浅見竜也の目がゆっくりと開いていった。
「ここは……?」
最初に目に映ったのは、4人を見送った後、消えたはずのクロノチェンジャーが装着された腕だった。
次に目に映ったのは変な角の生えた怪物だった。
「うわっ!!」
「おい、大丈夫か? 俺はキンタロスっていって別に怪しいものやない。お前は?」
「……浅見竜也」
「どうやらここは日光や!!」
目の前に流れる、すさまじい勢いの川はまさしく、かつて自殺の名所と呼ばれた華厳の滝だった。
「あれ? 俺、こんなところにいなかった」
「俺なんか時の列車の中……」
「時の列車?」
「まあ、それを話すと長くなる。今はこれがどういう状況なのか考えなあかん」
竜也には、彼がキンタロスとかいう現実離れした名前で関西系のなまりを使うことしかわからなかった。
□
──宇宙暴走族・ボーゾック、30世紀の犯罪者・ロンダーズファミリー。
暗闇の中から聞こえる声に、ボーゾックのバカたちとロンダーズの狂った犯罪者たちが耳を傾けた。
──お前たちにはカーレンジャーとタイムレンジャーのほか、地球を守る正義の戦士たちを倒してもらう。……もう一度授かったその命、無駄に使わぬようにな。
声がやむと、ロンダーズとボーゾックの悪人たちは別の場所へと転送されていった。
□
「よお、久しぶりだな兄ちゃん」
太ったガマガエルのような男がひょこっと顔を出した。
「ドルネロ!! 死んだんじゃなかったのか!?」
竜也が思わず大声をあげ、構えた。
「まあ、そう硬くなるな。俺は金しかいらねえ。お前らタイムレンジャーを殺そうなんて思ってねえよ」
ドルネロと呼ばれた男はゆっくり葉巻を吸い始めた。
「それより、リラは元気か? まさか倒しちまったんじゃねえよな?」
「リラについては俺は知らない。たぶん、未来に帰ったか、21世紀に滞在してるかだ」
「そうか。死んじゃいないんだな、そりゃ良かった。……カプセルはちゃんと31世紀に帰したか?」
「ああ。ユウリが責任を持って未来に届けた。……ユウリ」
ユウリは未来に帰った。
もう二度と会えないだろう。
それなのに、どうしてこんな会いたくもない奴と会ってしまったんだろう。
考えると腹が立ってくる。
だが同時に僅かな期待をした。
──死んだはずのドルネロに会えたんだ。ユウリにも会えるかもしれない。
少々強引な考え方だったが彼はそれにかけてみることにした。
「そういえばドルネロ。どうして生き返ったんだ?」
竜也はその期待のために質問をした。
「教えてやろうか? 高くつくぜぇ」
「やっぱりやめよう」
所詮、期待。これで満足でない返事が来れば、その金も無意味だろう。
「やめるのか? 俺が言ってるのは金じゃねえ」
「え?」
「俺の追っ手を倒して欲しいんだ」
バッタの怪人がバイクに乗りながら、ドルネロたちの前に姿を現した。
「おまえらを殺す」
バイクが轟音をあげて、ドルネロたちの方へ走っていった。
「タイムレンジャー!!」
「ああ。クロノチェンジャー!!」
最期の変身からそう時間は経っていないのに懐かしいこの姿。
タイムレッドが姿を現した。
「俺も変身するで~」
──AX FORM──
キンタロスの姿が仮面ライダー電王・アックスフォームの装甲に包まれた。
「やはりリントの戦士か」
バッタの怪人──ゴ・バダー・バがバイクでタイムレッドに突撃した。
しかしタイムレッドがその前輪を掴み、持ち上げる。
「キンタロス!!」
「おう!!」
デンガッシャー・アックスモードがバダーに突き刺さった。
「よっしゃ!!」
──激走!! アクセルチェンジャー!!
