾らかの間撫で続けていると、頭を膝の上に乗っけて猫の様に丸くなった。
忘れていた天子のほうを見ると、こちらも肩に顎を乗せて寝息を立てている。
多少重いが仕方が無い、随分幸せそうな顔をしているのだからこれを起こすのは酷と言うものだ。
柔らかな荷重を受け、後に来るだろう痺れを恐れながら一息に酒を呷った。
うpろだ1236
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~アリス・マーガトロイド家~
「うーむ、やっぱ酒はいいぜ。なんかこう、どうでも良くなってくるよな」
「人んちで食べ散らかす程にまでどうでも良くならないでよ魔理沙・・」
「いいじゃないか、久々に遊びに来てやったんだし、今日くらいは無礼講といこうぜ」
「・・いつもそう言ってるような気がするわ」
「ははっ、そうだっけ、覚えてないぜ」
「・・・あー、二人とも、ちょっといいか?」
「どうしたんだ○○?」
「なあに?」
「・・・何で俺まで居るんだ?」
ここに来てから、30分程経ったが、ようやく俺はツッコミを入れた。
そう、何故か俺は今、魔理沙と一緒にアリス家におじゃましているのだ。
「そこにお前が居たからだぜ」
「・・・・。」
「まあ細かい事は気にすんな。暇だったんだろ?」
「・・まあ」
俺がのんび~りと歩いてる時に遠くで魔理沙がホウキにまたがってこっち向かってるな~と思ったら
そのまま低空飛行で、すれ違いさまに俺を攫っていくのは正直どうかと思ったが
もうあえて突っ込まない事にした。いつもの事だしな。
「普通に聞こえてるぜ」
「う、うるさいな。俺は高所恐怖症なんだから本当に死ぬかと思ったぞ・・」
「あはは、あんた達ホントに仲が良いのね」
「よしてくれ。・・それより、ちとキツすぎじゃないか?これ」
「何言ってんだ、これくらいが普通だぜ、アリス、もう一本くれ」
何本目だ?魔理沙のやつ・・っていうかアリスもそれ以上魔理沙に飲ますなよと
1時間後
「なぁ~○○~」
「こ、こら、くっつくなよ魔理沙」
「キスしようぜキス」
「・・完全に出来上がってるな・・お前、酒弱いくせに呑みすぎなんだよ」
「私は強い方だぜ。ほらよ、んちゅー」
んぐ・・い、息が・・こいつ舌まで絡めてきやがった
「あ~こらぁ、魔理沙ずるいよ~」
そういいながらアリスが近づき、腕にしがみついてきた。
って、しっかりアリスまでおかしい事になってるじゃーありませんか。つか息が・・・
「ぷはっ、酒くっさ!」
「ひどいなお前・・女性に言う言葉じゃないぜ」
「じゃあ次は私が――」
「はいはいちょっとタンマ。お前らストップ!」
「なんだよ○○、せっかく盛り上がってきたってのに」
「いや盛り上がってるのはお前らだけじゃないか」
「お前も両手に花だというのに贅沢なやつだな」
ぜぇ・・ぜぇ・・このまま好きにさせると何されるか分かったもんじゃない・・
さらに1時間後
「くかー、くかー」
魔理沙のやつ、結局酒に飲まれてダウンか。
・・しかも俺の膝の上で。子供かよ
アリスの方は、さっき若干おかしかった割には今はえらく落ち着いて紅茶を飲んでいる。
「魔理沙、完全に寝た?」
「ああ、こりゃ暫く目が覚めないな。」
「そう、良かった。」
「・・?」
かちゃん。とアリスは紅茶のカップをテーブルに置き、
俺の方へと近づいてきた。
ずぃ
「ねえ、○○」
顔近っ!
「な、なんでしょうか」
「魔理沙の事、どう思ってるの?」
「・・どういう意味でしょうか。(←ビビってる時は敬語)」
突然何を言い出すのだ
「どうって言われても・・お前もやっぱり酒で・・」
「酔ってないよ。私は最初から呑んでないもの。・・呑むフリはしたけど」
「なんだ、お前って酒ダメだっけ」
「そういう訳じゃないけど、シラフでいておきたかったのよ、今日は」
「なんだそりゃ・・」
「で?」
「な、なんだよ」
「どうなの?好きなの?」
いやだから顔が近いです。
「・・・」
俺は爆睡している魔理沙をチラっと目をやって溜息を混じりつつ答えた
「・・こいつは、いつもしょーも無い事にすぐ首を突っ込んでは面倒を起こすわ、人の言うことを無視するわで
色々苦労はしているが、一度何かやると決めたら最後までやるヤツなんだ。
それはアリスも付き合い長いから分かるだろ?」
「ええ、昔からそうね、魔理沙は」
「何だろうね。興味が沸くっていうのかな、こいつの努力が最後にどう結果をもたらすか。
まあそれに付き合って苦労はしてはいるんだが、こいつと居ると退屈しないね。
・・好きかどうかはいきなり聞かれても分からん。あまりそういう風に考えた事無かったんだ」
「・・そう。」
「・・・」
そんな事を聞いてどうするのかと思ったら、
今度はまたおかしな事を聞いてきた。
「じゃあ、私と魔理沙どっちが好き?」
「はい?」
お前は何を言っているんだ。(ミルコ略)
「ま、聞くまでもないわね。あなたが魔理沙の話をした時の顔を見れば分かるわ・・」
「どんな顔だよ。」
「ふふ、爽やかな顔だったわよ」
・・そんな顔してたのか俺。
「・・ねえ、さっきの続きしていい?」
「続きってなんだ?」
「言わせる気・・?さっき私できなかったから・・」
顔を染めながら目を逸らせて言う姿を見て何の事かを把握してしまった。
「できなかったから、何だよ・・」
「・・ずるい。」
「・・・」
「な、なに呆れたような顔してるのよ、いいじゃない別に~」
「・・お前あのときからずっとシラフだったんだよな?」
「ええ♪いいチャンスだったから勢いに乗ろうと思って、ね」
「・・どうしても酒が入ってない状態でしたかったの。忘れたくないから・・。」
「・・・私の我侭、聞いてくれる?」
「うーん・・」
「ダメなら、・・無理にとは言わないわ」
「・・分かった、お前がそれで満足するなら。・・だがちょっと心の準備させてくれ。
俺も殆ど呑んでないからもう酔いが覚めて今は思いっきりシラフなんだ。」
酔った勢いなら出来てたが、シラフ同士は流石に照れくさい・・。
魔理沙には酔った時に何度かされていたから多少は慣れていたが・・
ていうか、何でこんな展開になってるんだ?
・・俺は魔理沙が本当に好きなのか?
アリスはどうだ?魔理沙ほど親しかったわけじゃないが、
今こうやって初めて二人で話してみたけど、これで前より気になってしまったかと言われて、
NOと言えば嘘になる。いやそれ以前にアリスの動きが色々とやらしいんだよ畜生。
ハッ!男なんて所詮そんなもんさ。ああ畜生。畜生だとも。
「こないならこっちから行くよ」
「え?・・んむ」
ちゅーっ
ちょ、準備できてないのにいきなり。。
ちょっと・・深いっす。アリスさん
そのままされるがまま押し倒される。
やばいな・・
こんなに気がはっきりしてる時のキスは初めてだから、
・・頭がとろけそうだー
長いキスのあと、ゆっくり口を離され、ようやく開放された。
つつーっと、口と口が糸で繋がったのが見えた。
「ん・・ありがとう・・。」
「・・・いや。」
「私ね、あなたをずっと見ていたの。でもあなたの傍にはいつも魔理沙がいた。」
人形遣いが言うと背筋がぞわぞわっとするな・・。
「・・・だから私には入り込む隙間はないって諦めてた。
けど、やっぱり気持ちはだけは伝えたかったの。」
「アリス・・。」
「あ~、なんだか、身体が火照ってきちゃった。呑んでないのに。」
・・これはやばい空気・・!
「ねえ。○○」
「お、俺、そろそろ帰るわ、夜遅いし、あ・・ははは」
「えー」
「またくるさ。今日はありがとな。菓子美味かったよ。」
「あ、コレ(魔理沙)も送ってってあげなさい。」
「え、もうこいつ起きないだろ」
「おぶってあげなさいよ、男でしょ?」
「・・いやこいつ飛べるから、目が覚めたらすぐ帰れるんじゃないか?」
「ああもう、まったく・・そんなんじゃフラれるわよ?
ま、私はそれでいいけど。ふふ」
「仕方ないな・・んしょ。・・じゃあなアリス、おやすみ。」
「またね。もしフラれたら、いつでも私の所に来てね」
「・・・アリスゥ」
「あは、冗談よ。おやすみー」
ギィーバタン
~魔法の森~
まだ半分か・・。遠いなあ。
魔理沙はいいよな、寝てるだけで起きたら自分の家だもんな。
「くかー・・んーむんに、そいつぁ、めくるめく文鎮だぜ・・」
・・何の夢見てんだ。
ったく、弱いくせに呑みすぎなんだよ、お前は。
飛べない俺にはかなり距離あるってぇのに・・・。
しかし重いなこいつ。ポケットに何かいっぱい入ってるみたいだが、それのせいか。
どうせどこからか盗んだり拾ったりした物だろうな。
・・・もうすぐか。
「うーん・・○○・・」
・・起きたか?
「・・・いつも・・ありがとな・・むにゅん・・」
・・・寝言・・か。
『何だろうね。興味が沸くっていうのかな』『こいつと居ると退屈しないね。』
『じゃあ、私と魔理沙、どっちが好き?』
『ま、聞くまでもないわね。あなたが魔理沙の話をする時の顔を見れば分かるわ・・』
『私ね、あなたをずっと見ていたの。』
だぁーーー!!
なんでさっきの会話が今、脳内再生されるんだ。。
「くー、くー」
・・お前は、どうなんだ?魔理沙。
ただの暇つぶしの友達か?
それとも・・
・・・こいつだけは本当に読めないな。
ポロッ
「あ。」
魔理沙のポケットからケースらしきものが落ちた。
カシャーン
あちゃ、落ちた衝撃でケースから色々中身が散乱しちまった。
ん、これ・・
魔理沙がヴワル図書館から本を盗んでる決定的瞬間が写ってる写真か。
はは、なさけねー 思いっきり誰かに見つかっとるやないか。
こっちは、博麗神社から饅頭を盗んでる瞬間だな。
記事にされる前にどうにかして例の鴉天狗から奪ってきたんだろうな。
ん?この写真だけ別で綺麗に紙で包まれてるな。
・・・これは、
俺と魔理沙が写ってる写真・・・か。
そういえば前に1度無理やり連れて行かれて共犯させられたな・・。
魔理沙・・・
「・・ん、寒い・・ぜ」
魔理沙が、ぎゅっと力を入れてきた。
「んぐ、苦しい・・ぜ」
喋り方がうつっちまったぜ・・
あともう少しで魔理沙の家に着く。
まずはこいつを家に放り込まなければ。
・・色々考えるのは、それからにしよう。
うpろだ1273
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「唐突だけど○○、一つ聞いていいか?」
「本当に唐突だな」
「気にするな。それで聞くが、胸は大きい方と小さい方どっちが好みだ?」
「………また随分な質問だな。何で急にそんな事聞いてくるんだよ?」
「実は今日、仕事の仲間内で貧乳派と巨乳派による論争が起きたんだ」
(………何でそんな論争が起こるんだろう?)
「そして数時間の間激しい意見のぶつかり合いとなったんだが、結局平行線のままでな」
(数時間………力を注ぐべき部分を明らかに誤ってる)
「そこで日頃から多種多様な美女美少女に接しているお前の意見を聞こうと思った訳だ」
「いや、それは個人の趣味趣向の話だから僕の意見も何もないと思うんだけど……」
「とにかく答えろ! お前が答えないと話が進まないんだ」
「強引な奴………解ったよ。でもあくまでも個人的な意見だからね? 僕は…」
友人とそんな会話をした翌日、僕は霊夢さん達に誘われて博霊神社での宴会やって来ていた。
(何でだろ、いつもの宴会の雰囲気と違う気がするぞ?)
いつものように和気藹々とした楽しい宴会。
だけど、その中に僅かながら異質な空気があった。
ピリピリしているというか何と言うか、何処となく張り詰めている気がする。
中でも特に咲夜さんや萃香、映姫様などからそれを感じる。
「○○~♪」
「おわっ……幽々子さん?」
いきなり横から衝撃を受け、持っていたコップを落としそうになる。
すぐに体勢を立て直して横を向くと、幽々子さんが僕の腕に張り付いていた。
密着と言っても差し支えないくらいにベッタリと。
「○○、楽しんでる?」
「も、もちろんですよ?」
「そう? その割には何か動揺してない?」
「そ、そんな事ないですよ?!」
そんな事ない訳がなかった。
ハッキリ言って幽々子さんはスタイル抜群だ。
もちろん素肌を見た事はないが服の上からでも十分に見て取れる。
そんな幽々子さんにこの位置で密着されれば、必然的に僕の腕が幽々子さんの豊満な胸に挟まれて……
「うふふっ♪ 嘘はいけないわよ、○○」
「ゆ、紫さん?!」
幽々子さんに色々な意味で全神経を使っていた僕だが、
突如として反対側からに新たな感触が伝わってきた。
それは幽々子さんに負けず劣らず抜群のスタイルを誇る紫さんの仕業だった。
「べ、別に僕は嘘なんかついてないですよ?」
ごめんなさい、嘘ついてます。
ただでさえ幽々子さん一人で限界だったのにこの上紫さんまでなんて。
普段からこういったスキンシップ?の多い二人だが、ここまで過激なのは初めてだった。
あっ、紫さん耳に息吹きかけないで……ゆ、幽々子さん身体を揺すらないで……
気持ちいいやら柔らかいやら温かいやらでもう何が何だか……
「あらあら、○○ったら顔が真っ赤になってるわね。具合でも悪いのかしら?」
「○○、無理をしてはいけないぞ」
「え、永琳さん?! 慧音さん?!」
意識と一緒に何か大事な物まで飛びそうになっている僕だったが、そこへさらなる追い討ちが下された。
僕の胸に顔をうずめるようにしてしがみついてくる慧音さん。
そして僕の首に手を回し、思いっきり背中に密着してくる永琳さん。
前後左右から絶え間なく襲い掛かってくる圧倒的なそれら。
もはやこれ以上まともに言葉を話せるような状態ではない。
「み、みみみ皆さん揃って一体どどどどういうつもりなんですか?!」
それでも最後の理性でもってこれだけ口にする。
まともに喋れていないが口に出せただけでも褒めてもらいたい。
いや、そもそも褒めてもらうとかそういう事じゃなくて。
自分でも何を考えてるのかよく解らなくなってきた。
「決まってるじゃない。○○の喜ぶ事をしてあげてるのよ」
限界ギリギリの僕の言葉に紫さんが笑いながら答え、
何処からともなく一枚の紙を取り出して見せてくれた。
『衝撃! 外界人○○さんは巨乳好き!?』
そんな見も蓋もない一文で始まっていたのは今日の日付の文々。新聞。
そう、驚いた事に僕が昨日友人と話していた内容が脚色されて記事になっていたのである。
射命丸さん、こんなこと記事にして一体何がしたかったんだ……
「それで○○、誰の胸が一番かしら?」
「……はっ?!」
射命丸さんのとんでもない暴挙に愕然としたものの、生憎とそれに浸っていられる余裕はなかった。
依然として僕を取り囲む4人は健在で、しかも事態は現在進行形で悪化していたのだから。
「○○は胸の大きな女性が好きなんでしょう」
「なら、○○が一番気に入った胸をしてる者が○○の恋人よね」
「○○、誰の胸が一番なんだ」
「え、そ、それは……あの、え、なんで?」
押し当てられる二対八個の凶悪兵器に思考回路はショート寸前。
もはや僕は紫さん達が何を言っているのかさえ判断できないほどの混乱に陥っていた。
そこへ紫さんからトドメの一撃が繰り出される。
「なんなら、直に触ってもいいわよ?」
「!!!!!!!!!!!!!!」
それが、意識を失う前に聞いた最後の言葉だった。
○○が気を失った瞬間、取り決めによって我慢に我慢を重ねていた平均以下の連中がついにキレた。
その隙を見計らって私は藍に事態の収拾と足止めを任せスキマを使用。
その場にいた全員を出し抜き、気絶している○○を連れてマヨヒガへと戻ってきた。
うふふ、全て計算どおりだわ。
「………ん、ここは……?」
せっかくなので○○に膝枕をし、滅多に見られない寝顔を至近距離で思う存分眺めていた私。
そうし始めてからどれくらいの時間が経っただろうか。
ようやく○○が目を覚ました。
「やっと起きたのね?」
「………ゆかりさん?」
まだ意識が覚醒しきっていないのか、半分眠っているような目で私を見つめてくる○○。
そんないつもと違うあどけなさ全開の○○に見られているだけでもうお腹いっぱいだわ。
「………………エッ?! 紫さん?!」
そのまま見詰め合っていること約十秒、○○は目を見開いて驚き私の膝から跳ね起きた。
……反射的に顔を引いて避けてしまったけど、あのままにしていれば合法的に○○とキスできたわね。
勿体ない事をしたわ。
「へ? ここは…あれ? 僕は博霊神社で宴会を……」
「落ち着きなさい○○。今から説明してあげるわ」
慌てふためく○○を見るのもいいけど、今は説明する事が先決。
私は○○の正面を向いて座り直し今回の経緯についての説明を始めた。
発端となった文々。新聞の記事の事。
それを読んで○○に対するちょっとした悪戯を思いついた事。
悪戯を実行するために宴会を仕組み、○○を招待した事。
悪戯そのものは成功だが、直後に一部の者達が暴れて宴会がメチャクチャになった事。
気絶した○○を私がスキマを使ってここまで連れてきた事。
多少都合の良いように誇張や脚色を織り交ぜたが、概ね真実を伝える。
「………酷いですよ。みんなで僕をからかって遊ぶなんて」
話を聞き終えた○○は非難するような視線を向けてそう言ってくる。
でも、○○の態度は怒っているというよりは拗ねている感じ。
そんな○○がたまらなく可愛いから、私はついつい悪ノリしてしまうのだ。
ううん、ノリなんかじゃないわね。
「○○、一つ勘違いしてるわ」
「えっ………ちょっ?!」
私はしなだれかかるようにして○○に抱きついた。
そして○○の瞳をまっすぐに見つめながら言葉を紡ぐ。
「私はね、悪ふざけだけで好きでもない男に抱きついたりはしないわ」
全ては貴方が貴方だから。
貴方と出会うまでは考えもしなかったこんなの行動。
貴方だからこそ、この大妖怪たる八雲 紫がこうやって無防備に身を委ねたりするのよ。
「ゆかりさん、それって……」
だからこそ、貴方は誰にも渡さない。
貴方と一緒にいる時に感じるこの心地よさ、温かさは私だけのもの。
ずっと傍にいてもらうってこの私が決めたんだから。
「愛してるわ、○○」
うpろだ1303
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ジョイン ジョイン トキィ
テーレッテー
・序、終
~引き続き何事も無かったかのように本編~
人里のワーハクタクこと慧音の弟子であるあいつは、何をどう
すればそうなるのかさっぱりだが人妖問わず大人気らしい。
私に言わせりゃ霊夢も真っ青なくらいのマイペース、ある意味
この美しくも残酷な幻想郷で生きてられることが一つの奇跡だ。
しかし私までもがあいつの独特な雰囲気に惹かれているのもまた
事実。ライバルは多いというか多すぎだ。恋は先手必勝、あいつに
なら私の初めてをうふ、うふ、うふふふふ…
はっ!?い、いかん、一瞬先祖がえりしかけた…
さっき慧音から聞いたがあいつは今博麗神社にいるとのことだ、
アウェー戦か、受けてたつぜ霊夢!
