邪推SS/シュワーツ(SC32～SC121)
ソース星系にある辺境の星で生まれた彼は、物心ついたころすでに一人であった。いわゆる捨て子である。
そのため、生きるため野盗まがいのことを繰り返さざるを得ない身分であり、スリをはじめとして
追い剥ぎ、時には商店への強盗など、何度も危ない橋を渡って生きてきた。
そんな日々を過ごすうちに、彼は自身の才覚について少しずつ自覚していった。
そうこうするうち、彼はその才覚を活かしてサンドキャリア等を使い一対一で対戦するという
賭け試合で稼ぐことを思いつき、地球へ渡りその賭け試合の選手兼胴元として日銭を稼いでいた。
当然、その賭け試合は非合法のものであり、何度も摘発を受け、そのたびに場所を変えて再開していた。
だが、ある日地球基地司令であったアイタペが直々に摘発に乗り出してきた際、彼の人生は転機を見せる。
旧式の機体で最新鋭の機体を駆る討伐隊を煙に巻くその頭の良さと操縦テクニックをアイタペに見出され
シュワーツは摘発のその場でアイタペ直々に士官として仕官するように説得された。
最初は渋っていたシュワーツであったが、賭け試合でもそうそう稼げない報酬を提示され
最終的にはアイタペの話に乗り、彼は士官として登用された。
その経緯からもわかるように、彼は分２位である地球基地司令アイタペ肝いりの人材であり
兵士等の下士官を飛ばしていきなり分９位待遇で迎えられるという
血筋と年功序列を重んじる地球にあっては、破格の待遇をもって迎えられた。
アイタペの見立て通り、シュワーツは非常に頭がよく、実力もあった。
また、その生い立ちから気性の荒い人物であったが、面倒見はよく、下士官たちからの人気もあった。
だが、叩き上げの無頼漢らしく、誰に対しても歯に衣着せぬ物言いをするため
上官たち、特に名家出身の人間たちからは次第にうとまれていくようになる。
その結果が、地球での反乱分子討伐隊長という日蔭の任務への着任であった。
最初のうちは不満を覚えつつも任をこなしていたシュワーツであったが、一向に昇進の気配がないと見ると
彼は自らの扱いに大いに不満を覚え、彼を推挙したアイタペに何度も自らの配置転換を陳情した。
そのしつこいまでの粘りに根負けしたアイタペは、覇王アグデッパにかけあい
シュワーツにコスタル攻略軍の一艦隊をまかさせた。
すると、彼はその才覚で見る見る間に頭角を現していった。
特に、討伐隊長時代から得意としてきた、一騎討ちで敵艦隊旗艦を撃破しそのまま押し切る戦法を
そのまま艦隊戦にも持ち込み、その技量で、ツルマ・バーセム・ラーら
ツルマ軍・アキ軍の名だたる名将たちを挫いていき、やがて時の覇王アグデッパからも一目置かれる存在となった。
そのため、アグデッパとその息子ララウィンの後押しを受けられるようになり
ララウィンが没する直前には分３位までその位を上げていた。
また、この時期は私生活でも討伐隊長時代からの副官であったスイホーと籍を入れ
ホーリ・メルンという一男一女を授かり、彼の絶頂期とも言えた。
しかし、ブラウンの時代になると、彼のイエスマンかごく一部の(ブラウンに対する)
功労者たち以外は、ことごとく処刑・幽閉されるか閑職に回されることとなる。
シュワーツもまた、そんな憂き目にあった者たちの一人であった。
“後進の育成”を名目に火星にある軍学校の教官に回された彼は、ブラウンに対する不満を爆発させ
“実力に見合った待遇を与えること”を条件に、妻子を連れてかつての敵であったアキ軍へと移籍した。
その後、ドーラ挙兵の際、“ラーから推挙された対ブラウン軍のアドバイザー”として
妻子をザクソンに残し、単身アクセル・エクセルらとともにコスタルのドーラ軍へ合流した。
ドーラ軍の参謀総長に収まった彼は、ブラウン軍のまとまりのなさをついた作戦を多く立案し
コスタル陥落に焦るブラウン軍を大いに苦しめたという。
そのため、生きるため野盗まがいのことを繰り返さざるを得ない身分であり、スリをはじめとして
追い剥ぎ、時には商店への強盗など、何度も危ない橋を渡って生きてきた。
そんな日々を過ごすうちに、彼は自身の才覚について少しずつ自覚していった。
そうこうするうち、彼はその才覚を活かしてサンドキャリア等を使い一対一で対戦するという
賭け試合で稼ぐことを思いつき、地球へ渡りその賭け試合の選手兼胴元として日銭を稼いでいた。
当然、その賭け試合は非合法のものであり、何度も摘発を受け、そのたびに場所を変えて再開していた。
