先の見えない戦いの日々が続いた。
口先だけでは自由のため、平和のため、許せぬ奴を討つため、と言ってみてもはじまらない、
圧倒的な圧力の前に、泥水の中を這い回りながら逃げ回る日々。
何もかも投げ出したい、「奴ら」の支配を受け入れてしまえば楽になれる、
そんな疑念すら浮かばせる、希望なき危険に身と心をさらしつづける日々。
口先だけでは自由のため、平和のため、許せぬ奴を討つため、と言ってみてもはじまらない、
圧倒的な圧力の前に、泥水の中を這い回りながら逃げ回る日々。
何もかも投げ出したい、「奴ら」の支配を受け入れてしまえば楽になれる、
そんな疑念すら浮かばせる、希望なき危険に身と心をさらしつづける日々。
信じあえる仲間? それは結果論だ。
戦っている瞬間は「とりあえず信じる」以外にない。信じられることを担保されぬままに誰かに背を晒す。
信じて晒した背に、背後から銃弾が撃ち込まれたことは一度や二度ではない。
そして、俺の晒した背を守ろうとしてくれた誰かを、結果的に死に追いやったことも一度や二度ではない。
ひとりであれば死ぬはずのなかった奴が、俺のために無理をしすぎて、そして死んだ。
そんなことだってなかったわけじゃない。
戦っている瞬間は「とりあえず信じる」以外にない。信じられることを担保されぬままに誰かに背を晒す。
信じて晒した背に、背後から銃弾が撃ち込まれたことは一度や二度ではない。
そして、俺の晒した背を守ろうとしてくれた誰かを、結果的に死に追いやったことも一度や二度ではない。
ひとりであれば死ぬはずのなかった奴が、俺のために無理をしすぎて、そして死んだ。
そんなことだってなかったわけじゃない。
そんな日々の中で、最後まで信じられたもの。
それは記憶。幼いころのあたたかな時間。命を託してくれた親友(とも)の横顔。
そして、もうひとつ信じられたもの。
平和な日々から過酷な毎日へと飛び込みながら、知らずに済むはずだった世界の暗部を見せ付けられながら、
それでも世界を愛し続けた、あの少女の笑顔。
それは記憶。幼いころのあたたかな時間。命を託してくれた親友(とも)の横顔。
そして、もうひとつ信じられたもの。
平和な日々から過酷な毎日へと飛び込みながら、知らずに済むはずだった世界の暗部を見せ付けられながら、
それでも世界を愛し続けた、あの少女の笑顔。
「平和な日々が来ますように、誰も銃をとる必要なく生きていける世界が来ますように」
それは無理だと思いながらも打ち消すことのできなかった、そんな祈りの言葉をあの日ささげたあの少女の横顔。
ほんの数歩違った場所にいれば出会うことのなかったはずだった、
そんな彼女の瞳をはじめてみたときの、あの輝き。
世界をくびきから解き放ち、それぞれが自分の暮らしを求め出したときに
一緒に来るか、という言葉にはじめて逆らった、あのときの少女の笑顔。
それは無理だと思いながらも打ち消すことのできなかった、そんな祈りの言葉をあの日ささげたあの少女の横顔。
ほんの数歩違った場所にいれば出会うことのなかったはずだった、
そんな彼女の瞳をはじめてみたときの、あの輝き。
世界をくびきから解き放ち、それぞれが自分の暮らしを求め出したときに
一緒に来るか、という言葉にはじめて逆らった、あのときの少女の笑顔。
自分が見なきゃいけないもの、知らなくちゃいけないものがまだまだこの世界にはある、
それが何なのかを知るまでは、あなたの庇護の下から離れなくちゃいけない。
どこにいてもどうなっても、あなたたちの築いた世界にわたしはいます、だからさよならだけどさよならじゃない……
それが何なのかを知るまでは、あなたの庇護の下から離れなくちゃいけない。
どこにいてもどうなっても、あなたたちの築いた世界にわたしはいます、だからさよならだけどさよならじゃない……
精一杯の強がりと、夢と、自分の「いま」への認識と、
それらすべてがごちゃごちゃに混ざったその言葉をくれたおかげで、
俺は十年近く続いた戦いの日々から、ほんとうに解放されたんだ。
少女を見送ったそのときに、俺はあの日オノゴロでなくした、呪いや怒り、嘆きの混じらぬ涙を取り戻せた。
そしてほんとうの笑顔を去り行く彼女に向けられた、そう思えたそのときにはじめて
俺は自分の時間が動き出したことを悟れたんだ。
それらすべてがごちゃごちゃに混ざったその言葉をくれたおかげで、
俺は十年近く続いた戦いの日々から、ほんとうに解放されたんだ。
少女を見送ったそのときに、俺はあの日オノゴロでなくした、呪いや怒り、嘆きの混じらぬ涙を取り戻せた。
そしてほんとうの笑顔を去り行く彼女に向けられた、そう思えたそのときにはじめて
俺は自分の時間が動き出したことを悟れたんだ。
「……そんなことを思ってたんだったら、言ってくれればよかったのに。ずいぶん遠回りしちゃった」
「俺にとっては遠回りじゃない。君をひとりの女として愛せるようになるまでに必要な時間だったんだ、って
今は思ってる。 ……ちょっとキザすぎたかな」
「ううん、……だいすき。 愛してる、あなた」
「俺にとっては遠回りじゃない。君をひとりの女として愛せるようになるまでに必要な時間だったんだ、って
今は思ってる。 ……ちょっとキザすぎたかな」
「ううん、……だいすき。 愛してる、あなた」
静かな夜。感じあうのは互いの肌のなめらかさとぬくもり。
夢で見る姿は、微笑む君。世界を愛し自分を愛し仲間たちを愛した、あの頃の君の笑顔。
そして今、俺が生き続ける理由は、その、君の笑顔。
夢で見る姿は、微笑む君。世界を愛し自分を愛し仲間たちを愛した、あの頃の君の笑顔。
そして今、俺が生き続ける理由は、その、君の笑顔。
- もともとF91の主題歌のイメージが先にあって、
あれが似合うのはやっぱソラしかいないよねという脳内会議の結果がこれ。
ソラEDだとしたらさわやかにいきたいもんです。彼女は「未来と希望」の象徴ですから。 -- 書いた奴 (2005-11-01 02:27:18)