「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

春雷、来たる(EF降臨)

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ガルナハンの空に天使が舞う。
蒼き翼を広げ、蒼穹を10機のMSが舞うが如く旋回する。

「不法占拠している皆さん、即座に武装解除して投降してください」

無線から、そしてMSの外部スピーカーから流れるその声は、まだ幼さの残る青年の声だった。
だが、その声を知る者にとって、それは死刑宣告を受けたに等しい衝撃を産む。

「・・・キ、キラ・ヤマト・・・キラ・ヤマトだと?!」
「もう終わりだ・・・あいつ等が来るなんて・・・」
「畜生!なんでピース・ガーディアンがこんなに早く出てくるんだよ!」

平和の守護者、ピース・ガーディアン。
その尖兵たるフリーダム・ブリンガー

「作戦空域に到達しても、隊長の指示あるまで発砲は許可しない」
「全員、可能な限りコクピットへの直撃は避けてください」
「はい、隊長!」

そして、統一連合最強のMSとそのパイロット。すなわち、地球圏最強の機動兵器。
エターナル・フリーダム

市民とレジスタンス達が制圧したコーカサス州都、ガルナハン。
これから自治権獲得に向けて、政府との交渉に臨む。
その矢先だったのに――。

その街のあちこちで悲鳴と絶望の声が上がる。
そんな中、ユウナは冷静だった。

「各自、市民を誘導して避難させて!武装やMSはなんだったら放棄しても良い!市民の安全を第一に考えること!」

即座に街を放棄、PGの眼から一旦逃れる選択を取る。

「他のレジスタンスの様子はどうだい?」
「駄目だリーダー!皆ブルっちまってる!」

そう言う三尉達にも緊張の色は強い。

「マトモにFBと戦うのは避けて退却戦か・・・」
「逃がしてくれるなら、ね」

『シン、怖いか?』

レイに問われ、ダストのコクピットに座るシンの顔が引き攣る。
恐怖、怒り、闘志、その全てを含み、そのどれでもない感情がシンの胸を焦がす。

「怖くなんか、ない」

自分自身に言い聞かせるように呟くシン。
『機体の性能はもはや比較しても無意味なほど差が有る。勝ち目はほぼ0だ。』
「判ってる!」

5年もの間、修羅場を潜りぬけ続けてきた。既に5年前のキラなら倒せる自信、いや確信さえある。
だが、時間は誰でも平等に与えられるのだ。
そして、死線を潜りぬけた勘が、冷静な洞察が、冷酷な事実を告げていた。

(今の俺ではアイツに勝てない・・・!)

機体性能の差はもはや笑い話にもならぬほど開き、支援を期待しようにも、他のレジスタンスは早くも腰が引けている。
リヴァイヴでさえこうなのだ。
かつて、ピース・ガーディアンの爪牙に掛かった者の中には、既にMSや武装を放棄して逃げ出す者さえ有った。
統一連合に歯向かう者にとって、ソレほどの意味を持つのだ。
キラ・ヤマトの名は。

「ユウナたちを逃がす為の時間を稼ぐまで粘るぞ、レイ!」
『判っているだろうが、マトモに連中に突っかかるな。EFどころかFBにすら瞬殺されかねない』
「常に遮蔽物に隠れて牽制し続けろ、か。ユウナも無茶な事を思いつく・・・」

ユウナの策はシンプルかつ無鉄砲なものだった。

「レジスタンスの皆が逃げきるまで、PGには街に張り付いてもらうのさ」

ガルナハン市街の各所にMS用の火器を隠し、ダストはソレを拾いながら移動し、
使いきったら即放棄して次のポイントへ。
こうすることでダストの総重量を増やす事なく大量の武装を積んだのと同じ効果が狙えるのだ。

「この作戦のミソはね、『あくまで嫌がらせレベルの攻撃』な所に有るんだよ」

PS装甲をもつFB、EFともに実体弾は殆ど効果は無い。
が、「市街地に継戦能力を残したMSが居る」と言う事実は無視できない。
直撃されても対した被害が無いことが判れば、PG側も積極的に殲滅するより、パイロットを捕らえようとするだろう。
そこで、ガルナハン市街でダストとPGの鬼ごっこになるとユウナは目論んだのだ。
一人が追いかけるのではなく、たった一人が10人に追いかけられる過酷な鬼ごっこではあるが。

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