だが、ある日地球基地司令であったアイタペが直々に摘発に乗り出してきた際、彼の人生は転機を見せる。
旧式の機体で最新鋭の機体を駆る討伐隊を煙に巻くその頭の良さと操縦テクニックをアイタペに見出され
シュワーツは摘発のその場でアイタペ直々に士官として仕官するように説得された。
最初は渋っていたシュワーツであったが、賭け試合でもそうそう稼げない報酬を提示され
最終的にはアイタペの話に乗り、彼は士官として登用された。
その経緯からもわかるように、彼は分２位である地球基地司令アイタペ肝いりの人材であり
兵士等の下士官を飛ばしていきなり分９位待遇で迎えられるという
血筋と年功序列を重んじる地球にあっては、破格の待遇をもって迎えられた。
アイタペの見立て通り、シュワーツは非常に頭がよく、実力もあった。
また、その生い立ちから気性の荒い人物であったが、面倒見はよく、下士官たちからの人気もあった。
だが、叩き上げの無頼漢らしく、誰に対しても歯に衣着せぬ物言いをするため
上官たち、特に名家出身の人間たちからは次第にうとまれていくようになる。
その結果が、地球での反乱分子討伐隊長という日蔭の任務への着任であった。
最初のうちは不満を覚えつつも任をこなしていたシュワーツであったが、一向に昇進の気配がないと見ると
彼は自らの扱いに大いに不満を覚え、彼を推挙したアイタペに何度も自らの配置転換を陳情した。
そのしつこいまでの粘りに根負けしたアイタペは、覇王アグデッパにかけあい
シュワーツにコスタル攻略軍の一艦隊をまかさせた。
すると、彼はその才覚で見る見る間に頭角を現していった。
特に、討伐隊長時代から得意としてきた、一騎討ちで敵艦隊旗艦を撃破しそのまま押し切る戦法を
そのまま艦隊戦にも持ち込み、その技量で、ツルマ・バーセム・ラーら
ツルマ軍・アキ軍の名だたる名将たちを挫いていき、やがて時の覇王アグデッパからも一目置かれる存在となった。
そのため、アグデッパとその息子ララウィンの後押しを受けられるようになり
ララウィンが没する直前には分３位までその位を上げていた。
また、この時期は私生活でも討伐隊長時代からの副官であったスイホーと籍を入れ
ホーリ・メルンという一男一女を授かり、彼の絶頂期とも言えた。
しかし、ブラウンの時代になると、彼のイエスマンかごく一部の(ブラウンに対する)
功労者たち以外は、ことごとく処刑・幽閉されるか閑職に回されることとなる。
シュワーツもまた、そんな憂き目にあった者たちの一人であった。
“後進の育成”を名目に火星にある軍学校の教官に回された彼は、ブラウンに対する不満を爆発させ
“実力に見合った待遇を与えること”を条件に、妻子を連れてかつての敵であったアキ軍へと移籍した。
その後、ドーラ挙兵の際、“ラーから推挙された対ブラウン軍のアドバイザー”として
妻子をザクソンに残し、単身アクセル・エクセルらとともにコスタルのドーラ軍へ合流した。
ドーラ軍の参謀総長に収まった彼は、ブラウン軍のまとまりのなさをついた作戦を多く立案し
コスタル陥落に焦るブラウン軍を大いに苦しめたという。
SC123年、老衰のためコスタルの自宅にて死去。
ドーラ帝国建国に携わった人間として、盛大に葬儀が行われた。
その墓は、コスタルの一等地に市街を見下ろすようにして建てられているという。
ドーラ帝国建国に携わった人間として、盛大に葬儀が行われた。
その墓は、コスタルの一等地に市街を見下ろすようにして建てられているという。
余談となるが、彼の死後、妻スイホーの元へ彼からの手紙が届いた。
その中には
『あまり構ってやれなくて済まなかった。子供たちにも謝っておいてくれ。
それと、大したものでなくてすまないがこいつを受け取っておいてくれ』
という文面の手紙とともに、遺産である各帝国の面会パスが家族分と電子マネーの金100000が入っていた。
彼女は、面会パスを子供たちに渡した後、電子マネーを使いザクソンで孤児院を設立し、経営をしていったという。
夫のような境遇の子供たちを増やさないために。
その中には
『あまり構ってやれなくて済まなかった。子供たちにも謝っておいてくれ。
それと、大したものでなくてすまないがこいつを受け取っておいてくれ』
という文面の手紙とともに、遺産である各帝国の面会パスが家族分と電子マネーの金100000が入っていた。
彼女は、面会パスを子供たちに渡した後、電子マネーを使いザクソンで孤児院を設立し、経営をしていったという。
夫のような境遇の子供たちを増やさないために。
