天制覇wiki PUK(パワーアップキット)

エジェンダ(SC57~SC117)

最終更新:

rai6puk

- view
だれでも歓迎! 編集

邪推SS/エジェンダ(SC57~SC117)


 戦国時代屈指の名将。
 ルーキ王朝の首都星ラバウル。交通上の要地に位置し四方を敵に囲まれた、防衛の観点から見て「最悪」の惑星。
その地をほぼ独力で守り続けた若き将軍がいた。その男の名はエジェンダ。後に「不敗」の名を欲しいままにし、
トットンと並び称される名将となる。

 商業国らしい進取の気風を持ったこの土地にあって、例外的に質実剛健と保守を美徳とする武門の名家に
エジェンダは生まれた。軍人になる事を宿命付けられたこの家においてエジェンダは幼い頃より身心の修練を積み重ね、
若干23でラバウルの防衛責任者となる。

 血気盛んなラバウルの王ルーキは、この星の地政学的な不利を打開する為に新領土を求めて頻繁に外征を繰り返していた。
艦隊の多くは王の無謀な遠征に随行する為、ラバウルに残された兵力は極めて微弱。その守備の薄さを狙って
周辺国は頻繁に空き巣を狙ってくる。そんな絶望的な状況の中で、この若者は10年間この星で敵を退け続けたのだ。

 そんなエジェンダの用兵について、後年彼の同僚、そしてライバルとなるトットンは雑誌のインタビューでこう評している。
「あいつほど読み易い奴はいないね。当たり前の事しかしないもの。馬鹿正直な奴さ。だが正攻法ってもののいやらしい所は、
攻略法がない事だよ。裏をかいてもあんまり意味がないんだ。その正攻法を宇宙一上手くやるんだからこんなにいやらしい奴は
いないね。・・いや、まあ、人としては真面目で良い奴なんだけどさ。」
 エジェンダの用兵は彼の性格同様基本に忠実で、奇をてらう所がない。しかし、その基本的な艦隊運用の早さ、
正確さに於いて、彼の右に出るものはいなかった。華々しい勝利が少ない代わりに、敗北と言える敗北が長い戦歴に於いて
一度もなかったのは、この手堅さによるものと言えるだろう。後世のある戦術史家は、革新的なトットンと保守的なエジェンダを
こう評している。「歴史書に載るのがトットンであり、教科書に載るのがエジェンダである。」

 エジェンダの転機はsc89年に訪れた。ロゴとの交戦の最中主君ルーキが流れ弾にあたって戦死し、後を継いだ王子が
あっさりとロゴに降伏したのである。ラバウルの守護神と呼ばれ、本人も守護者としてラバウルに留まって
ロゴの禄を食むつもりであったが、ロゴが降伏したルーキの妻子を放逐した事で彼の心中は一変する。
エジェンダは真っ直ぐな男である。そして激情家だった。それがいかに政治的には合理的な判断だったとはいえ、
降伏した人間を追放するなど彼の倫理からすれば言語道断なのであり、その様な人物を主君に仰ぐ事は
到底堪えられることではない。彼は迷わずにロゴの元から脱走し、妻の縁者を頼ってバン王朝に亡命した。
エジェンダは武勇にも誉れ高く、この時ロゴの差し向けた追手を8人切り捨てたという。

 バン軍では分9位からのスタートとなったが、この青年の類稀な天分と何度も死線をくぐり抜けてきた経験を見逃すほど
バンは愚かではない。前の王朝とは異なり優れた軍人を多く抱えるバン軍にあっても、エジェンダはめきめきと頭角を現した。
 この頃バンの軍中において、エジェンダは生涯のライバル・トットンと出会った。実直で質素なエジェンダと
皮肉屋で遊び人のトットンは、性格的には正反対とも言って良かったが、不思議とウマが合った。殊に軍人としての相性は
絶妙でありアベグルの首都星ウイバンを攻略する時には多大な戦功を二人で分け合った。
 その真骨頂がラバウルをロゴの手から奪い返したsc101年の第十七次ラバウル星系会戦である。鮮やかに相手の裏をかき、
常識外れなまでに変幻自在な艦隊運用を身上とする「常勝」と、一分の隙も見せずに素早く、正確に、確実に軍を進める「不敗」。
その二人の個性ががっちりとかみ合わさったこの戦いに於ける、戦史に残る一方的大勝劇は「戦争の芸術」と謳われた。

