夏が近くなれば日が暮れるのが遅くなる
だけど雨の日となれば話は別
だけど雨の日となれば話は別
「まだ6時なのに真っ暗ですぅ…」
そこで蒼星石が傘を持ってない事を思い出した
帰りが遅いのは、どこかで雨宿りをしているからかも知れない
もしくは、まだ学校にいるのかも…
帰りが遅いのは、どこかで雨宿りをしているからかも知れない
もしくは、まだ学校にいるのかも…
「できたてアツアツを食べて欲しかったですが、仕方ないですね…梅雨のアホんだらぁーです」
鍋の火を止め、傘を片手に家を飛び出した
第四話『アリスを目指して』
いつも私は、蒼星石にベッタリだった
何をするにも、どこへ行くにも
と、言うより私が蒼星石を連れ回していた
嫌な言い方をすれば、蒼星石から自由を奪っていたんだとも言える
やりたいことをやらせずに、こっちの都合は押し付けてきた
でも文句一つ言わず、着いてきてくれた
その優しさに、ずっと甘えていた
今までも、これからも、ずっとずっと甘えたかった
だけど、このままではいけないと気付く
ずっと一緒にはいられないんだと気付く
今思えば、蒼星石がバスケ部に入りたいと言った時、反対しなかった事が私の自立の第一歩だったのかもしれない
本当ならバスケなんか入らず、ずっと一緒にいて欲しかった
だけどそれじゃ今までと一緒…だからバスケだけは、一切干渉しないと決めていた
何をするにも、どこへ行くにも
と、言うより私が蒼星石を連れ回していた
嫌な言い方をすれば、蒼星石から自由を奪っていたんだとも言える
やりたいことをやらせずに、こっちの都合は押し付けてきた
でも文句一つ言わず、着いてきてくれた
その優しさに、ずっと甘えていた
今までも、これからも、ずっとずっと甘えたかった
だけど、このままではいけないと気付く
ずっと一緒にはいられないんだと気付く
今思えば、蒼星石がバスケ部に入りたいと言った時、反対しなかった事が私の自立の第一歩だったのかもしれない
本当ならバスケなんか入らず、ずっと一緒にいて欲しかった
だけどそれじゃ今までと一緒…だからバスケだけは、一切干渉しないと決めていた
それなのに──
「ミーティングが明日って…どういう事ですかね…」
声に出てた事に自分自身驚いた…が、誰にも聞かれていないのでスルーしよう
完璧主義に見える蒼星石も、おっちょこちょいな所があるから間違えただけなのかもしれない
それとも…考えたくはないが、嘘をつかれたのか…
完璧主義に見える蒼星石も、おっちょこちょいな所があるから間違えただけなのかもしれない
それとも…考えたくはないが、嘘をつかれたのか…
そんな事を考えていると、閉まった店の看板下で雨宿りをしている蒼星石を見つけた
―†―†―†―†―†―
「蒼星石っ!」
「す…翠星石…?」
「こんなに濡れて…大変ですぅ!」
「どうして…ここへ…?」
「どーせ雨が降ってきて帰れないんだろうと思ってたです!ここで会わなきゃ学校まで行くとこだったですよ!まさかこんなびしょ濡れだとは思わなかったですけど…」
「あはは…ゴメンね」
「謝らなくていいです!それより早く帰るですよ!風邪ひいたらもっと大変です!」
「す…翠星石…?」
「こんなに濡れて…大変ですぅ!」
「どうして…ここへ…?」
「どーせ雨が降ってきて帰れないんだろうと思ってたです!ここで会わなきゃ学校まで行くとこだったですよ!まさかこんなびしょ濡れだとは思わなかったですけど…」
「あはは…ゴメンね」
「謝らなくていいです!それより早く帰るですよ!風邪ひいたらもっと大変です!」
姉の優しさ
それを存分に感じながら帰る道のりは暖かかった