「れーいむー!遊びにきた…ぜぇぇっ!?」
ズザザザザー
私は勢いよくヘッドダイビングする羽目になった。何故なら…
「お、お前ら!」
「やぁ魔理沙」
「あらいらっしゃい。素敵な賽銭箱はそこよ」
「こんにちは魔理沙さん」
奴の右腕を霊夢が、左腕を早苗ががっちりホ-ルドしていた…
「…お前に一つどころか二つ三つほど聞きたいことがあるんだが」
「何だい魔理沙?」
そう応える奴の顔は憎らしいほど爽やかだ。悪意も煩悩も一切
無縁だと言わんがばかりに。ちょっとは恥らえよ。
「お前の右にいるのは霊夢だよな」
「そうだね」
「見ての通りじゃない」
「お前の左にいるのは?」
「早苗だね。守屋神社の早苗」
「私です」
単純に考えたら男どもが号泣して羨ましがりそうな光景が私の
目の前で展開されている。
私が言うのも何だが霊夢は単純に可愛いタイプで、早苗は綺麗
と可愛いが半々で同居したタイプだ。
そんな二人を侍らせているようにも見える光景は同性の男から
してみれば血涙ものの羨ましい光景、異性の私からは別の意味で
羨ましい。くそッ、先手を取られるなんて…
「今の自分の姿に疑問は無いのか?」
「別に…って、僕、何か可笑しな格好してるかな」
「至って普通ね。魔理沙じゃないけど」
「身嗜みも整ってますね」
「いや、だからな…」
これ以上禅問答のようなやり取りを続けても無意味だ。どこぞの
誰かも言っていた『欲しければ奪い取れ!』を今こそ実行する時。
そのガラ空きな膝枕は貰ったァァァァァァ!!
「邪魔するぜー!」
「あら、お客さまですか?」
「何なのよ、騒々しいわね」
げぇっ、咲夜とレミリア!そんなところにいたのかよ!背中か、
盲点だった…!結構美味しいポジション…って、そうじゃない!
こいつらまで狙ってるのか!?
「咲夜たち、寄りかかれる場所が欲しいって言うからね…」
「お恥ずかしいですわ。ところで魔理沙、騒がしいけどどうしたの?」
「魔理沙、私は今気分が最高に良いの。邪魔せず立ち去りなさいな」
そんな私のことなど気にせず、至ってマイペースで語るあたりが
実に憎たらしいぜ…いっそこのまま真っ白に燃え尽きてしまうか…
!
いあいあ、じゃない、いやいや!
ここで諦めたら何のための恋色魔法使いだ!
それにまだ膝枕のスペースはガラ空きのまま!
貰ったァァァァァ!!
ごっすん♪
「んなぁ!?」
突然私の後頭部に間抜けな効果音つきで鈍い一撃が襲い掛かった。
い、痛いぜ…しかしこんな音を出せるような攻撃方法を持っている
奴は幻想郷狭しといえど…
「何してるの魔理沙。ちょうどいい膝枕見つけたんだから、大人しく
してなさい」
「私たちの素敵な時間を邪魔しないの」
やっぱりアリスか!しかもパチュリーまでいるなんて。こいつら
まで…やはりライバルは多すぎ、しかも何でこんな一箇所に密集して
いるんだ!?
おまけに狙うべき膝枕はものの見事に二人で塞がれ、残ったのは
あの一箇所、タイトなあの部分!これはかなり恥ずかしいぜ…だが、
ここまで来たら形振り構っていられるか!
立て私!最後の力を振り絞って、最後の一箇所にダイブだ!
ススス…
ん?どこかで見たような…って、これは紫のスキマか!ええい
構うものか、行くぜ!
ひょこっ ぽふっ
「お腹は私ー」
「すわっ!?」
「おおっと、諏訪子さん?」
ひょこっ ぽふっ
「むー。駄目です祟り神さま!私もここはお気に入りなんです!」
「あっきゅんっ!?」
「わっ、阿求さんも来ちゃったの?」
な、何で関連性の無い奴らがここにいるんだよー!?しかも残る
一箇所にすっぽり収まったし!
「頭は私の枕よ。スキマから上半身出してるだけだから、邪魔には
ならないわ。おやすみ~」
「ゆあきんっ!?」
-私、霧雨魔理沙は-二度と争奪戦へは参加できなかった…。
そして何か言うべきなんだろうと思っても何も思いつかなかったため、
―そのうち私は考えるのをやめた。
(むぅ、やるわね諏訪子、阿求…そこはガマンしてたのに)ぎゅっ
(負けませんよ、霊夢さん!いい所取られちゃいましたが)ぎゅう
(やるじゃないの二人とも。でも背中ゆえの長所もあるわよ)きゅっ
(咲夜、私にも寄越しなさい。独り占めするんじゃないの)きゅ
(膝枕はアピールが楽でいいわ。暖かくて安心できるし)さわさわ
(ええと、こういう時の彼に対するアピールの仕方は…)すりすり
(ふわぁ、温かいなぁ)ふかふか
(何だか落ち着くんですよね)ふわふわ
(す~)
「どうしたのかなぁ、今日はみんな甘えん坊さんだね…」
「気のせいよ」
「気のせいです」
「何時も通りですわ」
「何時も通りね」
「何も変わらないわよ」
「変わらないわね」
「ん~♪気のせい気のせい」
「うにゃー♪そうですそうです」
「す~…」
今日も至って幻想郷は平和である…多分。
うpろだ1316
───────────────────────────────────────────────────────────
ここには○○という一人の男が梅ノ木を世話していた。
これはとある日のこと
○○「今日もいい天気だな~」
???「そうね~」
○○「誰ですか?そこにいるのは?」
近くの草むらから西行寺家のお嬢様、西行寺幽々子が出てきた。
なぜお供の魂魄妖夢をつれていないのだろう?
幽々子「あなたが育てたこの梅ノ木も立派になったわね~」
○○「そうですね。幽々子さんたちのおかげですよ」
最近この幻想郷に迷い込んだ○○は、突然現れたスキマから梅ノ木の苗を渡されたのだった。
スキマから「あなたはなかなか見所がありそうね~。どう?この梅ノ木を育ててみない?」
○○「あなたは誰なんですか?それにここはどこでどうすれば帰れるんですか?」
スキマから「私の名前は八雲 紫。ここは幻想郷。妖怪と人間の住む場所。そしてあなたはもう元の世界には戻れないわ」
○○「じゃあどうすれ「だ~か~ら梅ノ木を育ててみない?」……何でですか?」
紫「何でって……暇だからよ!最近霊夢も相手にしてくれないし。藍や橙も忙しいみたいだし…」
○○「霊夢や藍って誰ですか…でも、場所とか水や肥料の問題もありますし、まず僕が生きていけないと…」
紫「場所ならここから見えてるあの小高い丘にすればいいじゃない。たぶんあそこなら元気に育つわ。
しかも、ちょうど良く小屋があるじゃない」
…僕は見ていた。大きなスキマから小屋が落ちてくるのを…
紫「食べ物だったらここを下っていって人間の里から分けてもらえばいいわ。この辺なら妖怪もあまり出ないみたいだし
上白沢って人に言えば食べ物や道具とかもどうにかしてもらえるわ。
○○「さいですか…」
こんな感じで僕はこの場所で梅ノ木を育てることになったのである。
幽々子「回想が長いわよ~」
○○「そうですね。少し長すぎました」
幽々子さんたちに出会ったのは、一度、鴉天狗の取材があって次の日にこの事が新聞でばら撒かれていたからだ。
その後、評判を聞きつけて幽々子さんやいろんな人がこの木を見に来た。
緑色の腋巫女からは、食べ物をもらったり、元の世界で住んでいるところが近かったらしく、話し込んだりした。
くしゃくしゃの耳をしているブレザーのウサギからは、病気になるといけないからといって永琳印の救急箱をもらった。
⑨は梅ノ木を折ろうとしたのでなぞなぞを出して追い払った。
そして幽々子さんからは、虫がつかないようにする肥料のようなものをもらったり、こうしてここで話していたりする。
不思議なのはこの梅ノ木で苗から三ヶ月で立派な木になり、今では蕾もつけている。
幽々子「この調子ならもう少ししたら花が咲くわね。」
○○「蕾もたくさんついてますし、咲いたらお花見ができますね」
そう言って幽々子さんは涎をたらしている。花より団子ですか。
こうして一時間ほど話した後唐突に幽々子さんがこう切り出してきた。
幽々子「ねぇ○○、あなたはこの梅の花が咲いた後どうするのかしら?」
○○「そうですね……梅ノ木の世話ですかね。あとはゆっくりと過ごすつもりです」
幽々子「ね、ねぇ、良かったらだけどうちの桜たちの面倒も見てもらえないかしら。もちろん三食昼寝付きで、庭師よりもいい待遇をしてあげるわ」
○○「それもいいかm「ちょっとまったー!!」
そういって話に飛び込んできたのは、妖怪クラスでトップの力を持つ、風見 幽香であった。
幽香「○○は西行寺には渡さないわよ!」
幽々子「どうしてあなたがそんな事を言えるのかしら?」
怖いですよ。お二人さん なんか殺気が立ちこもって来てますよ
幽香「なぜならうちの花たちの世話をしてもらうんだから。それに……」
なんで顔を赤くしてるんですか?
幽々子「ダメよ○○。あなたは私、この西行寺幽々子と共に、桜たちの世話をしなきゃ」
なんでこちらも顔を赤くしていて、しかも幽々子さんの名前のところを大きな声で強調しているんですか?
幽香「これはもうあれね」
幽々子「そうね。あれよね」
あれってもしかして……
幽香&幽々子「「弾幕ごっこよね!!」」
色とりどりの弾幕が展開されていく。そのうちスペルカードを使い始めて流れ弾がこっちに当たるようになり
僕は意識がなくなっていった。
どうしていたのだろう。まさか僕は死んだのだろうか。
○○「うぅ、イタタタ」
幽々子「○○大丈夫?生きてる?」
幽香「意識ある?」
目を開けると梅ノ木の下でぼくは横たわっていた。
目の前には幽香さんと幽々子さんがいた。
幽々子「良かったわ。あなたが死ぬなんて私、考えられないわ」
幽香「怪我とかしてない?ふぅ、大丈夫そうね」
○○「僕はどうしたんですか?」
幽香「あなたは私たちの弾幕の流れ弾に当たって気を失っていたのよ」
幽々子「あなたが寝ている間に私と幽香は話し合っていたんだけどね~」
○○「何を話していたんですか?」
そこで二人はまた顔を赤らめて、
二人同時に
幽々子&幽香「「あなたのことが好きなの!!」」
はい?
二人が俺を好き?
なぜ?why?
幽々子「だからあなたに私か幽香をどちらかを選んでほしいの」
選ぶ?僕が?幽々子さんか幽香さんを?
幽香「さぁどっちを選ぶ?私?西行寺?」
そして僕が選んだのは……
続く?
一応幽香エンド…
○○「幽香さんだよ」
幽香「本当なの?私でいいのね…」
○○「ああ、俺は幽香のことを愛している」
幽々子「そうなの…妖夢帰るわよ」
妖夢「わ、待ってください幽々子様~」
幽々子「○○、あなたに一言だけ言っておくわ。例え自らと存在が違おうとも愛することは永遠にできるのよ」
○○「わかりました。俺は永遠に幽香さんを幸せにすることを誓います!!」
幽香「○○…」
幽々子「そのいきよ。もし間違っても白玉楼に来たら消滅させるから。ふふふh」
幽々子さんその笑顔でそれを言うのは反則だと思います
幽々子さんと妖夢はそのまま宙に浮き、飛んでいった
幽香「そうね。白玉楼なんかに○○は行かせないわ」
○○「幽香…」
幽香「さぁ早く帰りましょう?私たちの家へ」
そういって幽香は手を差し伸べてきた
俺はその手をやさしく手に取る
○○「ああ、帰ろっか」
二人はその手を離さぬようにしっかりとつないだ
…二度とその手が離れぬように…
13スレ目>>201 うpろだ962、1001
───────────────────────────────────────────────────────────
少女は幸せだった。
端から見たらさぞかし不気味だったんだろうが・・・・それでも少女は幸せだった。
そう、目の前に飾られている雛人形を見るだけで。
―――今日は雛祭り。
人形師である私は当然、自分で雛人形を造り、自分で飾る。
毎年のことである。
だけど、今年はデザインを変えた。
そう、お雛様と、・・・・・お内裏様を。
お雛様を・・・・・私、お内裏様を・・・・・・○○に。そう、似てるようにデザインした。
少女趣味にも程があるのは自覚している。
でも、やっぱり見ているだけで幸せになれる。自分でもまさか、これほど効力があるとは思っていなかった。
ほんの、ちょっとしたアイデアというか、・・・・・・そんな感じだったのに。
―――○○は最近、幻想郷に迷い込んできたらしい。
第一発見者は魔理沙。森の木の上で昼寝している○○を見つけ、そのまま仲良くなったらしい。
そして、私にも紹介してくれた。
最初はなんだか冴えなさそうな印象だった。
けど・・・・・・・私は、いつのまにか彼にしか目が行かなくなってしまっていた。
いつからかはわからない。でも、この気持ちは紛れもなく本物だった。初めてだった。
―――ピンポーン!
「え?」
呼び鈴の音が鳴った。
どういうことだろう。今日は来客の予定なんて無かったはず・・・・・・・・
急いで窓から外を見る。するとそこには・・・・・・
「霊夢に・・・・・・魔理沙に・・・・・・○○・・・・・・・?」
「やっぱりいないんじゃないか?」
呼び鈴を鳴らしても出る気配がない。
なんで俺達が、アリスの家に来ているかというと、魔理沙が突然、アリスの家でパーティーやろうぜ!とか言い出したのである。
他人の家前提なのが魔理沙らしいと言えば魔理沙らしい。
「いーや、いるはずだぜ。予定無いとか呟いてたし」
「だからってアリスの家でやらなくても」
「私の家はガラクタだらけだし、霊夢のところはもう飽きたし」
「そりゃ、あんたらがあれだけ宴会やってれば飽きるわよ・・・・・・」
「ちなみに、言うまでもなく俺の家は無理だからな?」
俺の家は森の奥のほうにあった廃屋。
不便さ全開だが、野宿よりは数倍マシである。
「仕方ない。強行突破だぜ」
「おいおい、破壊する気か?」
「出ないアリスが悪いぜ」
「やめといたほうが・・・・」
「無駄よ、○○。こうなった魔理沙は止まらないわ」
「そういうことだぜ。ほんじゃま、ちょっくら・・・・」
窓から3人をボーっと見ていると突然魔理沙の手元が光りだした。
あ、まずい!まだ雛人形が飾ったまま・・・・・!
「こ、こら!魔理沙!私はいるから、もうちょっと待ちなさい!」
窓からそう叫び、急いで雛人形を片付ける作業に入る。
だが、流石に短時間でこれだけの台や人形を片付けるのは無理だ。長引くと怪しまれる。
止むを得ず、○○の姿をしたお内裏様を上海と蓬莱に託し、隠すよう命じた。
急がないと、魔理沙にドアを破壊される・・・・
窓からアリスの声が聞こえたと思ったら、すぐ引っ込んでしまった。
何をしているのだろうか。
「やっぱりいたぜ」
「でも、あれだけ鳴らしたのに、なんですぐ出なかったんだろう?」
霊夢が答えた。
「人形でも作ってたんじゃない?今日は雛祭りだしね」
「そういや今日は雛祭りだったか。でも、なんか慌ててたようだったけど」
「魔理沙にドアを破壊されるところだったからでしょ」
ガチャリ
「・・・・・・はぁ。まったく、一体何の用よ・・・・」
何秒かした後、ドアからアリスが出てきた。
なぜか息を切らしているが。
すると、アリスを横切るように魔理沙が先に行った。
「お邪魔するぜー」
「ちょっと魔理沙、勝手に入らないでよ!」
「いつものことじゃないか」
「それとこれとはちがーう!」
そう言って、二人は家の奥のほうへ駆けていった。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
俺と霊夢は二人そろって「やれやれ」のポーズで、遅れてアリスの家の中へと入った。
「へえー。立派な雛人形だな」
家に入ると、まずそこになんとも立派な台に綺麗な装飾が施された人形達。
見入ることは間違いない。
「でも、お雛様はいるのに、なんでお内裏様がいないんだぜ?」
確かにそうだ。
主役と言っていいお内裏様がいないのには、何か理由があるんだろうか。
「う、うるさいわね・・・・えーと、その・・・・・・・・失くしたのよ」
「失くした?」
「そ、そうよ!失くしたの!」
「なんでそんなに怒ってるんだぜ・・・・」
「怒ってないわよ!・・・・・・・はぁ、それで、ここに何の用なの?」
これには霊夢が答えた。
「魔理沙がここでパーティーをしたいらしいのよ」
「はい?」
「今日は雛祭りだし、どんちゃん騒ぎやろうぜ!ってことらしいわよ。魔理沙が。」
「なんで私の家で・・・・・・・」
「かくかくしかじか・・・・・だぜ」
「便利だねぇ」
「勝手に決めないでよ・・・・・」
「どうせ、何も予定無かったんだろ?」
「そうだけど・・・・・」
「じゃあいいじゃないか。減るもんじゃないぜ。じゃ、○○、材料よろしく」
突然の名指しである。
「え、なんで俺?持ってきてるわけないだろ」
「買い物よろしくだぜ」
「自分勝手だな」
「気にしたら負けだぜ」
なんか騙された気分になりながらも、俺は一人寂しく人里へ材料の買い物に出かけることにした。
つーか、考案者なら用意しとけよな・・・・・・。
「あら?」
○○が買い物に出かけた後、突然霊夢が妙な声を出した。
もしや隠してた人形が見つかった・・・・?
隠し場所は上海と蓬莱に任せてしまったのでどこにあるかはわかってない。
「このお雛様・・・・よく見たらアリスに似てない?」
「え?」
しまった、こっちも隠しておくべきだった・・・・・
「そ、そうかしら?」
「ほら、この黒髪を金髪にして、顔をもうちょっと丸くして・・・」
「気のせいよ、気のせい」
「ん?上海と蓬莱、こんなところで何やってるんだ?」
「!?」
今度は向こうから魔理沙の声。
上海と蓬莱・・・・?
「ん?何か隠してる・・・・?」
「ああああああああああ、そ、それはダメなの!ね!」
「な、なんだ急に・・・・」
こら、上海と蓬莱、同じところで固まってたら普通バレるでしょ!
もうちょっと上手く隠しなさい!
「そうされると意地でも見たくなるぜ・・・・・」
「ダメ!これはダメなの!」
「なんでダメなんだぜ?」
「それは・・・・・・」
「別に見られたって死ぬわけじゃないでしょ?」
「霊夢、いいところにきたぜ」
「ダメ!」
「まぁまぁ、運が悪かったと思って」
霊夢に腕を掴まれる。
「やめて!」
「さーて、上海と蓬莱、吹っ飛ばされたくなかったらどいてなー」
そう言われて帰ってくる上海と蓬莱。
この臆病者ー!!
