グランクレスト異聞録5(アサルトエンジン編)

開催日時:2021年12月5日(日) 10時〜18時
開催形式:ココフォリア+Discord
レギュレーション:初期作成
参加予定者:トミー、Skeleton、Shin、あーちゃ、kvkv

 このセッションは、グランクレストの世界を舞台に、他のシステムを使って遊んでみようという実験的(冒涜的)試みの第五弾です。今回は、戦闘しながら味方を信じてギャンブルを繰り返す逆境無頼RPG『アサルトエンジン』を用います。一応、PBW企画「見習い君主の混沌戦線」の外伝に相当する話ではありますが、純粋に今回の本編の物語を遊ぶだけなら、あまり気にする必要はありません。また、過去シリーズ(異聞録1〜4)とは一切関係ありません。
 ルールはほぼ『アサルトエンジン』を用いますが、なけなしのグランクレスト要素として、「個別ハンドアウト」を作成した上で、「天運」ルールも導入します。天運の取得数、取得条件、譲渡条件は元のルールと同じで、判定直前に使用宣言することで、1点につき成功率を10%上昇するものとします。
 キャラメイクは当日の午前中におこなう予定ですが、 公式サイト から「ルールブック」と「アーツブック」をダウンロードして事前に目を通した上で、出来れば事前にある程度の方向性を決めておいてもらえると助かります。

+ 今回予告&ハンドアウト
今回予告
 暗黒大陸北岸の港町カルタキアの東方へと続く街道の途中に、かつて馬車の停留所として用いられていた古い建物が存在する。現在はほぼ廃屋と化しているが、最近、その近辺に「狼」や「鴉」のような姿の魔物が投影されるようになり、幾人かの従騎士達が第一次調査隊として現地へと派遣されたが、全員消息が途絶えてしまった。
 事態を重く見たカルタキアの領主ソフィアは(まだ魔境の混沌核の位置すら分からない状態だが)町に駐留する多国籍部隊の一つである潮流戦線の師団長ジーベンを中心とした第二次調査部隊を現地へと派遣することにした。果たして、この街道沿いの廃屋で、何が起きているのであろうか?

ソフィア

ジーベン

個別ハンドアウト

PC① 新規枠(プレイヤー:トミー) 推奨シークエンス:自由
 キミは、カルタキアの領主ソフィア直属の武装集団「幽幻の血盟」の一員だ。今回の街道沿いの廃屋への調査において、キミはジーベンに次ぐ副隊長として参加することになった。なお、噂によると、ジーベンは当初、キミの同僚のレオナルドの参加をソフィアに要請していたらしい。
因縁:レオナルド 関係:借り 推奨感情:同志(メイン/サブどちらでも可)
 キミと同じ「幽幻の血盟」の一員。キミはかつて彼に命を助けられたことがある。先日、何者かによって背中を刺され、海へと転落したが、どうにか救助され、現在は療養中である。→ みなこん用PC紹介ページ

PC② セーラ・ドルク(プレイヤー:Skeleton) 推奨シークエンス:グラディウス
 キミは、カルタキアに駐留する武装集団「潮流戦線」の一員だ。今回の街道沿いの廃屋への調査任務には、キミもまた上司であるジーベンと共に参戦することになった。ジーベンが直属のキミを副隊長に任命しなかった理由は不明だが、おそらく「向いてない」と判断したのだろう。→ みなこん用PC紹介ページ
因縁:ジーベン 関係:保護者 推奨感情:信頼(メイン/サブどちらでも可)
 キミが所属する「潮流戦線」の師団長。寡黙な剣士。現在、行方不明になっている従騎士達の中には、以前から彼が目をかけていた彼の祖国ダルタニアの剣士も含まれているらしい。

