バラ園の手入れをしているツリートランクに挨拶をするフィンたち。ふと、ツリートランクの横から
ブタさんが顔を出した。…いつぞやの
リンゴ事件で知り合って以来、なんとなく居着いているという。とにかくアップルパイを食べたいと催促するフィンたちだが、ツリートランクはパイの準備をしていなかったようだ。ツリートランクの方を見て思わず「世界一愛してる…」とつぶやくブタさんだが、「でも、どうしていいかわからない」とのこと。フィンに後押しされたブタさんは、バラ園に戻ってきたツリートランクに愛の告白。すると…「こういう気持ちをみんなは“恋”と呼ぶのね」と表情ときめかせるツリートランク。……フィンたちは二人に
科学コンサートに行くことを伝えてこの場を去った。
プリンセス・バブルガムの科学楽器演奏を堪能するフィンをよそに、空腹で全く落ち着かないジェイクはツリートランクのアップルパイの事で頭がいっぱいだ。遅れてようやくやってきたツリートランクとブタさんに向かってダッシュ、パイをねだるジェイクだったが、ツリートランクの口からは「ブタさんに夢中でパイを焼けなかった」。周囲にイチャイチャを見せつけるツリートランクたちに、観客の
キャンディピープルも不満を漏らし始め、その不快感は演奏中のバブルガムにも。フィンが一時その場を取り繕うも、音楽に合わせてイチャつき続ける二人…。「なんとかしなさい」と
シナモンパンに事態の収拾を命じたが、シナモンパンはなんとコンサートの解散を宣言。せっかくのイベントを台無しにされたバブルガムは、ツリートランクの「チークダンスが踊れるゆっくりな曲」というリクエストも聞かず、機材を撤収して去って行くのだった…。
フィンに叱責され、自分たちの振る舞いが不興を買っていたことを反省したツリートランクとブタさんだったが、あるときは
ツリーハウスのクローゼット、あるときは乳母車、またあるときは
図書館の本の中と、場を変えてイチャイチャし続けていた。
『恋は盲目』とは、まさに彼らの有り様を指すのだろう
そして、フィンたちが作るサンドイッチの中や、観ていた野外映画にもその姿を現した。「結婚して家で好きなだけやればいい」とのアドバイスにも「まだ自信がない」「心の準備が…」と煮え切らない態度をとる二人に我慢できなくなったフィンとジェイクは、二人を強制的に引き離し、お互いの住処へと戻したのだった。どん底の悲しみに包まれながら、ツリートランクは自宅、ブタさんは
キャンディ酒場へ。やがて二人は、その心の内を歌に乗せていた。泡沫と化そうとしている恋への未練と、離れてしまった者への絶ちきれぬ思いと…。
「♪恋は~まぼろし~」……二人の熱唱は、フィンとジェイクの心を確実に揺さぶった。そして、そっとつぶやいた…「行きなよ」「行けよ」。ツリートランクとブタさんは猛烈な勢いでその距離を縮め、そして………。周囲のブーイングも気にせずに、再び熱烈に愛を確かめ合う二人を見守るフィンとジェイクだった。
【挿入歌:
恋はまぼろし】