 sc89年にルーキからロゴに渡り、その後の12年間に6回統治者が入れ替わった混迷の惑星ラバウルにようやく守護者が帰還した。
エジェンダは故郷にしてバン軍の最重要軍事拠点であるこの星の防衛責任者に任命され、アキ・ロゴの軍勢に対し睨みをきかせた。

 彼はまた優れた治世者でもあり、疲弊したラバウルに春をもたらした。この時代は彼にとっても春の時代だ。
彼はラバウルを愛し、ラバウルの平和を心から喜んだ。民衆も彼を神のように崇め、尊敬した。ただ、軍内に於いては
「銀髪鬼」と呼ばれるほどその規律が厳格な事から、将兵には自由闊達なトットン陣営の方に人気があったようだ。
しかし、その鉄の規律と地獄の如き訓練により、エジェンダ艦隊は全宇宙に誇る精鋭艦隊としてその名を轟かせた。

 ラバウルに大きな危機が訪れたのはsc108年の第十八次ラバウル星系会戦である。東ノースで独立したトットンを討伐する為
艦隊のほとんどが遠征に出払った隙に、南から11艦隊42000隻のロゴ軍が押し寄せたのだ。対するエジェンダ艦隊は
5500隻と惑星守備隊4000隻。数の上では勝負にならない、と思われた。しかしここでエジェンダは信じがたい粘りをみせた。
突飛な事は何もしていない。綻びを見せない堅固な陣形で守り、痺れを切らして突出してきた部隊に対して
集中砲火による手痛いカウンターを浴びせ、さりとて決して深入りせずに速やかに後退して陣形を再編する。
そんな、教科書通りの防衛戦。絶望する事無く、勝利に浮かれる事無く、現状の戦力差を正しく分析して粘り強く「負けない戦」を
遂行していく。高度な科学力を持ったロゴの大軍を以ってしても、エジェンダの不屈の意志力を折る事は出来なかった。
そして、長きにわたる時間稼ぎの末に、バンの本隊がラバウル救援に戻ってきた。
 休む事無く指揮を執ってきたエジェンダをバンは労い、この将軍に36時間の休養を命じた。エジェンダはこれに従い休養を取った。
この事をエジェンダは生涯に渡って後悔する事になる。その36時間の睡眠の間に主君バンが戦死を遂げたからだ。
 戦争としてはバンの勝利であった。疲弊したロゴ軍をバンの突進が追い散らす図式だ。しかし、思わぬ誤算はロゴの軍勢に
一人の戦闘機パイロットがいた事だ。そのパイロットはバン軍のエースにして先の防衛戦の殊勲者・エンデミオン機を捕獲し、
ただ一機で猛火を掻い潜ってバンの旗艦を撃沈したのだ。その天才パイロットの名をバニアウと言う。

 バンの跡を継いだアカフリの元でエジェンダは闘将に任命された。トットンが離反した後の軍の第一人者を拝命して早々、
急報が訪れる。トットン軍の鮮やかな電撃戦によって旧都エイヤンガが失陥したのだ。これを回復する為、
エジェンダはノース星系にてかつての友人トットンと対峙する事になる。

 「常勝」トットンと「不敗」エジェンダの間に四度の大会戦が繰り広げられたが、いずれも勝敗が付く事はなかった。
これまで幾多の歴史家が戦術的視点と戦略的視点を駆使して勝敗を決定しようと試みたが、この四度の戦いに関しては
いずれも意見の統一には至っていない。