「ん・・・・・・人形?」
「人形ね」
この世から消えてしまいたい。
「あれ・・・・この人形・・・・・」
「・・・・○○・・・・・・よね・・・・・・」
この世から消えうせてしまいたい。
ごめんなさい、お母さん。私、もう無理かも・・・・・・
「アリス・・・・・お前まさか・・・・・」
「・・・・・・そうよ。魔理沙の思ってる通りよ・・・・・・○○のことが好きなの、私」
「な・・・・・・・」
下手に否定するほうが不自然だから、もう認めるしかない。
なかば、ヤケクソだ。
「なんで・・・・・・お前も・・・・・・」
・・・・・・・・・お前「も」?
「魔・・・理・・・沙・・・?」
「あ、いや、今のは違うんだぜ!言葉のアヤってやつで・・・・」
真っ赤な顔で否定されても説得力に欠けている。
「魔理沙・・・・・あんたまで○○のことが・・・・」
「うう・・・・・・」
「霊夢?あなたまでそんなこと言うんじゃ・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
ちょっと。
どんな状況よ、これ。
まさか3人・・・・・・・・?
「雛さーん、いい加減はなれてくれよ~」
魔理沙に頼まれた買い物帰り、俺は途中の道で雛さんに遭遇した。
雛さんは魔理沙の次に幻想郷で出あった人(?)だ。
その日は、迷い込んでた森でたまたま雛さんと出会い、なぜか気に入られてしまった。
雛さん曰く、「あなたの厄は数え切れないほどある。心配なの」 とのこと。
そんな、まだ俺若いのに・・・・・・この先の人生やっていけるのかな・・・
ところで、さっきの「離れてくれよ」はなんだったのかというと、
「あなたには、今、かなり大きい女難の厄がとり憑いているわ」
とか言って背中に雛さんが抱きついて離れないのである。あなたは蝉か。
それにしても、女難ってなんだろう・・・・・魔理沙辺りの話ならもう何回もそんな目に会ってるが・・・・・ちょっと違うか?
「この厄は・・・・かなり大きいし、近いわ」
「あのー、離れて欲しいんだけど」
「お気になさらず」
「重いんだけど」
頭にゲンコツがとんできた。両手には荷物を抱えているので守ることが出来ずクリーンヒット。
かなり痛い。
「レディ相手に失礼ね」
「(・・・・・・鬼だ・・・・・)」
「なんか思った?」
「めっそうもございませーん!」
なんだかんだしている内にアリスの家が見えてきた。
結局雛さんまで憑いてきてしまったけど。
「近い・・・・近いわ」
「雛さん?」
「今・・・・・あの家に入るのは危険よ」
「・・・・・・・どうしてだ?」
「危険だと脳が告げてるわ」
「でも、あの家が目的地なんだけど」
「危険よ」
「・・・・・・・どうすればいいんだ?」
「・・・・・私から離れないようにしなさい」
「この状態で行けってことかい?」
「そう」
・・・・・まぁ、客が一人増えるぐらいなら大丈夫だろう。
そう思い、俺はアリスの家へと入った。頭に雛さんを乗せて。(流石に背中に抱きつきっぱなしは疲れたらしい)
―――まず思ったこと。
・・・・・・・・・何事かと思った。
俺が買い物に出るまでは確か和気藹々(?)してたはずだった。
なのに、今のこの部屋の惨状はなんだろう。
部屋は荒れに荒れ、壁がところどころ破壊されてるわ、テーブルが壊れてるわ・・・・・まるでここで弾幕バトルが起きたみたいじゃないか。
「おーい、霊夢に魔理沙にアリス~?どこいったんだ~?」
荷物を置き、雛さんを頭に載せたまま3人を探すが、どうやらここにはいないようだ。
強盗・・・・・なわけないよな。むしろ返り討ちだろう。
となると、やはりこれは・・・・
「・・・・・・さっきまでここで弾幕勝負があったようね。それもかなり大きい」
「でも・・・・なんで突然?」
「・・・・・・・・それは自分で知りなさい。私からはなんとも言えないわ」
「・・・・?」
「(まったく、朴念仁なんだから・・・・これだから私の気持ちも・・・・・・)」
家を探し回っていると、ここから出たと思われる窓があり、その外には荒れた草や木が倒れていた。
「いくらなんでも激しすぎだ・・・・」
「まずいわね。かなりオーバーヒートしてるみたい」
「行くしかないか」
森を進み、平地を進み、湖のほとりを渡り、ようやっと、3人の影らしきものが見えてきた。
いや、よく頑張ったよ、俺。飛ばずに歩いてここまで来れるなんてさ。
というか頭の上の雛さん、あなた飛べるでしょう。
「今頃気づいたの?」
「いつのまにか違和感が無くなってたんだよ・・・・・多分明日は首と肩が筋肉痛だな・・・・・」
やれやれだ。
周囲に起こるのは旋風。砂塵。
ここだけ別世界なんじゃないかと思うほど、この3人の周囲は荒れていた。
これ以上の激しさを伴った弾幕勝負が、かつて幻想郷で起こっただろうか。
「それに・・・・しても・・・・・!」
弾幕を放ち、あるいは避けながら、3人は思い思いに叫ぶ。
「まさか・・・・・アリスや・・・・・・!霊夢までが・・・・・・!あいつのことを好きだとは・・・・思わなかったぜ・・・・・!!」
叫ぶと同時に強調するかのようにそれぞれのスペカ・技が繰り出される。
魔理沙の場合はスピード感溢れる星型弾幕だ。
だが、今のような本気モードはスピード感では表現できない。威圧感がこもっている。
「魔理沙は・・・・前から妖しいとは思ってたけど・・・・・・・・・アリスまでそうだとは思わなかったわよ!」
霊夢は魔理沙と正反対の弾幕だ。
だが、彼女の弾幕はどこまでも相手を追いかけ、確実に、致命傷とまではいかないまでも少しずつ体力を削りとる。
そして、霊夢はワープを駆使し、弾幕を寄せ付けない戦い方をする。
「こうなるとは・・・・思って無かったわ・・・・・本気で・・・霊夢や魔理沙と戦うのは・・・・・初めてよ!」
惚れた男が絡むと女は恐ろしいというのは本当のことのようだ。
アリスの弾幕は綺麗な模様美。人形師らしい、魅せ、テクニックにこだわった弾幕だ。
だが、本気が絡むと、魔理沙に勝るとも劣らないスピードの弾幕が重なってくる。
まさに、この地帯は戦争状態だった。
「す、すげえ・・・・」
岩陰に隠れながら、俺は3人の戦いを見ていた。
3人が何て言っているかは聞こえないが、完全にあそこだけ別世界だ。
あんなところに放り込まれたら、どんな妖怪も一瞬で蒸発するんじゃないだろうか?
「でも、これじゃ近づけないな・・・・雛さん、何とかできない?」
「・・・・・・・」
返事が無いと思ってたら、隅で何故かブルブル震えていた。
どうやら、弾幕勝負をしたことがある奴にしかこの恐怖はわからないらしい。
「無理よ・・・・・私でもこれ以上の厄を見たことが無いわ・・・・・・・・ものすごい量が渦巻いているわ・・・・・」
雛さんをここまで震え上がらせるとは・・・・
「それにしても、なんでこんなことになってるんだろう?」
基本的にあの3人は仲がいいはずである。
俺が買い物に出かけてから戻るまでに、何か友情破壊するような事件でもあったのだろうか。
いや、あったとしても理由がまったく考え付かない。それに、あのバトルを見ている限り相当の理由っぽい。
なんだ、一体なんだ・・・?
「○○!前!前!」
「え?」
雛さんが珍しく叫んでいた。
あれ・・・・流れ弾・・・・・?
そう認識する前に、目の前がテレビの電源が切れたように真っ暗になった、
・・・・辛うじて、俺が地面に倒れたということはわかった・・・・・。
「お、おい、あれ、○○じゃないか?」
「「え?」」
魔理沙の声に釣られて振り返ると、地上に・・・・・確かに○○がいた。
でも、地面に倒れている。
「まずい、巻き込んじまったか!」
「しまった、すっかり夢中で見えてなかったわ・・・・」
「こんなことしてる場合じゃないわ!」
・・・・後にその場の生き証人で、第三者であった鍵山 雛はこう語る。
3人がこっちに向かってくる際、そのスピードが恐ろしく速かったこと。
私も傍にいたはずなのに、思いっきり無視されてたこと。倒れた○○にしか目がいってなかった事。
まるで別人のようだった。「愛は盲目」という言葉を体の奥まで理解させられた、と。
でも、私は諦めない、と、最後に語ってくれた。雛さん頑張れ、超頑張れ。
―――あの騒動から一ヶ月。
今のあの3人と○○は・・・・・
「○○、この人形どう思う?」
「ん?ああ、綺麗に出来てるじゃないか」
「そうでしょ?だから、○○も一緒n「そんな人形なんかほっといて、○○、キノコ狩りに行こうぜ!」
「・・・・・昨日も行かなかったか?」
「気のせいだぜ」
「ちょっと魔理沙、まだ私の話は終わってないわよ!」
「人形の話なんて、聞かなくても退屈であくびが出るぜ」
「そうよ。○○は私とお茶を飲みながらゆっくり過ごしたいって言ってるじゃない」
「ふん。霊夢なんかあのAAのセリフでも吐いて勝手に一人でゆっくり過ごしとけばいいぜ」
「「「なによ!!!」」」
「はぁ・・・」
ここんところ毎日である。
いつからこうなったのやら。
またもこの騒がしい少女達は以前ほどのバトルとまではいかないまでも、また外で弾幕バトルを始めた。
流石に以前のは反省したらしい。
だが、あの日以来、俺の家にこの3人以外のお客さんが増えた。
そう、雛さんである。
「・・・・・・・」
3人が弾幕勝負をしに外へ出て行った後、無言で入ってくる。
これも、毎日のことだ。
「ああ、雛さん。今日も来たんだね」
「・・・・うん」
赤くなる雛さん。どうしたのだろうか。
「それにしても、ホント変わったよなぁ、あの3人。あそこまで活発的だったっけ?」
「・・・・・・大丈夫。今度はずっと私がいるから・・・・もうあんな危ない騒動なんかには会わせないから・・・」
「・・・・?」
ちなみに、あの騒動は当然、ブン屋の記事のネタにされた。
それ以来、どこかでひっそりと、スキマ妖怪主演の、「誰が最終的に○○とくっつくか?」賭博が行われているそうな。
それによると、意外にも鍵山 雛の相場が高いそうなのである。
果てさて・・・・・どうなるのやら。
13スレ目>>328 うpろだ975
───────────────────────────────────────────────────────────
昼下がり。縁側で茶を啜ってたら黒猫がやってきて、俺のひざの上で欠伸をかき始めた。
春も近いぽかぽかした日だったので、一緒に昼寝するかと思い座布団を枕に横になる。
それから一時間くらい経ち、人の気配を感じてふと目を覚ます。
目の前3cmまで接近した春妖精リリー(白)がいた。
何してんだと尋ねる前にわが身を振り返る。すると胸板あたりに猫化が解けた橙が寝ぼけて俺に抱きついてた。
…なる程。寝てたらうっかり変身が解けたか。こりゃ人目引くな。
起こすのもなんなのでその態勢のままでいると、動けないのをいい事にリリー(白)までこっちに抱きついてきた。
こりゃ暖かいを通り越して暑いな。とのんびり考えていると、頭上を闇が通り過ぎていった。
丁度いいやと思いその闇を呼び止め、闇の主に戸棚の干し肉と引き換えにしばらく留まって日光を遮って貰う事にする。
三分ぐらいはじっとしていたルーミアだが、干し肉を食い終えるとこれまた俺を抱き枕にして昼寝し始めた。
…これで計三人の人外をぶらさげて昼寝してる事になる。どういう状況だ。
で、結局その日は気づいたら夜になっていた。
三人に夕食を奢り、俺のなんてことのない休日は終わりを告げたのであった。
13スレ目>>455
───────────────────────────────────────────────────────────
春の陽気とは人や妖怪関係なしに昼寝に誘う魅力があるらしい。
川辺でうとうとしていたらにとりが寄りかかってくるし、
森で木にもたれていたらいつのまにか白黒リリー二人に挟まれていたし、
野原で大の字に寝転がっていたらいつのまにかチルノや大ちゃん等々妖精と雑魚寝していたし、
向日葵畑が見える丘で寝ていたら何故か幽香が腕ひしぎ十字固めしながら寝てるし、
ほんと、みんな寝るのが好きだなぁ
13スレ目>>456
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まぁやってきたといっても気付いたらいたというだけで幻想郷の住人のみんなからするとたまに現れる外からの迷い人なだけでしかないわけだが。
外の世界に帰ることも出来たんだけど外での生活に特に未練も無かった俺はあっさりと幻想郷に永住することを決めた。
基本的に外からの迷い人はみんな帰ってしまうのか、俺があっさりと「こっちで暮らすよ」って言った時にはみんな驚いていたのが印象的だった。
それからはいろんなことがあったが、特筆するような出来事といえば博麗神社の巫女さん、霊夢と恋人同士になったことだろう。
まぁその経緯はいつか話すこともあるかもしれない。
と軽く過去の話をしたところで現在
縁側で霊夢と一緒にお茶を飲んでいる。年寄り臭いとか言うな
「平和だなぁ……」
「平和ねぇ……」
俺の何気ない呟きにそのまんまの返答をする霊夢
「そろそろなにか異変が起こりそうな時期じゃないか?」
「縁起でもない事言うのやめてよ、めんどくさい」
「博麗の巫女がそんなことを堂々と言ってるのも問題だと思うが……」
「異変なんてない方がいいのよ。誰にとってもね」
「まぁそれもそうか……」
とまぁこんなゆるいやり取りもいつものこと。
本当に平和だなぁなんて思ってたらいつの間にか霊夢が俺の膝を枕に寝転がりだした。
男女が逆じゃないのか?普通だと俺が霊夢にしてもらう立場だと思うが……
「だらしないぞ、おい」
「いいのよ」
一体何がいいのか疑問だったが俺としても悪い気はしないし放っておこう。
そんな感じにまったりと過ごすこと30分くらいした頃
「○○さーん!」
聞き覚えのある声に見上げるとつい先日幻想郷に神社ごと引っ越してきたという守矢神社の巫女さん、東風谷早苗がやってきた。
「また来た……」
途端に不機嫌になる霊夢、別に遊びに来るくらいで怒るなよ
「ん?早苗じゃないか。どうした?」
ちなみに俺と早苗は普通に仲がいい。
つい先の異変の際に霊夢が守矢神社に殴りこんだとのことで保護者の俺としてはご迷惑をおかけしてすみませんでした的な意味で菓子折りを持ってお詫びに行った時に意気投合したのである。
お互いに外からの移住者であることが大きかったのかもしれない。
まぁ決定的だったのは
「あのですねー、今ゼ○ダやってるんですけど、ここの謎解きがよくわからないんですよ。○○さんならわかるかと思って」
……これだ。流石現代っ子、D○を取り出してずずいっと寄ってくる。
「んー、ちょっと見せてくれ。……霊夢、悪いが頭どけてくれ」
流石にこの体勢でD○やるのは辛い
「いや」
「いやってお前……いいからどけ」
「いーや」
(駄々っ子かお前は……)
そんなことを考えていると
「えい☆」(ガスッ)
いつの間に後ろに回り込んだのか、俺の膝を枕にしていた霊夢の脇腹を早苗が蹴り飛ばした。
「ぐえっ」
潰れたカエルみたいな呻き声を上げて霊夢は縁側から庭に転げ落ちていった
「れ、霊夢ー!」
「さあさあ邪魔者もいなくなりましたし」
「いや、邪魔者って……」
とりあえず早苗は俺の話を聞く気は無いらしい、というか霊夢のことはもはや眼中に無いらしい。
「まぁいいか……うーん、ここは……多分爆弾を上手く使って時間差で通るんじゃないかな?」
「そうなんですか?ちょとやってみてくださいよ」
そう言いながら何故か密着してくる早苗、近いって!というか胸当たってる!
「ちょ、近すぎだろ早苗……」
「だってこれくらい近づかないと携帯ゲームなんて画面見えませんよー」
「それもそうか」
納得したところで再開
「くぉら」(ゴスッ)
再開しようとしたら後頭部にものすごい衝撃が来た。隣を見たら早苗も頭を押さえている。
「自分の恋人が地面を転げ回ってるのに『まぁいいか』で済ませてあまつさえ他の女とイチャイチャしてるってのはどういうことよ!」
ごもっともな話です。今は反省している。
「そんなの決まってるじゃないですか」
え、早苗サン?
「何がよ」
「霊夢さんは○○さんにとって『まぁいいか』で済ませられるような存在なんじゃないですかー?」
「さ、早苗……?」
なにやら雲行きが怪しくなってきた気がしなくもない。
「どういうことかしら……?」
聞き捨てならなかったのか頬を引き攣らせながら霊夢が聞き返す。
鼻で笑いながら早苗は
「大体その程度のことで暴力を振るうような恋人なんて御免ですよねー○○さん?」
「お、俺にここで振るのか!」
どう答えろというのか、ほらー、霊夢もすごい顔で睨んでるし……
「ま、まぁ殴られるよりは殴られない方がいいのは確かだが……」
「ですよね!じゃあうちの神社に住めばいいですよ!それだったら私もわざわざ○○さんに会うためだけにここまで来る必要もなくなりますし!」
それが目的かい
「ちょっと!なに勝手なこと言ってんのよ!○○は私の恋人なのよ、それがどうしてあんたの神社に住む話になるのよ」
そらそーだ
「簡単な話ですよ。霊夢さんと○○さんが別れて私と付き合えばいいだけの話じゃないですか」
Ω<な、なんだってー!
「ふん、なにを馬鹿なことを、○○、この女に言ってあげなさいよ、俺が愛してるのは霊夢だけだって……あれ?」
「○○さん、いい機会ですから全部言いたいこと言っちゃいましょうよ、俺は今日から早苗との愛に生きるって……あら?」
「冗談じゃない、あれ以上あの場にいたら何が起こるかわかったもんじゃない……」
というわけで某ジョースター家に伝わる戦いの発想法を発動した。
まぁただ逃げただけなんだけどね!
(にゅ)「……で、どうするわけ?」
まるで図ったようなタイミングで出てくるなこの人は……
「どうするもこうするもないでしょう紫さん。今頃神社じゃ弾幕ごっこが行われてるはずでしょうしほとぼりが冷めた頃に帰りますよ」
俺のその答えに紫さんはそうじゃないというように首を振る
「そうじゃなくて、霊夢と山の神社の巫女、どっちを選ぶの?」
「核心を突きましたね」
「女ってのはいくつになっても他人の色恋沙汰ってのは大好物なのよ」
外の世界でも幻想郷でもそれは変わらないんだなぁ
「霊夢のことは大切ですよ、恋人ですしね。でも……」
「でも?」
「早苗のことも嫌いじゃない。むしろ好きだと言っていいかも知れませんね」
「あらあら」
なにが楽しいのかニヤニヤとムカつく笑いをし出す紫さん
「何が面白いんですか何が……」
「ほら、あれ」
そう言って紫さんは俺の後ろを指差した。倣って振り返るとそこには霊夢と早苗がいた。
「○○、今の話は本当なの……?」
恐ろしいまでの負のオーラを纏った霊夢と
「○○さん、嬉しいです……」
真っ赤な顔をした早苗がいた。
「え、ちょ、ちょっと待て!今の全部聞かれてたの!?紫さん?っていねぇ!」
絶対ハメられた!
