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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

祝福の日、至福の時

最終更新:

rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集
愛の羽ばたき」の続編です。

 産業あらすじ
巴とオディールの関係が親にばれる
巴と両親大喧嘩
フランスへ逃避行


 月明かりが照るフランスのある郊外のアパートの一室、そこで巴は手紙を書いていた。
 手紙の送り先はジュンとのり、そして雛苺。
 フランスへ来て以来何の連絡も取り合ってなかったが、重大な事だけは知らせておくべきだと思って手紙だけ送る事に決めたのだ。

 そうしていると不意に玄関のベルが鳴り、手を休めて玄関の前まで向かう。
 そこまで来ると一旦足を止め、玄関扉に向かって口を開く。
『どちら様ですか?』
 フランス語で扉に向かってそう問い掛けると、数秒後に返事が返ってきた。
「私よ、巴」
 聞こえて来たのは流暢な日本語で、それでいて一番愛しい人の声。
 巴は警戒心を解き、チェーンを外して扉を開けた。
 そこには声の主である、巴の恋人であるオディールが立っていた。
『オディール、こんばんは』
「いいわよ、日本語で」
『でも、郷に入ったら郷に従えって日本のコトワザがあるわよ』
「遠慮しないで。私の前じゃ気楽にしてて」
 やれやれとでも言いたそうなオディールに窘められて、巴は少しして照れ臭そうな笑みを浮かべて頷いた。
 オディールを手招きして玄関に招き入れ、ちょっとした応接スペースへと案内する。
「何か飲む? ワインぐらいならあるけど…」
「そうね…じゃあ、一杯だけ貰うわ」
 それを聞いて巴はオディールを小型テーブルに着かせて自分はキッチンに向かう。
 ワインを二人分用意して戻り、オディールにワインの入ったグラスを差し出すと自分もその向かい側に座った。
「ありがとう。それじゃあ、乾杯」
「乾杯」

 チン、と軽い音を鳴らして二人はワインを一口飲み、軽く息を吐く。
 それからオディールがふと、壁際にある小型机の上にあった便箋たちに気が付いた。
「手紙書いてたの?」
「ええ。日本の友達と…雛苺に」
「雛苺…か。懐かしいわね」
「…もうずっと会ってないから…」
 巴は自分の指に嵌められている指輪を愛しそうに見つめて指でさすり、少し頬を染める。
「…せめて、結婚する事は知らせておこうかなって…」
「…そう」
 明後日には二人は結婚――厳密には結婚とは若干違うPACSというものだが――する。
 同姓婚に近い法律が認められているフランスに来て数年経ち、数ヶ月前に巴は正式にオディールからプロポーズを受けた。
 本来なら来てすぐにでもそうしたかったが、巴が生活に慣れ結婚資金が溜まるまで待つことを話し合って決めたのだ。
 そして数年が経って巴もフランスに慣れてお金も何とか溜まり、正式に結婚することになった。
「もうすぐ柏葉巴から巴・フォッセーに変わるのね…。何だか語呂悪い感じがするわね」
「そうかしら? 私は素敵な名前だと思うわ」
 二人ともフフッと笑い、ワインをもう一口飲む。
 だが巴の表情は少し複雑そうで、オディールは何を考えているのかすぐに思い当たった。
「…ご両親の事?」
「…結局、何の返事も来てないなって…」

