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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

疲れたときには糖分を

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rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集

 
 
「のりさん、この公式って分かりますか?」
「どれ? …うーん、ここはχに数字を代入して…」

 定期テストも差し迫ったある放課後、のりは勉強会と銘打って巴の家で巴と一緒に勉強していた。
 勉強会、と言ってものりのが年上だから必然的に教えるのが多くなる。
 どっちかと言うと家庭教師に近いだろう。でもそんな事はどうでも良い。
 テスト週間でお互いに一緒にいられる時間が減ってしまう中で逢う、その為の口実だった。
 それは巴も察していたが、同じ心情だったので何も言わずに受け入れているのが現状だ。

「…なるほど、こうすれば良かったんですか」
「そうよ。難しいって思い込むから分からなくなるのよ。落ち着けば解けるんだから」
「ありがとうございます。すいませんね、教えてもらってばっかりで…」
「ううんいいのよ。ここのが落ち着いて勉強できるし」

 前に一度のりの家で勉強を一緒にした事があったが、雛苺や翠星石がいるからとても落ち着いて勉強出来なかった。
 特に雛苺は巴がいると大喜びで飛び付いて来るからその相手で勉強時間は消えてしまう。
 普段ならいくらでも遊んであげるのだが、今は話が別だ。

「それに、巴ちゃんと一緒にいられるから」

 いつもと変わらぬ笑顔で言われて、巴も頬を赤くして微笑んだ。

「…そう、ですか。なら良かったです」
「うん。じゃあ、続きしよ。どこが分からないんだっけ?」
「えっと…ここなんですけど…」
「どれどれ…ふうん、なるほどここね…」

 勉強を再開し、二人は再び問題集に向かい合った。

 それから一時間後、さすがに疲れてきて巴があくびを一つ漏らした。
 それを見たのりにもあくびがうつり、同じように漏らす。

「…ちょっと疲れたね。休憩しよっか」
「そうですね。ちょっとコーヒーでも淹れてきます」

 目に浮かんだ涙を拭いながら巴が立ち上がり部屋から出て行った。

 しばらく待っていると、巴がお盆に湯気が立ったコーヒーが入ったカップ二つと角砂糖をいくつか乗せて戻ってきた。
 巴は床に座り、同じように座っているのりにカップを差し出した。
 コーヒーの香ばしい匂いが、疲れと眠気を少し晴らしたような気がした。

「のりさんは苦いのは苦手ですから少しミルクと砂糖大目にしておきましたよ」

 言われてコーヒーを一口飲む。確かにコーヒーの苦さが大分まろやかになっていて飲みやすい。
 自分の好みを把握してくれているのが嬉しく、のりはほんのりと微笑んだ。

「うん。飲みやすくて美味しいわ。ありがとう」
「口に合ってよかった。一応砂糖とか用意しましたから、好みで使ってください」

 そう言って巴も自分のコーヒーを飲む。
 それと同時に、のりはある事を思い出した。

「あ、そうだ。お菓子買ってきたんだった」
「お菓子?」
「うん。疲れたときには甘い物が良いかなって思って。ちょっと待っててね…」

 のりは鞄を開けて中を覗き込み、すぐにそれが入っているコンビニ袋を取り出した。
 更にその中から菓子の箱を取り出し、机の上に並べる。
 ブルーベリー味とオレンジ味と書かれたプレッツェル菓子がそれぞれ二つずつだ。

「新発売って書いてあったから二つ買ってきちゃった。一緒に食べ比べしよう」
「ええ。じゃあまずはこのブルーベリーを…」

 巴がそうブルーベリー味の方を指差すと、のりがそれを取り封を開け中からお菓子を取り出した。
 その一本を巴に手渡し、自分も一本取る。

「それじゃ、お先に」

 先にのりが一口かじり、巴も同じようにそれを食べる。
 ブルーベリーの爽やかな酸っぱさとほんのりとしたチョコの甘みが合っていて美味しい。
 これは当たりだな、と思った。

「結構美味しいね」
「甘さが抑えてて美味しいですね」
「じゃあ今度はオレンジの方開けてみるね」

 今度はオレンジ味の封を開け、同じように差し出し同じように二人とも食べる。
 ブルーベリーとは違う柑橘系特有の爽やかさが口の中に広がり、こっちもなかなか。
 一人納得したようにうんうんと頷く。

「こっちも美味しいね。巴ちゃんはどっちが好き?」
「そうですね…どっちかと言うとブルーベリーの方が好きかも知れませんね。オレンジも美味しいですけど」
「そっか。私もどっちかと言うとブルーベリーかな」

 コーヒーとお菓子を食べながらそんな他愛も無い話をしていく。
 やれ最近のドラマがどうだの、学校の様子がどうだの雛苺達はどうだの、話題は尽きずに楽しい時間が過ぎていった。


 どれくらい話をしていたのだろうか。
 のりがお菓子の入った箱に手を伸ばし、中から一本取り出そうとしたが何の感触もない。
 箱を取って中を見てみると、中は既にカラッポだった。
 もう片方の箱はどうだと見てみたが、そっちも既にカラッポである。
 話をしている間に全部食べてしまったようだ。

「もう無くなっちゃった。意外と早く食べちゃったわね」
「食べやすかったですから。ついつい摘まんじゃいましたね」
「もうちょっと食べたかったかな。もっと買ってこればよかった」

 名残惜しそうにその箱を見つめるのり。
 その様子を見て、巴は少し悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「…それなら」
「え?」
「ここに飛び切り甘いのがあるじゃないですか」

 不意に巴が近付いてきて、何かと思ってその方を向く。
 それと同時に巴の顔が目の前に来て、唇に柔らかい感触が。
 しばらくすると巴が口を離して、そこでキスされた事を理解した。
 その瞬間、のりの顔が一気に赤くなった。
 悪戯っぽく、そしてどこか大人びた巴にのりは思わず抗議の声を上げる。

「と、巴ちゃん!? 何して…!」
「何って、甘いマシュマロを食べようと…」
「こ、こら! からかうんじゃないわよ!」
「ふふ、美味しかったですよ。本当に甘くて」
「…もう…私のがお姉ちゃんなのに…」

 恥ずかしさと嬉しさが入り混じった複雑な感情が心の中で混ざり合い、のりは頬を膨らませて巴を睨む。
 巴はそれを気にせずに、笑みを浮かべながら元いた場所に戻って行った。

「じゃあ、続き始めましょう。機嫌直して」
「…もう…こういう時だけ子ども扱いするんだから…」

 それから勉強を再開したけど、のりはイマイチ勉強に集中できなかったとさ。

終わり
 

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