どこからともなく、重なった二つの声が聞こえてきた。
「グリーンレーサー!!」
「ピンクレーサー!!」
緑と桃色の戦士がそれぞれ突然出てきて名乗りを挙げた。
「何だお前らは!!」
「詳しい話はあと!! な?」
グリーンレーサーがバダーに殴りかかる。
「バイクの音がうるさい!! 近所迷惑もいいとこや!」
「そうよ!! 戦う交通安全としてこのバイクを撤去します」
ピンクレーサーがバイクを持っていく!
しかし、バダーはピンクレーサーを蹴飛ばしてバイクを奪い取る。
「俺の命に触るな」
「暴走族みたいなこと言うなよな~」
その様子をタイムレッドと電王は唖然としてみていた。
□
「声がするな」
「ああ」
黒いマスクの戦士と、武者の鎧の戦士が声の方向にゆっくり歩き始めた。
「待ってください!! ってザムシャー!! 生きてたんですね」
「GUYSか」
「知り合いか?」
「ああ。少し前に迷惑をかけてな」
「そうか」
三人は改めてゆっくり歩き始めた。
□
「竜也……やっけ? 関西人に悪い奴はおらへん!! 加勢するで!」
「え? ああ。悪い奴じゃなさそうだな」
電王がバダーのバイクめがけてデンガッシャー・アックスフォームを投げる。
突き刺さったところは、タイヤだった。
「おのれ!!」
バダーがバイクを持ち上げて電王めがけ振り下ろした。
「危ない!!」
タイムレッドがすぐに電王を庇った。
「うわっ!!」
タイムレッドのマスクが割れて、竜也の顔があらわになった。
□
「竜也!! 竜也!!」
竜也が目を覚ますと回りをたくさんの人々が囲んでいた。
「キンタロス……この人たちは?」
「こいつらはカーレンジャーのグリーンレーサーにピンクレーサー。それからこっちの黒いおっさんがVRVマスターであの武者がザムシャー。このただの人間がクゼテッペイ」
「どうも」
クゼテッペイとカーレンジャー二人だけがあいさつをする。
「危機一髪というところでザムシャーとVRVマスターがバイクを破壊してくれたんや。そしたらあいつは逃げてったで」
「そうだ。タイムレンジャー、俺が生き返った理由なんだがな」
ドルネロが突然話はじめた。
「どうやら俺を生き返らせたのは30世紀以上の技術を持った奴みてえねんだ。もしかしたら超能力とかそういう類のものかもしれねえ」
ドルネロが葉巻を吸い始めて言った。
「お前の仲間もこの場にいる」
竜也は、その言葉に反応した。
「みんなが!!」
「ああ。俺たちの邪魔をしてきた奴らが全員いる」
竜也の目が希望に満ち溢れた。
「早く探そう!!」
竜也が立ち上がったが、すぐに倒れた。
「医者の僕から診ても、かなりの重症です。しばらく安静にしてれば平気だと思います」
テッペイが冷静に竜也を止めた。
□
「おい、どうなってんだよ」
竜也たちのいる華厳の滝の付近に、
ドモンという名の男がいた。
彼は竜也たちの仲間であったが、その記憶は今はない。
竜也はそのことを、まだ知らない。
【浅見竜也の持ち物:クロノチェンジャー】
【キンタロスの持ち物:デンオウベルト、ライダーパス】
【上杉実の持ち物:アクセルチェンジャーアクセルキー】
【八神洋子の持ち物:アクセルチェンジャー、アクセルキー】
【ザムシャーの持ち物:星斬丸】
【
ダップのパパの持ち物:VRVマスターの変身セット】
【クゼテッペイの持ち物:GUYSの装備一式】
【ドモンの持ち物:不明】
【ドン・ドルネロの持ち物:なし】
【ゴ・バダー・バの持ち物:なし】
参戦時期
竜也⇒最終回後、キン⇒最終回後、実⇒最終回後、洋子⇒最終回後、ザム⇒死亡後、パパ⇒最終回後、テッペイ⇒ザムシャー死亡後、ドモン⇒最終回後、ドン⇒死亡後、バダー⇒初登場後
※ドモンは未来に帰った後なので、20世紀にいたときの記憶を忘れています。
※バダーのバイクがバギブソンだったのかは不明です。
最終更新:2008年10月25日 10:46