「……それで、どうするの?」
「さあさあうちの神社に行きましょう!神奈子様と諏訪子様も喜びますよ!」
対照的な反応の二人だが、俺はどうしたらいいんだろう
収拾つかなくなってきたから唐突に終わり
>>うpろだ1019
───────────────────────────────────────────────────────────
正座状態の俺の頭を足蹴にしながら霊夢が言う。
「それで式はいつにします?」
早苗は早苗で頭の中が春になってるようだ。
それにしてもどうしてこうなってしまったのか。
まぁ俺が全部悪いんですけど。
あ、ありのままに説明するとこうなる
霊夢と付き合っていながら早苗のことも好きになったのがバレた。
「だ、だけどまだ早苗とはなにもしてませんよ?」
「いきなりなにを言い出してんのよあんたは」
いかん、動揺しすぎて思わず声に出してしまったようだ。
「あ、いや、あれですよ。もしかすると覗いてるかもしれない天狗や鬼にもわかりやすく……」
我ながらどういう誤魔化し方なんだか。
「それはどうでもいいんだけど、さっきも言ったようにどうするつもりなの?」
やっぱり誤魔化されてはくれませんか。
女って怖いなぁ。
「○○さん!子供は何人がいいですか!?」
早苗はもう少し落ち着いてくれ。
ともあれそろそろ真剣に話をする頃合だろう。
「とりあえず二人とも、落ち着いてくれ」
「「…………」」
え、霊夢はともかくさっきまで春爛漫状態だった早苗まで?
「まず最初に、俺が紫さんに言ったことは事実だ」
「まぁ紫に嘘は吐かないわよねあんたは、どういうわけか」
だってあの人嘘吐いてもすぐ見破るし……
「でも霊夢、お前のことが好きじゃなくなったとかそういうわけじゃないのも事実だ」
ここまでは問題ない。
ここから先を言うのがとても気が重いだけだ。
「ただ早苗のことも好きになった。それだけの話だ」
ここで弱気になると大変なことになる、出来る限り堂々と宣言した。
「そ、それだけって、あんたねぇ!」
やっぱり霊夢さんは怒りますよね。
だがまだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!
「逆に考えるんだ、好きな人が二人いてもいいやって考えるんだ(AA略」
ふ……、決まった……
さすがの霊夢もジョー○ター卿の言葉には敵うまい。
……ってあれ?
「そう……言い残す言葉はそれでいいのね……?」
ってなんでスペルカードを取り出してるんですか?
ちょ、リアルに生命の危機?
逃げようにもずっと正座だったせいで足が痺れて立ち上がれねぇ!
短い人生だったなぁ。
妖怪に殺されるんじゃなくて博麗の巫女に殺されるとは思ってませんでした。
そんなことを考えていると
「ということはあれですか?霊夢さんと○○さんの関係は解消、ってことでいいんですか?」
ここまで黙って成り行きを見守っていた早苗が爆弾発言をしやがりました。
「「……え?」」
重なる俺と霊夢の声
「だってそうですよね?そこまで怒るんですから」
「いや、あんたは腹立たないの?ハッキリと二股宣言よこれは!?」
ご尤もな話ですね
いやはや本当に申し訳ない。
「私は別に構いませんよ?だって私のことも好きだって言ってくれましたし」
なんて懐の広い……
まさに大和撫子ってやつじゃないですかね?
普段俺とマ○オカートで対戦中に嬉々として赤甲羅をぶつけてくる子とは思えん。
……あと雷で小さくなった所を狙って踏み潰しに来たりもしたな。
「で、でも、最初に付き合ってたのは私なのに……」
やっぱ納得いかないよなぁ……
だって俺が霊夢の立場でも気に食わないと思うもん
「別に霊夢さんも○○さんのことが嫌いになったわけじゃないんですよね?」
「と……当然じゃない!そもそもそうだったらこんなに怒らないわよ!」
お、なにやら雲行きが変わって来たっぽいぞ?
具体的に言うと俺にとって都合がよくなりそうな空気だ。
「ここで提案がある」
流石に全てを早苗に任せるのも当事者として情けない。
「なによ」
「二人には悪いが、少しだけ時間をくれないか?」
「時間って、どうする気よ?」
「俺が結論を出す時間だ」
「つまり私と霊夢さんのどちらを選ぶかってことですよね?」
「まぁ……そんなこと言える立場じゃないけど、そうなるな」
「「…………」」
俺の真剣な表情に二人とも考えこんでるようだ。
先に口を開いたのは早苗の方だった。
「私は構いませんよ。負ける気がしませんし」
なんでこんなに強気なんだろう。
「なっ……、わかったわよ……『私も』負けるつもりはないしね」
霊夢も対抗意識バリバリだなぁ……
「二人とも、すまん、そしてありがとう」
「いえいえ、○○さんは私の将来の旦那様ですからー♪」
「ふん、今回は許してあげるけどこれ以上「好きになった」とかいう女増やしたら今度こそ殺すわよ?」
「その辺はもう重々承知しております……」
あえて早苗の脳内妄想トークはスルー
「とりあえず今日の所は私は帰りますね。お二人とも、お邪魔しましたー」
と以外にも早苗はさっさと帰ってしまった。
「随分あっさりと帰ったなぁ……」
「気を使ってくれたんでしょ、正々堂々と勝負ってところね」
俺の何気ない呟きに霊夢が返す。
「さーてと、晩御飯の準備しようっと」
霊夢は霊夢でさっきまでの修羅場空間が嘘のようにいつもの生活に戻ったようだ。
俺は料理をする霊夢の後姿を眺めながら
どうにかして片方じゃなくて両方と付き合う方法はないかなぁなんて考えていた。
少々gdgdになった気がしなくも無いが終わり
>>うpろだ1021
───────────────────────────────────────────────────────────
少し前に、○○という男が幻想郷に迷い込んだ。
○○は幻想郷に残ることを決め、外の世界でやっていた司書の経験を生かして紅魔館の図書館に住み込みで働くこととなった。
意外なことに、ただの人間であるはずの彼のもとを訪れる人妖は多かった。紅魔館の住人は勿論のこと、図書館を訪れる魔法使いや外の世界を知る隙間妖怪、新聞記者の鴉天狗に○○と同じく外の世界からやってきた山の上の巫女。
純粋に好意を抱いているのか、ただの興味本位なのかは本人達にしか分からない。しかし、これだけ多くの人妖のと交流を持つ人間は幻想郷でも数えるほどしかいないのは事実である。
○○が過労で倒れたそうだ。
これは千載一遇のチャンスだぜ。
本を借りるとかこつけて○○にイロイロとアピールをしてみたが、鈍感なのかまったく気づいてもらえなかった。
けど、今回は状況が違う。
必死に看病をすれば○○も私の魅力に気づいて
「魔理沙が本を盗むなんて、ウソだったんだな」
「そんなホラ話信じてたのか?」
「魔理沙は俺のハートを盗んでいった。返してほしい」
「……返してもいいけど、私もついてくるぜ?」
「喜んで受け止めるよ」
「○○……」
「魔理沙……」
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という展開になるはずだ。
そうと決まれば早速実行だぜ。
ちょっかいを出す連中がいるかもしれないし、念のために媚薬でも服用させておくか。
○○が過労で倒れてしまったみたい。
鈍感なせいか今までは色仕掛けも通じなかったけど、この状況は逆にチャンスとも言えるわ。
看病し続ければいずれ○○は私に依存して、私なしでは生きられなくなるはず。
「アリス、俺、司書やめるよ」
「どうして?」
「俺、アリスに恋してるんだ。アリスなしでは生きられない。アリスの操り人形なんだ」
「……○○、ずっと一緒よ? ずっと操ってあげる」
「アリス」
「○○」
検閲削除
ふふ。ふふふ。
今までみたいな人形での予行演習はもう終わり。はやいとこ既成事実を作らないと。
邪魔されるといけないし、念のために媚薬でも服用させよう。
○○が過労で倒れてしまったようね。
○○は真面目すぎるところが欠点だわ。
まあ、これで傍にいられる時間が増えるのだけれど。
「パチュリー、俺、動かない大図書館パチュリー・ノーレッジの専属司書になるよ」
「○○……」
「パチュリー……」
「こんなところで駄目よ。本が汚れちゃう……」
検閲削除
鼻血で本が汚れるところだったわ。危ない危ない。
一番近くにいるのが私とはいえ、邪魔者がこないとは限らないから、念のために媚薬でも飲ませておこうかしら。
古来より、イモリの黒焼きは媚薬に使われる。
食事などにまぜて相手に食べさせれば、相手は必ず自分の虜になるという。
「「「出来たッ!!」」」
三人の魔女はイモリの黒焼きを用いて媚薬を作り上げた。
三者三様、それぞれが自身の経験と知識を限界まで活用し、オリジナルの媚薬として昇華させたのだ。
「「「あとはこれを○○に飲ませるだけ……!!」」」
我ながら不覚だ。
司書として働いてきた経験から体力には自信があったのに、過労で倒れるなんて。
あまり知られていなが、司書という仕事は結構体力を使う。百科事典や或いはそれ以上に分厚くて重たい本を何冊も持って移動したりすることがあるからだ。
ましてやこの図書館は異様に広く、ブックトラックがないうえに未製本のものや知らない言語で書かれたものもある。
空も飛べない、魔法も弾幕も使えない。そんな俺からすれば、この図書館での業務はまさに体力勝負だというのに。
でも、倒れたおかげでいいことがあった。
パチュリーさんや魔理沙さん、アリスさんが看病してくれたことだ。男としてこれほど嬉しいことはない。外の世界にいたら、こんな経験はすることがなかっただろう。
ただ、ひとつだけ疑問がある。
三人共俺のために薬を調合してくれたが、何故か三つとも黒い液体だった。しかも揃って微妙に粉っぽかった。
だだの偶然だろうか。それとも、魔女の作る薬というのはみんなあんなものなのだろうか。
とにかく、今日はもう寝よう。
数日後。
先日復帰した○○は今までのように司書として働いていた。
この図書館にもちゃんとした分類がほしいな、といつものように呟きながら○○は本を本棚に納めていく。
「○○」
そんな○○に声をかけたのは隙間妖怪――八雲紫――だった。
「紫さん。今日も来たんですね」
「少し話したいのだけれど、いいかしら?」
「じゃあどこか適当な場所を……」
椅子がないかと○○は周囲を見渡す。
「あ、そのままでいいから」
「そうですか?」
「○○、倒れている間に何かあった?」
「何かと言われても、抽象的すぎて分かりませんよ……」
○○は首を傾げて紫を見る。
「そうね。じゃあ具体的に言うわ。永遠亭の薬師以外が調合した薬を飲んだ? それか、何か食べた?」
「ああ。それなら――」
○○は自分が倒れている間に三人の魔女が看病してくれたことを紫に伝えた。
「そう。どうせそんなことだろうとは思ったわ。それなら、責任はあの三人に押し付けても問題ないわね」
言葉と同時に紫が消える。
「ゆ――!」
紫を見失い、声を出そうとした○○だったが後ろから抱きしめられたことに驚いて声が途中で途切れた。
「いつもそうだけど、今のあなたはとても魅力的よ」
紫の手が○○の顎に添えられる。
「食べてしまいたいわ」
「え、ちょ……紫さん?」
「安心して。妖怪としてじゃなくて、女性として、あなたを食べてしまいたいの。私の言葉の意味、分かるでしょ?」
○○は唾を飲み込んだ。
「大丈夫よ。私がリードしてあげるから。あなたに本当の絶頂を教えてあげる」
紫は蠱惑的な瞳で○○を見つめ、唇を奪った。
「声なんて誰にも聞こえないわよ。さあ、力を抜いて……」
濃密にして抗いがたい妖艶な色香を醸し出しながら、紫の手が○○の下半身へするりと伸びていく。
「そこまでよ!」
「動くと撃つ!」
「待ちなさい!」
突如聞こえてきた声に○○は驚き、手にしたままだった本を落とした。
その場に乱入してきたのは、三人の魔女。
「あらあら、もう見つかってしまったのね。お楽しみはこれからだったのに」
紫はふわりと飛び上がり、三人の後ろに着地する。
「○○を攫ってもいいんだけど、それじゃあ面白くないわよね」
魔女達は既に臨戦態勢となり、紫を包囲陣を展開している。
「原因を作ったのはあなた達なんだから、なんとかしなさいよ。それじゃあね」
紫は微笑み、いつものように隙間に消えていった。
「○○、大丈夫だった?」
「○○、何かされなかった?」
「○○、変なことされなかったよな?」
頷く○○を見て三人は安堵し、それぞれに視線を送る。
「○○、今日はもう休んでていいわよ」
「え、でも……」
「「「 い い か ら ! ! ! 」」」
三人に気おされ、○○は落とした本のことも忘れて自室へ引っ込んでしまった。
山の上の巫女はそろそろ来る時間だし、どこぞの白狼天狗は境界をいじっておいたからそのうち乗り込んでくる。新聞記者はけしかけておいたから問題なし。
あとは誰を送り込んだら面白くなるかしら。
……永遠亭の姫にしましょう。薬師なんか送り込んで解決されたらたまったものじゃないわ。
ふふ……。面白くなりそうね。
あら、一番乗りは山の上の巫女のようね。
「あのー、東風谷さん」
「 さ な え 」
「あー、早苗さん」
「どうしました?」
早苗は○○の頭を撫でる。
「どうして俺は早苗さんに膝枕をされてるんですか?」
「いいじゃないですか」
早苗が○○の顔を覗き込んだことにより、二人の距離がぐっと近づく。
「……」
「……」
早苗は○○の顔を両手でがっしりと掴んだ。
「○○さん、ごめんなさい。頂きます」
「え? ちょ……!!」
早苗はうっとりとした表情で○○の唇を奪った。
「恋愛において、共通の価値観や趣味、話題というものはとても大事だと思います。その点、私は○○さんと同じ外の世界出身ですし、年齢も近いですから大丈夫ですよね」
早苗はにこやかに微笑んでみせる。
「初めて見たときから、○○さんのこと素敵だと思っていました」
肝心の○○はどういう態度を取ればいのか迷っている。先ほどの紫の行為も影響しているのだろう。
「私の能力は『奇跡を起こす程度の能力』です。ですが、私にも起こせない奇跡はあります」
「……?」
両手が離されたことを確認し、○○は立ち上がる。
「恋という名の奇跡です。けど、○○さんはその奇跡を起こしました」
「小娘が大層な口をきくものね」
突如聞こえた声に振り向けば、そこには紅魔館の主とメイド長。時間を止めて現れたのだろう。
「○○は私と愛し合う運命なのよ」
「いえいえ、お嬢様。お嬢様に人間の男は不釣合いです。ここは同じ人間である私が○○を引き受けますから」
紅魔館の権力者二人が○○に向けて手を差し伸べた瞬間、壁を突き破って白狼天狗の犬走椛と彼女を抑えようとしたであろう紅魔館の門番紅美鈴が飛び込んできた。そしてその後ろからは幻想郷最速の鴉天狗射命丸文が。
「○○さん、私と愛という名の一局を打ちませんか?」
「私があなたの心の門番になります!」
「文々。新聞の一面を私と○○さんの結婚記事で飾りませんか?」
それぞれがそれぞれを睨み、お互いを牽制する。中心人物であるはずの○○がこの場で最も浮いていた。
「殿方の扱いがなっていない人達ね」
○○はいつの間にか空を飛んでいた。蓬莱山輝夜の腕に抱かれて。
「○○、私があなたに永遠に続く快楽を教えてあげる」
輝夜の美しい黒髪が○○の頬に触れ、芳しい香りが鼻腔を刺激する。
後ろを見れば、風にたなびく輝夜の黒髪の間に青いメイド服が見え隠れする。メイド長の十六夜咲夜が猛烈なスピードで追いかけてきているのだ。輝夜は咲夜を確認すると、これだから、と小さな声で文句を言った。
「どうしたものかしらね」
「○○を見失った!?」
非常に濃い面々が集まっている○○の部屋で、パチュリーはぐったりと壁によりかかった。そしてそのまま気を失ってしまう。
今回の騒動の原因は、三人の魔女がそれぞれ調合した媚薬を○○が全て摂取してしまったことにある。○○の体内で全ての媚薬が混ざりあって異常反応を示し、○○を見た者全てが○○に惚れてしまうという効果にかわってしまったのだ。
「解決方法はあるの?」
全力で壁の修復をしている美鈴を尻目に、レミリアが魔理沙とアリスに問う。
「紫か永琳か閻魔ならなんと出来ると思うぜ」
「一週間くらいで効き目は切れると思うけど、それまで放置しておくわけにはいかないし」
「ライバルが増えるというわけね」
魔理沙とアリスはレミリアの呟きを拾ったが、今はその時ではないと判断して触れないことにした。
「解毒剤か何かはないんですか?」
早苗の問いに魔理沙とアリスは、そんなものは作っていない、とない胸を張って自信満々に答えた。
「紫はこういうことを楽しむだろうから、ちょっかいは出しても解決はしないだろうな」
「なら永遠亭ですね!」
言葉と同時に文は飛び出した。ご丁寧にも美鈴が直したばかりの壁をぶち抜いて。
「とにかく、はやく○○を見つけないとまずいぜ」
「まかせて」
アリスが胸元から取り出したのは、一枚の白紙だった。
「○○の服には私が魔法をかけた布が縫い付けてあるの。私が呪文を唱えれば、どの服を着ているか、私からみてどの方向にいるかがこの紙に浮かび上がるわ」
「アリス、それってすとーかーってやつじゃないのか?」
「完全にストーカーですね」
魔理沙の疑問に早苗が答える。
「い、今はそれどころじゃないでしょ!!」
何気なく散歩をしていると、少し前にこっちに迷い込んできた○○という青年が倒れているのを発見した。
周辺にナイフや衣類の切れ端は落ちていたから、弾幕勝負にでも巻き込まれたのだろう。勝負をしていた人物達はどこかに移動したか、弾に当たって飛ばされてしまったか。
なんにせよ、こんなところで気絶していては妖怪に食べられてしまうので、介抱するため店に連れて帰ることにした。
それにしても、なかなかいい顔をしていると思う。インドア派だと聞いていたが、その割りには体つきもいい。
あの媚薬って同性にも効果があるのね。……って、関心している場合じゃないわ。
このままだと少しまずい展開じゃないかしら?
そういう趣味の男性がいるのは理解しているし、その逆もまた然り。
けど、二人とも知り合いで片方はついさっき媚薬の効果云もあってか本気で手を出そうとした人。
そもそも、媚薬の効果であって二人にそんな趣味はないはず……よね?
