『ねぇー、すいせーせきぃー。』
『ん?なんですかぁー?そうせぇーせきぃー。』
『あのねー、ボクね、おっきくなったら、すいせぇせきと結婚するぅ。』
『・・・ふふっ、本当ですか?』
『うん!やくそくするぅ!』
『はい、・・・』
約束、ですよ。
「・・・・・。」
「翠星石ー?帽子とれた?・・・おーい。」
木の上に飛んでった蒼星石の帽子を取りに来て、その下でやっていた儀式を見てふと思い出す。
儀式とは、結婚式の事だ。
・・・・思えば幼いころに私たちは約束をしていたのだ。
叶うわけない約束だが。
・・、あんな事もあったのか何て、思い出し笑いをしてしまいそうになる。
「純粋、何かいい響きです。・・・ふふっ」
・・・・あの頃の私たちは本当に純粋で。
素直に物事を言えなくなった私と。
カッコ良くなった蒼星石。
対の双子。
・・・何て私たちの呼び方があったけれど昔は結構似ていたのだ。
今は、・・・今は・・・。
本当に性格もまるで反対になってしまった。
昔の事を思い出して、何だか少しだけ悲しくなる。
・・・それに。
「蒼星石は、もう覚えていないでしょうし。」
「僕が何だって?」
ひょこっと後ろから顔を覗かせる。
・・・蒼星石だ。
「い、いつからいたんですか?」
「今来たところだけど?君が何度呼んでも気づかないから来てみたけど、結婚式でも見てたのかい?」
「・・・・うっ。」
言わなくても、もうバレバレで。やっぱり敵わないなぁと心底思う。
「誰か結婚したい相手でもいるのかい?」
「・・・んなななぁ!」
「くすっ、君はブーケトスとか好きそうだよね。」
「バカなこというなです!ブーケトスなんて死んでもやらねーです!」
・・・だって。
「翠星石は蒼星石と幸せになるんですから。」
恥ずかしいながらも絞り出すように言ったその言葉。
聞き終えると、少しだけニコッと笑うように優しく微笑んで顔を近づける。
近・・・?え・・・・?
ちゅっ
「・・・・え・・・?ちょ!い、いきなり何を・・・!」
「誓いのキス。カミサマの前じゃないけどさ。」
びっくりしてる私を尻目に、続けるように言葉を発した。
「・・・病める時も、健やかなる時も、死が二人を別つまで。・・・・・なんてね。」
「そ、蒼星石・・・。」
ガサガサと木々を探る様にして飛んでった帽子を探す蒼星石。
「あ、みっけ。投げるから受け取ってね・・・っと。」
少し下にいる私に帽子を投げる蒼星石。
・・・その飛んでくる帽子が・・・まるで・・・・。
「・・・・あっ。」
拾わなかったせいで今度は地面に落ちていく帽子。
・・・。
「そ、蒼星石!」
「・・・え?」
「・・・・っ、だ、誰よりも大好きだけど、誰よりも大嫌いですぅ!蒼星石なんか!」
「えっ?ちょっと待ってよ!翠星石ー!」
・・・・あの帽子がブーケのようだった、何てことは絶対に言えない。
誰よりも大好きだけど、誰よりも大嫌い。
そのパスワードみたいな言葉は、限りなく好きだけど、限りなく嫌い。
・・・・意味を直訳すると。
自分にとっての一番の存在。

http://plantut.kyarame.com/
書いた本人ですが、以前書き忘れましたが、ここを元にこの小説を作成しました。
ご迷惑をお掛けした様なら、この場をお借りして謝罪させていただきます。