 あの日…オディールと巴の関係がばれ、そのまま駆け落ちも同然でフランスへと逃げてきた巴。
 最初の頃は働き口とかで多忙を極め、最初の便りが出せたのは数ヶ月経って少し落ち着いた頃だった。
 だがそれの返事は無く、今でも週に一回は便りを送っているのだが未だに返事が来た事は一度も無い。
 もしかしたら、もう勘当しているつもりなのかも知れない…自分から飛び出していて虫がいいかも知れないが、そう考えると少し辛い。
「…仕方ないわね…私が順を追って説明しなかったから」
「…巴…」
 巴は自嘲気味に笑い、グラスに残っていたワインを一息で飲み干した。
 その様子が辛く見えて、オディールは立ち上がると巴を後ろから抱きしめた。
 オディールのやわらかい体と体温が心地良く、巴はそっと目を閉じる。
「…きっとご両親も、心のどこかでは許してくれてるはずよ」
「まさか…」
「きっとそうよ。あなたみたいな素敵な人を、親が愛してないはず無いじゃない」
 オディールの抱きしめる腕にギュッと力が篭る。
「…何があったって、私があなたを必ず幸せにするから。絶対に」
「オディール…ありがとう」
 腕の中で巴はオディールの方へと体の向きを変え、その首に腕を回し顔を少し近付けた。
「…これからも、ずっとよろしくね…」
「こちらこそ。何があったって、絶対に離れないから…」
 そのまま顔を近付け、唇と唇を重ね合わせる。
 キスは何度もしているが、その度にこの感触は絶対に誰にも渡したくない、そう思ってしまう。

―※―※―※―※―

 そして結婚式当日。
(とうとうこの日が…)
 式を挙げる予定の役場――フランスではまず役場で式を挙げる――を、巴は感慨深げに見上げていた。
 青い空に映えたその建物はとても美しく見え、今日の式が上手く行くように思えた。
「巴、行くわよ」
「あ…う、うん」
 そう見上げていると不意にオディールに呼ばれ、巴は少しドギマギしてオディールに連れられて役場に入っていった。

 それからスタッフに待合室へとそれぞれ連れて行ってもらい、手伝ってもらってウェディングドレスに着替させてもらった。
 そうして着替え終わり、スタッフ達も出て行って一人イスに座ってオディールが来るのを待つ。
(…晴れ姿、お母さん達にも見せたかったな…)
 その脳裏に浮かんだのは、ずっと会っていない両親の姿。
 やはり子としては自分の晴れ姿を良心に見てもらいたいのは当然の事だ。
 …しかし、ここはフランス。
 一応招待状は送ってあるが、日本からは離れ過ぎているし、何しろ今まで返事をくれなかった両親の事。
 来てくれるはずが無いだろう、そう思わざるを得ない。
 そんな事を思っていると、ノックする音が部屋に響いて巴は扉の方を見る。
『どうぞ』
 その返事から数秒経って扉が開き、ウェディングドレスに着替えたオディールが姿を現した。
「待った?」
「あ……」
 言葉が出ない、とはこの事か。
 オディールは金髪を結って纏め上げ、白いベールを被っており、その姿が彼女によく似合っていた。
 口を半分開けたまま見つめている巴に、オディールは少し首を傾げる。

「どうしたの?」
「…あ、ごめんなさい。ちょっと見惚れてた…」
「…ありがとう。巴もよく似合ってるわよ」
 オディールははにかみ、巴のドレス姿を見て頬を赤く染める。
 巴の方は割りとシンプルめなデザインだが、それがよく似合っている。
 巴も頬を赤く染めて微笑み、オディールの元へと近付いて行った。
「…じゃあ巴、そろそろ時間だから行きましょうか」
「ええ…」
 オディールは巴の手を取り、そして二人並んで式を挙げるホールへと向かって行った。

―※―※―※―※―

 役場での式は様々な書類にサインをしていき、市長によって愛の宣誓をしてもらうもので三十分足らずで終わった。
 ちなみに、当然出席客はオディールの親族や友人ばかり。
 巴側の出席者にもフランスで出来た親しい友人が来ていたが、親族の居るオディールと比べると少ない。
 そして当然、両親の姿も。