ここは少し境界をいじってしまいましょう。
「お、気が付いたようだね」
「ん……ここは……」
○○が身を起こすと、そこは見たこともない店だった。店内には○○が見たことのあるものから初めて見るものまで、商品が乱雑に並べられている。
「ここは香霖堂。まあ、細かい説明は割愛させてもらうよ。散歩していたら君が気絶しているのを見つけてね。一応ここまで運んだというわけさ」
「あ、ありがとうございます」
「そのうち迎えが来るだろうから、ゆっくりしていくといい」
そう言って香霖堂の店主は店の奥に消えてしまった。
「今日はいったい何が……」
○○は今日一日の出来事を振り返る。が、一日に二度も女性に唇を奪われたことを思い出して赤面してしまった。
「なんだか凄く疲れた……」
「「○○ーー!!」」
香霖堂の入り口を吹っ飛ばして突入してきたのは魔理沙とアリスだった。アリスの背中にはぐったりとしたパチュリーがおぶられている。
「ッ、○○……、何もされなかったか……?」
息も切れ切れの魔理沙は店内の壁にもたれかかった。
「えーと、輝夜さんと咲夜さんの弾幕勝負に巻き込まれて、気が付いたらここにいた」
「「よかった……」」
魔理沙とアリスの声が重なった後、数泊遅れてパチュリーの声がかすかに聞こえてきた。
「迎えにきたようだね」
姿を消していた香霖堂の店主が盆に急須と湯飲みを載せて現れた。壊された入り口を見て一瞬顔をしかめたが、すぐに元の顔に戻る。
「やかんごと持ってこようか? いや持ってきた方がいいみたいだね」
店主は魔理沙に目配せをし、再び店の奥に消えてしまった。
「○○、本当にごめん」
突然誤りだす魔理沙に、理由が分からない○○は戸惑う。
「今日の事件の原因を作ったのは私達なの」
「この前私達が○○に飲ませた薬、覚えてる?」
アリスの言葉を引き継ぎ、ゆっくりと紡がれるパチュリーの言葉に○○は頷いた。
「○○の体内で混ざって異常な反応をしちゃったみたいなの」
「さっき紫が境界を操っておいたって言ってたから、もう心配はないと思うぜ」
「ちょっかいを出したのはからかっただけだと思うから安心して」
「あの、それで……私達がこんなことを言うのは間違ってると思うんだけど、許してくれる?」
パチュリーは責められることを覚悟して○○を見やる。
「許すも何も、看病してくれたのは嬉しかったし、なんだかんだで楽しかったから俺は構わないよ。流石に連日はいやだけど」
「「「よかった」」」
三人の魔女は揃って安堵の息をついた。
「流石に今日は疲れたぜ」
「私もよ」
「ほんと。これだけ激しく動いたのは久しぶり」
「隙間郵便の出張サービスよ~」
隙間が開き、紫が姿を現した。
「みんなお疲れさま。今日は特別に隙間を使ってみんなを自宅に送り届けてあげるわ」
「悪いな、紫」
「いいわよ。充分に楽しませてもらったから」
三人の魔女は苦笑交じりに紫を睨む。
「やーん、こわーい。○○、助けて~」
わざと甘ったるい声をだしながら、紫は○○に抱きついた。
「ちょっと、紫さん……」
「冗談よ冗談。三人共得物をしまってよ。ね? ゆかりからの お ね が い 」
紫は○○を盾にするように移動した。そこで○○から身を離し、いつもの表情に戻る
「明日は今回の騒動の終了を祝って神社で宴会よ。四人は必ず出席すること。いいわね?」
紫は四人の答えを聞かずに隙間を閉じた。
ふふふ。
また面白くなりそうね。
私が操った境界は媚薬の対象だけ。
同性への効果はなくなったけど、異性に対する効果はまだ残っているのよ。
ふふ。
フフフ……。
明日が楽しみだわ……。
─────────「
適当な時間まで○○と談笑しようと思っていたら、○○を神社へ連れて行く、と言って隙間妖怪が○○を連れていった。
正直なところ、不安でしかたがない。
媚薬の効果なのか単純に場を引っ掻き回そうとしたのかは分からないけど、昨日○○にちょっかいを出そうとしたのは事実。しかも図書館内で。
けど、任せるしか方法がなかったのも事実。
空を飛べない○○と一緒に歩く体力も、○○をおぶって神社へ向かって飛ぶという体力も私にはないわ。だからといって○○一人で神社にいかせれば、妖怪に襲われるという最悪の結果になりかねない。
昨日の媚薬騒動を解決してくれた借りもあるから、無碍に断ることも出来ない。
結局のところ、隙間妖怪が軽々しい行動に出ないことを祈るしかない。
「○○は異類婚姻譚のことを知っているかしら?」
博麗神社へ向かう道すがら、八雲紫は○○に問う。
「確か、人間と人間以外が結ばれる、っていう話でしたよね。悲劇で終わることも多いとか」
「そう。世界各地に多く頒布し、説話の類型として知られているわ。ホオリとトヨタマヒメ、白蛇伝、メリュジーヌ……」
「それで、異類婚姻譚がどうしたんです?」
○○は首を傾げて紫を見る。
「人外が多く存在する幻想郷では、異類婚姻は簡単に行うことが出来るの」
紫は○○の後ろに回り込み、手を掴んだ。
「妖怪の私と異類婚姻してみない?」
○○の耳元で、そっと、甘く甘く、情欲を込めて紫は囁いた。
「か、からかわないでくださいッ!」
昨日図書館でからかわれたのを思い出し、○○は紫から離れようとする。しかし、人間と妖怪では身体能力の差は歴然で、紫はびくともしなかった。
「冗談よ。本当、可愛い人ね」
だからみんなに好かれるのよ、という最後の言葉を飲み込んで紫は笑う。
「さあ、いきましょう」
○○を解放し、紫は歩き出だした。
本当、○○がきてから葛藤が増えたわ。○○のおかげで魔理沙が本を返しにくるようになったのはいいことだけど。
それに、館内も以前と比べて大分明るくなった。来客も増えた。
悪魔の棲む館と言われた紅魔館が明るく、来客が多いというのも妙な話だけど。
これも○○のおかげかしら……?
っと、物思いに耽っている場合じゃないわ。私もいい加減準備をしないと。
……そういえば、粉末にしたイモリの黒焼きがまだ余ってるのよね……。お酒に混ぜればバレないわよね……?
昨日解決したばかりだし、きっとみんな油断しているはずよ。昨日の今日で同じことが起きるはずがない、と。
○○と紫が博麗神社につくと、二人の巫女と上白沢慧音が宴会の準備に奔走していた。黒白の魔法使いと鬼は箒を使って戯れている。
「お、○○。来たか」
「ひさしぶりだな、○○」
「こんにちは。伊吹さん、慧音さんお久しぶりです」
「○○、久しぶりだな。っと、悪いけど私は準備で忙しいからまた後でな」
挨拶もほどほどに、慧音は巫女二人の後を追っていった。
「私のことは無視? ひどいわ。ゆかりん泣いちゃう」
紫は○○の胸に顔を埋め、泣き真似を始めた。
「何がゆかりんだよ。そんな歳でもないくせによく言うよ」
ゆっくりと振り返り、紫は発言主の萃香を見る。
「伊吹萃香さ~ん、向こうで私と少しお話ししましょうか。ねっ?」
「え、いや、その……なんだ。言葉の文ってやつだよ。分かるよな?」
「鴉天狗の新聞記者がどうしたの?」
にっこりと微笑む紫。勿論、目は笑っていない。
「た、たまには霊夢を手伝ってくるぜ!」
魔理沙は顔を引きつらせながらその場から逃げ出した。
「○○さーん、ちょっと来てくれませんかー?」
「え、あ、はい」
早苗に呼ばれたのを好機として、○○もその場から逃げ出した。
「紫」
二人が完全に離れたのを確認すると、萃香の表情が真剣なものになる。
「今日の○○、随分と雰囲気が違わないか? なんかこう……前に会ったときよりも魅力的というかなんというか……」
「あら、気づいた?」
「誰だと思ってるんだよ。お前が何かやったのか?」
「まさか」
ふっ、と笑い、紫は肩をすくめた。
「私はけしかけただけよ。原因は魔女達」
「いったい何をやらかしたんだ?」
隙間が三つ開き、それぞれの先に魔理沙、アリス、パチュリーの姿が見える。
「過労で倒れた○○に三人が媚薬入りの薬を飲ませたのよ。それが見事に混ざって妙な反応を示しちゃったみたいなの。しかも同性にも効果があるというスグレモノ。まあ、同性への効果は私がなんとかしておいたけどね」
「つまり、異性への効果は現在も継続中、と」
「そういうこと。薬に媚薬が入っていたことも○○には伏せてあるわ。それに、あの三人がそんなそんなことを説明するはずがないし」
扇で口元を覆い、紫は笑う。
「あなたも○○をからかいたいのなら、構わないのよ? 何かあったら私が何とかするから。それに、今日はワーハクタクと薬師も呼んでいるし、事情も伝えてあるから大丈夫よ」
ワーハクタクも○○に好意を抱いていたみたいだから好機と判断したみたいね、と紫は口にしなかった言葉を反芻した。
「ところで、さっきの話の続きなんだけど」
「エッ!?」
「昨日は迷惑をかけてしまってすいません」
「あ、いや、そんなに謝らなくてもいいからっ」
○○を呼んでから、早苗は何度も頭を下げて謝っている。それに対して○○は、昨日早苗に強引に唇を奪われたことを思い出していたたまれくなっていた。
「お詫びと言ってはなんですけど、これを受け取ってください」
早苗が恥ずかしがりながら胸元から取り出したのは薄い紙袋。中には紙のような薄いものが入っているようだ。
「これは?」
「見てください」
早苗に勧められて袋の中身を取り出し、○○は愕然とした。
中身は早苗の写真だった。それも、セーラー服やブレザー、メイド服などを着ている。
「あのー、東風谷さん」
「 さ な え 」
笑顔で凄みをきかせる早苗。
「――早苗さん。これは?」
「男性は異装――特に制服フェチが多いですから、頑張ってみました」
あながち間違いでもない意見を述べる早苗は恥ずかしそうにしながらも笑顔を見せる。
「……」
「……もしかして、気にいりませんでした? 靴下は白の方がよかったですか? それとも、絶対領域がないのが原因ですか?」
「あ、いや、そうじゃないけど……」
妙な方向に向かっている早苗の真面目さについていけず、○○は曖昧な返事をして誤魔化した。
「その写真、ヘンなコトに使わないでくださいよ? けど、○○さんが望むなら写真なんかじゃなくて私が直接、その……」
言葉の進行と同期して早苗の顔が赤くなる。そしてついに、顔が真っ赤になったところで早苗は境内の方へ駆け出してしまった。
「ちょ、早苗さん……!!」
呼び止めようとしたが、○○が反応した時には既に遅し。取り残された○○は誰かに見られても困るので写真をポケットに入れておくことにした。
「○○」
早苗の次に現れたのはもう一人の巫女、博麗霊夢。
「霊夢さんお久しぶりです」
「久しぶり。ところで、早苗に何か言った? 凄い勢いで走っていったけど」
「いや、俺は何も。寧ろこっちが聞きたいですよ」
「そうなの?」
まあそれは置いといて、と言いながら霊夢は○○の腕を掴んで引き寄せた。
「人手が減ったんだし、○○も手伝ってよ」
「手伝いますけど、魔理沙さんは?」
「魔理沙が手伝うなんて、それこそ異変よ。解決しない方がいい異変なのかもしれないけど」
霊夢は肩をすくめ、そんなことより準備をするわよ、と○○を引っ張る。
「そ、そんなに引っ張らないでください」
霊夢のない胸が腕に当たりそうになり、○○は気づかれないように必死で抵抗する。
「○○、どうしたの?」
○○の腕を更に引っ張る霊夢。その目は血走っており、鼻息も明らかに荒い。
「え、ええと、手を握られてると手伝えないんですけど」
「ああ、ごめんないさい」
霊夢は残念そうに手を離した。
「俺は何を手伝えばいいんです?」
「そうね……それじゃあ料理でも手伝ってもらおうかしら。味見と称したつまみ食いは駄目よ? ……私なら今すぐに食べてもいいんだけど」
最後の言葉は照れて小さくなってしまい、○○の耳には届かなかった。
まさか私の媚薬のせいでこんなことになるとは……。
というか、アリスとパチュリーも○○に気があったとは予想外だ。
しかも二人共媚薬を○○に飲ませたなんて、考えが一緒にもほどがるぜ。
類は友を呼ぶ、ってやつなのか?
まあ、考えても仕方ないか。それよりも今はこの残ったイモリの黒焼きをどうするかだ。どれくらいの人数が参加するかはわからないけど、これを酒に混ぜることくらいはできるよな……?
昨日の今日だし、みんなきっと油断してるよな。
木の幹にもたれかかる○○。そして、その正面には輝夜。昨日○○を部屋から無理矢理連れ出したように、霊夢の元から連れ出したのだ。
「○○、昨日はごめんなさい。メイドとの弾幕勝負にあなたを巻き込ませてしまうなんて、我ながら情けないわ」
輝夜は申し訳なさそうに呟き、○○の手を取った。
「○○、知っている? 身分の高い者にはその身分に伴う務めがあるということを」
「えっと、確か……ノブレス・オブリージュ……でしたよね」
「私に何か出来ることはないかと考えたの」
輝夜は○○の手を自身の胸元へと導いた。
「私に出来るのは、あなたを導くこと。あなたを永遠に続く快楽へ誘うこと」
○○を抱きしめ、輝夜は口付けをする。
「――ッ!?」
相手からの強引な口付けは、昨日の分も含めればこれで三度目。しかし、舌を絡められたのは初めて。
輝夜はそのまま○○を押し倒し、馬乗りになる。唇を離した際に唾液が糸を引いた。
「か、輝夜さん……!!」
「静かにして」
長く美しい黒髪が○○の頬を撫でる。その髪の隙間から月光が薄く差し込み、輝夜の体が淡いシルエットとなって浮かび上がった。
輝夜は強く艶かしい声で囁き、再び口付けをする。そして、器用にも片手で○○がしていたベルトをはずした。
「○○……」
「か――」
○○の唇を自身のそれで塞ぎ、片手をズボンにかける。
「姫様」
いつの間にか傍に佇んでいた従者――八意永琳――の声に輝夜は振り向く。
「どうしたの?」
冷たく、恨みの籠もった目で永琳を見た。
「○○に不満でも?」
「不満はありません。ただ、ここは野外です。それに、ここは博麗神社ですよ」
「永琳、気にしているの?」
輝夜の問いに永琳は首を激しく縦に振った。
「それとも、姫様は他人に見られたいのですか?」
一瞬呆けたような顔をした輝夜だったが、その表情はすぐに笑顔にかわる。
「そんな趣味ないわ」
手際よく○○のベルトを締めなおす輝夜。視線はずっと○○に向けられている。
「○○、この続きは今度にしましょう。あなたが望むなら、私はいつでも構わないから」
「姫様、宴会の用意が整ったようです」
「ちょうどいいタイミングね。さあ○○、行きましょう」
「昨日は永遠亭で無駄な時間を過ごしてしまいましたけど、今日はそうはいきませんよ」
輝夜の逃亡先=永遠亭と判断して○○を見失ってしまった文は、どこぞの不老不死の如く体から炎を出しそうな勢いで勝手に燃えている。
「ご苦労なことね。まあ、想像するのは自由だから、私と○○の結婚記事を書く時まで好きにさせておきましょう。そうでしょう、咲夜?」
「いえ、お嬢様に人間の男は相応しくありません。スカーレット家の名に傷をつけてしまいます。ですから、同じ人間である私が責任を持って○○を引き受けます」
意欲に満ちて燃え盛る文の視線と、たっぷりと余裕を含んだレミリアの視線が重なる。隣の咲夜はスカーレット家の名を建前にして淡々と自分の意見を紡ぐ。
「○○、私と一緒に愛の歴史をつくらないか? いや、やっぱり、私の寺子屋で愛の授業をうけないか? の方がいいか?」
少し官能的すぎるか、と呟きながら慧音は他の台詞を考えては頭をひねるを繰り返していた。
「○○さん遅いですね……。まさか、早速私の写真でそんなコトを……! もう、私がすぐ傍にいるのに……!」
早苗は自分の世界に入り込み、相変わらず顔を赤い絵の具のように真っ赤にしている。
まさか、桜の散ったこの季節に宴会とはね。まあ、花見じゃないんだから季節は関係ないけど。
それにしても、あの青巫女はなんであんなに顔を真っ赤にしているのかしら。ワーハクタクもさっきから妙なことをぶつぶつ言ってるし。
……いけないいけない。他人のことなんて気にしてる場合じゃないわ。
この予備のイモリの黒焼きをどうやって○○のお酒に混ぜるか。それが大事なのよ。
昨日の今日だから、みんな油断しているはず。予備を作っておいて正解だったわね。
今度こそ人形での予行演習は終わりよ。
「○○はどこいったんだ? せっかくいい酒が揃っているのに」
萃香は待ち遠しそうに両手で酒瓶を弄んでいる。
「そろそろ戻ってくるんじゃないかしら? ほら、噂をすればなんとやら」
紫が扇で示した方向から、輝夜と○○、そして二人につき従うようなかたちで永琳が現れた。
「「「げぇっ、永琳!!」」」
魔理沙、アリス、パチュリーの声が重なり、三人共、最悪、と言わんばかりの表情で永琳に視線を向けている。しかし、当人達はまったく気づいていない。
「人の顔を見て驚くなんて失礼ね。私は汚物でもなければバケモノでもないわよ。それとも、私がいると何か困ることでもあるのかしら?」
永琳は笑ってみせるが、目は笑っていない。明らかに事情を知っている者の目だ。
「そ、そんなことないわよ……。ね、魔理沙?」
「そそそ、そうだぜ。な、なあ、パチュリー?」
「え、ええ。な、何もやましいことなんて考えてないわよっ」
三人共笑顔で答えるが、その表情は引きつっており永琳から目をそらしている。
「じゃあ、これはいったい何なのかしらね」
扇で口元を隠す紫が片手で弄んでいるのは三つの小瓶。それも、中身は揃って黒い粉末。
「「「あッ!!?」」」
「あら、知っているの? ゆかりん詳しく教えてほしいわ」
三人の反応を見て、紫はしてやったり、といった表情で笑う。
「わ、私は何も知らないぜっ!? ぱ、パチュリーなら知ってるんじゃないのか!?」
「ななな、何言ってるの。私はあんもなの知らないわよっ!!?」
「わ、私もまったく、こ、これっぽっちも身に覚えがないわ」
「ふーん。そう。じゃあ、こうしてもまったく問題がないわけね」
紫の掌から小瓶が零れ落ちる。それを見て三人は声を上げたが、時は既に遅し。小瓶は隙間の中へ消えていった。
「さてさて。ようやく主役も全員揃ったことだし、宴会を始めましょうか」
紫はしょんぼりとしている三人の魔女に向かい、何か言うことがあるでしょ、と言葉をうながした。
「あー、えっと、その、何だ。昨日は騒動を起こして悪かった」
魔理沙は、場を引っ掻き回したお前も悪いんだぞ、という目で紫を見る。
「まあ、細かいことは抜きにして乾杯しましょう」
かんぱぁ~いっ!!