PC③ キリアン・ノイモンド(プレイヤー:Shin) 推奨シークエンス:グラディウス
 キミは、カルタキアに駐留する武装集団「第六投石船団」の一員だ。数日前、「鴉型の投影体の集団」が街の近辺に現れた際、キミは一人の少女(PC⑤)を助けた。キミはその時の戦闘経験を買われる形で、「鴉」達の出現元と思しき廃屋への調査任務に加えられることになった。→ みなこん用PC紹介ページ
因縁:謎の少女(PC⑤) 関係:興味 推奨感情:好奇心(メイン/サブどちらでも可)
 カルタキアのはずれで遭遇した少女。聖印を持っているが、現在カルタキアに駐留するどの部隊の一員でもないらしい。「鴉」との遭遇戦では、彼女もその聖印を用いてキミと共闘した。

PC④ ニナ・ブラン(プレイヤー:あーちゃ) 推奨シークエンス:アンビュラス
 キミは、カルタキアに駐留する武装集団「星屑十字軍」の一員だ。先日、孤児院出身の少年アナベルが、街道沿いの廃屋への調査隊に「現地民の案内人」として同行したが、他の者達と共に行方不明となってしまった。彼と同じ孤児院で暮らす子供達は、彼のことを深く心配している。→ みなこん用PC紹介ページ
因縁:アナベル 関係:(任意) 推奨感情:悲哀(メイン/サブどちらでも可)
 カルタキアの孤児院に住む、キミとはほぼ同世代の少年。キミに対してはなぜか激しい対抗意識を燃やしつつ、孤児院の子供達のために手袋の編み方をキミから習っていた身でもある。

