【解説】
武芸科の第3学年生の女性で第十七小隊の隊長。本作のヒロインのひとりである。
仙鶯都市シュナイバル出身で名門アントーク家の三女。7歳上の長女、4歳上の次女は武芸者でなく、他の都市を知ってみたいと学園都市への進学を希望したが父に反対されたため親の了解を得ずにツェルニに入学した。そのため実家は高名な武芸者一族であるものの資金的な援助は一切無く、小隊の隊長を務めながら
機関掃除をして学費と生活費を稼いでいる。
7歳の時に、武芸者のニーナを産んだ影響からか出産後に体調を崩していた一般人である母親を亡くし、その後父親と再婚した義理の母親との間にできた13歳違いの弟を持つ。
入学当初からその実力を認められ、すぐに第十四小隊に所属、しかしその年の都市戦での惨敗をきっかけに新たな小隊を発足させ、才媛として周囲に認められている。ほとんど上級生で占められる小隊員の中、部類としては下級生である3年生で小隊の隊長を務める異例の生徒であるが、その実力や采配はどの小隊も認めている。
非常に真面目な性格で、他人に厳しいが自分にはもっと厳しい。影で人の何倍も努力して欲しいものを手に入れる努力家でもあり、そのため内心では天才である
レイフォンや
フェリに嫉妬している描写も稀に見られる。このようにかなり堅い性格だが、正義感に厚く優しくもあり、可愛いもの好きな少女らしい一面もある。良くも悪くも真っ直ぐな性格。
フェリと同じくお嬢様であるために家事等とは縁がなく、フェリほどではないが料理ができない。第十七小隊での合宿では、
シャーニッドから渡されたピーラーをフェリと奪い合った。
ツェルニの中でも一目置かれるほどの美人なのだが自分でそれに気づいておらず、時折「レイフォンと同じレベルの鈍感」だと周囲に呆れられることも。
幼少時、
電子精霊にその身を犠牲に助けられた過去があり、そのためか電子精霊に対する非常に高い親和性を持つ。
ツェルニには非常に懐かれており、彼女が小隊を発足させたのも、ツェルニを守りたいと思ったのが大きい理由である。また、ツェルニのお気に入りとして
ニルフィリアにも一目置かれている。
さらに、廃貴族
メルニスクに憑依されており、最初はツェルニや「真の意思」の力を借りて暴走を抑えることしかできなかったが、次第に使いこなすようになり、現在では共生の果てにその力を使いこなしている。
ディックに出会ってから狼面衆の存在を知り、メルニスクに憑依されたせいで
マイアスに飛ばされてからはその戦いに意味を求めていくようになり、次第に世界の真実を巡る戦いに身を投じていく。
武芸者としては、黒鋼錬金鋼の双鉄鞭を使用する。対抗戦ではレイフォンと組んで攻撃を仕掛けるアタッカーを請け負うことが多いが、本来は防御が得意であり、攻撃も防御も可能なオールラウンダー。レイフォンに教えを請うようになってからは剄の扱い方が上達し、さらにレイフォンからは「金剛剄」、ディック(レイフォン)からは「雷迅」を教わり、武芸者としての実力は物語の開始当初より格段に上昇している。また、隊長らしく戦術、戦略にも長けており、全体のバランスが悪い第十七小隊のブレインとして、相手小隊に作戦勝ちすることも多い。
メルニスクに憑依されてからは度々その力を使って狼面衆を蹴散らし、今ではレイフォンと同じように、耐え切れずに
錬金鋼が爆砕するほどの量と密度を持った剄を使いこなすほどになっている。
グレンダンでのディック戦にて、渾身の雷迅を放った際に今まで愛用してきた黒鋼錬金鋼が流し込んだ剄によって壊れてしまう。しかし、代わりに
ツェルニの力を使って
ニルフィリアが創った、ディックと同じ特別な黒鋼錬金鋼の鉄鞭を与えられる。
その理由は明かされていないが、彼女が戦術、戦略などに興味を持っていることからすると、指揮官として都市戦を勝利に導きたいという思いが強いのであろう。
レイフォンが戦う理由を預ける人物であり、作中に登場する電子精霊のほぼ全てと出会っており、自身特殊な過去と廃貴族と持つために、
リーリンやレイフォン以上に物語に重要なキーパーソンであると言える。
最終更新:2009年07月23日 00:27