女声の中にひとつだけ混じる男声。そして声に一瞬遅れて杯のぶつかり合う音が響く。
花見の季節はとっくにすぎているが、そんなことは関係ない。
花より団子。
ただただ飲んで騒ぐだけ。
ただただ騒いで夢を見る。
「○○、飲んでるかぁ~?」
既に酒のニオイを全身から漂わせている萃香が○○の膝の上にちょこん、と座る。他の参加者は萃香を睨んでいるが、鈍感な○○は気づかずにレミリアから勧められる咲夜謹製ヴィンテージワインを味わっていた。
「はい。飲んでますよ」
「よぉーし、もっと飲め!」
萃香は近くにいた早苗の杯を奪い、中身を○○に飲ませた。
「これ、ひょっとして間接キスってやつか?」
萃香の言葉で○○の顔が赤くなる。早苗は早苗で、頼んでくれたらキス以外にも何でもしてあげます、と顔を真っ赤にしている。その姿はまさにトマトだ。
「○○、こっちのお酒も飲んでみない?」
好機と見た霊夢は飲みかけの酒が入った杯を差し出した。丁寧にも、自分が口をつけた部分を○○に向けて。
「あー、いや、その……」
「霊夢、○○はワインの方が好みなのよ」
レミリアは自分が使っていたグラスにワインを注ぎ、○○に向けて差し出した。
「「さあ!!」」
「え、えーと……」
○○は助け舟を出してもらえないかと周囲に視線を送る。
「無理矢理飲ませて急性アルコール中毒になったらどうするおつもりです?」
「その通りだ」
咲夜の言葉に慧音が同意し、二人がかわりに酒を飲みほした。
「○○、困ったことがあったら私に相談してくれよ。そ、その、なんだ……。ずっと……隣で……さ、サポートするからな?」
酒のせいなのか自身の発言のせいなのか、慧音の頬は少し赤くなっている。
「先ほどのものより上質のワインが出来ましたよ。さあ、ゆっくり味わってください」
ついさっき自分が言ったことを無視し、咲夜は○○のグラスに能力で作り上げたばかりのヴィンテージワインを注いだ。私の体を肴にしてもいいんですよ、と口にして。
「ちょっと咲夜!?」
「紅魔館の主とメイド長、ひとりの男を取り合い大喧嘩、と。いいネタですね。そして○○さんは私のものです」
写真を撮ってさらりと問題発言をする文。
「○○さん。あんな二人はほうっておいて私としっぽりと飲み明かしましょう」
文がぐいと引っ張ると、○○の腕が霊夢のなかったそれとは別のものに当たる。
「お酒の勢いに任せて、文字通り密着取材とかもアリですね」
「ちょ、ちょっと射命丸さん」
「心配しないでください。私が口ぞえをしておきますから、山での働き口は安心ですよ。ああ、専業主夫なんてのもアリですね。こどもは何人にします? サッカーの試合が出来るくらいにしましょうか」
どんどんと飛躍していく文の妄想とそれについていけない○○。
「○○はどういう女性が好みなのかしら?」
少し離れたところにいる紫の発言でその場の空気が完全に破壊された。全員が○○に向けて一斉に視線を向ける。
「確か、外では『しゅうがくりょこう』と言ったかしら? お酒を飲んだ時としゅうがくりょこうの時は好きな異性のことを暴露するのが慣わしなのよね?」
早苗は自分に向けられた紫の視線から意図を汲み取り、はい、そうです、と大きく頷いた。
「○○、教えてくれるかしら?」
参加者全員の双眸が答えろ、という色を宿して○○を見ている。
「お、俺が好きな女性は……」
○○の視線は右へ左へと面白いように動いていく。
「勿論、人間に決まっているわよね」
今まで黙って様子を見ていた輝夜が微笑んで言った。魔理沙、咲夜、早苗、霊夢はそれに同調してうんうん、と頷いている。
「○○は博識だから異類婚姻譚は知っているわよね……?」
紫が同じことを話していたとも知らず、パチュリーが異類婚姻譚の例を挙げていく。
「このまま傍観しているつもり?」
「何か問題でもあるのかしら?」
永琳の問いに答えながら紫は酒を飲む。
「いいえ。姫様のあれほど楽しそうな顔は滅多に見れるものじゃないわ」
「媚薬の効果かもしれないわよ?」
「姫様の○○への好意は以前からのもの。これは確かよ」
初耳だわ、と言いながら紫は杯に酒を注ぎ、永琳に手渡した。
「言ってないもの」
「そりゃそうようね」
二人は苦笑し、酒を呷る。
「あなたはいかなくていいの?」
「○○への好意はあるけど、姫様が抱いている感情とは別物。まあ、○○だったら悪い気はしないけど」
永琳は嬉しそうに笑い、紫の杯に酒を注いだ。
「○○が永遠亭にきたら、みんな喜ぶでしょうね」
永遠亭に限った話じゃないでしょうけど、と付け足して再び微笑む。
「そっちは混ざらなくていいの?」
「私はもう充分楽しんだわ。……まあ、もう少し先にいってもよかったんだけど」
紫はふふ、と笑い自分達の方へ向かってくる慧音のために酒を杯に注いだ。
「○○~それでお前好みの異性はこの中でいうと誰なんだ? 言ってみろよ~?」
ニヤニヤと笑いながら萃香は○○に詰め寄る。それを止めようとする者は誰もいない。全員が○○の答えを期待しているのだ。
「先に言っておくけど、みんなが好き、なんて答えはなしだからな」
ずい、とさらに詰め寄る萃香。それにあわせて他のメンバーも○○を包囲するように前に進む。
「えっと、その……」
○○は助けてもらおうと紫を見るが、紫は笑顔で手を振るだけ。両隣にいる永琳も慧音も同じ。
「さぁて、助太刀してくれるやつはいなくなったぞ。観念するんだ。安心しろ、みんなお前のことを気にいっているから、告白したくらいじゃ嫌われないさ」
萃香の言葉を聞き、○○の顔が呆けたものになる。
「俺が……気に入られている……?」
「なんだ、ひょっとして気づいていなかったのか? 鈍感なやつだな」
○○の予想外の反応に萃香は大きく笑った。
「みんな! ○○のことが気に入っている。そうだろ?」
萃香が同意を求めると、周囲の人妖達がそれぞれ肯定の意見を述べる。
「な? だから、イロイロと吐いちまえよ。おっと、酒を吐くのは勘弁してくれよ」
○○は目を閉じ、胸に手を当てて深呼吸を始めた。
「おい、ちょ、まさか本気でリバースする気じゃないだろうなッ!?」
萃香は慌てて○○から離れ、様子を伺う。十秒ほど様子を伺っていると、○○が目を開けて立ち上がった。
「言います。俺が憧れているのは――」
――(自分の嫁の名前を入れよう!)さんです!
「あらあら。爆弾発言が出たわね」
紫は片手で弄んでいた扇をぱちん、と閉じる。
「本当ね」
「さて、それじゃあいろいろと処理しようか」
紫が立ち上がるのと同時に、永琳と慧音も立ち上がった。
○○にとって、幻想郷でのこれからの生活はどうなるのかしら。
幸せなものになるのか、はたまたその逆か。
これからがすごく楽しみだわ。
うpろだ1105、1125
───────────────────────────────────────────────────────────
「なにしてんだ?」
慌てて飛び起きた。
「まっ――!」
「静かに。○○が起きちまうぜ」
魔理沙はさっきの霊夢と同じように○○の顔を覗き込む。
「あどけない顔してるなー。こうして見ると○○もかわいいな」
そして靴を脱ぐと○○の隣りに寝転がった。
「おー、お日さまのいいにおいー。こりゃ特等席だ」
「ちょ、魔理沙!」
「なんだよ、いいじゃないか。さっき霊夢だって同じようなことしようとしてたじゃないか」
「う……」
「それにまだ反対側に特等席は残ってるぜ。それじゃおやすみー」
目をつぶった魔理沙はあっという間に眠りについてしまった。一人取り残された霊夢は暫く考えた後、○○の隣りに寝転がった。
「……う、んん? そっか、少しだけってことで眠っちゃったんだっけ」
○○が目を覚ますと両脇に誰かが眠っていることに気がついた。
まだ寝ぼけたままの○○は片方の人影に手を伸ばすとゆっくりと頭を撫で始めた。
さらさらと指にからまることなく絹のような手触りに○○は傷めないようにやさしく手を動かす。
撫でられている方も心地よいのか胴に腕をまわして首をこすりつけている。まるでもっと撫でてと催促しているみたいだ。
「んぅ……ふにゃ……にぅ」
子猫のような声を聞きながら○○はだんだんと意識がはっきりしてきた。
「……そういえば今頭撫でてるの誰なんだろ?」
視線を下に向けると胴に首をこすりつけている霊夢の姿が目に飛び込んできた。
「――!?」
驚いて頭から○○は手を頭から離してしまった。
「あ……やめちゃやだ……」
顔をあげた霊夢は自分を見つめている○○に気がつき、はっきり分かるくらい顔を赤くした。
そして二人ともしばらくぴくりとも動かなかったが、おずおずと○○が口を開いた
「えっと、霊夢?」
「○○」
「な、なに?」
「今言ったことは寝言よ。深い意味はないわ」
「で、でも今は起きてるし」
「いいの! そういうことにしておくの! ……そ、それでまた撫でてほしいんだけど」
そう言い終わると○○の方に頭を向けて目を閉じてしまった。
そのしぐさに苦笑した○○は頭に手を乗せて撫で始めようとしたが、反対側から服を引っ張られるので
そちらに視線を移すとこちらも撫でてくれといわんばかりに見つめてくる魔理沙がいた。
「……魔理沙も起きてるだろ」
「何言ってるんだ? 私は眠っているぜ。そしてこれは寝言だ」
「はいはい、魔理沙も撫でて欲しいんだろ」
「ああ、頼むぜ」
○○は二人の頭に手を置くとゆっくりとやさしく撫で始めた。
(ふぁ……ただ撫でられるのになんでこんなに気持ちいいの……?)
(あぅ……のーみそとろけちまいそうだぜ……)
どこか上気した顔でごろごろと擦り寄ってくるのを見て○○はまるでわがままな子猫だなと思いながら二人が満足するまで頭を撫で続けた。
うpろだ1107
───────────────────────────────────────────────────────────
「突然ですが僕も身を固めることになりました」
「ほんと突然ね。急にどうしたの?」
「実はね、慧音様が…」
『お前も成人したんだ、生涯の伴侶を得るには丁度良い時節だな。
しかし、お前に想いを寄せる輩は人妖問わずゴロゴロしている。
誰にでも優しく接してしまうお前だからな、簡単には決められない
だろう。そこで、掟破りの一夫多妻制を採ってみないか?責任は
私が取ろう』
「慧音らしくもない爆弾発言ね…で、一夫多妻制って言うからには
正妻と側室が付き物だけど、もう決めた?」
「それなんだけどね…」
ズザザザーッ
「お前の正妻を決めると聞いて速い音速で飛んできたぜっ!」
「あややややっ、これはスクープです、文句なしの大スクープ!
そしてその話題の中心には、この私、射命丸 文がっ!」
「おぉ?久方ぶりに面白そうだから私も付き合うかねぇ~、酒の
肴にゃあちょうどよさそうだし」
「これは運命なのよ。彼の隣に立つ正妻、その名はレミリア。
永遠の紅い月、紅魔ことレミリア・スカーレット!」
「失礼ですが、お嬢様に彼は分不相応と言うもの。汚れ役として
この咲夜が出向かせていただきます(お嬢様と言えども正妻は…
譲りませんわ!)」
「パチュリー様ぁ、大丈夫ですか~?」
「喘息が何よ、太陽光が何よ、何が何でも私は彼の隣に立つの!」
「むーっ!私一人でいいのに、美鈴までどうして来るのよぅ!」
「そりゃ決まってるじゃないですか、彼の正さ…ゴホン、妹様の
お目付け役です(何回壊されても、穿たれても、私は負けません
からっ!)」
「ねぇ、人形でごっこ遊びしていても面白くないから本当の夫婦に
ならない?」
「この妖夢、半人前ですが全身全霊で愛させていただきますっ!」
「いやいや妖夢、私が彼を本当の愛の巣へと誘ってあげるのよ」
「い、いや、私は、紫様がどうしてもと仰るので…」
「隙間を弄らなくたって、あなたを虜にすることなどわけないわ。
退屈などない、刺激的な毎日にしてあげる」
「し、師匠がどうしても付き合えって言うから、えっと、その…」
「ウドンゲ、私が正妻になった暁にはあなたを彼の側室にするよう
取り計らってあげるわ。だから正妻は諦めなさい」
「イナバ、永琳、揃いも揃って主人に反旗を翻す気?私こそが彼の
正妻に相応しい姫君に決まってるじゃないの」
「ふざけろ輝夜っ!お前には絶対に渡さないんだから!正妻は私
一人でいい!」
「あら、私の夫になりたい身の程知らずな人間はこちら?いいわよ、
死ぬほど愛してあげる」
「四季さまぁ、ほんとにあたいも同行していいんですかね?」
「彼の側室になれば流石にサボることもなくなるでしょうからね。
そして何より私が正妻…」
「姉さんを側室にして私が正さ「穣子を側室にして私が正さ」」
「厄…一緒にいていくらでも取ってあげるから」
「人間~、正妻にしてくれれば毎日がテクノライフだよ~」
「せせっ、正妻ですか!?い、いけませんっ、私達まだ契っても
いないじゃないですか!ああっ、駄目ですっこんなのっ」
「あーこらこら早苗、熱暴走しないの。早苗を娶るんだったら、
私らも側室にして頂戴」
「あーうー、ケロちゃん毎日大喜び!雨がなくても外跳ね回るわ!」
「空気を呼んで参上しました。正妻にするのですね、わかります」
「こら衣玖!抜け駆けするなと何度言ったら分かるのよ!」
「妬ましい、こんなにも想われるあなたが妬ましいわ」
「おや、萃香がいるのかい?気に入った、私も付き合おう!」
「お空、お燐、私が彼を地霊殿に迎えた時はあなた達を側室に
するよう取り計らってあげるから…って、引く気ないわね!」
「そりゃあ~、当然じゃないですかぁ」
「毎日をメルトにフュージョンしたいんだもん!」
「お姉ちゃん達はほっといて…私のこと、お嫁さんにして?」
「凄く壮観な光景だな…」
「オーケー、いきなりだがこいつの正妻は私、霧雨魔理沙だ!」
『Boo!Boo!』
「やかましい!だが私もおと、もとい!女だ。側室の席も用意した。
残りの席が欲しかったら幻想郷の流儀に従い、スペルカード戦で私を
倒して行けぇぇーッ!!」
ゴッ!!←回し蹴りが綺麗に決まった音
「はぁうッッ!!」
「これで邪魔者は消えました。正妻には是非とも私を、紅美鈴を
よろしくお願いしま」
ドゴーン←賢者の石
「ウボァー」
「役にも立たない門番なんかよりも私を選びなさい。知識は豊富
だし、今なら小悪魔もついてお得よ」
「パチュリー様ぁ~、嬉しいですっ」
プシュー←ぜんそくスプレーの逆バージョン
「くぁwせdrftgyふじこ!!!!!!!??????」
「これは運命なの、私があなたの正妻になるのも、あなたが私の
夫になるのも、全て運命のうちなのよ。さぁ、愛の口付けを…」
「だぁーめ!お姉様は『手垢』つきだからバッチくていけないわ!
495年も地下にいたけど、垢のない綺麗な私がいいよね!」
「ちょっとフラン、聞き捨てならないことを言ってくれたじゃない。
どっちが偉いか教えてあげるわ」
「ふんだ!壊れちゃっても知らないからね!いきなり喰らえー!」
「妹と言えども容赦しないわ、しばらく大人しくしてなさい!」
「この咲夜、従者の経験を生かして炊事洗濯、掃除に護衛と何でも
できます。退屈も不自由もさせませんわ…」
「それだったら従者でも側室でも別にいいじゃない。そんなことは
全部人形がやってくれるし、それらを制御できる私なら言う事無しよ」
「そ、そうじゃなくて大事なのは真心ですよ!本人がやらなくちゃ
意味ないじゃないですか!幽々子様のお目付け役として続けてきた
ことを、あなたに全身全霊でぶつけます!」
「そんなのだったら、咲夜とやること大して変わらないじゃない」
「…あなた達とは、一度決着をつけるべきかしら。すみません、
少々お時間を頂きます。この埋め合わせは後で必ずしますので」
「この二人を叩きのめしてくるからお茶の用意をして待っててね」
「叶わぬ愛など全然ない!お二人が相手でも負けませんから!」
「妖夢ったら、ぶつけてどうするのかしら。壊れちゃうかもしれない
じゃない。まぁ壊れちゃったら、その時こそこちらに来て貰うのが
一番よねぇ」
「幽々子、彼はマヨヒガの我が家でこれ以上ない素晴らしい生涯を
送るのよ。貴女といえども、邪魔はさせないわ」
「西行寺様、紫様のご命令は絶対ですので。ご無礼!」
「永遠に咲かない桜の下で眠るがいいわ、亡霊の娘!」
「底なき隙間の闇の中に消えるがいいわ、紫色の妖!」
「わ、私は師匠の元で薬師として修行をしたし、輝夜様の面倒も
見てきたから、あなたの役に立てると思うの」
「あらウドンゲ、私を差し置いて下克上のつもりかしら?」
「月のイナバも随分と生意気言うようになったわねぇ。お仕置き
してあげるからそこになおりなさい」
「普段暇そうにしているお前が言うか!あー、気にしないで。要は
私が正妻になればいいんだから」
「何か言ったかしら?妹紅。邪魔はさせない、今日こそ完璧に
死なせてあげるわ」
「実はあなたは非常に重い罪を背負っています。このままいけば
地獄確定どころか、存在そのものが消滅しかねません!対処法は
只一つ、私を正妻として…」
「四季様、それじゃただの脅迫ですって!」
「えぇーい小町、邪魔はさせないわ!そこになおりなさい!」
「きゃん!きゃん!(1UP)まだ何もしてないじゃないですかぁ!」
「黙りなさい、まだってことはこれから、ってことじゃないの!」
「中立公平な閻魔を自称する癖に色気違いね。私の向日葵畑近くの
別荘にいらっしゃいな。死ぬほど愛してあげるわ。そう、末永くね…」
「こんな危険度極悪指定の妖怪に着いて行ってはいけません。稗田の
娘が書き記した求聞史紀にも書いてあったでしょう?着いて行ったら
即地獄どころか消滅確定です」
「あら、閻魔様ともあろうお方が他人の誹謗中傷とはね。丁度良い、
そこのヘタレた死に神と一緒にまとめて苛めてあげるわ。少しの間
待っていなさい、後で存分に愛してあげる」
「あんた、あたいはともかく四季さまを見下すのはいただけないねぇ」
「すみません、少々お待ちを…これより四季映姫・ヤマザナドゥの
元、被告人風見幽香の裁判を行います!」
「このカニ飾り持ちの駄目姉「この芋くさい田舎っぺな愚妹」」
「ぱっと見て分かるくらい、今のあなたは厄に塗れているわ。私と
契れば、この厄から逃れられる」
「ちょっと厄神さま、人間は今それ所じゃないんですよ。私との
テクノライフを楽しむための準備があるんで借りていきますねー」
「あやっ!駄目です駄目です、彼は私とお空の散歩、空中で夫婦の
契りを交わす…うーん、ロマンティック!」
「ごめんね、この二人をまず払いのける必要があるわ。終われば
あなたの厄も大分薄くなるはずだから。その後で、ね」
「人間、これから素敵なテクノライフの邪魔者達を吹っ飛ばすから
首を長くして待っててねー」
「むむむ、これは大ピンチですか?否!これも愛の試練、見事に
乗り切って見せましょう!待っててくださいねー」
「こら、そこの蒼白地上人!私を天人と知って彼を寝取ろうなんて
いい度胸じゃない!」
「私は風祝(かぜはふり)です!これでも現人神なんです!毎日が
エクササイズです!そっちこそ天人だって言うわりには毎日毎日
暇してばかりで、何にも仕事しちゃいないじゃないですか!」
「ああーっ、地上人のくせに言ってはいけないことを!」
「だから現人神なんですってば!」
「総領娘様、事実ですので否定は出来ません」
「やっぱり!天人だって言うのに怠け者じゃ、あの人が振り向いたり
するわけないんです!私は信仰集めに毎日忙しいんですから、愛を
囁かれる資格は十分、いえ十二分ですよ!」
「うるさいうるさーい!衣玖、あんたはどっちの味方なのよ!」
「あのお二人を相手にするとろくなことがありません。私と共に
天界へ行きませんか」
「って、シカト!?」
「こら、神の私らをシカトするとはいい度胸じゃないナマズっ子」
「ケロちゃん様はお怒りだー!ミシャグジ様もお怒りだぞー!」
「2対1、非効率的ではありますがお相手させていただきます」
「この生意気地上人!」
「この怠け者天人!」
「妬ましい…」
「まーまー、一杯やんなよパルパル。落ち着いて落ち着いて」
「誰がパルパルよ、ん…きゅう」
「さぁーて、邪魔者はいなくなった。どうだい、私と飲み明かさない?」
「こらゆーぎ!あんた私を差し置いて何やってんのさ!鬼たるもの、嘘と
ズルはいけないんだぞ!」
「どーやらアンタとは決着をつける必要があるねぇ…鬼同士。来な!」
「お空、お燐、二人とも自重しなさい!」
「さとり様のご命令とは言え、譲りませんよーだ」
「フュージョン!フュージョン!一緒にフュージョン!」
「…再教育が必要かしら。二人ともそこに座りなさい」
「お姉ちゃん達のことはほっといていいから…ほら、早く契ろ?」
「こら、こいし!あなたも抜け駆けするのやめなさい!」
「あああ…何だか収拾がつかなくなってきた」
「ねぇ」
「うん?」
「私のこと、正妻にして?あなただったら、その…構わないわ」
「えっ…」
「霊夢、抜け駆け禁止!!」
「うっさい!私の邪魔をするなら叩き潰すまでよ!」
『死ねよやぁー!!』
「…はぁ。決まらないなぁ…」
幻想郷縁起・異変の項目に追加
神社崩壊変
某月某日、博麗神社に幻想郷の名だたる人間と妖怪達が殺到。
それから程なくして、同神社の半径百メートルが弾幕の嵐に
見舞われたという異変である。その騒ぎは通常の異変ならば一日で
終わる(※1)と思われたが、予想を裏切り三日三晩続いた(※2)。
被害は人里へは及ばず大したことはなかったが博麗神社が倒壊、
現在有志の元復旧工事が行われている(執筆終了後の現在復旧完了)。
嵐の中心にいたのは、湖近辺にそびえる紅い館の主でも冥界の
亡霊達が地獄へ旅立つ瞬間までを過ごす楼閣の亡霊嬢でもなく、
竹林の奥にある屋敷の姫君でもない。鬼でもなければ天界の天人
でもなく、妖怪の山にある神社の神でもなければ地底にある殿堂の
姉妹でもない(※3)。
寺子屋の上白沢氏の弟子である。
彼が直接何かをしたわけではなく、成人したことから身を固める
ことを氏から勧められたと博麗の巫女に語った際、その会話に前途の
彼女達が反応、大集合となった。
当然丸く収まるはずもなく、彼女達の激情が神社の境内のいたる
ところで炸裂、大喧嘩に発展。スペルカード戦に則って決闘開始、
そして今回の異変に至った(※4)。
上白沢氏の弟子の所在は現在不明(※5)、調査中とのこと。異変の
詳細を詳しく知る意味でも、彼の安否が気遣われる。
※1)
長続きしないところから異変を起こした張本人は余程の暇人と推察。
※2)
やはり暇人の集まりである。その能力をもっと有用なことに使うと
言う選択肢はないのだろうか?