PC⑤ レオナルドを刺した少女(プレイヤー:kvkv) 推奨シークエンス:自由
 キミは、カルタキアに滞在中の従騎士の少女である。キミはこの地でレオナルドの暗殺を試みたが、どうやら彼は一命を取り留めることになったらしい。その後、キミは町外れで「鴉型の投影体の集団」に襲われたが、通りすがりのキリアン(PC③)の助力により、どうにか撃退した。→ みなこん本編における彼女の登場回(BI冒頭)
因縁:謎の声 関係:不明 推奨感情:不安(メイン/サブどちらでも可)
 最近、キミの心の中で、何者かが不気味な声で「高貴なる魂の持ち主よ。その本懐を果たすための力が欲しいか?」と訴えかけてくる。その声は、東方から聞こえているような気がする。
+ 当日の編成/GC対応表
PC① ルーカス・クライスト(16歳 男性) サジタリア/ニュートリノ(未覚醒ロード)
PC② セーラ・ドルク(12歳 女性) グラディウス/プロミネンス(未覚醒ロード)
PC③ キリアン・ノイモンド(17歳 男性) グラディウス/エクスプロイヤー(マローダー)
PC④ ニナ・ブラン(16歳 女性) アンビュラス/プロミネンス(メサイア)
PC⑤ アリス・カーランド(?歳 女性) エレメンタラー/プロミネンス(パニッシャー)
+ セッションの概要(時系列順)
+ 列車強奪事件(異世界の物語)
 カナンビーク大陸ピレナステラ地方南部の「鉄道王国エトレイル」の首都の一角に存在する列車用の車庫において、女車掌のエメリナが蒸気機関車の整備をしているところに、突如、「清魂のカルシャー」と名乗る「ジェネシス(人類と敵対する強大な力を持つ異種族)」と、彼によって生み出された何体かの「モルフ(改造人間)」が現れた。
 カルシャーは、「清らかな魂」の持ち主をモルフへと昇華させることを主目的として活動する性別不詳のジェネシスである。彼(彼女?)が列車を奪った上で何を企んでいたのかは不明だが、この時点で列車の中には一般人であるエメリナ以外に誰も乗っていなかったため、彼女は成す術もなく列車を占領されてしまう。
 だが、ここでカルシャーにとっても想定外のことが起きた。この「カルシャーが乗っ取った状態の列車」が、アトラタン世界に「魔境」として投影されることになったのである。とはいえ、この「投影」という現象自体、カナンビーク世界における「本来のカルシャー」や「本来のエメリナ」にはその発生を感知することすら出来ず、ここから先に記されている「投影体としてのカルシャー」や「投影体としてのエメリナ」の物語を彼等が知ることはない。そして、元の世界におけるこの列車強奪事件の顛末については、またいずれ別の機会に語られることになるだろう。
+ 第一次調査隊(セッション前日譚)
 アトラタン世界に投影された「蒸気機関車」は、当初、次元の狭間とでも呼ぶべき「線路以外に何も存在しない空間」を走っていた。カルシャーもエメリナもこの状況が全く理解出来ないまま、窓の外の「何もない空間」を眺めていたが、やがてその車窓に「見慣れない風景」が映り始める。それは、アトラタン世界における「暗黒大陸」の北岸地域の街道の光景であった。
 そんな中、やがて窓越しの彼等の視界に「古い建物」が現れる。それはかつて街道沿いの馬車の停留所として用いられていた施設なのだが、その近辺に数人の「武装した青年達」の姿があった。彼等の大半は、暗黒大陸北岸の港町カルタキアに駐留する従騎士である。カルタキアの近辺には多くの魔境が投影されることから、その浄化のために多くの従騎士達が駐留しており、彼等はこの停留所跡に出現した「短剣のような牙を持つ狼」や「口から弾丸を発射する鴉」の発生源の調査のために派遣された者達であった(なお、これらはいずれもカナンビークから投影された「クリーチャー」であり、この「列車の魔境」の副産物として発生した投影体である)。
 従騎士達は「巨大な混沌核」を有するこの機関車を発見するや否や、この機関車こそが魔境発生の原因であろうと判断した上で、(入口が開いていた)後方の車両から列車へと飛び乗って来る。その後、彼等は車両内でカルシャーの姿を発見すると、彼女(彼?)の身から禍々しいオーラを感じ取った上で「排除すべき対象」と判断して斬りかかるが、カルシャーの圧倒的な力の前に敗北し、瀕死の重傷へと追い込まれてしまう。
 この時点で、カルシャーは彼等の実直な心意気から「清い魂の持ち主」であると判断した上で興味を示すが、彼等の身体に宿っている聖印の力が邪魔して、モルフとしての力を与えることは出来そうにないと判断し、止めを刺そうとする。だが、そんな中で一人だけ、聖印を有していない少年がいた。彼の名はアナベル。カルタキアの孤児院の少年であり、水先案内人として従騎士達に同行していたのだが、彼はカルシャーに対して自分の身を差し出す代わりに、従騎士達の命を助けてほしいと懇願したのである。
 その姿勢に感銘を受けたカルシャーは、エメリナに従騎士達に治療を施すように命じた上で、アナベルを連れて先頭車両へと向かっていく。そして、いつの間にか蒸気機関車は再び「何も存在しない謎の空間」の中へと戻っていたのであった。
+ 第二次調査隊(セッション本編)
