紫苑恵がゆっくりと目を覚ました。
「目覚めたな。紫苑恵」
「? 私は……」
自分の目の前には塩沢がいたはずだ。
それなのに今自分の目の前には黒い影がある。
「この体は……」
改造されたはずの肉体もいつの間にか元に戻っている。
「お前には科学者として少し働いてもらう」
「お前は……?」
「そんなことはどうでもいい。……塩沢良介が憎いだろ?」
塩沢良介。それは彼女が憎む二つの人物の1人だ。
自分から母を奪い、罪から逃れた。
おかしな話だ。母を奪われた者はこんなに苦しんでいるのに、奪った者はどういうわけか無罪。
憎いのは当然だ。
「なぜその名前を……?」
「……塩沢良介は今お前の目の前にいる。憎いならば殺せ。……親の仇だ」
目の前からカーテンがガラガラと開く音がした。
「助けてくれ!!」
カーテンの開く音と、イスに拘束された塩沢良介の助けを求める声は、同時にきこえた。
「お前は俺を殺そうとした! 生きてたのか……!」
「塩沢……!!」
塩沢のイスの近くには、剣が落ちていた。
殺すために容易したのだろう。
「私は……塩谷が憎い!」
剣が塩沢の胸を突き刺した。
□
紫苑が血に濡れた白衣を脱ぎ捨て、バスルームに入った。
シャワーをつけて石鹸で体中をこすりつけたが、返り血は消えた気がしない。
バスルームから出て、新しい白衣を着る。
全く違うデザインの白衣にも関わらず、血がついている気がしてならない。
だが、そんなことを感じている場合ではない。
あの者に託された使命を果たさなければならない。
塩沢を殺すチャンスをくれたうえに、体を元に戻してくれたあのお方の……。
この研究が成功すれば、アルティメットトルーパーも超える発明ができるのだ。
風間剛も、自分の研究で殺したい……紫苑はそう考えていた。
□
研究所はかなり広かった。まるで大学くらいの規模だ。
しかし、研究中にあんな奴らが乱入するなんて思ってもみなかった。
「侑斗は椎茸が嫌いで……」
変な怪人と三人の男性が、この巨大な研究所内にやってきたのだ。
紫苑は急いで隠れる。
男たちが近づいてくるたびに、心臓がバクバクいう。
これを使うしかない、とさっきの剣をそっと握った。
「ちょっと待ちなさい!!」
白鳥を模したスーツの戦士が研究所内をバイクで走る怪人を追っているのが男たちの目に入ったのはその直後だった。
「バイク!?」
男達は紫苑に近づくのをやめて、三人の下へ走っていった。
【千葉県内巨大研究所】
【紫苑恵の持ち物:ディスカリバー、研究資材】
【一条薫の持ち物:銃】
【イカルガジョージの持ち物:なし】
【桜井侑斗の持ち物:ゼロノスカード×12、ゼロノスベルト】
【デネブの持ち物:デネブキャンディー】
【鹿鳴館香の持ち物:クロスチェンジャー】
【JJジェットンの持ち物:バイク】
参戦時期
紫苑恵⇒第15話中、一条薫⇒最終回前(ダグバ戦後)、イカルガジョージ⇒第1話時点、桜井侑斗⇒最終回(デスイマジン戦後)、デネブ最終回(デスイマジン戦後) 、JJジェットン⇒不明、鹿鳴館香⇒不明
※紫苑は悪の最大権力者から何かの研究を頼まれています。
※紫苑の体は改造されていません。
最終更新:2008年11月26日 23:15