※3)
これだけ並べられるほどの要注意人物、妖怪がいるということ。
※4)
恋は盲目、近所迷惑とはまさにこのことである。
※5)
決闘に使用される流れ弾に被弾した可能性がある。最悪死もありうるが。
「お待たせしました、夕飯の時間ですよ」
「ごめんね阿求さん、突然押しかけちゃったりして…」
「いえいえ、困ったときはお互い様ですから」
(このまま信頼を勝ち取っていけば彼と契るところまで…うふふふ)
…この後彼の気配を嗅ぎ取った少女達が稗田邸に押しかけてきて
ますますグダグダになるのは言うまでもないであろう。
新ろだ23
───────────────────────────────────────────────────────────
「ふぁ……」
夏の終わりを感じさせるような柔らかな日差し、秋の冷たい風が吹き抜ける博麗神社。
縁側に座る青年は欠伸を隠すことなく、目の端に涙を浮かべながらボンヤリとしている。
「あら、頭の中はすっかり春ね」
艶やかな黒髪に赤いリボン、特徴的な巫女服に実を包む少女が両手に湯飲みを持ち、青年の隣に座る。
ここ――博麗神社の巫女である博麗霊夢。
霧雨魔理沙と並ぶちょっとした有名人。
「ありがと……ふぁ……」
「この陽気じゃあ仕方ないわね……ふぁ……」
欠伸は移るというが、移ったようだ。
霊夢は目を細め、○○と言う青年を見る。
―事故で迷い込んでしまったらしい。
―どうもこの青年は眠るのが好きらしい。スキマ妖怪と気が合いそうだ。
―料理も趣味でするらしい。趣味の域をでないよ、ははは。というのは本人の談。
―ボンヤリとしている。
―見様によっては“頼りないお兄ちゃん”に見える。
「……霊夢、どしたの?」
「ううん、何でもないわ」
二人同時にお茶をズズッと。
「あ~お茶が美味しい」
目を細め○○
「お茶が美味しいわ」
同じく目を細め霊夢。
駄目だこいつら。早くなんとかしないと。
「こんにちわ~」
「早苗ちゃんこんにちわ」
傍目から見てもボンヤリとしていると分かる、○○の声。
「あら、何か用?」
「はい。大切な用事です。」
心なしか早苗の目に炎が灯っている。
「一体何かしら」
巫女の勘と言うべきか。その目は鷹のように鋭く。
「ふぁ……秋だなぁ……」
これから切って落とされるだろう巫女二人の舌戦など、まるで気にしないように独り言を呟いている。
巫女巫女が壮絶な睨み合いをしている頃、また乱入者が一人。
箒に跨る黒い帽子に黒いエプロンドレスの少女。
「邪魔するぜ……おっとぉ!」
「魔理沙もこんにちわ。今日はお客さんが多い日だなぁ~」
はい、お茶。と言い、湯飲みにお茶を注ぐ○○
「お、サンキュー」
ズズッとお茶を飲む魔理沙。
「で、コイツは一体何なんだぜ?」
「ん……何?」
相変わらず舌戦を繰り返す巫女二人を尻目に、瞼が重たくなったのかほわほわとしている○○
「まるで赤ん坊だぜ」
「俺赤ちゃんじゃないよ」
「だったらこんな時にうとうとしないぜ」
と言うのも、巫女二人が弾幕ごっこで決着をつけようとしているからだ。
「……痛ぁ……気持ち良いんだから仕方ないよ~」
もたれている柱に後頭部をぶつけ、お茶を飲む○○
「それもそうか。私も眠たくなってきたぜ……」
コテン、と○○の右太ももを枕代わりに眠り始める魔理沙。
「魔理沙も人のこと言えないね」
と、今度は左太ももに重みを感じる。
何時の間に現れたのか、八雲紫が眠っていた。
「紫様がすまない」
「こんにちわ、藍さん。こんな日ですもん。仕方ないですよ」
二人を起こさないように小声で。
お茶を淹れたいが立ち上がれず、顔の前で両手を合わせる○○
いや、良いよ、と言いたげに手で制する藍。
彼女もこの陽気にやられたのか眠たそうだ。
「それより藍さんも一眠りどうです?」
「……紫様もこの様子だ。少しくらいなら構わんだろう」
○○と背中合わせになるように座り、うつらうつらとし始める藍。
藍の膝の上には二本の尻尾を持つ黒猫がいる
「尻尾が暖かくて気持ちいい……」
この陽気を存分に吸い取った九尾の狐色の尻尾を堪能する○○
今にも瞼が閉じそうだ
「そうか……それは良かった……」
藍と○○、肩をあわせるように眠り始めた。
○○の手は魔理沙と紫の頭に乗せられている。
○○・魔理沙・紫・藍の四人が○○を中心に惰眠を貪る中、二人の巫女は弾幕ごっこを続けていた。
~~巫女巫女弾幕中~~
引き分けとなった弾幕勝負。
お互いの服は所々破けており、その若さ溢れる柔肌を見せ付けている。
二人の目には、既に満員御礼になり、眠る○○達の姿。
「…………!?」
「…………!?」
二人同時に目を見開いたと思えば、残り一席を求めて駆け出す!
二人から○○まで約30メートル。
霊夢は並走する早苗に目をやる。
早苗の目から燃え上がる炎を幻視する霊夢。
「(……本気のようね)」
残り20メートル
今度は早苗が霊夢に目をやる。
「(流石です。ですが渡しません)」
残り10メートル
「「はぁっ!!」」
同じタイミングでお払い棒を打ち合う二人。
二人のお払い棒がぶつかり合った箇所には火花が散る。
そんな馬鹿な。
残り5メートル
「「今度こそ!」」
互いが互いの足を引っ掛け、ガッと音が鳴り、地を抉る。
残り4メートル
ザッ!
止める事は困難なと判断したのか二人は踏みとどまる
「あら、今度こそ“弾幕”で決着をつける?」
「望むところです!」
空中に飛ぶ二人、今にも弾幕が張られようとしている。
スペルカードを取り出し、いざ……
「……ニャーン」
お燐こと、火焔猫燐が猫形態で○○の膝の上で丸くなっていた
「「( ゚д゚)……」」
「「(つд⊂)ゴシゴシ」」
「「(;゚д゚)……」」
「「(つд⊂)ゴシゴシゴシ」」
_, ._
「「(;゚ Д゚)……!?」」
「「( ゚д゚ )」」
コクリと頷き合った二人。
二人は懐からスペルカードを取り出し
「夢想封印」
「八坂の神風」
ちゅどーん!!
新ろだ36
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ある日起きると穣子が静かな顔で枕元に座っていた。
しかしその気配は殺気に満ち、下手を打てば心中せんという勢いである。
何をそこまで怒っているのかと思うが、やはり身に覚えが無い。
仕方が無いので尋ねてみるとそこで寝ている女は誰かと言う。
横を見ると何時の間に入ったのか、同じ布団で眠る天子がいた。
早急に説明をしなければ酷いことになるのは目に見えている。
既に穣子の右手には煌く何かが握られており、事の深刻性を示していた。
ここは正直に天人で以前家を壊した張本人と話すべきだろうか。
だがそう簡単に信じてもらえるとも思えない。
天子が起きて自分で説明してくれればそれが一番いいのだろうが、生憎起きる様子が無い。
考えている最中にも右手のそれは序々に近づき、胸元まで迫っている。
これはいよいよ以って終わったかと思っていると、竜宮の使いが現れた。
有り難い事に彼女は期待以上の働きをしてくれた。穣子は判ってくれたようで、泣きながら謝ってくれる。
このようなときに現れる奴は引っ掻き回すだけだろうなと半ば諦めていたが、どうやら空気を読んでくれたらしい。
胸の肉は幾らか抉れており、あと少し遅れていれば大惨事だったろう。全く背筋が凍るとはこのことか。
穣子は反動の所為か稚児のように泣いたまま胸の中で甘えている。
しかし右手にはまだ硬く鋭いものが握り締められている辺り、依然怒っているのかもしれない。
その様を竜宮略は生温かい目で見ていた。
なお天子はまだ起きていない。
無事に家からの脱出を果たす。生きているというのはそれだけで素晴らしいことだ。
家で休んでいようというのは朝方常に考えることだが、まさか早く家を出たいと願う日が来るとは露にも思わなかった。
だが朝から一波乱あった所為で仕事をする気になれない。ずっと準備中にしている。
弁当も忘れたが里中に食いに行く気力も無い。余剰の炸薬でも川に放り込んで魚を取って食っていようか。
川下の住人やら河童やらから苦情が来そうだが、常用するわけでも無し一回こっきりと思って我慢してもらおう。
さて爆薬、雷管の準備をしている時に客が来た。
準備中としているのにやって来るとはどういう了見をした連中だろうと出てみると穣子御一行であった。
曰く弁当を持ってきたということだが、今日に限っては全く嬉しくない。
持ってこられた弁当のおかずは好物が多いが、寧ろ多すぎて不安にさせる。
しかもいざ食おうとすると箸を取り上げられ、右手にいた穣子に口を開けろと半ば命令される様に言われた。
恐らくこれはよく聞く奴をやろうとしているのだろう。勘弁してくれ。
凡そ地獄のような食事であった。
凄まじい緊張感の中、一つ一つ食物が口に放り込まれる。
茶を飲むのにも穣子が椀を持つ始末で、果ては口移しで飲まされるのではなかろうかと思えた。
それを見て面白そうだと思ったのか、天子も自分の口に桃を近付けてやれ食えと言ってくる。
しかもそれが水蜜桃なのだから性質が悪い。蜜で口の周りが気持ち悪いことになった。
食事の後、天子がどこかに遊びに連れて行けとせがみ抱きついてくる。
穣子はそれを射殺さんばかりの眼光で睨みつけている。
竜略はそれらをまだ弁当を食いながらただ黙って見ている。
生きた心地が全くしない。誰か助けてくれ。
仕事があるといって何とか追い返せた。
今なら言える。神は死んだ。
帰ってみると天子が穣子の膝の上に座ってくつろいでいた。
昼の剣幕はどこへやら、穣子も顎の下などを掻いて楽しんでいる。
時折天子が穣子の胸に頬を擦り付けて気持ち良さそうな顔をしていた。
何があったのかは判らないが随分な仲の良さだ。だが険悪よりよっぽど良い。
どうしたのかは聞かないでおこう、またいらぬことを思い起こさせても厄介だ。
それよりかは戻ってきた平穏を楽しんでおこう。
夕飯を食っていると天子が片膝の上に乗ってきた。こいつは膝の上が好きなのだろうか。
何か言うのも面倒なので、自分も頭を撫でてやりながら酒を呑む。天子はどうにも気持ち良さそうに目を細めていた。
それを見ていたのだろうか穣子が脇まで寄ってくる。催促する様に頭を差し出されては撫でるより他に無い。
幾らかの間撫で続けていると、頭を膝の上に乗っけて猫の様に丸くなった。
忘れていた天子のほうを見ると、こちらも肩に顎を乗せて寝息を立てている。
多少重いが仕方が無い、随分幸せそうな顔をしているのだからこれを起こすのは酷と言うものだ。
柔らかな荷重を受け、後に来るだろう痺れを恐れながら一息に酒を呷った。
うpろだ1236
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~アリス・マーガトロイド家~
「うーむ、やっぱ酒はいいぜ。なんかこう、どうでも良くなってくるよな」
「人んちで食べ散らかす程にまでどうでも良くならないでよ魔理沙・・」
「いいじゃないか、久々に遊びに来てやったんだし、今日くらいは無礼講といこうぜ」
「・・いつもそう言ってるような気がするわ」
「ははっ、そうだっけ、覚えてないぜ」
「・・・あー、二人とも、ちょっといいか?」
「どうしたんだ○○?」
「なあに?」
「・・・何で俺まで居るんだ?」
ここに来てから、30分程経ったが、ようやく俺はツッコミを入れた。
そう、何故か俺は今、魔理沙と一緒にアリス家におじゃましているのだ。
「そこにお前が居たからだぜ」
「・・・・。」
「まあ細かい事は気にすんな。暇だったんだろ?」
「・・まあ」
俺がのんび~りと歩いてる時に遠くで魔理沙がホウキにまたがってこっち向かってるな~と思ったら
そのまま低空飛行で、すれ違いさまに俺を攫っていくのは正直どうかと思ったが
もうあえて突っ込まない事にした。いつもの事だしな。
「普通に聞こえてるぜ」
「う、うるさいな。俺は高所恐怖症なんだから本当に死ぬかと思ったぞ・・」
「あはは、あんた達ホントに仲が良いのね」
「よしてくれ。・・それより、ちとキツすぎじゃないか?これ」
「何言ってんだ、これくらいが普通だぜ、アリス、もう一本くれ」
何本目だ?魔理沙のやつ・・っていうかアリスもそれ以上魔理沙に飲ますなよと
1時間後
「なぁ~○○~」
「こ、こら、くっつくなよ魔理沙」
「キスしようぜキス」
「・・完全に出来上がってるな・・お前、酒弱いくせに呑みすぎなんだよ」
「私は強い方だぜ。ほらよ、んちゅー」
んぐ・・い、息が・・こいつ舌まで絡めてきやがった
「あ~こらぁ、魔理沙ずるいよ~」
そういいながらアリスが近づき、腕にしがみついてきた。
って、しっかりアリスまでおかしい事になってるじゃーありませんか。つか息が・・・
「ぷはっ、酒くっさ!」
「ひどいなお前・・女性に言う言葉じゃないぜ」
「じゃあ次は私が――」
「はいはいちょっとタンマ。お前らストップ!」
「なんだよ○○、せっかく盛り上がってきたってのに」
「いや盛り上がってるのはお前らだけじゃないか」
「お前も両手に花だというのに贅沢なやつだな」
ぜぇ・・ぜぇ・・このまま好きにさせると何されるか分かったもんじゃない・・
さらに1時間後
「くかー、くかー」
魔理沙のやつ、結局酒に飲まれてダウンか。
・・しかも俺の膝の上で。子供かよ
アリスの方は、さっき若干おかしかった割には今はえらく落ち着いて紅茶を飲んでいる。
「魔理沙、完全に寝た?」
「ああ、こりゃ暫く目が覚めないな。」
「そう、良かった。」
「・・?」
かちゃん。とアリスは紅茶のカップをテーブルに置き、
俺の方へと近づいてきた。
ずぃ
「ねえ、○○」
顔近っ!
「な、なんでしょうか」
「魔理沙の事、どう思ってるの?」
「・・どういう意味でしょうか。(←ビビってる時は敬語)」
突然何を言い出すのだ
「どうって言われても・・お前もやっぱり酒で・・」
「酔ってないよ。私は最初から呑んでないもの。・・呑むフリはしたけど」
「なんだ、お前って酒ダメだっけ」
「そういう訳じゃないけど、シラフでいておきたかったのよ、今日は」
「なんだそりゃ・・」
「で?」
「な、なんだよ」
「どうなの?好きなの?」
いやだから顔が近いです。
「・・・」
俺は爆睡している魔理沙をチラっと目をやって溜息を混じりつつ答えた
「・・こいつは、いつもしょーも無い事にすぐ首を突っ込んでは面倒を起こすわ、人の言うことを無視するわで
色々苦労はしているが、一度何かやると決めたら最後までやるヤツなんだ。
それはアリスも付き合い長いから分かるだろ?」
「ええ、昔からそうね、魔理沙は」
「何だろうね。興味が沸くっていうのかな、こいつの努力が最後にどう結果をもたらすか。
まあそれに付き合って苦労はしてはいるんだが、こいつと居ると退屈しないね。
・・好きかどうかはいきなり聞かれても分からん。あまりそういう風に考えた事無かったんだ」
「・・そう。」
「・・・」
そんな事を聞いてどうするのかと思ったら、
今度はまたおかしな事を聞いてきた。
「じゃあ、私と魔理沙どっちが好き?」
「はい?」
お前は何を言っているんだ。(ミルコ略)
「ま、聞くまでもないわね。あなたが魔理沙の話をした時の顔を見れば分かるわ・・」
「どんな顔だよ。」
「ふふ、爽やかな顔だったわよ」
・・そんな顔してたのか俺。
「・・ねえ、さっきの続きしていい?」
「続きってなんだ?」
「言わせる気・・?さっき私できなかったから・・」
顔を染めながら目を逸らせて言う姿を見て何の事かを把握してしまった。
「できなかったから、何だよ・・」
「・・ずるい。」
「・・・」
「な、なに呆れたような顔してるのよ、いいじゃない別に~」
「・・お前あのときからずっとシラフだったんだよな?」
「ええ♪いいチャンスだったから勢いに乗ろうと思って、ね」
「・・どうしても酒が入ってない状態でしたかったの。忘れたくないから・・。」
「・・・私の我侭、聞いてくれる?」
「うーん・・」
「ダメなら、・・無理にとは言わないわ」
「・・分かった、お前がそれで満足するなら。・・だがちょっと心の準備させてくれ。
俺も殆ど呑んでないからもう酔いが覚めて今は思いっきりシラフなんだ。」
酔った勢いなら出来てたが、シラフ同士は流石に照れくさい・・。
魔理沙には酔った時に何度かされていたから多少は慣れていたが・・
ていうか、何でこんな展開になってるんだ?
