死亡フラグ?
(……潮の香がする)
空を跳ぶストリートファイター、エアマスターこと相川マキは海を眺めていた。
不気味に波打つ夜の海を見つめながら、神父の言葉を思い返す。
細かいルールは右から左へ抜けて行ったが、その言葉だけは頭に残っている。
細かいルールは右から左へ抜けて行ったが、その言葉だけは頭に残っている。
(殺し合い…………殺し合いって)
相川マキは死を恐れない。
いや、むしろ、消えてなくなりたいと、自分という存在が初めから無かった事にしてもらえたらどれだけいいか。
そんなことばかり考えていた時期すらあった。
その状況から救ってくれたのはストリートファイトだった。
ストリートファイトは私にあの頃のような刺激を与え、私を正常に戻してくれた。
いや、むしろ、消えてなくなりたいと、自分という存在が初めから無かった事にしてもらえたらどれだけいいか。
そんなことばかり考えていた時期すらあった。
その状況から救ってくれたのはストリートファイトだった。
ストリートファイトは私にあの頃のような刺激を与え、私を正常に戻してくれた。
そう。ストリートファイトは、私を”別の”正常に戻してくれた。
では殺し合いはどうだろう?
この状況は、これ以上なく刺激的だ。
刺激のない人生では、体は錆びつき、頭が腐ってゆく。
それが耐えられない。
この状況は、これ以上なく刺激的だ。
刺激のない人生では、体は錆びつき、頭が腐ってゆく。
それが耐えられない。
(……………う~ん)
だが、命のやり取り、これは行き過ぎなんじゃないだろうか。
どちらにせよ、大手を振って歓迎できる状況ではないのは確かだ。
どちらにせよ、大手を振って歓迎できる状況ではないのは確かだ。
(ま、いっか)
なにがいいのか全くわからないが、とりあえず思考を打ち切る事にする。
今後だのどうすべきかなどと、遠い考えに思いを馳せるのは自分には似合わない。
というか無理だ。
敵が来れば戦う。
自分にできるのはそれだけだろう。
今後だのどうすべきかなどと、遠い考えに思いを馳せるのは自分には似合わない。
というか無理だ。
敵が来れば戦う。
自分にできるのはそれだけだろう。
少し目を閉じてみる。
脳裏に浮かぶのは、赤と青と黄金の影。
脳裏に浮かぶのは、赤と青と黄金の影。
ドクンと、心臓が高鳴り全身の毛が疼く。
喜んでいると、マキはその感情の高ぶりを認める。
喜んでいると、マキはその感情の高ぶりを認める。
「自分と同じ、化物と出会えて嬉しいのか――――エアマスター?」
問いかけは”誰か”にではない。
自身の中にいる、エアマスターという名の化物にだった。
自身の中にいる、エアマスターという名の化物にだった。
「…………はぁ」
三千院家の借金執事こと綾崎ハヤテは海沿いで腰を落としながら溜息をこぼしていた。
いきなりこんなところに放り出されて殺し合いを強要されるとは。
自分の不幸もここに極まった、といった感じだ。
自分の不幸もここに極まった、といった感じだ。
両親が夢追い人という名のニートで、幼い頃から生活費を稼ぐためにバイト生活を送ってきた。
その挙句、クリスマスに1億5680万4000円の借金を残して両親が蒸発するわ。
その借金返済のために、とても親切な人たちに南国のパラダイスに連れて行かれそうになったりと、自分の人生は不幸が付き物だった。
だが三千院家に、ナギお嬢様に拾われて以来、波乱万丈はあれど、やっと生活は恵まれてきた。
そう思っていたのに、まさかここに来て、こんな大どんでん返しがあろうとは。
幾度目かになる溜息をこぼしながら、辺りを見渡した。
どうやらここは、海に囲まれた離島のようだ。
まあ幸い、サバイバルは得意だ。
例え裸で無人島に放り出されたとしても、生きて行ける自信がある。
