ある探偵と助手の幸運と不幸
モシャモシャと、奇妙な音が夜に響く。
なんとも間抜けでこの舞台には似合わない効果音。
だが、私はそれがどこから響いているのかなどという疑問には囚われない。
なぜなら、それは私、桂木弥子の口から響いている音なのだから。
なんとも間抜けでこの舞台には似合わない効果音。
だが、私はそれがどこから響いているのかなどという疑問には囚われない。
なぜなら、それは私、桂木弥子の口から響いている音なのだから。
この地に飛ばされ私が何をするにもまずは行ったのは食事だった。
腹が減っては戦はできぬというではないか。
いや、戦をするつもりはないが。
簡素なパンだけど味は悪くない。
単純ながら小麦粉の味が引き立っているのはいい素材を使っている証拠だ。
こんな状況ながら、食事の質が悪くないことに安堵する。
とりあえず、食事をしながら今後どうするかを考える事にする。
うんうん、と思考して見るが結局たどり着く結論は、
腹が減っては戦はできぬというではないか。
いや、戦をするつもりはないが。
簡素なパンだけど味は悪くない。
単純ながら小麦粉の味が引き立っているのはいい素材を使っている証拠だ。
こんな状況ながら、食事の質が悪くないことに安堵する。
とりあえず、食事をしながら今後どうするかを考える事にする。
うんうん、と思考して見るが結局たどり着く結論は、
ネウロを探す。
ここだった。
アイツは気まぐれでデリカシーが無くて自分勝手な傍若無人な冷血漢だけど。
アイツならこんな首輪の謎なんてあっさりと解いて、脱出の方法もすぐさま見つけてくれる。
それだけは信じられる。
だが、人を探すという事は必然的に自ら動き参加者との接触を試みねばならないという事。
そうなれば、探し人に遭える可能性も上がるだろうが、それと同時に出会ってはならない人間と出会ってしまう可能性も高くなってしまう。
ネウロと出会って以来、自分の不幸さは凄まじいものがある。
ネウロに探偵として祭り上げれ、変な形で名が売れてしまうわ。
奴隷のように、と言うか奴隷としてこき使われる日々だわ。
そんな自分の不運さ加減からいけば、真っ先にあの金ピカ男や鬼みたいな男に出会って殺されるんじゃないだろうかと本気で思える。
私は普段からネウロやX(サイ)といった常識外れた存在を目の当たりにしているから、大抵のモノにはなれてしまった。
だけど、そんな私ですら、あの二人は純粋に怖いと感じた。
あの二人だけではない。
ネウロにも負けず劣らずな竜の化物だって。
槍を持った蒼い獣のような男だって。
そんな奴らがここには沢山いる。
ハッキリ言って自分には力が無い。
あの化物たちどころか、殺意を持った人間なら大抵に殺される自信がある。
ネウロはともかく、私が五体満足でネウロと再会できる可能性は低いだろう。
そういえばと、神父の言葉が思いだされる。
各自に武器を配るとか何とか。
それを使って殺し合いなんてするつもりは毛頭無いけど、せめて身を守るくらいのモノがあればいい。
なんて淡い期待を抱きながら、自分に支給されたリュックを漁る。
アイツならこんな首輪の謎なんてあっさりと解いて、脱出の方法もすぐさま見つけてくれる。
それだけは信じられる。
だが、人を探すという事は必然的に自ら動き参加者との接触を試みねばならないという事。
そうなれば、探し人に遭える可能性も上がるだろうが、それと同時に出会ってはならない人間と出会ってしまう可能性も高くなってしまう。
ネウロと出会って以来、自分の不幸さは凄まじいものがある。
ネウロに探偵として祭り上げれ、変な形で名が売れてしまうわ。
奴隷のように、と言うか奴隷としてこき使われる日々だわ。
そんな自分の不運さ加減からいけば、真っ先にあの金ピカ男や鬼みたいな男に出会って殺されるんじゃないだろうかと本気で思える。
私は普段からネウロやX(サイ)といった常識外れた存在を目の当たりにしているから、大抵のモノにはなれてしまった。
だけど、そんな私ですら、あの二人は純粋に怖いと感じた。
あの二人だけではない。
ネウロにも負けず劣らずな竜の化物だって。
槍を持った蒼い獣のような男だって。
そんな奴らがここには沢山いる。
ハッキリ言って自分には力が無い。
あの化物たちどころか、殺意を持った人間なら大抵に殺される自信がある。
ネウロはともかく、私が五体満足でネウロと再会できる可能性は低いだろう。
そういえばと、神父の言葉が思いだされる。
各自に武器を配るとか何とか。
それを使って殺し合いなんてするつもりは毛頭無いけど、せめて身を守るくらいのモノがあればいい。
なんて淡い期待を抱きながら、自分に支給されたリュックを漁る。
「……………………?」
…………オカシイ。
いくら探せど、それらしきモノが見つからない。
疑問符を浮かべながら、もう一度リュックの中身を一つ一つ確認してゆく。
まず時計と地図に磁針。
既に半分減った水と食料。
今現在もその量は減り続けてるが……気にしない。
更に筆記用具とタロットカードとランタンにライター。
ランタンにご丁寧にライターまで支給されているが、
こんなものつけようものならすぐさま他の人間に発見されてしまう。
恐らくそれがわかっていて支給しているあたり、あの神父は本当に趣味が悪い
あと、これは参加者名簿だろうか。
自分やネウロの名が書かれているのが見て取れる。
だが、これといって武器らしいものは一つもない。
強いて珍しい品を挙げるなら、タロットカードと食料の中に含まれているマンガ肉くらいのモノだ。
まあ、最低限の食料という中にこんなマンガ肉が含まれているのはオカシイといえばオカシイが。
なら、ひょっとしてこれが私の支給品なんだろうか?
