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ブレール(SC39~SC113)

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邪推SS/ブレール(SC39~SC113)


アキ軍の士官。
後に闘将位まで上り詰める名将バーセムとは同時期に仕官をしており
自身より年下でありながら能力も位も周囲の評判も自身を大きく凌駕している彼とは
同期という立場上常日頃から比較されていた。
当初こそその風評を気にしてはいなかったものの、時を経てその能力差が努力で埋めることが
極めて困難なほどの差であるということを実感していくと、ブレールには以前は何とも感じなかったその風評が
内容は以前と同じにも関わらず、彼への明確な悪意としてしか受け取れないようになっていった。
焦った彼は功を求めて無謀な作戦の立案や現場指揮官としての能力が今ひとつであるにもかかわらず
艦隊戦での切り込み隊長を行ったりを繰り返し、そして必然的に多くの失敗を重ね
妄想であった彼への悪意を悪評という形で現実のものとしてしまった。
バーセムという男がいるがために、自分は全てにおいて割を食う人生を送らざるを得なくなった。
閑職に回された彼はますますバーセムへの憎悪という名の逆恨みを募らせていき
周囲からの冷たい風当たりに身を潜めつつ、虎視眈々と復讐の機会を伺っていた。
そして、千載一遇の機会は訪れた。
君主であるアキの病死時、彼はアキの第二子である王子ガビを担ぎ出し
自らが権力の中枢を握ることで怨敵バーセムを追放しようと目論んだ。
文字通り彼の全てを投げ打ったこの計画は、ラーが君主となることに不満を持つ人間を取り込みつつ
秘密裏に、しかし着々と進んでいった。
そして、ガビの王位継承宣言が行われるその日。
式場で彼を出迎えたのは、ラー派の憲兵たちと他ならぬバーセムその人であった。
以前から彼の計画を察知していたバーセムは、彼をあえて泳がせることで
反体制派を集結させ、一網打尽にしようと考えていたのである。
彼の全てを賭した計画がただバーセムの掌の上で踊らされていただけでしかなかったことを知った彼は
憤怒のあまり顔を真っ赤にして失神した。
程なくして目覚めた彼は、謀反の首謀者として明日処刑されることを言い渡されそのまま地下牢へ投獄された。
その翌日。
彼を処刑台へ迎えにきた看守が見たものは、冷たい石畳に広がる血の海に沈む彼の姿であった。
隠し持っていただろう折りたたみ式ナイフで手首と頸動脈を切ったことによる失血死であった。
そして、薄暗い牢屋の壁には彼の遺言とも言える血文字がでかでかと書き連ねてあった。
「バーセムという男。我、死してもなお貴様を呪い、憎み、恨み続けよう」と。

既に家族のなかった彼の遺体は無縁墓地に葬られたが、逆賊となった彼の墓を見舞いに訪れる者はいなかった。
たった一人、彼がその半生をかけて憎み続けた男を除いては───。

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