だが、ここで行われるのはただのサバイバルじゃない。
人と人とが殺し合う、バトルロイアルだ。
そして、この島には野生動物よりも恐ろしいモノが潜んでいる。
その挙句、クリスマスに1億5680万4000円の借金を残して両親が蒸発するわ。
その借金返済のために、とても親切な人たちに南国のパラダイスに連れて行かれそうになったりと、自分の人生は不幸が付き物だった。
だが三千院家に、ナギお嬢様に拾われて以来、波乱万丈はあれど、やっと生活は恵まれてきた。
そう思っていたのに、まさかここに来て、こんな大どんでん返しがあろうとは。
幾度目かになる溜息をこぼしながら、辺りを見渡した。
どうやらここは、海に囲まれた離島のようだ。
まあ幸い、サバイバルは得意だ。
例え裸で無人島に放り出されたとしても、生きて行ける自信がある。
だが、ここで行われるのはただのサバイバルじゃない。
人と人とが殺し合う、バトルロイアルだ。
そして、この島には野生動物よりも恐ろしいモノが潜んでいる。
思いだされるあの光景。
RPGのラスボスみたいなドラゴンに。
ドル○ーガ宜しく、黄金の鎧を装備した騎士。
これまで日本刀を持ったとても親切な人たちやホワイトタイガー猫、果てにはロボットといった目茶苦茶なモノと戦った事のある自分でも、あんなのとまともに殺りあったら流石に死ぬ。
RPGのラスボスみたいなドラゴンに。
ドル○ーガ宜しく、黄金の鎧を装備した騎士。
これまで日本刀を持ったとても親切な人たちやホワイトタイガー猫、果てにはロボットといった目茶苦茶なモノと戦った事のある自分でも、あんなのとまともに殺りあったら流石に死ぬ。
あんな連中を相手にするのなら最低限、重火器くらいは必要だ。
まあ、流石にこんなリュックに重火器が入っているワケもないだろうけど。
せめて、何か身を守るれるモノが入っていればいいのだが。
まあ、流石にこんなリュックに重火器が入っているワケもないだろうけど。
せめて、何か身を守るれるモノが入っていればいいのだが。
僅かな期待を込めながら、支給されたリュックに腕を入れゴソゴソと中を漁る。
だが、期待に反して出てきたのは腕時計が一つ。
だが、期待に反して出てきたのは腕時計が一つ。
「懐中時計が別に支給されてるから、これは何か別のモノなんだろうけど……」
コ○ンのように麻酔針が出るわけでもあるまいし、いまいち用途がわからない。
試しに電源をいれて見るか?
試しに電源をいれて見るか?
「…………爆発とかしないだろうな、これ」
そんな不安を抱きながらも、恐る恐る電源を入れてみる。
幸いというかなんというか爆発はせず、ゆっくりと液晶に光が灯ってゆく。
腕時計の液晶に表示されたのは時間ではなかった。
中心に一つ。周りに多数。
映し出されたのは点滅する幾つもの光点。
動いている点もいくつかあれば、止まっている点もある。
幸いというかなんというか爆発はせず、ゆっくりと液晶に光が灯ってゆく。
腕時計の液晶に表示されたのは時間ではなかった。
中心に一つ。周りに多数。
映し出されたのは点滅する幾つもの光点。
動いている点もいくつかあれば、止まっている点もある。
「ひょっとしてこれは…………!」
この手のゲーム定番の便利アイテム。
いわゆる参加者探知機ではないだろうか?
これさえあれば不意を打たれる憂いもなく、参加者との接触も非接触も思いのまま。
戦うにも、逃げ回るも、人を探すにも使える万能品だ。
間違いなく、これは武器以上に役に立つ代物だ。
こんな当たりアイテムを引き当てるだなんて、不運続きな自分にしては珍しいくらいの幸運だ。
思いもよらぬ幸運に歓喜しながら試しにもう一度リュックを漁ると、手に硬いモノが触れる感触が。
いわゆる参加者探知機ではないだろうか?
