その傾向1 | 隠遁に近い暮らしをしている彼は、自分にしか興味がない。 弁論や交渉を尊ぶ者を評価し、また、領民に対してよりも、彼自身に好き放題趣味の時間とカネを与えてくれる国王を好む。 友情よりも、それに先立つものをよこせ、ということである。 |
いかに戦うか1 | 彼は、自分が老人であることの長短をはっきりと自覚している。 そのため、自分が哀れなおいぼれであることを主張し、できる限り決闘を回避しようとする。 彼を決闘場まで引きずり出すには、彼を口車に乗せられるだけの知力を持った騎士を派遣するべきであろう。 |
いかに戦うか2 | 決闘において、老齢の彼は、とにかく動きたがろうとせず、相手の突撃を反撃で待ち続けることを望む。 気をつけるべきは、マンハイムが近いためか、実力のある『闇の者』の騎士が周囲にいる可能性が高いことである。決闘を受諾されたと思ったら、代理騎士から思わぬ一撃を受けることもある。 |
過去の経歴 | グリューネベルグ領主の家に生まれる。 30年前、父が黒貴族の魔力によって裏切り、その果てに自害して以来、自分の家と境遇を呪うようになる。 現在は父のあとを継ぎ、グリューネベルグ領主として、数人の侍従の他は誰も寄せつけずにひっそり生きている。 |
未来のイヴ | エピドートの趣味は、機械いじりである。機械は人間と違って反抗したり、彼の父の裏切りを誹ったりしないからである。 色事とも無縁であった。女性恐怖症というより、むしろ対人恐怖症であったのである。 物言わぬ機械に囲まれ、一日の大半を過ごす。彼にとっては、それも幸せなのだろう。 |
ペレリンの森 | グリューネベルグ(緑の森)とは、ほぼ全域を森が埋め尽くしているからつけられた。 このペレリンの森は、かつては砂漠であり、黒貴族との激戦区であった。が、聖騎士フランツが黒貴族に敗れると、その体から樹木が生え、砂漠は瞬く間に森になったという。 |
大魔術師ウェンダ | グリューネベルグ出身のウェンダは、第五代国王ロベルトの宰相であった。「魔術師」と称されるのは、蝶人の血を引き実際に魔法を使えたからとも、手先が器用で数々の工芸品を遺したからとも言われている。 美女マリアンヌを巡って主君ロベルトと対立、遂には叛乱を起こし、千日の間、ペレリンの森の砦に立てこもった。 |
その傾向1 | 甘やかされて育ったバスティアン。 彼は、自分にでき得る限りの贅沢を、誰かに甘やかされた状態ですることを望む。逆に言えば、それ以外、彼の興味はない。 ろくでなし中のろくでなしであるが、なぜか彼のことを憎めないのは、彼が人間の欲望というものに正直であるためだろうか。 |
いかに戦うか1 | 彼は駄々をこね、決闘を回避しようとするが、彼の乏しい語彙ではそれもかなわない。何度か挑戦し続ければ、開き直って決闘に応じてくる。 肥満した彼の体では、馬を操ることも容易ではなく、それなりに腕の立つ騎士であれば、勝つことも簡単だ。 |
いかに戦うか2 | バスティアンは、最初の2回は陽動戦法で、相手の出方をうかがう。戦術だけ見れば意外と効果的なものである。 注意すべきは、リベルという場所自体に、さまざまないわくがあることである。領主が去ってしまえば、そうした伝説も失われてしまう可能性がある。 リベル自体に用がある場合、決闘を挑むのは考え直した方がいい。 |
過去の経歴 | 協会より派遣された執政官セーズの下で甘やかされて育ったため、いまの、誰もが知るどうしようもない人格の領主に育ってしまう。 セーズが懸命に舵を取ってはいるものの、現在も贅沢三昧を繰り返し、順調にリベルを破滅の道へとひた走らせている。 |
執政官セーズ | セーズは、かつてバスティアンの乳母であった。 バスティアンが成人し領主の座を引き継ぐまで彼を育てたが、領主となったあとの彼があまりにふがいなかったため責任を感じ帰還、現在は執政官としてリベルに居続けている。 バスティアンの性格があのようなものとなったのは、セーズが甘やかして育てたためである。 |
リベル | 「図書」を意味する。 グリューネベルグのヴェンダが叛乱を起こした時、リベル領主に本を売り払い軍資金にしたという伝説が残っており、領主の館の地下に存在する巨大な地下書庫は、その当時に造られた物であろうと考えられている。 バスティアンは、当然一冊も手をつけていない。 |
炎狼 | 炎狼は、大いなる世界の意志であるという。 その地の守護霊であるとも、荒ぶる霊魂であるとも言われるが、現在わかっているのは、炎狼の力が、その地方の趨勢と大きく関わっていること、勇者の命を喰らい力を得ることの2つである。 |
