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(投稿者:怨是)


 怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
 おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。

 フリードリヒ・ニーチェ 『善悪の彼岸』146節



大型機動兵機破壊
難易度: A
依頼主: カストリカ・ガード
作戦領域: カストリカ領域境界地点
敵対勢力: バンガード
敵戦力: 大型機動兵器×1
作戦目標: 大型機動兵器の破壊
特記事項: 僚機随伴可
概要:
傭兵諸君に、大型機動兵器の破壊を依頼する。

敵は既存の如何なる兵器にも該当せず、
また圧倒的な性能を持っている。

たった一機であるにもかかわらず、我々の部隊が壊滅状態に陥り、
都市区から遠ざけるのが精々だった。

そのため充分なデータが取れておらず、敵の情報が不足している。
想定外の攻撃を考慮し、万全の態勢で作戦に臨んでもらいたい。

万が一にでもしくじれば、その時は街が一つ消し飛ぶ事になる。
そうなったら何もかもが終わりだ。
確実に仕留めてくれ。



1. Desperate


「――そしてこれが、先日記録された作戦ファイルです」

 この小さな会議室は照明が落とされており、外の絶え間ない雨音も相まって寒気を誘った。二十数名がこの場に居るにも拘わらずだ。
 “ダフニス”こと、ダニエル・フィリップス少佐は壇上に立ちながら、プロジェクターのリモコンを操作した。程なくして、スクリーンには何名かの傭兵達と大型機動兵器、コードネーム“グレイゲイザー”との戦闘が投影された。

「ふむ……」

 デスク側の一人、老齢の男が眉を動かす。落ち窪んだ眼窩に据わる双眸は、人外の獰猛さを湛えていた。STCCの代表者――ロバート・ジョエルだ。
 映像の作戦はカストリカ・ガードが傭兵に依頼したものだが、ジョエルは恐るべき嗅覚を以て事前に察知し、当該区域に対するSTCC直営AC部隊の派遣を命じた。現在再生中の作戦ファイルも、その派遣された隊員の手によって記録、送信されたものだ。上層部はそのデータ送信を中継する為だけに、わざわざ護衛の依頼まで捏造した。

「カストリカ・ガードの雇用した傭兵らの手によってグレイゲイザーは大破、付近の山岳地帯へと墜落。ご指示の通り、部下には現地にて残骸の回収作業を行なわせています」

「……臭うな」

「臭いますか」

「ああ」

 ジョエルはダニエルに頷き、立ち上がる。その動作は年齢からは想像できぬ程に機敏で、些かの隙も感じさせない。

「フィリップス少佐。報告書を再表示しろ」

「了解しました」

 ダニエルはプロジェクターの表示を切り替える。壁にはグレイゲイザーの写真と、確認済の武装の一覧が映し出された。機体形状は球形で、全長は500メートル。各所にはAMMONを思わせる目の様な物が幾つも付いており、それらが全てレーザー砲として機能する。グレイゲイザーという名前も、その複数の“目”と、灰色の機体色に由来している。砲門の周囲にはミサイルハッチが設けられ、上空を含む全方位への攻撃が可能。更にはAMMON系列各種ならびにOOTHECAを子機として格納しており、死角は存在しない。堅牢な装甲の為に並の武器では全く有効打を与えられず、また弱点は砲門のみである為、カストリカ・ガードならびに傭兵達は苦戦を強いられたという。
 ジョエルはそれらの武装に関する説明書きを横目でまじまじと見つめ、口元を歪ませた。

「財団め。相も変わらず悪趣味な」

 彼の声音からは、憎悪と嘲笑が滲み出ていた。暫しの沈黙と共に、いよいよを以て冷気が部屋中に浸透する。ダニエルは少しだけ身震いした。ジョエルはその僅かな動きを射止めたのか、両の眼を一際ぎらつかせた。

「――少佐。ゲイザーの弱点は」

「は。弱点は機体各所の砲門です。対処法としては、L.L.L.と同様と考えて頂ければ」

「写真を見るに、それなりの高度を取っておる。威力保障距離の短い兵装では、攻撃も儘ならぬ。カストリカの連中が苦戦するのも、道理よな」

「傭兵達も試行錯誤の末、漸く撃破に漕ぎ着けたとの事です」

 ダニエルはジョエルに目配せし、それから詳細な作戦記録を表示した。グレイゲイザーは当初、カストリカ南西の沿岸部にてガード部隊と交戦。その後、マクシミリアン・バルト率いるガードの精鋭部隊によって北西の山岳地帯へと誘導され、更に数時間後には増援の傭兵が到着した。凡そ半日が経過する頃にグレイゲイザーは墜落。地形を活かして相対的な高度差を減らし、一気に高火力の兵装を叩き込んだのが功を為したらしい。
 また、一部の傭兵が切り立った崖からグレイゲイザーに飛び乗ったという報告もあった。ただ、今後同様の兵器が出現した際の参考になるかどうかは些か疑問が残る。
 ダニエルはそれらを全て、口頭にて報告する。

「――以上です。私個人の見解と致しましては、この兵器の弱点を論文にて発表、周知のものとすべきかと」

「理由を問おう」

 ジョエルの眼光は、より一層鋭さを増していた。ダニエルは胸中にて自らの失言を悔やみつつ、「無論、これのみで事態の改善が行える訳ではないという事は承知の上で、ですが」と前置きしてから続ける。

「都市一つを壊滅せしめる程の強大な火力を有している以上、これが他の勢力の手に渡っては、イル・シャロムへと送り込まれる危険が。ならば明確な弱点を皆が知る事により、結果的に無効化とまでは行かずとも“さしたる価値を持たない”と認識させられるのではと考えます」

「認識はするであろうな。それが有識者ならば」

「ジョエル会長は、如何様にお考えですか?」

「烏合の衆が偶然にも財団と接触し、これを入手したとする。或いは、今回の件が(まさ)しくそれやもしれぬ。後先を考えぬ愚か者は、当局が声を大にして危険性を説いたとて、耳など貸すまい」

「やはり、破壊と回収……この二点に尽きるという事ですか」

「そうだ」

 ――しかし、不可解だ。我が組織の強硬派はそれで満足だろうが、今回は相手が相手だ。
 ダニエルは眉根を寄せて思案する。ジョエルの言動は常日頃から何処か抽象的でありながら、断定する様な力強さを感じさせる。ダニエルは度々、そんな彼の真意を測りかねて質問した。“云わずとも伝わる”などといった考えに端から懐疑的だった為だ。ダニエルは三兄弟の次男として生まれたが、兄弟間での意思の疎通は度重なる対話によって初めて成立していた。血を分けた兄弟でこれなのだから、赤の他人たるジョエルなど、更に難しいだろう。

「解せぬか。云え」

「今回の回収活動について、カストリカ側は納得しているのでしょうか」

 一介の部隊長に、政治的な活動は出来ない。そこまでの権限も、知恵も無い。せいぜいが戦術レベルで作戦を考案し、上に伝える程度だ。自身の役割はあくまで其処に留めておかねばならない。だからこそ、此処で配下の立ち位置を明確にしておきたかった。何かあってからでは遅すぎるのだ。
 ダニエルの苦悩に反して、ジョエルは確信めいた表情で頷く。

ブルー・ピーコックが現地にて交渉中だ」



2. Broker


 “ブルー・ピーコック”こと、ブランドン・ホーキンズはカストリカの市庁舎に居た。応接間は広く、夕日がブラインドの隙間から差し込んでいた。イル・シャロム方面は雨らしいが、カストリカは嘘の様に晴れ渡っている。
 眼前には、このカストリカを統べる“市長”ラザール・ジャベスがソファに腰掛けている。禿頭と、伸ばして固めた口髭、でっぷりとした体格……脂ぎった醜悪な外観は、私腹を肥やす悪辣な権力者のイメージを見事に体現していた。ホーキンズは彼から漂う悪臭に嘔吐感を堪えつつも、握手を求めた。

「本日はこの様な場を設けて頂き、感謝します。ジャベス市長」

 ジャベスは口元を厭らしく吊り上げながら、手を握り返してくる。ホーキンズはそのぬめりを帯びた感触に全身の毛が粟立つが、努めて無表情を繕った。此処で嫌な顔でもしようものなら、この場に辿り着くまでの入念な準備が水泡に帰してしまう。

「……何、此方としてはあの砲台を戦力に転用する事が出来るなら、何も云わんよ。解るよなぁ、ホーキンズ殿。敵の敵は味方だろう?」

 数多の第三者にとってSTCCは、バンガードに水面下で対立する独立愚連隊じみた組織と目されている。その認識は恣意的な憶測が多分に含まれるが、活動する上で好都合な場合が大半を占める為、敢えて訂正する者は殆ど居ないのが実情だ。現にホーキンズも、そこについて触れようとはしなかった。

「市長。彼らの持ち物を手土産にしても、彼らに盗人扱いされるのが関の山では」

「そうは云うがな。この類い希なる快挙を、無碍にするのは勿体ないだろう」

 ――ラザール・ジャベス……俗物が。貴様が扱えるかよ。あんな物。
 ホーキンズは胸中にてあらゆる言葉でジャベスを侮辱した。カストリカに於ける物資の管理は杜撰を極め、それは各種兵器に於いても同様だった。過去には、貴重な資源でもあるACの横流しまで発生したのだ。そんな彼らに、あの機動兵器の部品はビスの一本たりともくれてやる訳には行かない。

「どうせ何処から来たのかも明かされていないのだ。奴等に所有権を主張する権利は無い」

「大概ああいったものは動力供給が特殊な方式ですので、十全に性能を引き出せないという事も考えられますが」

「そこをどうにかするのが、貴殿等の仕事だ。期待しているぞ」

「万一、使える部品が残ったなら、融通させる事も考慮致しましょう……但し、市長のご希望にお応えできるかどうか、現時点では断言致しかねます」

 ホーキンズは否定も肯定もしなかった。そうでもせねば、後でどういった難癖を付けられ、吊るし上げられるか解ったものではない。
 確かにラザール・ジャベスという男は周囲から軽蔑されてはいるが、こと政治的手腕に関して云えば決して無能ではなかった。ジャベスの講じる幾つもの狡猾な策略は、彼が未だにカストリカ市長の座から引きずり下ろされていない最大の理由だ。だからこそ、ホーキンズは慎重だった。

「理由をお求めでしたら、説明致しましょうか」

 ジャベスは首を横に振る。その度に、彼の顎の下に溜まった肉が、よじれて皺を作った。

「回収作業そのものは順調なのだろう?」

「ええ。全ては手筈通りに」

 現場指揮官のガズニとその補佐のベルマレイを初めとする、合計十名が事に当たっている。先日の時点で現場に向かわせていたカルスキ・オフチャルは、残骸からデータの解析を。ヴィハンはその護衛役および残骸の解体を。ゴルスカヤは対空警備を、ジャッカルが上空からのオペレーティングをそれぞれ担当している。後は子飼いの運び屋が四名だ。上層部は、それ以外の人員は敢えて送らなかった。大々的に送り込めば、必ず揉め事になる為だ。



3. View


 “ヴィハン”こと、ベネディクト・ボールドウィン少尉はカストリカ北西の山岳地帯にて、自機の中量二脚型ACを回収地点へと移動させていた。見渡す限り禿げ山が広がり、砂塵が時折視界を遮っている。連綿と連なる山脈は存外に広く、残骸探しは難航を極めていた。今回同行しているカルスキ・オフチャルの報告によれば、具体的な座標は不明だが、この近辺に敵の巨大兵器が文字通り転がっているらしい。
 この任務の為に、ベネディクトは自機の兵装の変更を申請していた。機動兵器が相手なら、普段使用しているジャマーは役に立たない。想定される幾つかの危機を事前に防ぐべく、バトルライフルにガトリングガン、ハンガーの予備兵装はレーザーブレードとライフルを搭載した。追加弾倉で堅牢な装甲にも対応している。敵前逃亡は万に一つも有り得ない。
 しかしながら、日頃から頼りにしているドゥンケルが今回に限って居ないのが不愉快でならなかった。

「カルスキ・オフチャル。やはり、ドゥンケルは別件なのですか」

《ああ見えて、おじいちゃんは忙しいからな》

 ドゥンケルは比較的、ベネディクトの思想に協力的だ。カルスキ・オフチャルの様な臆病者とは違い、然るべき理由さえあれば破壊活動に対して前向きに動いてくれる。ベネディクトはドゥンケルという後ろ盾の不在に、少しだけ不満を持っていた。

「だとしても人選の意図が不明です」

《どうせ俺達の仕事は残骸の処理と、賊を追い払う事だけだ。充分だろ。奴さんが再起動さえしなけりゃな》

「再起動したならしたで、大歓迎ですよ。平和の為に叩き潰せる。地獄に送ってやる事が出来る」

《云っておくが、アレはマジで接近戦なんて望み薄だぞ》

「勇気と正義と創意工夫とほんのちょっとの自暴自棄(ヤケクソ)さえあれば、イカレた風船なんてすぐに粉微塵でしょう。やりますよ、僕は」

《……何だってお前はそんなに拘るのかね》

 ――僕としては、貴方がそこまで臆する理由こそ解せませんが。
 そう云い掛けたのを、どうにか呑み込んだ。あんなのでも、一応は年上だ。たまには敬ってやってもいいだろう。それに隠すほどのものでもないし、この際だから知って貰おう。但し、此処は戦場だ。十全に説明したいが、そうするにはどう見積もっても余白が足りない。

「僕はただ、ポッと出の意味不明な奴に、努力を否定されたくないだけです」

《解りやすく説明してくれ。俺は貧しくて学校にも行けなかったからな》

「例えばACに乗っている人々は、経験を積んで強くなるでしょう? 時には泥を啜って、死にそうな目に遭ったりもして、そうやって日々を過ごしている彼らは、いわば手本にされるべき努力家なんです」

《心掛けは殊勝だが――》

「――それをあの大きいだけの聳え立つ糞の如き下品な前衛芸術はですね、一瞬にして破壊してしまうのです。それも過剰に」

 カルスキ・オフチャルが何かを云い掛けていたが、ベネディクトは敢えてそれを無視して続ける。余計な茶々を入れられてペースを乱されるのは、不本意だ。そこから先は口が勝手に動いていた。

「挙げ句、得てしてそれを使おうとする輩は破壊の責任を取ろうとしない。責任とは、即ち覚悟だ。覚悟とは、それを実行した結果を予測しようと努力する過程で生まれる。責任無き力の暴走は、その形が如何様なものであれ、自己を省みぬ蒙昧な輩、努力しないで強くなった気でいる輩によってのみ引き起こされる。その点に於いて、超過兵装も巨大兵器も僕からすれば等しく邪魔者です。消毒すべき汚物なんです。さて、ハイスクールにも通えなかった貧乏人の貴方も、これで理解できましたよね? 反論は認めません!」

《オーケイ、お前が情熱を燃やす理由と、相変わらず口を開けば必ず言葉のケツに糞が付くくらいにはお口が()汚い、という事が理解できましてよ》

「ならば結構」

《まぁ我等が大佐サマも、その“下品な前衛芸術”とやらを背負ってらっしゃるんだけど。で、曲がりなりにも俺達はその走狗。なんつぅか、皮肉以外の何物でも無ぇよな》

 カルスキ・オフチャルは溜め息混じりにそう零す。ベネディクトはこれ以上相手にする必要は無いと判断し、通信を終えた。説明の義務は果たしたし、既に終わってしまった会話に逐一返答するのは骨が折れる。何より彼も彼でベネディクトに劣らず多弁だ。されど、彼が最後に吐き出した言葉には概ね同意だった。

「……全くです」

 大佐がもたらした幾つもの破壊は、既に彼一人の命で補償できる範囲を超えている。たとえ数多くの人間に怨まれ、自ら戦場に立つ事で敢えて標的となり、その憎悪を間近に受けたとしても、それは単なる内罰的な姿勢を取る事による安っぽいポーズにしか成り得ない。それに、単に彼が死ぬだけでは贖罪たり得ない。彼の望む何もかもが打ち砕かれ、彼の理想とするあらゆる事柄の真逆の状況を作り出し、その上で民衆の総意に依って彼を死刑台に送る必要がある。

「もしもグレイゲイザーのカストリカ侵攻が、大佐の指示によるものだとしたら……指の一本くらいは吹き飛ばしても罰は当たるまい」

 出撃前にカルスキ・オフチャルから聞いた話では、無人機のプログラムは複雑に組めば組むほど“癖”が出るという。つまり、グレイゲイザーを解析すれば自ずと犯人を割り出せるのだ。早く真偽を確かめたかったが、機影は未だ見えない。それが大佐の傲慢ながらも臆病な本性を暗示している様で、無性に腹立たしかった。



4. Guff


 “ゴルスカヤ”ことヴィクトル・コゼラツキー大尉は重量逆関節型のACを駆り、周辺の警戒を続けていた。左右の腕にそれぞれ装備したスナイパーキャノン、レーザーキャノンは、まだ見ぬ来訪者の為のものだ。賊共が漁夫の利を狙ってきたら、即座に撃ち落とす必要がある。事前の警告は不要だ。真っ当な者であれば、こんな僻地にはまず足を踏み入れない。この付近には道路も無く、人が住んでいた形跡も見当たらない。
 備え付けの通信装置が、電子音を短く鳴らす。領域上空からグレイゲイザーの残骸を探索する、大型ヘリのものだった。

《こちらジャッカル。熱源センサーに反応有り。座標を特定したが、上空からは機影を確認出来ず。この分だと、瓦礫に埋もれているな。ビーコンを設置したから、そこに向かってくれ》

《S-29了解。落下の衝撃で木っ端微塵にでもなってりゃあ二度と動く事も無ぇだろうが、斜面の所為で望み薄だろうな……》

 ビーコンの位置がカルスキ・オフチャルの報告に記載されていた地点よりも随分と遠いのは、ひとえにこの山岳地帯が斜面の多い地形である為だろう。グレイゲイザーの形状は巨大な球体で、尚且つ浮遊機能が直前まで生きていたなら潰れずにそのまま転がり続ける。並の砲弾などものともしない装甲ならば、この近辺の粘性の高い岩肌では、下手をすれば傷一つ付いていないだろう。

《……しっかし、転がったボールを追い掛けるたぁ、俺達ゃマジで犬かっつぅの。いや、犬なんだけどさ》

 通信越しに、カルスキ・オフチャルが独りごちる。STCC直営AC部隊は傭兵出身者が大多数を占めており、彼やコゼラツキーもまた例外ではなかった。元来、何に与するも当人等の自由とする傭兵の自分達が、斯くも偏屈な組織に従属したその理由は、実に多種多様だ。
 コゼラツキーの場合は、かつてヘリパイロットだった頃、RAIJIN級爆撃機に撃墜された為だ。云ってしまえば逆恨みだが、少なからず義憤もあった。もしもあんな物が量産されれば、空は好きな様に飛べる場所ではなくなる。曾祖父の代は汚染の所為で青空を眺められるのは稀だったという。そんな時代にまた逆戻りしたくはない。

《見えたぜ。アレだ》

《S-32ヴィハン了解。さっさと粉々にしてしまいましょう》

《って思うじゃない? もう粉々かもよ?》

《自分で望み薄って云ってたじゃないですか》

《皆無とは云ってない》

 彼らは相変わらずよく喋る。よくこれで叱責されたりしないものだとも思ったが、よくよく考えればカルスキ・オフチャルの経歴は元ジャーナリストだ。それでいて、政府軍出身のヴィハンをしてこの様子なのだから、案外バンガードの規律は緩いのかもしれない。そして階級だけなら彼らよりも上に位置する筈のコゼラツキー自身が、彼らに「私語は慎め」などと云うつもりが無かった。現状に於いて何ら不都合が発生していない為だ。

《こいつぁ……八割方は原形を留めてらぁ。あのド素人共が。余計な仕事増やしやがって。バラバラにしなきゃまた動くじゃねーか!》

「弾が足りなかった可能性は?」

《まさか。俺みたいに偵察用の機体じゃないんですから――オーケイ、とりあえず解析します》

「頼んだぞ」

《お任せあれ。S-29、通信終わり(オーヴァ)

 暫く沈黙が続く。その間もコンソールのサブモニタには、情報が次々とポップアップされて行く。内容はといえば搭載武装の構造ばかりで、どれも事前のブリーフィングにて知らされたものだ。初めから全力でカストリカに侵攻するつもりだったのだろう。コゼラツキーは羅列された情報を丁寧に纏めながら、手帳にその仔細を記して行く。

「それにしても、まるで銀河帝国の秘密兵器だな」

《ですよねぇ。こんなのが何機も居たら、第9領域なんて一晩も経たずに焦土になっちまいますよ》

「焦土か……」

 ただ、不可解なのはグレイゲイザーの使用者と、目的だ。攻撃目標がカストリカと明確に設定されているならば、必ず中枢のコンピュータに何らかの情報が入力されている筈だ。今回の残骸回収の最終目的は、その情報の出所を探り、誰が何の為にグレイゲイザーを用いたのかを明確にする事だ。今の所はバンガードの差し金という説が前線では有力らしいが、何かが引っ掛かる。第9領域の平定を掲げるバンガードが放ったなら、敵に回収されるリスクを考慮し、随伴機を付ける筈だ。そもSTCCの飼い主がバンガードなのだから、本来は敵対している筈のカストリカと協同で事に当たるのもおかしい。危険な力はバンガードによってのみ管理されるべき、というのがSTCCの理念なのだから。

