カガリ=ユラ=アスハは、即断即決~むしろ猪突猛進~の人である。
まだるっこしいアポなど取らずに突然訪ねる事など珍しくは無かった。
もっとも、キサカ達が裏で奔走するハメに陥っていたのだが。
そして、ラクス=クラインは常に周囲の動向に気を配り、二手三手先まで用意する人である。
ましてや二人は親友、いや、戦友であり、今だかつてカガリがラクスの元を訪ねるのに前もって予定など聞いたことなど無かった。
「ああ、留守か。忙しいところすまなかったな」
そう言って帰るなり待たせてもらうなりすればソレですむ間柄である。
まだるっこしいアポなど取らずに突然訪ねる事など珍しくは無かった。
もっとも、キサカ達が裏で奔走するハメに陥っていたのだが。
そして、ラクス=クラインは常に周囲の動向に気を配り、二手三手先まで用意する人である。
ましてや二人は親友、いや、戦友であり、今だかつてカガリがラクスの元を訪ねるのに前もって予定など聞いたことなど無かった。
「ああ、留守か。忙しいところすまなかったな」
そう言って帰るなり待たせてもらうなりすればソレですむ間柄である。
そのカガリが、ラクスへの面会にアポを取った。
珍事と言って笑って済ます事も出来たが、内情を知る人間にとって背筋の凍る想いだった。
「クライン顧問、何故だ?」
応接室に通されるなり、強い口調でカガリが問いただした。
「ガルナハンへのPG派遣…派遣自体はPGの権限の内だから良い。だが…何故なんだ!」
ソファーから腰を浮かせる。
「どうして民間人まで殺したんだ!どうして!答えてくれクライン顧問!」
「カガリさん…」
何時もの、憂いを帯びた瞳でラクスが応じる。
「意に反するものは力で捻じ伏せる。これじゃ、かつての大西洋やプラントと同じじゃないか!確かに力が無ければ統一は難しいのは私にだってわかる!だけど…だけど!」
「私達は、いえ、私は、力で世界を世界を統一するつもりなどありませんよ」
「なら、何故!テロリスト、いや、レジスタンスを排除するだけじゃなく、何故、普通の人達まで…」
「私は、統一連合に牙を剥くからガルナハンを排除したのではありません。暴力で持って世界に己が意思を推し通す人々を否定したのです」
「ラクス…?」
「欺瞞と呼ばれるかもしれません。偽善と嘲われるかもしれません。しかし、暴力でもって世界を変えることは否定しなくてはならないのです」
応接室に通されるなり、強い口調でカガリが問いただした。
「ガルナハンへのPG派遣…派遣自体はPGの権限の内だから良い。だが…何故なんだ!」
ソファーから腰を浮かせる。
「どうして民間人まで殺したんだ!どうして!答えてくれクライン顧問!」
「カガリさん…」
何時もの、憂いを帯びた瞳でラクスが応じる。
「意に反するものは力で捻じ伏せる。これじゃ、かつての大西洋やプラントと同じじゃないか!確かに力が無ければ統一は難しいのは私にだってわかる!だけど…だけど!」
「私達は、いえ、私は、力で世界を世界を統一するつもりなどありませんよ」
「なら、何故!テロリスト、いや、レジスタンスを排除するだけじゃなく、何故、普通の人達まで…」
「私は、統一連合に牙を剥くからガルナハンを排除したのではありません。暴力で持って世界に己が意思を推し通す人々を否定したのです」
「ラクス…?」
「欺瞞と呼ばれるかもしれません。偽善と嘲われるかもしれません。しかし、暴力でもって世界を変えることは否定しなくてはならないのです」
東ユーラシア共和国大統領、セルゲイ=ノヴィッチ=ボラーゾフは最初、何かの冗談かと思った。
「ラクス=クラインが今更何の用だというのだ?」
ラクス=クラインから、直接面談したいとの申し出があったのだ。
「ラクス=クラインが今更何の用だというのだ?」
ラクス=クラインから、直接面談したいとの申し出があったのだ。
PGによるガルナハンの殲滅。
セルゲイにとって、ソレは自身の起死回生の策が成功した証であり、同時に統一連合にとって致命的な傷だ。
わざわざ相手にせずとも、反統一連合陣営としては問題は無い筈である。
だが、セルゲイの政治家としてのカンが、放置するのは危険だと警告を発する。
セルゲイにとって、ソレは自身の起死回生の策が成功した証であり、同時に統一連合にとって致命的な傷だ。
わざわざ相手にせずとも、反統一連合陣営としては問題は無い筈である。
だが、セルゲイの政治家としてのカンが、放置するのは危険だと警告を発する。
「どう言ったご用件ですかな?」
そう言いつつラクスと相対したセルゲイは、逢ったその瞬間から根源的な恐怖をラクスから感じていた。
議会で顔を合わせたことがないでもないが、直接会話を交したのは初めてだったのだが…
(彼女は…コレは人間なのか?)
深淵を覗き込むような、そして、逆にコチラの奥深いところまで覗き込まれて居るような感覚。
「お聞きしたい事が有りましたので」
ラクスの憂いを帯びた瞳がセルゲイを見つめる。
「何故、ガルナハンを排除なさろうと思われたのですか?」
瞬間、心臓を掴まれたような衝撃を受ける。それを表に出すほど若くもなかったが。
「何をおっしゃるかといえば…我が国を、勝手に焦土になさったのは貴方方でしょう?別に焼いてくれといった憶えは…」
「地熱プラント攻略戦時、何故最大戦力の第五師団を投入なさらなかったでしょう?他にも、ガルナハンへ集結した叛乱勢力への補給線を遮蔽なさらなかったですし」
「だから、我々がガルナハンをPGに焼かせようとしたと。言掛りですな」
「なら、何故なのです?」
「全ては偶然ですよ!」
そう言いつつラクスと相対したセルゲイは、逢ったその瞬間から根源的な恐怖をラクスから感じていた。
議会で顔を合わせたことがないでもないが、直接会話を交したのは初めてだったのだが…
(彼女は…コレは人間なのか?)
深淵を覗き込むような、そして、逆にコチラの奥深いところまで覗き込まれて居るような感覚。
「お聞きしたい事が有りましたので」
ラクスの憂いを帯びた瞳がセルゲイを見つめる。
「何故、ガルナハンを排除なさろうと思われたのですか?」
瞬間、心臓を掴まれたような衝撃を受ける。それを表に出すほど若くもなかったが。
「何をおっしゃるかといえば…我が国を、勝手に焦土になさったのは貴方方でしょう?別に焼いてくれといった憶えは…」
「地熱プラント攻略戦時、何故最大戦力の第五師団を投入なさらなかったでしょう?他にも、ガルナハンへ集結した叛乱勢力への補給線を遮蔽なさらなかったですし」
「だから、我々がガルナハンをPGに焼かせようとしたと。言掛りですな」
「なら、何故なのです?」
「全ては偶然ですよ!」
ラクスが去った後、セルゲイは倒れ込むように執務室の椅子に座り込んだ。
(何処まで知っている?いや、今日の会談は最期通牒と言う事なのか?しかし、証拠は…)
たった二時間ほどの会談でここまで疲弊するとは。
(噂通りの化物か。ラクス・クライン!)
(何処まで知っている?いや、今日の会談は最期通牒と言う事なのか?しかし、証拠は…)
たった二時間ほどの会談でここまで疲弊するとは。
(噂通りの化物か。ラクス・クライン!)