ゲルツェン | 我が国の北東に存在するゲルツェンは、一面が森で覆われていることで有名である。 住人は皆、頑固でよそ者と打ち解けないが、いったん仲良くなると、家族のように迎えてくれる。 手先が器用なことと、燃料となる木材が大量に存在することから、鉄鋼とガラス細工の産業が発達している。 |
その傾向1 | 謎に包まれた、協会の司教ウィーギンティ。彼は、国王に必要なすべての要素を満遍なく見るようだ。というより、彼らが『試練』のルールを制定したのだから、それも当然であるのかもしれない。もちろん、協会を支持してくれる国王であることが、すべての前提だが。 |
いかに戦うか1 | この世界の歴史を紐解いても、司教が決闘を行ったという事例は存在しない。よって、この情報は、ただの思考実験でしかないが……。彼は気配をまるで感じさせず動くことができるため、彼がもし騎士として修行を積んでいるならば、かなり優秀な騎士であることに間違いはないだろう。 |
いかに戦うか2 | 彼らは『既知』のものを信奉し、『未知』のものを忌避する傾向にある。よって、これも想像でしかないが、おそらく彼は反撃を避けるため、陽動を好むことだろう。彼の戦術を打ち破るためには、協会をおそれず、突き進むだけの勇気が必要となるに違いない。 |
過去の遍歴 | 前司教ウンデ逝去に伴い、7人の枢機卿に選ばれ、12年前に就任した司教。ということにはなっているが、その他については不明である。一説では、司教は不死であり、世代交代も形だけのものであると言われている。 |
『協会』 | 「すべては人の子らの未来のために」運営されている組織。さまざまな技術を、人間の福祉の為に用いる。領地の正常な統治が不能であると判断された場合、協会員が代理の領主として領地を統治する。このシステムが始まったのがいつかは不明。 |
協会員 | 協会員は皆、仮面で素顔を隠しており、その素顔を見た者はいない。世俗の者が教会の教えに惹かれ、あるいは世俗がいやになり入門することはよくある。失踪したフィーリウス王子は、協会の一員として、仮面とローブをまとい活動している、という噂もあるが、確たる証拠はない。 |
聖油の奇蹟 | 聖油を一塗りすると、瞬く間に傷が癒える……。『奇蹟の日』に協会を訪れた者なら、まさしく『奇蹟』を目の当たりにしたことだろう。新月の日、決められた人数だけ、司教の『奇蹟』に与ることができる。この日には、奇蹟を求める大量の傷病者で、協会の館内はあふれかえる……。 |
光の道 | 敵領地が多く、移動が容易ではない時、一瞬でどこへでも移動できたら……騎士ならば誰でも、一度や二度はそう感じるだろう。協会の技術の中で、一番有名かつ驚嘆すべきもの、それが光の道だ。協会員にのみ扱えるこの技術は、王国内のどこへでも一瞬で移動できるのである。 |
協会に対する疑問 | 協会は、基本的に人間に害をなさない。 が、彼らの得体が知れないのも事実で、協会に対し嫌悪感を抱く者も少なからず存在する。 なぜ、彼らが無利益で人間に手助けするのか?「親切には裏がある」んじゃないだろうか? 疑問の声をぶつけられても、彼らは仮面の奥で、ただ沈黙するのみである。 |
ノーストリリア | その首都、『水の都』アルファ・ラルファは、その異名の通り、水の上にぽっかり浮かんでいる。協会の技術のひとつである。 内海に面するノーストリリアは、協会の国で、他の国々とはまったく異なった発展を遂げている。 |
その傾向1 | 彼を含めて『執政官』という立場のものは、個人の趣向より、主の為に良かれと思える政治を行う傾向にある。 ヴィンフリートは、まず手堅く経済力を伸ばし、予算を確保しようとするようだ。 それ以外はバランスの取れた投資を行う。 |
その傾向2 | 執政官としてではなく、彼個人の傾向というものも、もちろんある。 名門領主の家に生まれ、騎士の価値観で生きてきたせいか、民衆への配慮には若干欠けるところがあるようだ。また『協会』を警戒しているようで、あまり彼らに近づこうとはしない。 なんにせよ、個人的な感情を政治に含めるようなことはない。 |
いかに戦うか1 | 騎士の家に生まれた者が皆、騎士の位を継ぎ、戦いを学ぶ訳ではない。 多くは騎士階級……つまり貴族として、戦いとは無縁の生活を送る。 そしてさらに一部が、槍を捨て、話術と学問とで戦う道を選ぶ。 ヴィンフリートもその、数少ない一人である。 |
