カケヒキ・つなひき - たぶん素敵妄想集（爆@ ウィキ

　いつもより早く終わった仕事。
　わいわいがやがや。
　にぎやかな楽屋。

「三好ちゃん」
「はい？　なんですかー。石川さん」
「この後、今日なんか用事ある？」
「ううん。ないですけど」

　よっしゃ！

「じゃあ、ごはん食べに行かない？」
「はい！」

　岡田ちゃんはなんかののたちと遊びに行くみたいだし…。
　ふふっ。これで二人っきり。ひ・と・り・じ・め。

「じゃあ、これからデートですねぇ」
「ねぇ」

　もー。うれしいこと言ってくれちゃって。エリカってば。

「じゃあさ、美貴焼肉がいい」

　そーはいかないよ。り・か・ちゃん。

　ええぇぇぇぇっ！？　美貴ちゃん！？

「あ…れ。いたの？　美貴ちゃん」
「いたよ。今さっき」

　ったく、油断もすきもあったもんじゃねぇなぁ。

「ごはん食べに行くんでしょ？　ほら。早く行こ」

　なんて、さりげなく腰を抱いてみちゃったりして。

　あっ！？　美貴ちゃん！？

「うん。そうだね。美貴ちゃんおごってくれるんでしょ？」

　ちょっとちょっと！

　 あっ。手繋ぎやがった。しかも恋人つなぎ。

「えーっ。言い出した梨華ちゃんがごちそうしてくれるんじゃないの？」
「なんで？」
「なんでって、言い出したの梨華ちゃんじゃん」
「ミキティいっぱい食べるじゃん」

　もー。せっかく二人っきりになれると思ったのに。

　そー簡単には二人っきりになんてさせないよーだ。

　ふふっ。かわいいなぁ。二人とも。

「ふふっ。じゃあ、割り勘でいいじゃないですか」

「「はぁ？」」

　あれ。何でそーくるかな。
　三好は石川さんとミキティとごはん食べれるだけでも十分なんだけど。

「ね？　っていうか、三好なんかおかしなこと言いました？」
「う…ううん。普通。っていうか…そうだよねぇ。美貴ちゃん」
「まぁねぇ。梨華ちゃん」
「じゃあ、行こう。焼肉楽しみだなぁ」

　できれば、そのあと二人とも食べれちゃったりしたら…ふふふふっ。ね。いいのに。

「そうだね。行こっか」

　しょうがないか。だってうれしそうなんだもん。三好ちゃん。

　しょうがないか。すっごい楽しそうだし。三好ちゃん。

「うん。行こ行こ」

「はい。それじゃーれっつごー！」

　あー。幸せ。

　わいわいがやがや。

　にぎやかな楽屋のドアをパタンと抜けて、いざ焼肉屋へ。

　まだまだ続く恋の駆け引き。
　最後に笑うのはたぶん、あ・た・し。 　　　

（2006/4/22）