いくら探せど、それらしきモノが見つからない。
疑問符を浮かべながら、もう一度リュックの中身を一つ一つ確認してゆく。
まず時計と地図に磁針。
既に半分減った水と食料。
今現在もその量は減り続けてるが……気にしない。
更に筆記用具とタロットカードとランタンにライター。
ランタンにご丁寧にライターまで支給されているが、
こんなものつけようものならすぐさま他の人間に発見されてしまう。
恐らくそれがわかっていて支給しているあたり、あの神父は本当に趣味が悪い
あと、これは参加者名簿だろうか。
自分やネウロの名が書かれているのが見て取れる。
だが、これといって武器らしいものは一つもない。
強いて珍しい品を挙げるなら、タロットカードと食料の中に含まれているマンガ肉くらいのモノだ。
まあ、最低限の食料という中にこんなマンガ肉が含まれているのはオカシイといえばオカシイが。
なら、ひょっとしてこれが私の支給品なんだろうか?
「どんだけ不運だ私ぃ!?」
そもそも武器じゃねーし。
あの神父は本気でこんな肉で殺し合いができると思っているのか。
この肉でどう身を守れというのか?
あの神父は本気でこんな肉で殺し合いができると思っているのか。
この肉でどう身を守れというのか?
あ、うん、でも、結構美味いなこれ。
とりあえず肉を平らげ、その味と量に満足して気を取り直す。
冷静に考えれば、大層な――それこそネウロの魔界777ツ能力みたいな――モノを与えられたとしても、到底自分に扱えるとは思えない。
何より、人を殺すための武器なんかを与えられるよりマシだろう。
よし、そうだ悪い考えは捨てよう。
必ず帰れると信じるんだ。
私もネウロも、こんな事に巻き込まれてしまった他のみんなも必ず元の日常に返れる。
そうだ、私にもあの奇妙な探偵事務所での、いつもの日常が待っている。
冷静に考えれば、大層な――それこそネウロの魔界777ツ能力みたいな――モノを与えられたとしても、到底自分に扱えるとは思えない。
何より、人を殺すための武器なんかを与えられるよりマシだろう。
よし、そうだ悪い考えは捨てよう。
必ず帰れると信じるんだ。
私もネウロも、こんな事に巻き込まれてしまった他のみんなも必ず元の日常に返れる。
そうだ、私にもあの奇妙な探偵事務所での、いつもの日常が待っている。
…………いや、それはそれで嫌だな。
手にしたパンを口に放り込み立ち上がる。
支給された三日分の食料、そして支給品であるマンガ肉。
その全てを食い尽くしたおかげで、お腹も(それなりに)膨れて気合も十分。
支給された三日分の食料、そして支給品であるマンガ肉。
その全てを食い尽くしたおかげで、お腹も(それなりに)膨れて気合も十分。
「……よし、行こう!」
魔人を探し探偵は行く。
依頼人は自分、報酬は脱出。
探偵の人探しならぬ、魔人探しが開始された。
依頼人は自分、報酬は脱出。
探偵の人探しならぬ、魔人探しが開始された。
そして、その探し人たる魔人はというと…………。
「フハ、ハハハハッハハアハハハッハハハハハッ!!」
人目も憚らず、盛大に爆笑していた。
それは歓喜の笑いだった。
最高級のご馳走を前にした歓喜の笑い。
誰もいない山頂で、一人高笑うネウロはこれ以上なく幸運だった。
最高級のご馳走を前にした歓喜の笑い。
誰もいない山頂で、一人高笑うネウロはこれ以上なく幸運だった。
ここには謎があった。
首輪と言う謎がある。
脱出と言う謎がある。
ここは、謎の匂いに満ちあふれている。
それだけでネウロにとってこの狂宴は歓迎すべき物だった。
首輪と言う謎がある。
脱出と言う謎がある。
ここは、謎の匂いに満ちあふれている。