《――あ。やっぱり動いた》

 コゼラツキーもカルスキ・オフチャルに同じく、再起動は想定していた。問題は、搭載されていた各種兵装がどこまで生きているかだ。

《S-18ガズニより各機へ。作戦変更。グレイゲイザーを破壊しろ》

「了解……S-29、援護は必要か?」

《お願いします。ジャッカルが墜ちた。俺とヴィハンは陽動に徹します》

《なんで僕まで陽動なのですか! 方法は解ってますよね! 目を潰せば墜とせるんでしょう? だったら破壊しましょう! 早急に! 今すぐ! 敵前逃亡する屑の駄犬に軍法会議は不要です! 斯くなる上は、貴方もろとも一欠片の存在すら残さず、地獄の果てまで突き落とし蹂躙し撃破し殲滅し処刑し壊滅させFuckし叩き潰す所存!》

《ふ、ふざけんな! 俺等だけで飛び込んでも、マッハで蜂の巣にされるのがオチだ!》

「お前等なぁ……俺が向かうまでに墜ちてくれるなよ」

 ――まさかとは思うが、バンガードが俺達の戦力を削ぐ為に? いや、考えすぎか。
 仮にそうだったとしたら、STCCの上層部がわざわざバンガード側の要求を素直に呑んで、馬鹿正直に部隊を出撃させるのは辻褄が合わない。いずれにせよ、壊して調べない事には何も解るまい。コゼラツキーはそう自分に云い聞かせながら、最大速度で機体を前進させた。



5. Gun-Belt


 “ガズニ”こと、ヘンリク・コレフマイネン大尉はスナイパーキャノンを搭載した四脚型ACを駆り、一心不乱にグレイゲイザーへの狙撃を続けていた。
 グレイゲイザーはその巨体故か、動きが緩慢だ。更には此方を認識していないらしく、破損箇所を無防備に曝している。再起動を可能とする程のジェネレータ出力を持ち合わせているとはいえ、無傷ではないのだ。ダメージが蓄積すれば、さしもの巨大兵器とて無事では済まないだろう。
 相方の副長たるベルマレイは此処には居ない。合流時間をとっくに超過していながら、彼は通信にも応じず何処で油を売っているというのか。それとも、既に撃破されてしまったのか。ヘンリクは種々の心配事を頭の片隅に追い遣り、通信機のスイッチを押した。

「S-18ガズニより各機へ。状況報告を頼む」

《ゴルスカヤ、標的と交戦中。“目”は幾つか潰れている為、敵の弾幕は想定の七割程度です》

《S-32ヴィハン、同じく交戦中。右腕部ライフル残弾無し。ガトリングガンに切り替えます》

《S-29とんずら成功! ところで、増援の予定は無いんですか?》

「ネガティヴ。他は皆、出払っている。我々でやるしか無い」

 仮に他の隊員が付近の作戦領域で戦闘を終えたとしても、補給して此処まで来る頃には趨勢は決しているだろう。

《カストリカ・ガードに手伝って貰うという手があるでしょうが!》

「連中に借りを作ると、後が面倒だ」

《そいつをネタに、強請(ゆすり)を仕掛けてくると? うちらのお偉方も火消しでてんてこ舞いだったんだ、それで対等じゃないですか》

「理由は後で説明する」

《了解》

 カストリカ・ガード隊員の個々人がどう思っているかはさておき、ジャベスは間違いなくグレイゲイザーを欲している。打倒バンガードを掲げている以上、戦力の増強は必要不可欠だ。
 かといって、今から傭兵を雇う訳にも行かない。そもそもが極秘の作戦だ。グレイゲイザー出現の折、STCC上層部は速やかに直営AC部隊を編成、現場へと派遣した。それも、バンガード側への報告も無しに。この独断専行が意味する所は、グレイゲイザーの構造そのものを闇に葬り、少しでも情報が拡散するのを防ぐ為だ。あくまで巨大兵器は役立たずである事を、周囲に認識させる為だ。だからこそ、周辺の警戒に此処まで神経質にならざるを得なかった。

《――僕なら、強請ってきたら彼らもろとも潰してしまいますがね》

 ヴィハンが口を挟む。過激な彼らしい、あまりにも危険すぎる提案だ。そこらの武装勢力なら兎も角、カストリカ同盟を相手取るとなれば、彼一人でどうにかできる問題でもない。近年はOWを装備した特殊部隊の動きも活発になっている。病巣は、あまりにも根深い。

「禍根は残さない最善の方法がこれだ」

 こんな時、副長ベルマレイが居てくれるならば、もう少し判断が遅れずに済むかもしれなかった。しかし、肝心の彼は連絡も取れない状態だ。たまには己の頭だけで判断を下さねばならないという事か。ヘンリクは顔を歪めた。
 ふと、コンソールのサブモニタに『AC接近』というメッセージと同時に、コールサインとACタイプが表示された。見れば、それはベルマレイのものだった。

「遅いぞ、副長」

《申し訳ございません。別件を片付けておりました》

 ――“別件”か。面倒が起きねば良いが。
 STCCはその飼い主たるバンガードに同じく、一枚岩とは呼べないのが実情だ。ベルマレイは恐らく、上層部の誰かが下した別の指令によって動いていた。その内容次第では、この作戦の意味合いが大きく変わってくる。
 しかしながら、それを今すぐ確認していられる状況ではなかった。僚機のAPは秒を追う毎にその数値を減らし、サブモニタに表示された映像は無数の青白いミサイルで埋め尽くされていた。

「話は後で確認する。ビーコンを表示した。この地点から狙撃を行なえ」

《了解》

 丁度、スナイパーキャノンの予備弾倉も使い切る頃合いだった。死角からの狙撃は彼に任せるしか無い。スナイパーキャノンを投棄(パージ)し、ヘンリクは攻撃目標へと接近する。最高速度を重視したブースタでは、長時間のグライドブーストによる巡航は不可能となる。この時ばかりは、あらゆる状況に備えられる様にと慣れ親しんだ機体構成から脱却できなかった己の臆病さを怨んだ。
 もたついている間にも、戦況は刻一刻と変化して行く。

《S-81、右腕部兵装残弾無し。左腕部兵装のレーザーキャノンに切り替え、攻撃を再開》

《S-32、被弾増大。不本意ですが、子機の破壊に専念します》

「了解した」

 ――長くは保たないか。
 損傷が深刻化しつつあるヴィハンのACを下がらせるという手も考えたが、恐らく彼は納得しないだろう。頭上を砲弾が通過する。ベルマレイのAC、マムルークが狙撃を行なっている為だ。この戦法だけでは埒が明かない。

《S-81より29へ。浮遊機構は完全には解析できていなかったな。場所が解らん》

《ええ、途中で動き出したもので》

 ややあってから、通信機が再びビープ音を鳴らした。番号は81、ゴルスカヤのものだ。

《ガズニ、これは賭けですが……今から81と32の二機で攻撃を引き付け、その隙にスキャンを再開するというのは?》

「不可能ではないが……些か、危険すぎるな」

 幾ら軽量逆関節の機動力が折り紙付きであったとしても、スキャン中は全くの無防備だ。グレイゲイザーのAIが高度な分析を行なうとしたら、まず狙われるのはカルスキ・オフチャルの機体だろう。そこに別の通信が割り込む。今度はベルマレイだ。