いかに戦うか2 | 彼は武術を嫌うわけではないが、非常に弱い。穏やかだった母の血を、強く引いているのかも知れない。 そのため彼を決闘の代理人にするのは、無意味だと言える。 それよりも、彼の得意とする、政治の面で、活躍を期待するべきだろう。 |
過去の経歴 | ポンパドール領主 シルヴェストルの息子。 剣を握ることを拒み、執政官としての修行を積むため、協会国家ノーストリリアへと留学。 新旧の政治学を修め、アルファ・ラルファ大学主席の成績となるが、故郷ターブルロンドの争乱を聞きつけ、やむを得ず帰国する |
浮いた話のひとつも | 堅物と知られる執政官。メガネをかけた理知的な面貌で、恋多き貴婦人たちの心を鷲掴みにした。しかし、彼に恋人はいるのか?あの噂好きなパミラですら、彼の浮いた話を聞き出せぬ始末。 誰もが忘れているが、彼は王女の許婚であった。もしや彼は、未だに王女のことを想い続けているのだろうか……? |
ペンは剣よりも? | この国には騎士はいくらでもあふれているが、文官は数少なく、最先端の政治学を修めている者などひとりもいない。 これから先は、騎士ではなく、文官の時代なのだ――彼は持論に従い、騎士ではなく執政官の道を選んだ。 しかし、父シルヴェストルは、「現場で動く人間がいてこその政治なのだ」と息子の持論を嫌っている。 |
密偵オーンブル | 名の通り「影」となり、ヴィンフリートの下へあらゆる情報を運ぶ、性別不詳の密偵。 オーンブルに関してわかっていることは、彼(彼女)が執政官に対し、崇拝に近い忠誠心を抱いていることである。 ヴィンフリートが死ねといえば、オーンブルは躊躇せず自害するであろう。 |
兄と弟 | 彼には一人弟が居る。陽気で社交的な弟で、兄を慕っていた。だが兄のほうは、弟を苦手としていたようだ。 弟は現在、正規の騎士になるため修行中。国内には居ないとの噂もある。 |
その傾向1 | フィーリアを溺愛しており、フィーリアが幸せになるためなら、どのような努力をも惜しまない。 彼女の世界は、フィーリアを中心に動いているのである。 |
その傾向2 | 政治的な主張はあまりしない彼女だが、考え自体はあるらしい。 個人に権力が集中する支配体制より、平民を含んだ多数の人々が、権利を少しずつ持つ方が良い、と考えているようだ。 ただ、この概念は、なかなか他人に理解してもらえないらしい。 |
いかに戦うか | 残念ながら我らが侍女殿には、戦う力は無い。 しかし噂では、父からとある組織を受け継いでいるという。 それは忌まわしき暗殺組織であるとも、あるいは騎士王を祀る、祈りの組織であるとも。 しかし、所詮噂は噂。 事実関係は確認できなかった。 |
そのプライベート | 生活の大半を王女に捧げている彼女だが、趣味が無いわけではないようだ。 特にお祭り騒ぎには率先して飛び込み、それどころか騒ぎを自ら作り出すようなところがある。 また無類のキャベツ好きとしてもしられ、大食い大会では恐れられている。 |
過去の経歴 | 先王の弟の一人娘。つまりフィーリアのただひとりの従姉妹。 王位継承権を所有していたものの、自ら王位継承権を捨て、フィーリアの侍女になることを選んだ。 その経緯は不明だが、彼女の言動を見れば、真意は明らかだろう。 なお彼女の両親は、既に亡くなっている。 |
最後の騎士 | 王女の従姉妹であり、侍女。大概の人々は、エクレールの存在をその程度にしか考えていない。 しかし、かつての王達を知っている高齢の騎士の中には、彼女を『最後の騎士』と呼ぶ者もあるという。 その意味は不明。 意図的に伏されている可能性が高い。 |
女官パミラ | 噂好きの女官。 王宮で流れている妙な噂の出所の8割は、彼女に由来していると考えて間違いない。 残り2割の出所は、もちろん、我らが侍女エクレールである。 |
女官クラリッサ | 恋多き女官。 『王女よりも自分の方がかわいい!』と本気で思っているらしく、さまざまな騎士にコナをかけるが、彼女の恋愛が成就したことはほとんどない。 王族のくせに、侍女に身をやつすエクレールを毛嫌いしている。 |
闇の騎士王の血脈 | 騎士王が双子であった、という説がある。光と闇、ふたりの騎士王の血脈が、いまも脈々と王家に伝えられており、闇の騎士王の血を受け継いでいるのが、侍女エクレールである。世界の終末が近づくと、光と闇の王は軍勢を率い、最終黙示録戦争を始める… 「なんて話だったらおもしろいでしょ?」 ぜんぜん。 「ちぇー、ですわ」 |