・・俺は魔理沙が本当に好きなのか?
アリスはどうだ?魔理沙ほど親しかったわけじゃないが、
今こうやって初めて二人で話してみたけど、これで前より気になってしまったかと言われて、
NOと言えば嘘になる。いやそれ以前にアリスの動きが色々とやらしいんだよ畜生。
ハッ!男なんて所詮そんなもんさ。ああ畜生。畜生だとも。
「こないならこっちから行くよ」
「え?・・んむ」
ちゅーっ
ちょ、準備できてないのにいきなり。。
ちょっと・・深いっす。アリスさん
そのままされるがまま押し倒される。
やばいな・・
こんなに気がはっきりしてる時のキスは初めてだから、
・・頭がとろけそうだー
長いキスのあと、ゆっくり口を離され、ようやく開放された。
つつーっと、口と口が糸で繋がったのが見えた。
「ん・・ありがとう・・。」
「・・・いや。」
「私ね、あなたをずっと見ていたの。でもあなたの傍にはいつも魔理沙がいた。」
人形遣いが言うと背筋がぞわぞわっとするな・・。
「・・・だから私には入り込む隙間はないって諦めてた。
けど、やっぱり気持ちはだけは伝えたかったの。」
「アリス・・。」
「あ~、なんだか、身体が火照ってきちゃった。呑んでないのに。」
・・これはやばい空気・・!
「ねえ。○○」
「お、俺、そろそろ帰るわ、夜遅いし、あ・・ははは」
「えー」
「またくるさ。今日はありがとな。菓子美味かったよ。」
「あ、コレ(魔理沙)も送ってってあげなさい。」
「え、もうこいつ起きないだろ」
「おぶってあげなさいよ、男でしょ?」
「・・いやこいつ飛べるから、目が覚めたらすぐ帰れるんじゃないか?」
「ああもう、まったく・・そんなんじゃフラれるわよ?
ま、私はそれでいいけど。ふふ」
「仕方ないな・・んしょ。・・じゃあなアリス、おやすみ。」
「またね。もしフラれたら、いつでも私の所に来てね」
「・・・アリスゥ」
「あは、冗談よ。おやすみー」
ギィーバタン
~魔法の森~
まだ半分か・・。遠いなあ。
魔理沙はいいよな、寝てるだけで起きたら自分の家だもんな。
「くかー・・んーむんに、そいつぁ、めくるめく文鎮だぜ・・」
・・何の夢見てんだ。
ったく、弱いくせに呑みすぎなんだよ、お前は。
飛べない俺にはかなり距離あるってぇのに・・・。
しかし重いなこいつ。ポケットに何かいっぱい入ってるみたいだが、それのせいか。
どうせどこからか盗んだり拾ったりした物だろうな。
・・・もうすぐか。
「うーん・・○○・・」
・・起きたか?
「・・・いつも・・ありがとな・・むにゅん・・」
・・・寝言・・か。
『何だろうね。興味が沸くっていうのかな』『こいつと居ると退屈しないね。』
『じゃあ、私と魔理沙、どっちが好き?』
『ま、聞くまでもないわね。あなたが魔理沙の話をする時の顔を見れば分かるわ・・』
『私ね、あなたをずっと見ていたの。』
だぁーーー!!
なんでさっきの会話が今、脳内再生されるんだ。。
「くー、くー」
・・お前は、どうなんだ?魔理沙。
ただの暇つぶしの友達か?
それとも・・
・・・こいつだけは本当に読めないな。
ポロッ
「あ。」
魔理沙のポケットからケースらしきものが落ちた。
カシャーン
あちゃ、落ちた衝撃でケースから色々中身が散乱しちまった。
ん、これ・・
魔理沙がヴワル図書館から本を盗んでる決定的瞬間が写ってる写真か。
はは、なさけねー 思いっきり誰かに見つかっとるやないか。
こっちは、博麗神社から饅頭を盗んでる瞬間だな。
記事にされる前にどうにかして例の鴉天狗から奪ってきたんだろうな。
ん?この写真だけ別で綺麗に紙で包まれてるな。
・・・これは、
俺と魔理沙が写ってる写真・・・か。
そういえば前に1度無理やり連れて行かれて共犯させられたな・・。
魔理沙・・・
「・・ん、寒い・・ぜ」
魔理沙が、ぎゅっと力を入れてきた。
「んぐ、苦しい・・ぜ」
喋り方がうつっちまったぜ・・
あともう少しで魔理沙の家に着く。
まずはこいつを家に放り込まなければ。
・・色々考えるのは、それからにしよう。
うpろだ1273
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「唐突だけど○○、一つ聞いていいか?」
「本当に唐突だな」
「気にするな。それで聞くが、胸は大きい方と小さい方どっちが好みだ?」
「………また随分な質問だな。何で急にそんな事聞いてくるんだよ?」
「実は今日、仕事の仲間内で貧乳派と巨乳派による論争が起きたんだ」
(………何でそんな論争が起こるんだろう?)
「そして数時間の間激しい意見のぶつかり合いとなったんだが、結局平行線のままでな」
(数時間………力を注ぐべき部分を明らかに誤ってる)
「そこで日頃から多種多様な美女美少女に接しているお前の意見を聞こうと思った訳だ」
「いや、それは個人の趣味趣向の話だから僕の意見も何もないと思うんだけど……」
「とにかく答えろ! お前が答えないと話が進まないんだ」
「強引な奴………解ったよ。でもあくまでも個人的な意見だからね? 僕は…」
友人とそんな会話をした翌日、僕は霊夢さん達に誘われて博霊神社での宴会やって来ていた。
(何でだろ、いつもの宴会の雰囲気と違う気がするぞ?)
いつものように和気藹々とした楽しい宴会。
だけど、その中に僅かながら異質な空気があった。
ピリピリしているというか何と言うか、何処となく張り詰めている気がする。
中でも特に咲夜さんや萃香、映姫様などからそれを感じる。
「○○~♪」
「おわっ……幽々子さん?」
いきなり横から衝撃を受け、持っていたコップを落としそうになる。
すぐに体勢を立て直して横を向くと、幽々子さんが僕の腕に張り付いていた。
密着と言っても差し支えないくらいにベッタリと。
「○○、楽しんでる?」
「も、もちろんですよ?」
「そう? その割には何か動揺してない?」
「そ、そんな事ないですよ?!」
そんな事ない訳がなかった。
ハッキリ言って幽々子さんはスタイル抜群だ。
もちろん素肌を見た事はないが服の上からでも十分に見て取れる。
そんな幽々子さんにこの位置で密着されれば、必然的に僕の腕が幽々子さんの豊満な胸に挟まれて……
「うふふっ♪ 嘘はいけないわよ、○○」
「ゆ、紫さん?!」
幽々子さんに色々な意味で全神経を使っていた僕だが、
突如として反対側からに新たな感触が伝わってきた。
それは幽々子さんに負けず劣らず抜群のスタイルを誇る紫さんの仕業だった。
「べ、別に僕は嘘なんかついてないですよ?」
ごめんなさい、嘘ついてます。
ただでさえ幽々子さん一人で限界だったのにこの上紫さんまでなんて。
普段からこういったスキンシップ?の多い二人だが、ここまで過激なのは初めてだった。
あっ、紫さん耳に息吹きかけないで……ゆ、幽々子さん身体を揺すらないで……
気持ちいいやら柔らかいやら温かいやらでもう何が何だか……
「あらあら、○○ったら顔が真っ赤になってるわね。具合でも悪いのかしら?」
「○○、無理をしてはいけないぞ」
「え、永琳さん?! 慧音さん?!」
意識と一緒に何か大事な物まで飛びそうになっている僕だったが、そこへさらなる追い討ちが下された。
僕の胸に顔をうずめるようにしてしがみついてくる慧音さん。
そして僕の首に手を回し、思いっきり背中に密着してくる永琳さん。
前後左右から絶え間なく襲い掛かってくる圧倒的なそれら。
もはやこれ以上まともに言葉を話せるような状態ではない。
「み、みみみ皆さん揃って一体どどどどういうつもりなんですか?!」
それでも最後の理性でもってこれだけ口にする。
まともに喋れていないが口に出せただけでも褒めてもらいたい。
いや、そもそも褒めてもらうとかそういう事じゃなくて。
自分でも何を考えてるのかよく解らなくなってきた。
「決まってるじゃない。○○の喜ぶ事をしてあげてるのよ」
限界ギリギリの僕の言葉に紫さんが笑いながら答え、
何処からともなく一枚の紙を取り出して見せてくれた。
『衝撃! 外界人○○さんは巨乳好き!?』
そんな見も蓋もない一文で始まっていたのは今日の日付の文々。新聞。
そう、驚いた事に僕が昨日友人と話していた内容が脚色されて記事になっていたのである。
射命丸さん、こんなこと記事にして一体何がしたかったんだ……
「それで○○、誰の胸が一番かしら?」
「……はっ?!」
射命丸さんのとんでもない暴挙に愕然としたものの、生憎とそれに浸っていられる余裕はなかった。
依然として僕を取り囲む4人は健在で、しかも事態は現在進行形で悪化していたのだから。
「○○は胸の大きな女性が好きなんでしょう」
「なら、○○が一番気に入った胸をしてる者が○○の恋人よね」
「○○、誰の胸が一番なんだ」
「え、そ、それは……あの、え、なんで?」
押し当てられる二対八個の凶悪兵器に思考回路はショート寸前。
もはや僕は紫さん達が何を言っているのかさえ判断できないほどの混乱に陥っていた。
そこへ紫さんからトドメの一撃が繰り出される。
「なんなら、直に触ってもいいわよ?」
「!!!!!!!!!!!!!!」
それが、意識を失う前に聞いた最後の言葉だった。
○○が気を失った瞬間、取り決めによって我慢に我慢を重ねていた平均以下の連中がついにキレた。
その隙を見計らって私は藍に事態の収拾と足止めを任せスキマを使用。
その場にいた全員を出し抜き、気絶している○○を連れてマヨヒガへと戻ってきた。
うふふ、全て計算どおりだわ。
「………ん、ここは……?」
せっかくなので○○に膝枕をし、滅多に見られない寝顔を至近距離で思う存分眺めていた私。
そうし始めてからどれくらいの時間が経っただろうか。
ようやく○○が目を覚ました。
「やっと起きたのね?」
「………ゆかりさん?」
まだ意識が覚醒しきっていないのか、半分眠っているような目で私を見つめてくる○○。
そんないつもと違うあどけなさ全開の○○に見られているだけでもうお腹いっぱいだわ。
「………………エッ?! 紫さん?!」
そのまま見詰め合っていること約十秒、○○は目を見開いて驚き私の膝から跳ね起きた。
……反射的に顔を引いて避けてしまったけど、あのままにしていれば合法的に○○とキスできたわね。
勿体ない事をしたわ。
「へ? ここは…あれ? 僕は博霊神社で宴会を……」
「落ち着きなさい○○。今から説明してあげるわ」
慌てふためく○○を見るのもいいけど、今は説明する事が先決。
私は○○の正面を向いて座り直し今回の経緯についての説明を始めた。
発端となった文々。新聞の記事の事。
それを読んで○○に対するちょっとした悪戯を思いついた事。
悪戯を実行するために宴会を仕組み、○○を招待した事。
悪戯そのものは成功だが、直後に一部の者達が暴れて宴会がメチャクチャになった事。
気絶した○○を私がスキマを使ってここまで連れてきた事。
多少都合の良いように誇張や脚色を織り交ぜたが、概ね真実を伝える。
「………酷いですよ。みんなで僕をからかって遊ぶなんて」
話を聞き終えた○○は非難するような視線を向けてそう言ってくる。
でも、○○の態度は怒っているというよりは拗ねている感じ。
そんな○○がたまらなく可愛いから、私はついつい悪ノリしてしまうのだ。
ううん、ノリなんかじゃないわね。
「○○、一つ勘違いしてるわ」
「えっ………ちょっ?!」
私はしなだれかかるようにして○○に抱きついた。
そして○○の瞳をまっすぐに見つめながら言葉を紡ぐ。
「私はね、悪ふざけだけで好きでもない男に抱きついたりはしないわ」
全ては貴方が貴方だから。
貴方と出会うまでは考えもしなかったこんなの行動。
貴方だからこそ、この大妖怪たる八雲 紫がこうやって無防備に身を委ねたりするのよ。
「ゆかりさん、それって……」
だからこそ、貴方は誰にも渡さない。
貴方と一緒にいる時に感じるこの心地よさ、温かさは私だけのもの。
ずっと傍にいてもらうってこの私が決めたんだから。
「愛してるわ、○○」
うpろだ1303
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ジョイン ジョイン トキィ
テーレッテー
・序、終
~引き続き何事も無かったかのように本編~
人里のワーハクタクこと慧音の弟子であるあいつは、何をどう
すればそうなるのかさっぱりだが人妖問わず大人気らしい。
私に言わせりゃ霊夢も真っ青なくらいのマイペース、ある意味
この美しくも残酷な幻想郷で生きてられることが一つの奇跡だ。
しかし私までもがあいつの独特な雰囲気に惹かれているのもまた
事実。ライバルは多いというか多すぎだ。恋は先手必勝、あいつに
なら私の初めてをうふ、うふ、うふふふふ…
はっ!?い、いかん、一瞬先祖がえりしかけた…
さっき慧音から聞いたがあいつは今博麗神社にいるとのことだ、
アウェー戦か、受けてたつぜ霊夢!
「れーいむー!遊びにきた…ぜぇぇっ!?」
ズザザザザー
私は勢いよくヘッドダイビングする羽目になった。何故なら…
「お、お前ら!」
「やぁ魔理沙」
「あらいらっしゃい。素敵な賽銭箱はそこよ」
「こんにちは魔理沙さん」
奴の右腕を霊夢が、左腕を早苗ががっちりホ-ルドしていた…
「…お前に一つどころか二つ三つほど聞きたいことがあるんだが」
「何だい魔理沙?」
そう応える奴の顔は憎らしいほど爽やかだ。悪意も煩悩も一切
無縁だと言わんがばかりに。ちょっとは恥らえよ。
「お前の右にいるのは霊夢だよな」
「そうだね」
「見ての通りじゃない」
「お前の左にいるのは?」
「早苗だね。守屋神社の早苗」
「私です」
単純に考えたら男どもが号泣して羨ましがりそうな光景が私の
目の前で展開されている。
私が言うのも何だが霊夢は単純に可愛いタイプで、早苗は綺麗
と可愛いが半々で同居したタイプだ。
そんな二人を侍らせているようにも見える光景は同性の男から
してみれば血涙ものの羨ましい光景、異性の私からは別の意味で
羨ましい。くそッ、先手を取られるなんて…
「今の自分の姿に疑問は無いのか?」
「別に…って、僕、何か可笑しな格好してるかな」
「至って普通ね。魔理沙じゃないけど」
「身嗜みも整ってますね」
「いや、だからな…」
これ以上禅問答のようなやり取りを続けても無意味だ。どこぞの
誰かも言っていた『欲しければ奪い取れ!』を今こそ実行する時。
そのガラ空きな膝枕は貰ったァァァァァァ!!
「邪魔するぜー!」
「あら、お客さまですか?」
「何なのよ、騒々しいわね」
げぇっ、咲夜とレミリア!そんなところにいたのかよ!背中か、
盲点だった…!結構美味しいポジション…って、そうじゃない!
こいつらまで狙ってるのか!?
「咲夜たち、寄りかかれる場所が欲しいって言うからね…」
「お恥ずかしいですわ。ところで魔理沙、騒がしいけどどうしたの?」
「魔理沙、私は今気分が最高に良いの。邪魔せず立ち去りなさいな」
そんな私のことなど気にせず、至ってマイペースで語るあたりが
実に憎たらしいぜ…いっそこのまま真っ白に燃え尽きてしまうか…
!
いあいあ、じゃない、いやいや!
ここで諦めたら何のための恋色魔法使いだ!
それにまだ膝枕のスペースはガラ空きのまま!
貰ったァァァァァ!!
ごっすん♪
「んなぁ!?」
突然私の後頭部に間抜けな効果音つきで鈍い一撃が襲い掛かった。
い、痛いぜ…しかしこんな音を出せるような攻撃方法を持っている
奴は幻想郷狭しといえど…
「何してるの魔理沙。ちょうどいい膝枕見つけたんだから、大人しく
してなさい」
「私たちの素敵な時間を邪魔しないの」
やっぱりアリスか!しかもパチュリーまでいるなんて。こいつら
まで…やはりライバルは多すぎ、しかも何でこんな一箇所に密集して
いるんだ!?
おまけに狙うべき膝枕はものの見事に二人で塞がれ、残ったのは
あの一箇所、タイトなあの部分!これはかなり恥ずかしいぜ…だが、
ここまで来たら形振り構っていられるか!
立て私!最後の力を振り絞って、最後の一箇所にダイブだ!
ススス…
ん?どこかで見たような…って、これは紫のスキマか!ええい
構うものか、行くぜ!
ひょこっ ぽふっ
「お腹は私ー」
「すわっ!?」
「おおっと、諏訪子さん?」
ひょこっ ぽふっ
「むー。駄目です祟り神さま!私もここはお気に入りなんです!」
「あっきゅんっ!?」
「わっ、阿求さんも来ちゃったの?」
な、何で関連性の無い奴らがここにいるんだよー!?しかも残る
一箇所にすっぽり収まったし!
「頭は私の枕よ。スキマから上半身出してるだけだから、邪魔には
ならないわ。おやすみ~」
「ゆあきんっ!?」
-私、霧雨魔理沙は-二度と争奪戦へは参加できなかった…。
そして何か言うべきなんだろうと思っても何も思いつかなかったため、
―そのうち私は考えるのをやめた。
(むぅ、やるわね諏訪子、阿求…そこはガマンしてたのに)ぎゅっ
(負けませんよ、霊夢さん!いい所取られちゃいましたが)ぎゅう
(やるじゃないの二人とも。でも背中ゆえの長所もあるわよ)きゅっ
(咲夜、私にも寄越しなさい。独り占めするんじゃないの)きゅ
(膝枕はアピールが楽でいいわ。暖かくて安心できるし)さわさわ
(ええと、こういう時の彼に対するアピールの仕方は…)すりすり
(ふわぁ、温かいなぁ)ふかふか
(何だか落ち着くんですよね)ふわふわ
(す~)
「どうしたのかなぁ、今日はみんな甘えん坊さんだね…」
「気のせいよ」
「気のせいです」
「何時も通りですわ」
「何時も通りね」
「何も変わらないわよ」
「変わらないわね」
「ん~♪気のせい気のせい」
「うにゃー♪そうですそうです」
「す~…」
今日も至って幻想郷は平和である…多分。
うpろだ1316
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