それだけでネウロにとってこの狂宴は歓迎すべき物だった。
脳噛ネウロは正真正銘の魔人である。
更に魔人の中でも異質の謎を食料とする突然変異種でもあった。
脳噛ネウロは謎を喰らい空腹を満たす。
空腹と言っても、腹の空腹ではない、脳髄の空腹だ。
彼は自らの空腹を満たすべく間界のあらゆる謎を喰らい尽くした。
結果、謎が何もなくなってしまった魔界は滅んでしまったが、それは別にどうでもいい話。
魔界の謎を食い尽くした謎喰い魔人が赴いたのは人間界。
そこでも求めるは自らを満たす、究極の謎。
そして、その願いがここにはあるやもしれない。
己の充たされぬ空腹を充たすやもしれぬ謎がある。
その事実の前には、殺し合いなど些細な事。
例え魔界能力が全て手の内になくとも。
例え己の肉体が人間の武器で死に至る程に制限されていても。
例えこの場に己を超える化物がいようとも。
どれもこれも、万事些細な事だった。
更に魔人の中でも異質の謎を食料とする突然変異種でもあった。
脳噛ネウロは謎を喰らい空腹を満たす。
空腹と言っても、腹の空腹ではない、脳髄の空腹だ。
彼は自らの空腹を満たすべく間界のあらゆる謎を喰らい尽くした。
結果、謎が何もなくなってしまった魔界は滅んでしまったが、それは別にどうでもいい話。
魔界の謎を食い尽くした謎喰い魔人が赴いたのは人間界。
そこでも求めるは自らを満たす、究極の謎。
そして、その願いがここにはあるやもしれない。
己の充たされぬ空腹を充たすやもしれぬ謎がある。
その事実の前には、殺し合いなど些細な事。
例え魔界能力が全て手の内になくとも。
例え己の肉体が人間の武器で死に至る程に制限されていても。
例えこの場に己を超える化物がいようとも。
どれもこれも、万事些細な事だった。
ネウロがまず目を付けたのは最も手短な謎。
自らの首に纏わりつく首輪の謎。
自らの首に纏わりつく首輪の謎。
「ふむ……まずは道具がいるな」
必要なのは首輪を調べる道具。
それと首輪そのもの。
自身の首にも一つあるが、流石に自分の首についた首輪では思うように調べられない。
別に首輪を手に入れる必要がある。
だがそれも、たいした問題ではないだろう。
なんせ首輪は、そこいらにゴロゴロしているのだから。
それと首輪そのもの。
自身の首にも一つあるが、流石に自分の首についた首輪では思うように調べられない。
別に首輪を手に入れる必要がある。
だがそれも、たいした問題ではないだろう。
なんせ首輪は、そこいらにゴロゴロしているのだから。
「あぁ……ついでに、奴隷も探すとするか。椅子代わり程度には役に立つだろう」
【F-5 山頂/一日目・深夜】
【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ】
[状態] 興奮
[装備] なし
[道具] 荷物一式、支給品不明
[思考] 1:首輪を手に入れる、特に手段は問わない。
2:奴隷を探す。
[状態] 興奮
[装備] なし
[道具] 荷物一式、支給品不明
[思考] 1:首輪を手に入れる、特に手段は問わない。
2:奴隷を探す。
【D-2 神社近く/一日目・深夜】
【桂木弥子@魔人探偵脳噛ネウロ】
[状態] それなりに満腹
[装備] なし
[道具] 荷物一式(食料なし)、さくらカード@カードキャプターさくら
[思考] 1:ネウロを探す。
2:必ず日常に帰る。
[状態] それなりに満腹
[装備] なし
[道具] 荷物一式(食料なし)、さくらカード@カードキャプターさくら
[思考] 1:ネウロを探す。
2:必ず日常に帰る。
【くんせい肉@ドラゴンクエストモンスターズ+】は無くなりました。