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曽野綾子靖国参拝

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pipopipo555jp

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2007年06月07日

李登輝前台湾総統が靖国参拝 李登輝前台湾総統が靖国神社を参拝しました。

「(兄と私は)二人兄弟で仲が良かったが、62年前、高雄で別れたままとなった。うちには遺髪も遺骨も位牌(いはい)すらない。いまは靖国に(魂が)残されているだけとなっている」(読売新聞)
 位牌すらない理由は、李登輝前総統の父が兄が戦死したとは認めていなかったためだそうです。
 参拝の作法は、詳細は不明ですが無宗教形式で、本殿に上がりただ黙祷したということです。参拝には、曽野綾子氏、三浦朱門氏、私も以前お世話になったことがある西村真悟衆議院議員、台湾独立建国連盟の黄昭堂主席らが同行しました。曽野綾子氏、三浦朱門氏も、李登輝前総統と同じくキリスト者です。いずれの宗教においても戦没者の慰霊は大事なことであり、非難の対象にはなりえません。無宗教の方式で参拝したというところにも、神道以外の宗教者に対する李登輝さんの配慮が見て取れます。

 さて、中華人民共和国の反応はどうでしょうか。姜瑜副報道局長は、7日、日本政府が李登輝前台湾総統の訪日を受け入れたことに対して、靖国神社参拝の事実について言及せずに、ただ、「改めて強烈な不満を表明する」とだけ述べ、また、胡錦濤国家主席は、これまでの予定通り8日の主要国首脳会議(サミット)で安倍首相との日中首脳会談に臨むとしました。発言の内容、発言者のランクからは、中華人民共和国側の憤懣やるかたない様子がありありと見て取れます。

 一方で中華人民共和国の有力ポータル「新浪網」上では、「王毅駐日大使を召還せよ」、「李登輝前総統を国家反逆罪で指名手配せよ」と大変に勇ましい書き込みが掲示板に噴出しているようです。これはいつものやらせではないでしょう。 

 以前のエントリーで、絶好のタイミングを選んで靖国参拝される李登輝前総統の戦略について少し触れました。その時に書きましたように、中華人民共和国は、予期された日本の世論の反発を考えると、強い批判ができなかったのでしょうし、また、もうすぐ開催予定の日中首脳会談もキャンセルできませんでした。中国共産党の面目はつぶれ、李登輝さんの作戦勝ちです。お見事です。

 結局、今回の靖国神社参拝は、李登輝前総統の読み通りに展開したわけです。政策にも明るく、権謀術数にも長け、それでいて人情味もある李登輝前総統のような政治家を持って台湾の人々は幸せだと私は強く感じました。日本でいえば維新の元勲と比較すべき政治家ではないでしょうか。
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