僕が何をされたのか…それを知ったらどう思うのだろう…
それを存分に感じながら帰る道のりは暖かかった
僕が何をされたのか…それを知ったらどう思うのだろう…
「ただいま…」
「ただいまですぅ」
「ただいまですぅ」
ほとんど会話もなく家に着く
ドアを開けると、とても美味しそうな匂いが広がっていた
ドアを開けると、とても美味しそうな匂いが広がっていた
「…いい匂い…」
「翠星石特製シチューです!作って待ってたですよ!」
「あ、ありがとう」
「でも蒼星石はその前にシャワー浴びるです」
「うん、そうするよ」
「翠星石特製シチューです!作って待ってたですよ!」
「あ、ありがとう」
「でも蒼星石はその前にシャワー浴びるです」
「うん、そうするよ」
カバンを置き、着替えを取るために自分の部屋へ向かう
そこで制服の胸元に、赤い点があるのを見つけた
外では暗くてわからなかったけど、血にしては鮮やか過ぎるシミ
数秒考え、理解する
認めたくない原因だった
そこで制服の胸元に、赤い点があるのを見つけた
外では暗くてわからなかったけど、血にしては鮮やか過ぎるシミ
数秒考え、理解する
認めたくない原因だった
「口紅…」
自らの唇に手を当てると、シミと同じ色に染まる
雨で流され、雫となって制服に付着したのだろう
雨で流され、雫となって制服に付着したのだろう
「…最悪だ…」
先生に口付けされた記憶が鮮明に蘇る
絡めてきた舌の感触や唾液の味まで…
思い出しただけで、震えが止まらない
また涙が溢れそうになる
絡めてきた舌の感触や唾液の味まで…
思い出しただけで、震えが止まらない
また涙が溢れそうになる
「…まさか…」
脱いで鏡の前に立つと、案の定、胸や下腹部にも口紅の跡があった
それ包むブラもショーツも、ご丁寧に内側だけ赤く染まっている
それ包むブラもショーツも、ご丁寧に内側だけ赤く染まっている
「…もう使えないな…」
口紅が衣類に付着すれば中々落ちないし、何よりそんなモノ、使う気になれない
下着は捨てるとして制服はどうしよう…
下着は捨てるとして制服はどうしよう…
「蒼星石ぃー!早く入れですよー!」
「あ、う、うん!今すぐ行く!」
「あ、う、うん!今すぐ行く!」
直接着いたわけじゃないし、制服自体も濡れている
洗濯機で洗えば落ちるだろう…
根拠のない期待を添えて、洗濯物の山に放り込んだ
洗濯機で洗えば落ちるだろう…
根拠のない期待を添えて、洗濯物の山に放り込んだ
それにしても…こんな事がこれから半年以上も続くのだろうか…
水銀燈先生は嫌いじゃない…むしろ好きな先生だった…
あんな事されるまでは…
水銀燈先生は嫌いじゃない…むしろ好きな先生だった…
あんな事されるまでは…
「…っ…」
自らの秘部に手を当てる
小一時間前には、ここを舌で舐められた
こんな所、自分でもトイレや風呂でしか触った事がない
それを…口で…
体が熱くなる
僕の中で何かが、崩れ始めていた───
小一時間前には、ここを舌で舐められた
こんな所、自分でもトイレや風呂でしか触った事がない
それを…口で…
体が熱くなる
僕の中で何かが、崩れ始めていた───
―†―†―†―†―†―
こんなに上手く行くとは思っていなかった
食事をしても、風呂を済ませても、そのことしか考えられない
いくら週休二日になったとは言え、酒は土曜の夜にしか飲まないのだが、今日は特別
勝利の美酒に酔いしれよう
食事をしても、風呂を済ませても、そのことしか考えられない
いくら週休二日になったとは言え、酒は土曜の夜にしか飲まないのだが、今日は特別
勝利の美酒に酔いしれよう
「ふふ…可愛いわぁ…」
携帯に収めた画像をひたすら見つめる