 ただし、はっきりしている事実はある。四度めの戦の最中、エジェンダが病没した事だ。

 元々勤勉無私である上に、バンの死に深く後悔していたエジェンダは、戦いの最中頑なに休もうとしなかった。
彼の頑健な肉体はボロボロになっていたが、それでも彼は部下の前では一切弱みを見せないように振舞った。
それがいけなかったのだ。sc117年、作戦会議中に闘将エジェンダは糸が切れたように倒れ、そして目を覚まさなかった。
検死した医師によれば「この体が立って動いていた事自体が奇跡」であるような状態だったと言う。

 敵将トットンは彼の死を聞いて祝杯をあげた。覇王になってからもざっくばらんにマスコミに接する事で有名だったトットンは
インタビューにこう答えている。
「軍人同士がお互いに称えあい、とかああいう嘘臭い事が俺は大嫌いでね。そんなキレイな話を俺に期待するんじゃないよ。
いいかい?あいつが頑張って作った死体の山の上に俺がいて、俺ががっちりこしらえた死体の上にあいつがいるんだ。
その二人が握手してちゃあ、死体になった奴らにとっちゃ馬鹿みたいな話じゃないか。スポーツマンじゃねえってんだよ。
軍人はそんなキラキラしたものじゃない。
ただ、一つだけ心残りはあるな。あいつに勝ち逃げされたって事だ。戦争の話?違うね。チェスの話さ。
あと30回位勝ってれば追いつけたってのに、汚え野郎だよ。」

 エジェンダは故郷ラバウルにて神格化され、商売の神として崇められている。それが戦争の神ではなかった事を
彼は喜んでいるのかもしれない。何故なら、寡黙な彼の数少ない言行録にはこんな言葉が残っているからだ。
「最も醜い平和は、最も美しい戦争よりも、美しい。」(sc105,ラバウルにて)







エンデミオン・ランデミオン兄弟(SC86~SC142) 



SC86年2月、ハーゲンにて誕生。
覇王アドルセムにとっては初の子供であり、また妻のシズエが比較的高齢出産だった事もあってか、
両者はこの双子を文字通り『目の中に入れても痛くない』ほど溺愛したという。
もっとも、元々肥沃な国土を有しており武装中立という立場上出費も少なく、また重臣オーガスらの
尽力もあって、トップが半ば国務を放棄した状態でも直ちに国が傾くような事態は生じなかった。
だが、仮にも覇王という立場にあるまじき周囲の状況への無関心さは、時局の趨勢に通じていた一部家臣の
離心を招いてしまう(前述のギマSS参照)。

なお、この頃、母シズエは夫の竹を割ったような気質・悪く言えば騙されやすい性格が息子達に悪い形で
受け継がれるのを防ぐためか、一個人の予算としてはかなりの額を費やしてDHAサプリの補充を行なっている。
また、興味深いことに、長女サツラが誕生した時期になると、彼女は周囲を取り巻く危機的状況をようやく
理解し始めたのか、娘に幼少から格闘センスを身に付けさせるべく、エアロビDVDを用いた英才教育を施そうとした
形跡が伺える。
だが、結局のところ、肥沃な惑星という『目を付けられやすい』環境だった点を鑑みなかった夫婦のツケは
あまりにも大きかったといえよう。

セントラル統一に向けて動き出したアキの軍隊が迫る中、アドルセムはようやく重い腰を上げる。
恐らくは、配備されたばかりのコロニーレーザーと自身の操艦技術をもってすれば、外敵を蹴散らす事など容易いと
踏んでいたと思われる。
そんな夫に一抹の不安を覚えたシズエだったが、乳飲み子を抱えた彼女には夫と共に前線に赴くといった選択肢は
与えられる筈もなく、また他の子供らも父親の勝利を信じて疑わなかった。

だが、知将ラーの陽動作戦にまんまと嵌り、得意としていたはずの艦隊戦でまさかの大敗北を喫した末、
覇王アドルセムは捕縛・処刑されてしまう(人質となるのを良しとせず、自害したとの説もある)