《S-19より全機へ。レッド2地点、崖の付近へ誘導出来るか?》

「何をするつもりだ」

《アレに死角を作ってみようと思いましてね。こんな場所ではなく、もっと近くで》

 彼の確信めいた口ぶりは、スコープ越しに何かを見付けた為だろう。こういう時の彼は、頼りになる。迷っていられる猶予は無い。

「了解した。私も合流する。ゴルスカヤは私と共に陽動を」

《81了解》

「ベルマレイは定点狙撃、ヴィハンは子機の破壊をそれぞれ続行しろ」

《19了解》

《32了解》

「カルスキ・オフチャルは後方からスキャンを」

《29了解、副長自ら突撃させるたぁ……罪作りなサッカーボールですよね》

 バンガード本隊とは異なり、STCCには物量が無い。未知の兵器を相手取るには、相応の知恵と覚悟が必要だ。幸い、この面子ならば両方とも揃っている。ヘンリクは一呼吸を置いた後、間近のグレイゲイザーを睨んだ。




6. Complaint


 “カルスキ・オフチャル”ことルキノ・ディアーコは自分だけ文字通り手も足も出せない状況下に歯痒さを覚えつつも、自らの役割たるスキャンを実行していた。メーターが左から右へと満たされる度に、新たな情報が解析される。ポインタをマニュアル操作に切り替え、奥へ奥へとスキャンの対象を移して行く。サブコンピュータの搭載によって加速されているとはいえ、このACに使用された頭部パーツのスキャンは遅い。ルキノは揺れ動く自機の視界も相まって、いつになく焦っていた。

 ――生身でACの写真を撮った時だって、こんな気分にはならなかったぜ……俺、今度こそ死ぬんじゃねぇの?!
 入隊したての頃の記憶がフラッシュバックする。アンテナ型の電子戦特化タイプの頭部であれば高速スキャンが可能だったが、これを上層部に提案するや即座に却下された。その折に聞かされた理由は「特化型では万一被弾した際に破損しやすく、当機の目的が果たせなくなる」というものだった。今でもルキノはその言葉を糞喰らえだと思っている。元より被弾を前提としない高機動型の構成なのだから、当たればそれで終わりだ。それよりかは、さっさとスキャンを終わらせる方が幾らか現実的だというものだろう。
 ルキノは自らの頬を打ち、雑念を追い払う。今は余計な事を考えている暇は無い。サブウィンドウにポップアップされたのは装甲の中身の構造、子機を格納している部分と、レーザーキャノンの砲台。それから、その更に奥にあるエネルギー循環用のパイプ、様々な内容物、メンテナンス用の通路と続くが、再起動する前の分と足して漸く半分だ。外側から順番にスキャンして行くしか無い為、まだまだ時間が掛かる。

「やっぱり近道は出来ないってか……そりゃあそうかもだがね」

 被弾を抑えながらスキャンを続けるのは、意外と骨が折れる。しかもヴィハンが子機の破壊を全て担っている為、彼の機体から離れすぎても対応しきれなくなってしまう。一秒たりとも無駄には出来ない為、ルキノの機体は戦闘モードへ切り替える訳にも行かない。
 グレイゲイザーは此方が仕事をこなしている間にも、もう何発目になるか解らないOOTHECAの投下を行なっていた。その幾つかは起動準備に差し掛かる間に、ヴィハンがガトリングガンで破壊してしまうが、何せ数が数だ。どうやっても撃ち洩らす。子機から射出されるミサイルは迎撃機銃が無ければ、避けるしかない。しかもAMMONがわらわらと寄ってくる為に、ミサイルの回避だけに専念する訳にも行かない。その隙を突いてグレイゲイザー本体からレーザーキャノンも撃ち込まれる。今まで見てきたどの巨大兵器よりも、陰湿な戦法だった。

《S-81、両腕残弾無し。これよりロケットによる狙撃を試みます》

《了解した》

 ――副長も何を淡々と了解してるんだ! 少しは焦っとけよ!
 そこいらの雑魚とは比べ物にならない。下手を打てば死ぬ状況だ。ルキノは今までの潜入作戦などで焦燥感に駆られた事は一度とて無かった。その先の状況が予想できたからだ。しかし今回は違う。
 今し方、収納スペースが確認出来たが、それがルキノの気分をより一層憂鬱にさせた。子機はまだ、三日は戦えるだけの量が残っていた。無論ながらルキノはそれを口にしなかった。それを云えば士気を下げるし、何より現状に於いては不必要な情報だ。

「もうちょっとだ……」

 スキャン、そして完了、情報表示、ポイント変更……これを延々と繰り返す。既に機体の損傷は中破レベルにまで拡大し、左肩に内蔵されているサブコンピュータが不調を訴えていた。エラーが出てシーケンサが停止する。

「うっわ、畜生! ふざけやがって!」

 苛立ちと混乱で煮えくりかえった頭のまま、コンソールからパネルを探す。確か、サブモニタの下だ。メインモニタのHUDと交互に見ながらでは思う様には見付けられない。急に、横合いから衝撃が襲った。

「糞……――?!」

 AMMONの自爆攻撃によるものだった。右肩のサブコンピュータも破損し、兵装一覧の該当箇所は皆一様に『DISCONNECTED』と赤文字で表示されていた。オートパージを含めた幾つかの操縦を手動に切り替えた状態で出撃した為、自力でこれを解除せねばならない。こんな時、ヴィハンがAMMONを墜としてくれる保証があれば幾らか気が休まるというものだが、特攻型の接近を許したという事は、とどのつまり推して知るべしという奴だ。冷や汗が止め処なく流れる。

「ヴィハン……弾切れか?」

《申し訳ありません。黙って下さい》

 ご立腹らしい。無理も無い。終わるとも解らない戦いを続けていれば、無駄口など叩けまい。
 ルキノはスイッチを発見し、両肩の電力供給をカットするとエラーが止まった。スキャン速度は万全の状態よりも大幅に低下したものの、逆に云えば頭さえ失えば仕事が出来る。冷静に部隊全体を見渡して考えれば、撤退する程の損傷でもない。
 そうして、待ち望んだ情報――動力部の構造が表示された時、ルキノは思わず膝を叩いて歓喜した。

「こちらS-29、突然ですがサブモニタをご覧下さい」

 ルキノはすかさず全員のサブモニタに、グレイゲイザーの中枢部分のスキャン結果を送信した。
 このグレイゲイザー、外見こそ球体だが中身は違う。丁度表面が崩壊している面の内側には排熱ダクトが張り巡らされており、そこに熱量の高い攻撃を叩き込めば瞬く間に溶ける。追い打ちで貫通力の高い武器を命中させてやれば、動力炉はエネルギー漏れを起こすだろう。

「表示されている情報の通り、例の“死角”から忍び込み、熱量エネルギーを用いた攻撃を行なえば大丈夫そうです」

 先程ゴルスカヤが銀河帝国の秘密兵器と揶揄していたが、まさか構造も似通っているとは。グレイゲイザーを設計した大昔の誰かは、かなりのSF映画通だったに違いない。そして間違いなく馬鹿だ。

《よくやった。引き続き解析し、プログラムデータを取得しろ》

「了解」

《ヴィハンは崖を蹴り昇り、グレイゲイザー内部に侵入、弱点箇所を攻撃しろ》

《了解! 喜んで!》

 さて、ここからが正念場だ。幸いにも僚機の武器は生きている。唯一ゴルスカヤの機体はHEATロケットしか残っていないが、グレイゲイザーの目を潰すのには一役買っている。出現時に確認出来た目――レーザー砲台は56基、傭兵らによって30基が破壊され、ゴルスカヤが13基をロケットで撃ち抜いたので、これで残るは12基という計算になる。その内の8基は空を向いている為、実質4基だけだ。威力も弾速もあのKARASAWAの半分程度だから、回避に専念すれば然程の脅威にはなり得ない。
 ルキノが機体を左右に跳躍させ、散発的に放たれるOOTHECAとAMMONを避け続けていると、ヴィハンからの通信が入った。