毎週見ている番組や楽しみにしているドラマなど、この数枚の画像に比べれば霞んでしまう程の魅力だ
毎週見ている番組や楽しみにしているドラマなど、この数枚の画像に比べれば霞んでしまう程の魅力だ
「あの時の嫌がり方も…ゾクゾクしたわぁ…」
何度見直しても惚れ惚れする
滅多に使わないカメラ機能だが、この日初めて感謝した
滅多に使わないカメラ機能だが、この日初めて感謝した
「ついに…私のモノになったのねぇ…」
それにしても偶然とは怖い
積み重なると奇跡とも呼べるモノになる
私が蒼星石を最初に見たのは入学式の日
新入生担当の教職員席から比較的近い席にいた蒼星石が目に入り、
まさに一目惚れと言うのだろうか、どうしても欲しくなった
惜しい事に1年目は担任にはなれなかったが、私が顧問を務めるバスケ部に入部してくれたお陰で接点を持つ事ができた
2年目も担任にはなれなかったが、数学やバスケを通じて距離を縮めた
3年目になり、ようやく担任になれた私は、今まで以上に接近した
バスケ部の顧問という事もあって、あっちからも来てくれた
そして弱みに付け込み…ついに禁断の果実に手を出した…
積み重なると奇跡とも呼べるモノになる
私が蒼星石を最初に見たのは入学式の日
新入生担当の教職員席から比較的近い席にいた蒼星石が目に入り、
まさに一目惚れと言うのだろうか、どうしても欲しくなった
惜しい事に1年目は担任にはなれなかったが、私が顧問を務めるバスケ部に入部してくれたお陰で接点を持つ事ができた
2年目も担任にはなれなかったが、数学やバスケを通じて距離を縮めた
3年目になり、ようやく担任になれた私は、今まで以上に接近した
バスケ部の顧問という事もあって、あっちからも来てくれた
そして弱みに付け込み…ついに禁断の果実に手を出した…
「真紅なんかよりよっぽど可愛げがあるわぁ…」
おそらく真紅もアリス高校を目指すだろう
学年NO1の学力は担任として誇らしい事だが、もはや真紅に興味はない
出来のいい天才より、悩める秀才だ
学年NO1の学力は担任として誇らしい事だが、もはや真紅に興味はない
出来のいい天才より、悩める秀才だ
「秀才だけど、何よりもお馬鹿さぁん…うふふ…たぁっぷり可愛がってあげなくっちゃねぇ…」
先ずは軽いとこから…
そう思いローターをカバンにしまう
ミーティング後、呼び出して渡せばどんな顔をするだろうか
そう思いローターをカバンにしまう
ミーティング後、呼び出して渡せばどんな顔をするだろうか
「あははははははは!」
今から笑いが止まらない
勉強に勤しむ事よりも、Hな事をする方がアリス高校への近道なんてあまりにもバカバカしい
勉強に勤しむ事よりも、Hな事をする方がアリス高校への近道なんてあまりにもバカバカしい
「あははははははは!」
高笑いしてると一通のメールが届いた
腹を抱えながら確認する
腹を抱えながら確認する
〔蒼星石の件、上手くいったようですね!おめでとうございます!(¬_¬ )〕
まったく…この部屋に監視カメラでも付けているのか
それともあの行為を見ていたのか
まだ数時間しか経っていないというのに、どこから情報を仕入れて来たのだろう…
大方推理だと思うが、頭が良すぎるというのも不気味なモノだ
それにこの文と顔文字のギャップ…
それともあの行為を見ていたのか
まだ数時間しか経っていないというのに、どこから情報を仕入れて来たのだろう…
大方推理だと思うが、頭が良すぎるというのも不気味なモノだ
それにこの文と顔文字のギャップ…
〔妬いてるのぉ?大丈夫よ。アナタもアナタで可愛がってあげるからぁ♪〕
TO 雪華綺晶
そう返信して、携帯を閉じた