【名前】
マスターテリオン
【出典】機神咆哮デモンベイン
【性別】男
【名ゼリフ】]
「マジ使えねぇな貴公」
「さあ、神の遺物を纏う奏者よ。いざ命を賭して歌うがいい。あの忌まわしきフルートが奏でる、狂った輪舞曲の調べに乗って」
「―――そうか。これが、己が半身を奪われる怒りと……憎悪というものか」
【本ロワでの動向】
邪神と最強の魔術師の子である、悪の秘密結社ブラックロッジを束ねる大導師。
しかし生誕も含めて邪神に絶対悪を負わせられ永遠に続く輪廻をループされたことで擦り切れており、宿敵以外との戦いには基本無気力。
己に課せられた役に囚われる大導師のスタンスは当然マーダー一択。
黒幕であるナイアの息がかかっており、ロワの真実を知り得ているため実質的な
ジョーカーともいえる。
かといって特に優遇もなく(そんな必要のないチートだし)、ナイア達の指示に従うこともなくあくまで自らの欲するままに動いている。
なお今回のテリオンは記憶がかなり混濁しているようであり、時折身に覚えのない経験を無意識に語ったり、突拍子もない行為に走ったりとどこか不安定……というよりネタっぽい面が見られる。
元々のキャラ設定故見逃されていたが、これはループと分岐の蓄積によりテリオンの「駒」としての立ち位置にブレが生じているためであり、黒幕がロワを起こした原因に繋がる伏線であることが回収された。
そのネタっぽい一面はドラマCDにおけるはっちゃけっぷりを下敷きにしているため原作再現と言えなくもない。
ちなみにどれくらいかというと「あの」ドクター・ウェストがツッコミに回らざるを得ず匙を投げてしまう程である。
半身たるナコト写本は没収され、制限という名のアニメ未使用技の封印という枷を嵌められながらも大導師は大暴れだった。
特にシンフォギアG勢とはOTONA含め全員と戦闘しどれも勝利するという、凄まじく深い因縁で繋がれている。
響をボコり、翼を叩きふせ、クリスを涙目にさせ、マリアさんにはまさかの不戦勝。あまりのヘタレぶりにマジ使えねぇな貴公と更に駄目出し。
生き長らえこそはしたが揃いも揃って深いトラウマを刻み込みまくり、その後の再戦も全員と纏めて相手をするなど、もはやシンフォギア作品のラスボスかのような構図だった。WAシリーズにクトゥルフ要素も含まれていたからだろうか……。
その後も超大型巨人をワンパンでぶっ飛ばし調査兵団組を唖然とさせるなど自重しない暴れぶりだったが、それが災いして対主催・マーダー双方に大きく警戒されることで接触の機会が減ってしまい、ピリ辛レッドデーモンズヌードルで腹を満たしブルーアイズマウンテンを味わってもほんのひと時無聊を慰める程度で、本人の不満は募っていくばかり。
その為翼やアルトの話からテリオンが主催者と繋がりがあると踏んで海馬が自ら赴いて来た時には、できるだけ長く戯れるよう敢えてデュエルの原型で魔術でもあるディアハをもちかけたりもした。
この時の様子は非常に楽しげと言うかノリノリで、まるで別人が憑依しているかのようだとも言われた。髪もキャベ……緑っぽいし。
ディアハの結果は一日の長がある海馬に敗れるも、良い退屈凌ぎだったご満悦。ディアハの結果を穢すのは無粋であるとして望みの情報を渡し、敗者でありながら堂々と勝者を送りだした。
このように見所のある人物は見逃すことが多いのもあって終盤まではスコアは控えめだった。唯一心躍らせてくれる大十字九郎が所属するチームロリコンには中々に情報が伝わらなかったのも、大導師の鬱屈に拍車をかけていた。
しかし中盤以降にエセルドレーダを取り戻しリベル・レギスが召喚となってからは、テリオンにも充足の時が来た。
早乙女アルトとグラハム・エーカーのスパロボ共演経験もある中村スペシャル、機械神相手に生身で立ち向かう風鳴玄十郎、江田島平八、
タクアン和尚、黄金バットらのOTONA勢。
神の座に届かぬ身で己に食らいつく人間の輝きに、無限に続く牢獄に飢え、飽いていたテリオンは大十字九郎に対してと同様に強く憎悪し、同時に羨望した。
その九郎とも巨人を駆逐している最中遂に再会を果たす。
巨人という無粋な邪魔者が沸いて出ており、九郎の意識は仲間たちを護ることに向いており、互いに制限で全力を出せなかったため、ここでは決着をつけようとせず、ヴィヴィオを浚いチームロリコンを煽る。
聖王としてあったなら少しは楽しめたのだがと嘆息しつつヴィヴィオと語らいを続け、追ってきた九郎たちと落ち着いた場所で幾ばくかの因縁やこの宇宙の真実にまつわる話を交わしてから彼女を返し、万難を排しての決着を宿敵に誓ってこの時は別れた。
参加者も三分の一以下となった最終局面。かくして時は満ち、聖書の獣は黙示を告げに顕れる。
無限の絶望と恐怖から解き放たれる為に。永劫のときを経て積み上げた怨念。光に生きる者に余さず纏めて極める為に。
しかし、この殺し合いを勝ち抜いても、逆に敗れ去っったとしても、マスターテリオンに待つのは邪神が囲む新たな螺旋のループの宇宙。
変わりはしない。終わりはしない。結果がどうあってもこの場で己の救済などありはしない。
それでも彼はそう在るしかなかった。絶望の謳い手であるしかなかった。
その狂気を薄めてくれる宿敵、大十字九郎との対峙。しかし直前の
東方不敗との激戦で九郎は満身創痍。
流れに乗じた集まった覇王軍も雪崩れ込む中、九郎の体を休めさせ、かつ戦意を煽る為の前座として残る対主催の連合に挑む。
しかし、そこに前座で終わろうとする者など一人としていない。動けぬ九郎もまた仲間を信じて見届ける。
以前軽くあしらったシンフォギア奏者は遥かに強さと輝きを増しており、それに追従する空を愛する男たちの織りなす輪舞は、次第にリベル・レギスをも追い詰めていく。
かつての九郎の如き急激な成長振りに歓喜しつつ、それでもなお譲らぬ気迫を見せ押し返す中で、起死回生の特攻を敢行し機体に取り付くのは蒼穹の翼を駆る地球連邦軍の軍人、グラハム・エーカー。
モーメントとの接続により出力を増大させたトランザムの自爆により、遂にリベル・レギスは爆散し、悪の十字架を背負わされた咎人もまた蒼の爆炎に包まれた。が―――……
「させるか…させるか…!マスターを…マスターを滅ぼさせてなるものか……!」
テリオンですら抗えぬ死の奔流を、エセルドレーダは決死で食い止める。
絶対の忠誠を誓う主を守りきる代償に、己の力を使い果たして最古の魔導書、ナコト写本はページの断片と消える。
その時彼に去来したのは―――かつてない虚無。そして、怒りと憎悪。
爆発した激情は生きとし生ける者全てに恐怖を覚えさせ、正真正銘の孤軍でありながら一瞬で形勢を覆す。
響達を紙屑のように薙ぎ払い、平八と玄十郎を引き裂き、絶望を振りまく邪悪の化身……否、人の怒りを掲げる一人の魔導士。
半身を喪い虚空に堕ちる心に―――その時ふと、歌が届いた。
「翼……?」
「剣だッ!!」
マイクではなく剣を片手に歌う戦姫。こぶしを握り語られる演歌調。
アルト駆るデュランダルのモーメント相乗式フォールドウェーブプロジェクターに映し出される「翼の舞」。
アーチャーの助言から己の心の欲するままに歌った翼の歌はシンフォギアの限定解除、のみならずテリオンの絶望に一筋の光を差す。
胸の真中を貫く白閃。デモンベインでない「魔を断つ剣」に討たれる最期。
思いもしなかった結末に驚きつつも納得し、例え一瞬でも己の絶望を晴らした翼に心よりの称賛を送る。
もし、生まれ変わるのならまたエセルドレーダと共に、と願いながら最悪の魔神は人として光に消えた。
シンフォギアキラーにしてOTONAキラー、ニンジャヘッズに決闘脳(初期症状)と通り名の如く多くの称号を得た大導師。
ナイアラルホテップの計画の崩壊によりその魂は解放され、彼にも救済がもたらされることとなるのであった。
最終更新:2013年10月31日 01:59