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短編 オディール×雛苺

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rozen-yuri

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「トモエー!」

外から元気の良い声が聞こえてくる。そういえば、この近くには公園があったかしら。
おそらく自分がよく知っているであろう女の子の声を聞きながら、ため息を吐いている自分がいる。あぁ、何故これが私の名前じゃないのかしら。

「あ、オディールなの!」
「こんにちは、雛苺。それと…」

気が付けば日傘を持って家を飛び出していた。一度も来たことのないこの公園に迷いもせず来れたのは自分の想いが強いからだと、心の中で呟いてみる。
そうよ、貴女になんて、負けていないわ。

「…巴さん、だったかしら?こんにちは。」
「…どうも」

あら、そっけない返事ね。少し気を悪くしたけれど、そんな素振りを見せずに誘う。

「ねぇ雛苺、巴さん。この近くに私の家があるのだけど、一緒にお茶でもどうかしら」
「オディールのお家、近くにあるの?雛、行ってみたいわ!」

ちょうど苺大福も買ってあるのよ、と付け足して、彼女の気を引こうとする。食べ物がなきゃ付いて来ないなんてことは、とりあえず考えない。

「巴さんはどうしますか?雛苺は、来るみたいですけれど」
「…私はいいです。久しぶりに貴女に会えて嬉しいみたいですし。…お邪魔になると、思うので」

少し雛苺の部分を強調しすぎたかしら。まぁいいわ。本当は凄く嬉しいけれど、ここであまり彼女と睨み合うのも、ね。

「お邪魔してごめんなさいね。それじゃあ雛苺、行きましょう」
「トモエ、また明日ね!」
「…ええ、また明日、雛苺」


黒い気持ちを隠すのって、意外と難しいのよ。作った笑顔は解りやすかったみたいだし。
まぁ、彼女も「雛苺」を強調していたとか、帰りぎわに目が鋭かったとか、そんなのはどうでもいいわね。
私の可愛い雛苺、今日は私がもらっちゃうわ。

最後に小声で呟くの。
「「貴女なんかに、渡さない」」

負ける気なんて、全く無いわよ?

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