生き延びた部下から夫の悲報を受けたシズエは、まだ父の死を知らぬ子供らの行く末を案じ、一つの賭けに出た。
DHAサプリと同じ入手ルートを通して予め用意していた睡眠薬を使って、なんと彼女は、民間輸送業者の仲立ちで
意識を失った息子達を“積荷”として密出国させるという荒業をやってのけたのである。

残念ながら、情に厚い覇王アキの器を見誤ったことを考えれば、シズエの判断は軽率だったと言わざるを得ない。
(敵方の情報が0に近かった状況を察するに、彼女だけを責めるのは些か酷ではないかという見方もある)
ともあれ、結果的に第一皇子エンデミオンと第二皇子ランデミオンは『父と共に従軍、敗北時に死亡』と判断され、
特に居場所を追及されることも無く、それぞれ別天地へと旅立っていった。

意識を取り戻した彼らを待っていたのは、見知らぬ土地での『密入国者』という肩書きであった。
戦時下において似たような境遇の若者は比較的多いとはいえ、彼らは腐っても元・皇子。
恐らく、職を求めて転々とする毎日は、精神的にも肉体的にも相当な心労を招いたと思われる。
また、世間知らずの若者は往々にして本人の自覚なしに様々なトラブルを招くものであり、それが彼らの不満に
拍車をかけたであろう事は想像に難くない。

母から見捨てられ、見知らぬ地で苦労を余儀なくされ、人間関係での軋轢も後を絶たない――そんな鬱屈した感情は、
暮らす土地こそ違えど似たような環境で育ったであろう二人から、徐々に笑顔を奪っていった。

だが、数年後、二人の若者はそれぞれ違った形で転機を迎える事となる。

「……ほぉ、中々の面構えだな」
激戦区・ラバウルにほど近い惑星ウイバンの老将ヤマムラの一言が、整備士見習いとして働いていた少年の運命を変えた


幼い頃、故郷ハーゲンの軍部に出入りする傍ら毎日のように利用していたシミュレータで培った操縦技術が功を奏し、
新米パイロットとして前線に加わるや否や、メキメキと頭角を現す。
優秀な軍人は野に埋もれた逸材を見出すのも巧みなものよ、と覇王バンはヤマムラの功績を称えると共に、彼を
自ら率いる主力艦隊の航空機編隊副将として抜擢。
元・ハーゲン覇王アドルセムの第一子、エンデミオン・ヘイゲル。この時、18歳であった。

ラバウル前線から離れた、サウス地方西域に位置する惑星マレング。
子宝に恵まれなかった反動か、人材教育に熱心だった覇王ロゴ(口癖:ワシが育てた)の政策の一環として設けられた、
言わば『士官養成専門』の星である。
食い扶持を得るため、という動機から駄目元で志願した少年を待っていたのは、現役仕官の徹底した指導だった。
後に部下から『鬼教官』とあだ名された名将キリと、彼の片腕ながら人当たりの良さで人気を得たゴマを中心とした
実践教育は、多くの同僚が脱落していく中、着実に少年の潜在能力を磨き上げていく。
士官学校を卒業する頃には、同期No.1として、幼少時とは全く違った形で周囲の期待と羨望の眼差しを受けた若者が
誕生していた。
元・ハーゲン覇王アドルセムの第二子、ランデミオン・ヘイゲル。兄と同じく、この時18歳。

こうして歴史の表舞台に返り咲いた二人だったが、時代の潮流は、思わぬ形で両者を引き寄せる。

バンの客将・ミディアの死に伴う常勝将軍トットンの反乱は、西域の雄・バンの戦死という一大事件に発展した。
この時、編隊長だったエンデミオンは鬼神の如き抵抗を見せたものの、奮戦空しくロゴ軍の捕虜となる。
本国ラエへ送られた彼を待っていたのは、生き別れた双子の弟・ランデミオンであった。
周辺地域でも指折りの実力者を腐らせる手は無い、と踏んだ覇王ロゴの要請もあって、半年がかりの説得の後、ようやく
エンデミオンはロゴ軍配下の士官となる。
手始めにとアベル軍討伐隊に名を連ねる事になった彼は、瞬く間に敵軍包囲網を突破し旗艦に壊滅的ダメージを
与えるという神がかり的な活躍を見せ、その功績もあってか、僅か2年後には、弟に次ぐ位を与えられるようになった。
(功績に対して位が若干低いのは、出世に伴う対人関係の更なる悪化を懸念したゴマの口添えがあったとされている)