《こちらS-32ヴィハン! 機関部に侵入成功!》

《了解した。各機、グレイゲイザーへの攻撃を中止。陽動に専念しろ》

 ……幕引きは随分と呆気ないものだ。内部への侵入は半ば諦めていたが、絡繰りを知ってしまえばこの程度らしい。脅威目標だったグレイゲイザーはヴィハン機の脱出から程なくして浮力を失い、落石が如く谷底へ落下。その衝撃で幾つもの部品がバラバラになり、今度こそ物云わぬスクラップへと成り果てた。

「やれやれ……もう二度と御免ですよ。俺等だけで相手取るのは」

 最後にスキャンした結果は、グレイゲイザーの攻撃目標を設定したのが大佐ではないという事実を裏付けるものだった。理解に苦しむのは、地下都市という単語がそのプログラムデータに含まれていた事だ。

 ――此処に来て地下都市かよ。何を意味しているんだ?
 ルキノは更なる戦乱と混迷の予感に、戦慄を禁じ得ずにいた。



7. Raging


 本日のイル・シャロムは、先日の雨など影も形も見せていなかった。夕日の差し込む廊下に、隻眼にして隻腕の女性が佇んでいた。

「……」

 女性――ルルア・シーベント少佐はバンガード本部のとある廊下にて、今この瞬間に、舌打ちをしなかった自分自身を褒めてやりたかった。眼前を、あの忌々しい狂犬連中(STなんたら)の幹部共が十数匹ほど通り過ぎた為だ。階級はあちらが上ではあるものの、ルルアはそれを決して認めたくはなかった。大佐が何故あの様な、飼い主たるバンガードにすら牙を剥くであろう連中を野放しにするのか、不可解でならない。このバンガードはクーデター上がりとはいえ歴とした軍であり、また軍事政権を立ち上げた臨時の政府でもある。出費は決して少なくない。にも関わらず、この歪みきった異物共は共闘と銘打ちながらも、水面下で情報の差し止めといった妨害を平然と行なう。
 そんな彼らは、ルルアがひとまずは軍のならわしとして敬礼しているその横を――此方の苦悩も知らずに――悠々と歩き、挙手するだけだった。

「ジョエル、先に始めてくれ。私は野暮用を思い出した」

 先頭を歩く二人の老人の内、片方が口を開く。声の主はかつて政府軍の広域治安維持部隊に所属していたというハワード・キースだ。彼は今からおよそ30年前、壮齢に差し掛かる折にファルナ戦役にて出撃したのを最後にACを降りたという。原因は負傷か何からしいが、心に傷の一つや二つ負った程度で前線に出られなくなる程の惰弱な輩が、何を今になって偉そうに。
 キースはルルアの胸中に秘めたる侮蔑を悟ったのか、ひどく穏やかな表情で此方に向き直る。彼は暫く黙っていたが、狂犬共が視界から消え失せるのを肩越しに見届けると、漸く“野暮用”とやらを此方に引っ掛けてきた。

「君の恨み言を聞こう。それが私という憎まれ役の、責務だ」

「用件は特に御座いませんが」

「眼差しまでは隠せまい」

 ――成る程。大した観察眼だ。伊達に歳を重ねては居ないという事か。
 ルルアはなるべく平静を装っていたつもりだが、どうもこの老人は自分が日頃からどの様な目で見られているかについてひどく敏感らしい。ルルアは、ならばとこれ見よがしに溜め息をついて見せた。

「……私に、上官侮辱罪で軍法会議に出ろと?」

「ならば、ひとまず階級は捨て置こう」

 ルルアは眉を顰めた。これがもし誘導尋問か何かだとすれば、警戒せねばならない。今まで口先にてお偉方の顔を立ててやったものの、一部の目敏い連中は当然ながら此方の思惑を見抜いているだろう。連中が此方を敢えて黙認しているのは、連中もまた組織に住まう歯車の一つに過ぎないからだ。だからこそ、ルルアは今まで何者からも排斥されず、こうして生き存えている。
 だが、この去勢された狂犬共にそれと同じ常識が通用するだろうか。若しもキースの言葉を額面通りに受け取った結果、それを密告でもされたら、ルルアの首を狙う輩に隙を見せてしまう事にも成り得る。ルルアにとって、それが懸念だった。

「約束は守る。そも、クーデターを起こした鼻つまみ者の集まりだ。君が我々を悪し様に云った所で、誰も問責するまい」

「そう云って頂けると助かります」

 とはいえ、何から話すべきか。路傍の糞便に掛けてやる言葉など、当然ながら何も用意していないのだから、一言も会話を交わさないままで終わる算段だった。当初の予定とは正反対の方向へと事が進みつつあるのは、ひとえに眼前の老人が余計なお節介を仕掛けてきたからに他ならない。
 ふと思い付いたのは直近の出来事だった。ルルアは「折角ですから、以前から疑問に思っていた事を」と前置きしてから、言葉を紡いだ。

「STCCはフルールドリスを解散に追い遣った。なのに、貴方達が何故、のうのうと生き存えているのですか。軍機を漏洩した挙げ句、バンガードの戦力低下という大失態を冒し、バンガードに対する悪印象をイル・シャロムに植え付けた、その貴方達が」

 キースは表情一つ変えず、黙り込んだ。無感情を通り越して昆虫じみた双眸からは、何を考えているかが窺い知れなかった。寧ろ、何も考えていないのか。図星を突かれて思考が凍り付いているだけなのか。ややあってから、その首が横に振られた。

「そう見られても致し方あるまいよ」

 続いて出て来た返答はひどく曖昧なもので、それがルルアの神経を逆撫でした。

「とぼけないで頂きたい。貴方達の仕業でなければ、誰が遣ったというのか」

 彼ら以外に有り得ないのだ。強化人間の研究は政府が健在だった時代からずっと続けられていた。狂人はくたばる瞬間まで狂人であるべきだ。今更になって、研究員が良心の呵責などといった生温い怪物に屈し、自らの命を冒してまで外部に情報を漏らすなど、決して有り得ない。歴史が証明してきた事だ。どう考えても、第三者が梃子入れを行なったとするのが自然だ。そうでなくてはならない(・・・・・・・・・・・)

「“遣った”か“遣っていない”か、そのどちらの可能性も否定はしないが……そうだな。前者を前提とした方が、君には都合が良いのだな」

「答えになっていない。いずれ事実が明かされるというのに、往生際の悪い」

「これが答えだ。事実など、何処にも無い。存在するのは解釈だけだ」

 キースの言葉を精一杯好意的に解釈するならば、とどのつまり「立場上は明言できないが、自分達は憎まれ役なのだからそう捉えても構わない」という事だ。罪過を認めず、相手の自発的意思を尊重するという名目で追求を逃れる。薄汚い政治屋の手口を、さも自分が知識人であるかの如くしたり顔で用いるとは。
 組織に対する契約不履行をしでかしていながら、何ら咎められていない。あまつさえ彼らが内部告発をけしかけた事実すら、隠蔽されている。あまりにも(いびつ)だ。
 理解すべきなのだ。戦争をする為の軍隊に於いて、戦争の生命線たる武力を縮小させるという行為がどれ程までに愚かしいかを。“人道主義”などという、自称知識人連中の口から垂れ流されたその汚物は、所詮は自らの好き嫌いを押し通すだけの、都合の良い大義名分でしかないだろう。
 ルルアはそう云いたかったものの、喉の奥に仕舞い込んだ。感情的に喚き散らすだけなら誰にでも出来る。肝要なのは、それを相手に納得させられる様、十全に説明出来るかどうかだ。現状、この年老いた狂犬にそこまで説明しても、的外れな引用が返ってくるのが精々だろう。

「どうせ私でなくとも、数多の軍人達が貴方達をそう見なしている」

 ルルアは自らに云い聞かせる様に、そう吐き捨てた。

「構わんよ。だがSTCCは断じて、対岸の異邦人ではない。それだけは理解しておくと良い」

 ――云うに事欠いて上辺を撫でた説教か。ド畜生の老害が。
 ルルアは咄嗟に、殴り殺してやろうかと思って拳を握った。頸動脈は血流が加速し、震える両腕は筋肉が収縮しつつある。「恨み言を聞く」などと嘯いて、実際には返す言葉がこれなのだから、全く以て忌々しかった。しかしながら、激情に駆られて本当に上官侮辱罪を犯す程、ルルアの精神は幼稚ではない。だからこそ、わざわざ同じ土俵に立った上で、この老害には正面から蹂躙してやらねば気が済まなかった。

「中佐、いえ。ハワード・キース。先程の“この場に於いて階級は存在しない”とのお言葉に、偽りはありませんね」

「無論だ」

「では、失礼……」

 肺に酸素を取り入れ、脳を活性化させる。老いぼれをねじ伏せる最大の攻撃は、その過去を否定してやる事だ。同時に、その生涯も。

「――私は腕も片目も失って尚も戦い続けている。百年先でも千年先でも、この身体が保つ限り戦ってやる。だが貴様は心などという、不確かなものに傷が付いた程度で前線を退いた。貴様の様な腰抜けが、よくもぬけぬけと要領を得ない説教をこの私にしてくれたものだ」

「耳に痛い話だな。肝に銘じるよ」

 決定打を与えられたとは到底云えないが、少しは(こた)えたのだろう。キースの口元が僅かに歪んだのを、ルルアは見逃さなかった。更に捲し立て、此処で潰してやろう。

「貴様等には劫罰が下されるべきだ。大義に背き、強者を冷笑し、力を軽んじる貴様等の様な老害共は。軍人という立場でなければ、私が一人残らず消してやれたのに」

「これは面白い。まさか無神論者の口から“劫罰”なる言葉が出て来ようとは」

 それ見た事か。インテリの鍍金を剥がせば、口を突いて出て来るのは子供じみた詭弁だけだ。無神論者の話にすり替えようとしている、その意図が透けて見える。この程度で流される様な、安い女だとでも思っているのだろうか。

「無神論者は貴様等とて同じだろうに。でなければ、そこまで狂いはしないぞ」

「法、規律、定理こそが我々の神。然るに、劫罰が下るべきは君だ」

「何故、そう断言できる?」

「法に背き、規律を冷笑し、定理を軽んじている」

 この期に及んで、何と稚拙な返し方だろう。ルルアは嘲笑を禁じ得なかった。法に背かないからこそ、愛用の散弾銃を味方と称する者らには一度も向けてこなかった。規律を冷笑しないからこそ、自分は“冷静”という皮膜を隠れ蓑にしてきた。定理を軽んじてなどいないからこそ、STCCの組織形態は歪すぎると考えた。とどのつまり、キースの今に至るまでの御高説は所詮、彼一人の経験則から型に嵌めただけの知ったかぶりでしかないという訳だ。

「私を、その様に見る事しか出来ないか。老害の(まなこ)はよほど曇っていると見える……否、畜群の生まれならば無理からぬ話だな」

「少なくとも第三者にとって、二項対立する思想は互いに等価であるべきだ。それが理解出来れば、自ずと道も見えて来よう。我々を対岸から誹りたいのなら」

「……抜かせ。若造一人説得できぬ、哲学かぶれの不能が」

 ルルアは対話を一方的に打ち切り、踵を返した。元より、駄犬に語る舌など、持ち合わせてはいない。視界に入れるだけで不愉快だ。足早に立ち去る。

「此方の思惑を知って貰うだけで充分だ」

 背後から掛けられた言葉は相変わらず穏やかで、恐らく此方がどれだけ失望しているかを正確には理解していないといった風だ。それがまるで「云いたい事は何もかも解っている」とでも云いたげで、尚更気に食わなかった。
 STCCに所属する連中はどれも同じで、手元の物差しだけで全てを知ったつもりでいる。それでいて、云い訳がましくあれこれと御託を並べるのだ。百まで云わねば解るまいとばかりに。また組織の存在意義も極めて不透明だ。部隊なのか、派閥なのかもはっきりせず、何がしたいかが全く伝わってこない。オーバードウェポンはどれも状態が悪く、発見されても結局はコレクターアイテムとしての価値しか無い。
 だからこそ彼らは二流の外郭組織以上の物には成り得ず、得意気に並べ立てた幾つもの宣言はその悉くが成就されぬまま今日までずるずると引き摺られている。そのくせ何かと主導権を握りたがるものだから、無能な働き者として味方からも疎んじられる。

「政治屋共にでも任せるか」

 あれこれ考えて出て来た結論は、これだった。最早、STCCは誰とも戦えない。物陰から吠えるだけの負け犬集団だ。ならば然るべき手段で、正当な手続きの下に保健所送りにでもしてやろう。



8. Abyss


 “アルジャーノン”こと、ハワード・キース中佐はデブリーフィングを終えた会議室にて、デスクに散らばっていた報告書を一枚ずつファイルに綴じた。カップの底に残っていた代用コーヒーを飲み、溜め息混じりに追憶する。
 カストリカに派遣したブルー・ピーコックによるジャベスの説得は、一応の成功を収めた。グレイゲイザーが再起動を経て大破し、使用可能な部品が皆無であるという連絡が、あちらの子飼いであるカストリカ・ガードの整備課から伝わった為だ。補給を行なっていたSTCCの機体は損壊が激しく、機体に記録されていた作戦ファイルもグレイゲイザーの再起動を裏付けていた。結果、此方の「グレイゲイザーの利用を諦めろ」という要求が通った。
 が、しかし。カストリカの傘下にある、オーバードウェポンを保有する特殊部隊の解体にはまだ遠い。実の所、ブルー・ピーコックを向かわせたのは、あの部隊――カストリカ同盟第三種混成機甲(インシディアス)部隊が大手を振ってグレイゲイザーに近寄るといった事態を防ぐという目的があった為だ。近年に於けるカストリカの規模拡大は最早、無視できない案件だ。これ以上の増長はSTCCの総意、ひいてはロバート・ジョエルの意向に反する。
 故にあれらに頼らず、前線に於いてはあくまでSTCCのみの力でグレイゲイザーを退ける必要があった。面子の問題として片付ける浅慮の輩も居るが、実際のプロセスはより複雑だ。あくまでバンガード側の攻撃ではないという事を証明し、その上でカストリカ側に「此方はその気になれば、この程度の機動兵器など容易く破壊できる」という認識をさせるには、あの方法以外に考えられなかった。
 幾つかの小細工も欠かさなかった。はした金で雇ったゼラノの武装勢力に都市郊外で暴れさせ、ベルマレイにはそれの迎撃を行なわせた。意図的にゼラノへ情報を流し、大物狙いを目論む連中をカストリカにおびき寄せた。彼らに伝わっていたのは「カストリカが巨大兵器に襲撃され、ガードが疲弊している。攻め込むなら今」というものだ。
 当然ながら、これらの手順はキース一人で成し得た訳ではない。かつての政府軍広域治安維持部隊の伝を頼った部分も、少なからずあった。人脈は他にも幾つか存在したが、キースはどうしても在りし日に築いてきたしがらみ(・・・・)から脱却出来ずに居た。いずれの手法も、結局はキースの友人たるジョエルを模倣したに過ぎない。如何様に足掻いても、慣れ親しんだ者が最も信用に足るという結論に至ってしまうのは、臆病な老人特有の流行病だろうか。

『貴様等には劫罰が下されるべきだ。大義に背き、強者を冷笑し、力を軽んじる貴様等の様な老害共は』

 ふと、脳裏を過ぎったのは先程のルルア・シーベント少佐が発した言葉だった。

「過去の栄光を懐かしみ、大義名分を以て自らの欲望を押し通す。成る程、我々は正しく老害だな」

 自覚と自嘲をない交ぜに呟いた所で、それに応えてくれる者の悉くが既に死んでいる。
 否、だからこそ口に出さねば胸中に内包し続ける負の感情に押し潰されそうだった。大義を成就させるには、残された時間はあまりにも少ない。それでも妄執と熱望が亡霊の如く付いて回り、常に背を押してくる。「糾弾か、諦観か」という逡巡は最早、意味を為さない。

「欠けた歯車を直すには、新しい歯車に挿げ替えるしかない……か」

 いずれはこの第9領域そのものと刺し違えてでも、改革せねばならない。バンガードが政府を打ち倒しただけでは、不完全だ。万人に高潔な精神をもたらす為には、狂犬という誹りを甘んじて受け、数多の力を奪い去ろうという“試み”をせねばならない。

 ――しかし……いつまで続くかな。ジョエル。
 この場ではキースだけが、グレゲイザーがジョエルの仕組んだ茶番だという事を知っている。迅速に部隊を組めたのも、予め筋書き通りだった為だ。財団および地下都市を経由してグレイゲイザーに攻撃目標を入力し、カストリカに向かわせるというものだ。そして彼は敢えてヒントを周囲に与え、疑念を抱かせる所まで想定している。
 不和の種――実際には周囲が杞憂を抱くのみだが――が組織内に生き続ければ、少なくともバンガードに身を置く者達も自らの立ち位置に慢心する事は無い。その点に於いて仮想的たるフルールドリスが消えたのは些か計算外だが、次の標的を組織内に作ってしまうしかないだろう。大佐が何の為に戦っているかを知る以上、自分達の様な老害もあらゆる戦場に身を置くべきなのだ。幸いにも大佐は此方の思想の、良き理解者だ。ならば喜んで首輪を付けて回ろう。それこそが親友(ジョエル)の悲願であり、キースに残された最後の矜持だった。
 キースは胸中にて総括を終えると、己の奥底に鬱積した感情がほんの少しだけ和らぐのを自覚した。



戦後報告一覧(ASSAULT RECORDS)

STCC
PILOT NAME CALL SIGN UNIT PROFILE
Daniel Phillips Daphnis AC(Revese joint-H) STCC直営AC部隊総隊長。
Robert Joel - - STCC代表者。カストリカ・ガードがグレイゲイザーと交戦したとの情報を聞き付け、即座に諜報員を派遣。現地に於ける戦闘データ記録を命じた。本作戦から日を跨がぬ内に増援部隊を派遣、残骸回収作戦を実行する。
Howard Keith Algernon AC(2Legs-H) STCC幹部。
グレイゲイザー処理作戦の指揮を行ない、部下にカストリカとの交渉を指示した。
Brandon Hawkins Blue Peacock AC(Revese joint-H) STCC幹部。グレイゲイザーの残骸を確保する為、カストリカ側との交渉に臨んだ。
Benedict Boldwin Vikhan AC(2Legs-M) グレイゲイザーの残骸を処理すべく、当該区域へと出撃。再起動したグレイゲイザーの破損箇所に集中攻撃を行なった。
Luchino Diaco Carski Ovcer AC(Revese joint-L) グレイゲイザーの残骸を処理すべく、当該区域へと出撃。内部構造の解析を行なうも、再起動したグレイゲイザーには手も足も出なかった。
Viktor Kozeradsky Gorskaja AC(Revese joint-H) グレイゲイザーを狙う武装勢力を事前に排除すべく、当該区域へと出撃。
同兵器が再起動した為、別働隊に合流。援護を行なった。
Henrik Kolehmainen Ghazni AC(4Legs) グレイゲイザー処理作戦の指揮官。同兵器が再起動した際は冷静に指示を行なった。
Marius Freiholz Bell Murray AC(4Legs) グレイゲイザー処理作戦の指揮官補佐。本隊への合流が遅れた件については、別件を片付けていたと主張している。
Nikolay Antonenko Jackal Helicopter グレイゲイザーの残骸を回収する為に派遣された輸送部隊の隊長、兼オペレーター。再起動したグレイゲイザーに撃墜されるが、自力で生還した。
Kastricca
PILOT NAME CALL SIGN UNIT PROFILE
Lazare Jabez Mayor - カストリカ代表者。グレイゲイザーの残骸を確保すべく数々の裏工作を行なうも、バンガード側に看破され失敗に終わる。なお、グレイゲイザーによる侵攻の件も併せて市民には事実を一切公表せず、責任追及は行なわれていない。
Maximilien Balt Altair AC(Revese joint-H) ジャベスの指示により、グレイゲイザー迎撃作戦の実質的な指揮官として出撃。遮蔽物に身を隠しながらの狙撃により、傭兵達を援護した。都市区防衛からの再出撃であった為、充分な整備がなされていなかった。
Paul D'Archiac Rasoir MT(SNP) グレイゲイザー迎撃作戦に参加。機体大破により脱出するが、友軍の誤射に巻き込まれて戦死した。
Yann Gerardin Voiture Attack Helicopter グレイゲイザー迎撃作戦に参加。砲撃を回避しながら接近を試み、至近距離にて機銃掃射を行なうも、奮戦虚しく戦死。結果的には傭兵到着までの時間稼ぎに貢献しており、それが評価されている。
Mercenaries
PILOT NAME CALL SIGN UNIT PROFILE
Unknown Zigzag AC(2Legs-L) グレイゲイザー迎撃作戦に参加。地形の高低差を利用し、接近戦にて打撃を与えた。作戦中、同行した他の傭兵と口論になったとの報告あり。口論の内容は不明。
Unknown Dufaux AC(Revese joint-H) グレイゲイザー迎撃作戦に参加。隙を突いてグレイゲイザーの上に飛び乗り、至近距離から攻撃したという報告が上がっている。具体的な方法は不明であり、また有効打は与えられなかったとの事。
Fequsie Harche La As AC(4Legs) グレイゲイザー迎撃作戦に参加。バンガード側へ何らかの情報提供を行なったと見られるが、詳細不明。



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怨是 読み切り
最終更新:2013年12月21日 04:35