これさえあれば不意を打たれる憂いもなく、参加者との接触も非接触も思いのまま。
戦うにも、逃げ回るも、人を探すにも使える万能品だ。
間違いなく、これは武器以上に役に立つ代物だ。
こんな当たりアイテムを引き当てるだなんて、不運続きな自分にしては珍しいくらいの幸運だ。
思いもよらぬ幸運に歓喜しながら試しにもう一度リュックを漁ると、手に硬いモノが触れる感触が。
「まだ、なにかあるみたいだぞ」
参加者探知機と言う便利アイテムを引き当てた上にまだ別のアイテムがあるだなんて。
こんなことに巻き込まれてなんなのだが、今の自分はいつになくついているのではないだろうか?
そうだ、この事態がトドメとなったのだろう。
ついにここに来て自分の不運も底をつき、ツキが回ってきたんだ。
こんなことに巻き込まれてなんなのだが、今の自分はいつになくついているのではないだろうか?
そうだ、この事態がトドメとなったのだろう。
ついにここに来て自分の不運も底をつき、ツキが回ってきたんだ。
「さ~て。なにが出るかな、っと」
鼻歌交じりに意気揚々と取り出したるは、拡声器という名の死亡フラグ。
「…………………………」
落ち着け。
落ち着くんだ綾崎ハヤテ。
落ち着いて素数を数えるんだ。
そうだ、逆に考えるんだ。
拡声器も使わなければ死亡フラグにはならないさ、と考えるんだ。
落ち着くんだ綾崎ハヤテ。
落ち着いて素数を数えるんだ。
そうだ、逆に考えるんだ。
拡声器も使わなければ死亡フラグにはならないさ、と考えるんだ。
「…………とりあえず、今のは見なかったことにしよう」
ゆっくり拡声器をしまいこむ。
嗚呼、でも何故だろう。
必ず自分がこれを使う状況に追い込まれる気がするのは。
嗚呼、でも何故だろう。
必ず自分がこれを使う状況に追い込まれる気がするのは。
――――桂ヒナギク。
よりにもよってヒナギクさんまでこんなことに巻き込まれているだなんて。
いくらヒナギクさんと言えども、過酷なこの状況を乗り切るのはかなり厳しい。
早く見つけ出さなければ取り返しのつかない事になってしまうかもしれない。
そうなる前に、早急にヒナギクさんを探しださなければ。
この参加者探知機があれば、見つけるのにもそう苦労はしないはずだ。
いくらヒナギクさんと言えども、過酷なこの状況を乗り切るのはかなり厳しい。
早く見つけ出さなければ取り返しのつかない事になってしまうかもしれない。
そうなる前に、早急にヒナギクさんを探しださなければ。
この参加者探知機があれば、見つけるのにもそう苦労はしないはずだ。
「…………よし」
指針は立った。
ならば、ゆっくりしている暇は無い。
立ち上がり、参加者探知機を右腕にはめて最も近い光点を目指した。
ならば、ゆっくりしている暇は無い。
立ち上がり、参加者探知機を右腕にはめて最も近い光点を目指した。
しばらく進み、ある程度光点の示す位置まで近づくと、見つからぬよう身を隠す。
そこから見えたのは、遠目からしてもなんもとわかりやすい影だった。
夜にも負けず輝きを放つ金ピカな男。
最悪のジョーカーである黄金の騎士だ。
たしか名前はギルガメッシュと言ったか。
そこから見えたのは、遠目からしてもなんもとわかりやすい影だった。
夜にも負けず輝きを放つ金ピカな男。
最悪のジョーカーである黄金の騎士だ。
たしか名前はギルガメッシュと言ったか。
最も近い位置にいた参加者が、あの男であると言うのは不運だが。
探知機がなければその存在に気付きもせず出会っていたことだろう。
まずは探知機に感謝しておく。
危険人物とわかれば長居は無用だ。
ひとまずこの場を離れ、次の参加者を探そう。
そう思い探知機に目を落す。
そこで、不運にも黄金の騎士に近づいている光の点を発見してしまった。
探知機がなければその存在に気付きもせず出会っていたことだろう。
まずは探知機に感謝しておく。
危険人物とわかれば長居は無用だ。
ひとまずこの場を離れ、次の参加者を探そう。
そう思い探知機に目を落す。
そこで、不運にも黄金の騎士に近づいている光の点を発見してしまった。
(まずい……このコースは)
双方、互いの存在にまだ気付いていないようだが。
このまま進めば確実にブチ当たる。
出会ってしまえば、行われるのは一方的な虐殺だろう。
近づいてくる人物を静止しようにも、こちらとその人物の間には黄金の騎士ギルガメッシュがいる。
こちらから近づくのは自殺行為だ。
かといって、ギルガメッシュを避け回り込んでいては静止は間に合わない。
このまま進めば確実にブチ当たる。
出会ってしまえば、行われるのは一方的な虐殺だろう。
近づいてくる人物を静止しようにも、こちらとその人物の間には黄金の騎士ギルガメッシュがいる。
こちらから近づくのは自殺行為だ。
かといって、ギルガメッシュを避け回り込んでいては静止は間に合わない。
「………………」
だが、方法はある。
近づいてくる人物を逃がす方法が一つだけ。
近づいてくる人物を逃がす方法が一つだけ。
だが、そんなことをしたら、ほぼ間違いなくこちらが死ぬ。
――――あの黄金の騎士に殺される。
死にたくないのなら、この場はすぐに立ち去るべきだ。
そうだ、どうでもいい他人のために命が賭けてどうするというのか。
踵を返し、その場を離れようとする。
――――あの黄金の騎士に殺される。
死にたくないのなら、この場はすぐに立ち去るべきだ。
そうだ、どうでもいい他人のために命が賭けてどうするというのか。
踵を返し、その場を離れようとする。
「………………ッ」
だが、足が動いてくれない。
逃げなきゃ駄目だ。
逃げなきゃ駄目だ。
逃げなきゃ駄目だ。
だって、そうだろう、そうしなければ自分が死んでしまうんだから。
逃げなきゃ駄目だ。
逃げなきゃ駄目だ。
逃げなきゃ駄目だ。
だって、そうだろう、そうしなければ自分が死んでしまうんだから。
だけど、それでも、
このまま放っておいたら…………。
『そこの人、逃げてください!!』
拡声器によって拡大された声が夜を打った。
こちらに気付いた赤い双眸が怪しく輝く。
こちらに気付いた赤い双眸が怪しく輝く。
…………あ~あ、使ってしまった。
【G-9 海沿い/一日目・深夜】
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】
[状態] 健康
[装備] 人ナビ@エアマスター
[道具] 荷物一式、拡声器
[思考] 1:ギルガメッシュから何とか逃げる
2:ヒナギクを探す
3:何とかして脱出する
[状態] 健康
[装備] 人ナビ@エアマスター
[道具] 荷物一式、拡声器
[思考] 1:ギルガメッシュから何とか逃げる
2:ヒナギクを探す
3:何とかして脱出する
【H-9 海沿い/一日目・深夜】
【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態] 健康
[装備] 王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)@Fate/stay night
[道具] 荷物一式
[思考] 1:参加者を皆殺しにする。
2:鬼(勇次郎)は自らの手で殺す。
[状態] 健康
[装備] 王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)@Fate/stay night
[道具] 荷物一式
[思考] 1:参加者を皆殺しにする。
2:鬼(勇次郎)は自らの手で殺す。
【相川摩季@エアマスター】
[状態] 健康
[装備] なし
[道具] 荷物一式 支給品不明
[思考] 1:考えなし、とりあえず襲ってくる輩は倒す。
[状態] 健康
[装備] なし
[道具] 荷物一式 支給品不明
[思考] 1:考えなし、とりあえず襲ってくる輩は倒す。