十一月十二日
見ず知らずのドイツ人の婦人から、ついさっき電話があった。
「もしもし、いますぐおたくの技師さんをよこしてちょうだい。うちのミシン、壊れちゃったのよ!」
「奥様、こちらはジーメンス電機です。シンガーミシンではありません」
「ええ、わかってます。シンガーなら、もう行ってみました。あの会社ったら、ほんとにいまいましいったらありゃしない。だからおたくに電話したんですよ。だってうちのは電気ミシンなんですもの」
「奥様、こちらはジーメンス電機です。シンガーミシンではありません」
「ええ、わかってます。シンガーなら、もう行ってみました。あの会社ったら、ほんとにいまいましいったらありゃしない。だからおたくに電話したんですよ。だってうちのは電気ミシンなんですもの」
はあ、どうしたものだろう? ま、明日、うちの電話技師の宋さんでもやることにしよう。やあ、どうやらまた商売が繁盛してきそうだぞ!
ミシンの婦人からまた電話あり。お宅の技師さん、なるべく午後にお願いしますね、だと。
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