 第一次調査隊が戻らないという状況を憂慮した領主ソフィアは、ダルアニアの騎士ジーベンを中心とする第二次調査隊を派遣することを決定する。その構成員は、ソフィア直属の従騎士ルーカス、ジーベン直属の従騎士セーラ、ハマーン海軍の青年キリアン、聖印教会の少女ニナ、そして「兄の仇」を討つためにこの地を訪れていたサンドルミアの貴族令嬢アリスの五人であった。
 六人が二台の馬車に乗って現地へと到着すると、彼等はその停留所の跡地の近辺が魔境化していることをうっすらと感じ取る。そして、そんな彼等の目の前に、時空の狭間から「狼」と「鴉」の投影体が現れ、彼等に向かって襲いかかってきた。ジーベンが更なる伏兵に警戒しつつ様子を見守る中、五人の従騎士達が共闘して魔物達と戦うが、この際に彼等は、理由は分からないが、味方が敵に対して一太刀浴びせる度に心が高揚し、その度に不思議な力が自分の魂に宿っていることを実感する。おそらくは魔境の影響なのだろうが、その力の正体までは分からないまま、彼等はその「謎の力」を駆使して、「狼」と「鴉」の撃退に成功した。
 その後、彼等が更に現場の調査を続けていくうちに空間は変容を続けて、気がつくと彼等の足元には「謎の線路」が現れる。この時点で、アリスとニナには「清らかなる魂の持ち主よ。本懐を遂げるための力が欲しいか?」という声が聞こえてくのだが(おそらくはカルシャーの思念が混沌の力を通じて届いたのであろうが)、当然、彼女達がその正体に気付ける筈もないまま、やがてその線路の先から煙を上げた蒸気機関車が現れる。
 この時点で、その先頭車両から「魔境の混沌核」と思しき気配を感じ取った彼等は、後方の「乗車口」が開いている車両へと飛び乗り、列車の内部への侵入に成功しつつ、そのまま内側から先頭車両へと向かって歩き始める。すると、その過程で通りかかった寝台車両にて、エメリナによって治療されている「行方不明となった従騎士達」の姿を発見した。そして、彼等がエメリナから一通りの事情を聞いたところで、彼等の存在に気付いたカルシャーが、前方の車両から姿を現したのである。
 カルシャーはアリスとニナに対して「力を授けようか?」と問いかけ、アリスは困惑した様子のままその申し出を断るが、アナベルのことが心配なニナは、確実に彼の元へと向かうために、あえてカルシャーの誘いに乗るフリをしようと試みる。そのためには聖印を捨てる必要があると言われたニナは、ひとまず自身の聖印をルーカスに預けようとするが、さすがにルーカスとしてもそのような申し出を受ける訳にはいかず、拒絶する。
 そんな問答を従騎士達が繰り広げていると、ジーベンが彼等とカルシャーの間に割って入り、カルシャーを挑発しつつ、従騎士達に対しては「自分が引き付けている間に、窓の外から車両の『上』を通って、先頭車両へと向かえ」とハンドサインで促す(なお、この時点で既に窓の外は「何も存在しない空間」へと変わっていた)。
 従騎士達は戸惑いながらもその指示に従い、ひとまず窓を開けて車両の「上」へとよじ登り、そのまま前方車両へと向かおうとする。その途上で出現した蜂型のクリーチャーの妨害を受けるものの、どうにか撃退に成功した彼等は、数両先の車両の窓から再び車両内へと戻り、そして食堂車の中にあった「謎の薬(メンタルドリンク)」を用いて気力を回復した上で、先頭車両へと到着すると、その最奥に「動力部」と思しき謎の機械を発見する。そこから確かに「魔境の混沌核」と思しき強大な魔力が感じ取れた。
 だが、その動力部の前には、従騎士達に対して立ちはだかるように、「銀の仮面を付けた二体のモルフ」と、そして同じような仮面で顔半分を覆われた状態のアナベルの姿があった。アナベルは混乱した様相のまま、二体のモルフと共に従騎士達に対して襲いかかってくる。この状況に対して、従騎士達もまた困惑しながら応戦するが、そんな中、アリスがアナベルに牽制攻撃を放ちながら正気を取り戻すように叫ぶと、彼は徐々に理性を取り戻し始める。
 そして、従騎士達の奮戦によって二体のモルフが倒される頃には、彼は本来の魂を取り戻し、身体に刻み込まれた「混沌の力」を「邪紋(アート)」へと書き換えることで、彼は「ライカンスロープの邪紋使い(アーティスト)」へと覚醒する。そして、最終的には従騎士達と彼の力によって動力部分は破壊され、列車もカルシャーもエメリナも消滅し、彼等の目の前には「カルタキア東方の街道沿いの光景」が再び現れる。そして、合流したジーベンの手によって混沌核の断片が浄化されることで、どうにかこの地の混沌災害は無事に終焉を迎えたのであった。
+ エピローグ
 戦いが終わった時点でアナベルは意識を失い、重症を負っていた第一次調査隊の従騎士達と共に、馬車に乗せられてカルタキアへと帰還する。その後、意識を取り戻した彼は、最後の戦闘の時のことはあまり覚えていなかったようだが、ひとまず今後は邪紋の力を用いた上で、孤児院の子供達を守り続けるということを誓う。
 一方、ルーカス、セーラ、キリアン、ニナの四人がそれぞれの所属部隊へと帰還する中、アリスは、自分にとっての宿敵である「兄の仇」が、彼等の間でそれなりに人望のある従騎士として街の人々のために尽力しているという話を聞いた上で、しばらくはこの地に逗留しつつ、個人的に魔境浄化に協力することにしたのであった。

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最終更新:2021年12月14日 16:17