 役場で式を上げたあとは教会での宗教婚。
 そこへ移動し、今は準備が出来るまで待合室で二人は待っている所だ。
「…何だか緊張するわね」
「そうね。でも…楽しみ」
「…確かに」
 ドキドキしていて口数が少ないが、二人は笑顔だ。
 やがて時間になりスタッフが呼びに来て二人一緒にスタッフを着いていく。
 そして式会場の入り口へ来て、二人はお互い手を握り合った。
「…じゃあ、行くわよ」
「…ええ」
 二人とも頷き、会場への扉が開かれると長いバージンロードが伸びていた。
 BGMが流れて、二人はゆっくりと、そして確かに歩いていく。
 少しだけ首を横に向けオディールを見ると、その顔はこれまでに無く真剣で、いつも可愛いと言っていたけどこの時は凄くカッコよく見えた。
 何が何でも巴を幸せにする、そんな表情だ。
 その表情が心底嬉しくて、鼻にツンとしたものが突き抜ける。
 それでも涙が出るを堪えて、前を向いてしっかりと歩いていった。
 そうして一番前にある牧師の机の前で二人は止まり、牧師の宣誓が始まるのを待つ。
 だがその時、すぐ後ろから物音がして二人が振り向くと、そこにいる人物に二人とも驚いて停止してしまった。

「…お父さん…お母さん…」
 そこにいたのは来るはずが無いと思っていた巴の両親だった。
 様子がおかしい二人の様子に招待客の視線がそこに集まる。
「…来てくれたの…」
 一瞬嬉しさが込みあがってきそうになったが、「まさか日本に連れ戻しに来たんじゃないか」と嫌な想像が浮かんでしまった。
 その二人に両親は近付いて行き、巴のオディールの手を握る手に力が入る。
 そして両親が二人の前まで来ると、一つ咳払いをして口を開いた。
「…おめでとう」
「え…」
「よく似合っているよ。巴」
 父親から出たその言葉に一瞬唖然とし、そして次には引っ込んでいた嬉しさが込みあがってきた。
 次に両親はオディールの方を向き、しっかりとその目を覗き込んだ。
「…娘をよろしくお願いします」
 二人から頭を下げられ、オディールは真面目な表情で「はい」としっかり頷いた。
 それで巴は嬉しさを堪えきれず大粒の涙が目から溢れ出し、二人に抱きついていった。
「…ごめんなさい…こんな娘でごめんなさい…!」
「幸せか、巴」
「うん…うん…!!」
「…ならいいんだ」
 子供のように泣きじゃくり、何度も首を縦に振る。
 その巴の肩にオディールは優しく手を置いた。
「言ったでしょう? いつかきっと許してくれるって…」
「…うん…!」

 その感動シーンに少しずつ拍手が起き始め、最後には会場全体から拍手が響き渡っていくほどになった。
 その拍手を一身に受け、巴はしばらくその抱擁をやめることは無かった。

 数分経って式は再会され、それからは滞りなく進行していった。
 そうして指輪を交換し、誓いのキス。
「…いいわね」
「ええ」
 巴は頷きしっかりと見詰め合ってからキスを交わす。
 そして会場から拍手が起き、手をしっかりと握り唇の感触をしっかり感じ取る。
 もう迷いは無い、オディールとなら必ず幸せになれる。
 その確信が巴の中で生まれて、唇を離してお互いに涙を流して微笑みあった。
 そして、今日という幸せな一日は絶対に忘れることが無いだろう、という確信も。

終わり



後日談

オデ「巴、日本から宅急便が届いてるわよ」
巴「日本から? …あ、のりさんと柿崎さんからね。懐かしいわ」
オデ「手紙が入ってるわよ。はい」
巴「えーと…」
“結婚おめでとう、久しぶりの手紙でビックリしちゃった…
(中略)
 結婚祝いの品物をお送りします。私もめぐちゃんと良く使ってます”
巴「…だって。何だろう」
オデ「あった。これの事かしら」


巴「……」
オデ「…枕? YESとNOって書いてあるけど…どう使うの?」
巴(YES NO枕…あの二人こんなの使ってるのね…)


YES NO枕って日本だけなのだろうか。というかこんな枕あるのだろうか。

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