浮いた噂も立てず、ただ黙々と仕事をこなす彼らを、部下達は不思議に思っていたようだ。

「――あの方(ひと)は、多分、愛情に飢えていたんだと思います」
家族は居るのか、との問いに黙って首を振り、肉親が見つかった後もやはり「家族は居ない」と言い切った
若き日の弟・ランデミオンを、士官学校の同期で、後に部下となった女性士官はこう振り返っている。
また、事実かどうかは定かではないが、兄・エンデミオンの元で働いていた別の女性士官も、似たような台詞を
聞いたという。
実際、軍部内で彼ら兄弟が公式に会話を交わした記録は、兄が捕虜だった時に弟と面会した時以来残っていない。

彼らの“家族”に対する関心の薄さは、後に母・シズエが命がけで亡命させた妹のサツラ、弟のアドルセンが
ロゴ領に送り込まれた時も変わらなかった。
(余談だが、もしも彼ら兄弟がバン・ロゴ陣営限定ではなくアキ陣営相手に活躍していたら、シズエの命は
なかったであろうと思われる)
実際、涙ながらに母の気持ちを代弁しようとする妹を半ば無視する形で二人は距離を置き、軍務に励んだという
記録が残っている。
ただ、一族があえて同じ惑星に留まろうとしなかった事で、密かに反旗を翻す好機を伺っているのではないかという
覇王の疑念が晴れた事を考えると、彼ら兄弟の取った行動は、必ずしも本意では無かったのではないかという
見方も近年浮上しているようだ。
そんな説を裏付けるかのように、傾国の美女・パメラの傀儡と化した覇王ロゴがセントラル進出を明言した際、
二人はすぐさま最前線への転属を希望している。

敵地に身を寄せていた母の身を案じたのか、父の仇の下でのうのうと暮らす母へ恨み言を伝える機会と思ったかは
定かではない。
だが、真意がどうであれ、彼らの望みが叶うことは無かった。
商業惑星化したゼファーに設置されたガイア要塞の攻略もままならないうちに、パメラとバニアウを巡る争いの
煽りを受ける形でロゴ帝国は崩壊。
またもや拠り所を失ったエンデ・ランデ兄弟は、以後、傭兵的な役回りで各地を転々としたが、その間に母シズエは
ひっそりとザクソンで息を引き取っている。
最期を看取った同僚によると、彼女は何度も「ごめんなさい、ごめんなさい」とうわ言を繰り返していたという。
己の浅はかさを呪い、今更息子達に合わせる顔が無いと思いつつも、心の底では諦め切れなかったのだろうか。

シズエ亡き後、アドルセム一家が再び集結したのは、銀河を巡る戦乱が集結したSC141年半ば。
家族が離散してから実に40年以上の時を経て、彼らは復興著しいハーゲンで再会を果たした。
再開の場となった父・アドルセムと母・シズエの墓は、民の要望に応えた覇王ラーが後に設けた記念碑と共に、
かつての戦乱の最中にも傷一つ付かなかったと伝えられる。

穏やかな笑顔で『ただいま』と墓前に語りかけたエンデミオンの姿は、その場に居合わせた親戚一同の涙を誘った。
その後程なくして病を得たエンデ・ランデ兄弟は、妹・弟らの子孫に囲まれながら息を引き取る。
享年56歳。

民衆に愛された覇王の跡継ぎとして同じ日に生まれ、父アドルセムが『二人で力を合わせて生きてくれ』と願った兄弟。
彼らが激動の人生に幕を降ろしたのは、奇しくも同じ日だったという。







タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー